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"321000311_0": "銀の弾丸",
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"321000311_1": "「オオカミの撃退、ご苦労様でした」",
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"321000311_2": "「あれくらい余裕デス」",
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"321000311_3": "「頼もしいですが、油断は禁物ですよ」",
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"321000311_4": "「ヴァンパイア本体がいなかったことは、まだ態勢の整って\\n いない現状としては、むしろ<ruby=ぎょうこう>僥倖</ruby>と言えるでしょう」",
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"321000311_5": "「でも……いくら雑魚を倒しても、\\n マリアたちは助けられないデスよ」",
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"321000311_6": "「焦らないでください。\\n 今、様々な角度から情報を洗い出しています」",
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"321000311_7": "「それで、何かわかったデスか?」",
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"321000311_8": "「敵の本拠地の候補ならば、幾つか」",
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"321000311_9": "「それは何処デスかッ!?」",
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"321000311_10": "「オオカミの襲撃してきた方向、マリアが知覚するヴァンパイアの\\n 気配、ヴァンパイアの伝承に縁のある土地や建物――」",
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"321000311_11": "「それらを総合することで、ヴァンパイア本体がいる可能性の\\n ある場所を、何ヵ所かに絞り込むことができました」",
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"321000311_12": "「どうして、マリアがヴァンパイアの気配なんかを?」",
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"321000311_13": "「それは……」",
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"321000311_14": "「いいわ、マム。気を使わないで。\\n 自分が一番よくわかってるから」",
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"321000311_15": "「マリア……?」",
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"321000311_16": "「わたしの魂が、ヴァンパイア本体と結びつきつつある、\\n ということよ」",
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"321000311_17": "「ええッ!?」",
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"321000311_18": "「<ruby=けんぞく>眷属</ruby>になりかけているわたしだからこそ、\\n アイツの気配を感じ取ることができる――」",
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"321000311_19": "「そ……そんなッ!\\n いくらなんでも早すぎるデスよ」",
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"321000311_20": "「大丈夫よ。まだうっすらと、っていうレベルだから」",
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"321000311_21": "「で、でも……。だったらなおさら、今すぐにでも\\n その場所に乗り込んでアイツを倒すデスッ!」",
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"321000311_22": "「待ってください。まだ敵の本拠地の候補は幾つもあります」",
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"321000311_23": "「どれが本物か、見極めてからにしなければ時間の無駄になります」",
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"321000311_24": "「見極めるって――どうやってデスか?」",
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"321000311_25": "「複数ある候補地に、こちらから人員を送って調査を行います」",
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"321000311_26": "「ならアタシも行くデスよッ!」",
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"321000311_27": "「いいえ。切歌には、それとは別に\\n やっておいてもらいたいことがあります」",
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"321000311_28": "「アタシに……デスか?」",
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"321000311_29": "「ええ。私たちが調査を進める内に、あなたたちの世界に戻って、\\n この状況をS.O.N.G.に報告してもらいたいのです」",
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"321000311_30": "「そんなッ! 今戻ってる暇なんてないデスよッ!」",
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"321000311_31": "「切歌。今一番必要なことは何かを考えてください」",
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"321000311_32": "「マムの言う通りよ」",
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"321000311_33": "「マリア……」",
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"321000311_34": "「わたしたちが置かれているこの状況を、\\n S.O.N.G.はまだ認識してない」",
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"321000311_35": "「だから一度、この危機的状況をS.O.N.G.に\\n 伝えておく必要があるわ」",
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"321000311_36": "「今後の展開によっては、最悪のケースもありえるんだから……」",
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"321000311_37": "「最悪って……」",
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"321000311_38": "「あなたを含め、わたしたちが全員、\\n 連絡もなしに全滅することよ」",
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"321000311_39": "「そ、それは確かに駄目デスけど……」",
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"321000311_40": "「でも、連絡くらいなら誰だって――」",
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"321000311_41": "「ええ。本当ならば、連絡くらい自分で行きたいんだけど……」",
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"321000311_42": "「――あッ!」",
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"321000311_43": "「この状態で、今のわたしはギアを纏うことすらできない……」",
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"321000311_44": "「ギアを纏えないってことは……」",
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"321000311_45": "「ええ。今、ギャラルホルンのゲートを使って並行世界間を\\n 渡れるのは、この世界にはあなたしかいないのです」",
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"321000311_46": "「こんな時に、なんの役にも立てなくて、ごめんなさい……」",
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"321000311_47": "(マリアもアタシと同じくらい……。\\n いや、マリアこそ悔しいんデスよね……)",
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"321000311_48": "「わかったデス。行ってくるデスよ」",
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"321000311_49": "「ええ。ありがとう」",
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"321000311_50": "「あなたが戻るまでに、敵の居場所の特定は進めておきます」",
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"321000311_51": "「わかったデス」",
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"321000311_52": "「マリア、無理をさせてすみません。\\n あなたはすぐにメディカルルームへ戻ってください」",
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"321000311_53": "「ええ、わかったわ」",
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"321000311_54": "「それじゃ、お願いね」",
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"321000311_55": "「任せるデスよ。\\n マム、マリアたちのことお願いするデス」",
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"321000311_56": "「ええ、わかっています」",
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"321000311_57": "「という訳なんデス」",
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"321000311_58": "「なんということだ……」",
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"321000311_59": "「マリアさんたちが、ヴァンパイアに……」",
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"321000311_60": "「まさか、そんなものが実在するなんてね」",
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"321000311_61": "「状況はわかった」",
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"321000311_62": "「エルフナインくん、ナスターシャ教授から提供された資料を\\n 基に、呪毒の進行を遅らせる方法を調べてくれ」",
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"321000311_63": "「はい、すぐに取りかかります」",
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"321000311_64": "「お願いするデスよ」",
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"321000311_65": "「並行世界への装者の増援だが……。\\n 残念ながら、そちらは今すぐには難しい」",
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"321000311_66": "「ど、どうしてデスッ!?」",
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"321000311_67": "「そういえば……響さんたちはどこにいるんデスか?」",
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"321000311_68": "「今ちょうど、国連の作戦任務で海外に出かけてるところなの」",
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"321000311_69": "「現地の作戦が終了してから戻るとなると、\\n まだしばらく時間がかかってしまうね……」",
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"321000311_70": "「そ、そんな……」",
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"321000311_71": "「だが、そう悠長なことを言っていられる場合でないことも\\n わかった」",
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"321000311_72": "「敵はマリアくんたちを<ruby=けんぞく>眷属</ruby>にして、\\n 己の支配下に治めようと考えている可能性も高い」",
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"321000311_73": "「切歌くんが奴を追うとしても、\\n 研究所を防衛する戦力も備えるべきだろう」",
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"321000311_74": "「なんとか作戦を変更し、1人でも多く呼び戻して、\\n そちらの世界に派遣するよう手配しよう」",
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"321000311_75": "「ありがとうデスッ! なるべく早くお願いするデス」",
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"321000311_76": "「ああ。それまでは、なんとか耐えてくれ」",
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"321000311_77": "「じゃあ、マリアたちのことも心配デスし、アタシは戻るデスよ」",
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"321000311_78": "「少しくらい休んだ方がいいんじゃないの?」",
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"321000311_79": "「こうしている間にもアイツが襲ってくるかもしれないデスから」",
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"321000311_80": "「……状況が状況だけに、引き留める訳もいくまい」",
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"321000311_81": "「だが、決して気負いすぎるんじゃないぞ」",
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"321000311_82": "「……わかってるデス」"
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