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"354000432_0": "「わたしは可愛くなんてありません。\\n オトナの女なので」",
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"354000432_1": "「それ何回言うのよ……」",
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"354000432_2": "「サンジェルマンさんに理解してもらえるまでです」",
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"354000432_3": "「ハァ……」",
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"354000432_4": "(……まぁ、この子に言っても、\\n 錬金術のことはわからないわよね)",
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"354000432_5": "「一応言っておくけど、私にしてみれば、\\n 貴方どころか貴方のご両親だって可愛らしい子供よ」",
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"354000432_6": "「え?」",
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"354000432_7": "「私、何百年も生きているから」",
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"354000432_8": "「どう見ても『お姉さん』くらいの年齢にしか\\n 見えないんですけど」",
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"354000432_9": "「見た目はね。\\n でも、生きている時間は違う」",
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"354000432_10": "「そんな、魔法使いでもあるまいし……」",
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"354000432_11": "「普通の人間に、あのマスコットを吹き飛ばせると思う?」",
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"354000432_12": "「それは……でも……」",
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"354000432_13": "「え、まさか本物の……?」",
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"354000432_14": "「長い時を生きた私から、貴方にお願いがあるの」",
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"354000432_15": "「家族を大事に思うのなら、今という時間を大事にしてほしい」",
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"354000432_16": "「……話を聞いてなかったんですか?\\n わたしは、弟たちにムカついてるんです」",
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"354000432_17": "「でも、心配して探しているんでしょう?」",
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"354000432_18": "「ち、違いますッ!\\n オトナとしての責任ですッ!」",
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"354000432_19": "「貴方は命に関わる危機が迫っていると知りながら、\\n 逃げずに弟たちを探すと言った」",
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"354000432_20": "「普通の大人だって、恐ろしくて出来ないわ。\\n 無謀だけど……同時にとても優しい行為」",
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"354000432_21": "「優しくなんて……」",
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"354000432_22": "「時間なんて、\\n お願いしなくても勝手に流れていってしまうものよ」",
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"354000432_23": "「きっといつか、家族といられる今が過去になって、\\n 懐かしいと思うようになる」",
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"354000432_24": "「……サンジェルマンさんにも、\\n 懐かしく思う人がいるんですか?」",
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"354000432_25": "「いるわ。\\n いつまでも、忘れがたい人が……」",
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"354000432_26": "「そう……ですか……」",
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"354000432_27": "「それに、一緒にいる今を大事にしたい人も、ね」",
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"354000432_28": "「……ッ!」",
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"354000432_29": "「お、オトナです……ッ!」",
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"354000432_30": "「え?」",
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"354000432_31": "「サンジェルマンさんはオトナの女性ですッ!\\n わ、わたしの理想がこんなところに……」",
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"354000432_32": "「ち、ちょっと待って。\\n 私はそんな大層なものじゃ……」",
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"354000432_33": "「どうしたらサンジェルマンさんみたいな\\n かっこいいオトナになれるんですか? 教えてくださいッ!」",
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"354000432_34": "「……やっぱり言うんじゃなかったわ」"
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