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"101000711_0": "なお昏き深淵の底から",
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"101000711_1": "「……あなたが気にやむ必要はありませんよ。命に別状はありま\\n せんでしたし、絶唱は翼さんが自ら望み、唄ったのですから」",
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"101000711_2": "「でも……」",
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"101000711_3": "「……ご存知とは思いますが、以前の翼さんは\\n アーティストユニットを組んでいました」",
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"101000711_4": "「ツヴァイウィング、ですよね……」",
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"101000711_5": "「その時のパートナーが天羽奏さん。今はあなたの胸に残る、\\n ガングニールのシンフォギア装者でした」",
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"101000711_6": "「2年前のあの日、奏さんはノイズに襲撃されたライブの被害を\\n 最小限に抑えるために、絶唱を解き放ったんです……」",
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"101000711_7": "「絶唱……翼さんも言っていた……」",
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"101000711_8": "「絶唱は装者への負荷を厭わず、シンフォギアの力を限界以上に\\n 解き放つ術です」",
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"101000711_9": "「ノイズの大群を一気に殲滅せしめましたが、\\n 同時に奏さんの命を燃やし尽くしました……」",
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"101000711_10": "「……奏さんが居なくなり、1人になった翼さんはその穴を\\n 埋めるべく、自分を殺し、一振りの剣として生きてきました」",
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"101000711_11": "「そして今日、翼さんはその使命を全うすべく、\\n 死ぬことすら覚悟して、絶唱を唄いました……」",
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"101000711_12": "「防人の生き様……覚悟を見せてあげるッ<speed=1>!</speed>\\n あなたの胸に、焼き付けなさいッ!」",
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"101000711_13": "「覚悟……」",
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"101000711_14": "「……不器用ですよね。同じ世代の女の子が知ってしかるべき\\n 恋愛も遊びも覚えず、ただ剣として戦ってきたんです」",
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"101000711_15": "「でもそれが、風鳴翼の生き方なんです」",
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"101000711_16": "「そんなの、酷すぎます……」",
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"101000711_17": "「そしてわたしは翼さんの事を何も知らずに、\\n 一緒に戦いたいなんて、奏さんの代わりになるだなんて……」",
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"101000711_18": "「僕も、あなたに奏さんの代わりになってほしいなんて思って\\n いません、誰もそんな事は望んでいません」",
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"101000711_19": "「……響さん、僕からのお願いを聞いてもらえますか?」",
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"101000711_20": "「……え?」",
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"101000711_21": "「翼さんの事を、嫌いにならないで下さい。\\n 翼さんを、世界にひとりぼっちになんてさせないで下さい」",
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"101000711_22": "「はい……」",
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"101000711_23": "「……気になるのは、ネフシュタンの鎧をまとった少女の狙いが、\\n 響くんだということだ」",
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"101000711_24": "「それが何を意味しているのかはまったく不明……」",
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"101000711_25": "「いいや。個人を特定しているならば、\\n 我々二課の存在も知っているだろうな」",
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"101000711_26": "「内通者、ですか……」",
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"101000711_27": "「なんでこんな事に……」",
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"101000711_28": "「わたしのせいです……。わたしが、悪いんです……」",
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"101000711_29": "「……響くんのせいじゃない」",
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"101000711_30": "「シンフォギアなんて強い力を持ったのに、\\n わたしがいつまでも未熟だから……」",
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"101000711_31": "「翼さんだって、ずっとずっと泣きながらも、\\n それを押し殺して戦っていたのに……」",
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"101000711_32": "「響くん……」",
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"101000711_33": "「……わたしだって守りたいものがあるんですッ!\\n だから――ッ!」",
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"101000711_34": "(――だから、わたしはどうすればいいんだろう)",
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"101000711_35": "「響?」",
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"101000711_36": "「未来……」",
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"101000711_37": "「最近、1人でいる事が多いんじゃない?」",
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"101000711_38": "「そ、そうかな? そうでもないよ? わたし、1人じゃ\\n なんにもできないし、この学校だって未来が進学するから――」",
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"101000711_39": "「……響、無理してるんじゃないの?」",
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"101000711_40": "「……うん、やっぱり未来にはわかっちゃうよね。\\n でもごめん……もう少し1人で考えさせて」",
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"101000711_41": "「……あのね、響。どんなに悩んで考えて、出した答えで\\n 一歩前進したとしても、響は響のままでいてね」",
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"101000711_42": "「わたしのまま……?」",
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"101000711_43": "「変わってしまうんじゃなく響のまま成長するんだったら、わた\\n しも応援する。だって響の代わりはどこにもいないんだもの」",
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"101000711_44": "「……ありがとう、未来。\\n わたしは、わたしのまま歩いていけそうな気がする」",
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"101000711_45": "(わたしは、わたしのまま強くなりたい。\\n ううん、強くなるんだ……ッ!)",
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"101000711_46": "「あのね、響。1つだけ謝らせて?」",
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"101000711_47": "「……え? 何のこと?」",
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"101000711_48": "「これ、流れ星の動画。この前一緒に見られなかったから、撮って\\n たんだ。すぐに言えなくて、隠し事みたいになっちゃって……」",
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"101000711_49": "「そ、そんなッ! 約束を守れなかったわたしが悪いんだし、\\n 未来が謝る事なんてないよッ!」",
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"101000711_50": "「ううん。わたし、響には隠し事とかしたくなかったから……。\\n ちょっと心苦しかったの」",
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"101000711_51": "「隠し事……」",
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"101000711_52": "「わたし、響には二度と隠し事とかしたくないな」",
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"101000711_53": "「わたしだって、未来に隠し事なんて――」",
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"101000711_54": "(――してる。\\n でも、シンフォギアの事を話したら未来まで危険に――)",
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"101000711_55": "「しない<speed=0.5>、</speed>よ……」",
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"101000711_56": "「うん、ありがとう、響」",
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"101000711_57": "<size=40>「たのも――ッ!」</size>",
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"101000711_58": "「な、何だいきなりッ!?」",
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"101000711_59": "「わたしに、戦い方を教えてくださいッ!」"
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