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{
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"321000521_0": "「魂ごと真っ二つにしてやるデスよッ!」",
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"321000521_1": "「フ……先程から口ばかりではないか」",
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"321000521_2": "(やっぱりこいつ、相当速いデスッ!)",
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"321000521_3": "「確かその鎌、イガリマと言ったか?」",
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"321000521_4": "「そ、それがどうしたデスか?」",
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"321000521_5": "「なに。いかに強力な呪力が込められていようとも、\\n 当たらねば意味がないと思ってな」",
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"321000521_6": "「まさに宝の持ち腐れというもの」",
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"321000521_7": "「フ……だが、安心するがいい」",
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"321000521_8": "「この我が使いこなしてやろう――。\\n <ruby=けんぞく>眷属</ruby>となり果てた貴様ごとなッ!」",
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"321000521_9": "「受け容れるがいいッ! 我が魂の欠片をッ!」",
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"321000521_10": "「鮮血の針ッ!?」",
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"321000521_11": "「くうッ!?」",
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"321000521_12": "(あ、危なかったデスッ!\\n あれにチクリとやられでもしたらおしまいデスッ!)",
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"321000521_13": "「よくぞ躱した――と言いたいが、針に気を取られすぎだな」",
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"321000521_14": "「なッ? しまったデ――」",
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"321000521_15": "「ぐはッ!?」",
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"321000521_16": "「げふッ!」",
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"321000521_17": "「フフ……どうした? 我を滅するのではなかったか?」",
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"321000521_18": "(こいつ、やっぱり強い……)",
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"321000521_19": "(スピードも、パワーも、桁違いデス……)",
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"321000521_20": "(本当に、アタシ1人でこいつを倒せるデスか……?)",
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"321000521_21": "(……いや、アタシがやらなきゃ、調たちが……)",
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"321000521_22": "(それだけは駄目デス)",
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"321000521_23": "「絶対に……絶対に、みんなを助けるデスッ!」",
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"321000521_24": "(どうにか隙を作って、この銃を――)",
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"321000521_25": "「<ruby=さえず>囀</ruby>るだけなら鳥でもできる」",
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"321000521_26": "「その程度の腕前で我を滅ぼそうなどと。\\n 口にするだけでもおこがましい」",
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"321000521_27": "「その余裕の顔――今すぐ崩してやるデスッ!」",
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"321000521_28": "「はああああ――ッ!!」",
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"321000521_29": "「間合いの外からッ!? 飛翔する斬撃だとッ!?」",
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"321000521_30": "「クッ!」",
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"321000521_31": "「今デスッ!!」",
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"321000521_32": "「懐から銃……」",
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"321000521_33": "「まさか、それは――ッ!?」",
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"321000521_34": "「遅いッ! こいつを食らうデスッ!」",
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"321000521_35": "「なッ……消えた……?」",
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"321000521_36": "「は、外したデスッ!」",
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"321000521_37": "「先ほどまでのスピードが、我の本気だと思ったか?」",
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"321000521_38": "「後ろッ? いつの間にッ?」",
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"321000521_39": "「やはり、あの時の銀の弾丸か。忌々しい」",
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"321000521_40": "「だが、その手は二度も食らわぬわ」",
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"321000521_41": "「二度……?」",
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"321000521_42": "「こちらの話だ。\\n ともあれ、頼みの切り札も無駄に終わったようだな」",
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"321000521_43": "「あ……ああ……」",
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"321000521_44": "(アタシたちの最後の希望を……。\\n アタシは、無駄にしてしまったデスか……)",
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"321000521_45": "「さあ、観念して我が下僕になれッ!」",
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"321000521_46": "「まだ……まだデスッ!」",
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"321000521_47": "(こうなったら、イガリマの絶唱しかないデスッ!\\n でも――、絶唱を使ったら、アタシは……)",
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"321000521_48": "「どうした? まだ何かあるのか?\\n ……そうか、そういえばあの時も何かしようとしていたな」",
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"321000521_49": "「面白い。手があるなら見せるがいい。今度は退かぬ。\\n 正面からそれを受けてやろう……だが、効くかな?」",
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"321000521_50": "「アタシを……イガリマを、なめないでほしいデスッ!\\n そんなに両断されたいなら、見せてやるデスよ……」",
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"321000521_51": "(アタシが死んでも、コイツを倒せばみんなは助かるデス。\\n ……それなら、みんなのためなら、やってやるデスよッ!)",
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"321000521_52": "(……さよならデス、みんな……)",
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"321000521_53": "「むッ!? なんだとッ!?」",
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"321000521_54": "(誰デスか?)",
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"321000521_55": "「き、貴様は――クルースニクッ!?」",
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"321000521_56": "「…………」",
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"321000521_57": "「おのれ、忌まわしきヴァンパイアハンターめがッ!」",
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"321000521_58": "「なぜ蘇ったかはわからぬが、\\n 今一度その息の根を止めてやろうッ!」",
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"321000521_59": "「攻撃が当たらぬ、だと……?」",
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"321000521_60": "「ああ……なるほどな。そういうことか」",
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"321000521_61": "「ミイラ取りがミイラならぬ、ヴァンパイアハンターが\\n 亡霊になり果てるとは、とんだお笑いぐさではないか」",
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"321000521_62": "「亡霊……?」",
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"321000521_63": "「先ほど外した弾丸の思念体といったところだろう」",
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"321000521_64": "「…………」",
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"321000521_65": "「図星の様だな」",
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"321000521_66": "「どうした、我が仇敵よッ!」",
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"321000521_67": "「せっかく会いに来たというのに、ただ恨めしそうに睨むだけか?\\n ククク……」",
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"321000521_68": "「所詮は人間の妄執の残滓。今更、何が出来るというのだ?」",
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"321000521_69": "「………」",
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"321000521_70": "「むッ?」",
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"321000521_71": "(こ、こっち向いたデスッ!?)",
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"321000521_72": "「そこの少女に問おう」",
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"321000521_73": "「あ、アタシに……? なんデスか?」",
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"321000521_74": "「俺たちヴァンパイアハンターの使命は\\n ヴァンパイアを討ち滅ぼすこと」",
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"321000521_75": "「ヴァンパイアハンター……?」",
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"321000521_76": "「お前は、その使命を受け継ぐ意志と覚悟があるか?」",
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"321000521_77": "「受け継ぐ……意志と覚悟……?」",
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"321000521_78": "「あるならば、俺は、お前に力を貸そう」",
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"321000521_79": "「忌まわしきヴァンパイアを滅ぼすための力を」",
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"321000521_80": "「それは、命に代えても――ってことデスか?」",
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"321000521_81": "「…………」",
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"321000521_82": "(ゴメンデス、マム……)",
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"321000521_83": "(命に代えても――なんて軽々しく言っちゃいけないの、\\n わかってるデスよ)",
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"321000521_84": "(でも、やっぱりアタシは……。\\n この命に代えてでも、護りたいものがあるんデス)",
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"321000521_85": "(マリア、調。それに、この世界で生きてたセレナとマム……。\\n アタシに残された大切な家族をッ!)",
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"321000521_86": "(みんながいなくなったら、\\n アタシだけ残っても意味がないデスから……)",
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||
"321000521_87": "「……アイツを倒せるなら、なんだってやってやるデスッ!」",
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||
"321000521_88": "「ならば、授けよう」",
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||
"321000521_89": "「俺たちの知識と力と、そして想いを――」",
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||
"321000521_90": "(あの銃を――アタシに?)",
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||
"321000521_91": "「な、何を――?」",
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||
"321000521_92": "(なんデス、これは――記憶?)",
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"321000521_93": "(十字架を背負いし者、クルースニク――。\\n ヴァンパイアハンターの宿命を持って、俺は生まれた)",
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"321000521_94": "「まさか、ここまで追ってくるとはな」",
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||
"321000521_95": "「地の果てだろうが探し出すさ。\\n それが我が一族の天命なのだから」",
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"321000521_96": "(そう。我々は主の教えに背き呪われた存在――。\\n ヴァンパイアを狩ることを、その天命としていた)",
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"321000521_97": "「あの時すり潰したはずの一族に、\\n 貴様の様な生き残りがいようとは……。抜かったわ」",
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"321000521_98": "(我が一族は、奴との大戦を繰り広げ、\\n そして奴と奴の<ruby=けんぞく>眷属</ruby>によって皆殺しにされてしまった)",
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"321000521_99": "(ただ、俺1人を残して――)",
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"321000521_100": "(俺は奴の足跡を追い続けた。\\n 何年も、何年も――)",
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"321000521_101": "(そして、遂に辿り着いた。\\n 奴のこの根城まで)",
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"321000521_102": "「だが、その因縁もここまで。\\n 今宵、この城が貴様の墓標となる」",
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"321000521_103": "「それは――こちらの台詞だッ!」",
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"321000521_104": "(仕留めなければならない。\\n 最後のヴァンパイアハンターとして)",
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"321000521_105": "(残してはならない。\\n 後世に、ヴァンパイアの痕跡を、その一片たりとも)",
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"321000521_106": "(そう――例え、俺のこの命を引き換えにしてでも)",
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"321000521_107": "「これが、ヴァンパイアハンターの戦い……」",
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"321000521_108": "「これがヴァンパイアハンターたちの――、\\n この人の想いなんデスか?」",
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"321000521_109": "「そうだ、異境の娘よ」",
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"321000521_110": "「俺たちは待っていた」",
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"321000521_111": "「我らの力、我らの想いを、受け継ぐ者が再び現れる日を」",
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||
"321000521_112": "「わかったデス……」",
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||
"321000521_113": "「その想い――アタシが受け継ぐデスよッ!」",
|
||
"321000521_114": "「…………」",
|
||
"321000521_115": "「…………」",
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"321000521_116": "「何をしているのかはわからぬが、座興には飽いた」",
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"321000521_117": "「その者が貴様ら亡霊どもの希望とでも言うのなら――。\\n 今この場で摘み取ってくれようッ!」",
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"321000521_118": "「来たれ、我が忠実なる下僕どもよッ!」",
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"321000521_119": "「…………」",
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"321000521_120": "「オオカミどもの餌になるか、\\n 我が<ruby=けんぞく>眷属</ruby>になるかを選ぶが良いッ!」",
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"321000521_121": "「なッ!? なんだ、この忌まわしい光は――?」"
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