158 lines
13 KiB
JSON
158 lines
13 KiB
JSON
{
|
||
"321000111_0": "闇夜の侵入者",
|
||
"321000111_1": "「ううッ……身体が……」",
|
||
"321000111_2": "「セレナ……」",
|
||
"321000111_3": "「駄目……う、動かない……」",
|
||
"321000111_4": "「調……」",
|
||
"321000111_5": "「油断……した、わ……」",
|
||
"321000111_6": "「マリア……」",
|
||
"321000111_7": "「切歌……逃げな、さい……」",
|
||
"321000111_8": "「そんなッ! アタシ1人で逃げるわけにはいかないデスよッ!」",
|
||
"321000111_9": "「少しは楽しませてくれると思ったが……。\\n とんだ期待外れだったようだ」",
|
||
"321000111_10": "「まるで肩慣らしにもならん」",
|
||
"321000111_11": "「がはッ!?」",
|
||
"321000111_12": "「マリアッ!?」",
|
||
"321000111_13": "「やめるデスッ!!」",
|
||
"321000111_14": "「やめさせたくば己が力をもって止めるがいい。\\n 汝にそれだけの力があれば、だがな」",
|
||
"321000111_15": "「馬鹿にして……ッ!」",
|
||
"321000111_16": "「アタシが護るデス……みんなをッ!」",
|
||
"321000111_17": "「アタシの大事な家族をッ!」",
|
||
"321000111_18": "「きり、か……」",
|
||
"321000111_19": "「絶対鋭利のイガリマの絶唱特性は、相手の魂を刈り取る刃――。\\n この一撃で決めてやるデスッ!!」",
|
||
"321000111_20": "「例え何を引き換えにしても――ッ!」",
|
||
"321000111_21": "「むッ? なんだ、この力は――ッ?」",
|
||
"321000111_22": "「そ、それは……」",
|
||
"321000111_23": "「絶唱――ッ!?」",
|
||
"321000111_24": "「だ……駄目だよッ、切ちゃん――ッ!!」",
|
||
"321000111_25": "3時間前――",
|
||
"321000111_26": "「到着デース」",
|
||
"321000111_27": "「いやあ、久しぶりにセレナとマムに会えるなんて嬉しいデスね」",
|
||
"321000111_28": "「うん、嬉しいね」",
|
||
"321000111_29": "「2人とも、あまり浮かれてちゃ駄目よ。\\n 遊びに来てるんじゃないんだから」",
|
||
"321000111_30": "「もちろん、わかってるデスよッ?」",
|
||
"321000111_31": "「そう。ならいいの」",
|
||
"321000111_32": "「<size=20>そういうマリアだって、セレナに会えるって、\\n 夕べからウキウキしてたデスよね?</size>」",
|
||
"321000111_33": "「<size=20>うん。鼻歌唄ったり</size>」",
|
||
"321000111_34": "「おほん……何か言ったかしら?」",
|
||
"321000111_35": "「な、なんでもないデース」",
|
||
"321000111_36": "「うんうん」",
|
||
"321000111_37": "「とにかく、聖遺物研究所に向かいましょう」",
|
||
"321000111_38": "「マリア姉さんッ! 月読さんに暁さんもッ!」",
|
||
"321000111_39": "「また来てくれたんだ。嬉しいな」",
|
||
"321000111_40": "「わたしもよ。元気そうでよかったわ」",
|
||
"321000111_41": "「今日はどうしたの? もしかして、またアラートが?」",
|
||
"321000111_42": "「いいえ。でも、例の件のこともあるから、定期連絡にね」",
|
||
"321000111_43": "「ああ……姉さんの世界に現れたっていう、大きな蛇の……」",
|
||
"321000111_44": "「ええ。こちらには現れてないわね?」",
|
||
"321000111_45": "「うん、今のところ。\\n カルマノイズも出てないよ」",
|
||
"321000111_46": "「そう、よかったわ。\\n でも、いつ何が起こるかわからないから、気をつけてね」",
|
||
"321000111_47": "「うん。わかってる」",
|
||
"321000111_48": "「積もる話も沢山あるけど、先にマムに連絡があるの」",
|
||
"321000111_49": "「じゃあ、わたしが案内するね」",
|
||
"321000111_50": "「ありがとう」",
|
||
"321000111_51": "「いいでしょう。\\n この試験は現在のアプローチのまま続行で」",
|
||
"321000111_52": "「承知しました」",
|
||
"321000111_53": "「マム、お客さんだよッ!」",
|
||
"321000111_54": "「なんですか、セレナ。そんな大声を出して」",
|
||
"321000111_55": "「ああ、マリアたちですか。よく来てくれましたね。\\n 無事にまた会えて何よりです」",
|
||
"321000111_56": "「マムこそ、元気そうでよかったわ」",
|
||
"321000111_57": "「お邪魔するデース」",
|
||
"321000111_58": "「こんにちは、マム」",
|
||
"321000111_59": "「どうしました?\\n カルマノイズの異常発生の件に何か進展でも?」",
|
||
"321000111_60": "「進展という程じゃないけれど、最新の情報共有ということで、\\n S.O.N.G.からデータを預かってきたわ」",
|
||
"321000111_61": "「そうですか。\\n それでは、こちらでもその観測データを元に分析してみましょう」",
|
||
"321000111_62": "「お願いね、マム」",
|
||
"321000111_63": "「教授、こちらのアプローチですが、目立った反応が\\n 見られませんでした。いかがしましょう?」",
|
||
"321000111_64": "「そうですね……周波数を幾つか変えて試してみましょう」",
|
||
"321000111_65": "「了解です」",
|
||
"321000111_66": "「ずいぶん忙しそう……」",
|
||
"321000111_67": "「デスね。何かあったデスか?」",
|
||
"321000111_68": "「ちょうど、最近運び込まれたばかりの\\n 聖遺物の分析を行っていたところだったのです」",
|
||
"321000111_69": "「聖遺物?」",
|
||
"321000111_70": "「ええ。以前、怪盗事件で回収したものに付随していた代物です」",
|
||
"321000111_71": "「怪盗事件って、あの時の――」",
|
||
"321000111_72": "「マリアとセレナがノリノリでやってたアレデスかッ!?」",
|
||
"321000111_73": "「ちょっとッ! ノリノリでなんてやってないわッ!\\n しょうがなくよ、しょうがなくッ!」",
|
||
"321000111_74": "「マリア姉さん楽しそうだったよ?」",
|
||
"321000111_75": "「う……、\\n か、怪盗の話はもういいでしょう?」",
|
||
"321000111_76": "「それでマム。続きをお願い」",
|
||
"321000111_77": "「そうですね、あなたたちならいいでしょう」",
|
||
"321000111_78": "「ヴァンパイア伝承、について知っていますか?」",
|
||
"321000111_79": "「ヴァンパイアって……つまり吸血鬼?」",
|
||
"321000111_80": "「ずいぶんと唐突デスね?」",
|
||
"321000111_81": "「映画くらいの知識なら……」",
|
||
"321000111_82": "「でしたら、わかるかもしれませんね」",
|
||
"321000111_83": "「今私たちが調べている聖遺物は、\\n 過去にヴァンパイアを倒したとされる、純銀の弾丸です」",
|
||
"321000111_84": "「シルバー・バレット……破魔の弾丸……」",
|
||
"321000111_85": "「ええ。その伝承通り、\\n 強力な破魔の特性があるようなのです」",
|
||
"321000111_86": "「で、でもでもッ! 純銀の弾丸はともかく、\\n ヴァンパイアなんて、本当はいないんデスよね?」",
|
||
"321000111_87": "「……そうとも限りませんね」",
|
||
"321000111_88": "「なんデスとッ!?」",
|
||
"321000111_89": "「実際、真偽はわかりませんがヴァンパイアのものとされる遺骸\\n なら、先ほど検査が終わり、聖遺物保管庫に移送中です」",
|
||
"321000111_90": "「純銀の弾丸は、まさに、そのヴァンパイアのものと思われる\\n 遺骸から取り出されたものなのですから」",
|
||
"321000111_91": "「ゲゲッ!? ってことは――」",
|
||
"321000111_92": "「あの怪盗事件で、わたしたちが回収したミイラが……?」",
|
||
"321000111_93": "「ヴァンパイアの遺骸だった?」",
|
||
"321000111_94": "「ええ、そういうことです」",
|
||
"321000111_95": "(……自分で運んだんだと思うと、いっそう気味が悪いわね……)",
|
||
"321000111_96": "「……それで、その純銀の弾丸は起動しそうなの?」",
|
||
"321000111_97": "「いえ、まだなんとも。\\n それで、今も分析を続けているところです」",
|
||
"321000111_98": "「じゅ、十字架とニンニクは無いデスかッ!」",
|
||
"321000111_99": "「……急にどうしたのですか?」",
|
||
"321000111_100": "「ちょうどこの間、映画で見たんです。それで……」",
|
||
"321000111_101": "「フフ……そういうところは変わりませんね」",
|
||
"321000111_102": "「大丈夫だよ、切ちゃん。\\n わたしがついてるから」",
|
||
"321000111_103": "「別に怖いわけじゃないデスよッ!」",
|
||
"321000111_104": "「でも、調には傍にいてほしいデス」",
|
||
"321000111_105": "「姉さん、わたしもちょっと怖い」",
|
||
"321000111_106": "「フフ。もう、セレナったら。甘えん坊さんね」",
|
||
"321000111_107": "「心配しなくても大丈夫ですよ。\\n ヴァンパイアの遺骸の方からはなんの反応もありませんから」",
|
||
"321000111_108": "「それに。\\n 現代においてヴァンパイアなど、それこそ伝承の中でしか――」",
|
||
"321000111_109": "「何事ですかッ!?」",
|
||
"321000111_110": "「聖遺物保管庫付近にて何者かの襲撃を受けているもようです」",
|
||
"321000111_111": "「襲撃ってッ!?」",
|
||
"321000111_112": "「今、聖遺物保管庫って……」",
|
||
"321000111_113": "「聖遺物保管庫はこの施設でも最重要機密のひとつ。\\n 敵対組織によるものかもしれません」",
|
||
"321000111_114": "「さっき、ヴァンパイアの遺骸を運んでるって言ってたデスッ!\\n もしかして……」",
|
||
"321000111_115": "「まさか……、\\n セレナ、念のため戦闘の準備を」",
|
||
"321000111_116": "「はい、マムッ!」",
|
||
"321000111_117": "「マム、わたしたちも」",
|
||
"321000111_118": "「お願いできますか?」",
|
||
"321000111_119": "「モチのロンデスよッ!」",
|
||
"321000111_120": "「正体不明の敵は怖くないんだ……」",
|
||
"321000111_121": "「アタシの鎌で切れる相手なら、なんだって来いデスッ!」",
|
||
"321000111_122": "「調子いいんだから……」",
|
||
"321000111_123": "「とにかく3人ともッ! 急ぐわよッ!」",
|
||
"321000111_124": "「聖遺物保管庫の建物はこの先だよッ!」",
|
||
"321000111_125": "「見て、何かいる」",
|
||
"321000111_126": "「な……なんデスか、あれは?」",
|
||
"321000111_127": "「オオカミ……?\\n いや、ただのオオカミじゃない」",
|
||
"321000111_128": "「なんでこんなところに?」",
|
||
"321000111_129": "「誰かが操ってるとか?」",
|
||
"321000111_130": "「その可能性もあるわね。\\n それより気をつけて、どう見てもまともな生物じゃないわ……」",
|
||
"321000111_131": "「とにかく。\\n みんな、ギアをッ!」",
|
||
"321000111_132": "「そうだね」",
|
||
"321000111_133": "「わかったッ!」",
|
||
"321000111_134": "「やってやるデスよッ!」",
|
||
"321000111_135": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
|
||
"321000111_136": "「さあ。行くわよッ!」",
|
||
"321000111_137": "「<size=40>あッ! ちょっと待つデスよ、マリアッ!</size>」",
|
||
"321000111_138": "「ど、どうしたの、切歌?」",
|
||
"321000111_139": "「びっくりした……急に大きな声出すから」",
|
||
"321000111_140": "「思い出したんデスよッ!」",
|
||
"321000111_141": "「思い出したって……何を?」",
|
||
"321000111_142": "「ヴァンパイアはオオカミにもなれるデスよッ!」",
|
||
"321000111_143": "「そういえば、映画にもそういうシーンがあった」",
|
||
"321000111_144": "「え、本当に?」",
|
||
"321000111_145": "「あれがヴァンパイアの変身した姿ですって?」",
|
||
"321000111_146": "「違いないデスよ、うう……」",
|
||
"321000111_147": "「本当にそうかは――試してみればわかることよッ!」",
|
||
"321000111_148": "「一撃で……」",
|
||
"321000111_149": "「すごいッ! 流石マリア姉さんッ!」",
|
||
"321000111_150": "「仮にヴァンパイアの変身だったとしても、\\n この程度なら恐れることないわ」",
|
||
"321000111_151": "「ほ、本当デスか……?」",
|
||
"321000111_152": "「心配しすぎよ、切歌」",
|
||
"321000111_153": "「グズグズしてたら被害が広がる。一気に片付けるわよッ!」",
|
||
"321000111_154": "「そうだね」",
|
||
"321000111_155": "「わ、わかったデスよ……」"
|
||
} |