Cache update for December 2021 #16

Merged
johnnythebestovich merged 1 commits from jp-update/december2021 into master 2021-12-29 16:10:22 -05:00
512 changed files with 32226 additions and 14 deletions
Missions
2010235
2010237
2010238
2010239
2010240
2010241
2010242
2010243
2010244
2010245
2010246
2010247
2010248
2010249
2010250
2010251
2010252
2010253
2010254
2010255
2010256
event008
event032
event048
event049
event060
event061

@ -0,0 +1,42 @@
{
"201023511_0": "ペガサス幻想",
"201023511_1": "「全力で行くぞ!」",
"201023511_2": "「うんッ! わたしも全力で返すからッ!」",
"201023511_3": "「おおおおおお――!」",
"201023511_4": "「はあああああ――ッ!」",
"201023511_5": "「その気迫、完全にオレたちと\\n 同等まで<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が高まってるな!」",
"201023511_6": "「うんッ! もう<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やす感覚にも慣れてきたよッ!\\n おかげで、あなたのステップや息遣いまで感じ取れるッ」",
"201023511_7": "「なら!\\n 更にペースを上げていくぞ」",
"201023511_8": "「望むところだよッ!」",
"201023511_9": "「燃え上がれ――オレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>!」",
"201023511_10": "「わたしの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よッ!」",
"201023511_11": "「……これでも互角か!\\n これは、<ruby=ワンサウザンドウォーズ>千日戦争</ruby>になるかもしれないな!」",
"201023511_12": "「……それって、なんのこと?」",
"201023511_13": "「実力伯仲した2人の<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>が、それぞれの最強の技同士を\\n 放ちあった時に起こる、膠着状態のことさ」",
"201023511_14": "「わたしたち、<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>じゃないけどね」",
"201023511_15": "「でも、もうキミは、オレのライバルでもあるだろ?\\n だから――この渾身の一撃も、防ぎきって見せろ」",
"201023511_16": "「これが、<ruby=セイント>聖闘士</ruby>同士の友情の深め合いと言うなら――ッ!?」",
"201023511_17": "「いくぞ! ――ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>!」",
"201023511_18": "「オレのペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>まで捌ききるとは……、\\n 恐れ入ったよ」",
"201023511_19": "「わたしこそ、いきなりアレは驚いたよ……。\\n 本気の本気だったよね」",
"201023511_20": "「手を抜く方が失礼だろ?」",
"201023511_21": "「それは……そうなんだろうけど……」",
"201023511_22": "「なんにしても、キミももう一人前の<ruby=セイント>聖闘士</ruby>だ!」",
"201023511_23": "「だからわたし、<ruby=セイント>聖闘士</ruby>じゃないんだけどね?\\n わたし用の<ruby=クロス>聖衣</ruby>をくれるんなら嬉しいけど……」",
"201023511_24": "「そう言えば、どうしてペガサスの<ruby=クロス>聖衣</ruby>を選んだの?\\n かわいいから やっぱりデザインって決め手になるよね」",
"201023511_25": "「バカ! <ruby=クロス>聖衣</ruby>は自分で選ぶんじゃない。\\n <ruby=セイント>聖闘士</ruby>になって、<ruby=クロス>聖衣</ruby>に選ばれるんだ」",
"201023511_26": "「……子供の頃の話なんだけどさ、<ruby=クロス>聖衣</ruby>を手に入れるために、\\n ギリシャに渡って、<ruby=マリン>魔鈴</ruby>さんって人に訓練してもらって――」",
"201023511_27": "「最初は<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>なんて全然感じられなくて。\\n 何年も修行して、段々と分かるようになったんだよな」",
"201023511_28": "「それじゃ、その人がキミの師匠なんだね」",
"201023511_29": "「ああ! 尊敬する師匠だ。<ruby=マリン>魔鈴</ruby>さんがいなければ、\\n オレは<ruby=クロス>聖衣</ruby>を手に入れるどころか、<ruby=セイント>聖闘士</ruby>にもなれなかった」",
"201023511_30": "「そっか、<ruby=クロス>聖衣</ruby>もわたしのギアみたいに、\\n 誰かの想いを繋ぐものなんだ……」",
"201023511_31": "「やっぱり、<ruby=クロス>聖衣</ruby>はシンフォギアと似てるね」",
"201023511_32": "「そうかもしれないな。\\n キミのそのギアにも、オレの想いが繋がっているなら嬉しいよ」",
"201023511_33": "「わたし、このギアで<ruby=セイント>聖闘士</ruby>たちのプライドを\\n 傷つけるようなことは絶対にしないって、約束するよッ」",
"201023511_34": "「頼んだぞ!」",
"201023511_35": "「うんッ! しっかり頼まれますッ!」",
"201023511_36": "「……おいッ! また敵が迫ってきてるぞッ!」",
"201023511_37": "「星矢、準備は――いいようだな」",
"201023511_38": "「ああ、準備万端だ!\\n ――行こう」",
"201023511_39": "「うんッ!\\n 燃えろッ わたしの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>ッ!」"
}

@ -0,0 +1,201 @@
{
"201023711_0": "祝・4周年",
"201023711_1": "「うぅ……お腹すいたよぅ……」",
"201023711_2": "「もう、響ったら。\\n さっきからそればっかり」",
"201023711_3": "「このあたりでいいんじゃないかしら。\\n 青空が広がっていて気分もいいし」",
"201023711_4": "「お祝いにはピッタリデースッ!」",
"201023711_5": "「……そういや、お祝いってなんのだ?」",
"201023711_6": "「1年を無事に過ごせたというか……\\n 誕生日的な」",
"201023711_7": "「いや、誰のだよ」",
"201023711_8": "「まあ、気にせずともいいだろう。\\n 折角の祝いの日なのだからな」",
"201023711_9": "「今年は外だから、去年みたいに豪華にはできなかったけど」",
"201023711_10": "「だからその分、この大荷物ってか?\\n こんだけ用意して運んでくるのに苦労したぞ」",
"201023711_11": "「私たちも手伝いをするべきだったか?」",
"201023711_12": "「別に頼まれてないのなら、必要ないワケダ」",
"201023711_13": "「そうそう、あーしたちはお呼ばれしただけだし?\\n 主催側にお任せすればいいってわけ」",
"201023711_14": "「それもそうか……ここでの礼は、\\n また別の形で返すとしよう」",
"201023711_15": "「助けてもらったら、わたしたちは\\n またそのお礼をしますねッ」",
"201023711_16": "「何だその恩の着せ合いは。\\n キリがないぞ」",
"201023711_17": "「縁が切れるよりは良いと思うけどね。\\n 折角仲良くなったんだから、支え合いも必要だろ」",
"201023711_18": "「支え合い……そうですわね。\\n その大切さは承知しております」",
"201023711_19": "「だから、今年はキャロルちゃんたちも一緒に\\n お祝いできて嬉しいよッ」",
"201023711_20": "「あたしたちも、マスターも嬉しいゾッ!」",
"201023711_21": "「チッ、オレはこんなところで油を売っている暇など\\n ないというのに……」",
"201023711_22": "「あらぁ? 数日前から丹念にメンテしてくださったのは、\\n 今日のためじゃなかったんですぅ」",
"201023711_23": "「ふん。パーティでお前らにみっともない姿を\\n させるわけにはいかないだろう」",
"201023711_24": "「マスター……私たちのために……。\\n 派手に感謝いたします」",
"201023711_25": "「お前らに何かあればオレが恥を掻く。\\n それだけだッ」",
"201023711_26": "「それでもあたしたちは嬉しいゾ」",
"201023711_27": "「度重なる戦いの中で、\\n マスターも少しずつ変わられたように思えますわ」",
"201023711_28": "「まあ、変わったとは言っても\\n マスターの性根は変わりませんけどねー」",
"201023711_29": "「キャロルちゃんと一緒にお祝いか……、\\n 考えてみると、本当にこの年も色々とあったよね」",
"201023711_30": "「ああ。並行世界同士で協力し合って戦うことも増えた。\\n その分、様々な事件が起きたがな……」",
"201023711_31": "「そうですね。昨年のお祝いの後に起きた事件といえば……。",
"201023711_32": " うう……嫌なことを思い出しちゃった」",
"201023711_33": "「嫌な事っていうと……ああ、ビルデラントの事件か。\\n たしか、潜入中に国王に目をつけられたんだっけな」",
"201023711_34": "「はい……あの時は本当ビックリしました。\\n 色々と……」",
"201023711_35": "「定期報告に来てみれば、\\n 謎の戦車の出現に大騒ぎだったな」",
"201023711_36": "「はい。イグナイトモジュールで戦ったり……。\\n あの時、セレナちゃんは本当に大変だったね」",
"201023711_37": "「そうですね……でも、あれは乗り越えなくてはならない\\n 試練だったのだと思います」",
"201023711_38": "「優しさを失ってはいけない……けれど、優しさのために、\\n 他の大切なものを失ってもいけない……」",
"201023711_39": "「それが、あの事件で学んだ事ってわけか」",
"201023711_40": "「オレからも礼を言いたい。\\n ありがとう」",
"201023711_41": "「ヴェイグさん……」",
"201023711_42": "「愚かな人間は好きになれない。\\n だが、セレナが人間によって支えられているのも確かだ」",
"201023711_43": "「セレナの優しさは、セレナだけのものじゃない。\\n だから、頼んだぞ」",
"201023711_44": "「きっとあいつも、それを望んでいる」",
"201023711_45": "「あまり出たがらないヴェイグさんが……」",
"201023711_46": "「これはありがたいお言葉だね。\\n しっかりと胸に刻んでおかなきゃな」",
"201023711_47": "「はい。何があったとしても、\\n わたしは絶対に忘れません……」",
"201023711_48": "「……………………」",
"201023711_49": "「調、どうしたデスか?」",
"201023711_50": "「ドヴェルグって、すごい技術力を持ってるんだよね」",
"201023711_51": "「ええ。正しい使い方をすれば、\\n みんなを幸せにできる力です」",
"201023711_52": "「もし……並行世界のわたしがドヴェルグと知り合えたら\\n アンドロイドの切ちゃんを助けられてたのかな、って」",
"201023711_53": "「あー……メガネ調の方デスか。事故で眠ってしまったアタシの\\n 代わりになるアンドロイドを作った……」",
"201023711_54": "「でも、それがうまくいかなくて……。\\n あの調は、とても切羽詰まってて……苦しそうだったデス」",
"201023711_55": "「そうね、あんな姿を見せられたら、\\n 切歌でなくてもどうにかしてあげたくなるわ」",
"201023711_56": "「ずっとピリピリしてて……。\\n 見ていて、痛々しいくらいだったデス」",
"201023711_57": "「ただ、こっちにいたドクターと違って、\\n あっちのドクターは調に対して協力的な助手だったわね」",
"201023711_58": "「なのに、あんなに蹴られてぞんざいに扱われてると、\\n さすがに可哀想に見えたわ」",
"201023711_59": "「そんなわたしを元気にしたくて、あの切ちゃんは\\n こっちの切ちゃんを攫うなんていう暴挙を……」",
"201023711_60": "「ロボットのアタシの話デスねッ!\\n ……考えると、本当によくできたアタシだったデス」",
"201023711_61": "「どういうこと?」",
"201023711_62": "「もしも、アタシが同じ状況だった時には……\\n きっと、同じような選択をすると思うんデス」",
"201023711_63": "「切ちゃん……。\\n でも、並行世界に迷惑をかけちゃダメだよ」",
"201023711_64": "「それは分かってるデス……\\n でも、それでも調のためにしてあげたいんデス」",
"201023711_65": "「調が元気になるんだったら、\\n アタシもなんだってやっちゃうかもしれないデスッ」",
"201023711_66": "「そういっても、すぐに反省して返してあげるつもりだった、\\n とか言いそうな気がする……」",
"201023711_67": "「自分のことながら、言いそうデス……」",
"201023711_68": "「でも、こうして考えてみると……思うんデスよ」",
"201023711_69": "「アンドロイドのアタシは、調に怒られてたデス。\\n 調自身が作った、アタシのはずなのに……」",
"201023711_70": "「作った本人の思惑さえ超える切ちゃん……」",
"201023711_71": "「だから思うデス。あのアンドロイドのアタシも、\\n もう人のアタシだったのデス」",
"201023711_72": "「並行世界で眠っていたアタシが認めるくらいなのデスッ!\\n これはもう、本物のアタシといってもいいのデスッ」",
"201023711_73": "「そうね、わたしたちも腕が刃物に変形するのを見るまでは\\n 偽物だなんて疑いもしなかったし」",
"201023711_74": "「……確かに、マリアでも間違えるほど似ていたらしいけど」",
"201023711_75": "「でも、どっちが本物とか偽物だなんてないんだと思う」",
"201023711_76": "「並行世界の切ちゃんも、アンドロイドの切ちゃんも……\\n こっちの切ちゃんも。みんなが本当の切ちゃんなんだと思う」",
"201023711_77": "「調……アタシもそう思うデスッ!\\n 並行世界の調も、こっちの調もどっちも本物なんデスッ」",
"201023711_78": "「どんな姿になっても……\\n たとえ、メガネをかけていてもデスッ」",
"201023711_79": "「……メガネってそんなに大きい要素なの?」",
"201023711_80": "「姿形が変わっても……か」",
"201023711_81": "「……そういえば、並行世界のわたしは\\n 随分と小さい姿になっていたわね」",
"201023711_82": "「姉さんは小さくなっていて……逆にわたしは大きい姿で……、\\n なんだかあべこべで不思議な感じだったね」",
"201023711_83": "「でも大きくなった自分と出会えたのは嬉しかったなぁ」",
"201023711_84": "「わたしは……別人とはいえ、並行世界の自分との邂逅は\\n ちょっと照れるわ……」",
"201023711_85": "「わたしは照れることはなかったけど……。\\n ちょっとだけ、羨ましかったな」",
"201023711_86": "「どんな形でも、姉さんと一緒の時間をあっちのわたしは\\n 過ごすことができたんだもの」",
"201023711_87": "「……そうね。\\n けど、誰が何のために、あんな呪いをかけたのかしら」",
"201023711_88": "「それは分からないけど……\\n 並行世界のわたしたちは、呪いなんかには負けないはずだよね」",
"201023711_89": "「そうね。成長を止める呪い……そんな未知の力を使う相手でも、\\n きっとあの子たちなら乗り越えれるはずよ」",
"201023711_90": "「うんッ!」",
"201023711_91": "「……」",
"201023711_92": "「……マスター、どうされました?」",
"201023711_93": "「……いや、今年の話を聞いてふと思い出したのだ。\\n ……局長が敵に回ったあの事件をな」",
"201023711_94": "「ああ、ありましたねぇ。そんなことも。\\n あの時は本当に機能停止させられるかと思いましたよ」",
"201023711_95": "「敵に回した局長がどれほど強敵か、よくわかりました。\\n それに、アルカ・イズの厄介さも」",
"201023711_96": "「ああ。しかし……あれだけの騒ぎで\\n 犠牲者が出ていないというのは、本当に驚きだな」",
"201023711_97": "「お3方の働きと……局長自身が躊躇ったのでしょうか。\\n 錬金術師協会に所属する彼らへ牙を剥くことに対して」",
"201023711_98": "「さて、どうだろうな……\\n 本人に聞いても、とぼけたような返事をするだろうが」",
"201023711_99": "「だが、あの事件でパパの残した記憶に触れることができた。\\n 洒落にならん事件だが……悪いことばかりではないと思ってな」",
"201023711_100": "「でも、今思えば逃げてた錬金術師たちがちょっとくらい\\n 戦力になってたら楽だったゾ」",
"201023711_101": "「個々の錬金術師の事情なんて、\\n 私たちでは把握のしようもないですわ」",
"201023711_102": "「どんな状況であろうとも、\\n 私たちはマスターを護るだけだ」",
"201023711_103": "「それにしても、厄介な相手でしたよね。\\n 局長もですけど、あのサマエルを名乗った詐欺師も」",
"201023711_104": "「ええ。哲学兵装によってどのような姿にもでもなれる……\\n 状況によっては、本当に勝てないかもしれない相手でした」",
"201023711_105": "「確かにな……しかし、オレたちが思い通りにはさせなかった。\\n 奴は侮っていたんだ。人の意思と想いを」",
"201023711_106": "「ええ。マスターの授けてくださった力を我々も同じ想いによって\\n 派手に使いこなすことが出来ました」",
"201023711_107": "「そうだゾッ! あたしたちみんなの力でレイアが\\n ゴールデンハート・メカニクスを発動できたんだゾ」",
"201023711_108": "「そのあと、私たちもゴールデンカルテットに\\n なれましたしね」",
"201023711_109": "「あの事件についてか……\\n お前らも留守番くらい平和に出来ないのか」",
"201023711_110": "「これでは、おちおち休暇も取れん」",
"201023711_111": "「なになに? 何があったの?」",
"201023711_112": "「あたしたちが留守番してたら、局長が放置してた\\n 聖遺物が暴走して大騒ぎになったんだゾ」",
"201023711_113": "「おいッ!\\n なぜ、わざわざこっちに聞きにくるッ」",
"201023711_114": "「だって、わたしたちの知らない事件だから気になって……\\n それで、どうなったのッ」",
"201023711_115": "「ええ。あわや錬金術師協会の本部が大爆発の危機でしたが……\\n そこでガリィちゃんたちが力を合わせて解決したわけです」",
"201023711_116": "「……あたしが出動するような大事件を起こしたりは\\n してないだろうな」",
"201023711_117": "「知るかッ! アダムに聞けッ!」",
"201023711_118": "「……何回聞いても、こっちの世界のアダムとは\\n まったくの別人デスね……」",
"201023711_119": "「並行世界の司令と同じくらいにビックリだね……」",
"201023711_120": "「そっちの世界の局長は危ない奴だったのカ?」",
"201023711_121": "「なになに? あーしもその話混ぜて―ッ!」",
"201023711_122": "「カリオストロ。あまり並行世界の――」",
"201023711_123": "「ええいッ!\\n オレの周りでぎゃあぎゃあと騒がしくするなッ」",
"201023711_124": "「……響、どうしたの?\\n なんだか遠い目をしてたけど」",
"201023711_125": "「……今、並行世界のみんなはどうしてるのかなぁって思って」",
"201023711_126": "「あっちのわたしたちも、こういう風に集まって、\\n お祝いできたらいいのにね、って」",
"201023711_127": "「ギャラルホルンで大集合デスかッ!?」",
"201023711_128": "「それは、あのときのような大事件を意味する……。\\n とても祝えるような状況ではないな」",
"201023711_129": "「そもそも、並行世界の人間ってのは、\\n 本来顔を合わす相手じゃないからな」",
"201023711_130": "「そうね。でも……決してありえないとは思わないわ。\\n 並行世界の人間が揃って、人の女の子を救いに行ったもの」",
"201023711_131": "「ありえないことが起きてるなら……もう1回くらい、\\n そんなありえないことが起きると思う」",
"201023711_132": "「そう……だよね。\\n うんッ いつか、きっとみんなで……ッ」",
"201023711_133": "「星が……綺麗……」",
"201023711_134": "「……このところ、色々あったなぁ」",
"201023711_135": "(ここなら、安心かな。少し休んでおこう)",
"201023711_136": "「……すぅ……」",
"201023711_137": "「……ここはどこだろう?\\n なんでわたしは、こんなところに……」",
"201023711_138": "「響、どうしたの? 不思議そうな顔をして」",
"201023711_139": "「未来ッ!? どうしてッ!?」",
"201023711_140": "「どうしてって……今日はお祝いの日だからだよ?」",
"201023711_141": "「え、え、お祝いって、何の……?」",
"201023711_142": "「ほら、響。\\n 他のみんなも待ってるから、早く」",
"201023711_143": "「えッ、待って未来……」",
"201023711_144": "「おいおい、せっかくのお祝いなのに、\\n 何をそんなしょぼくれたツラしてんだよ」",
"201023711_145": "「折角みんなで集まったから……一緒にお祝いしよう?」",
"201023711_146": "「ハッハッハッ! やっぱりクリスは可愛いなぁッ!」",
"201023711_147": "「こういうときは、楽しまないと損デスよッ!」",
"201023711_148": "「ホントは、わたしにそんな暇ないけど、\\n 切ちゃんがそう言うなら……」",
"201023711_149": "「姉さん、何か食べたいものあります?\\n わたしが取ってきますね」",
"201023711_150": "「もうッ、また子供扱いして……ッ!」",
"201023711_151": "「み、みんないるなんて……。\\n やっぱり何かおかしいような――」",
"201023711_152": "「ほえ? 何がデス?」",
"201023711_153": "「せっかくのお祝いなのですから楽しまないと」",
"201023711_154": "「お祝いの場でむくれてたら、\\n それこそ時間の無駄じゃない」",
"201023711_155": "「……それもそうかも。\\n これまで、本当に色々あったから……」",
"201023711_156": "「並行世界でずっと戦ってたんだよね?」",
"201023711_157": "「うん。シンフォギアじゃない、新しい力。\\n エレクライトを纏って並行世界で戦った」",
"201023711_158": "「そうデスッ!\\n アタシたちの世界も助けてもらったデスッ」",
"201023711_159": "「……守れなかったものも多かったけどね。\\n 世界も。大切な人も……新しい家族も」",
"201023711_160": "(本当に、色んなものを失ってしまった。\\n けれど……",
"201023711_161": "「最後にはちゃんと決着をつけたんだろ?\\n なら、それでいいじゃないか」",
"201023711_162": "「……そうだね。最後には、あの人も自分の間違いに\\n 気づいてくれたから」",
"201023711_163": "(変わらないもの、変えられないものもある。\\n だけど、わたしは……",
"201023711_164": "「いた……ッ!?\\n いきなり何を――」",
"201023711_165": "「なに考え込んでるんだよ。\\n 折角の楽しい日じゃねーか」",
"201023711_166": "「ヤーッ!\\n 楽しいとき、笑顔が一番ッ」",
"201023711_167": "「――どうして、2人が……」",
"201023711_168": "「ヒビキ、ララたちがいるの邪魔?」",
"201023711_169": "「そんなわけないッ!",
"201023711_170": " でも……」",
"201023711_171": "「んじゃ、別にいーだろ。\\n 細かいことなんて、考えても仕方ねーって」",
"201023711_172": "「……そうだね……考えても仕方ないか。\\n いっぱい楽しもう。みんなで……」",
"201023711_173": "「ヒビキッ! 今度、3人でパーティしよッ!\\n ララ、料理作るッ」",
"201023711_174": "「その時は、絶対ヒビキに手伝わせろよ。\\n ちゃんと美味いの期待してるぜ」",
"201023711_175": "「……うん。いつか3人で集まろうね。\\n いつか……きっと――」",
"201023711_176": "「……ああ、軽く寝てたのか」",
"201023711_177": "「でも、久しぶりにぐっすり眠れた気分」",
"201023711_178": "(何だか気分が軽い。何かいい夢でも見てたのかな。\\n 覚えてないけど",
"201023711_179": "「……うん、何となく元気出た。\\n さあ、行かなきゃ……」",
"201023711_180": "「やっぱり、並行世界の響のことは、気になる?」",
"201023711_181": "「気になるけど……きっとあの子なら大丈夫」",
"201023711_182": "「わたしたちは1人じゃない。\\n 今まで手を繋いできた人たちの想いが胸に詰まっているから」",
"201023711_183": "「あっちの響も、それをわかってくれたもの。\\n だから、大丈夫だよね」",
"201023711_184": "「うん。今のあの子なら、自分の胸の歌を信じられてる。\\n だからきっと……へいき、へっちゃらだよ」",
"201023711_185": "「……もう、お腹の減りが限界だよ……。\\n お話もいいけど、もう食べていいよねッ」",
"201023711_186": "「立花、こういう祝い事では場を締める挨拶が肝要だ。\\n 折角だ、乾杯の音頭は立花に頼むとしよう」",
"201023711_187": "「えッ、えええッ!?",
"201023711_188": " えっと……こ、これからもみんなで一緒に頑張りましょうッ!」",
"201023711_189": "「…………。\\n もしかして、他にも言う事があるのかな……」",
"201023711_190": "「まったく、締まらない挨拶だな」",
"201023711_191": "「だが立花らしい、良い挨拶だ」",
"201023711_192": "「そうですね。\\n それに、笑ったおかげで場の空気が和んだみたい」",
"201023711_193": "「響先輩のおかげで、みんな笑顔デスッ!」",
"201023711_194": "「これも、あの子の人徳というものでしょうね」",
"201023711_195": "「あの、そろそろ誰か何を言うか教えてあげないと……」",
"201023711_196": "「そうだな。挨拶のあとに、乾杯っていうんだッ!」",
"201023711_197": "「あッ、なるほどッ! それじゃあ、せーのでいくよッ!\\n せーの……」",
"201023711_198": "「<size=40>乾杯ッッ!!</size>」"
}

@ -0,0 +1,133 @@
{
"201023811_0": "繋ぎ紡ぐ歌",
"201023811_1": "「はぁ……本物に会えると思うと、緊張するなぁ……\\n 先輩はどうですか……」",
"201023811_2": "「わたしは何回か会った事があるからそんなにかな……\\n でも、また学院内で見られると思うと嬉しいかも」",
"201023811_3": "「……流石に学院全体が落ち着かない雰囲気だな。\\n まあ、それも仕方ないか」",
"201023811_4": "「なにせ、天下の風鳴翼がリディアン音楽院へ\\n 講演に来るんだからな」",
"201023811_5": "「クリスちゃん、おはようッ!\\n 今日は楽しみだねッ」",
"201023811_6": "「おう、お前はいつにも増して元気だな」",
"201023811_7": "「元気にもなるよッ!\\n だって、翼さんの講演だよッ」",
"201023811_8": "「S.O.N.G.でいつも顔を合わせてんのにか?\\n 初めて先輩に会う年生よりもワクワクしてるぞ」",
"201023811_9": "「それはそれ、これはこれだよッ!\\n 翼さんの講演なんて初めてだから、すごく楽しみッ」",
"201023811_10": "「楽しみにするのはいいことだけどな。\\n 真面目な講演なんだから変に騒いだりはするなよ」",
"201023811_11": "「う、うんッ! 分かったッ!」",
"201023811_12": "「全校生徒の皆さん、風鳴翼先輩による講演会が始まります。\\n 各自、校庭に集まってください」",
"201023811_13": "「……おい、何でそんなそわそわしてんだ。\\n さっきまでのテンションは何処にいったんだよ」",
"201023811_14": "「こ、こう……真面目な講演だと思ったら、\\n 緊張してきちゃって――」",
"201023811_15": "「悪い。余計な釘を刺しちまったか……」",
"201023811_16": "「ほら、そろそろ行くぞ……しかし、屋外で講演か。\\n なんだか、今からライブでもするみたいだな」",
"201023811_17": "「……ライブッ!?",
"201023811_18": " 翼さんのライブだったらいつでも大歓迎だよッ!」",
"201023811_19": "「たとえ話だッ! ……まったく、さっきまで緊張してたのに",
"201023811_20": " 急に元気になったな」",
"201023811_21": "「えへへ……。\\n ライブって聞いたら、楽しみの方が勝っちゃった」",
"201023811_22": "「……まあ、ガチガチになるよりは\\n このくらい気が抜けてた方がマシだろうな」",
"201023811_23": "「リディアンの校庭で集まるのって、\\n なんだか解放感があるよね」",
"201023811_24": "「普通の講演とかは屋内でやることが多いから、\\n こういう場所で話を聞くのもいいかもな」",
"201023811_25": "「もしかしたら、翼さんもみんなに気軽に聞いてほしいから、\\n 校庭で講演をするって言ったのかも」",
"201023811_26": "「なるほど。確かに先輩はそういう気遣いをしそうだな。\\n ……と、そろそろ講演の時間だから静かにするぞ」",
"201023811_27": "「そ、そうだね……ッ!",
"201023811_28": " 翼さんの講演、ちゃんと聞かないと……ッ!」",
"201023811_29": "「……せっかく緊張が解けてたのに、\\n またガチガチになりかけてるじゃねえか……」",
"201023811_30": "「く、クリスちゃんッ!\\n 本物の翼さんが出てきたよッ」",
"201023811_31": "「言われなくても分かってるッ!\\n ……しっかし、大勢の前で堂々としててすげえな先輩……」",
"201023811_32": "(アーティストとしての先輩を見てると、\\n このバカみたいにあたしも緊張しそうだ……",
"201023811_33": "「お待たせしました。それでは、これより講演を始めます。\\n 本日は――」",
"201023811_34": "「リディアン音楽院の卒業生であり、\\n 世界を駆けるトップアーティストである――」",
"201023811_35": "「風鳴翼さんから、彼女の歌についての想いを\\n お話ししていただきますッ」",
"201023811_36": "「すごい……本物の風鳴翼が目の前に……\\n 夢みたい……」",
"201023811_37": "「なんだか、学院にいた時よりもオーラがあるような……」",
"201023811_38": "「……さて、初めましての生徒もいるだろう。\\n 改めて自己紹介をしよう。わたしが、風鳴翼だ」",
"201023811_39": "「今日はわざわざこのようなステージまで作っていただき、\\n 感謝の念に堪えない」",
"201023811_40": "(こうして全員の前で講演している姿を見てると、\\n あたしの知ってる先輩と別人みたいだな",
"201023811_41": "「今回、リディアンで講演をするに至った理由は、\\n わたしの過ごした母校への恩返しの気持ちからだ」",
"201023811_42": "「ゆえに今日は、アーティスト・風鳴翼ではなく、\\n リディアンの先輩として皆に話をしようと思う」",
"201023811_43": "「わたしにとって、リディアン音楽院で学んだことは\\n 歌の基礎だけではなかった。この学び舎でわたしは――」",
"201023811_44": "「……学院で過ごす日常の1つ1つに、わたしの歌を\\n 成長させてくれる想い出があった」",
"201023811_45": "「だから、皆もこの学院生活を楽しんでほしい。\\n その想い出が、大切なものが……自らの歌に繋がるはずだ」",
"201023811_46": "「さて、拙い講演ではあったが……以上だ。\\n ご清聴いただき、感謝する」",
"201023811_47": "「……いい話だったな。\\n 先輩の想いがしっかり伝わってきた」",
"201023811_48": "「なんだか、わたしジーンと来ちゃった……」",
"201023811_49": "「さて、時間もあるようだ。何か聞きたいことはあるだろうか?\\n 学院の先輩として、なんでも答えよう」",
"201023811_50": "(ああ、よく講演である質問をする時間ってやつか。",
"201023811_51": " とはいっても……)",
"201023811_52": "「えっと……な、何か聞きたいこと……」",
"201023811_53": "「そうは言われても……」",
"201023811_54": "「今日のわたしは、ただの卒業生として来ている。\\n 遠慮することはないぞ」",
"201023811_55": "「……ないのだろうか?\\n 学院のことについての質問でもいいのだが……」",
"201023811_56": "(すっかり静まり返っちまった。\\n 憧れの先輩に対して、下手な質問はできないよな",
"201023811_57": "(先輩のために、なんか気の利いた質問でも\\n してあげたいけど……",
"201023811_58": "(……あたしまで緊張してきたッ! こんな大勢いる場所で、\\n 手を挙げて何か言う事なんてなかったから……",
"201023811_59": "「ううむ……本当に何でもいいのだぞ?」",
"201023811_60": "(先輩のために何か良い質問をしてあげたい……\\n でも思いつかねえ……どうすれば……",
"201023811_61": "「はいッ!」",
"201023811_62": "(おお……いいぞッ!\\n あのお気楽がこの空気を壊して……",
"201023811_63": "「わたし、翼さんの歌が聴きたいですッ!」",
"201023811_64": "(……って、それは質問じゃねえッ!)",
"201023811_65": "「あれ?\\n ……もしかして、ダメだった」",
"201023811_66": "「質問だって言ってんのに、唄ってほしいなんて言われても\\n 困るだろ……ッ」",
"201023811_67": "「えッ、でも何か聞きたくないかって……\\n なんでもいいっていうから、いいのかなって」",
"201023811_68": "「いいわけねえだろッ!\\n まず、プロなんだからそう簡単に……」",
"201023811_69": "「唄ってほしい……か。なるほど……",
"201023811_70": " いいだろう」",
"201023811_71": "「いいのかよッ!?」",
"201023811_72": "「どうやら、わたしは堅く考えすぎていたようだ。\\n わたしはアーティストだからな」",
"201023811_73": "「ならば、先輩として言葉ではなくて歌で後輩を導くべきだ」",
"201023811_74": "「だからこそ、彼女はわたしに唄ってほしいと言ったのだろう。\\n ならば、わたしはその心に報いたい」",
"201023811_75": "(いい風に解釈したなッ!?",
"201023811_76": " ……まあ、絶対にこのバカはそんなこと考えないけどな)",
"201023811_77": "「やったッ!\\n 翼さんの歌が聴けるッ」",
"201023811_78": "「だが、折角の機会だ……。\\n わたし人で唄うのではなく、一緒に唄わないか」",
"201023811_79": "「え、え……えええッ!?\\n わたしが一緒に唄うってことですかッ」",
"201023811_80": "「ああ、わたしの歌に対する想いを伝えるというのであれば、\\n 一緒に唄う事が一番だ。それに、歌の練習にもなる」",
"201023811_81": "「最初に手を挙げたものの特権というものだ。\\n さあ、こちらへ」",
"201023811_82": "「え、ええっと……いいのかな?\\n わたしが一緒に唄うなんて……」",
"201023811_83": "「……遠慮せず行ってこいよ、折角の機会だろ?\\n 最初に手を挙げたやつの役得だ」",
"201023811_84": "「……すみませんッ!\\n もう人参加してもいいですかッ」",
"201023811_85": "「ああ、構わない。\\n 一緒に唄う相手が増えるのであれば歓迎だ」",
"201023811_86": "「だってッ!\\n 行こう、クリスちゃんッ」",
"201023811_87": "「ええッ!? なんであたしまで巻き込むんだよッ!」",
"201023811_88": "「せっかくだからッ!」",
"201023811_89": "「なんじゃそりゃあッ!?",
"201023811_90": " うわ、手を引っ張るなッ!」",
"201023811_91": "「なんであたしまで……」",
"201023811_92": "(結局ステージまで連れてこられたぞ。\\n いつもながら、自然に手を繋ぐやつだなぁ……",
"201023811_93": "「だって、1人だと緊張しちゃいそうで……。\\n それに、翼さんも誰かと唄う方が良いって言ってたからッ」",
"201023811_94": "「だからって、いきなりあたしを巻き込みやがって……」",
"201023811_95": "「<size=28>……そういえば、\\n こうして人で平和に唄うような機会はなかったな</size>」",
"201023811_96": "「<size=28>そういえば、確かに……\\n こんな風に人で揃って唄うのは初めてですねッ</size>」",
"201023811_97": "「<size=28>……そういやそうだったか?</size>」",
"201023811_98": "「<size=28>ああ、折角の機会だ。\\n 記憶に残るように楽しく唄おう</size>」",
"201023811_99": "「<size=28>そうですねッ!\\n 翼さんに負けないくらい気持ちを込めて唄いますッ</size>」",
"201023811_100": "「<size=28>ああ、その意気だ。\\n それではいくぞ――</size>」",
"201023811_101": "「<size=28>いや、待てッ! あたしは――</size>」",
"201023811_102": "「~~~♪」",
"201023811_103": "(くッ、本当に唄い始めやがった……\\n こっちは心の準備も出来てねえってのに……ッ",
"201023811_104": "(あのバカ、笑顔でこっちを見て……。\\n あたしも唄えっていってやがる",
"201023811_105": "(ああもうッ! こうなりゃやけっぱちだッ!\\n どうにでもなっちまえッ",
"201023811_106": "「~~~♪」",
"201023811_107": "「~~~♪\\n クリスちゃんッ 一緒に唄うと楽しいねッ」",
"201023811_108": "「~~~ッ♪」",
"201023811_109": "「ねえ、皆も唄おうよッ!」",
"201023811_110": "「~~~♪」",
"201023811_111": "「えッ、急に唄おうって言っても……」",
"201023811_112": "「……でも、なんだろう。あの3人の顔……。\\n すごく楽しそう……」",
"201023811_113": "「~~~♪」",
"201023811_114": "「……わ、わたしも唄うッ!\\n ♪」",
"201023811_115": "「あッ、ずるいッ! わたしだってッ!\\n ♪」",
"201023811_116": "「…………~~~♪」",
"201023811_117": "「~~~♪」",
"201023811_118": "(……認めるのは癪だが……こうやって、手を繋いで\\n みんなで一緒に唄うのは……いいもんだな……",
"201023811_119": "「~~~♪」",
"201023811_120": "「……皆、とてもいい歌だった。\\n おかげで、こんなにも素晴らしい時間を過ごすことができた」",
"201023811_121": "「やはり、こうしてみんなで唄うのはいいものだな。\\n ありがとうッ」",
"201023811_122": "「翼さんも喜んでくれたし、みんなも喜んでくれたし……。\\n 唄って良かったね、クリスちゃんッ」",
"201023811_123": "「……」",
"201023811_124": "「クリスちゃん、楽しかったよね?」",
"201023811_125": "「……それは、だな……その……」",
"201023811_126": "「……もしかして、楽しくなかった?」",
"201023811_127": "「……あーあーッ! 確かに楽しかったよッ!\\n 先輩と一緒に唄えて楽しかったでいいかッ」",
"201023811_128": "「だよねッ! すっごく楽しかったよねッ!\\n クリスちゃん、恥ずかしがることなんてないのに」",
"201023811_129": "「恥ずかしがってるんじゃないッ!\\n あたしは――」",
"201023811_130": "(またこのバカのせいで手を繋がされた、ってのが\\n 悔しかっただけだッ"
}

@ -0,0 +1,132 @@
{
"201023911_0": "夏色竜姫",
"201023911_1": "「――竜姫3名、帰投を確認ッ!」",
"201023911_2": "「ふー……、\\n このところ休み無しだねー」",
"201023911_3": "「…………」",
"201023911_4": "「そうですね。任務ばかりで\\n 夏らしいことなんてつも……」",
"201023911_5": "「…………」",
"201023911_6": "「ユミ、さっきから黙ってるけど、\\n どうかした」",
"201023911_7": "「まさか、\\n 先ほどの任務で怪我を……ッ」",
"201023911_8": "「フ……フフ……違うわ……」",
"201023911_9": "「うわ、こわッ!\\n 急に変な笑い方をしだしたッ」",
"201023911_10": "「怪我をしてないまでも、\\n 頭をどこかにぶつけたとか……」",
"201023911_11": "「違うわよッ!」",
"201023911_12": "「そろそろ、アレが\\n 来るんじゃないかと思って身震いしてたのよ」",
"201023911_13": "「アレ?」",
"201023911_14": "「なんですか?」",
"201023911_15": "「決まってるでしょッ!!」",
"201023911_16": "「ズバリッ!\\n 水着回よッ」",
"201023911_17": "「そうか、水着回ッ!!!」",
"201023911_18": "「――って何それ?」",
"201023911_19": "「いわゆる1つのお約束よ」",
"201023911_20": "「アニメ中盤に差し込まれる、\\n 本筋とはまったく関係のない視聴者サービスッ」",
"201023911_21": "「金持ちキャラのプライベートビーチに招待されたり、\\n 唐突に南の島で任務をすることになったり……」",
"201023911_22": "「なんやかんやで水着を着るヒロインたちッ!\\n いつもと違う姿に、戸惑う主人公ッ」",
"201023911_23": "「いや、わたしたちの場合誰だよ主人公」",
"201023911_24": "「バカンスを楽しもうとしても、\\n なぜか巻き込まれてしまうトラブルッ」",
"201023911_25": "「トラブルは嫌ですわ……」",
"201023911_26": "「いちいちうるさいわねッ! ……要するに、ヒーロー見習い\\n とはいえ、遊び心が必要じゃない ってことッ」",
"201023911_27": "「さらに要すると、せっかく夏なんだし、\\n 可愛い水着を着て、思いっきり海を満喫したーいッ」",
"201023911_28": "「あー、そういうことね……。\\n まあ気持ちは分かるけどさ」",
"201023911_29": "「――新たなノイズの反応を検知ッ!\\n 至急出撃の準備をッ ",
"201023911_30": "「この忙しさじゃねえ」",
"201023911_31": "「むー……、やっぱりダメかなぁ……」",
"201023911_32": "「終わったら、美味しいご飯でも\\n 食べに行きましょう」",
"201023911_33": "「うん、それ賛成」",
"201023911_34": "「ふえ~~い……」",
"201023911_35": "「水着……遊び……」",
"201023911_36": "「――なるほど、\\n <ruby=チミ>君</ruby>たちの望みはよく分かったよ」",
"201023911_37": "「気にしないように努めてはきたが、\\n やっぱり気になってしまうのだ――」",
"201023911_38": "「最近、司令である<ruby=ボキ>僕</ruby>に対して、\\n 竜姫たちからの扱いが、ぞんざいすぎやしないかと」",
"201023911_39": "「しかし、彼女たちの望みさえ分かってしまえばこちらのものだ。\\n 見せてやろう、司令の力というものを……ッ」",
"201023911_40": "「極秘作戦コード『九夏贈答竜姫盛名』、\\n いざ、スタートだ……ッ」",
"201023911_41": "「これで<ruby=ボキ>僕</ruby>への信頼感も一気に回復、\\n 尊敬できる上司の座へと返り咲きだッ」",
"201023911_42": "「司令、こんなところにいたんですかッ!\\n ……そのハッキングの趣味、ちょっと気持ち悪いですよ」",
"201023911_43": "「ノイズが発生しているんですッ!\\n 急ぎ発令所へ……ッ」",
"201023911_44": "「むむ、そういえば……」",
"201023911_45": "数日後――",
"201023911_46": "「<size=40>きゃあああああッ!</size>」",
"201023911_47": "「皆さん、落ち着いて\\n わたしたちの避難誘導に従ってくださいッ」",
"201023911_48": "「チッ、ノイズめ……、\\n 海水浴場だろうとお構いなしってわけッ」",
"201023911_49": "「テラジッ!\\n そっちに体向かったッ」",
"201023911_50": "「了解ですわッ!」",
"201023911_51": "「――ッ!\\n 砂浜に足が、取られて……ッ」",
"201023911_52": "「ぐ――ッ!?」",
"201023911_53": "「……ッ!?",
"201023911_54": " よくもおおおおおおッ!!」",
"201023911_55": "「何これッ!",
"201023911_56": " 足場が悪くて、上手く踏み込めない……ッ!」",
"201023911_57": "「こっちも、波が邪魔してきてバランスが……ッ!\\n いっそ海から上がって動ければいいんだけど……」",
"201023911_58": "「ノイズからみんなを護るためには、\\n そんなこと言ってられない……ッ」",
"201023911_59": "「まるでシナリオの都合で用意されたみたいな\\n 大ピンチじゃないのッ」",
"201023911_60": "「フ……フフ……、",
"201023911_61": " ハーッハッハッハッハッ!!」",
"201023911_62": "「ち、ちょっと何ッ!? \\n 今戦闘中なんだけどッ」",
"201023911_63": "「我ながら恐ろしい優秀さッ!\\n さあ、竜姫たちよッ サプライズプレゼントを受け取りたまえッ」",
"201023911_64": "「はあッ!?\\n サプライズプレゼントッ」",
"201023911_65": "「ということで、スイッチオンッ!\\n メックヴァラヌス……変形だッ」",
"201023911_66": "「変形ッ!?」",
"201023911_67": "「何これ、メックヴァラヌスが――ッ!?」",
"201023911_68": "「光って――ッ!?」",
"201023911_69": "「……………」",
"201023911_70": "「きゃあぁあぁああぁあぁあぁあッ!?」",
"201023911_71": "「なな、ななななんで急に水着にッ!?」",
"201023911_72": "「まぁ……、\\n お似合いですわ、人とも」",
"201023911_73": "「いやいやテラジこそ……、",
"201023911_74": " ってそうじゃなーいッ!」",
"201023911_75": "「どうなってんのよコレッ!!」",
"201023911_76": "「――説明しよう」",
"201023911_77": "「水着が着たいという<ruby=チミ>君</ruby>たちのために、\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>の指示の元、技術班の叡智を集結させたのだ」",
"201023911_78": "「そしてフォームチェンジ機能を追加し、\\n 水着フォームを実装したのだよ」",
"201023911_79": "「そ、そんなのアリなんですの……?」",
"201023911_80": "「なんという税金の無駄使い……ッ!」",
"201023911_81": "「あたしたちのメックヴァラヌスに、\\n ヘンテコな機能をつけるなーッ」",
"201023911_82": "「……ッ!\\n 油売ってる場合じゃなかったッ」",
"201023911_83": "「あたしが相手だぁあああああッ!!」",
"201023911_84": "「嘘……ッ!\\n なんかさっきより、身体が軽いんだけど……ッ」",
"201023911_85": "「ええ、水場でも\\n 波の抵抗を一切受けませんわッ」",
"201023911_86": "「言ったはずだよ。\\n 技術班の叡智を集結させたと」",
"201023911_87": "「その姿はいわば、海岸や水中戦に\\n 特化したフォームなのだよ」",
"201023911_88": "「これなら、いける……ッ!」",
"201023911_89": "「ノイズめ、さっきはよくもおぉぉぉぉッ!!」",
"201023911_90": "「――ご苦労。見事な殲滅ぶりだったね。\\n さすがは<ruby=ボキ>僕</ruby>の用意したプレゼントだと思わないかね?」",
"201023911_91": "「いや、うーん……、\\n 性能はすごいし、まぁ可愛いんだけど……」",
"201023911_92": "「戦うたびに水着になるのはちょっと、ねぇ」",
"201023911_93": "「な……ッ!?\\n なぜ喜んでいないのかねッ」",
"201023911_94": "「希望通り、武器にも\\n 水鉄砲やバナナボート風の意匠を取り入れている」",
"201023911_95": "「まさに<ruby=チミ>君</ruby>たちが望んだ、\\n 遊び心たっぷりなフォームではないかッ」",
"201023911_96": "「遊び心?\\n 何の話よ、それ」",
"201023911_97": "「言ってたではないか」",
"201023911_98": "「水着のような遊び心のある\\n フォームを着てみたいと……ッ」",
"201023911_99": "「あのねぇ……、\\n どこでその話を聞いたのかは知らないけど――」",
"201023911_100": "「あたしは水着を着て、遊びたいだけなのッ!」",
"201023911_101": "「メックヴァラヌスに\\n 遊び心なんかいらないわよッ」",
"201023911_102": "「まさか、<ruby=ボキ>僕</ruby>が聞き間違いをしたとでも……?」",
"201023911_103": "「む……むううう……」",
"201023911_104": "「そ、そういうことなら早く言いたまえッ!」",
"201023911_105": "「――青い海、煌めく砂浜ッ!」",
"201023911_106": "「う~~ん、まさにバカンスねッ!」",
"201023911_107": "「まったく、休暇を取りたいのなら\\n ハッキリと、そう言いたまえ」",
"201023911_108": "「<ruby=ボキ>僕</ruby>も監督者の名目で海を楽しめるし、\\n <ruby=チミ>君</ruby>たちには感謝されるしで一石二鳥というわけだ」",
"201023911_109": "「なんでついてきてるの……」",
"201023911_110": "「まぁまぁ、いいじゃないですか」",
"201023911_111": "「わッ! 急に水かけないでよッ!」",
"201023911_112": "「ほーら、早く遊ぼうよッ!」",
"201023911_113": "「やったなーッ! このーッ!」",
"201023911_114": "「……ふふ、この時間が\\n ずっと続けばいいのに――」",
"201023911_115": "「――新たなノイズの反応を検知ッ!」",
"201023911_116": "「んなッ! ぼ、<ruby=ボキ>僕</ruby>の、のんのんタイムが……ッ!」",
"201023911_117": "「あーあ、これが水着回のお約束ってやつ?」",
"201023911_118": "「そう、バカンスを楽しもうとする主人公たちは\\n トラブルに巻き込まれる宿命なのよ」",
"201023911_119": "「なら、せいぜい\\n 水着フォームで風情を感じるとするかー……」",
"201023911_120": "「……うん、悪くない」",
"201023911_121": "「あれ、結構気に入ってる?」",
"201023911_122": "「よくよく考えたら、\\n いかにもな水着回っぽいフォームで最高じゃないッ」",
"201023911_123": "「あ、そういうことね……」",
"201023911_124": "「それだけじゃないけどね。なんか3人お揃いって感じがしてさ。\\n 妙に嬉しくなっちゃって」",
"201023911_125": "「皆さんとお揃いの恰好でいられるなら、毎日水着でも\\n いいかもしれないですわ」",
"201023911_126": "「……さすがにそれはどうだろ」",
"201023911_127": "「まあ、少しは司令に感謝してもいいかな」",
"201023911_128": "「だったら、その分しっかり働かないとッ!\\n 行くよッ」",
"201023911_129": "「――メックヴァラヌス、テイクオフッ!!」"
}

@ -0,0 +1,87 @@
{
"201024011_0": "おみこしわっしょいッ!",
"201024011_1": "(ふぅ、今日のトレーニングも終了デス)",
"201024011_2": "(帰りに美味しいものでも……と思ったけど、\\n 調はまだ任務から戻ってないみたいデスね",
"201024011_3": "(おッ、あの2人はッ!)",
"201024011_4": "(ちょうどよかったデス。\\n 調の任務がどれくらいで終わるか聞いてみるデスよ",
"201024011_5": "「――そうですか……、\\n それは残念です」",
"201024011_6": "「すまない、本当は俺も参加したいのだが、\\n どうしても外せない用事ができてしまってな」",
"201024011_7": "「では本日は、わたし1人で回ろうかと……」",
"201024011_8": "「せっかくの祭りだ。\\n 他の誰かを誘ってみるのもいいと思うぞ」",
"201024011_9": "「お、お祭りデスかッ!?」",
"201024011_10": "「ん? 誰かいるのか?」",
"201024011_11": "(…………)",
"201024011_12": "「気のせいか?\\n 何か聞こえた気がしたんだが……」",
"201024011_13": "(思わず隠れてしまったデスけど……)",
"201024011_14": "(あの話だと、お祭りに誘われた司令が\\n 忙しくなって断った感じデスかね",
"201024011_15": "(お祭りといえば、たこ焼きにかき氷。焼きそば、りんご飴ッ!\\n 射的にヨーヨー釣りまで……ッ",
"201024011_16": "(想像するだけで楽しいデスッ!\\n これはなんとしても行かなければッ",
"201024011_17": "「……では、わたしはこれで」",
"201024011_18": "「ああ、俺の分まで楽しんできてくれ」",
"201024011_19": "「ま、待ってくださいデスッ!」",
"201024011_20": "「どうした? 随分と慌てているようだが、\\n わたしに何か急ぎの用事か」",
"201024011_21": "「えっと……実はさっき司令と話していたことが、\\n たまたま聞こえてしまって……」",
"201024011_22": "「お願いデスッ!\\n アタシもお祭りに連れて行ってほしいデスッ」",
"201024011_23": "「話を聞いてたら、いても立ってもいられなくなったんデスッ!」",
"201024011_24": "「……そうか。\\n その熱意、しかと受け取ったぞ」",
"201024011_25": "「ちょうど、わたしも誰かを誘おうと思っていたところなんだ。\\n 一緒に参加しようじゃないか」",
"201024011_26": "「本当デスかッ!? 嬉しいデスッ!」",
"201024011_27": "「では、早速行くとしよう。\\n ボヤボヤしていたら祭りが終わってしまうッ」",
"201024011_28": "「はいッ! どこから回るか、今から楽しみデスッ!」",
"201024011_29": "「安心していい、回る場所は決まっているからな」",
"201024011_30": "「おお、頼もしいデスッ!」",
"201024011_31": "(頑張っている調にも、\\n お土産をたくさん買って帰るデスよッ",
"201024011_32": "「さぁ、着いたぞ。\\n 予定通りに間に合ったようだな」",
"201024011_33": "「ここデスかッ!? 予定通りって……、\\n 出店がひとつもなくて、あるのは大きなお神輿だけデスけど……」",
"201024011_34": "「そういえば、暁は初めてだったか。\\n この祭りでは、神輿を担いで街を回るんだ」",
"201024011_35": "「ええッ!? そうだったんデスかッ!\\n じゃあ司令と話していたのは……」",
"201024011_36": "「司令とは毎年、この祭りで神輿を担いでいたんだ。\\n 残念ながら、今年は外せない用事ができてしまったが……」",
"201024011_37": "「そこへ、暁が参加したいと名乗りを上げてくれた。\\n ちょうど担ぎ手がほしいと思っていたし、嬉しかったぞ」",
"201024011_38": "「なんとッ!? そういうことだったデスか……」",
"201024011_39": "「うまいもんマップ作り以外に\\n お祭りに参加する方法があるなんて、知らなかったデス……」",
"201024011_40": "「ふむ。その反応を見る限り、\\n どうやら期待していたものと違っていたようだな」",
"201024011_41": "「ちゃんと聞かなかったアタシが悪いデス……」",
"201024011_42": "「そうか……」",
"201024011_43": "「でも、せっかくここまで来たんだ。\\n 思い切って参加してみないか」",
"201024011_44": "「日本の祭りの醍醐味といえば神輿担ぎだ。\\n これを経験しないのはもったいないぞ」",
"201024011_45": "「そこまで言われると、ちょっと興味が出てくるデスね」",
"201024011_46": "「では早速、支度を始めるとしよう。\\n 神輿担ぎに相応しい装いがあるんだ」",
"201024011_47": "「了解デースッ!」",
"201024011_48": "「わわッ!? ど、どっちに行くデスかッ!\\n 待ってほしいデスッ」",
"201024011_49": "「担ぎ棒をしっかり握るんだッ!\\n 力を抜くと吹き飛ばされるぞッ」",
"201024011_50": "「お神輿を担ぐのがこんなにハードだなんて……、\\n 聞いてないデスよッ」",
"201024011_51": "「まだまだ序の口だ。\\n これから一層盛り上がり、激しくなるぞッ」",
"201024011_52": "「こ、これ以上ッ!? 身体がもたないデスッ!」",
"201024011_53": "「わっしょい、わっしょいッ!」",
"201024011_54": "(さすが翼さんは毎年参加してるだけあって、慣れてるデスね。\\n しっかりとリズムにも乗っていて……",
"201024011_55": "(それに比べて、アタシは……)",
"201024011_56": "「わ、わっしょ――うわあッ!\\n 右に左に、目が回っちゃうデス……」",
"201024011_57": "「足が浮きっぱなしデス……。\\n も、もう、アタシには無理デス……」",
"201024011_58": "「暁、こんなところで諦めるなッ!\\n まだ祭りの『ま』の字も終わっていないんだぞッ」",
"201024011_59": "「そんなことを言われても……」",
"201024011_60": "「神輿に振り回されるのは気持ちが負けているからだ。\\n 腹に力を込めろ、気合を入れろッ」",
"201024011_61": "「神輿に担がれるのではないッ! 己が担ぐのだッ!\\n それこそが勝利への鍵ッ」",
"201024011_62": "「担がれるのではなく、担ぐ……、\\n やってみるデス……ッ」",
"201024011_63": "「わ、わっしょい、わっしょいッ!」",
"201024011_64": "「まだだッ! もっと腹から声を出せッ!\\n わっしょいッ わっしょいッ」",
"201024011_65": "「わっしょいッ! わっしょいッ!\\n おみこしわっしょいッ」",
"201024011_66": "(……あれ? なんだか自然とリズムが取れて、\\n 身体が振り回されなくなってきたデス",
"201024011_67": "「これがお神輿を担ぐってことデスか……。\\n お神輿やみんなと一体になってる感じデスッ」",
"201024011_68": "「そうだ。神輿とはみんなで担ぐもの。\\n 人で担ごうと焦っても出来はしない」",
"201024011_69": "「今、やっとわたしたちと同じ戦場に立ったんだ。\\n さあ、祭りを楽しむぞッ」",
"201024011_70": "「はいッ! 思う存分、楽しむデスよッ!」",
"201024011_71": "(調のお土産は買えなかったデスけど、\\n 代わりに最高の土産話ができたデス……ッ」",
"201024011_72": "(この前の祭りは暁のおかげで、みんなも盛り上がってくれた)",
"201024011_73": "(ぜひまた参加してもらいたいが、\\n やはり暁は出店を回るほうがいいのだろうか……",
"201024011_74": "「それでそのお神輿が大きく揺れるんデスよッ!」",
"201024011_75": "「すごいね、実物は見たことがないから、\\n わたしも見てみたい」",
"201024011_76": "(あれは……神輿を担いだ時の話をしているようだな)",
"201024011_77": "「もう最初は右に左に身体が引っ張り回されて、\\n 揉みくちゃだったデスよッ」",
"201024011_78": "「でも、こう……お腹に力を入れて、声を出しているうちに\\n お神輿を担げるようになってたデスッ」",
"201024011_79": "「リズムに乗って、みんなと一緒に頑張ってる感じがして、\\n とっても楽しかったデスよッ」",
"201024011_80": "「フフッ、切ちゃん本当に楽しかったんだね。\\n わたしも一緒に行きたかったな」",
"201024011_81": "「それじゃあ、翼さんに聞いてみるデスよッ!\\n きっと連れて行ってくれるはずデスッ」",
"201024011_82": "「うん、楽しみ」",
"201024011_83": "(これは……次の祭りも盛り上がりそうだ)",
"201024011_84": "「そのときはアタシが手本を見せてあげるデス。\\n 楽しみにしてて、調ッ」"
}

@ -0,0 +1,122 @@
{
"201024111_0": "奏のバースデー2021",
"201024111_1": "「――よし、\\n 今日はこんなとこか」",
"201024111_2": "「お疲れ様デースッ!」",
"201024111_3": "「すごく新鮮で、勉強になりました」",
"201024111_4": "「あー、確かにこの組み合わせで\\n 訓練することはあんまりなかったよな」",
"201024111_5": "「あたしなんかで良ければ、\\n いつでも付き合うよ」",
"201024111_6": "「本当デスかッ!\\n 奏さん、お姉さんみたいでとっても教え上手デスッ」",
"201024111_7": "「ぜひこれからもお願いしたいです」",
"201024111_8": "「お、嬉しいこと言ってくれるね」",
"201024111_9": "「なら、次の定期報告のスケジュールに合わせて――」",
"201024111_10": "「……あ」",
"201024111_11": "「どうかしたデス?」",
"201024111_12": "「そういや次にこっちに来る日、\\n あたしの誕生日だったなって」",
"201024111_13": "「ま、今は関係ない話――」",
"201024111_14": "「関係大ありデスッ!\\n これは一大事デスよッ」",
"201024111_15": "「そうだね切ちゃん、由々しき事態」",
"201024111_16": "「何がッ!?」",
"201024111_17": "「奏さんの誕生日をお祝いできる\\n 絶好の機会じゃないデスかッ」",
"201024111_18": "「いやぁ、この年になれば誕生日なんて、\\n そんなに気にならなくなるものなんだよ」",
"201024111_19": "「そ、そんなの寂しすぎるデスッ!」",
"201024111_20": "「誕生日は、1年に1度しか訪れないとても大切な日デスよッ!」",
"201024111_21": "「奏さんは、自分の誕生日、\\n どうするつもりですか」",
"201024111_22": "「んー、コンビニでケーキでも買うかな」",
"201024111_23": "「……調」",
"201024111_24": "「……切ちゃん」",
"201024111_25": "「お、おい。\\n なんであたしを取り囲む必要があるんだ」",
"201024111_26": "「<size=40>確保ーッ!!</size>」",
"201024111_27": "「のあッ!?」",
"201024111_28": "「大人しくアタシたちにお祝いされるデスッ!」",
"201024111_29": "「お祝いさせてください」",
"201024111_30": "「……まったく、しょうがないな。",
"201024111_31": " じゃあ、ご厚意に甘えさせてもらうか――」",
"201024111_32": "誕生日当日",
"201024111_33": "「よ、待たせたな」",
"201024111_34": "「いらっしゃいデースッ!」",
"201024111_35": "「今日はありがとう。\\n よろしく頼むよ」",
"201024111_36": "「任せてください。\\n 手作り料理でおもてなしします」",
"201024111_37": "「お、そいつは楽しみだな」",
"201024111_38": "「えっと、材料は――」",
"201024111_39": "「……ちょっと切ちゃん。\\n 今お菓子入れたでしょ」",
"201024111_40": "「え、えー?\\n 何のことデスか」",
"201024111_41": "「ほら、お肉の裏に\\n 隠したって駄目なんだから」",
"201024111_42": "「バ、バレちゃったデスか」",
"201024111_43": "「もう……、今日はお菓子禁止、\\n お家にもまだあるでしょ」",
"201024111_44": "「はーいデス……」",
"201024111_45": "「――フフ」",
"201024111_46": "「……奏さん?」",
"201024111_47": "「悪い悪い。2人がなんだか微笑ましくてさ」",
"201024111_48": "(ノイズに殺されたあたしの妹……)",
"201024111_49": "(たしかあいつも、こんな感じだったかな)",
"201024111_50": "(ああそうだ、いつかこんな風に\\n 人で買い物をして、料理を作ったっけ……",
"201024111_51": "(確か、あれは――)",
"201024111_52": "「――オムライス」",
"201024111_53": "「へ?」",
"201024111_54": "「ああいや、\\n 不意に食べたくなったというか……」",
"201024111_55": "「なるほどッ!\\n じゃあ今日はオムライスにするデスッ」",
"201024111_56": "「え、いいのか?」",
"201024111_57": "「はい。実は何を作るか\\n ずっと決めかねてたんです」",
"201024111_58": "「食べたい物があるなら、\\n むしろアタシたちも助かるデスッ」",
"201024111_59": "「じゃあ、リクエストさせてもらおうかな」",
"201024111_60": "「ふー、材料調達終わり」",
"201024111_61": "「あとは作るだけデースッ!」",
"201024111_62": "「本当に手伝わなくていいのか?」",
"201024111_63": "「主役は待っててほしいデスッ!」",
"201024111_64": "「はい、わたしたちだけでも大丈夫です」",
"201024111_65": "「――切ちゃん、まずは卵を割るんだよ」",
"201024111_66": "「カチ割るデースッ!」",
"201024111_67": "「……あ、殻が入っちゃった」",
"201024111_68": "「あぅ、思ったより難しいデスね……」",
"201024111_69": "「気にしないで。\\n お箸で取り除けば平気だから」",
"201024111_70": "「じゃあ次は、ミキサーで――」",
"201024111_71": "「うひゃあああッ!?\\n すっごい飛び散るデスーッ」",
"201024111_72": "「き、切ちゃんッ!\\n ミキサーを強くしすぎ……ッ」",
"201024111_73": "(……やれやれ)",
"201024111_74": "「なあ、待ってるのも飽きちゃったからさ。\\n あたしも一緒に作っていいか」",
"201024111_75": "「で、でも……」",
"201024111_76": "「その方が楽しいだろ。な?」",
"201024111_77": "「……は、はいデスッ!」",
"201024111_78": "「――よーし、\\n チキンライスはこんなもんかな」",
"201024111_79": "「そっちはどうだ?」",
"201024111_80": "「た、卵が焼けてきたデスッ!」",
"201024111_81": "「あとは綺麗に包めば完成……ッ!」",
"201024111_82": "「いくデスよーッ!」",
"201024111_83": "「――あッ!」",
"201024111_84": "「卵、破れちゃった……」",
"201024111_85": "「うぅ……こんなつもりじゃ……。\\n ごめんなさいデス……」",
"201024111_86": "「そんなに気にするなって。\\n これはこれで美味しそうだぞ」",
"201024111_87": "「すごく不格好デスよ……?」",
"201024111_88": "「ならさ。ケチャップで絵を描いてくれよ」",
"201024111_89": "「そうすれば破れてる箇所が気にならないだろ?」",
"201024111_90": "「なるほどッ!」",
"201024111_91": "「そ、それデスッ!」",
"201024111_92": "「で、出来た~~ッ!」",
"201024111_93": "「おぉ、めちゃくちゃ豪華になったなッ!」",
"201024111_94": "「それではッ!」",
"201024111_95": "「奏さんッ!\\n 誕生日おめでとうございますッデスッ」",
"201024111_96": "「2人ともありがとな」",
"201024111_97": "「冷めないうちにどうぞ」",
"201024111_98": "「おう、いただきまーすッ!」",
"201024111_99": "「……ッ!」",
"201024111_100": "「美味い、すごく美味いぞこれッ!」",
"201024111_101": "「ほ、本当デスかッ!?」",
"201024111_102": "「よかった……」",
"201024111_103": "「その……色々\\n 上手くできなくてごめんなさいデス」",
"201024111_104": "「本当はもっと、\\n 綺麗なオムライスを作りたかったんですけど……」",
"201024111_105": "「なーに言ってんだ。\\n その人の心意気が嬉しいんだって」",
"201024111_106": "「あたしにとっちゃ、\\n このオムライスが世界一だよ」",
"201024111_107": "「そうデスかね……」",
"201024111_108": "「奏さん、デザートはどうですか?」",
"201024111_109": "「今度は上手に作ります」",
"201024111_110": "「おう、頼むぞッ!」",
"201024111_111": "(……いい子たちだな)",
"201024111_112": "(2人を見ていたら、あたしが姉だったことを思い出したよ)",
"201024111_113": "(……なら、少しは\\n 姉らしくしてやらないとか",
"201024111_114": "「なあ、そのデザートの作り方、\\n あたしにも教えてくれよッ」",
"201024111_115": "「一緒に作った方が楽しい、だろ?」",
"201024111_116": "「――はいデスッ!」",
"201024111_117": "「はいッ!」",
"201024111_118": "(……こういう誕生日も良いもんだな)",
"201024111_119": "(ありがとう、2人とも――)"
}

@ -0,0 +1,49 @@
{
"201024211_0": "ちっちゃくないデスッ!",
"201024211_1": "「うう……ッ! あと少し……ッ!」",
"201024211_2": "「切ちゃん、無理しないで。\\n 脚立借りてくるから……」",
"201024211_3": "「なんのこれしき……、デスッ!\\n 背伸びをすれば、これくらい……ッ」",
"201024211_4": "「……お前ら、何やってんだ?\\n ほら、これだろ」",
"201024211_5": "「うう、あと少しだったデスのに……ッ!」",
"201024211_6": "「おいおい、ムリすんなって。バイトリーダーも鬼かよ。\\n わざわざ背の低いお前らをこんなとこに配置するなんてな」",
"201024211_7": "「バカにしないでくださいデスッ!\\n これくらい朝飯前の仕事デスよ」",
"201024211_8": "「バカにしてるわけじゃねーって。\\n ただ適材適所ってもんがあるって話だよ」",
"201024211_9": "「現に響と翼なら、その気になりゃ、怪獣相手にビラ配りだって\\n できんだろ」",
"201024211_10": "「怪獣相手に、ビラを配る意味なんてありません……」",
"201024211_11": "「アタシたちだってッ!\\n ギアさえあれば怪獣なんて、ちょちょいのちょいデスよッ」",
"201024211_12": "「そんな怒んなって、ただの冗談じゃねぇか……。\\n それより本当に急がねぇと、バイトリーダー怖ぇぞ」",
"201024211_13": "「あッ! うっかりしてたデス。",
"201024211_14": " 急いでこの荷物を運ばないとデスッ!」",
"201024211_15": "「切ちゃんッ! 足元気をつけて――ッ!」",
"201024211_16": "「およ? なんでこんな所にバナナの皮があるんデスかッ!?」",
"201024211_17": "「うう……、腰が痛いデス……」",
"201024211_18": "「オイオイ、大丈夫かよ……?」",
"201024211_19": "「怪獣だ! みんな、すぐに迎撃するぞ!」",
"201024211_20": "「了解デスッ!」",
"201024211_21": "「アクセス――、しまった! ダイナダイバーが無い!?",
"201024211_22": " 忘れてきちまったのか……」",
"201024211_23": "「仕方ないデスね、ガウマ隊長は。\\n ここはアタシにまかせるデスッ」",
"201024211_24": "「切歌……、お前――」",
"201024211_25": "「アクセスモード、ダイナイガリマァァァッ!」",
"201024211_26": "「この街と、バイト先の平和はアタシが護るデスよッ!」",
"201024211_27": "「怪獣なんて――、アタシにかかればちょちょいデスッ!」",
"201024211_28": "「本当にちょちょいのちょいじゃねぇか……。",
"201024211_29": " すげぇな、切歌!」",
"201024211_30": "「切ちゃん、カッコいい」",
"201024211_31": "「危ないぞ! 巨大怪獣が――!」",
"201024211_32": "「それでもアタシは負けないデスッ!」",
"201024211_33": "「いくらなんでも、あれは無理だろ!?」",
"201024211_34": "「なんのあれしきデスッ!\\n アタシたちも響さんみたいにおっきくなれば――」",
"201024211_35": "「えッ!? わたしまでッ!?」",
"201024211_36": "「この大きさなら、誰にも負けないデスッ!\\n もうちっちゃいだなんて言わせないデスよッ」",
"201024211_37": "「す、すげぇ……」",
"201024211_38": "「おりょ? ガウマ隊長、どこデスか?」",
"201024211_39": "「おい、俺はここだ!」",
"201024211_40": "「あ、そんなところにいたデスね。\\n ちっちゃすぎて見えなかったデス」",
"201024211_41": "「お前がでかくなりすぎなんだよ!」",
"201024211_42": "「そうデスッ! アタシはデッカいんデスよッ!\\n ちっちゃくなんて――」",
"201024211_43": "「アタシは……、ちっちゃくないんデス……。\\n デッカいアタシが、みんなを護って……むにゃ……」",
"201024211_44": "「なんだ? 夢の中でも戦ってんのか、そいつ」",
"201024211_45": "「多分、楽しい夢を見てるんだと思います」",
"201024211_46": "「……夢の中でくらい大きくなりたいよね、切ちゃん」"
}

@ -0,0 +1,102 @@
{
"201024311_0": "マリアのバースデー2021",
"201024311_1": "「よッ、お疲れさん」",
"201024311_2": "「あら、何か用かしら?」",
"201024311_3": "「あー、まぁ……、\\n 用事ってほどの事じゃないんだけど」",
"201024311_4": "「ほら、今日は誕生日だろ?\\n だからその……」",
"201024311_5": "「何かプレゼントしようと思ってさ……。\\n ちょっと買い物に付き合ってくれないか」",
"201024311_6": "「……」",
"201024311_7": "「フフ」",
"201024311_8": "「な、何がおかしいんだよ?」",
"201024311_9": "「ごめんなさい。\\n あなたから誘われるなんて珍しくてね」",
"201024311_10": "「そういうことなら\\n エスコートをお願いしようかしら」",
"201024311_11": "「エ、エスコートって……、大げさだな」",
"201024311_12": "「だって、どんなデートプランを用意してくれたのか、\\n 期待してしまうもの」",
"201024311_13": "「デ、デー……ッ!?",
"201024311_14": " バカッ! ただの買い物だってのッ!」",
"201024311_15": "「とっとと行くぞッ!」",
"201024311_16": "「フフ」",
"201024311_17": "「それで、何を買いに行くの?」",
"201024311_18": "「前にあたしに\\n 洋服をプレゼントしてくれたことがあっただろ」",
"201024311_19": "「あの時はすごく嬉しかった……」",
"201024311_20": "「だから今日はそのお礼で\\n 服を選んであげたいんだ」",
"201024311_21": "「ありがとう、すごく嬉しいわ」",
"201024311_22": "「そういうことならあっちの方がお店が多いわ――」",
"201024311_23": "「……ッ!」",
"201024311_24": "「お、早速良いの見つけたか?」",
"201024311_25": "「あのディスプレイに飾ってある服、\\n 切歌にすっごく似合うと思わない」",
"201024311_26": "「あのなぁ、\\n 今日はそういう目的じゃないんだって」",
"201024311_27": "「あの子たちに服選びでアドバイスすることがあるから\\n つい気になっちゃうのよ」",
"201024311_28": "「身内だからって、\\n あんま甘やかさない方がいいんじゃないのか」",
"201024311_29": "「これでも最近は、\\n 以前より手がかからなくなったのよ」",
"201024311_30": "「わたしが任務で留守にしている間も、\\n 面倒見のいい先輩が、何だかんだとお世話してくれるもの」",
"201024311_31": "「ジ、ジロジロ見るなよ。\\n 別にそんなんじゃないし……」",
"201024311_32": "「ほっとけないから、\\n たまに相手してやってるだけだ」",
"201024311_33": "「それでもありがとう。\\n いつも本当に感謝してるわ」",
"201024311_34": "「……ッ!",
"201024311_35": " あーもう、これ以上その話はなしッ!」",
"201024311_36": "「ったく、たまには\\n 自分のことだけ考えろよ……」",
"201024311_37": "(……その言葉、\\n そっくりそのままお返しするわ",
"201024311_38": "(あなたもたまには誰かに甘えたり、\\n 頼ったりしてもいいのに……",
"201024311_39": "「いらっしゃいませ~ッ!」",
"201024311_40": "「よーし、任せとけ。\\n とびっきり可愛いのを選んでやるからな」",
"201024311_41": "「気合いたっぷりね」",
"201024311_42": "「おッ、このシャツなんかどうだ?",
"201024311_43": " リボンが可愛いだろッ!」",
"201024311_44": "「え、ええ」",
"201024311_45": "「な、鏡の前であわせてみろよ」",
"201024311_46": "「こうかしら」",
"201024311_47": "「ん……んん~?」",
"201024311_48": "「おっかしいな……、\\n あわせると微妙になるっていうか……」",
"201024311_49": "「そうかしら?\\n わたしは好きだけど」",
"201024311_50": "「いや、なんか変だッ!」",
"201024311_51": "「今度はこっちのジャケットを\\n あわせてみてくれッ」",
"201024311_52": "「ええ、いいわよ」",
"201024311_53": "「……あれ? これもなんか違うな……」",
"201024311_54": "(……フフ。あなたが着たら\\n きっと、とっても似合うわ",
"201024311_55": "(けどわたしの年齢だと、もう少し\\n シンプルな服装の方が映えたりするのよね",
"201024311_56": "(そうね……よし)",
"201024311_57": "「ねえ、あっちの\\n ワンピースなんかどうかしら」",
"201024311_58": "「んー、どうだろうな……」",
"201024311_59": "「せっかくだし、色んなものを\\n 試してみるのもいいと思わない」",
"201024311_60": "「それもそうか……、",
"201024311_61": " じゃあ、これとかどうだ」",
"201024311_62": "「ええ、そうね。\\n 普段使いにもちょうどよさそう」",
"201024311_63": "「ほ、本当か?」",
"201024311_64": "「さすがのチョイスだわ。\\n これにしようかしら」",
"201024311_65": "「そ、そうかッ! なら早速着てくれよ、\\n プレゼントするからさッ」",
"201024311_66": "「嬉しいわ。\\n わたしにもお礼をさせて」",
"201024311_67": "「へ? お礼って……」",
"201024311_68": "「はい、さっきの服の色違いよ。\\n きっと似合うわ」",
"201024311_69": "「な、何言ってんだよッ!\\n あたしは別に誕生日でもなんでもないしッ」",
"201024311_70": "「た、確かにその服は可愛いけど……」",
"201024311_71": "「ならいいじゃない。\\n 一緒にお揃いで着ましょうよ」",
"201024311_72": "「今日はわたしの誕生日なんだから、\\n お願い、聞いてくれるわよね」",
"201024311_73": "「ズ、ズルいぞそういうの……。\\n しょうがない、回だけだからな……」",
"201024311_74": "「ほら、もっとこっち寄ってッ!」",
"201024311_75": "「ち、ちょっと……近すぎだろッ!」",
"201024311_76": "「じゃないと2人とも入らないでしょ?」",
"201024311_77": "「あ、あたしは別に写らなくても……」",
"201024311_78": "「いいからいいからッ!\\n ほら、撮るわよッ」",
"201024311_79": "「フフ、よく似合っているわ」",
"201024311_80": "「……その言葉、\\n そっくりそのまま返しとく」",
"201024311_81": "「ありがとう、とっても嬉しいわ」",
"201024311_82": "「はぁ、今日は失敗したな……」",
"201024311_83": "「服選びに助け舟を出してもらった上に\\n 逆に買ってもらうなんて」",
"201024311_84": "「バッチリ決めたかったのに、\\n なんだか締まらないことになっちまって……」",
"201024311_85": "「いいのよ。\\n その気持ちが番なんだから」",
"201024311_86": "「でも……」",
"201024311_87": "「完璧なんかじゃなくていいの。\\n むしろ、頼られるのだって嬉しいものなのよ」",
"201024311_88": "「……そういうものなのか?」",
"201024311_89": "「ええ、覚えておくといいわ。\\n 特にあなたはね」",
"201024311_90": "「それとあの言葉を言い忘れてないかしら?」",
"201024311_91": "「……あッ!?",
"201024311_92": " そ、そうだったな……」",
"201024311_93": "「えっと……、\\n 誕生日おめでとう……」",
"201024311_94": "「ありがとう。\\n 今日はいい想い出になったわ」",
"201024311_95": "「じゃ、せっかくの誕生日だし、\\n もう少し付き合ってもらっていいかしら」",
"201024311_96": "「まだどこかに行きたいのか?」",
"201024311_97": "「ええ、せっかくのお揃いだもの。\\n 街中の人に見せびらかさないと」",
"201024311_98": "「恥ずかしいことさらっと言うなよ……」",
"201024311_99": "「はぁ……ほんとに敵わないよな」"
}

@ -0,0 +1,199 @@
{
"201024411_0": "ジャングル大冒険ッ!",
"201024411_1": "「並行世界に到着デースッ!\\n さっそく、セレナとお話をしに行くデスよッ」",
"201024411_2": "「こら。お話は先に定期報告を済ませてからね。\\n 任務中なんだから、あまり浮かれてちゃダメよ」",
"201024411_3": "「うん。分かってる。\\n ちゃんと任務を終わらせてからお話をするね」",
"201024411_4": "「ええ。わたしもセレナと話をするのが楽しみだわ。\\n ……ただ、ゆっくり話せる状況だといいのだけど」",
"201024411_5": "「何だろう……職員の人たちが慌ただしいね」",
"201024411_6": "「――情報の精査を急げッ!」",
"201024411_7": "「作戦のサポートについては――」",
"201024411_8": "「……事件の予感デスね」",
"201024411_9": "「とにかく状況を教えてもらいましょう。\\n 大事じゃないといいんだけど……」",
"201024411_10": "「お疲れ様、よく来てくれました。\\n 報告の資料はこちらに用意しています」",
"201024411_11": "「何かあったの?\\n 随分と慌ただしい様子だけど」",
"201024411_12": "「実は、これから出撃なんです」",
"201024411_13": "「ジャングル地帯の奥地で、錬金術師による研究が\\n 行われていると情報が入ったのです」",
"201024411_14": "「アルカ・ノイズの目撃情報もあり、\\n 装者を向かわせるべきだと判断して、緊急出撃の準備中です」",
"201024411_15": "「なるほど……。\\n それなら、アタシたちも手伝うデスッ」",
"201024411_16": "「錬金術師の潜伏先は小規模です。\\n セレナ人でも十分に対応できると判断しています」",
"201024411_17": "「でも、こっちの装者はセレナしかいないデスッ!\\n そのセレナになにかあったら一大事デスッ」",
"201024411_18": "「うん。わたしも切ちゃんと同じ気持ち。\\n 手伝った方が早く事態を収拾できるし」",
"201024411_19": "「そういうわけにもいきません。\\n あなたたちには、自分の世界の任務があるはずでしょう」",
"201024411_20": "「……そうね。わたしたちは、一度本部に戻るわ。ただ、本部で\\n 出撃許可が下りたら、手伝わせてもらってもいいかしら」",
"201024411_21": "「ええ。\\n 協力の許可が下りるのであれば、是非お願いします」",
"201024411_22": "「分かったわ。それじゃあ、少しだけ待っていて。\\n すぐに戻ってくるから」",
"201024411_23": "「戻ってきたら、4人でレッツ・錬金術師退治デスッ!」",
"201024411_24": "「な……ッ!?\\n そんな、アルカ・イズが……ッ」",
"201024411_25": "「退治完了デスッ!」",
"201024411_26": "「出撃の許可を貰っただけの成果は出さないとね。\\n こちらは問題なく捕まえたけど、そちらの首尾はどう」",
"201024411_27": "「これで、最後」",
"201024411_28": "「ありがとうございます……姉さんたちのおかげで、\\n あっという間に錬金術師を捕まえる事が出来ました」",
"201024411_29": "「セレナもお疲れ様。\\n ……アルカ・イズはもう居ないみたいだね」",
"201024411_30": "「油断はしたらダメよ。\\n マムたちに報告をして、人が来るまでちゃんと見張りを……」",
"201024411_31": "「ぐッ……クク……本当にいいのか……?\\n こうしている間にも、貴様らの命運は……」",
"201024411_32": "「キキッ」",
"201024411_33": "「何? なんの音?」",
"201024411_34": "「キキキッ!」",
"201024411_35": "「痛ッ!?」",
"201024411_36": "「月読さんッ!」",
"201024411_37": "「新たな敵デスかッ!?」",
"201024411_38": "「これは……ッ!?",
"201024411_39": " セレナ、気を付けてッ!」",
"201024411_40": "「姉さん、いったい何が……。",
"201024411_41": " きゃッ!? 後ろに……ッ!?」",
"201024411_42": "「いったい何が……?」",
"201024411_43": "「……あれはッ!」",
"201024411_44": "「キキッ!」",
"201024411_45": "「お猿さんデースッ!」",
"201024411_46": "「あの子が持ってるのは……ギアペンダント。\\n セレナ、盗られてるよッ」",
"201024411_47": "「月読さんのもありませんッ!」",
"201024411_48": "「お猿さんが盗っていったのを確かに見たデスッ!",
"201024411_49": " 森の中に逃げちゃったデスけど……」",
"201024411_50": "「大変、取り返さないとッ!」",
"201024411_51": "「うんッ!」",
"201024411_52": "「あわわ……2人とも行っちゃったデスッ!\\n マリア、どうするデスかッ」",
"201024411_53": "「まだ、運は私に向いているようだ……\\n 今のうちに……ッ」",
"201024411_54": "「どこへ行こうというのかしら?\\n あなたには聞きたいことがあるのだけど」",
"201024411_55": "「ひぃッ!?\\n き、聞きたいことだとッ」",
"201024411_56": "「ペンダントを奪ったタイミングがよすぎるデスッ!\\n さあ、お猿さんを使って何を企んでいるか答えるデスッ」",
"201024411_57": "「……なに?\\n いや、待て、あの猿と私は何の関係もないぞッ」",
"201024411_58": "「……この錬金術師、\\n 本当に知らないって顔してるデスよ」",
"201024411_59": "「演技の可能性もあるけど……判断がつかないわね。\\n とりあえず、何か隠してないか確認してくるわ」",
"201024411_60": "「洞窟を研究所にしていたのね……\\n それにしても、色々と片付けられずに転がっているわね」",
"201024411_61": "「奥には……檻? しかも、穴が開いて……\\n いったいこの中に、何を閉じ込めていたのかしら……」",
"201024411_62": "「……これは、あの錬金術師から聞き出した方が早いわね」",
"201024411_63": "「キキッ!」",
"201024411_64": "「待ってください、お猿さ……キャッ!?",
"201024411_65": " へ、蛇……ッ!?」",
"201024411_66": "「セレナ、落ち着いてッ! ただ蛇は通ってるだけ。\\n 騒いだら、刺激しちゃう」",
"201024411_67": "「は、は、はい……ッ!\\n ……し、静かに……」",
"201024411_68": "「……うん。どこかに行ったみたい」",
"201024411_69": "「よかった……ありがとうございます月読さん。",
"201024411_70": " あッ、それよりもお猿さんを追いかけないと……」",
"201024411_71": "「きゃあッ!? む、虫が背中に……ッ!",
"201024411_72": " と、取ってくださいッ!」",
"201024411_73": "「分かった……ッ!",
"201024411_74": " セレナ、そんなに動かれたら取れない」",
"201024411_75": "「そ、そう言われても……ッ!」",
"201024411_76": "「……よし、取れた」",
"201024411_77": "「あ、ありがとうございますッ!",
"201024411_78": " 今度こそ……」",
"201024411_79": "「セレナ、そこの地面がぬかるんでるから\\n 気を付けないと……」",
"201024411_80": "「えッ……きゃあッ!?」",
"201024411_81": "「危ないッ!",
"201024411_82": " ……よかった。汚れてない?」",
"201024411_83": "「大丈夫です……うぅ……ごめんなさい……。\\n わたし、足を引っ張ってしまって」",
"201024411_84": "「大丈夫だから。頑張ってペンダントを取り戻そう」",
"201024411_85": "「でも、もうお猿さんを見失って……」",
"201024411_86": "「……いや、まだあそこにいるよ。\\n ほら、見て」",
"201024411_87": "「キッ」",
"201024411_88": "「……本当ですね。\\n もしかしたら……」",
"201024411_89": "「どうしたの?」",
"201024411_90": "「あのお猿さんはわたしたちをどこかに\\n 案内しようとしているんでしょうか」",
"201024411_91": "「……確かにそうかもしれない。\\n でも、まずはペンダントを返してもらわないと」",
"201024411_92": "「そうですねッ!\\n とにかく、追いかけましょうッ」",
"201024411_93": "「セレナ、慌てずに落ち着いて行こうね」",
"201024411_94": "「は、はい。\\n 気を付けます……」",
"201024411_95": "「よ、ようやく追いつきました……」",
"201024411_96": "「……うん。\\n 思った以上に遠くまで追いかけてきたね……」",
"201024411_97": "「ペンダントを持って行ったお猿さんと……、\\n 大きいお猿さんがいますッ」",
"201024411_98": "「あっちのお猿さんは酷い怪我をしてるね……」",
"201024411_99": "「キィ~……」",
"201024411_100": "「もしかして……大きいお猿さんを助けてほしくて、\\n わたしたちをこうして連れてきたんでしょうか」",
"201024411_101": "「多分そうだろうね……\\n 親子なのかな 自分の親を助けてほしくて必死だったのかも」",
"201024411_102": "「……助けてあげましょうッ!\\n こんな大怪我を放置したら、命に関わりますッ」",
"201024411_103": "「そうしたいところだけど……\\n ちょっと無理かもしれない」",
"201024411_104": "「ど、どうしてですかッ!?」",
"201024411_105": "「必死に追ってきたから、帰る道が分からないの。\\n それに、この怪我のお猿さんを無理に動かすのは……」",
"201024411_106": "「……なら、わたしが出来る範囲で応急処置をしてみます。\\n 少しくらいなら、出来ますから」",
"201024411_107": "「じゃあ、わたしは木の実とか探してくる。\\n きっと餌を探しに行けずにお腹も空いてるはずだから」",
"201024411_108": "「キィ……」",
"201024411_109": "「キッ、キッ♪」",
"201024411_110": "「良かった……お猿さん、少し元気になったみたいです」",
"201024411_111": "「そしたら、わたしたちも食べよう。\\n フルーツは多めに採ってあるから」",
"201024411_112": "「わぁ、ありがとうございますッ!」",
"201024411_113": "「助けが来るか分からないけど……\\n とりあえず、ここで休憩しておこう」",
"201024411_114": "「はい。",
"201024411_115": " ……月読さん……ごめんなさい」",
"201024411_116": "「……どうしたの?」",
"201024411_117": "「わたし、ずっと月読さんに迷惑をかけっぱなしで……\\n 人だけだったら、錬金術師も捕まえられなかったかも……」",
"201024411_118": "「もしもわたしが、月読さんや姉さんのように\\n 強くなれたらマムにも迷惑かけないのに」",
"201024411_119": "「そんなことはないよ。昔、サバイバルみたいな事を\\n した時期があるから慣れているだけ」",
"201024411_120": "「それに――」",
"201024411_121": "「……お猿さんでしょうか?」",
"201024411_122": "「それにしては、音が大きすぎるような……ッ!?」",
"201024411_123": "「嘘……ッ!?\\n ネフィリムッ」",
"201024411_124": "「あれはクローンですッ!\\n 前に別の事件で見た覚えがありますッ」",
"201024411_125": "「どうしてこんなところに……ッ!?」",
"201024411_126": "「キキキッ!」",
"201024411_127": "「お猿さんッ! わたしたちのペンダントを――」",
"201024411_128": "「持ってないッ!?\\n もしかして、無くしちゃったの……ッ」",
"201024411_129": "「そんな……ッ!?\\n ギアがないと、ネフィリムの相手は……ッ」",
"201024411_130": "「きゃあッ!?」",
"201024411_131": "「く……ッ!?」",
"201024411_132": "「あ、危なかった……」",
"201024411_133": "「セレナ、逃げようッ!\\n このままだと、どうしようもないッ」",
"201024411_134": "「に、逃げるといっても……\\n ジャングルの中を行っても、追いつかれます……ッ」",
"201024411_135": "「あれは……怪我をしてたお猿さんッ!?」",
"201024411_136": "「キッ!」",
"201024411_137": "「キキッ! キキッ!」",
"201024411_138": "「……こっちに逃げろって誘導してくれてるのかも。",
"201024411_139": " ついていこうッ!」",
"201024411_140": "「はぁ……はぁ……」",
"201024411_141": "「セレナ、見てッ!\\n あっちに……ッ」",
"201024411_142": "「そ、そんな……崖……ッ!?\\n 行き止まりだなんて……ッ」",
"201024411_143": "「ううん。あっちで、お猿さんがツタに掴まって\\n 向こうの崖に渡ってる」",
"201024411_144": "「わたしたちも、同じように移動すれば……」",
"201024411_145": "「で、でも……ツタが切れて落ちたら……」",
"201024411_146": "「すぐにネフィリムが来る。\\n きっとできるはず。だから、行こう」",
"201024411_147": "「う、うう……\\n 月読さん……わたし……」",
"201024411_148": "「……大丈夫、セレナは出来るはず。\\n 一緒に冒険したから分かる……セレナは強い子だよ」",
"201024411_149": "「最後まであきらめない行動力も、怪我をした\\n お猿さんを助けようとした優しさも持ってる」",
"201024411_150": "「セレナは自分で思ってるよりも、\\n ずっと強いんだよ」",
"201024411_151": "「だから、必要なのは踏み出す勇気。\\n 不安なら、わたしがいるから……」",
"201024411_152": "「踏み出す、勇気。",
"201024411_153": " ……分かり、ましたッ!」",
"201024411_154": "「行こう、一緒にッ!」",
"201024411_155": "「はいッ!",
"201024411_156": " やああああああああああああああああッ!!」",
"201024411_157": "「セレナ、しっかり掴まってッ!\\n わたしも支えるからッ」",
"201024411_158": "「はッ、はいぃッ!」",
"201024411_159": "「……よし、着いたッ!\\n 一緒に飛び降りようッ」",
"201024411_160": "「わ、分かりましたッ!!」",
"201024411_161": "「や……やったッ! できましたッ!」",
"201024411_162": "「セレナ、見て。ネフィリムが……」",
"201024411_163": "「――止まり切れずに、崖の下に落ちていったね。\\n いくらネフィリムでも、この高さは上がってこれないみたい」",
"201024411_164": "「……ツタを使って逃げてなかったら、わたしたちも\\n あそこで一緒に崖下に……」",
"201024411_165": "「うん。\\n あそこでセレナが一歩踏み出したからだよ」",
"201024411_166": "「キキャーッ!」",
"201024411_167": "「キキーッ!」",
"201024411_168": "「わッ、お猿さんがこんなにいっぱい……」",
"201024411_169": "「見なかっただけで、こんなにたくさん居たんだ……」",
"201024411_170": "「キーーーッ!」",
"201024411_171": "「すごい……ネフィリムが岩の下敷きに……」",
"201024411_172": "「おそらくですけど……不完全な状態だったのかも。\\n 錬金術師が作っていた実験体だったのかもしれません」",
"201024411_173": "「うん……あれ、小さいお猿さんがこっちに。\\n どうしたの」",
"201024411_174": "「キキッ」",
"201024411_175": "「あ、わたしたちのペンダント……」",
"201024411_176": "「見つけてきてくれたんですね。\\n ありがとうございます」",
"201024411_177": "「……なんだか、大騒ぎになったけど……\\n なんとか解決したね」",
"201024411_178": "「ネフィリムのことは、\\n F.I.S.の人たちにも報告しないと……」",
"201024411_179": "「そうですね。\\n 色々と大変でしたけど……いい経験になりました」",
"201024411_180": "「キキキーッ!」",
"201024411_181": "「キキキーッ!」",
"201024411_182": "「お猿さんたちも、\\n ネフィリムがいなくなって喜んでいるみたいです」",
"201024411_183": "「あとは、助けが来てくれるかだけど……」",
"201024411_184": "「やっと見つけた……\\n セレナ、調、大丈夫ッ」",
"201024411_185": "「姉さん、大丈夫ですッ!",
"201024411_186": " 心配をかけてごめんなさい……」",
"201024411_187": "「こっちは大丈夫ッ!\\n ちゃんとペンダントも取り戻したッ」",
"201024411_188": "「はぁ……よかった、心配したのよ。あの錬金術師が、\\n 実験体のネフィリムを逃がしたなんて言うから……」",
"201024411_189": "「とにかく、無事で良かったデス。",
"201024411_190": " けど……」",
"201024411_191": "「キキキー♪」",
"201024411_192": "「なんで調とセレナは、お猿さんたちに囲まれて\\n 仲良くなっているんデス」",
"201024411_193": "「服も、あちこちボロボロになってるじゃない。\\n ……本当に何が起こったの」",
"201024411_194": "「……月読さん、どこから話しましょうか?」",
"201024411_195": "「長くなるけど、最初から説明するしかないと思う。\\n ……でも、ちょっと楽しみだね」",
"201024411_196": "「ですね……わたしと月読さんの大冒険を聞いて……\\n 人がどんな反応をするのか楽しみですッ」"
}

@ -0,0 +1,175 @@
{
"201024511_0": "怪談パーティ",
"201024511_1": "「ふぅー、今日も訓練お疲れ様ー」",
"201024511_2": "「シャワーを浴びてサッパリしたし、\\n 帰るとするか」",
"201024511_3": "「あッ、翼さんもお疲れ様ですッ!」",
"201024511_4": "「……」",
"201024511_5": "「<size=25>これはライブで、とある地方のホテルに\\n 泊まったときのこと――</size>」",
"201024511_6": "「翼さん、なにをぶつぶつとつぶやいているんですか?」",
"201024511_7": "「言いたいことがあるなら\\n ハッキリ言ってくれよ、先輩」",
"201024511_8": "「えッ? ああ、つい口から出てしまっていたようだ。",
"201024511_9": " いやなに、これは今度の仕事で……」",
"201024511_10": "「ととッ!?」",
"201024511_11": "「おいッ! 端末がッ!」",
"201024511_12": "「あッ!」",
"201024511_13": "「しまったッ!」",
"201024511_14": "「ガッシャーン」",
"201024511_15": "「やってしまった……」",
"201024511_16": "「けっこう勢い良く落ちましたけど……、\\n 大丈夫ですか」",
"201024511_17": "「大丈夫……ではないようだな。\\n なにをしても電源が入らない……」",
"201024511_18": "「心ここにあらずで歩いているからだ」",
"201024511_19": "「ふう……。\\n まったく、雪音の言う通りだ」",
"201024511_20": "「この分だと、\\n 端末は修理か、交換か……」",
"201024511_21": "「ずいぶん、時間がかかったわね。\\n 緒川さんがお待ちかねよ」",
"201024511_22": "「申し訳ありません。急用ですか?」",
"201024511_23": "「ちょっと確認したいことがあって。\\n もう怪談の内容は暗記できましたか」",
"201024511_24": "「怪談?」",
"201024511_25": "「はい。翼さんは今度、怪談番組に\\n ゲストで出演されるのですが」",
"201024511_26": "「そこで怪談を語る予定になっているんです」",
"201024511_27": "「一応、覚えはしたのですが……」",
"201024511_28": "「自信がありませんか?」",
"201024511_29": "「正直に言えばそうです。\\n はたして他の出演者が、怖がってくれるかどうか」",
"201024511_30": "「だったらわたしたち相手に、\\n 試してみればいいじゃない」",
"201024511_31": "「わたしも翼さんの怪談を聞いてみたいですッ!」",
"201024511_32": "「気持ちはありがたいが、\\n 任務でもないことに付き合わせるわけには……」",
"201024511_33": "「そんなの気にしなくていいのよ。\\n 希望者だけ参加すればいいんだから」",
"201024511_34": "「調と切歌はどうする?」",
"201024511_35": "「わたしは興味ある」",
"201024511_36": "「怪談って怖い話のことデスよね?\\n そういうのはちょっと苦手デス……」",
"201024511_37": "「大丈夫だよ。みんな一緒にいるし、\\n 心霊スポットに行くとかじゃないから」",
"201024511_38": "「それなら、参加するデス……。",
"201024511_39": " もちろんクリス先輩も参加するデスよね?」",
"201024511_40": "「えッ……、あ、当たり前だろ」",
"201024511_41": "「怪談なんてただの作り話なんだ。\\n 怖がる必要なんてないからな」",
"201024511_42": "「あ、今未来にも聞いてみたら、\\n 『お邪魔じゃなければ是非』って返事ありましたッ」",
"201024511_43": "「それなら全員参加で決まりね」",
"201024511_44": "「みんな、協力ありがとう」",
"201024511_45": "「場所はどこにしましょうか?」",
"201024511_46": "「はいはいッ!\\n クリスちゃんの部屋はどうかなッ」",
"201024511_47": "「なんであたしの部屋なんだよッ!\\n 怪談なんかやって、なにかあったら……ッ」",
"201024511_48": "「なにかって?」",
"201024511_49": "(……もし本当に幽霊が寄ってきたら怖い――、\\n なんて言えるかッ",
"201024511_50": "「そうだッ! あたしの部屋は今、散らかってるんだ。\\n ちょっと大掃除しようかと思って――」",
"201024511_51": "「片付いてれば問題なかったんだけど……、いやー、残念だな」",
"201024511_52": "「だったら……、わたしが片付けを手伝います」",
"201024511_53": "「調が手伝うならアタシも手伝うデス」",
"201024511_54": "「いや、それは……」",
"201024511_55": "「いつもお世話になってますから、\\n 恩返しをさせてください」",
"201024511_56": "「うくッ……わ、分かったよッ!\\n 怪談でもなんでも、好きにやれってんだッ」",
"201024511_57": "「決まりッ! じゃあ今晩はクリスちゃんの部屋で、\\n 怪談パーティだねッ」",
"201024511_58": "「はあ……。\\n どうしてあたしの部屋で、怪談なんて……」",
"201024511_59": "「こんばんは~」",
"201024511_60": "「お邪魔します」",
"201024511_61": "「遅いぞ、お前たち」",
"201024511_62": "「これで全員、揃ったな。\\n それじゃあ、始めようか。雪音、灯りを消してくれ」",
"201024511_63": "「あ、ああ……」",
"201024511_64": "「ひいッ!\\n ここ、怖いデスよッ、調ッ」",
"201024511_65": "「落ち着いて、切ちゃん。\\n 今、ロウソクに火をつけるから……」",
"201024511_66": "「フフ、いい雰囲気ね。ワクワクしてきたわ」",
"201024511_67": "「アタシもドキドキしてきたデス……」",
"201024511_68": "「みんな、心の準備はできたか?\\n では、始めるぞ」",
"201024511_69": "「これはライブで、とある地方のホテルに\\n 泊まったときのことなんだが……」",
"201024511_70": "「エアコンは動いているにもかかわらず、\\n ひどく蒸し暑い部屋だった」",
"201024511_71": "「そういえば、この部屋も蒸し暑いよね。\\n エアコンが効いてないのかな」",
"201024511_72": "「これだけ人数が多いんだもん、\\n 効きが悪くなってもしかたないよ」",
"201024511_73": "「翌日は早くから打ち合わせがあったため、\\n いつもより早めにベッドへ潜ったんだ」",
"201024511_74": "「けれど暑さからか、夜中に目が覚めてしまった。\\n するとザッ、ザッという妙な音が聞こえたんだ」",
"201024511_75": "「なんの音か意識を向けるとそれは足音のようで、\\n 妙に距離が近い」",
"201024511_76": "「その時は隣の部屋の客だろうと思って、\\n あまり気にはしなかったのだが……」",
"201024511_77": "「足音は徐々に近づいてきて……、\\n そして、わたしのいる部屋の前で止まった」",
"201024511_78": "「お話し中、申し訳ないデスが……。\\n そ、外から足音が、聞こえないデスか」",
"201024511_79": "「ザッ……ザッ……」",
"201024511_80": "「と、隣の部屋の住人だろッ!」",
"201024511_81": "「起きあがって確認しようとした瞬間、常夜灯をはじめ、\\n 部屋中の灯りが全て消えてしまった……」",
"201024511_82": "「あッ……」",
"201024511_83": "「どうしたの、調」",
"201024511_84": "「エアコンが止まっちゃいました……」",
"201024511_85": "「ホントだ、消えてる……」",
"201024511_86": "「リモコンは……あったあった。",
"201024511_87": " あれ? おかしいな……動かないぞ」",
"201024511_88": "「悪いけどちょっと灯りを点けるぞ。\\n エアコンかリモコンの調子が悪いみたいだ」",
"201024511_89": "「あれ、灯りも点かないな……。\\n ひょっとして、停電か」",
"201024511_90": "「な、なんでッ? どうしてッ!」",
"201024511_91": "「ひぃッ! 怪談とシンクロしすぎデスッ!」",
"201024511_92": "「さ、騒ぐなってッ!\\n ただの偶然に決まってるだろ」",
"201024511_93": "「わたしも偶然だと思います。\\n 停電が直ったら、エアコンが動き出すはずですから……」",
"201024511_94": "「今は怪談を続けましょう。\\n ロウソクの灯りはありますし」",
"201024511_95": "「フフ、考えようによっては雰囲気も出ていいじゃない。\\n 続けてちょうだい」",
"201024511_96": "「わかった」",
"201024511_97": "「フロントに連絡して状況を確認しようとした矢先だ。\\n 深夜にもかかわらず、端末が着信音を響かせ――」",
"201024511_98": "「リリン♪リリン♪」",
"201024511_99": "「ひいいッ!」",
"201024511_100": "「うおッ!」",
"201024511_101": "「ゴメン、わたしの端末だ」",
"201024511_102": "「誰からだろう?\\n 出てみようかな……、あ、切れた」",
"201024511_103": "「リリン♪リリン♪」",
"201024511_104": "「うわあッ! ビックリしたッ!\\n 今度はあたしか……」",
"201024511_105": "「……出てみる?」",
"201024511_106": "「い、嫌に決まってるだろッ!」",
"201024511_107": "「リリン♪リリン♪」",
"201024511_108": "「あら? わたしの端末にも、かかってきたわ。\\n 変な連絡じゃないといいけど――」",
"201024511_109": "「で、出るつもりデスかッ!?」",
"201024511_110": "「そうだけど……」",
"201024511_111": "「ダメデスッ!\\n マリアが呪われたらどうするデスかッ」",
"201024511_112": "「もう……、大丈夫よ。あ、切れちゃったわね……」",
"201024511_113": "「リリン♪リリン♪」",
"201024511_114": "「結局、小日向以外、全員の端末に\\n かかってきたな……」",
"201024511_115": "「もももッ、もう怪談はやめた方がいいデスッ!\\n シャレになってないデスよッ」",
"201024511_116": "「わたしもその方がいいと思う。\\n さすがに少し……、ううん、かなり怖いかも……」",
"201024511_117": "「そうだね。\\n せめて灯りが点くまで、やめておいた方が……」",
"201024511_118": "「いえ、続けましょう。\\n せっかく、盛り上がってきたんだもの」",
"201024511_119": "「ほ、本気かッ!? こんな状況で続けようなんて……」",
"201024511_120": "「わたしも続けてほしいです。\\n 怪談の場で怪奇現象が起こるなんて……」",
"201024511_121": "「このまま終わらせたら、\\n 怪談の続きが気になって夜眠れなくなるデースッ」",
"201024511_122": "「よし……、続けよう」",
"201024511_123": "「翼さーんッ!」",
"201024511_124": "「途中でやめる方が気味が悪くなると思わないか?」",
"201024511_125": "「それは……そうかもしれませんけど……」",
"201024511_126": "「端末への連絡に出る気になれず、電源を切ると……。\\n ついに備え付けの電話が鳴り始めたんだ」",
"201024511_127": "「わたしは意を決して受話器に手をかけ、\\n おそるおそる電話に出た」",
"201024511_128": "「そういうの、出たらダメデスよぉ……」",
"201024511_129": "「もしもし? しかしわたしの呼びかけに返事はない。\\n 秒ほど無言の状態が続いただろうか……」",
"201024511_130": "「ボソボソとした、男の声が聞こえ始めたんだ」",
"201024511_131": "「今、部屋の前にいます。早く開けてくださいと……」",
"201024511_132": "「ジリリリン♪ジリリリン♪」",
"201024511_133": "「こ、固定電話だと――ッ!?」",
"201024511_134": "「も、もういやデースッ!」",
"201024511_135": "「クリスちゃん、どうするの……」",
"201024511_136": "「どうするって、出るしかないだろッ!\\n なにか重要な電話だって可能性もあるし……」",
"201024511_137": "「あ、出るならせっかくだしスピーカーモードでお願いね」",
"201024511_138": "「わくわく……」",
"201024511_139": "「聞きたくないデースッ! でも聞かないと内容が\\n 気になってそれはそれで嫌な感じデースッ」",
"201024511_140": "「分かったから静かにしろッ!\\n スーハーッ、スーハー……ッ よ、よしッ」",
"201024511_141": "「はい、もしもしッ!",
"201024511_142": " ……もしもしッ! おい、何とか言えよッ!」",
"201024511_143": "「……今、部屋の前にいます。早く開けてください」",
"201024511_144": "「うわぁああああッ!」",
"201024511_145": "「<size=40>もういやデーーーーースッ!</size>」",
"201024511_146": "「どうやら悪いタイミングで、\\n お邪魔してしまったみたいで……」",
"201024511_147": "「わたしたちの端末に連絡を入れたのって、\\n 緒川さんだったんですか」",
"201024511_148": "「はい。翼さんに用事があって部屋の前まで来たのですが、\\n 停電だったので……」",
"201024511_149": "「最初翼さんの端末に連絡したのですが、\\n 繋がらなかったので、みなさんの端末に」",
"201024511_150": "「それはわたしの落ち度です。\\n 端末が壊れてしまったのを、伝え忘れていました」",
"201024511_151": "「結果的に気味悪がらせてしまったようで、\\n 本当に申し訳ありません」",
"201024511_152": "「謝らないでくださいよ。\\n 緒川さんに落ち度は、これっぽっちもないんですから」",
"201024511_153": "「そうそう。元はといえば、端末が壊れたことを伝え忘れた\\n 先輩が原因なんだからな」",
"201024511_154": "「それにしても、すごい偶然もあったものね。\\n あそこまで怪談と状況がシンクロするなんて」",
"201024511_155": "「寿命が10年……いや、30年は縮まったデス……」",
"201024511_156": "「フフ、切ちゃんには悪いけれど、\\n わたしはすごく楽しめたよ」",
"201024511_157": "「でも本当に、ただの偶然でよかったよ」",
"201024511_158": "「フッ、まったくだ。せっかくの怪談を、\\n お蔵入りにしなければならないところだった」",
"201024511_159": "「ふう。やっと全員帰ったか……」",
"201024511_160": "「それにしても、今夜は散々だったな。\\n 早くシャワーを浴びて、寝よう……」",
"201024511_161": "「あれ、このサイフ……。あのバカのじゃないか。\\n こんな大事なものを、忘れるなよ」",
"201024511_162": "「一応、連絡を入れておいてやるか……」",
"201024511_163": "「ん? 端末の電池が切れたか。",
"201024511_164": " しかたない、家電で……」",
"201024511_165": "「うわッ! ま、また停電かよッ!?\\n いい加減にしろよなッ……」",
"201024511_166": "「ジリリリン♪ジリリリン♪」",
"201024511_167": "「ッ!? こ、こんな時間に誰からだよ?」",
"201024511_168": "「……はい、もしもしッ!」",
"201024511_169": "「……」",
"201024511_170": "「おいッ! 何とか言えよッ!」",
"201024511_171": "「……今、部屋の前にいます。早く開けてください」",
"201024511_172": "「<size=40>うわぁああああッ!!</size>」"
}

@ -0,0 +1,94 @@
{
"201024611_0": "大人の階段駆け上がれッ!",
"201024611_1": "「――うーん……」",
"201024611_2": "「あれ? ここって……」",
"201024611_3": "(そうだッ! わたしはクーデターで艦を追われて、\\n 昨日からS.O.N.G.に身を寄せてるんだったわね)",
"201024611_4": "(なんとかして艦を取り戻さないと……)",
"201024611_5": "「姉さん、そろそろ目を……覚ましてるみたいだね。",
"201024611_6": " よく眠れた?」",
"201024611_7": "「ええ。わたしってこんなに肝が太かったのかって、\\n 我ながら感心していたところよ」",
"201024611_8": "「その調子なら平気だと思うけど、余計なこと考えて\\n 思い詰めちゃう前に、身体を動かしに行かない」",
"201024611_9": "(部隊の心配をすることが余計だとは思えないけど……、\\n 確かに人で思案に暮れたって、碌な案は出せないわよね",
"201024611_10": "「そうねッ!\\n 奪還作戦に備えて、トレーニングに精を出しましょッ」",
"201024611_11": "「わたしの成長ぶりも見てくださいねッ!」",
"201024611_12": "「すごいッ!\\n マリアさん、以前より動きが軽やかになっていませんか」",
"201024611_13": "(マーナガルムとの決戦の時、この並行世界のセレナの言葉で\\n わたしは自信を取り戻せたのよね",
"201024611_14": "「そう言えば、おふたりに出会った頃からだよね?\\n 身体の小ささを活かした戦い方を意識しだしたのは」",
"201024611_15": "「呪いで成長が止まったことを悲観してばかりじゃ仕方ないから、\\n どうにかメリットにできないか考えたのよ」",
"201024611_16": "「いい判断だわ。あなたの立場だとそのプラス思考は、\\n 部隊全体の士気の向上にも繋がるでしょうしね」",
"201024611_17": "「そう言えば隊員たちも、姉さんが以前より自分たちのことを、\\n 気にかけてくれてる様に感じると言ってたよ」",
"201024611_18": "(その結果が、信頼してた部下に裏切られてのクーデター?\\n 笑えないわ……",
"201024611_19": "「……部下の悩みにも気付かない隊長なんて……」",
"201024611_20": "「姉さんッ! トレーニング中に考え事は危険だよッ!」",
"201024611_21": "「えッ!?」",
"201024611_22": "「あ、あら……?」",
"201024611_23": "「ええ……ッ!?」",
"201024611_24": "「ね、姉さんッ!\\n そんなつもりじゃ――ッ」",
"201024611_25": "「らいじょうぶだから子ども扱いひないで……」",
"201024611_26": "「新隊長ッ 時の方向、距離約3000より飛来物ありッ\\n と言うより生物ですね。恐らく鳥の群れだと思いますが……」",
"201024611_27": "「接触……といっても高度差のため当たりませんが、\\n 交差まで秒。当艦に脅威を与えるものではありません」",
"201024611_28": "「バカッ! そんな曖昧な……」",
"201024611_29": "「ありがとう。報告ご苦労様」",
"201024611_30": "(えッ!?)",
"201024611_31": "「だけど、報告は結論を先に言った方がいいわ。\\n 周囲の人の対応行動も、それによって変わるから」",
"201024611_32": "「は、はいッ!」",
"201024611_33": "「2時の方向、距離約3000より飛来物ありッ!\\n 危険はありませんッ」",
"201024611_34": "「90秒後に飛行ルート上を鳥の群れが交差しますッ!」",
"201024611_35": "「やればできるじゃ……」",
"201024611_36": "「そうね。そちらの方がいいわ。毎回緊張感のある報告だと、\\n いざという時に、咄嗟の行動が取れなくなるでしょう」",
"201024611_37": "「はいッ! 以後気を付けますッ!\\n ご指導、ありがとうございましたッ」",
"201024611_38": "「こちらこそ、いつもありがとう」",
"201024611_39": "「いやぁ……(デレッ)」",
"201024611_40": "「あなた、悩んでいた瞼の痙攣はよくなった?」",
"201024611_41": "「はいッ! 新隊長から頂いたアロマオイルのお陰で\\n 明るい時間でも、ぐっすりと睡眠をとれるようになりました」",
"201024611_42": "「やっぱり新隊長の言う通り、夜番明けの睡眠の質に、\\n 問題があったみたいです」",
"201024611_43": "「それはよかったわ。\\n しっかり休んでコンディションを整えるのも任務の一環よ」",
"201024611_44": "「はいッ! それにしても新隊長は隊員1人1人のことを、\\n 本当によく見ていらっしゃいますね」",
"201024611_45": "「あら、みんな大切な仲間なんだもの。\\n 隊長を任せてもらってる身としては、当たり前のことよ」",
"201024611_46": "「あ、ありがとうございますッ! (ポッ)\\n で、では失礼しますッ」",
"201024611_47": "「あッ!」",
"201024611_48": "「おっと、すみま……あれ?\\n 旧隊長、こんなとこにいたら邪魔ですよ」",
"201024611_49": "「ほらほら、ちょこまかしてたら危ないから、\\n 出てった出てった」",
"201024611_50": "(えぇ……そんな……どうなってるの?)",
"201024611_51": "「あッ! セレナッ!」",
"201024611_52": "「セレナ、一体何がどうなってるのッ!?\\n どうして隊長席にあの人が座ってるのッ」",
"201024611_53": "「あの人って、マリアさんのこと?\\n 姉さんが頼み込んで、隊長になってもらったんじゃない」",
"201024611_54": "「大人だし、優しいし、強いし、気が利くからって\\n 姉さんが泣き真似までしてお願いしたんだよッ」",
"201024611_55": "「えッ!? そ、そうだっけ……」",
"201024611_56": "「でも、姉さんが重圧から解放されてよかった。\\n 眉間のしわもすっかり取れたし、これからはゆっくりしてね」",
"201024611_57": "「あの……セレナ?」",
"201024611_58": "「あ、わたし行かないと。\\n 姉さん、わたし今夜のおかず、アップルパイがいいなッ」",
"201024611_59": "「アップルパイっておかずになるのッ!?\\n その場合、主食はなんなのよッ」",
"201024611_60": "(まぁ、どっちみち作ったことないのよね……。\\n ナツミ、アップルパイ自動生成器持ってないかしら……",
"201024611_61": "「ナツミーッ! アップルパイ作る機械――",
"201024611_62": " ――なんでこの部屋が、こんなに綺麗なのッ!」",
"201024611_63": "「これはこれは旧隊長、ごきげんようっス」",
"201024611_64": "「ナ、ナツミッ! どうしたのこの部屋。\\n すっかり片付いてるじゃないッ」",
"201024611_65": "「フフフフ……整理整頓は淑女の嗜みですことよっス」",
"201024611_66": "「毎週開催される、新隊長の『猿でも令嬢になれるッ!\\n グレイスフルレディ養成講座』を受けてるから余裕っスッ」",
"201024611_67": "(あれだけ口を酸っぱくして言ってもダメだったのに……。",
"201024611_68": " ああッ! ……頭がクラクラしてきたわ……)",
"201024611_69": "(あの時……)",
"201024611_70": "APPLEでクーデター騒動が起こり、\\n 捕まって身動きも取れなかったわたしの前に現れたあの人",
"201024611_71": "(不安に怯えていたわたしの前に颯爽と現れて、\\n 救い出してくれた、並行世界のわたし",
"201024611_72": "(ちんちくりんなわたしに対して、\\n 素敵で、憧れの大人を絵に描いたような、もう人のわたし",
"201024611_73": "(呪いのせいで成長が止まっていたと言っても\\n 生きて過ごした年月は同じなはずなのに……",
"201024611_74": "(どうしてこんなに優しく、聡明で、思慮深く……、\\n こんな人になりたい。どうすればなれるのかな",
"201024611_75": "「ん……ッ!」",
"201024611_76": "「姉さん、目が覚めたッ!?」",
"201024611_77": "「わたしにも、グレイスフルレディ講座\\n 受けさせなさいよッ」",
"201024611_78": "「姉さんッ!?」",
"201024611_79": "「えッ!? ここは?」",
"201024611_80": "「S.O.N.G.のメディカルルームです」",
"201024611_81": "「姉さん、ごめんなさい。\\n わたしの渾身の一撃が入っちゃって……」",
"201024611_82": "「いいのよ。\\n トレーニング中に上の空だったわたしが悪いんだし……」",
"201024611_83": "「また、この世界のわたしに\\n かっこ悪いところを見せてしまったわ」",
"201024611_84": "「気にすることないよ」",
"201024611_85": "(気にしないわけにはいかない。\\n わたしは、あの人を目標にして、あの人のようになるのよ",
"201024611_86": "(呪いが解けても、解けなくても……。\\n 素敵なわたしになって、みんなを護っていかなきゃ……",
"201024611_87": "(さて、まずは<ruby=いばしょ>艦</ruby>と<ruby=かぞく>隊員</ruby>を取り返してからだわッ!)",
"201024611_88": "「わたしが正しく成長した姿なんだし、\\n 多少気にするのは仕方がないでしょうッ」",
"201024611_89": "「わたしは可愛いマリア姉さんが大好きだよ」",
"201024611_90": "「だから、なんで抱き上げるのよッ!",
"201024611_91": " 降ろしてッ! 子ども扱いしないでッ!」"
}

@ -0,0 +1,92 @@
{
"201024711_0": "響のバースデー2021",
"201024711_1": "「今日は待ちに待ったわたしの誕生日……ッ!」",
"201024711_2": "「招待状だけ渡されたけど、\\n どんな誕生日パーティをしてくれるんだろう……」",
"201024711_3": "「本部からの通信ッ!?」",
"201024711_4": "「はい、こちら立花です」",
"201024711_5": "「響くん、市街各所にアルカ・ノイズの出現が確認されたッ!\\n 至急、クリスくんたちと合流して現地に向かってくれッ」",
"201024711_6": "「了解ですッ!」",
"201024711_7": "「いま、そちらに車を――」",
"201024711_8": "「おいッ! こっちだッ!\\n 早く片付けるぞッ」",
"201024711_9": "「うんッ! 行こうッ!」",
"201024711_10": "「はぁ、はぁ、はぁ……。\\n もう……いないよね……」",
"201024711_11": "「数に加えて、あちこち逃げ回りやがって……。\\n やたらと時間を食っちまった」",
"201024711_12": "「みんな、よくやってくれた。\\n アルカ・イズの殲滅が確認できた」",
"201024711_13": "「お疲れ様です」",
"201024711_14": "「任務完了デスねッ!\\n それでは――」",
"201024711_15": "「響さん、パーティへの招待状は\\n お持ちデスか……」",
"201024711_16": "「うんッ! もちろん持ってるよッ!\\n それじゃあ、急いで帰ろうッ」",
"201024711_17": "「いいえ、帰るわけにはいきません」",
"201024711_18": "「え、それってどういう……?」",
"201024711_19": "「この間、レストランの話してただろ?\\n 創作イタリアンで有名っていう」",
"201024711_20": "「……あッ、そういえば話したっけ?」",
"201024711_21": "「うん、どの料理も美味しそうで、\\n 一生に一度は食べてみたい、って言ってました」",
"201024711_22": "「有名すぎて1年先まで\\n 予約がギッチリとも言ってたデス」",
"201024711_23": "「でも、わたしにはそんな有名なところの料理なんてとても――」",
"201024711_24": "「食べられるんだな、コレが」",
"201024711_25": "「え?」",
"201024711_26": "「未来さんがダメ元で電話してみたら、\\n ちょうど団体客のキャンセルが入ったところで」",
"201024711_27": "「入れ替わるように、アタシたちがするっと\\n 貸し切りの予約をさせてもらったデースッ」",
"201024711_28": "「た……食べられるの……?\\n あの……伝説のパスタが……」",
"201024711_29": "「おう、食べられるぞ」",
"201024711_30": "「ありがとうッ!",
"201024711_31": " クリスちゃん大好きッ!」",
"201024711_32": "「お、おいッ! 嬉しいからって\\n ベタベタくっつくなッ」",
"201024711_33": "「それじゃ、すぐに出発しましょう。\\n タクシーかバスを使えば間に合いますから」",
"201024711_34": "「話は聞かせてもらったが、\\n 車ではとても間に合わないだろう」",
"201024711_35": "「えッ……どうしてですか?」",
"201024711_36": "「先程のアルカ・ノイズの出現の影響で、\\n 幹線道路に大規模な渋滞が発生してしまったんだ」",
"201024711_37": "「そんなッ!?\\n 今日祝ってこその誕生日なんデスよッ」",
"201024711_38": "「おっさん、なんとかなんねーのか」",
"201024711_39": "「ダメならダメで、無理はしなくても……」",
"201024711_40": "「今日を逃せば、次にいつ予約が取れるか\\n 分からないんです」",
"201024711_41": "「でも、無理を言うわけにもいかないし……」",
"201024711_42": "「諦めが良すぎるな。響くんらしくもない」",
"201024711_43": "「なに……? 空から光が……」",
"201024711_44": "「眩しいデースッ!」",
"201024711_45": "「間に合ったようだな」",
"201024711_46": "「な……何がですかッ!?」",
"201024711_47": "「特別措置を取り、ヘリを用意してもらったのだ。\\n 空からならば間に合うッ」",
"201024711_48": "「そのとおりよッ!」",
"201024711_49": "「もしかして、操縦しているのは……」",
"201024711_50": "「マリアデスかッ!?」",
"201024711_51": "「ほら、みんな乗りなさい。\\n 誕生日パーティに間に合わせるんでしょ」",
"201024711_52": "「急いでくれ、\\n こちらもスケジュールが押してるんでな」",
"201024711_53": "「師匠までッ!?」",
"201024711_54": "「よしッ! 行くぞッ!」",
"201024711_55": "「はい(デース)ッ!」",
"201024711_56": "「ヘリを出してくれたことには感謝するけどよ……。\\n こいつは一体どういう状況なんだ」",
"201024711_57": "「すべては、司令の差し金よ」",
"201024711_58": "「そこは、偶然が重なった、と言ってくれ」",
"201024711_59": "「今日はこれから定例会議が入っていてな。\\n 車で向かっていては間に合わない」",
"201024711_60": "「そこでヘリで向かうと連絡を入れたのだ」",
"201024711_61": "「経路はレストランの近くを通るのよ」",
"201024711_62": "「てっきり、響さんをレストランに送るために、\\n ヘリを用意してくれたのかと思ったデス」",
"201024711_63": "「今回の特別措置は、あくまで俺が会議に向かうため。\\n 響くんの件は偶然だ」",
"201024711_64": "「大人の世界には建前が必要なのよ」",
"201024711_65": "「大人の世界……」",
"201024711_66": "「マリア、何だかカッコイイデス……」",
"201024711_67": "「ところで……どうしてマリアさんが操縦を?」",
"201024711_68": "「それはね、あなたのために\\n どうしてもレストランまでは操縦したいって頼んだからなの」",
"201024711_69": "「あなたの誕生日だというのに、今回の任務に付随する別件で、\\n 準備に参加できなかったからね」",
"201024711_70": "「準備?」",
"201024711_71": "「レストランの飾り付けのことよ。\\n 翼たちは先にレストランで準備しているの」",
"201024711_72": "「未来たちも一緒なんですね。\\n 良かったー……」",
"201024711_73": "「それからあなたに私の感謝の気持ちを伝えたかったの」",
"201024711_74": "「いつだって手を伸ばして、\\n 誰かのために頑張っているあなたに――」",
"201024711_75": "「今までわたしから報いることができなかったからね」",
"201024711_76": "「そッ、そんなことないですよッ!\\n わたし、いつもマリアさんに助けてもらってばかりで……ッ」",
"201024711_77": "「誕生日って、きっと、日頃の感謝を伝える日なのね」",
"201024711_78": "「だから、こういう機会に少しでも\\n あなたに報いてあげたかったの」",
"201024711_79": "「誕生日は、日頃の感謝を伝える日……」",
"201024711_80": "「それじゃあ、マリアさんの誕生日には、\\n マリアさんにいっぱい感謝させてくださいねッ」",
"201024711_81": "「感謝の気持ちがヘリコプターでの送り迎えなんて、\\n マリア、カッコイイデス」",
"201024711_82": "「それだけじゃないわ。\\n ほら、窓の外を見てみなさい」",
"201024711_83": "「窓の外……?」",
"201024711_84": "「わぁ……すごく綺麗……」",
"201024711_85": "「フフ、あなたの誕生日をこの夜景が祝ってくれてるわ」",
"201024711_86": "「誕生日だからこそ、あなたが護ったこの美しい街の夜景を\\n 見せたかったのよ」",
"201024711_87": "「誕生日おめでとう」",
"201024711_88": "「あ……ありがとうございます、マリアさん」",
"201024711_89": "「みんなも本当にありがとう……ッ!」"
}

@ -0,0 +1,93 @@
{
"201024811_0": "2人で映画を",
"201024811_1": "(『もふもふ隊ハートぷりちー』か……)",
"201024811_2": "(軽い気持ちで観はじめたけど……、\\n 最終回で泣く程ドハマりしちまった",
"201024811_3": "(バイオリン奏者を父に持ってて、歌が好きなぷりちーに\\n ついつい自分が重なるんだよな",
"201024811_4": "(しかも、このタイミングで続編劇場版が公開中なんて――)",
"201024811_5": "「観たい……ッ!」",
"201024811_6": "(けど……)",
"201024811_7": "(子供向けのアニメ映画を1人で観るのは恥ずかしいし……、\\n 後輩どもを誘うのは、もっと無理だ",
"201024811_8": "「はぁ……諦めるか……」",
"201024811_9": "「ダメだよッ!」",
"201024811_10": "「うわあッ!?\\n なんだよ急にッ」",
"201024811_11": "「何に悩んでるか分からないけど、\\n 諦めるなんてクリスらしくないよ……ッ」",
"201024811_12": "「……くッ!」",
"201024811_13": "「でも、そんな深刻な話じゃないんだよ」",
"201024811_14": "「ただ、気になってる映画を観に行くかどうか\\n 迷ってるだけだ」",
"201024811_15": "「そうなんだ……」",
"201024811_16": "「だったら、わたしも一緒に観に行くよ」",
"201024811_17": "「はあ……ッ!?\\n なんでそうなるんだよ」",
"201024811_18": "「とりあえず、映画館に行ってみよう?」",
"201024811_19": "「あ、おい。\\n 待てって……ッ」",
"201024811_20": "映画館前――",
"201024811_21": "「親子連れでいっぱいだね?」",
"201024811_22": "「みんなが並んでるのは……『もふもふ隊ハートぷりちー』?",
"201024811_23": " クリスが観たかったのってもしかして……」",
"201024811_24": "「ち、ちがうッ!\\n アレを観ようと思ってたんだ……ッ」",
"201024811_25": "「……『嗤う人形館サバイバル』……。\\n 本当に ホラー映画みたいだよ」",
"201024811_26": "「ほ、ほ、本当だ……ッ!」",
"201024811_27": "「クリス……。\\n わたしの目を見て言って」",
"201024811_28": "「…………」",
"201024811_29": "「……悪い……。本当はハートぷりちーだ……」",
"201024811_30": "「あんな幼稚そうなの、観たくないよな。\\n あたしはディスク版が出るまで待つから、今日は帰って――」",
"201024811_31": "「ううん。\\n 観てみたいな」",
"201024811_32": "「え……」",
"201024811_33": "「クリスが観て、好きになったアニメなんでしょ?\\n きっとみんなを夢中にさせる、素敵な何かがあるんだよ」",
"201024811_34": "「だったら、わたしも観てみたいッ!」",
"201024811_35": "「あ、ああッ! すごくいい作品なんだ。\\n きっと観たら、好きになると思う」",
"201024811_36": "「うんッ!\\n それじゃ、わたしたちも列に並ぼう」",
"201024811_37": "「なぁ、チケットと交換で渡された、\\n このペンライトはなんだ」",
"201024811_38": "「えっとね……あッ!",
"201024811_39": " ポスターには、応援上映って書いてあるよ」",
"201024811_40": "「応援上映?\\n なんだそりゃ」",
"201024811_41": "「ストーリーの流れに沿って、登場人物たちの活躍に\\n 声援を送ったり、一緒に歌を唄ってもいいんだって」",
"201024811_42": "「ぷりちーと一緒に唄っていいのかッ!?」",
"201024811_43": "「ペンライトを振りながら、みんなで唄うみたいだよ。\\n 周りのみんなと一緒に、応援楽しもうねッ」",
"201024811_44": "「みんなと一緒にかッ!?",
"201024811_45": " そ、それは……」",
"201024811_46": "『みんなー! 今日はようこそだよー!\\n もふもふ頑張るから、みんな応援よろしくねーッ』",
"201024811_47": "「はーいッ!」",
"201024811_48": "「…………ッ!」",
"201024811_49": "(さすがにチビたちに混ざって声を出すのは恥ずかしいな……)",
"201024811_50": "数十分後――",
"201024811_51": "「ぷりちー、負けないでッ!」",
"201024811_52": "「頑張れぷりちーッ!」",
"201024811_53": "「…………ッ!」",
"201024811_54": "「クリス……我慢してない?」",
"201024811_55": "「えッ?",
"201024811_56": " いや、だって――」",
"201024811_57": "「子供たちと一緒に大きな声を出したって、\\n 恥ずかしいことじゃないよ」",
"201024811_58": "「よぉしッ!\\n じゃあわたしから――」",
"201024811_59": "「ぷりちー、頑張ってッ!」",
"201024811_60": "「がんばれーッ!!」",
"201024811_61": "「が、<size=27>がんばれー……</size>」",
"201024811_62": "「クリスッ!\\n このままじゃぷりちーが負けちゃうよッ」",
"201024811_63": "「く……、もうどうにでもなれ……ッ!」",
"201024811_64": "「が……がんばれーーッ!\\n 負けるんじゃねぇぇぇッ」",
"201024811_65": "「がんばれーッ!」",
"201024811_66": "『ありがとうッ! みんなのおかげで完全復活ッ!\\n もふもふパワー全開よッ』",
"201024811_67": "「……ッ!\\n あたしの応援で……ッ」",
"201024811_68": "「よしッ! いっけーッ!\\n 負けんなーッ」",
"201024811_69": "「いけーッ! やっちゃえーッ!」",
"201024811_70": "『やったわッ! わたしたちの勝利よッ!\\n みんなの声援のおかげだわッ』",
"201024811_71": "「やったッ!\\n 勝ったぞ……ッ」",
"201024811_72": "『さぁッ! ラブリーソングの時間よッ! みんなで唄おうッ!』",
"201024811_73": "「よーし、任せろッ!」",
"201024811_74": "「~~~♪」",
"201024811_75": "「あのおねえちゃん、おうたじょうずッ!」",
"201024811_76": "「ん? あたしか?」",
"201024811_77": "「うんッ! まるでぷりちーみたいッ!」",
"201024811_78": "「あ、あたしがぷりちーッ!?」",
"201024811_79": "「ふふ、よかったねクリスッ!\\n わたしも、ぷりちーのこと大好きになっちゃった」",
"201024811_80": "「そっか……。\\n よかった……」",
"201024811_81": "「今日はありがとうね。\\n クリスのおかげで、素敵な休日を過ごせたよ」",
"201024811_82": "「こっちこそ、その……ありがとな。\\n 目いっぱい楽しめたのは、お前のおかげだ」",
"201024811_83": "(こんなに楽しいのに……、幼稚だとか、周囲の目が\\n 恥ずかしいとか気にして諦めるなんて、バカだったな",
"201024811_84": "「なあ……、お願いがあるんだけど……」",
"201024811_85": "「ん? なあに?」",
"201024811_86": "「今度また観たい映画があったら一緒に来てくれないか……?」",
"201024811_87": "「うん、もちろん」",
"201024811_88": "「ほ、本当かッ!?」",
"201024811_89": "「また一緒に行こうねッ! 約束だよ」",
"201024811_90": "「ああッ!\\n 約束だ……ッ」"
}

@ -0,0 +1,171 @@
{
"201024911_0": "秘密のXXX",
"201024911_1": "イリヤたちを助け、切歌たちとクリスたちが合流した後のこと――",
"201024911_2": "「クリス先輩ッ!\\n 質問があるデスッ」",
"201024911_3": "「ん? なんだよ急に」",
"201024911_4": "「――クリス先輩のギアって、\\n どうやって変化したんデスか」",
"201024911_5": "「……ッ!」",
"201024911_6": "「わたしたちのギアが変化した時は、ルビーと\\n サファイアに魔力を流し込んでもらったけど……」",
"201024911_7": "「クロにも、イリヤたちみたいに\\n 専用ステッキが存在するデス」",
"201024911_8": "「いえいえ。わたしたちは世界にまたとない\\n 本で対の魔術礼装、カレイドステッキですから」",
"201024911_9": "「お祭りの屋台みたいに類似品が\\n ぽんぽん出てきても困りますって」",
"201024911_10": "「じゃあどうやって……?」",
"201024911_11": "「そんなの簡単よ。わたしがキス――」",
"201024911_12": "「ふご!?」",
"201024911_13": "「きす?」",
"201024911_14": "(……あ~~)",
"201024911_15": "「い、いやーそのーなんつーかさッ!\\n 偶然による偶然って感じだったからなッ」",
"201024911_16": "「よく覚えてないよなッ!? なッ!?」",
"201024911_17": "「ちょっと何すんのよ!」",
"201024911_18": "「バカッ! こいつらの前で\\n 軽々しくき……キ、キスとか言うなッ」",
"201024911_19": "「ふーん。嫉妬を買っちゃうくらい\\n 深い仲ってワケ」",
"201024911_20": "「ちち、違うッ!\\n どうしてそーなんだッ」",
"201024911_21": "「……ゴニョゴニョ話してるデス」",
"201024911_22": "「あやしいね、切ちゃん」",
"201024911_23": "「何か秘密がありそうデスッ!」",
"201024911_24": "「あ、あはは……」",
"201024911_25": "「ねぇクロ……\\n 本当に……その、しちゃったの」",
"201024911_26": "「まぁ……返り討ちにあった挙句、\\n 逆に搾り取られちゃったんだけどね」",
"201024911_27": "「搾……!?\\n ク、クリスさん」",
"201024911_28": "「誤解だッ! そもそもあたしは\\n キ……キスしてないッ」",
"201024911_29": "「そ。ギアって言うのに唇が触れた途端、\\n 魔力が逆流したってだけの話よ」",
"201024911_30": "「ならそう言って!」",
"201024911_31": "「……なぁ。そっちの世界では、\\n その、こーいうの……普通なのか」",
"201024911_32": "「いやいやいや!」",
"201024911_33": "「この子が特別というか、\\n 色々あってそういう体質なだけなんです」",
"201024911_34": "「そ、そうか……」",
"201024911_35": "「この度はうちのクロが、\\n ご迷惑をおかけしました……」",
"201024911_36": "「ちょっと何よそれ」",
"201024911_37": "「ほら、見てよ!」",
"201024911_38": "「ジー……」",
"201024911_39": "「わー、無邪気な視線」",
"201024911_40": "「2人とも、クロが何をしたのか興味津々になっちゃってるの!」 ",
"201024911_41": "「いいじゃん別に。何か問題ある?」",
"201024911_42": "「問題大アリ!\\n このままじゃわたしたちの印象にも関わるよ」",
"201024911_43": "「でも、わたしがキスしたから\\n クリスも助かったわけじゃない」",
"201024911_44": "「そ、それはそうかもだけど……」",
"201024911_45": "「うー、仕方ない……! こうなったら異世界と姉を代表して、\\n 説明責任を果たしてきます」",
"201024911_46": "「そう。頑張って、お姉ちゃん」",
"201024911_47": "「むぅ……こんな時ばっかり……!」",
"201024911_48": "「えー……ウォホン!\\n みなさん気になってるギア変化の件ですが……」",
"201024911_49": "「ゴクリ……」",
"201024911_50": "「なんと!\\n 友情パワーでフォームチェンジしたそうです」",
"201024911_51": "「友情デスッ!?」",
"201024911_52": "(……ざ、雑~)",
"201024911_53": "「クロとクリスさんは出会ったときから相性抜群!\\n なのでなんやかんや力を分け与えることが出来ました 以上」",
"201024911_54": "「…………」",
"201024911_55": "(やっぱりダメ……?)",
"201024911_56": "「わぁぁぁッ!\\n 友情パワーすごいデスッ」",
"201024911_57": "(信じた!?)",
"201024911_58": "「よかったデスッ!\\n さっそくお友達になれたんデスねッ」",
"201024911_59": "「あ、ああ。\\n まぁそんなとこだ」",
"201024911_60": "「やった……!\\n 乗り切ったよ、わたし……」",
"201024911_61": "「お疲れさま、イリヤ」",
"201024911_62": "「ふふん、クロもお礼くらい\\n 言ってくれたっていいんだよ」",
"201024911_63": "「………」",
"201024911_64": "「………」",
"201024911_65": "「ってクロじゃないんだけど!?」",
"201024911_66": "「……ッ!\\n しゃがんでろッ」",
"201024911_67": "「クソ、やっぱ剣は使いづらいな……ッ!」",
"201024911_68": "「うひゃあ……剣先すれすれ……」",
"201024911_69": "「イリヤ、転身して!\\n 生身じゃ危ない……」",
"201024911_70": "「う、うん……!」",
"201024911_71": "「どうやら我々が一箇所に集まった結果、\\n 敵の大群を引き寄せてしまったようですねー」",
"201024911_72": "「ついでに誰かさんの演説のせい?」",
"201024911_73": "「ど、どーいう意味よ!」",
"201024911_74": "「きゃ……!」",
"201024911_75": "「――ッ!\\n こんのッ」",
"201024911_76": "「分断された……ッ!?」",
"201024911_77": "「ぐ……ッ!」",
"201024911_78": "「ダメだ……ッ!\\n まだ剣に振り回されてやがる……ッ」",
"201024911_79": "「――次の攻撃、右にいなして!\\n で、流れで切り上げる」",
"201024911_80": "「……ッ!\\n こうかよッ」",
"201024911_81": "「はぁ……はぁ……ッ!」",
"201024911_82": "「まぁ、30点ってところね。\\n 前回よりは大分マシになったけど」",
"201024911_83": "「……他の連中は?」",
"201024911_84": "「乱戦で散り散りね。\\n ま、そう簡単にやられはしないわよ」",
"201024911_85": "「そうか……」",
"201024911_86": "「もう、お礼の1つも言えないの?\\n せっかく助言してあげたのに」",
"201024911_87": "「頼んだ覚えはないっつーの」",
"201024911_88": "「いいの? 仲良くしとかないとギア変化の秘密、\\n バレちゃうかもだけど――」",
"201024911_89": "「……!」",
"201024911_90": "「お、おいどうしたッ!」",
"201024911_91": "「……い、今の戦闘で……ちょっと、ね……」",
"201024911_92": "「バカッ! 無茶しやがってッ!\\n 見せてみろ――」",
"201024911_93": "「なーんてね」",
"201024911_94": "「のあッ!? は、離せッ!\\n この……謀りやがったな……ッ」",
"201024911_95": "「全部が全部嘘って訳じゃないわ。\\n 戦闘が続いて、消耗してるのは本当よ」",
"201024911_96": "「誰かさんが勝手に魔力、持ってっちゃうし?」",
"201024911_97": "「お、おいまさか……」",
"201024911_98": "「ふふ、分かってるじゃない」",
"201024911_99": "「や、やめろッ!\\n 抱き着くなーッ」",
"201024911_100": "「ふぅ……辺りの敵は\\n 全部撃退したデスね」",
"201024911_101": "「や、やめろッ!\\n 抱き着くなーッ」",
"201024911_102": "「……あれ? 今、\\n 先輩の声が聞こえたような……」",
"201024911_103": "「クリス先輩ッ!\\n こっちは片付いたデス――」",
"201024911_104": "「――ッ!?」",
"201024911_105": "(わ……わわ……どういう状況デスッ!?\\n 人はお友達のはずデスよねッ",
"201024911_106": "「誰の物でもないなら、\\n 別にわたしが貰ってもいいでしょ」",
"201024911_107": "(も、貰うって何を……ッ!?)",
"201024911_108": "「よくないッ! なんでそんなマセてんだ、\\n まだ小学生なんだろ……」",
"201024911_109": "「こういうのに年齢は関係ないし」",
"201024911_110": "「あるッ! というかそもそも女同士だぞッ!\\n なんかその、変だろ色々……ッ」",
"201024911_111": "「そう? イリヤには\\n いつもキス、してもらってるけど」",
"201024911_112": "(い、いつもッ!?)",
"201024911_113": "「はあッ!?\\n どーなってんだ小学生ッ」",
"201024911_114": "「もう、さっきから言い訳ばっかり。\\n 年上なんだから、いい加減腹括って」",
"201024911_115": "「む、無理……ッ!\\n 無理なモンは無理だってッ」",
"201024911_116": "(くくく、クリス先輩が、なんかピンチデスッ!?\\n どどどうしようッ と、とりあえず助けなきゃ――",
"201024911_117": "「そんなこと言って……\\n 実はしたいんでしょう」",
"201024911_118": "(――えええッ!?\\n そそ、そーなんデスかッ",
"201024911_119": "「本気で嫌なら振り払えばいいのに」",
"201024911_120": "「わざわざ戦闘後に\\n 襲ってきたヤツが言う台詞かッ」",
"201024911_121": "(え、えっと……えっと……ッ!?\\n クロは無理やりキスしようとしてて……",
"201024911_122": "(クリス先輩は嫌がってるけど、 \\n 本当はしたくて……ッ",
"201024911_123": "(分からない……全然分からないデス……ッ!\\n た……助けて調……ッ",
"201024911_124": "「アタシは……ッ!\\n もう、どうしたらいいんデスかーーッ」",
"201024911_125": "「――ッ! いるのかそこにッ!」",
"201024911_126": "「ひゃ、ひゃいデスッ!」",
"201024911_127": "「あーあ、バレちゃったか」",
"201024911_128": "「なら早く助けろッ!」",
"201024911_129": "「えッ!? で、でも、\\n 先輩、キスしたいんデスよねッ」",
"201024911_130": "「お前まで何言ってんだッ!\\n そんなわけあるかッ」",
"201024911_131": "「アア、アタシッ!\\n お邪魔なら帰るデスッ」",
"201024911_132": "「待ておいッ!",
"201024911_133": " た、頼むから見捨てるなッ!!」",
"201024911_134": "「――わたしに任せてください!」",
"201024911_135": "「ッ!?」",
"201024911_136": "「もう……! \\n よその世界でなにやってるのー」",
"201024911_137": "「あいた!!」",
"201024911_138": "「はぁ……こういう時だけ目ざといわね」",
"201024911_139": "「戦闘が終わってもクロが見当たらなかったから、\\n もしかしてと思って探してたの」",
"201024911_140": "「……そりゃまあ……なんだ。\\n 色々、助かった……」",
"201024911_141": "「本当にごめんなさい! ほら、クロも謝る!」",
"201024911_142": "「ごめんなさーい」",
"201024911_143": "「全然気持ちがこもってないんだけど~!」",
"201024911_144": "「もういいって……ハ……ハハ……」",
"201024911_145": "「はぁ……」",
"201024911_146": "(最悪だ……\\n 後輩に情けないところを……",
"201024911_147": "(なんであたし、あんな狼狽えて……)",
"201024911_148": "「…………」",
"201024911_149": "(……ク、クリス先輩のあんなところ……\\n 初めて見たデス……",
"201024911_150": "「ふーん、もしかして興味あるの?」",
"201024911_151": "「ひゃッ!?」",
"201024911_152": "「なな、なんの話デスッ!?」",
"201024911_153": "「とぼける必要ないでしょ。\\n さっきの、結構前から見てたくせに」",
"201024911_154": "「気づいてたデスかッ!?」",
"201024911_155": "「人目が気になるなら、\\n ほら……あっちに木陰があるし」",
"201024911_156": "「ア、アタシ別にそういうのは……」",
"201024911_157": "「ならなんですぐ助けに来なかったの?」",
"201024911_158": "「そ、それは……えっと、アレ?",
"201024911_159": " なんでデス……ッ!?」",
"201024911_160": "「そんなの決まってる。\\n ……興味があったから、でしょ」",
"201024911_161": "「デデ、デデデ……ッ!?",
"201024911_162": " デ……<size=28>デー</size><size=26>スゥ………</size><size=25>……</size>」",
"201024911_163": "「あらま、倒れちゃった」",
"201024911_164": "「……へえ。あたしはまだいいとして、\\n 後輩にまで手を出すとはいい度胸だな……」",
"201024911_165": "「……クロー?\\n さっきの話、聞こえてなかったのかな」",
"201024911_166": "「あ、あはは……大分お怒りみたいね。",
"201024911_167": " まぁまぁ……とりあえず落ち着いて、ね?」",
"201024911_168": "「いい加減にしろーッ!」\\n「いい加減にしなさーい」"
}

@ -0,0 +1,79 @@
{
"201025011_0": "セレナのバースデー2021",
"201025011_1": "「今回の定期報告は以上です。\\n それでは、これで失礼しま――」",
"201025011_2": "「えッ!?」",
"201025011_3": "「ハッピーバースデーデスッ!\\n セレナッ」",
"201025011_4": "「こ、これは一体……?」",
"201025011_5": "「今日はセレナの誕生日でしょう?」",
"201025011_6": "「サプライズで誕生日パーティの準備をしてたのデスッ!」",
"201025011_7": "「いっぱいご馳走も用意してる」",
"201025011_8": "「そういうわけだから、楽しんでいってねッ!」",
"201025011_9": "「で、でも、いいのでしょうか……?」",
"201025011_10": "「実は前回渡した報告書に、\\n この件に関しての確認を含めていてな」",
"201025011_11": "「もちろん、ナスターシャ教授からの\\n 許可も頂いている」",
"201025011_12": "「マムまで……」",
"201025011_13": "「司令、セレナのために\\n 本部の施設を使う許可をくれて感謝しているわ」",
"201025011_14": "「構わない。これまで何度も協力してくれたセレナくんだ。\\n 幸い事件も発生していないし、楽しんでもらうといい」",
"201025011_15": "「……ありがとうございますッ! いっぱい楽しみますッ!\\n 今日はよろしくお願いしますッ」",
"201025011_16": "「いやー、楽しかったねーッ!\\n セレナちゃんも喜んでたしッ」",
"201025011_17": "「ええ。これも協力してくれたあなたたちのおかげよ。\\n ありがとう」",
"201025011_18": "「いえいえ、これくらいお安い御用ですよッ!\\n それに、わたしだって楽しかったですからッ」",
"201025011_19": "「フフ。それならよかった。\\n それじゃあ、わたしは食器を片付けてくるわね」",
"201025011_20": "「そういえば、セレナちゃんは――」",
"201025011_21": "「あれ、セレナちゃん……?\\n あっちは甲板のはずだけど……」",
"201025011_22": "「それに、なんだか寂しそうな顔をしていたような……」",
"201025011_23": "「……んー、気になる。",
"201025011_24": " ちょっと様子を見に行ってみようッ!」",
"201025011_25": "「……………………」",
"201025011_26": "「セレナちゃん、どうしたの?」",
"201025011_27": "「立花さん……」",
"201025011_28": "「エヘヘ。偶然見かけたから、\\n お話をしようと思って追いかけてきたんだ」",
"201025011_29": "「それなら、まずはお礼を言わせてください。\\n 今日は本当に楽しい日でした」",
"201025011_30": "「よかったッ!\\n 準備した甲斐があったよー」",
"201025011_31": "「出し物の、立花さんとクリスさんの漫才、\\n ぜひまた見たいですッ」",
"201025011_32": "「んー、クリスちゃんが\\n 『二度とやらない』って言ってたからな……」",
"201025011_33": "「……ところで、\\n どうしてこんなところに人でいたの」",
"201025011_34": "「わたしは……月を見にきたんです」",
"201025011_35": "「そういえば、そっちの世界の月も欠けてるんだよね」",
"201025011_36": "「はい。でも、同じように月が欠けている世界でも……\\n ここはわたしの世界とは違うんだなって思います」",
"201025011_37": "「当然ですけど、わたしの世界に、\\n 皆さんはいませんから……」",
"201025011_38": "「……そうだね。ギャラルホルンがあるから、\\n たまたま会えているけど……」",
"201025011_39": "「だから、ここで過ごす時間が楽しければ楽しいほど、\\n 元の世界に帰るのが、少し寂しくなってしまうんです」",
"201025011_40": "「楽しい夢から、覚めてしまうような……」",
"201025011_41": "「そっか……。そうだよね」",
"201025011_42": "「は――ッ! ごめんなさい、つい……」",
"201025011_43": "「自分の世界が嫌いというわけではないんですよ?\\n マムも、F.I.S.の皆さんもいますから」",
"201025011_44": "「うん、分かるよ。それでも、好きな人たちと別れる時って、\\n 寂しくなっちゃうものだよね」",
"201025011_45": "「……立花さんに聞いてもらえて、よかったです」",
"201025011_46": "「マリア姉さんたちはきっと心配してしまうので、\\n 話すわけにもいきませんから……」",
"201025011_47": "「セレナちゃん……わたしね。\\n そんな気持ちの時に役に立つ魔法の言葉を知ってるんだ」",
"201025011_48": "「魔法の言葉……ですか?」",
"201025011_49": "「うん。それはね……\\n 『へいき、へっちゃら』、っていう言葉」",
"201025011_50": "「その言葉……。\\n 立花さんが言っているのを、聞いたことがあります」",
"201025011_51": "「うん。この言葉はね。\\n わたしのお父さんが教えてくれたんだ」",
"201025011_52": "「悲しいときも、辛いときも、困ったときも……、\\n これを言えば何とかなっちゃう、魔法の言葉なんだよ」",
"201025011_53": "「ほ、本当ですか?」",
"201025011_54": "「本当ですッ!\\n 騙されたと思って、セレナちゃんも言ってみて」",
"201025011_55": "「じゃあ……」",
"201025011_56": "「……へいき、へっちゃら……」",
"201025011_57": "「もう1回ッ!」",
"201025011_58": "「へ、へいき、へっちゃらッ!」",
"201025011_59": "「……どうかな?」",
"201025011_60": "「……なんだか、本当に少しだけ\\n へいきでへっちゃらな気持ちになれた気がします」",
"201025011_61": "「フッフッフ、\\n どうやらさっそく効果を実感しているようだね」",
"201025011_62": "「この言葉は……本当に魔法の言葉かもしれませんね」",
"201025011_63": "「だって、この言葉を呟いたら、\\n こんなにも心があたたかくなるんですから」",
"201025011_64": "「よかったぁ……\\n すこし、元気になれたかな」",
"201025011_65": "「はい。立花さんのお父さんは、\\n もしかしたら魔法使いかもしれないですね」",
"201025011_66": "「アハハ、そんなにいいものじゃないよ?\\n だらしないし……」",
"201025011_67": "「フフ……でも、ありがとうございます。\\n こんなに素敵な誕生日プレゼントを送っていただけて」",
"201025011_68": "「わたし……教えてもらったこの言葉を、大切にしますね」",
"201025011_69": "「うんッ!\\n そうしてくれるとわたしも嬉しいな」",
"201025011_70": "「あッ、そういえば片付けのお手伝い忘れてた……。\\n どうしよう……クリスちゃんが今頃お冠だよ……」",
"201025011_71": "「一緒に戻りましょうか。\\n わたしが引き留めていたって説明しますから」",
"201025011_72": "「ありがと~ッ!\\n セレナちゃんッ」",
"201025011_73": "(……こちらこそ、ありがとうございます。立花さん……)",
"201025011_74": "(へいき……へっちゃら……)",
"201025011_75": "(この言葉があれば……きっと、わたしは大丈夫です)",
"201025011_76": "(理由はないけど、\\n この言葉を呟くと、不思議とそう思えるんです"
}

@ -0,0 +1,164 @@
{
"201025111_0": "小悪魔ツインズ",
"201025111_1": "「…………」",
"201025111_2": "「クリス、どうしたんだ?」",
"201025111_3": "「うん、もうすぐハロウィンだなって……」",
"201025111_4": "「ああッ! なるほどなッ!\\n いやー、楽しみだなッ」",
"201025111_5": "「別に、楽しみってわけじゃ……」",
"201025111_6": "「でも、去年も一昨年も、\\n 任務でハロウィンがつぶれたって悲しんでたじゃないか」",
"201025111_7": "「……ッ!\\n お、覚えてたの……」",
"201025111_8": "「当たり前だッ!\\n クリスのことはなんでも覚えてるに決まってるだろ」",
"201025111_9": "「……実は、何年か前にハロウィンの存在を知ってから、\\n 仮装をしてみたいと思ってたんだ」",
"201025111_10": "「街も飾り付けがされていて、\\n みんないろいろな仮装で楽しんでいて――」",
"201025111_11": "「わたしも、翼とおそろいの仮装をして出かけられたら、\\n 楽しそうだなって……」",
"201025111_12": "「おそろいで……。すごくいいなッ!\\n 今年は絶対、人でハロウィンデートするぞッ」",
"201025111_13": "「ああー、でも、どんな仮装にするかすごく悩むぞッ!\\n クリスに着てほしい服なんてざっと種類はあるのにッ」",
"201025111_14": "「そんなに……?」",
"201025111_15": "「ううーん、やっぱ王道で……、\\n いや、あれも絶対似合うよなぁー」",
"201025111_16": "「まだ日があるから、仮装はゆっくり選ぼう?\\n それで今年こそは――」",
"201025111_17": "「2人とも、至急ブリッジまで来てください」",
"201025111_18": "「ああ、分かったッ!」",
"201025111_19": "「なんだろう? 至急の招集なんて……\\n 新しい任務かな」",
"201025111_20": "「任務……」",
"201025111_21": "「先ほど、影護に協力している情報筋から\\n 連絡が入りました」",
"201025111_22": "「近々日本で、犯罪組織による違法な聖遺物の\\n 裏取引が計画されているようです」",
"201025111_23": "「詳しい日時までは、まだ掴めていないとのことなのですが」",
"201025111_24": "「それが分かったら、オレたちは取引現場に乗り込んで、\\n 聖遺物を回収すればいいんだな」",
"201025111_25": "「ええ、対象の組織はアルカ・ノイズを保有しているという\\n 情報もありますから、人に対処をお願いします」",
"201025111_26": "「任せとけッ! アルカ・ノイズくらい、\\n オレとクリスなら問題ないぞッ」",
"201025111_27": "「ええ。ただ……、取引される聖遺物には、\\n 十分な注意が必要です」",
"201025111_28": "「どんな聖遺物なの?」",
"201025111_29": "「聖遺物の名前は『ロンウェーの杖』」",
"201025111_30": "「具体的なデータはありませんが、\\n 悪魔の力を宿す、危険な聖遺物とされています」",
"201025111_31": "「悪魔……」",
"201025111_32": "「ソロモン72柱にある悪魔の名を冠した聖遺物です。\\n 注意をするに越したことはありません」",
"201025111_33": "「ゆえに、確実な回収をお願いします」",
"201025111_34": "「ああ、もちろんだッ!」",
"201025111_35": "「わたしも同じ気持ち」",
"201025111_36": "「裏取引の詳細が判明するまでは、すぐに出動できるように\\n あまり潜水艦から離れないようにしてください」",
"201025111_37": "「こちらでまとめた関連資料も渡しておきます。\\n 目を通しておいてください」",
"201025111_38": "「少しは任務の助けになるでしょう」",
"201025111_39": "数日後――",
"201025111_40": "「まだ裏取引について分からないのかなー?\\n もう待ちくたびれたッ」",
"201025111_41": "「それに、このまま待機が長引いたら、\\n ハロウィンが来ちゃうぞ……ッ」",
"201025111_42": "「……せっかく、今年こそはハロウィンデートが\\n できると思ったのにね……」",
"201025111_43": "「だけど、任務は任務だから、仕方ないよ」",
"201025111_44": "「まだ諦めるには早いぞッ!」",
"201025111_45": "「オレも楽しみにしてるんだ。\\n すぐに出動になればまだ間に合う……ッ」",
"201025111_46": "「……フフ。うん、そうだね。\\n そうするためにも、任務を頑張らなくちゃ」",
"201025111_47": "「もらった資料にはもう目を通し終わった?」",
"201025111_48": "「ああ。悪魔についてまとめられた資料だよな。\\n 最初は小難しいと思ったけど、意外と面白かった」",
"201025111_49": "「うん。ロンウェーはもちろんだけど、\\n いろいろな悪魔について書かれていたね」",
"201025111_50": "「羽根とか角とか、\\n かっこいい見た目の奴が多いよなッ」",
"201025111_51": "「だけど基本的には、どの悪魔も人を堕落させたり、\\n 悪意に付け込んだり、関わり合いになりたくない存在ばかり」",
"201025111_52": "「まあ、悪魔だもんな。そんな力を宿した聖遺物なんて、\\n ろくでもない物に決まってる」",
"201025111_53": "「連中は、どういうつもりで\\n こんなものを手に入れようとしているんだ」",
"201025111_54": "「報告によると、敵対勢力との抗争で\\n 組織の力が弱まってるってことだけど……」",
"201025111_55": "「それだけ追い詰められている、って言うことなのかな」",
"201025111_56": "「……先生が言ってたな。そんな時に人は、\\n リスクがあると分かっていても縋りついてしまうものだって」",
"201025111_57": "「…………」",
"201025111_58": "「でも、オレたちは大丈夫だッ!\\n 先生に鍛えられたんだからなッ」",
"201025111_59": "「ちょっとやそっとの誘惑には屈しないさ」",
"201025111_60": "「そうだね。そんなことになったら、先生に怒られちゃう」",
"201025111_61": "「……ああ、それは悪魔よりも怖いかもな」",
"201025111_62": "「え、誤報……?\\n 聖遺物の裏取引はないってことか」",
"201025111_63": "「その可能性もある、というところです。\\n まだ確定したわけではありません」",
"201025111_64": "「どういうこと?」",
"201025111_65": "「あれから何度か調査を入れていますが、\\n 一向に裏取引についての具体的な話が出てこないのです」",
"201025111_66": "「なので、最初にもたらされた情報は、もしかしたら\\n 敵対組織や政府のスパイをあぶりだすための罠かもしれません」",
"201025111_67": "「そうなると、オレたちの任務はどうなるんだ?」",
"201025111_68": "「とはいえ、誤報と確定したわけでもありません。\\n 影護としては、最悪の事態に備えるべきです」",
"201025111_69": "「まだ待機……、ってことか」",
"201025111_70": "「……申し訳ありません。\\n どちらにせよ、確実な情報が得られるまで待機をお願いします」",
"201025111_71": "「はい……」",
"201025111_72": "そして、ハロウィン当日――",
"201025111_73": "「続報がないまま、当日になっちゃったね……」",
"201025111_74": "「ハロウィンデートは中止決定か……」",
"201025111_75": "「うん……」",
"201025111_76": "「仕方ない。\\n トレーニングでもして汗を流すかッ」",
"201025111_77": "「確か、買っておいたトレーニングウェアがこの辺に……」",
"201025111_78": "「あ、そこは……ッ!」",
"201025111_79": "「ん?」",
"201025111_80": "「これ……ッ!\\n ひょっとして仮装用のコスチュームかッ」",
"201025111_81": "「……じ、実は、前もって用意しておいたんだ。\\n 絶対に翼に似合うと思って……」",
"201025111_82": "「…………」",
"201025111_83": "「……やっぱり、諦めきれないッ!\\n クリス、今夜はこれを着てデートしようッ」",
"201025111_84": "「つ、翼ッ!?\\n でも、今は待機命令が――」",
"201025111_85": "「少し街に出るだけだ。ちょっとの買い出しくらいなら許されてる\\n わけだし、それが少し長くなったと思えば問題ないッ」",
"201025111_86": "「そんなことしたら規律違反に……」",
"201025111_87": "「だとしても、何かあったらすぐ戻ればいいし、\\n もう何日も待機状態のままじゃないか」",
"201025111_88": "「誤報の可能性が高いとも言われてるし、\\n オレたちは少しくらい羽を伸ばしてもいいと思うッ」",
"201025111_89": "「で、でも……」",
"201025111_90": "「なあ、クリスはオレとハロウィンデートしたくないのか?」",
"201025111_91": "「……その聞き方はずるいよ。\\n わたしだって、すごく楽しみにしてたから……」",
"201025111_92": "「なら、少しくらいいいだろ?」",
"201025111_93": "「う……、うん……。\\n そうだね、わたしも出かけたいよ」",
"201025111_94": "「それじゃ、決まりだなッ!」",
"201025111_95": "「さて、それじゃ持ってきた衣装に\\n どこかで着替えようかッ」",
"201025111_96": "「……う、うん。でも本当にいいのかな?」",
"201025111_97": "「今までだって何もなかったんだ。\\n 今日に限って何か起こるなんてないってッ」",
"201025111_98": "「……そうだね。\\n でも、怒られるときは一緒に怒られるから」",
"201025111_99": "「クリスが一緒なら怖いものなしだなッ!」",
"201025111_100": "「わたしも、翼が一緒なら同じだよ」",
"201025111_101": "「夕方からパレードをするって聞いたぞ。\\n 今夜のメインイベントみたいだ」",
"201025111_102": "「街中、ハロウィン一色だね。\\n 翼とおそろいの仮装、楽しみ」",
"201025111_103": "「ああッ! クリスが選んでくれたコスチュームだもんなッ!\\n それじゃ、さっそく着替えを――」",
"201025111_104": "「これ……、影護からッ!」",
"201025111_105": "「――こちら翼ッ!」",
"201025111_106": "「取引場所が判明しました。緊急出動です。\\n ……どうやら、あの情報はフェイクではなかったようですね」",
"201025111_107": "「――ッ!?」",
"201025111_108": "「今、どこにいますか?」",
"201025111_109": "「それは――」",
"201025111_110": "「……。\\n それを問いただしている場合ではありませんね」",
"201025111_111": "「今は緊急事態です。急ぎ現場に向かってください。\\n 取引場所は――」",
"201025111_112": "「こりゃ、戻ったら大目玉だな……」",
"201025111_113": "「どうしてよりによって今日に――ッ!」",
"201025111_114": "「とりあえず、全力で止めようッ!\\n 危険な聖遺物の取引なんてさせるかッ」",
"201025111_115": "「そうだね。今は任務に集中をッ!」",
"201025111_116": "「Imyuteus amenohabakiri tron――」",
"201025111_117": "「Killiter Ichaival tron――」",
"201025111_118": "「な……ッ!\\n こ、このギアは――ッ」",
"201025111_119": "「悪魔みたいな見た目になってる……?」",
"201025111_120": "「まさか、S.O.N.G.の連中が言ってた\\n 心象変化ってやつか……」",
"201025111_121": "「……そっか、仮装をしたい気持ちとか、\\n 悪魔について調べたことで心象変化が起きたのかも」",
"201025111_122": "「それだけで起きるようなものなのか……?」",
"201025111_123": "「……もしかしたら、誘惑に負けて規律を破るような\\n 悪い心も、関係しているかも……」",
"201025111_124": "「そういえば、オレたちは誘惑に屈しないって言ってたのに、\\n 完全に屈しちゃったなー」",
"201025111_125": "「うう、身も心も悪魔に堕ちちゃった……。\\n 先生、ごめんなさい……」",
"201025111_126": "「ま、戦うには支障はないみたいだし、\\n クリスが可愛いから何も問題ないッ」",
"201025111_127": "「そ、そんなあっさり受け入れるの……?」",
"201025111_128": "「もうすぐ取引現場だ。\\n 余計なことを考えている暇はないぞ」",
"201025111_129": "「う、うん……。",
"201025111_130": " あ、見えてきたッ!」",
"201025111_131": "「なんだあいつらはッ!」",
"201025111_132": "「あ、悪魔……ッ!?」\\n",
"201025111_133": "「そこまでだッ!\\n 『ロンウェーの杖』は渡してもらうぞ……ッ」",
"201025111_134": "「――こちら翼。\\n 九皐さん、取引現場の制圧は終わったよ」",
"201025111_135": "「全員気絶させて、拘束してる。\\n こちらの被害はなし」",
"201025111_136": "「2人ともよくやってくれました。\\n しかし、そのギアは……」",
"201025111_137": "「どうやら、心象変化ってやつみたいだ」",
"201025111_138": "「想定外だったけど、役に立った」",
"201025111_139": "「ああ。闇夜に紛れて戦うにはもってこいだったし、こいつら、\\n オレたちのことを本当の悪魔だと思い込んでるみたいだったぞ」",
"201025111_140": "「一旦置いておきましょう。\\n 『ロンウェーの杖』は」",
"201025111_141": "「ああ、戦いの中で地面に落ちて、\\n 割れちゃったんだけど……」",
"201025111_142": "「どう見てもハリボテ……」",
"201025111_143": "「どうやら、本物の聖遺物ではなく偽物だったようですね……」",
"201025111_144": "「くそッ!\\n これじゃなんのために戦ったか分からないぞッ」",
"201025111_145": "「……なんのため、ですか。\\n そう言えば、あなたたちはどうして街に」",
"201025111_146": "「そ、それは……」",
"201025111_147": "「言い訳があれば聞きましょう。\\n ……どうですか」",
"201025111_148": "「ごめんッ! 戻ったらどんな罰でも受けるからッ!",
"201025111_149": " ――今夜だけはハロウィンを楽しませてくれッ!」",
"201025111_150": "「つ、翼ッ!?」",
"201025111_151": "「今夜のオレは、悪魔になったんだ。\\n 規律よりも、クリスとの楽しい時間を優先するッ」",
"201025111_152": "「クリスは、ハロウィンデートしたくないのか?」",
"201025111_153": "「……その聞き方はずるいって……」",
"201025111_154": "「みんなの仮装より、オレのクリスが一番可愛いぞッ!」",
"201025111_155": "「ううん、わたしより翼の方が素敵だよ。\\n みんな振り返ってるもん」",
"201025111_156": "「それはクリスを見てるからだって。\\n はあ、このままハロウィンが終わらなきゃいいのに……」",
"201025111_157": "「……それって、帰ったら九皐さんに怒られるからでしょ?」",
"201025111_158": "「……う、それもある。でも、後悔はしてない。\\n こんな風にクリスとハロウィンの日を過ごせたんだからさ」",
"201025111_159": "「それじゃ、そろそろ2人で怒られに帰る?\\n もうすぐパレードも終わるみたいだし……」",
"201025111_160": "「……いや、もうちょっとだけ。いいだろ?」",
"201025111_161": "「……そうだね。もう少しだけ」"
}

@ -0,0 +1,92 @@
{
"201025211_0": "未来のバースデー2021",
"201025211_1": "「こんにちはーッ!」",
"201025211_2": "「こんにちは」",
"201025211_3": "「待っていたわ。\\n これでみんな揃ったかしら」",
"201025211_4": "「そのようだな。\\n では本日の訓練を始めるとするか」",
"201025211_5": "「…………」",
"201025211_6": "「あ、あのッ! 翼さんッ!\\n 昨日の訓練では、わたしの不注意で――」",
"201025211_7": "「…………」",
"201025211_8": "「そうだ、小日向。\\n 今日の訓練の後に少し付き合ってもらえるか」",
"201025211_9": "「えッ!?\\n は、はい……、大丈夫です……」",
"201025211_10": "「一緒に来てほしい場所がある」",
"201025211_11": "「わ、分かりました……。\\n でもあの、わたしだけですか……」",
"201025211_12": "「ああ、そのつもりだ」",
"201025211_13": "(やっぱり……わたしが昨日の訓練の不注意で、\\n 翼さんに怪我をさせそうになっちゃったから――",
"201025211_14": "(翼さん、お説教の意味も込めて\\n わたしに特訓をつけるつもりなんじゃッ",
"201025211_15": "「立花ッ! 小日向ッ!\\n そろそろ始めようッ 集中するぞッ」",
"201025211_16": "「はいッ!」",
"201025211_17": "「2人とも、よく頑張った。\\n 今日の訓練はここまでにしよう」",
"201025211_18": "「お疲れ様でしたッ!」",
"201025211_19": "「さて、小日向。わたしは準備をしてくる。\\n 少し待っていてくれ」",
"201025211_20": "「は、はいッ!\\n 分かりましたッ」",
"201025211_21": "「未来、翼さんとどこかにお出かけに行くの?」",
"201025211_22": "「うん……そうみたい。\\n ただ、どこに行くのかは分からないけど……」",
"201025211_23": "「そうなんだ。\\n 翼さんがどこに連れて行ってくれるのか楽しみだねッ」",
"201025211_24": "(うぅ、響はそう言うけど……。\\n わたしはちょっと不安だよ……",
"201025211_25": "(翼さんて、普段からすごい修行をしているみたいだし……)",
"201025211_26": "「大丈夫……?」",
"201025211_27": "「う、うんッ!」",
"201025211_28": "(わたしが不甲斐なかったから、鍛えてくれようとしているん\\n だもんねッ それなら、頑張らなくちゃ……ッ",
"201025211_29": "「それじゃあ、そろそろ行ってくるね」",
"201025211_30": "「うん、行ってらっしゃいッ!」",
"201025211_31": "「待たせたな、小日向。\\n 少し遠出するから、後ろに乗ってもらえるか」",
"201025211_32": "「え……、\\n バイクにですか」",
"201025211_33": "「ああ。\\n 小日向の分のヘルメットも用意しているぞ」",
"201025211_34": "「あ、ありがとうございます……。\\n 翼さん、それで……どこに行くんですか……」",
"201025211_35": "「フフ、まだ内緒だ。\\n 黙ってついてきてくれ」",
"201025211_36": "「山の方に来ちゃった……」",
"201025211_37": "(翼さん、山で特訓をッ!?)",
"201025211_38": "(というか、当然か……。\\n むしろ、特訓と言えば山籠もりって言うもんね……",
"201025211_39": "(うう、頑張ろうと思ってたけど、\\n ちょっと怖くなってきたよ……",
"201025211_40": "「待たせたな。バイクは停めてきた。\\n さあ、行こう」",
"201025211_41": "「は、はいッ!\\n お手柔らかにお願いしますッ」",
"201025211_42": "「……うん? 目的地はここじゃない。\\n それに、そんなに緊張しなくても大丈夫だぞ」",
"201025211_43": "「……結構、奥まで歩くんですね?」",
"201025211_44": "「すまないな、もう少し先なんだ」",
"201025211_45": "(やっぱり、山奥で特訓を……)",
"201025211_46": "(どんな事をするんだろう? 翼さんて、たまにすごく突飛な\\n 発想をすることがあるから、正直ちょっと心配……",
"201025211_47": "(山で特訓と言えば、思いつくのは……)",
"201025211_48": "「あの、この山には、\\n 動物が出たりするんでしょうか……」",
"201025211_49": "「これくらいの規模の山となると、\\n シシやクマがいるかもしれないな」",
"201025211_50": "(――ッ!\\n まさか、それと組み手をッ",
"201025211_51": "「一昔前のゴシップ記事によれば、獣人のようなUMAが\\n 出没したという話もあったが……」",
"201025211_52": "(翼さんレベルになると、UMAに戦いを挑むの……ッ!?)",
"201025211_53": "「わたし、こんな格好で大丈夫だったでしょうか……?\\n 空手の道着とかの方が……」",
"201025211_54": "「道着?\\n 小日向が着たいのならば構わないが……」",
"201025211_55": "「それより、聞きたいことがあったんだ」",
"201025211_56": "「は、はいッ!\\n 滝に打たれたり、丸太を折ったりした経験はありませんッ」",
"201025211_57": "「滝? 丸太……?」",
"201025211_58": "(あれ……?)",
"201025211_59": "「そうではなく、小日向自身のことだ。\\n 一度、胸の内を聞いてみたいと思っていたからな……」",
"201025211_60": "「なんでしょうか?」",
"201025211_61": "「……装者になって後悔していないか?」",
"201025211_62": "「……え?」",
"201025211_63": "「超常の力を得た代償は、決して小さくはない。\\n きっと、失ったものを懐かしく思う時もあるのではないか」",
"201025211_64": "「………確かに、そういう時もあります。\\n いろいろと大変だし、苦しいことも怖いこともありますから」",
"201025211_65": "「そうか……」",
"201025211_66": "「……だけど」",
"201025211_67": "「今のわたしなら、響の隣にいられます。\\n 見ているだけでも、護られるだけでもありません」",
"201025211_68": "「響の隣にいるのが、わたしにとって一番大事なことです。\\n だから、後悔なんて全くしてませんッ」",
"201025211_69": "「まだまだ力不足ですけど、\\n それがわたしですから」",
"201025211_70": "「そうか。……さすがは小日向だ。\\n おっと、話している間に着いたぞ」",
"201025211_71": "「いよいよですね……」",
"201025211_72": "「ああ、ここに小日向を連れてきたかったんだ」",
"201025211_73": "「わぁ……ッ!」",
"201025211_74": "「なかなかのものだろう?\\n 紅葉する木々とコスモス畑を一望できるスポットなんだ」",
"201025211_75": "「この時期にしか見れない光景だそうだ。……少し早いが、\\n バースデープレゼントとして見てもらいたかったんだ」",
"201025211_76": "「え……?\\n 特訓じゃなかったんですかッ」",
"201025211_77": "「特訓? なんの話だ?」",
"201025211_78": "「――ッ! ごめんなさい……。\\n わたし、とんでもない勘違いを……」",
"201025211_79": "「よく分からないが、サプライズが成功したのならよかった」",
"201025211_80": "「小日向の誕生日と聞いて、\\n 何か特別なものが贈れないかと思ったんだ」",
"201025211_81": "「とっても綺麗ですッ!\\n こんな景色、初めて……」",
"201025211_82": "「ファンレターでな、\\n ここの景色が素晴らしいと教えてくれた人がいたんだ」",
"201025211_83": "「他人頼りのプレゼントにはなってしまったが……」",
"201025211_84": "「そんなことありません。翼さんが一生懸命考えて贈ってくれた、\\n 素敵なプレゼントですよ」",
"201025211_85": "「わたし、この光景忘れません。ううん、絶対忘れられないと\\n 思います。だってこんなに素敵な景色なんだから……」",
"201025211_86": "「そうか。喜んでもらえたようで、何よりだ」",
"201025211_87": "「あの、これからも装者の先輩としてよろしくお願いします。\\n この前みたいに失敗しちゃうこともあると思いますけど……」",
"201025211_88": "「ああ、こちらこそよろしく頼む。後輩の面倒を見るのは\\n 先輩の務めだ。失敗など気にせず、迷惑をかけてくれ」",
"201025211_89": "「ありがとうございます。翼さんのように\\n かっこいい装者になれるように、頑張りますッ」"
}

@ -0,0 +1,99 @@
{
"201025311_0": "目指せ鍋奉行",
"201025311_1": "「今日も訓練疲れたデス……」",
"201025311_2": "「うん、そうだね……。",
"201025311_3": " あ、ねえ切ちゃん」",
"201025311_4": "「どうしたデス?」",
"201025311_5": "「帰る途中、スーパーに寄っていい?\\n 冷蔵庫の中の食材が無くなりそうなの」",
"201025311_6": "「それは一大事デスッ! すぐにでも向かうデスよッ!」",
"201025311_7": "「うん、ありがとう。\\n でもその前に……」",
"201025311_8": "「それは……、スーパーのチラシデスか?」",
"201025311_9": "「うん。この中から何を買おうか決めようと思って」",
"201025311_10": "「なるほど……、いっぱいあるデス。\\n 何を買うデスかねー」",
"201025311_11": "「えっと、卵の補充と、あとお野菜を……」",
"201025311_12": "「調ッ、調ッ!」",
"201025311_13": "「なに?」",
"201025311_14": "「ここに『鍋奉行も大満足 鍋パーティセット』って\\n 書いてあるデスッ」",
"201025311_15": "「ところで『鍋奉行』って、なんデスか?」",
"201025311_16": "「うーん、なんだろう。\\n 『奉行』って、時代劇に出てくる裁判官さんのことだよね」",
"201025311_17": "「そうなんデスか?」",
"201025311_18": "「うん。だから、お鍋作りの凄腕職人さんって意味かな?」",
"201025311_19": "「きっと渋くてカッコイイおじさんデス」",
"201025311_20": "「味にうるさそうだよね」",
"201025311_21": "「鍋の前に座って、ビシッと味見するデス」",
"201025311_22": "「わしが良しと言うまで、\\n この鍋には指一本触れさせぬッ デースッ」",
"201025311_23": "「お鍋の蓋を開ける時は片方の肩を出すんだよ」",
"201025311_24": "「そうなんデスか?」",
"201025311_25": "「肩には桜の刺青が入ってるの」",
"201025311_26": "「なんデスとッ!?」",
"201025311_27": "「よ、お2人さん。\\n なんだか楽しそうだな」",
"201025311_28": "「仲の良いことだ」",
"201025311_29": "「あッ! どうもこんにちはデスッ!」",
"201025311_30": "「こちらの世界に来ていたんですね」",
"201025311_31": "「ちょっと野暮用でね。\\n ちょうど翼と会えたから、ぶらぶらしてたんだ」",
"201025311_32": "「2人も仲良しデス」",
"201025311_33": "「さっき聞こえてきたけど、鍋奉行ってのはそんな時代劇に\\n 出てくるような大層な人物じゃないぞ」",
"201025311_34": "「そうなんデスか?」",
"201025311_35": "「みんなで鍋を囲む時に仕切る役目のやつのことを言うんだ」",
"201025311_36": "「おおお……ッ!\\n なんだかカッコイイデスッ」",
"201025311_37": "「本当に桜の刺青をしているんデスか?」",
"201025311_38": "「もちろん。しかもちょんまげだぞ」",
"201025311_39": "「ええ……ッ!」",
"201025311_40": "「ハハッ、冗談だよ。\\n 普通の恰好で大丈夫だ」",
"201025311_41": "「なんだ……。安心したデス」",
"201025311_42": "「しかし鍋か、良いな。\\n 寒い季節に食べる鍋は格別だ」",
"201025311_43": "「それなら、今度みんなで鍋パーティでもするかッ!」",
"201025311_44": "「楽しそうですね」",
"201025311_45": "「大賛成デースッ!」",
"201025311_46": "(よーし、いっちょアタシが鍋奉行になって、\\n 鍋パーティをかっこよく取り仕切るデス……ッ",
"201025311_47": "「いやー、冬はやっぱり鍋だよなッ!\\n 楽しみだなあ」",
"201025311_48": "(奏と鍋を食べるなんて久しぶり……。\\n 本当に楽しみだな……",
"201025311_49": "「おーい、翼、\\n 黙っちゃって、どうしたんだ」",
"201025311_50": "「あ、ごめん。なんでもないよ」",
"201025311_51": "(せっかくなら、奏においしい鍋を食べて\\n 喜んでもらいたい……",
"201025311_52": "(よし、おいしい鍋が作れるように、勉強しておこう……ッ!)",
"201025311_53": "「そろそろお肉を投入するデスッ!」",
"201025311_54": "「待て、もう少し野菜をしんなりさせてからの方がいいだろう」",
"201025311_55": "「手出し無用デスッ!\\n この鍋奉行にお任せあれデースッ」",
"201025311_56": "「いやしかし、レシピによるとだな……」",
"201025311_57": "「あ、お鍋が吹きこぼれそう」",
"201025311_58": "「なんデスとッ!?」",
"201025311_59": "「落ち着くんだ。こういう時は火力を弱めれば……」",
"201025311_60": "「ああッ! アタシの仕事が……ッ!」",
"201025311_61": "「なんだか、妙に張り切ってないか?」",
"201025311_62": "「はい。切ちゃん、鍋奉行になるから\\n わたしたちは手出し無用だって言っていました」",
"201025311_63": "「なるほど。……ハハ、あれが鍋奉行ね」",
"201025311_64": "「翼さんも、鍋奉行になりたいんですか?」",
"201025311_65": "「そういえば一生懸命レシピ本を読んでるみたいだったな。\\n なんでだろ……」",
"201025311_66": "「う……。\\n それより、そろそろお腹がすいたよなー」",
"201025311_67": "「それでは仕上げデスッ! 隠し味投入デースッ!」",
"201025311_68": "「少し待て、まだアクを取っている途中だ」",
"201025311_69": "「でも、これ以上煮込むとお肉が固くなっちゃうデスよッ!?」",
"201025311_70": "「いやしかし、アク取りは大切な工程だと書いてあったぞ?」",
"201025311_71": "「そうなんデスか?\\n こんな時、鍋奉行としては一体どうしたら……」",
"201025311_72": "「まあまあ、落ち着きなよ、2人とも」",
"201025311_73": "「奏ッ!?」",
"201025311_74": "「なんでお箸を持ってるんデスかッ!? まだ……」",
"201025311_75": "「いっただきまーすッ!」",
"201025311_76": "「はふッ! ……ッ!」",
"201025311_77": "「か、奏、なんで食べてッ!?\\n わたしがよそってあげようと思っていたのに――」",
"201025311_78": "「まだ鍋奉行がOKしてないデスよッ」",
"201025311_79": "「うん、うまいッ!」",
"201025311_80": "「え……」",
"201025311_81": "「ちゃんとおいしいデスか?」",
"201025311_82": "「ああ、すごく美味くできてる」",
"201025311_83": "「細かいことは置いといてさ、\\n わいわい楽しく食べたいように食べる」",
"201025311_84": "「それが鍋の醍醐味だろ?」",
"201025311_85": "「あ……」",
"201025311_86": "「そういえば、鍋ってそうかもデス……ッ!」",
"201025311_87": "「一生懸命作ってくれたことは感謝してるけどな。\\n ありがとう、人ともッ」",
"201025311_88": "「う、うん」",
"201025311_89": "「どういたしましてデスッ!」",
"201025311_90": "「フフ、一緒に食べよう、切ちゃん」",
"201025311_91": "「そうデスねッ!\\n 鍋パーティは食べるのが本番デスッ」",
"201025311_92": "「お互い、意固地になり過ぎていたようだな」",
"201025311_93": "「よしッ! 鍋奉行さま、音頭をとってくれッ!」",
"201025311_94": "「任せるデスッ!」",
"201025311_95": "「それでは、鍋パーティの始まり始まりデースッ!」",
"201025311_96": "「<size=40>いただきまーすッ!!</size>」"
}

@ -0,0 +1,139 @@
{
"201025411_0": "オートスコアラー料理対決ッ!",
"201025411_1": "「お前たち、今帰ったぞ」",
"201025411_2": "「お帰りなさいまし、マスター♪」",
"201025411_3": "「ああ。\\n お前たちも変わりないようで何よりだ」",
"201025411_4": "「オレは少し休む。\\n お前たちも今日は好きにしていていいからな」",
"201025411_5": "「――ッ!?」",
"201025411_6": "「……あれはどういうことですかね?」",
"201025411_7": "「えらくご機嫌でしたわね……」",
"201025411_8": "「普段ならば私たちに、仕事の3つや4つは言いつけるはず……」",
"201025411_9": "「今日はお休みでいいだなんて、びっくりだゾッ!」",
"201025411_10": "「先の任務で何かあったんでしょうか?」",
"201025411_11": "「……これは調べる必要がありますねェ」",
"201025411_12": "「……ん? お前たちは――」",
"201025411_13": "「キャロルの<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>なワケダ」",
"201025411_14": "「あら、あーしたちに何か用?」",
"201025411_15": "「地味に質問させてほしい……」",
"201025411_16": "「――シチューッ!?」",
"201025411_17": "「任務先で食べたシチューでご機嫌になるなんて、\\n マスターったら、おこちゃまね♪」",
"201025411_18": "「なるほど。それがマスターの機嫌を\\n 派手に良くしたということか」",
"201025411_19": "「それなら、あたしたちでそれを作るんだゾッ!\\n マスターにはいつもニコニコしててほしいんだゾッ」",
"201025411_20": "「えー、そういうのはプロに任せた方がよくない?」",
"201025411_21": "「人間などが作ったものよりも、\\n 更にマスターのお気に召すものを用意しますわよ」",
"201025411_22": "「……基本的な材料は今、説明した通りだ。\\n それで、誰が何を担当するつもりなんだ」",
"201025411_23": "「そうねぇ……。\\n そこの役立たずは見学として――」",
"201025411_24": "「あたしだって頑張りたいんだゾッ!」",
"201025411_25": "「私に地味は似合わない……。\\n 一番派手な役割なら検討しよう」",
"201025411_26": "「あら、私だってメインを譲りたくはありませんわ」",
"201025411_27": "「メインはガリィにお任せですッ!」",
"201025411_28": "「作る前からモメまくってるしー」",
"201025411_29": "「それなら、1つずつ作って\\n それぞれ食べ比べてもらえばいいんじゃない」",
"201025411_30": "「それなら公平なワケダ」",
"201025411_31": "「……その手がありましたわね」",
"201025411_32": "「地味に名案だな」",
"201025411_33": "「よーしッ! やってやるんだゾッ!」",
"201025411_34": "「完膚なきまでに叩きのめしてあ・げ・る♪」",
"201025411_35": "「……あーし、余計なことをいっちゃったかしら?」",
"201025411_36": "「後でするから後悔なワケダ……」",
"201025411_37": "「もはや何も言うまい。\\n ……さあ、それぞれ調理開始だ」",
"201025411_38": "「完全にレシピ通りに作り上げれば、\\n 完璧な料理になるに違いありませんわ」",
"201025411_39": "「これだ……。これこそが私の求める派手さ……」",
"201025411_40": "「ここは普通に作るのが、むしろ一番個性的……。",
"201025411_41": " と見せた希望をここでバッサリ摘み取るのよねー」",
"201025411_42": "「うう……、食材が掴めないんだゾ……。\\n まな板もテーブルも全部バラバラに……」",
"201025411_43": "「……流石にその手で料理は難しいな。\\n 公平を期すために、私が手を貸そう」",
"201025411_44": "「本当かッ!? 恩に着るんだゾッ!」",
"201025411_45": "「……呼ばれてきてみれば、なんだこれは?\\n お前たち、一体何を錬成した……」",
"201025411_46": "「やーね、錬成じゃなくて料理ですよ、りょ・う・り」",
"201025411_47": "「<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちのお手製なワケダ」",
"201025411_48": "「……ああ、シチューだ」",
"201025411_49": "「な……ッ!?\\n こ、これがシチューだとッ」",
"201025411_50": "「そうですよ、マスター。\\n ガリィちゃんたちの特製シチューです♪」",
"201025411_51": "「私のシチューは刺激たっぷりで、病みつきになりますよ」",
"201025411_52": "(刺激……、このあからさまに赤くて激辛に見えるのが\\n ガリィの皿のようだな……",
"201025411_53": "「思うがままに派手にお召し上がりください、マスター。\\n 誰よりも派手な私のシチューを」",
"201025411_54": "(誰よりも派手……、この金色の何かがレイアの皿かッ!?)",
"201025411_55": "「それから、誰が一番が判定してもらえますか?\\n まあ、結果は見えてますけど」",
"201025411_56": "(ふむ、一番まともな白いシチューがファラの皿か……)",
"201025411_57": "「ミカも一生懸命作ったんだゾ……。\\n でも、ちょっと火力が出過ぎたんだゾ……」",
"201025411_58": "(……このおぞましい色の塊がミカか)",
"201025411_59": "(な、なぜ同じレシピで、こんなにも色彩豊かな\\n シチューたちができあがる……ッ",
"201025411_60": "「……心の準備はできたか?」",
"201025411_61": "「一生懸命作ったから、\\n ちゃんと食べてほしいんだゾッ」",
"201025411_62": "「……くッ、いいだろう。オレのために作ったというのなら、\\n 無駄にするわけにもいくまい……」",
"201025411_63": "「まずは……、ミカの紫シチューを貰うか……\\n しかし……大丈夫なのだろうか……」",
"201025411_64": "「――ぶっはッ!\\n 舌が痺れる……ぺっぺッ」",
"201025411_65": "「これは毒だぞッ!\\n しかも錬成で作る毒より致死効能が高いッ」",
"201025411_66": "「マスター、ごめんなさいだゾ……」",
"201025411_67": "「すまない、サポートはしたんだが……」",
"201025411_68": "「つ、次だ……。\\n ではレイアの金シチューを――」",
"201025411_69": "「マスター、その前にその皿の底をスプーンで\\n 叩いてみてください」",
"201025411_70": "「叩く? ……こうか?」",
"201025411_71": "「シチューが光っただとッ!?\\n なんだこれはッ」",
"201025411_72": "「マスターの食事に地味は似合わない……。\\n 黄金色に自ら光り輝く、シチューです」",
"201025411_73": "「皿に発光する細工でも仕込んであるのか……?」",
"201025411_74": "(しかし……、食べられるのか、これは……?)",
"201025411_75": "「確かに見た目は派手だが、\\n 味が……全くないぞッ」",
"201025411_76": "「見た目だけにこだわりすぎていたようだな……」",
"201025411_77": "「で、では次は――、\\n ガリィの赤シチューか……」",
"201025411_78": "「刺激たっぷりと言っていたが……」",
"201025411_79": "(もはや刺激物をペースト状にしただけの汁にしか……\\n 約束は約束ッ",
"201025411_80": "「ガ…………ッ!」",
"201025411_81": "「あれぇ? マスター、目と鼻と顔中の毛穴から涙がッ!?\\n そんなに感動的な味だったんですね♪」",
"201025411_82": "(コイツは……ッ!)",
"201025411_83": "「……さ、最後はこのファラのシチューだ」",
"201025411_84": "「あら、やっと真打ち登場ですわね」",
"201025411_85": "(頼む、せめてファラのだけは\\n 普通のシチューであってくれ……",
"201025411_86": "「うッ!? こ、これは――ッ!?」",
"201025411_87": "(よかった……、\\n 至って普通の味だ",
"201025411_88": "「はあッ、はあッ……。\\n 一応、終わったぞ」",
"201025411_89": "「マスター、それで一番は?\\n もちろんガリィちゃんですよね」",
"201025411_90": "「あら、私に決まってますわ」",
"201025411_91": "「私が一番派手だった」",
"201025411_92": "「気持ちだけはちゃんと込めてたんだゾッ!」",
"201025411_93": "「優劣はともかく……お前たちに聞きたい。\\n なぜ突然、料理をしようなどと思ったんだ」",
"201025411_94": "「任務から戻ったマスターの機嫌がよかったようなので」",
"201025411_95": "「どうしてなのかサンジェルマンたちに聞いたのですわ」",
"201025411_96": "「そうしたら、シチューがきっかけだと聞いたのでー」",
"201025411_97": "「マスターにいつもニコニコしててほしくて、作ったんだゾ」",
"201025411_98": "「つまり、そのシチューを再現しようとした、ということか?」",
"201025411_99": "「そうなりますねー」",
"201025411_100": "「分かった……。ならば、まずそれを正しておこう。\\n 確かに任務で食べたシチューは美味かった」",
"201025411_101": "「だが、機嫌が良くなったのは味に付随する想い出、\\n 遠い昔、パパと食べたシチューを思い出したからだ」",
"201025411_102": "「昔を思い出せたからこその特別な味であり、例え同じ\\n ものをもう一度食べても、同じ気持ちにはなれないだろう」",
"201025411_103": "「では、再現するのは不可能だったということですか?」",
"201025411_104": "「ああ、そうだ」",
"201025411_105": "「だが、お前たちの気持ちそのものは十分に嬉しい。\\n 礼を言う」",
"201025411_106": "「もったいないお言葉です」",
"201025411_107": "「マスターの役に立てたなら、あたしも嬉しいんだゾ」",
"201025411_108": "「……なんかいい感じじゃない?\\n ちょっともらい泣きしそうになっちゃった」",
"201025411_109": "「あれがキャロルと<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>の絆なワケダ」",
"201025411_110": "「……さて、私たちは、そろそろお暇した方がよさそうだ」",
"201025411_111": "「待て、サンジェルマン……。\\n 話はまだ終わっていない」",
"201025411_112": "「……もう1つ疑問があるのだが、\\n どうして協力して品を作らず、対決する形になったんだ」",
"201025411_113": "「再現が目的なら、互いに協力して1品を作ればよかっただろう」",
"201025411_114": "「カリオストロの名案があったからだゾッ!」",
"201025411_115": "「なるほど……。",
"201025411_116": " ならばカリオストロたちにも振舞うべきだな」",
"201025411_117": "「や、やーね。\\n あーし、あなたたち主従の水入らずの邪魔なんて――」",
"201025411_118": "「ちょっと待つワケダッ!\\n 今、『たち』って言ったワケダッ」",
"201025411_119": "「……逃がすつもりはないということか」",
"201025411_120": "「――逃がさんッ! レイア、ファラ、ガリィ、ミカッ!\\n どんな手を使ってもいいッ 人をテーブルにつかせろッ」",
"201025411_121": "「了解しましたわ」",
"201025411_122": "「腕が鳴るんだゾッ!」",
"201025411_123": "「分かってますともッ!」",
"201025411_124": "「派手に着席させてみせましょう」",
"201025411_125": "「くッ……、数ではこちらが不利か」",
"201025411_126": "「ラピスはどうしたのよッ! ラピスはッ!」",
"201025411_127": "「任務が終わったばかりで、調整中なワケダ……ッ!」",
"201025411_128": "「絶対に逃がさん……。\\n <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちの心遣いを……貴様らも堪能するがいいッ!」",
"201025411_129": "「もう、やっぱり止めるべきだったのよーッ!」",
"201025411_130": "「覆水は盆には返らないワケダ……」",
"201025411_131": "「相手は協会幹部。地味な技では通用しない……」",
"201025411_132": "「ええ。ですがマスターの望みをかなえるため、\\n 力づくでも、席についていただきますわ」",
"201025411_133": "「捕まえて、椅子にドーンするんだゾッ!」",
"201025411_134": "「くッ……、まさか本部内でここまでの窮地に陥るとは……」",
"201025411_135": "「やれやれ、騒がしいから見に来てみれば……、\\n 案外、仲良くやっているようだね」",
"201025411_136": "「心置きなく、大いに楽しむといい。\\n 仲間同士のじゃれ合いをね」"
}

@ -0,0 +1,178 @@
{
"201025511_0": "クロッシングクリスマス",
"201025511_1": "「調ッ!\\n もうすぐデスねッ」",
"201025511_2": "「もうすぐ?\\n なんのこと……」",
"201025511_3": "「それはデスね――」",
"201025511_4": "「なんとッ!\\n もうすぐクリスマスなのですよッ」",
"201025511_5": "「ダメ助手のくせに切ちゃんのセリフを取るなッ!」",
"201025511_6": "「痛ッ!?\\n 愛の鞭にしては過激すぎませんかッ」",
"201025511_7": "「気持ち悪いこと言わないで」",
"201025511_8": "「まあまあ。とにかく、クリスマスなんデスよ。\\n 楽しみデスねー」",
"201025511_9": "(そっか……。",
"201025511_10": " そういえば、切ちゃんはまだ……)",
"201025511_11": "「僕は今、少々手持ち無沙汰でしてね。\\n クリスマスを祝うというなら、この僕がサンタ役を――」",
"201025511_12": "「――ッ!」",
"201025511_13": "「それなら、仕事を与えてあげる。もう1人の切ちゃんの、\\n アンドロイド躯体を寒冷地仕様にモデルチェンジしておいて」",
"201025511_14": "「確かにこの辺りは、以前拠点にしていた島と違って、\\n 冬はかなり冷えるでしょうね」",
"201025511_15": "「有事に備えて、このような環境でもアンドロイド躯体が\\n 問題なく動くよう調整しておく必要があるということですか」",
"201025511_16": "「そう。最近、わたしの研究成果を狙う組織がいるっていう\\n 情報もあるし……。だから早くやって」",
"201025511_17": "「僕の腕の見せ所です。\\n すぐに終わらせてみせましょうッ」",
"201025511_18": "「…………」",
"201025511_19": "(切ちゃんが目覚めてから、\\n 初めて迎えるクリスマス……",
"201025511_20": "(小さいころに意識を失って、それからずっと眠っていたから、\\n 切ちゃんはまだ『サンタが実在しない』ことを知らないはず",
"201025511_21": "(そんな非現実的な存在がいるはずないけど、\\n わざわざ教えて、悲しませる必要はないよね……",
"201025511_22": "「せっかくのクリスマスデスから、\\n 『クリスマスパーティ』がしてみたいデスッ」",
"201025511_23": "「パーティ……。\\n うん、そうだね」",
"201025511_24": "「調、どうかしたデス?」",
"201025511_25": "「切ちゃんが眠ってた時、もう1人の切ちゃんも、\\n 毎年クリスマスパーティをするって言ってたなって思って……」",
"201025511_26": "(だけどわたしは、\\n 研究を理由にずっと参加を断ってた……",
"201025511_27": "(アンドロイドの切ちゃんも、わたしを大切に思ってくれてた\\n のに、『本物の切ちゃんじゃない』って、邪険にして……",
"201025511_28": "「今年からは、アタシが幹事を引き継ぐデスよッ!\\n 楽しみにしていてほしいデス」",
"201025511_29": "(嬉しい……けど、今まで参加を断っていたわたしが、\\n 切ちゃんとクリスマスパーティを楽しんでいいのかな……",
"201025511_30": "「せっかく、もう1人のアタシが目覚めさせてくれたんデスから、\\n 色々なことを体験してみたいと思うのデス……ッ」",
"201025511_31": "「――ッ!」",
"201025511_32": "(……そうだよね。\\n 切ちゃんを目覚めさせることが、あの子の願いだった",
"201025511_33": "(わたしが遠慮して、同じことを繰り返しちゃったら\\n 本末転倒だし、あの子もきっと喜ばないはず……",
"201025511_34": "「素敵なクリスマスにしたいデスね、調ッ!」",
"201025511_35": "「……うん」",
"201025511_36": "(決めた。今年はわたしが切ちゃんのサンタになって、\\n 最高のクリスマスにしてあげよう",
"201025511_37": "(それで、いつかもう1人の切ちゃんも\\n 目覚めさせることができたら……",
"201025511_38": "(その時はみんなで盛大なパーティを開いて、\\n 今まで参加しなかったことをあの子に謝ろう",
"201025511_39": "「それで、サンタさんのことデスけど……」",
"201025511_40": "「――ッ!」",
"201025511_41": "「ごめん、今日は片付けなきゃいけない作業があるから、\\n クリスマスの話はまたあとでね」",
"201025511_42": "(サンタのことが切ちゃんにバレるような会話は\\n 避けるように気をつけないと……",
"201025511_43": "「あら……行っちゃったデス。\\n でも、やることがあるなら仕方ないデスね」",
"201025511_44": "「アタシも、こうしちゃいられないデスッ!\\n 調のために、クリスマスパーティの準備を頑張らないとッ」",
"201025511_45": "(……アタシが眠っている間、もう1人のアタシから、\\n クリスマスのこともいろいろ聞いていたデス",
"201025511_46": "(サンタさんが実はいないって聞いた時は驚いたデスよ……。\\n びっくりしすぎて思わず目が覚めるかと思ったデス",
"201025511_47": "(調はアタシのための研究が忙しくて、一度もちゃんと\\n クリスマスパーティに参加できなかったデスよね……",
"201025511_48": "「よーし。それなら今年はアタシが調のサンタさんになるデスッ!\\n それで、素敵なクリスマスを過ごしてもらうデスよッ」",
"201025511_49": "研究所の東にある街にて――",
"201025511_50": "「切ちゃんと、もう1人の切ちゃんへのプレゼントは\\n これで大丈夫かな。あとは――」",
"201025511_51": "「……助手の分は粗品でいいか」",
"201025511_52": "「あとはこれを、寝てる間に枕元に……。\\n 切ちゃん、喜んでくれるかな」",
"201025511_53": "「さてと、それじゃ早く研究所に戻ろう――」",
"201025511_54": "「お嬢さん、ちょっといいですか?」",
"201025511_55": "「――ッ!?」",
"201025511_56": "研究所の西にある街にて――",
"201025511_57": "「これでプレゼントはバッチリデスッ!\\n 調の喜ぶ顔が楽しみデスね」",
"201025511_58": "「……あ、助手さんの分を忘れてたデス。\\n お菓子が好きだから……クッキーの詰め合わせデスッ」",
"201025511_59": "「よーし、あとはパーティの準備デスね」",
"201025511_60": "「……待て」",
"201025511_61": "「な……ッ、どなたデスか?」",
"201025511_62": "「我々と一緒に来てもらおう。断るなら――」",
"201025511_63": "「知らない人について行ったらダメと言われているデス。\\n お断りするデスよ」",
"201025511_64": "「それならば力づくだッ!\\n 奴を捕まえろッ」",
"201025511_65": "「いきなりデスッ!? さては、調の研究成果を\\n 狙っているっていう悪い人デスね……ッ」",
"201025511_66": "「助手さんに連絡して、アンドロイド躯体を――ッ!」",
"201025511_67": "「て、手が滑って通信機がッ!?\\n これじゃ研究所に連絡ができないデスッ」",
"201025511_68": "「大した抵抗はできないようだな。\\n もう観念しろ……ッ」",
"201025511_69": "「まっぴらごめんデスッ!\\n ここは、逃げの一手デスよ……ッ」",
"201025511_70": "「なんなの、あなたたち……」",
"201025511_71": "「あなたの頭脳を我々の組織に役立ててくれませんか?」",
"201025511_72": "「……お断り。クリスマスに人を大勢で囲んで脅迫するような\\n 礼儀知らずに力を貸す義理なんてない」",
"201025511_73": "「ならば力づくでも従っていただきましょう」",
"201025511_74": "「戦闘用アンドロイド……。",
"201025511_75": " ただのチンピラじゃないみたい」",
"201025511_76": "「分かったなら、諦めるんだなッ!」",
"201025511_77": "「誰が……ッ!」",
"201025511_78": "「Various shul shagana tron――」",
"201025511_79": "「今日はクリスマス……。切ちゃんがわたしのプレゼントを\\n 待ってるんだから、邪魔しないでッ」",
"201025511_80": "「く……、はぁ……はぁ……ッ!」",
"201025511_81": "「観念しろ。\\n 我々の戦闘用アンドロイドからは逃げられない」",
"201025511_82": "「貴様には人質になってもらう。\\n 大人しく従えば、手荒なことはしない」",
"201025511_83": "「……それでも、今日はクリスマスなんデス」",
"201025511_84": "「それが何か関係あるのか?」",
"201025511_85": "「アタシが――、調のサンタクロースのアタシがプレゼントを\\n 届けなかったら、誰が調にプレゼントを渡すんデスかッ」",
"201025511_86": "「ふざけたことを……。\\n あくまでも抵抗すると言うのなら、少し痛めつけてやる」",
"201025511_87": "「あう――ッ!」",
"201025511_88": "(し、調……ッ!)",
"201025511_89": "「くッ……。",
"201025511_90": " ――このッ!」",
"201025511_91": "「はあッ、はあッ……」",
"201025511_92": "(数が多い……。\\n それに、雪に足が取られて機動力が……",
"201025511_93": "(向こうの戦闘用アンドロイドは、雪山で\\n 動けるように最適化されているみたい……",
"201025511_94": "「まだ抵抗しますか?」",
"201025511_95": "「言ったでしょ……。\\n ――わたしは切ちゃんにプレゼントを届けるんだッ」",
"201025511_96": "「わたしが切ちゃんの、\\n サンタクロースになるんだ……ッ」",
"201025511_97": "「これ……まさか、心象変化ッ!?」",
"201025511_98": "「あれはなんです……ッ!?」",
"201025511_99": "「関係ない、アンドロイドを全部出せッ!\\n 倒して拉致するぞッ」",
"201025511_100": "(きっと、切ちゃんにプレゼントを届けたいわたしの想いに\\n 反応して――。これなら、いけるはずッ",
"201025511_101": "「あの速さはッ!?」",
"201025511_102": "「雪上の活動に最適化されたアンドロイドたちを\\n 上回る速度だと……ッ」",
"201025511_103": "「わたしは切ちゃんのサンタだから……、\\n 誰にも邪魔させないッ」",
"201025511_104": "「ふざけたことを……。\\n あくまでも抵抗すると言うのなら、少し痛めつけてやる」",
"201025511_105": "「あう――ッ!」",
"201025511_106": "(し、調……ッ!)",
"201025511_107": "「――そこまでですッ!」",
"201025511_108": "「なッ!?\\n なんだ貴様はッ」",
"201025511_109": "「切歌さんたちの帰りが遅いから来てみれば……。\\n やはり招かれざる客と遭遇していたようですね」",
"201025511_110": "「助手さんッ! 来てくれたデスかッ!\\n でも、調は……」",
"201025511_111": "「調さんにはギアがあります。それより、切歌さんに何かあっては\\n 助手の名折れ……」",
"201025511_112": "「ということで、ドクターウェルから\\n 切歌さんにクリスマスプレゼントですッ」",
"201025511_113": "「こ、これはなんデスッ!?」",
"201025511_114": "「もちろん、寒冷地仕様にモデルチェンジした\\n アンドロイド躯体ですよ」",
"201025511_115": "「時間の無かった中で、見た目に遊び心まで加えるあたり、\\n さすが僕とほめていただきたいところです」",
"201025511_116": "「さすが調の助手さんデスッ!\\n ありがとうございますデースッ」",
"201025511_117": "「何をごちゃごちゃと言っているッ!\\n 貴様人が増えたところで……」",
"201025511_118": "「切歌さん、あとのことはお願いしますよ」",
"201025511_119": "「任せるデースッ!」",
"201025511_120": "「……ふう。なんとか倒すことができたデスね」",
"201025511_121": "「悪い人たちも捕まえたデスけど、\\n どうしたらいいデスか」",
"201025511_122": "「僕に任せてください。\\n しかるべき機関に引き渡しましょう」",
"201025511_123": "「切歌さんは、急いで戻ってください」",
"201025511_124": "「それでは、お願いするデスッ!\\n アタシは、調の元へ……ッ」",
"201025511_125": "「調……ッ!\\n 無事デスかッ」",
"201025511_126": "「切ちゃんッ! よかった……。",
"201025511_127": " 切ちゃんまで狙うなんて、アイツら……ッ!」",
"201025511_128": "「まで、ということはやっぱり調も?」",
"201025511_129": "「うん。このギアで蹴散らしてやったけど」",
"201025511_130": "「おお、流石は調デースッ!\\n そのギア、まるでサンタクロースみたいデスね」",
"201025511_131": "「本物はいないって分かってるデスけど、\\n 本物そっくりデスッ」",
"201025511_132": "「……切ちゃん、\\n 本物のサンタクロースがいないって知ってたんだ……」",
"201025511_133": "「もう1人のアタシが教えてくれたデスよ」",
"201025511_134": "「そっか……。\\n 実はね、今年はわたしが切ちゃんのサンタになりたかったんだ」",
"201025511_135": "「……だから、はい。クリスマスプレゼント」",
"201025511_136": "「――ッ!」",
"201025511_137": "「アタシも同じ気持ちだったデス。\\n 調にプレゼントを用意して……」",
"201025511_138": "「…………」",
"201025511_139": "「プレゼント、壊れちゃってるデスね……」",
"201025511_140": "「わたしのも。戦闘中の衝撃で……」",
"201025511_141": "「うう……。\\n ――買いなおしてくるデスッ」",
"201025511_142": "「ううん、いいよ。ぐちゃぐちゃでも、壊れていても、\\n 切ちゃんが用意してくれたものだから……」",
"201025511_143": "「調……。アタシもこれがいいデスッ!\\n 調がくれたものデスからッ」",
"201025511_144": "「フフ、アタシは調がいれば、最高のクリスマスデス」",
"201025511_145": "「うん。わたしも」",
"201025511_146": "「それじゃ、さっそくパーティの準備デスッ!」",
"201025511_147": "「そうだね。\\n 急がないと、クリスマスが終わっちゃう」",
"201025511_148": "「調、その服、似合ってるデスよッ!」",
"201025511_149": "「切ちゃんも。すごく似合ってる」",
"201025511_150": "「隣に調がいて、ごちそうもあって、最高のクリスマスデスよ」",
"201025511_151": "「うん、それには同感。\\n でも……、クリスマスそのものはピンとこないかも」",
"201025511_152": "「そうなんデスか?」",
"201025511_153": "「うん。本来は宗教的な行事だし、自分と関係ない日を\\n わざわざお祝いする意味も分からないし……」",
"201025511_154": "「……だけど、こうして切ちゃんと過ごせるなら、\\n これからは少し好きになれるかもしれない」",
"201025511_155": "「それはよかったデース。\\n ……きっと、アンドロイドのアタシも喜んでるデスよ」",
"201025511_156": "「もう1人の切ちゃんが……?」",
"201025511_157": "「あの子に教えてもらったデスよ。\\n 大切な人と過ごす、かけがえのない日だって」",
"201025511_158": "「だから今、調と過ごせることを大事にしたいんデス。\\n 毎日こうして、楽しく過ごしていきたいんデス」",
"201025511_159": "「切ちゃん……」",
"201025511_160": "「いつか、あの子も目覚めたら、\\n 一緒にもっと大きなパーティをするデスよ」",
"201025511_161": "「……うん。絶対に、実現するから」",
"201025511_162": "「調……」",
"201025511_163": "「切ちゃん……」",
"201025511_164": "「――七面鳥が焼けましたよッ!\\n 我ながら完璧な焼き加減ですッ」",
"201025511_165": "「…………」",
"201025511_166": "「痛いッ!?」",
"201025511_167": "「はあ……、切ちゃん七面鳥食べよう?」",
"201025511_168": "「そうデスね」",
"201025511_169": "「あのね、切ちゃん。\\n わたしにとっては切ちゃんが最高のクリスマスプレゼントだよ」",
"201025511_170": "「アタシにとっては調が最高のサンタクロースデスよ」",
"201025511_171": "「そっか。\\n サンタとプレゼントなら、一緒にいないとね」",
"201025511_172": "「もちろんデスよ。ずっと一緒デス」",
"201025511_173": "「切ちゃん」",
"201025511_174": "「調」",
"201025511_175": "「――メリークリスマス(デス)ッ!」"
}

@ -0,0 +1,130 @@
{
"201025611_0": "クリスのバースデー2021",
"201025611_1": "「……というわけで、\\n しばらくそちらに戻れなくなってしまったんだ。すまない」",
"201025611_2": "「ごめんなさいね。\\n 例の計画にも参加できなくなってしまって……」",
"201025611_3": "「お仕事の都合じゃ仕方ないデスよ。\\n 人の分もアタシたちが頑張るデスッ」",
"201025611_4": "「そうだねッ! そうしようッ!\\n クリスちゃんのためだ」",
"201025611_5": "「しかし急な仕事とはいえ、\\n 皆との約束を破ることになってしまうとは……」",
"201025611_6": "「そうね。\\n どんな様子なのか見られないのは口惜しいわ……」",
"201025611_7": "「それならビデオを撮っておきますね。\\n 後でみんなで観られるように」",
"201025611_8": "「はい、そうしましょう」",
"201025611_9": "「それは助かる。戻ったら観させてもらうとしよう。\\n ……おっと。そろそろ、わたしたちは仕事に戻らねば」",
"201025611_10": "「わたしたちの分も\\n 誕生日をお祝いしてあげてね」",
"201025611_11": "「とは言ったものの、翼さんとマリアさんがいないと、\\n 『クリスちゃんお祝い計画』が実行できないね……」",
"201025611_12": "「そうデスね……。\\n あの役目は誰がやれば……ッ」",
"201025611_13": "「わたしたちじゃ、\\n みんな身長が足りないもんね……」",
"201025611_14": "「背の高い人が必要……」",
"201025611_15": "「翼さんくらい身長があって……」",
"201025611_16": "「ちゃんとあの服が着られて……」",
"201025611_17": "「計画に協力してくれそうな人……」",
"201025611_18": "「そんな都合のいい人なんて、簡単には見つからな――」",
"201025611_19": "「お、みんなここにいたんだな?\\n 定期報告に来たんだけど――」",
"201025611_20": "「……」",
"201025611_21": "「……見つかったね」",
"201025611_22": "「調ちゃん、切歌ちゃん、確保――ッ!」",
"201025611_23": "「了解(デス)ッ!」",
"201025611_24": "「な、なんだなんだッ!?\\n どうしたッ」",
"201025611_25": "「全く、急にあいつらから呼び出しだなんて……」",
"201025611_26": "(でも、これってやっぱりアレだよな。\\n 今日は、あたしの誕生日だし――",
"201025611_27": "「クリス先輩ッ! こっちデスよッ!」",
"201025611_28": "「5分前到着……。\\n 流石、クリス先輩」",
"201025611_29": "「後輩を待たせないその心遣いがにくいデスッ!」",
"201025611_30": "「まさに理想の先輩」",
"201025611_31": "「う、うるさいッ!\\n こんな街中で変なヨイショするなッ」",
"201025611_32": "(クリス先輩、ちょっと嬉しそう)",
"201025611_33": "(つかみはオッケーデスね。\\n あれは絶対、テレ隠しデス",
"201025611_34": "「まったく……。\\n で、なんの用なんだよ」",
"201025611_35": "「今日はとっても、\\n 大事な用事があるんデスよッ」",
"201025611_36": "「クリス先輩に来てもらいたいところがあります」",
"201025611_37": "「来てもらいたいところ?」",
"201025611_38": "「そうデス。\\n おとなしく一緒に来るデスよ」",
"201025611_39": "「1名様ご案内~」",
"201025611_40": "「お、おいッ! だからお前ら何を企んで――。",
"201025611_41": " ああもうッ! 分かった、歩くから引っ張るなッ!」",
"201025611_42": "「とうちゃ~くッ!」",
"201025611_43": "「連れてきました」",
"201025611_44": "「ありがとう。\\n クリスちゃん、待ってたよッ」",
"201025611_45": "「お、おう……」",
"201025611_46": "「それじゃアタシたちは会場の確認をしてくるデス」",
"201025611_47": "「クリス先輩のことはお願いします」",
"201025611_48": "「うん、任せて。\\n すっごく綺麗にしてみせるから」",
"201025611_49": "「綺麗にしてみせるって、\\n お前ら何を――」",
"201025611_50": "「いいからいいから。\\n それじゃまず着替えからかなー」",
"201025611_51": "「少しお化粧もしておこうか」",
"201025611_52": "「な……ッ! なんだってんだッ!\\n いや、何をするか予想はできるけど大掛かりすぎるだろッ」",
"201025611_53": "「さあ、どうぞこちらへ」",
"201025611_54": "「お、おいッ!」",
"201025611_55": "「まあまあ。いいからお着替えしようよ。\\n 衣装は用意してあるしさ」",
"201025611_56": "「ちょッ!? おまッ!?",
"201025611_57": " 勝手に服を脱がせようとするなッ!」",
"201025611_58": "「クリスちゃんッ!\\n 大丈夫だから、全部任せて」",
"201025611_59": "「だーッ! 着替えくらい自分でやらせろッ!」",
"201025611_60": "「うん、すっごく似合ってるよ」",
"201025611_61": "「いいなぁ、クリスちゃん。\\n そんな綺麗なドレスが着れて」",
"201025611_62": "「ったく、あたしは着せ替え人形かよ」",
"201025611_63": "(……確かに綺麗なドレスだけど)",
"201025611_64": "「それで、こんな格好させて、\\n 一体何を企んでるんだ」",
"201025611_65": "「それは、もうすぐ分かると思うから、\\n ちょっとそのまま待ってて」",
"201025611_66": "「ドレス脱いじゃダメだよッ!\\n 向こうの様子見てくるからッ」",
"201025611_67": "「あ、おいッ!\\n ……行っちまった」",
"201025611_68": "(向こうの様子? 向こうってなんだ?\\n もしかして……もっとすごいサプライズがあるのか……ッ",
"201025611_69": "(……い、いやッ! \\n 別に、楽しみってわけじゃないけどなッ",
"201025611_70": "「しかし遅いな……。\\n この後、何を――」",
"201025611_71": "「やっとか……。\\n 入ってきて大丈夫だぞッ」",
"201025611_72": "「失礼します、お嬢さん」",
"201025611_73": "「な……ッ!?\\n な、なああああッ なんであんたがッ」",
"201025611_74": "「こちらへどうぞ。\\n お手を――」",
"201025611_75": "「お、おう……って、そうじゃなくてッ!\\n なんでこんなことになってんだよッ」",
"201025611_76": "「誕生日サプライズなんだってさ」",
"201025611_77": "「そりゃそうだろうけど……、\\n いろいろやりすぎなんだよ」",
"201025611_78": "「それに、なんであんたがこんな役を?」",
"201025611_79": "「最初は参加する予定はなかったんだけどね。\\n 翼たち人が急にこれなくなっちゃったんだってさ」",
"201025611_80": "「こいつを着られるのがいなかったらしくて、\\n あたしに白羽の矢が立てられたんだよ」",
"201025611_81": "「そうじゃなくてッ!\\n そもそも、なんでこんなことをって話だよ……」",
"201025611_82": "「案内役の2人の発案らしいけど、\\n 心当たりあるんじゃないか」",
"201025611_83": "「後輩どもの……?」",
"201025611_84": "(……いや、ないな)",
"201025611_85": "「あれ、ないのか?\\n なんか願望を叶えるとかなんとか……」",
"201025611_86": "「願望って……、ドレス着て、エスコートされるのがかッ!?\\n あいつら、何をどこで勘違いしたんだよ……」",
"201025611_87": "「でも、嬉しいんだろ?」",
"201025611_88": "「……内容はともかく、気持ちはな」",
"201025611_89": "「――では、会場までこのまま行こうか?」",
"201025611_90": "「――ッ!\\n 分かった、どこまでも行ってやるよッ」",
"201025611_91": "(このドアの向こうが会場か……。\\n ったく、たどり着くだけで無駄に疲れたぞ",
"201025611_92": "「それじゃ、開けるぞ」",
"201025611_93": "「<size=40>誕生日おめでとー(デス)ッ!</size>」",
"201025611_94": "「はあ……、やっと解放された」",
"201025611_95": "「全く、あいつらおかしな勘違いしてやがって」",
"201025611_96": "「よッ、お疲れ様。\\n お嬢さん」",
"201025611_97": "「それはもうやめてくれ……」",
"201025611_98": "「いやだったのか?」",
"201025611_99": "「そうじゃないけど……」",
"201025611_100": "「あの2人、こんなシチュエーションにしてほしいって\\n 参考資料に漫画を渡してきてさ」",
"201025611_101": "「詳しい話を聞いてみれば、\\n あんたの愛読書だって言われたけど」",
"201025611_102": "「あいつらーッ!",
"201025611_103": " そうか……こうなった原因は、あの漫画だったのか」",
"201025611_104": "「なんだ、心当たりあったじゃないか」",
"201025611_105": "「いや、クラスメイトに読んだ方がいいと強引に渡されただけで\\n 断じて愛読書なんかじゃないぞッ」",
"201025611_106": "「……そうなのか?」",
"201025611_107": "「ま、一応読んだけどさ、\\n やっぱりあたしの柄じゃないっていうか……」",
"201025611_108": "「それより、一緒に祝ってくれてありがとうな」",
"201025611_109": "「当たり前だろ? 仲間の誕生日なんだから」",
"201025611_110": "「とは言っても、変な頼みごとは断った方がいいぞ。\\n ウチの後輩どもは調子に乗りやすいからな」",
"201025611_111": "「うーん……、\\n 頼まれると断れない性分でね」",
"201025611_112": "「それに、やってみたら案外楽しかったし、\\n 結果オーライだ」",
"201025611_113": "「……それなら別にいいけど。\\n 頼まれたら断れないなんて、変わった性格してるよな」",
"201025611_114": "「それはお互い様なんじゃないか?」",
"201025611_115": "「あ、あたしがッ!?」",
"201025611_116": "「いつも後輩に宿題を教えてるって話だし、\\n 今日だって、言われるまま着せ替え人形にされちゃってさ」",
"201025611_117": "「う……」",
"201025611_118": "「アハハハッ!\\n あたしたち、似た者同士なのかもな」",
"201025611_119": "「……否定できない……」",
"201025611_120": "「ま、そういうわけだから。\\n あんまり気にするなよな」",
"201025611_121": "「分かった。じゃあ断れないところを悪いけど、\\n あたしからもつ頼み事をしていいか」",
"201025611_122": "「お、いいぞ。\\n どんとこいだッ」",
"201025611_123": "「S.O.N.G.に来るときは、また話をさせてくれ。\\n その、似た者同士として」",
"201025611_124": "「えー、どうしようかなあ」",
"201025611_125": "「おい……ッ!」",
"201025611_126": "「アハハ、嘘だよ」",
"201025611_127": "「ぜひおしゃべりさせてくれ。\\n それくらい、誕生日じゃなくたってお安い御用だ」"
}

@ -6,7 +6,7 @@
"309000711_4": "「しかし……恐れていたことが起きてしまいました」",
"309000711_5": "「ネフィリムのことね」",
"309000711_6": "「そうです。この研究所が提供した、\\n ネフィリムのサンプル細胞が利用されてしまったのでしょう」",
"309000711_7": "「だけど、いくらネフィリムの細胞を持ってるからと言って、\\n 簡単に起動なんて出来ないず」",
"309000711_7": "「だけど、いくらネフィリムの細胞を持ってるからと言って、\\n 簡単に起動なんて出来ないず」",
"309000711_8": "「起動の必要はありません。なぜならあの細胞サンプルは、\\n 起動状態のネフィリムから抽出されたものですから」",
"309000711_9": "「なるほど、そういうことだったのね……」",
"309000711_10": "「でも、敵はネフィリムなんて使って、何をするつもりなのかしら」",

@ -8,7 +8,7 @@
"333000621_6": "「……クリス」",
"333000621_7": "「……オレが風鳴家を嫌になって、\\n 先生に付いて逃げ出したって話はしただろう」",
"333000621_8": "「うん」",
"333000621_9": "「……オレは、あの家が大嫌いだったッ!\\n 子供のころから、色んな教育を受けさられて――」",
"333000621_9": "「……オレは、あの家が大嫌いだったッ!\\n 子供のころから、色んな教育を受けさられて――」",
"333000621_10": "「何一つ好きなことはできず、\\n 全く、自由の無い生活だった」",
"333000621_11": "「父上も仕事で、ほとんど家にいない」",
"333000621_12": "「そして、風鳴家の者は、みんな口を揃えて言いやがる」",

@ -25,7 +25,7 @@
"351000651_23": "「ジズの死亡を確認、ギャオスの巣も完全に壊滅……」",
"351000651_24": "「……俺たち、勝ったのか?」",
"351000651_25": "「いや、待てッ! まだ生き残ったギャオスがいるぞッ!\\n 総員、戦闘準備ッ」",
"351000651_26": "「 あれは……。\\n こちらには向かってきていないようだ」",
"351000651_26": "「あれは……。\\n こちらには向かってきていないようだ」",
"351000651_27": "「なッ!? 生き残ったギャオスが\\n ジズを喰ってるのか……ッ」",
"351000651_28": "「うッ……」",
"351000651_29": "「大丈夫ですか?」",

@ -25,7 +25,7 @@
"352000651_23": "「ジズの死亡を確認、ギャオスの巣も完全に壊滅……」",
"352000651_24": "「……俺たち、勝ったのか?」",
"352000651_25": "「いや、待てッ! まだ生き残ったギャオスがいるぞッ!\\n 総員、戦闘準備ッ」",
"352000651_26": "「 あれは……。\\n こちらには向かってきていないようだ」",
"352000651_26": "「あれは……。\\n こちらには向かってきていないようだ」",
"352000651_27": "「なッ!? 生き残ったギャオスが\\n ジズを喰ってるのか……ッ」",
"352000651_28": "「うッ……」",
"352000651_29": "「大丈夫ですか?」",

@ -0,0 +1,36 @@
{
"365000111_0": "未知の世界へッ!",
"365000111_1": "「ここは……どこ……?」",
"365000111_2": "「ねえ、クリスちゃん――」",
"365000111_3": "「――って、いないッ!?」",
"365000111_4": "「クリスちゃーーーんッ!!\\n どこなのーーーッ」",
"365000111_5": "「…………」",
"365000111_6": "(わたし1人、だけなんだ……)",
"365000111_7": "「……いやッ! まだそうと決まったわけじゃない。\\n 案外近くにいるかもしれないし、探しに――」",
"365000111_8": "「…………」",
"365000111_9": "「――ッ!?」",
"365000111_10": "「――!!」",
"365000111_11": "「うわッ!?」",
"365000111_12": "「この威力……この気配……、\\n 明らかに人間じゃないッ」",
"365000111_13": "「しかも――」",
"365000111_14": "「囲まれちゃったッ!?」",
"365000111_15": "「ええっと……。わたし、友達を探していまして、\\n 決して怪しいものではないのですが……」",
"365000111_16": "「…………」",
"365000111_17": "「なんとなくそんな気がしてたけど、やっぱり話が通じないッ!\\n それにこの殺気……ッ」",
"365000111_18": "「だったら――。\\n 抵抗させてもらいますッ」",
"365000111_19": "「クリスちゃんに会う前に、\\n 倒れるわけにはいかないのでえええッ」",
"365000111_20": "「なんとか切り抜けたけど、\\n 何だったんだろう、あの人たち……」",
"365000111_21": "「それに、ここはいったいどこなんだろう?」",
"365000111_22": "「よく見るとあの神殿、世界史の教科書で前に見たような……。\\n 確か、ヨーロッパの神殿があんな感じだったような」",
"365000111_23": "「未来と『行きたいねー』なんて話してたけど、\\n こんな形で来るなんて想定外だよう……」",
"365000111_24": "「……通信機も繋がらないし、\\n 並行世界だよね、きっと……」",
"365000111_25": "「――ん?」",
"365000111_26": "「…………」",
"365000111_27": "「色のある人……ッ! よかったッ!\\n あの――」",
"365000111_28": "「見つけたぞ!」",
"365000111_29": "「え――?」",
"365000111_30": "「いくぞ! ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>――!!」",
"365000111_31": "「うわあああああ――ッ!?」",
"365000111_32": "「おまえが邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主だな!\\n もう逃がさないぞ」",
"365000111_33": "「コ……、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>……?」"
}

@ -0,0 +1,30 @@
{
"365000121_0": "数時間前――",
"365000121_1": "「こちらC班、立花響と雪音クリスッ!\\n 目標ポイントに到着しましたッ」",
"365000121_2": "「今のところ、周囲に敵影は見えないな」",
"365000121_3": "「A班、B班もポイントに到着したようだ。\\n このまま作戦行動を開始してくれ」",
"365000121_4": "「了解ですッ!」",
"365000121_5": "「ところで、今回の件について、\\n ざっくりとしか経緯を聞いてないんだが……」",
"365000121_6": "「すまない、そうだったな。\\n 本格的に作戦が始まる前に改めて詳細を説明しておこう」",
"365000121_7": "「この国の古代遺跡にて、\\n 聖遺物らしきものが発見されたのが事の発端となった」",
"365000121_8": "「聖遺物、らしきもの……」",
"365000121_9": "「遺跡の壁画に残されていた記録から、\\n その聖遺物は現在『黄金の枝』と仮称されています」",
"365000121_10": "「記録の内容から、神話の時代に登場する\\n アイテムと同一のものではないかと考えられているんです」",
"365000121_11": "「それは、アイネイアスが冥界へと赴く際、\\n 同行するシビュレが持っていくよう予言したもの……」",
"365000121_12": "「持ち主を異世界へ導くと同時に、\\n 帰り道を指し示すものであったとも言われています」",
"365000121_13": "「ふうん……。そのなんとかっていう聖遺物が、\\n またぞろ暴走でもしでかしたのか」",
"365000121_14": "「そういうわけではないのだが……。\\n 見つかった場所が内戦中の小国でな……」",
"365000121_15": "「今も、政府軍と反政府軍が激しく争っている。\\n そんな争いの真っただ中の遺跡から、偶然発見されたんだ」",
"365000121_16": "「それじゃ、もしかして取り合いに……?」",
"365000121_17": "「それがどんな力を持ってるかわからないが、聖遺物には\\n 戦況を一気にひっくり返せちまうようなものもあるからな……」",
"365000121_18": "「そういうことだ」",
"365000121_19": "「特に、壁画の内容から『理想の世界へ行く力』が\\n あるのではないかと、反政府軍が過剰に反応しているらしい」",
"365000121_20": "「反政府軍はもう、その聖遺物を\\n 手に入れてるかもしれないのか」",
"365000121_21": "「わからない。だが、反政府軍はすでに\\n 遺跡内に展開しているらしい。十分に注意してくれ」",
"365000121_22": "「了解ですッ!\\n それでは目標地点まで、最速で、最短で、まっすぐに――」",
"365000121_23": "「いや、こっちから行くまでもなく、お出迎えみたいだぞ」",
"365000121_24": "「アルカ・ノイズッ!?」",
"365000121_25": "「こんなもんまで用意してるのか――」",
"365000121_26": "「目標は遺跡の中だ。\\n さっさと倒していくぞ。一直線にな」",
"365000121_27": "「そ、それ、わたしのセリフだよ……ッ!?」"
}

@ -0,0 +1,36 @@
{
"365000122_0": "「こちらA班。本部、聞こえますか?」",
"365000122_1": "「ああ、聞こえている。\\n 反政府軍の状況はどうだ」",
"365000122_2": "「予想通りね。\\n アルカ・イズの使用を確認したわ」",
"365000122_3": "「事前の情報通り、\\n 反政府軍は本格的に錬金術師と組んでいると思われます」",
"365000122_4": "「やはりか……。\\n ますます、聖遺物を奪わせるわけにはいかないな」",
"365000122_5": "「ええ。引き続き遺跡周辺の\\n アルカ・イズを掃討しつつ、遺跡内部を目指すわ」",
"365000122_6": "「切ちゃん、一気に行くよッ!」",
"365000122_7": "「合点承知デースッ!」",
"365000122_8": "「なッ!?\\n アルカ・イズがあっさりと……ッ」",
"365000122_9": "「だ、ダメだッ! 敵うわけないッ!\\n 逃げろ――ッ」",
"365000122_10": "「こちらB班。\\n 敵拠点、制圧しました」",
"365000122_11": "「残った兵士たちは逃げて行ったデスよ」",
"365000122_12": "「調ちゃん、切歌ちゃん、お疲れ様」",
"365000122_13": "「よし、これで敵の援軍は当分防げるだろう」",
"365000122_14": "「よかったデスッ!\\n それではアタシたちも遺跡の方に――」",
"365000122_15": "「待ちやがれ――ッ! お前たちのような小娘に\\n やられたとあっては、兵士の名折れッ」",
"365000122_16": "「これならどうだッ!\\n もしもの時のためのとっておきだッ」",
"365000122_17": "「前言撤回……」",
"365000122_18": "「まだ、制圧できていなかったみたいです……」",
"365000122_19": "「――そうか。\\n もうひと踏ん張り頼めるか」",
"365000122_20": "「もちろんデスッ!\\n サクッと倒して、遺跡に急ぐデスよッ」",
"365000122_21": "「うん、そうだね。\\n わたしと切ちゃんの力、見せてやろうッ」",
"365000122_22": "「ここが、古代遺跡……。\\n 思ってたより入り組んでるね」",
"365000122_23": "「しかも、かなり脆そうだ。政府軍と反政府軍の\\n 衝突のせいであちこち崩れてるみたいだな」",
"365000122_24": "「おかげで地図も全然役に立たないし……」",
"365000122_25": "「クリスちゃん、アルカ・ノイズが出てきても、\\n いつもみたいにミサイルを撃ったらダメだよ」",
"365000122_26": "「いつもみたいにって……、\\n 語弊があるだろその言い方はッ」",
"365000122_27": "「それより、時にあたしのミサイル以上にミサイルらしい\\n お前こそ気を付けろよな」",
"365000122_28": "「C班、聞こえるか?\\n 応答してくれ」",
"365000122_29": "「こちらC班。遺跡内に入ることができたんですけど、\\n 進むのに手間取っていまして……」",
"365000122_30": "「焦る必要はない。そのまま遺跡のルート確保を頼む。\\n 班、班もじきに合流できるはずだ」",
"365000122_31": "「みんなも来られそうなんですねッ!」",
"365000122_32": "「そうなりゃ、穏便に鎮圧できるかもな」",
"365000122_33": "「そうなることを祈っている。\\n 頼んだぞ、お前たち」"
}

@ -0,0 +1,16 @@
{
"365000131_0": "「……クリスちゃん、あれ見てッ!」",
"365000131_1": "「ああ、反政府軍の奴らだ。\\n やっと追いつけたかッ」",
"365000131_2": "「貴様らはッ!?」",
"365000131_3": "「国連のシンフォギア……ッ!」",
"365000131_4": "「だが、一歩遅かったようだな。\\n 『黄金の枝』は既に我らが手に……ッ」",
"365000131_5": "「お願いです。降伏してください……ッ!」",
"365000131_6": "「ならんッ!\\n 異世界へ導く力があるというこの聖遺物は我らのものッ」",
"365000131_7": "「その通りッ! 我ら民族の『約束の地』に至り、\\n 憎き政府軍に鉄槌を下す力を得るために……ッ」",
"365000131_8": "「ええッ!? そんな力があるのッ!?\\n エルフナインちゃんはそんなこと言ってなかったけど……」",
"365000131_9": "「どうせ都合よく解釈してんだろ。\\n おいコラ、痛い目見る前に渡したほうが身のためだぞ」",
"365000131_10": "「うるさいッ!\\n こちらにはまだ、これがある……ッ」",
"365000131_11": "「ククク、こいつらがお前らの相手だッ!」",
"365000131_12": "「チッ、その隙にとんずらする気かッ!」",
"365000131_13": "「そうは、させるかああああッ!」"
}

@ -0,0 +1,38 @@
{
"365000132_0": "「くそッ!\\n こんな狭いところにワンサカと……ッ」",
"365000132_1": "「立花ッ! 雪音ッ!」",
"365000132_2": "「どうやら、クライマックスには間に合ったみたいね」",
"365000132_3": "「翼さんッ! マリアさんッ!」",
"365000132_4": "「主役は遅れてくるものなんデスッ!」",
"365000132_5": "「道に迷っちゃったけど、間に合ってよかった」",
"365000132_6": "「お前らッ!」",
"365000132_7": "「そ、装者が6人も……ッ!」",
"365000132_8": "「くッ……こうなったら――ッ!」",
"365000132_9": "「ま、待てッ!\\n これ以上、アルカ・イズを出したら……ッ」",
"365000132_10": "「見ろッ! 遺跡が限界だ……ッ!\\n このままでは生き埋めになってしまうぞッ」",
"365000132_11": "「ここまで来て負けるわけにはいかないのだッ!\\n 仕方が無いだろうッ」",
"365000132_12": "「仲間割れッ!?」",
"365000132_13": "「しめたぞ。\\n その隙に――、」",
"365000132_14": "「ぐあッ!?\\n 黄金の枝がケースからッ」",
"365000132_15": "「ハッ!\\n 大切なもんなら、目を離すなってのッ」",
"365000132_16": "「クリス先輩、流石ッ!」",
"365000132_17": "「大当たりデースッ!」",
"365000132_18": "「しかしッ、このままでは遺跡が崩れる……ッ!\\n マリア、わたしたちで天井をッ」",
"365000132_19": "「ええッ! 調、切歌も手伝いなさいッ!」",
"365000132_20": "「うんッ!\\n 柱を支えて、崩落を抑える……ッ」",
"365000132_21": "「了解デースッ!」",
"365000132_22": "「立花ッ! 雪音ッ!\\n お前たちは――ッ」",
"365000132_23": "「みなまで言うなッ!\\n ――とっくに動き出してるんだよッ」",
"365000132_24": "「――黄金の枝を確保しますッ!」",
"365000132_25": "「させるかッ!\\n アルカ・イズ、奴らを止めろ……ッ」",
"365000132_26": "「――道は開いたッ!\\n 突っ込むぞッ」",
"365000132_27": "「届けえええええッ!」",
"365000132_28": "「――掴んだッ!」",
"365000132_29": "「よしッ!」",
"365000132_30": "「……って、うわッ!?」",
"365000132_31": "「何これッ!?」",
"365000132_32": "「まさか、こんなタイミングで起動したのかッ!?\\n 早く、手を放せッ」",
"365000132_33": "「ダメ、引き寄せられて――ッ!」",
"365000132_34": "「立花ッ! 雪音――ッ!」",
"365000132_35": "「2人が、消えた……、だと……」"
}

@ -0,0 +1,18 @@
{
"365000211_0": "邂逅ッ!青銅聖闘士",
"365000211_1": "「いてて……」",
"365000211_2": "「聖遺物の光に飲み込まれて――。\\n って、あたしたちどうなったんだ」",
"365000211_3": "「それに、あいつがいない……」",
"365000211_4": "(あの時、どこかに飛ばされるような感覚があった。\\n きっと、あいつもあたしと同じように……",
"365000211_5": "「……おいッ! 聞こえるかッ!?\\n 近くにいるなら返事しろッ」",
"365000211_6": "「……ッ!\\n ギリギリまで、手を握ってたはずなのに……」",
"365000211_7": "「それにしても、ここはどこだよ……?\\n とりあえず、周囲を調べてみるか」",
"365000211_8": "(本部にも、あいつにすら通信が繋がらない……。\\n どうやら普通の場所じゃないようだな",
"365000211_9": "(異世界へと導く聖遺物、黄金の枝か……。\\n ここは、未知の並行世界なのか",
"365000211_10": "「とにかく無事でいろよ、バカ……」",
"365000211_11": "「見慣れない建物ばっかりだな。\\n なんなんだ、この場所……」",
"365000211_12": "「――ッ!? 誰だッ!」",
"365000211_13": "「…………」",
"365000211_14": "「人間……じゃないようだな。\\n おいッ こっちの言ってることはわかるか」",
"365000211_15": "「問答無用かよッ!\\n そういうつもりなら、こっちも遠慮はなしだッ」"
}

@ -0,0 +1,13 @@
{
"365000212_0": "「……なんなんだよッ!\\n こいつのタフさはッ」",
"365000212_1": "「…………」",
"365000212_2": "(銃弾がまともに当たってるはずなのに、\\n あまり効いてない……",
"365000212_3": "「――ッ!?」",
"365000212_4": "「……くッ!\\n こっちの攻撃だけ効かないなんて反則だろッ」",
"365000212_5": "「これなら、どうだッ!」",
"365000212_6": "「……ッ!\\n こいつ、実体がないのかッ」",
"365000212_7": "(だから手ごたえが無かったってことか。\\n だが――ッ",
"365000212_8": "「完全に効かないってわけじゃ、ないらしいなッ!!」",
"365000212_9": "「ふー……。\\n 迷子探しで忙しいってのに、手間取らせやがって」",
"365000212_10": "「あれは……宮殿?\\n よし、あそこに行ってみるか」"
}

@ -0,0 +1,32 @@
{
"365000221_0": "(薄暗いな……)",
"365000221_1": "「――そこにいるのは誰だ!」",
"365000221_2": "「――ッ!」",
"365000221_3": "「ここはぼくが!\\n ――ネビュラチェーン」",
"365000221_4": "「なッ!?\\n 鎖が迫って――ッ」",
"365000221_5": "「その身のこなし、そして見たことの無い<ruby=クロス>聖衣</ruby>、\\n おまえが、<ruby=アテナ>女神</ruby>の言っていた邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主か……!」",
"365000221_6": "「はあッ!?」",
"365000221_7": "「――ならば受けよ、このドラゴン最大の奥義を!」",
"365000221_8": "「おいッ!\\n ちょっと待てって――ッ」",
"365000221_9": "「<ruby=ろざん>廬山</ruby>――」",
"365000221_10": "「――待って、<ruby=しりゅう>紫龍</ruby>!」",
"365000221_11": "「<ruby=しゅん>瞬</ruby>……なぜ止める?」",
"365000221_12": "「その人に敵意が無いみたいだったから……」",
"365000221_13": "「こっちの話が通じるだけ、\\n さっきのヤツとは違う手合いだってのはわかった」",
"365000221_14": "「その、\\n <ruby=クロス>聖衣</ruby>やら<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>やらってのはさっぱりだけど――」",
"365000221_15": "「いきなり攻撃されなきゃいけないような\\n 心当たりがないことは確かだ」",
"365000221_16": "「すみません。\\n さっきまで正体不明の敵に襲撃され続けていたので……」",
"365000221_17": "「ぼくは瞬。\\n よければ名前を聞いてもいいですか」",
"365000221_18": "「雪音クリス。\\n ちゃんと言葉が通じそうでよかったよ」",
"365000221_19": "「敵意を向けてすまなかった。\\n オレの名は紫龍、<ruby=ドラゴン>龍星座</ruby>の<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>だ」",
"365000221_20": "「ぼくはアンドロメダ星座の<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>です」",
"365000221_21": "「あと2人の仲間とここに来たはずなんだけど、\\n はぐれてしまって……」",
"365000221_22": "「待て待て、<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>? またよく分からない単語だな……。\\n おかげで全然話が入ってこないんだが――」",
"365000221_23": "「これは――、\\n ぼくのチェーンが警戒してる」",
"365000221_24": "「今度こそヤツらか!」",
"365000221_25": "「こいつら、また――ッ!」",
"365000221_26": "「こっちはぼくが!\\n 紫龍は反対側をお願い」",
"365000221_27": "「ああ、任せろ!」",
"365000221_28": "「クリスといったな。おまえは下がっていろ。\\n <ruby=セイント>聖闘士</ruby>でないなら、ヤツらの相手は危険だ!」",
"365000221_29": "「いや、あたしも戦う。\\n ――護られるのは性分じゃないからなッ」"
}

@ -0,0 +1,16 @@
{
"365000222_0": "「――いけ、チェーンよ!\\n サンダーウェーブ」",
"365000222_1": "「受けてみろ、<ruby=ろざんしょうりゅうは>盧山昇龍覇</ruby>――!」",
"365000222_2": "「なッ……、とんでもない威力じゃねーかッ!」",
"365000222_3": "(あたしはかなり苦労したっていうのに、\\n あっさりと……",
"365000222_4": "「けど、せめて足手まといにならないようにッ!」",
"365000222_5": "「もう、大丈夫みたいだ。\\n 人ともケガはない」",
"365000222_6": "「ああ……。\\n しかし、おまえも十分に戦えるのだな」",
"365000222_7": "「……あんたらに言われると複雑だけどな。\\n なんでそんなに強いんだ」",
"365000222_8": "「オレたち<ruby=セイント>聖闘士</ruby>は<ruby=クロス>聖衣</ruby>を得るために、\\n 極限まで肉体を鍛え、更に<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を高めている」",
"365000222_9": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を高めることで、攻撃や技を強化してるんです」",
"365000222_10": "「いやだから、専門用語が多すぎるんだが……」",
"365000222_11": "「こちらからも聞きたいことがある」",
"365000222_12": "「<ruby=セイント>聖闘士</ruby>でないようだが、おまえの纏うその鎧はなんだ!?\\n そして、なぜ戦闘中に歌を唄ってるんだ……」",
"365000222_13": "「そこはぼくも気になっていました! ぼくたち、\\n 今後のためにもお互い情報交換をした方がいいみたいだ」"
}

@ -0,0 +1,24 @@
{
"365000231_0": "「…………」",
"365000231_1": "「紫龍、瞬、<ruby=せいや>星矢</ruby>はここにはいないようだ――」",
"365000231_2": "(ともに来たはずだが、\\n 何者かの妨害を受けたか……",
"365000231_3": "(オレたちがそろっていることで、\\n 都合の悪いことでもあったのか",
"365000231_4": "「とにかく、このまま調査を進めるとしよう。\\n 星矢たちもきっとどこかで行動を起こしているだろうからな」",
"365000231_5": "「なに!?」",
"365000231_6": "「不意打ちとは卑怯な――、\\n くらえ ダイヤモンドダスト」",
"365000231_7": "「こいつらはいったい……」",
"365000231_8": "「しかし、ここは……<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>の守護宮にそっくりだ」",
"365000231_9": "(いったいどういうことだ?\\n まるでこの世界は、<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>そのもののようだが……)",
"365000231_10": "「この世界にいるという邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主とは、\\n いったい何者なのか……」",
"365000231_11": "「――!」",
"365000231_12": "「また貴様らか。\\n 何度来ても同じこと」",
"365000231_13": "「ダイヤモンドダストー!」",
"365000231_14": "「…………」",
"365000231_15": "「な!?\\n ダイヤモンドダストが効かない」",
"365000231_16": "「…………」",
"365000231_17": "「ならば、これならどうだ!\\n オーロラサンダーアターック」",
"365000231_18": "「ククク……」",
"365000231_19": "「な!!\\n ――貴様は」",
"365000231_20": "「<ruby=げんろうまおうけん>幻朧魔皇拳</ruby>――!!」",
"365000231_21": "「ぐあああああ――!?」"
}

@ -0,0 +1,47 @@
{
"365000311_0": "内なる力、小宇宙ッ!",
"365000311_1": "「いくぞ! ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>――!!」",
"365000311_2": "「うわあああああ――ッ!?」",
"365000311_3": "「おまえが邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主だな!\\n もう逃がさないぞ」",
"365000311_4": "「コ……、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>……?」",
"365000311_5": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>って……?\\n と言うか、あなたは誰……ッ」",
"365000311_6": "「とぼけるな!\\n おまえがあの戦士の影を操ってるんだろ」",
"365000311_7": "「いやいやいや、わたしもあいつらに――」",
"365000311_8": "「騙されるか!\\n ――燃え上がれ、オレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ!」",
"365000311_9": "「――ッ!?\\n これ……まるで師匠並みの迫力――ッ」",
"365000311_10": "「はぁああ――!\\n ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>――!」",
"365000311_11": "「うくッ!?\\n ぐううううううッ」",
"365000311_12": "(……ダメだ、半端な力じゃ押し負けるッ!)",
"365000311_13": "「――だったらッ!」",
"365000311_14": "「どうだ!」",
"365000311_15": "「なに!?\\n <ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>を受けきっただって!!」",
"365000311_16": "「それに、その黄金の輝き……。\\n まさか、おまえは<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>なのか!?」",
"365000311_17": "「<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>……?\\n ううん、シンフォギア装者だよ」",
"365000311_18": "「シンフォギア……?」",
"365000311_19": "「うんッ! わたしはただいま絶賛迷子中で、友達を探していて、\\n 『邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主』じゃないと思う。たぶんッ!」",
"365000311_20": "「…………」",
"365000311_21": "「確かに、よく見ると<ruby=クロス>聖衣</ruby>でもないようだ。\\n ……悪かった。どうやら、オレの早とちりだった……」",
"365000311_22": "「誤解が解けてよかったあ。\\n あ、そうそう。わたしの名前は立花響っていうんだッ」",
"365000311_23": "「オレは<ruby=ペガサス>天馬星座</ruby>の<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>、星矢だ」",
"365000311_24": "「<ruby=ひょうが>氷河</ruby>、紫龍、瞬、星矢……。\\n よく来てくれました」",
"365000311_25": "「<ruby=さおり>沙織</ruby>さん、いったい何があったんだ」",
"365000311_26": "「強い、胸騒ぎを感じたのです。\\n そしてその直後――」",
"365000311_27": "「――ここではない、この世界とは異なる世界で、\\n 邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じました……」",
"365000311_28": "「邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>……?」",
"365000311_29": "「そうです。この胸騒ぎの中心には、\\n その邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を持つ者の存在がある……」",
"365000311_30": "「その者はやがて、この世界にも\\n 災いをもたらすかもしれません」",
"365000311_31": "「なるほど……。\\n それでオレたちが呼ばれたのか……」",
"365000311_32": "「ぼくたちで調査を?」",
"365000311_33": "「今<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>たちは、<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>を空けることができません。\\n 手厚い支援も難しいでしょう……」",
"365000311_34": "「恐らく、とても危険な任務となりますが……。\\n 行ってくれますか」",
"365000311_35": "「もちろんです。\\n 我らは<ruby=アテナ>女神</ruby>の<ruby=セイント>聖闘士</ruby>なのですから」",
"365000311_36": "「ああ、オレたちに任せてくれ!」",
"365000311_37": "「彼の地へは、わたしの力で送り届けましょう。\\n さぁ、行くのです<ruby=アテナ>女神</ruby>の<ruby=セイント>聖闘士</ruby>たちよ」",
"365000311_38": "「なるほど。その、アテナさん? からの任務で、\\n 調査のためにこの世界に来たんだ……」",
"365000311_39": "「ああ。見たことのない<ruby=クロス>聖衣</ruby>のようなものを纏っていたから、\\n 邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主と勘違いして……。本当に悪かった」",
"365000311_40": "「ううん、人違いしても仕方ないよ。\\n わたし自身、どうしてここにいるのか分からないんだから」",
"365000311_41": "「キミは、『黄金の枝』という物の力に巻き込まれ、\\n この世界に飛ばされてきたんだったな」",
"365000311_42": "「うん、たぶんね。\\n そして、あなたと同じように仲間とはぐれて……」",
"365000311_43": "「――ッ!」",
"365000311_44": "「こいつら、\\n また現れたか……」"
}

@ -0,0 +1,58 @@
{
"365000312_0": "「いっぱい出てきた……ッ!\\n でも、負けないッ」",
"365000312_1": "「――ッ!\\n シンフォギアの攻撃が、あんまり効いてない――ッ」",
"365000312_2": "「うわああああッ!」",
"365000312_3": "「大丈夫か!?」",
"365000312_4": "「く、うう……」",
"365000312_5": "「うんッ!\\n 大丈夫……ッ」",
"365000312_6": "「クリスちゃんは、もっと大変な状況にいるかもしれないんだ。\\n 早く探しに行かないと――」",
"365000312_7": "「だからッ!\\n こんなところで、わたしが倒れていられるかああああッ」",
"365000312_8": "「はあ、はあ――」",
"365000312_9": "(この子も、誰かのために必死に戦っているのか)",
"365000312_10": "「くッ!\\n まだ倒せない……ッ」",
"365000312_11": "「伏せろ!\\n ここはオレに任せてくれ」",
"365000312_12": "「――ッ!」",
"365000312_13": "「うおおおおおお、燃えろオレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ!",
"365000312_14": " ――ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>!」",
"365000312_15": "「ありがとう……。\\n すごい、アレを一気に……」",
"365000312_16": "「なあ、もしよかったら、\\n 仲間が見つかるまで行動を共にしないか」",
"365000312_17": "「キミとなら、協力し合えるんじゃないかって思うんだ」",
"365000312_18": "「――ッ!」",
"365000312_19": "「うんうんッ!\\n 一緒に仲間を見つけようねッ」",
"365000312_20": "「ところでさ。さっきから話に出てくる、クロスとかセイントとか\\n コスモっていうのが、ちんぷんかんぷんなんだけど……」",
"365000312_21": "「ああ、説明しておいた方がいいよな」",
"365000312_22": "「オレたち<ruby=セイント>聖闘士</ruby>は、<ruby=アテナ>女神</ruby>を護るために戦う闘士なんだ」",
"365000312_23": "「位によって、<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>とか、\\n <ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>とかって呼ばれている」",
"365000312_24": "「あなたは<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>なんだねッ!」",
"365000312_25": "「ああ。そして、<ruby=クロス>聖衣</ruby>は<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の証。\\n こんなふうに纏うことで<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の肉体を守るんだ」",
"365000312_26": "「神話の時代から存在している神聖なもので、\\n それぞれの星座に対応している」",
"365000312_27": "「わたしたちで言う、聖遺物みたいなものなのかな?」",
"365000312_28": "「えーと、星座に対応しているっていうことは\\n あなたの<ruby=クロス>聖衣</ruby>は――」",
"365000312_29": "「オレは<ruby=ペガサス>天馬星座</ruby>を守護星座に持っている。\\n これは、ペガサスの<ruby=クロス>聖衣</ruby>なんだ!」",
"365000312_30": "「なるほど、\\n 難しいけど、ここまではギリギリ理解しましたッ」",
"365000312_31": "「そして、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>とは――」",
"365000312_32": "「キミは自分の体内に宇宙を感じたことがあるか?」",
"365000312_33": "「えええッ!? 宇宙ッ!?\\n たぶん、無いと思いますけど……」",
"365000312_34": "「オレたち<ruby=セイント>聖闘士</ruby>はその体内にある宇宙、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を<ruby=ビッグバン>爆発</ruby>させる\\n ことで闘志を上昇させ、超人的な力を生み出しているのさ」",
"365000312_35": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発させられなければ<ruby=セイント>聖闘士</ruby>としての技は使えないし、\\n 守護星座に選ばれて<ruby=クロス>聖衣</ruby>を纏うこともできないんだ」",
"365000312_36": "(思考回路がショートする音)",
"365000312_37": "「あ、あうう……途中まではついていけてたのに、\\n 結局ちんぷんかんぷんに……」",
"365000312_38": "「でも、クリスちゃんならわかると思うから、\\n その辺のことはクリスちゃんに任せようッ」",
"365000312_39": "「とにかく、すんごいパワーを使いこなせるってことだよねッ!」",
"365000312_40": "「まあ、それでもいいよ」",
"365000312_41": "「それがあるから、さっきの敵に、\\n わたしより攻撃が効いているように見えたのかな……」",
"365000312_42": "「かもしれないな。きっとあの戦士の影は、\\n 邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主が操っているんだ」",
"365000312_43": "「その人を探しに来たんだよね?」",
"365000312_44": "「ああ。この世界のどこかにいるはずなんだ。\\n <ruby=アテナ>女神</ruby>がそう感じた以上、間違いないはず……」",
"365000312_45": "「もしかしたらクリスちゃんも、\\n その邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主に捕まって……」",
"365000312_46": "「その可能性も十分考えられる――」",
"365000312_47": "「だったら急がなくちゃッ!\\n 早くクリスちゃんを助けにいかないとッ」",
"365000312_48": "「この辺り……戦闘の跡がないか?」",
"365000312_49": "「……うん。あちこちに――、\\n って、これッ」",
"365000312_50": "「どうしたんだ?」",
"365000312_51": "「この銃弾の跡……。\\n <ruby=セイント>聖闘士</ruby>の仲間に銃を使う人はいないよね?」",
"365000312_52": "「ああ。\\n オレたちの技で、こんな跡は残らないはずだ」",
"365000312_53": "「それなら間違いないよ。\\n ここで、クリスちゃんが戦ってたんだッ」",
"365000312_54": "「ここを通ったことは間違いないようだな」",
"365000312_55": "「うんッ!\\n きっともうすぐ会えるはず……ッ」"
}

@ -0,0 +1,20 @@
{
"365000321_0": "「その鎧は、シンフォギアというのか……」",
"365000321_1": "「唄うことで力を発揮するなんて、すごいですね」",
"365000321_2": "「ああ、あたしらの力の源は、\\n フォニックゲインていうんだ」",
"365000321_3": "「にしても、<ruby=クロス>聖衣</ruby>に<ruby=セイント>聖闘士</ruby>。それに<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>か……。\\n そんなややこしい話、あのバカに聞かせたら爆発するぞ」",
"365000321_4": "「その人が、はぐれてしまったキミの仲間なんですね」",
"365000321_5": "「ああ。あたしと同じシンフォギア装者で、名前は立花響。\\n まあ――いろいろと騒がしいやつだ」",
"365000321_6": "「確かそっちも、\\n あと人仲間がいるんだろ」",
"365000321_7": "「オレたちが探している2人は、星矢と氷河という名前だ」",
"365000321_8": "「どちらも年の頃はオレたちと変わらん。\\n <ruby=クロス>聖衣</ruby>を纏っているので、すぐにわかると思うが……」",
"365000321_9": "「よし、わかった。もしそいつらに会ったら、\\n あんたらの話をすればいいんだな」",
"365000321_10": "「……それより、もしよかったら一緒に行きませんか。\\n 星矢たちが、紫龍みたいに突然攻撃してくるといけないし……」",
"365000321_11": "「すまなかった……」",
"365000321_12": "「もうそれはいいって。ただ、同行していいのか?\\n こっちとしては好都合だけど、足を引っ張るかもしれない」",
"365000321_13": "「そんなこと気にしないでください。\\n 困ったときはお互い様ですよ」",
"365000321_14": "「ああ、おまえが邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主でないのは、\\n 先ほどまでの戦いでも、よくわかっているしな」",
"365000321_15": "「なら……、よろしく頼む。\\n 喋り方も、堅苦しいのはやめてくれ」",
"365000321_16": "「うん――。\\n よろしく、クリスさん」",
"365000321_17": "「って、お前らはお呼びじゃないぞ……ッ!」"
}

@ -0,0 +1,61 @@
{
"365000322_0": "「……片付いたようだな」",
"365000322_1": "「く……、また2人に助けられちまった……」",
"365000322_2": "「それにしても、あんたらの技は\\n とんでもない威力だな……」",
"365000322_3": "「技の威力だけで言ったら、\\n キミも十分にあるように見えるけど」",
"365000322_4": "「おまえがうまく戦えていないのは、\\n 別の理由があるかもしれん」",
"365000322_5": "「別の理由って、どういうことだッ!?」",
"365000322_6": "「ヤツらは、実体を持っていないようだ」",
"365000322_7": "「恐らくあれは、邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>より\\n 生み出された思念体のようなもの」",
"365000322_8": "「だから、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やすことで撃ち出される\\n オレたちの拳が有効なのではないか」",
"365000322_9": "「…………」",
"365000322_10": "「なあ、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>は人間の体内にある\\n 宇宙的エネルギーだって言ったよな」",
"365000322_11": "「だったら、あたしの中にもあるのか?\\n もしそれを爆発させることができれば――」",
"365000322_12": "「確かに、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>は誰しもが秘めているものだ」",
"365000322_13": "「だが、それを使いこなすには相応の修行を必要とする。\\n 一朝一夕でものにできるようなものではない」",
"365000322_14": "「ぼくたちも、何年もかかって\\n やっと体得したものなんだ」",
"365000322_15": "「ちなみに修行って、\\n あんたらはどんなことをしたんだ」",
"365000322_16": "「オレは中国にある廬山五老峰で、\\n 老師のもとで修行を行っていた」",
"365000322_17": "「最後には、大瀑布をも逆流させる奥義を体得することで、\\n <ruby=ドラゴン>龍星座</ruby>の<ruby=ブロンズクロス>青銅聖衣</ruby>に認められたんだ」",
"365000322_18": "「ぼくは、なかなか<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃え上がらせることができず、\\n 過酷な環境の島で毎日気絶するまで修行を……」",
"365000322_19": "「それでも海中に鎖でつながれた状態から脱出する、\\n サクリファイスという――」",
"365000322_20": "「<ruby=クロス>聖衣</ruby>継承の義を乗り越えて、\\n やっと<ruby=セイント>聖闘士</ruby>となることができたんだよ」",
"365000322_21": "「そんなに、過酷なものなのか……」",
"365000322_22": "「ああ、だから誰でもできるというわけでは――」",
"365000322_23": "「それでも、必要なんだ。\\n <ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発させる方法を教えてくれないか……」",
"365000322_24": "「この世界には、あいつもいる。\\n きっと今も、戦っているはずだ」",
"365000322_25": "「もしかしたら、たった1人で……。\\n だから、あたしが助けてやらないとダメなんだ――ッ」",
"365000322_26": "「……わかったよ。\\n そこまで言うなら――」",
"365000322_27": "「しかし――」",
"365000322_28": "「もちろん、可能性が低いのは分かった上でだよ。\\n 修行の方法を教えてあげるだけ。それでもいい」",
"365000322_29": "「ああッ!\\n よろしく頼むッ」",
"365000322_30": "「なんで目隠しなんだよ……ッ!?」",
"365000322_31": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>は体内に宿るもの。\\n 五感はむしろ邪魔となる」",
"365000322_32": "「その状態で、オレと瞬の攻撃を捌いてもらうぞ」",
"365000322_33": "「極限状態で五感を断ち、心を無にすれば\\n 自分の中にある<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じられるはず――」",
"365000322_34": "「さあ、行くよ!」",
"365000322_35": "「あ、ああッ!\\n かかって来やがれ……ッ」",
"365000322_36": "「大丈夫……?」",
"365000322_37": "「ああ……。\\n サンドバッグの気持ちが少し分かったぞ」",
"365000322_38": "「だけど正直、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>なんて全然感じられなかった……」",
"365000322_39": "「だから言っただろう」",
"365000322_40": "「く……ッ、\\n もう回だッ もう回だけ、付き合ってくれッ」",
"365000322_41": "「…………」",
"365000322_42": "「キミは、その響さんという\\n 仲間のことがすごく大切なんだね」",
"365000322_43": "「――ッ!?」",
"365000322_44": "「もしその人がこの世界でピンチに陥ったら自分で助けられる\\n ように、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じられるようになりたいんでしょう?」",
"365000322_45": "「別に、大切なんかじゃ……。護りたいのは単に、\\n あたしが先輩で、あのバカが後輩だからだ」",
"365000322_46": "「フフッ……」",
"365000322_47": "「な、なんだその顔は――ッ!!」",
"365000322_48": "「いや、誰かを護りたいっていうキミの想いが\\n なんだか少しだけ、ぼくのにいさんに似てるなって――」",
"365000322_49": "「2人とも、気を付けろ!\\n 誰かが来たようだ」",
"365000322_50": "「…………」",
"365000322_51": "「氷河! 無事だったんだな!」",
"365000322_52": "「あいつが――」",
"365000322_53": "「待って紫龍!\\n ぼくのチェーンが何かに反応して――」",
"365000322_54": "「ダイヤモンドダスト――!」",
"365000322_55": "「な!?\\n ぐああああああ――」",
"365000322_56": "「うわあああああ――!」",
"365000322_57": "「――ッ!?\\n お前、こいつらの仲間じゃなかったのかよッ」",
"365000322_58": "「…………」"
}

@ -0,0 +1,17 @@
{
"365000331_0": "「…………」",
"365000331_1": "「こいつらはお前を仲間だと言って探してたんだぞッ!\\n なのに――」",
"365000331_2": "「――!」",
"365000331_3": "「うぐッ!? くそッ!\\n そっちがその気なら――ッ」",
"365000331_4": "「防がれたッ!?」",
"365000331_5": "(あの影とは違う、実体のある人間だ。\\n なら、あの冷気の防御さえ突破できれば……ッ",
"365000331_6": "「そろそろ終わらせてやる。受けてみろ――。\\n <ruby=キグナス>白鳥星座</ruby>、最大の拳!」",
"365000331_7": "「オーロラサンダーアターック!!」",
"365000331_8": "「うおおおおおッ!」",
"365000331_9": "「――!?」",
"365000331_10": "「こっからが本番だぞッ!」",
"365000331_11": "「く……」",
"365000331_12": "「まだまだッ!\\n ――くらっとけッ」",
"365000331_13": "「…………」",
"365000331_14": "「黒い連中があいつに加勢してッ!?\\n こいつら、つるんでるのかよッ」"
}

@ -0,0 +1,20 @@
{
"365000332_0": "「今までやられた分の倍返しだッ!\\n ――まとめて吹き飛べッ」",
"365000332_1": "「はあッ、はあッ……。アマルガムの力のおかげで、\\n あたしだけでもなんとかなったみたいだな……」",
"365000332_2": "「だけど、氷河とかいうやつには逃げられたか……」",
"365000332_3": "「う……」",
"365000332_4": "「よかった、無事だったんだな」",
"365000332_5": "「うん、なんとか……。\\n だけど――」",
"365000332_6": "「紫龍が、氷河に連れ去られてしまったんだ」",
"365000332_7": "「なんだとッ!?」",
"365000332_8": "「あたしが黒いやつらの相手にまごついてる隙に……。\\n 悪かった……」",
"365000332_9": "「ううん、キミは悪くないよ。\\n まさか氷河に襲われるなんて、ぼくも紫龍も想定外だった」",
"365000332_10": "「あいつ、仲間だったんじゃないのか?\\n なんでいきなり……」",
"365000332_11": "「氷河は仲間だよ。なぜあんなことをしたのか……。\\n 考えられるとすれば邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主に操られているとか……」",
"365000332_12": "「確証はないけど、<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>には\\n そういう技を使う<ruby=セイント>聖闘士</ruby>もいるんだ」",
"365000332_13": "「……厄介な話だな」",
"365000332_14": "「まあいい、早く探しに行くぞ」",
"365000332_15": "「でもキミは、響さんを探さないといけないんじゃ……」",
"365000332_16": "「あのバカに関しては今のところ手がかりがないし、\\n こんな状況でお前らを放っておけるかよ」",
"365000332_17": "「ありがとう……。\\n それじゃあ、行こう」"
}

@ -0,0 +1,29 @@
{
"365000411_0": "黄金聖闘士サガとの出会いッ!",
"365000411_1": "「なかなか追いつかないね……」",
"365000411_2": "「クリスちゃんも、\\n <ruby=セイント>聖闘士</ruby>さんたちも、無事だといいけど……」",
"365000411_3": "「ああ。だが、そう簡単にやられる連中では――」",
"365000411_4": "「――!?\\n これは……」",
"365000411_5": "「どうしたのッ!?」",
"365000411_6": "「強大な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じる……。\\n あの宮殿からだ」",
"365000411_7": "「仲間の<ruby=セイント>聖闘士</ruby>さんがいるってこと?」",
"365000411_8": "「……わからない。\\n ひょっとしたら、邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主かもしれないぞ……!」",
"365000411_9": "「そうだとしても、無視するわけにはいかない。\\n そうだよね」",
"365000411_10": "「ああ……。\\n 様子を見に行ってみよう」",
"365000411_11": "「星矢、ここで会うとは思わなかったぞ」",
"365000411_12": "「あんたは――サガ!?\\n サガなのか」",
"365000411_13": "「ええっと、そちらは……?」",
"365000411_14": "「彼はサガ。\\n <ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>を纏い<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>を護る最上位の闘士、<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>の1人だ」",
"365000411_15": "「それじゃあ……、<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>より\\n もっと強い人なんだ……」",
"365000411_16": "「どうしてあんたがこの世界にいるんだ?」",
"365000411_17": "「やはりここは異世界なのだな……。わたしは気を失い、\\n 気づくとこの場所で目を覚ましていたのだ」",
"365000411_18": "「それってもしかして、わたしたちと同じように\\n 黄金の枝でこの世界に飛ばされたんじゃ――」",
"365000411_19": "「黄金の枝?\\n 意識を失う前の記憶が曖昧でな、悪いがそれは定かではない」",
"365000411_20": "「星矢がなぜここにいるのか、その少女は何者なのか。\\n まずはわたしに話してもらえないだろうか」",
"365000411_21": "「ああ、わかった。\\n オレは――」",
"365000411_22": "「なるほど、邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を持つ<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の調査。\\n そしてシンフォギア装者との出会いか……」",
"365000411_23": "「オレはこのまま、邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主と仲間たちを探すつもりだ。\\n サガ、あんたは」",
"365000411_24": "「わたしは――」",
"365000411_25": "「――!\\n どうやら、招かれざる客が来たようだな」",
"365000411_26": "「戦士の影が……こんなにッ!?」"
}

@ -0,0 +1,15 @@
{
"365000412_0": "「なにい!?\\n まだ増えるのか」",
"365000412_1": "「倒しても倒しても……キリがないよッ!」",
"365000412_2": "「ここはわたしに任せてくれ」",
"365000412_3": "「サガ……?」",
"365000412_4": "「で、でもッ!\\n こんな数を相手に人では――」",
"365000412_5": "「わたしは<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>の1人、<ruby=ジェミニ>双子座</ruby>のサガだ。\\n 雑兵が何人いたところで、敵ではない」",
"365000412_6": "「――ほとばしれ!\\n 我が<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ!」",
"365000412_7": "「美しき銀河の星々と共に滅べ……。\\n ――ギャラクシアンエクスプロージョン」",
"365000412_8": "「あれだけいたのに、たったの一撃で……」",
"365000412_9": "「先ほどの問い、\\n わたしがどうするつもりかということだが――」",
"365000412_10": "「おまえたちに同行し、協力させてほしい」",
"365000412_11": "「いいのか?」",
"365000412_12": "「ああ、それが<ruby=アテナ>女神</ruby>の願いであるというのならば是非もない」"
}

@ -0,0 +1,22 @@
{
"365000421_0": "「ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>!」",
"365000421_1": "「時空の狭間へと消え去るがいい。\\n アナザーディメンション」",
"365000421_2": "「なんかわたし、全然役に立ててない……」",
"365000421_3": "「こいつらには<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やして撃ち出す攻撃でないと\\n 効きにくいみたいだから、仕方ないさ」",
"365000421_4": "「だけど、クリスちゃんが1人ぼっちで助けを\\n 待っているかもしれないのに、何もできないなんて……」",
"365000421_5": "「あのさ、\\n わたしも<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じて燃やすこと、できないかな?」",
"365000421_6": "「キミが!?\\n だけど、そう簡単には……」",
"365000421_7": "「簡単ではないが、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じることは不可能ではない。\\n それは誰にだって宿っている力なのだ」",
"365000421_8": "「だけど、オレだって何年も修行をして、\\n やっと感じることができたんだぜ」",
"365000421_9": "「そっか……」",
"365000421_10": "「彼女が普通の少女だったなら、\\n わたしもこんなことは言わないが……」",
"365000421_11": "「<ruby=セイント>聖闘士</ruby>が<ruby=クロス>聖衣</ruby>を纏い、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発させて戦うように、\\n 装者はシンフォギアを纏い、唄うことで力を得るという」",
"365000421_12": "「その不思議な相似に、わたしは興味があるのだ。\\n 彼女ならばもしかしたら、と」",
"365000421_13": "「可能性があるなら、\\n 挑戦してみたいですッ」",
"365000421_14": "「確かに、キミが<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を\\n 感じることができたら百人力だな」",
"365000421_15": "「ならばまずは……、\\n わたしと手合わせをしよう」",
"365000421_16": "「えええッ!?\\n わたしが、サガさんとですかッ」",
"365000421_17": "「ああ、戦いに勝る経験はない」",
"365000421_18": "「わ、わかりましたッ!\\n それなら、お願いしますッ」",
"365000421_19": "「手加減は不要だ。\\n ――全力でかかってくるがいい」"
}

@ -0,0 +1,53 @@
{
"365000422_0": "(全然……歯が立たない……ッ!)",
"365000422_1": "「もう終わりか?」",
"365000422_2": "「ま・だ・ま・だああああッ!」",
"365000422_3": "「筋はいいが――」",
"365000422_4": "「簡単に受け止められ――うわッ!?」",
"365000422_5": "「きゅぅ、参りました……」",
"365000422_6": "「まるで、見えない壁に吹き飛ばされたみたい……」",
"365000422_7": "「拳圧による衝撃波だ」",
"365000422_8": "「そんなことまでできるなんて……」",
"365000422_9": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を極めた<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の力はこの程度ではない。\\n <ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>の放つ拳は、光速に達する」",
"365000422_10": "「こ、光速ッ!?」",
"365000422_11": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じたければ、己の内面に目を向けるんだ。\\n おまえの中には宇宙が広がっている」",
"365000422_12": "「わたしの中の宇宙――」",
"365000422_13": "「ここまでしてもらって申し訳ないのですが……、\\n 言ってること、全然わかりませんッ」",
"365000422_14": "「フッ、まあそうだろう。\\n すぐに理解できるものでもない」",
"365000422_15": "「次は、星矢。\\n おまえが彼女の相手をしてやってくれ」",
"365000422_16": "「オレが!?」",
"365000422_17": "「星矢の粗削りな<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>に触れた方が、\\n むしろ得るものが多いかもしれないと思ってな」",
"365000422_18": "「そういうことなら――」",
"365000422_19": "「お願いしますッ!」",
"365000422_20": "「ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>!」",
"365000422_21": "「く――ッ!」",
"365000422_22": "「やっぱり、すごい破壊力……ッ!」",
"365000422_23": "「教えてやるよ。世にある全ての物は原子でできている。\\n 破壊するということの根本は、原子を砕くってことなんだ」",
"365000422_24": "「原子を……」",
"365000422_25": "「だから、体内にあるパワーとソウルを、\\n 破壊しようとする物の原子の一点に集中させて打ち抜くんだ」",
"365000422_26": "「こんなふうに……!」",
"365000422_27": "「うう……ッ!\\n もっとちゃんと理科の授業を聞いておくんだった……ッ」",
"365000422_28": "「ヘヘ、今のは<ruby=マリン>魔鈴</ruby>さんの受け売りなんだけどな」",
"365000422_29": "「<ruby=マリン>魔鈴</ruby>さん?」",
"365000422_30": "「オレの師匠さ。オレに<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の戦い方を教え込んでくれた。\\n 厳しいけれど、優しい人だ」",
"365000422_31": "「師匠だったら、わたしにだってッ!\\n 曰く、稲妻を喰らい、雷を握り潰すように打つべし――ッ」",
"365000422_32": "「今度はわたしの番だッ!」",
"365000422_33": "「うあああ――!」",
"365000422_34": "「どうだッ!\\n <ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が感じられなくたって、これくらいッ!」",
"365000422_35": "「く――!」",
"365000422_36": "「まだだ……!」",
"365000422_37": "「燃えろ、オレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>\\n 燃え上がれええええ」",
"365000422_38": "「一度は倒れたのに、まだこんな力がッ!?\\n これが、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>……ッ!」",
"365000422_39": "「うおおおおお!」",
"365000422_40": "(力だけじゃない……。\\n 身体を包む光の奥に、何かが見える――ッ",
"365000422_41": "(これは……ッ!)",
"365000422_42": "魔鈴さんを助けるため、燃えろオレの小宇宙よ、奇跡を起こせ……!",
"365000422_43": "みんながこのオレに勇気と力を与えてくれた。オレはみんなの希望なのだ――!",
"365000422_44": "もう一度オレに力をくれ! 小宇宙よ、女神よ!",
"365000422_45": "ねえさん! ねえさん――!!",
"365000422_46": "「これが<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の力だああ!」",
"365000422_47": "「うわあああッ!?」",
"365000422_48": "(拳に乗った想いを感じる……。\\n いつも誰かのために……だから<ruby=セイント>聖闘士</ruby>はこんなに強いの?)",
"365000422_49": "(この想いが、この強さが……、\\n これが、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>なの……ッ!?)",
"365000422_50": "(まだまだ、<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の領域には程遠いだろう。\\n だが、何かを掴んだようだな、少女よ"
}

@ -0,0 +1,36 @@
{
"365000511_0": "邪なる聖闘士の毒牙ッ!",
"365000511_1": "「チェーンよ……」",
"365000511_2": "「氷河たちは向こうに行ったみたいだ」",
"365000511_3": "「そんなことまでわかるのか」",
"365000511_4": "「アンドロメダ星座の<ruby=クロス>聖衣</ruby>には攻撃・探索性能を持つ<ruby=スクエアチェーン>角鎖</ruby>と、\\n 防御性能を持つ<ruby=サークルチェーン>円鎖</ruby>がそれぞれ備わっているんだ」",
"365000511_5": "「へえ。便利なもんだな」",
"365000511_6": "「ただ……、いいのか?」",
"365000511_7": "「え、なにが?」",
"365000511_8": "「分かってんだろ。\\n このまま行けば、仲間と戦うことになるんだぞ」",
"365000511_9": "「……大丈夫。\\n 紫龍を、そして氷河も助け出さないと」",
"365000511_10": "「星矢っていう、もう1人の仲間と\\n 先に合流した方がいいんじゃないのか」",
"365000511_11": "「ううん、星矢の状況もわからないし、\\n 今は急いだ方がいいと思う」",
"365000511_12": "「……ここに、にいさんがいればよかったんだけどね」",
"365000511_13": "「にいさん……、そういえばさっきも言ってたな」",
"365000511_14": "「ごめん、今のは聞かなかったことにして。\\n 弱音なんて吐いたら、それこそにいさんに笑われちゃうよ」",
"365000511_15": "「まあいいけど。\\n よっぽど仲のいい兄弟なんだな」",
"365000511_16": "「……そう言われると、どうなんだろう」",
"365000511_17": "「はあ?」",
"365000511_18": "「修行中は長い間離れて暮らしていたし、\\n 今もたくさん話すことはあまり無いから」",
"365000511_19": "「少し気難しくて、あまり誰かと一緒にいようとしないけど……、\\n 誰より優しくて、強い心を持った人なんだ」",
"365000511_20": "「にいさんに心配をかけないためにも、\\n 全てを終わらせて無事に帰らないと」",
"365000511_21": "「…………」",
"365000511_22": "「キミは、兄弟はいるかい?」",
"365000511_23": "「いや、そういうのはいない」",
"365000511_24": "「だけど、あたしには放っておけない後輩と、\\n やっぱり放っておけない先輩がいる」",
"365000511_25": "「だから、あたしも絶対帰らなくちゃいけないんだ」",
"365000511_26": "「そうなんだね」",
"365000511_27": "「……キミこそ、いいの?\\n 氷河のことはぼくたちの問題だ。キミが付き合う必要は――」",
"365000511_28": "「さすがに今さらだろ。代わりに、そっちが片付いたら\\n バカを探すためにそのチェーンを使わせてもらうからな」",
"365000511_29": "「……うん。きっとそうするよ」",
"365000511_30": "「……チッ、またこいつらか」",
"365000511_31": "「きっと、氷河が近い証拠だ」",
"365000511_32": "「なるほどな。\\n だったら前菜は速攻で片付けるぞッ」",
"365000511_33": "「うん。そして氷河のもとへ!」"
}

@ -0,0 +1,22 @@
{
"365000512_0": "「氷河! 紫龍!」",
"365000512_1": "「いたッ!\\n あそこに人倒れてるぞッ」",
"365000512_2": "「――紫龍!」",
"365000512_3": "「う…………」",
"365000512_4": "「紫龍、大丈夫!?」",
"365000512_5": "「――後ろだッ!\\n 気をつけろッ」",
"365000512_6": "「ダイヤモンドダスト!」",
"365000512_7": "「サークルディフェンス!」",
"365000512_8": "「そう何度も不意打ちはくらわないよ」",
"365000512_9": "「…………」",
"365000512_10": "「さっきと違って3対1だ。お前に勝ち目はないッ!\\n 降参するなら今のうちだぞッ」",
"365000512_11": "「待って、この気配は……。\\n まさか」",
"365000512_12": "「どうしたッ!?」",
"365000512_13": "「<ruby=ろざん>廬山</ruby>――」",
"365000512_14": "「なんだとッ!?」",
"365000512_15": "「あぶない!!」",
"365000512_16": "「――<ruby=しょうりゅうは>昇龍覇</ruby>!!」",
"365000512_17": "「う、うわああああ――!?」",
"365000512_18": "「…………」",
"365000512_19": "「ま、まさか……、\\n お前まで操られて……ッ」"
}

@ -0,0 +1,34 @@
{
"365000521_0": "「おいッ!\\n 大丈夫かッ」",
"365000521_1": "「う……」",
"365000521_2": "(気を失って……)",
"365000521_3": "「…………」",
"365000521_4": "「…………」",
"365000521_5": "「次はあたしってわけか。\\n だけど、させるか――ッ」",
"365000521_6": "「あたしを庇ってくれたこいつのためにも、\\n 負けるわけにはいかないからなッ」",
"365000521_7": "「止められたッ!?」",
"365000521_8": "「<ruby=ろざんしょうりゅうは>廬山昇龍覇</ruby>!」",
"365000521_9": "「くッ!」",
"365000521_10": "「――ダイヤモンドダスト!」",
"365000521_11": "「ぐ、あああ……ッ!」",
"365000521_12": "「…………」",
"365000521_13": "「…………」",
"365000521_14": "「くッ……」",
"365000521_15": "「……う、クリス……」",
"365000521_16": "「気が付いたのかッ!?」",
"365000521_17": "「なんとか、ね……。\\n ごめん、人で戦わせて……」",
"365000521_18": "「無理して動くなッ!\\n あの技をまともに食らったんだろッ」",
"365000521_19": "「そんなわけにはいかないよ……。\\n ぼくたち人で、氷河と紫龍を止めよう」",
"365000521_20": "「だけど、そんなダメージで……ッ!」",
"365000521_21": "「ぼくは、<ruby=セイント>聖闘士</ruby>だから。\\n この<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が尽きるまで、諦めない!」",
"365000521_22": "「燃え上がれ! ぼくの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ――!」",
"365000521_23": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の力か……ッ!\\n とにかく、まだやれるみたいだな」",
"365000521_24": "「うん。言ったでしょう、必ず帰るって。\\n そのために、負けるわけにはいかないよ」",
"365000521_25": "「…………」",
"365000521_26": "「あいつ、影を呼び出しやがったッ!?」",
"365000521_27": "「――!?」",
"365000521_28": "「く、分断されて――ッ!」",
"365000521_29": "「ぼくは大丈夫!\\n まずはこの、戦士の影を倒そう」",
"365000521_30": "「ああ……ッ!」",
"365000521_31": "「この程度の雑魚、\\n 秒で片付けてやるよッ」"
}

@ -0,0 +1,34 @@
{
"365000522_0": "「弓矢で弾幕が張れないとでも思ったかッ!?」",
"365000522_1": "「ハッ、予告通り秒で片付いたな」",
"365000522_2": "「おい、大丈夫かッ!?」",
"365000522_3": "「…………」",
"365000522_4": "「――ッ!?」",
"365000522_5": "「ネビュラチェーン!」",
"365000522_6": "「く――ッ!\\n お、お前まさか……ッ」",
"365000522_7": "「…………」",
"365000522_8": "(洗脳されてるのかッ!?\\n たった少しの隙に、誰が どうやってッ",
"365000522_9": "「<ruby=ろざんしょうりゅうは>廬山昇龍覇</ruby>!」",
"365000522_10": "「目を覚ましてくれッ!\\n お前は、こんな事をするやつじゃないはずだッ」",
"365000522_11": "「…………」",
"365000522_12": "「サンダーウェーブ!!」",
"365000522_13": "「ダイヤモンドダスト!!」",
"365000522_14": "「<ruby=ろざんしょうりゅうは>廬山昇龍覇</ruby>!」",
"365000522_15": "「間に合えッ!\\n コクーン……ッ」",
"365000522_16": "「コクーンのリフレクターが、砕け――ッ!?」",
"365000522_17": "「うわあああああッ!?」",
"365000522_18": "「ぐ、うう……。\\n はあ……はあ……」",
"365000522_19": "「…………」",
"365000522_20": "「……あたしに、トドメを刺すつもりか……。\\n そんなこと、させ、るか……ッ」",
"365000522_21": "(――ッ! ダ、ダメだ……。\\n こいつに向けて引き金を引くことが、あたしには――ッ",
"365000522_22": "「サンダーウェーブ!!」",
"365000522_23": "「――!?」",
"365000522_24": "「あいつの攻撃が、弾かれたッ!?」",
"365000522_25": "「…………」",
"365000522_26": "「お前が、助けてくれたのか?\\n いったい、何者……」",
"365000522_27": "「オレは<ruby=いっき>一輝</ruby>。\\n 瞬の兄にして、<ruby=フェニックス>鳳凰星座</ruby>の<ruby=セイント>聖闘士</ruby>」",
"365000522_28": "「瞬……おまえに人殺しなどさせん」",
"365000522_29": "「――!」",
"365000522_30": "「洗脳状態にあるようだな……。\\n 何者か知らんが、許さんぞ――」",
"365000522_31": "「我が弟、瞬の心を汚した罪を……!!」"
}

@ -0,0 +1,59 @@
{
"365000611_0": "ペガサスとフェニックスッ!",
"365000611_1": "「目を覚ませ、瞬」",
"365000611_2": "「…………」",
"365000611_3": "「…………」",
"365000611_4": "「…………」",
"365000611_5": "「やはり、何者かに洗脳されているか」",
"365000611_6": "「手荒な手段を取るしかないようだな」",
"365000611_7": "「ま……待て……。\\n あたしも戦う……ッ」",
"365000611_8": "「その必要はない」",
"365000611_9": "「だけど、相手は3人もいるんだぞッ!」",
"365000611_10": "「何人いようと変わらん。\\n この鳳凰の羽ばたきの前には、ただ燃え尽きるのみだ」",
"365000611_11": "「だいたい、そのダメージで何ができる?\\n オレが人を倒すところを黙って見ていろ」",
"365000611_12": "「く……」",
"365000611_13": "「<ruby=ろざんしょうりゅうは>廬山昇龍覇</ruby>!」",
"365000611_14": "「ダイヤモンドダスト!」",
"365000611_15": "「普段のおまえたちならばいざ知らず、操られた状態で放つ\\n 見せかけの技など、鳳翼の羽ばたきつで吹き飛ばしてくれる」",
"365000611_16": "「くう……!?」",
"365000611_17": "「む……!?」",
"365000611_18": "「やはり、技に普段ほどのキレを感じないぞ」",
"365000611_19": "「――!」",
"365000611_20": "「ネビュラチェーン!」",
"365000611_21": "「危ないッ!\\n やっぱり黙って見ているなんて――」",
"365000611_22": "「待て、手出しは無用だと――!」",
"365000611_23": "「できるかよ――ッ!」",
"365000611_24": "「う……」",
"365000611_25": "「――!\\n 鎖だけを狙って攻撃を……」",
"365000611_26": "「おまえ……。先程も、瞬を撃つことをためらっていたな」",
"365000611_27": "「あんたが来るまであいつと一緒に戦ってたんだッ!\\n それにあいつは、身体を張ってあたしを助けてくれた」",
"365000611_28": "「短い付き合いだけど、あたしだってな、\\n あいつを傷つけたくなんかないんだよッ」",
"365000611_29": "「…………」",
"365000611_30": "「だけどだからこそ、洗脳を解いて助けてやりたい。\\n あたしにも手伝わせろ」",
"365000611_31": "「……いいだろう。\\n おまえの名前は」",
"365000611_32": "「雪音クリスだ。覚えとけッ!」",
"365000611_33": "「ダイヤモンドダスト!!」",
"365000611_34": "「く……ッ!\\n とはいえ、厳しい状況に変わりはないか……」",
"365000611_35": "「3人をまとめて倒し気絶させるには、\\n このフェニックス最大の技を放つ必要がある」",
"365000611_36": "「だが、操られているとは言え奴らも武を極めた者だ。\\n そう易々とは隙を作ってくれないだろう。だから――」",
"365000611_37": "「あたしにその隙を無理やり作れってのかッ!?\\n 人使いの荒いやつだなッ」",
"365000611_38": "「できないのならば無理にとは言わん」",
"365000611_39": "「できないとは言ってないだろッ!\\n あのバカのせいで、お膳立てには慣れてんだよ……ッ」",
"365000611_40": "「…………」",
"365000611_41": "「銃弾を防いだくらいでドヤッてんじゃねーッ!\\n ミサイルパーティにご招待だッ」",
"365000611_42": "「許せ、氷河、紫龍、瞬……。\\n 手加減はできん」",
"365000611_43": "「邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主……決して許しはしないぞ。\\n オレに瞬を攻撃させたこと――」",
"365000611_44": "「必ず見つけ出し、八つ裂きにしてくれる!」",
"365000611_45": "「燃えろ、オレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ――!」",
"365000611_46": "(なんだ、この気迫は……ッ!)",
"365000611_47": "(感じる……仲間への想いと、敵への怒りをッ!\\n これが、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>なのか……?)",
"365000611_48": "「期は満ちた。行くぞ!」",
"365000611_49": "「――ッ!\\n ああ、ぶちかませッ」",
"365000611_50": "「<ruby=ほうよくてんしょう>鳳翼天翔</ruby>――!!」",
"365000611_51": "「ぐあああああああ!?」",
"365000611_52": "「に……いさ……ん……?」",
"365000611_53": "「気絶したか……。\\n あんたのおかげで、なんとかなった」",
"365000611_54": "「ああ。だが、戦いはまだ――」",
"365000611_55": "「クリスちゃーんッ!\\n おーいッ」",
"365000611_56": "「――ッ!?\\n この声は……」"
}

@ -0,0 +1,34 @@
{
"365000621_0": "「クリスちゃんクリスちゃんクリスちゃんッ!」",
"365000621_1": "「くっつくなバカッ!」",
"365000621_2": "「とにかく、無事だったんだな。\\n 心配させやがって」",
"365000621_3": "「一輝!」",
"365000621_4": "「星矢か……」",
"365000621_5": "「これは……何があったんだ!?\\n どうして瞬や氷河、紫龍が気絶して……」",
"365000621_6": "「お互い、状況説明が必要みたいだな……」",
"365000621_7": "「――ってことがあったんだよ」",
"365000621_8": "「クリスちゃんも大変だったんだね……」",
"365000621_9": "「一輝も、<ruby=アテナ>女神</ruby>に呼ばれて\\n この世界に来ていたのか」",
"365000621_10": "「それにしても、最初は氷河、それから紫龍、瞬。\\n まさか人も洗脳されるだなんて……」",
"365000621_11": "「それをしたのも、戦士の影を差し向けているのも、\\n 全て<ruby=アテナ>女神</ruby>の言う邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主ということか」",
"365000621_12": "「他者の心を上書きし操る拳、か……」",
"365000621_13": "<size=40>ドドドドドドド――ッ!!</size>",
"365000621_14": "「なんだ――!?」",
"365000621_15": "「外からのようだ!」",
"365000621_16": "「戦士の影が、\\n この宮殿に向かって押し寄せてくる……ッ」",
"365000621_17": "「100や200じゃきかないぞッ!」",
"365000621_18": "「洗脳による同士討ちが失敗に終わったから、\\n あれであたしらを倒そうってハラかッ」",
"365000621_19": "「宮殿の中には倒れたままの瞬たちがいる……!」",
"365000621_20": "「3人を連れて退くにも、\\n こう囲まれてしまっては逃げ場がないな……」",
"365000621_21": "「迎え撃つしかないだろう」",
"365000621_22": "「正面の敵はわたしが対処しよう。おまえたちはそれぞれ、\\n 手に分かれて残りの侵入経路を潰してくれ」",
"365000621_23": "「待ってくれ!\\n それじゃあんたが半分以上を相手することに……」",
"365000621_24": "「心配はいらない」",
"365000621_25": "「おまえたちこそ、敵に後れを取るなよ」",
"365000621_26": "「おまえに言われるまでもない」",
"365000621_27": "「わかった。あんたも気を付けてくれ!」",
"365000621_28": "「わたしたち装者の攻撃は、あいつらに効きにくい……。\\n それでも、精一杯戦うよッ」",
"365000621_29": "「当然だ。それじゃあ、お前はそのままそいつと戦え。\\n 勝手に倒れたら承知しないからな」",
"365000621_30": "「うん。クリスちゃんと一緒にみんなのところに帰るまで\\n 倒れたりしないよ……ッ」",
"365000621_31": "「では行くぞ。宮殿に入り込まれれば、\\n あの人が危険に晒される。ただの人も通すなよ」"
}

@ -0,0 +1,16 @@
{
"365000622_0": "(邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主の正体、もしや――)",
"365000622_1": "「……今は、考えごとをしている場合ではないか。\\n まずは目の前の敵を片付けねばな……」",
"365000622_2": "「ここから先は誰も通さん。\\n <ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>の力、その身に刻み滅ぶがいい!」",
"365000622_3": "「ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>!」",
"365000622_4": "「わたしだってッ!」",
"365000622_5": "「うぐ……ッ!」",
"365000622_6": "「大丈夫か!?」",
"365000622_7": "「あ、ありがとう……ッ!」",
"365000622_8": "(足を引っ張ってどうするんだッ!\\n 人でも多く、敵を倒せ……ッ",
"365000622_9": "「ここは通行止めだッ!」",
"365000622_10": "「くッ、1人倒すのに\\n こんなに時間をかけてられないってのに……」",
"365000622_11": "「<ruby=ほうよくてんしょう>鳳翼天翔</ruby>――!」",
"365000622_12": "「あれが、<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の力……」",
"365000622_13": "(あたしにも、こいつらを倒せる力があったなら……ッ!)"
}

@ -0,0 +1,70 @@
{
"365000631_0": "「はあ、はあ……まだだ!」",
"365000631_1": "「まだまだ!\\n ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>!」",
"365000631_2": "「はあ……はあ……」",
"365000631_3": "「大丈夫ッ!?\\n ごめんね、わたしがもっと戦えたら……ッ」",
"365000631_4": "「仕方ないさ。その分、オレがあいつらを倒す……!」",
"365000631_5": "「まだこんなに……。\\n だけど、ここはオレが護らなくちゃいけないんだ……」",
"365000631_6": "「共に戦う仲間のため、帰りを待つ<ruby=アテナ>女神</ruby>のため、\\n オレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>尽きるまで――!」",
"365000631_7": "「消え去れ!」",
"365000631_8": "「――!?」",
"365000631_9": "「それはあたしがッ!\\n 止まりやがれッ」",
"365000631_10": "「オレとしたことが……く!」",
"365000631_11": "「いくらなんでも無茶な戦い方をしすぎだぞ……ッ!」",
"365000631_12": "「オレの心配などいらん」",
"365000631_13": "「それじゃ、どうするつもりだよッ!?」",
"365000631_14": "「知れたことだ。\\n ――ここで命まで燃やし尽くすのみよ」",
"365000631_15": "「<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>たちの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が弱まっていく……。\\n どうやら限界が近いか……」",
"365000631_16": "(しかし、わたしがここを離れれば、\\n 敵が宮殿内に押し寄せてしまう……",
"365000631_17": "(この状況を覆すには、気絶している<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>たちが\\n 目覚めるか、もしくは――",
"365000631_18": "「――可能性に、賭けるしかないな」",
"365000631_19": "「シンフォギア装者の少女たちよ、\\n おまえたちならば、できるはずだ……」",
"365000631_20": "「う……」",
"365000631_21": "「もう、限界がッ!?」",
"365000631_22": "「はあ……はあ……。\\n く、身体が……動かない……」",
"365000631_23": "「…………」",
"365000631_24": "「<ruby=セイント>聖闘士</ruby>のみんながこんなにボロボロになるまで\\n 戦っているのに、どうしてわたしにはないんだ……」",
"365000631_25": "「みんなを、護り抜くだけの力が……ッ!」",
"365000631_26": "「キミには、その力があるよ……」",
"365000631_27": "「――ッ!」",
"365000631_28": "「だけど、わたしは<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じることが……」",
"365000631_29": "「きっとできる」",
"365000631_30": "「向き合うんだ。自分自身に、何を感じて、何を想うかに」 ",
"365000631_31": "「でも、どうやって……」",
"365000631_32": "「いつもやっていたじゃないか。\\n 熱い想いを、歌に乗せて――」",
"365000631_33": "「――ッ! そうだ、この胸の歌は、わたしそのもの。\\n だったら、歌が湧きあがってくる、心の奥にある物が……ッ」",
"365000631_34": "「く……」",
"365000631_35": "「おい、諦めるなッ!\\n 諦めたら死ぬぞッ」",
"365000631_36": "「おまえは手遅れになる前に逃げろ」",
"365000631_37": "「ばかやろうッ!\\n お前を置いていけるかよッ」",
"365000631_38": "「…………」",
"365000631_39": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じることができないから、\\n おまえはうまく戦うことができないのだったな」",
"365000631_40": "「ならば、おまえも<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やせ」",
"365000631_41": "「あたしが<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を……ッ!?\\n だけど、いくら教えてもらっても分からなかったんだッ」",
"365000631_42": "「最後は自分で感じるしかない」",
"365000631_43": "「わずかでも、瞬やオレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じたはずだ。\\n おまえの中にも必ずある」",
"365000631_44": "(こいつから感じたもの……。それは、火傷するほど熱い想いッ!\\n それは、あたしら装者の歌に似て……ッ",
"365000631_45": "(敵が迫っている……。だけど、気にするなッ!\\n 今はそんなときじゃない、自分に向き合うんだ",
"365000631_46": "(わたしは……護りたいッ!\\n 護るために戦っているんだッ",
"365000631_47": "<ruby=セイント>聖闘士</ruby>のみんなを、クリスちゃんを、\\n そして目の前の、この人を……ッ",
"365000631_48": "(これがわたしだ。\\n わたしの中に広がるこの宇宙が――ッ",
"365000631_49": "「これは……ペガサスの<ruby=クロス>聖衣</ruby>が光って!?」",
"365000631_50": "(あたしはなんで、唄ってるんだッ!?)",
"365000631_51": "(決まってるッ!\\n あたしの歌は絆だッ",
"365000631_52": "(家族と、みんなと、そしてあのバカとの……ッ!)",
"365000631_53": "(そうだ、こいつらだって、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やすのは\\n いつだって絆を護ろうとするときだった",
"365000631_54": "(ここで新しくできた<ruby=セイント>聖闘士</ruby>との絆。\\n あたしは、それを護るために――ッ",
"365000631_55": "「――!\\n フェニックスの<ruby=クロス>聖衣</ruby>が反応している!?」",
"365000631_56": "「これは――ッ!?」",
"365000631_57": "「響き渡れ……」",
"365000631_58": "「わたしの中の、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ――ッ!」",
"365000631_59": "「<size=40>うぅうおおおおおおッ!</size>」",
"365000631_60": "「ガングニールが、わたしの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>と\\n ペガサスの<ruby=クロス>聖衣</ruby>に呼応してッ!?」",
"365000631_61": "「ついに……掴んだんだな!」",
"365000631_62": "「できた……あったよ。\\n わたしにも<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>がッ!」",
"365000631_63": "「胸の歌が生まれる、あたしの奥の奥……。\\n 粗削りで、むき出しで――」",
"365000631_64": "「<size=40>これがあたしの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>だッ!</size>」",
"365000631_65": "「その姿は……」",
"365000631_66": "「イチイバルが、<ruby=クロス>聖衣</ruby>の力に反応したのか」",
"365000631_67": "「よーし、ここからが本番だッ!\\n 休憩しながら、燃えてるあたしを御覧じなッ」"
}

@ -0,0 +1,26 @@
{
"365000632_0": "「感じる、クリスちゃんの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>もッ!\\n よーし、それならこっちはわたしがッ」",
"365000632_1": "「わたしの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>はもっと燃えるッ!\\n 熱くなれるッ」",
"365000632_2": "「彼女の拳が、音速を超えて――!」",
"365000632_3": "「貫けええええッ!」",
"365000632_4": "「新たな鳳翼が生まれるとはな……」",
"365000632_5": "「あんたたちのおかげだッ!\\n 今度は、あたしが護る番だぞ」",
"365000632_6": "「できるッ! 全開バーニング中の\\n あたしの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>で――ッ!」",
"365000632_7": "「戻ったか」",
"365000632_8": "「サガさんッ!\\n ありがとうございましたッ」",
"365000632_9": "「いや、敵を退けることができたのは\\n おまえたち人の頑張りのおかげだ」",
"365000632_10": "「特に、土壇場で<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発させた2人のな」",
"365000632_11": "「それは、あんたらのことを見ていたからなんだけどな」",
"365000632_12": "「それより、休憩はもう十分だろう。\\n 瞬たちもじきに目を覚ますはずだ」",
"365000632_13": "「全ての元凶、邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主を探さねば」",
"365000632_14": "「いや、探す必要はない」",
"365000632_15": "「どういうことだ!?」",
"365000632_16": "「――いるのだろう、姿を見せろ!」",
"365000632_17": "「――!?\\n こいつが瞬たちを洗脳した<ruby=セイント>聖闘士</ruby>……」",
"365000632_18": "「黒い、影……ッ!\\n あれ でも――」",
"365000632_19": "「邪悪でバカデカい<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じる……。\\n だけど、この感じは――」",
"365000632_20": "「やはりそうだったか……」",
"365000632_21": "「邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主の正体は、\\n もう人のわたしだったのだ」",
"365000632_22": "「…………」",
"365000632_23": "「<size=40>もう1人の、サガさん……ッ!?</size>」"
}

@ -0,0 +1,65 @@
{
"365000711_0": "邪悪な小宇宙の主現るッ!",
"365000711_1": "「邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主の正体は、\\n もう人のわたしだったのだ」",
"365000711_2": "「もう1人のわたしだと?\\n クックク……」",
"365000711_3": "「オレたちは1つだったのだ。\\n 水臭いことを言ってくれるな……ククククク……」",
"365000711_4": "「……この地で目覚めてから、枷が外れたような\\n 穏やかさを感じていたが……」",
"365000711_5": "「ククク……言ってくれる。\\n オレからすれば、甘さが消えて清々しておるわッ」",
"365000711_6": "「サガさん、この人は……?」",
"365000711_7": "「……この者は、わたし自身……。\\n わたしの邪なる心なのだ」",
"365000711_8": "「ああッ!?\\n 分身でもしたってのかッ」",
"365000711_9": "「ククク……分身とは、実に的確な表現を持ち出したものだな」",
"365000711_10": "「元の世界でのわたしの心には、邪悪なるもう1人の人格が\\n 巣くっていたのだ」",
"365000711_11": "「時には主人格を支配されることもあったが……、\\n このように、対面することなどなかった」",
"365000711_12": "「あくまでも1つの身体に宿った、別の人格であったはずなのだ。\\n それが……なぜ」",
"365000711_13": "「それがこの世界の力だ!\\n 『黄金の枝』に導かれし、オレの望む世界のな」",
"365000711_14": "「『黄金の枝』に導かれた世界だとッ!?」",
"365000711_15": "「な、なぜおまえが『黄金の枝』を……!?」",
"365000711_16": "「探させていたであろう?\\n おまえの側近が嬉しそうに報告に来てくれたわ」",
"365000711_17": "「く、よもや主人格を乗っ取られている間に\\n 発見の報せが届いていたとは……」",
"365000711_18": "「アテナが感じた邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>とは……、\\n おまえのことだったのだな」",
"365000711_19": "「それで!? おまえは何を企んでいる!?\\n どうしてオレ達を襲ったんだ」",
"365000711_20": "「ククク……確かにこの世界はオレが望むものだった」",
"365000711_21": "「オレがオレ自身として、\\n 誰に咎められることなく存在できる世界」",
"365000711_22": "「しかし、所詮は仮初。\\n 時が来れば、この世界は音もなく崩れ去ってしまうのだ」",
"365000711_23": "「だから自暴自棄になったとでも言うのか!?」",
"365000711_24": "「自棄になる必要がどこにある?\\n この世界が崩れる前に、元の世界に戻ればよいだけだ」",
"365000711_25": "「オレの身体から、善人ぶった甘い人格を排除し\\n オレ人の人格を持ったサガとしてな」",
"365000711_26": "「おまえが<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>に帰るということは、邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を\\n <ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>に放つということと変わらん」",
"365000711_27": "「そんなことさせるか!」",
"365000711_28": "「……待ちたまえ」",
"365000711_29": "「これは、わたしの失策により招かれた事態。\\n ならば、自らの手によって始末をつけるべきだ」",
"365000711_30": "「――ほとばしれ! 我が<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ!」",
"365000711_31": "「なんだよ、このとんでもない<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>は……ッ!?」",
"365000711_32": "「さあ、決着をつけよう。\\n 今こそ<ruby=アテナ>女神</ruby>の<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>として、正義を尽くそう!」",
"365000711_33": "「クククッ……流石の<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>だが、ここが、\\n オレの望んだ世界だということを思い知るがいい」",
"365000711_34": "「空気が、震えてる……ッ!!」",
"365000711_35": "「明らかに、悪そうなサガの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の方が強大じゃねーかッ!!」",
"365000711_36": "「なんのために<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>のような虫ケラ共を\\n 洗脳までしたと思っているのだ」",
"365000711_37": "「おまえたちが<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を高め、戦えば戦うほど\\n この世界に、邪悪なる<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>は満ちるのだ!!」",
"365000711_38": "「もはや、1人の<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>程度\\n 雑兵と変わらぬわ」",
"365000711_39": "「く……ここまでの力を……!?\\n しかし、引く訳にはいかぬ」",
"365000711_40": "「悲しい程の貧弱さよ。\\n 早々に諦めて、その身体を明け渡すのだ」",
"365000711_41": "「ならば、これならどうだ!\\n ギャラクシアンエクスプロージョン」",
"365000711_42": "「――ギャラクシアンエクスプロージョン!」",
"365000711_43": "「ぐ……」",
"365000711_44": "「クックックック……、\\n そろそろ格の違いというものを思い知ったか」",
"365000711_45": "「安心して消滅するがよい。\\n その身体は、オレが十全に使い尽くしてやろう」",
"365000711_46": "「あたしたちがそんなことをッ!」",
"365000711_47": "「させると思ったかッ!!」",
"365000711_48": "「今のうちにサガさんをッ!!」",
"365000711_49": "「いや!\\n ここで逃がしてもらえるほど甘い相手じゃない」",
"365000711_50": "「おまえたちこそ逃げろ。\\n できればそこで倒れている人の<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>を頼む」",
"365000711_51": "「おまえたちヒヨコは、オレの話が理解できぬのか!?\\n この地で<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発すればするほど――」",
"365000711_52": "「邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が満ち、オレの力が増すと教えてやったと言うのに\\n やはり虫ケラは虫ケラ」",
"365000711_53": "「――滅びよ!\\n ギャラクシアン――」 ",
"365000711_54": "「ま、待て……。\\n わたしは……まだ朽ちては……おらぬ……」",
"365000711_55": "「流石はオレの身体と言う所か。\\n では、希望通り引導を渡してやろう」",
"365000711_56": "「星矢、一輝、皆を頼む!",
"365000711_57": " アナザーディメンション!!」",
"365000711_58": "「フッ……ウワーッハハハハ!」",
"365000711_59": "「まだ偽善を貫くか、まぁ良い! おまえの身体さえ残れば、\\n ヒヨコや虫ケラ共に用などないわ」",
"365000711_60": "「なんだよこれッ!」",
"365000711_61": "「オレたちを逃がすつもりなんだ!」",
"365000711_62": "「そんなのダメだよッ!\\n サガさ――ッ」"
}

@ -0,0 +1,25 @@
{
"365000721_0": "「サガさ――」",
"365000721_1": "「――ぶッ!」",
"365000721_2": "「ぶッ?」",
"365000721_3": "「――おいッ! 早くどけってのッ!\\n 重いんだよッ」",
"365000721_4": "「わッ! ごめん、クリスちゃんッ!」",
"365000721_5": "「ったく……どうなったんだ?\\n なんでこんな場所に……」",
"365000721_6": "「……サガの力だ。恐らくはな。\\n 全員を安全な場所まで飛ばしたんだろう」",
"365000721_7": "「く……うう……」",
"365000721_8": "「ごめん……にいさん。それにみんな。\\n 迷惑をかけてしまって……」",
"365000721_9": "「瞬、それを言うならオレだろう。\\n 最初に奴の手に落ちたのはオレだ……」",
"365000721_10": "「氷河だけではない。オレも同じことだ。\\n みんな、すまない……」",
"365000721_11": "「みんな、気が付いてよかった。\\n けど、今は謝りあってる場合じゃない」",
"365000721_12": "「でも……ぼくたちが<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発させればさせるほど\\n 敵に有利な状況を作ってしまうようじゃ……」",
"365000721_13": "「それどころじゃねーだろッ!\\n あの感じだと、あいつすぐ身体取られちまうぞッ」",
"365000721_14": "「そうなれば、<ruby=アテナ>女神</ruby>が予言したように\\n 他の世界にも災いをもたらすだろう」",
"365000721_15": "「そうだよッ!\\n みんなで力を合わせれば、きっとどうにかなるよッ」",
"365000721_16": "「フッ……そうだな。\\n おめおめ逃げるなど、<ruby=セイント>聖闘士</ruby>となった意味がない」",
"365000721_17": "「戻ろうッ!\\n サガさんを助けるためにッ」",
"365000721_18": "「おう――!!」",
"365000721_19": "「……すまない、その前に1つ聞かせてくれ」",
"365000721_20": "「どうしたんだ、氷河」",
"365000721_21": "「いや……その2人は誰なんだ?\\n 応援でやってきた<ruby=セイント>聖闘士</ruby>なのか……?」",
"365000721_22": "「おっと、\\n 自己紹介をする前にお客さんだッ」"
}

@ -0,0 +1,15 @@
{
"365000722_0": "「倒したはいいが、このままオレたちの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発させ続けると\\n 敵に利することになるのだろう」",
"365000722_1": "「アイツが言ってただけだろッ!?\\n そのまま信じていいのかよ」",
"365000722_2": "「しかしサガの邪な心が、強くなっていることは事実だ」",
"365000722_3": "「クリスちゃん、危ないッ!」",
"365000722_4": "「後ろだ!!」",
"365000722_5": "「なんだ!?」",
"365000722_6": "「えッ!\\n 今の感覚は」",
"365000722_7": "「すごい!\\n 攻撃力が瞬間的に高まった」",
"365000722_8": "「今、何が起こったんだッ!?\\n お前何やらかしたんだよッ」",
"365000722_9": "「わ、わかんないよッ!」",
"365000722_10": "「この音は!?\\n この先の宮殿から聞こえたぞ」",
"365000722_11": "「まさか、サガたちの戦いに決着が着いたのか!?」",
"365000722_12": "「みんな、急ごう!」"
}

@ -0,0 +1,25 @@
{
"365000731_0": "「………」",
"365000731_1": "「サガさんッ!\\n 無事だったんですね」",
"365000731_2": "「待て!\\n 不用意に近づくな」",
"365000731_3": "「お前、どっちなんだよッ!\\n 元のサガか それとも乗っ取られたのか」",
"365000731_4": "「クッ……クククククッ……」",
"365000731_5": "「遅かったか……!」",
"365000731_6": "「<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>の虫ケラ共か!\\n せっかく、あの偽善者が逃したのに戻ってきたのか」",
"365000731_7": "「あの甘さが無駄でしかないということを\\n おまえたちは身を持って証明してしまったのだな」",
"365000731_8": "「しかし、ようやく手に入れた肉体だ。\\n 存分に力を見せてやろうではないか」",
"365000731_9": "「――!?」",
"365000731_10": "「瞬!\\n グッ………」",
"365000731_11": "「くらえ! ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>!!」",
"365000731_12": "「<ruby=ろざんしょうりゅうは>廬山昇龍覇</ruby>!」",
"365000731_13": "「ダイヤモンドダスト!」",
"365000731_14": "「甘い!」",
"365000731_15": "「ぐう……!」",
"365000731_16": "「前より強くなってんじゃねーかッ!\\n いったい、どうすりゃ……」",
"365000731_17": "「このギアならッ!\\n 燃えあがれッ わたしの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>ぉおおッ!!」",
"365000731_18": "「まだ理解できぬのか?」",
"365000731_19": "「おまえたちが、この地で<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発させるほど\\n オレが強くなるという事実に」",
"365000731_20": "「知るものか!\\n 燃えあがれ オレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ!」",
"365000731_21": "「オレたちはオレたちが信じる道を行く!!\\n おまえを上回るほどの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を瞬間的に爆発させれば――!」",
"365000731_22": "「そうだッ!!\\n 最速でッ 最短でッ まっすぐにッ 一直線にッ」"
}

@ -0,0 +1,27 @@
{
"365000732_0": "「……効かぬと言っているのだ!」",
"365000732_1": "「つまらん。もういい加減に飽きてきたわ!\\n 全員そろって、消え去れ」",
"365000732_2": "「ギャラクティック――、",
"365000732_3": " がぁぁぁぁぁぁ!! き、貴様!!」",
"365000732_4": "「<ruby=アテナ>女神</ruby>……正義を……」",
"365000732_5": "「あれは、元のサガさんッ!?」",
"365000732_6": "「サガ!\\n まだ心の全てを奪われてはいないんだな」",
"365000732_7": "「わたし……は……」",
"365000732_8": "「あいつも、戦ってる……」",
"365000732_9": "「コス……モ……<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>……を……燃やす……の」",
"365000732_10": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やせ!?」",
"365000732_11": "「今より、さらにということか!?」",
"365000732_12": "「う……」",
"365000732_13": "「はあ……はあ……。小癪な。\\n 無駄なあがきをしてくれる……」",
"365000732_14": "「サガさんを信じようッ!\\n <ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やして、あいつにぶつけるんだッ!」",
"365000732_15": "「ああッ!\\n 装者と、<ruby=セイント>聖闘士</ruby>、全員の力を合わせればッ!」",
"365000732_16": "「よぉしッ! わたしたちの燃やせる最大の<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を\\n 見せてやろうよッ」",
"365000732_17": "「オレを弄んでくれた礼をさせてもらうぞ!」",
"365000732_18": "「同意見だ。ドラゴン最大の拳をもって……!」",
"365000732_19": "「助けられたこの命を、今度は助けるために!」",
"365000732_20": "「フェニックスは何度でも蘇る。\\n 先程のダメージなどなんのハンデにもならんわ」",
"365000732_21": "「おう! 全員で最大の同時攻撃を!!!\\n 燃えろオレたちの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>ーーー!!!」",
"365000732_22": "「<size=40>うぉぉぉおおおおおッ!!!</size>」",
"365000732_23": "「この力は!?",
"365000732_24": " ぐ、ぐあああああああ!?」"
}

@ -0,0 +1,21 @@
{
"365000811_0": "激突ッ!正義と悪の戦士たち",
"365000811_1": "「ああ!\\n また……邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が広がっていく……」",
"365000811_2": "「星矢、紫龍、氷河、瞬、一輝……。\\n どうか……無事で……」",
"365000811_3": "「あなたは……!」",
"365000811_4": "「そうですね……彼らの力になってあげてください」",
"365000811_5": "「やったか!?」",
"365000811_6": "「…………」",
"365000811_7": "「おい……元に戻ったんだよな?」",
"365000811_8": "「油断するな……」",
"365000811_9": "「サガさん……」",
"365000811_10": "「……クックック、ハァーッハッハッハ!\\n 残念だったな、虫ケラ共」",
"365000811_11": "「なに!?」",
"365000811_12": "「いくら数に頼ろうと、所詮は虫ケラ。\\n その甲斐甲斐しくも、弱々しい力などオレの肌にさえ届かぬ」",
"365000811_13": "「そん、な……」",
"365000811_14": "「もう完全に、悪の心に呑まれちまったのかよッ!?」",
"365000811_15": "「奴は消え去った。長年オレの邪魔ばかりしていた、\\n 弱く、甘い心は消えたのだ」",
"365000811_16": "「そして、オレの性質を知る者はおまえたち以外におらん。\\n この姿、そしてこの肉体を見た者は、世界から葬り去る」",
"365000811_17": "「<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>も、世界も……全てオレの意のままだ!!」",
"365000811_18": "「――くるぞ!」"
}

@ -0,0 +1,33 @@
{
"365000812_0": "「さあ、新たな世界の礎としてくれるわ!\\n 旧き世界と共に消え去るがいい」",
"365000812_1": "「――ギャラクシアンエクスプロージョン!」",
"365000812_2": "「うわああああ――!」",
"365000812_3": "「……フッ、余興としては中々に楽しめたぞ」",
"365000812_4": "「――だったら、ここからが\\n メインステージってことだよねッ」",
"365000812_5": "「沙織さんとの……<ruby=アテナ>女神</ruby>との約束を、\\n まだ果たしちゃいない」",
"365000812_6": "「……立ち上がるだと?\\n このわたしの拳を受けて……」",
"365000812_7": "「死線など、何度となく超えてきた!!」",
"365000812_8": "「死はもとより覚悟の上!」",
"365000812_9": "「強くて挫けない心があれば……、\\n ぼくらは肉体の限界を超えられる」",
"365000812_10": "「そうだよ……。\\n わたしたちは、まだ立ち上がれる、頑張れるッ」",
"365000812_11": "「この場で息絶えるのは、\\n <ruby=セイント>聖闘士</ruby>の道を踏み外したおまえの方だ!」",
"365000812_12": "「……あいにく、このくらいで諦めるようなやつは、\\n ――いないんだよッ」",
"365000812_13": "「……能書きは聞き飽きたわ」",
"365000812_14": "「ならば、確実にトドメを刺してやろう。\\n もう一度、この<ruby=ジェミニ>双子座</ruby>のサガの最大の拳でな!」",
"365000812_15": "「――ギャラクシアンエクスプロージョン!」",
"365000812_16": "「このわたしの拳を2度も受けて死ねるのだ。\\n あの世で自慢するがいい……」",
"365000812_17": "「……やっぱり、違う」",
"365000812_18": "「何……、まだ、立ち上がれるというのか?」",
"365000812_19": "「ああ!\\n 全然違うな」",
"365000812_20": "「サガさんのこの技は、もっともっとすごかったッ!\\n 強くて、綺麗で……お前の技とは違うッ」",
"365000812_21": "「――なんだと、貴様!」",
"365000812_22": "「元のサガさんの拳だったら、多分もう立ててない……。\\n だから、きっとまだサガさんだって負けてないッ」",
"365000812_23": "「おまえの邪な拳が――、\\n 本物の<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>の正義の拳に勝てるわけがない!!」",
"365000812_24": "「黙れ! わたしこそが唯一のサガなのだ!\\n 絶対の力を持つ<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>だ!」",
"365000812_25": "「力の差は歴然。それほど望むならば特別に味わわせてやろう。\\n 我が力を何度でもな――」",
"365000812_26": "「ぐ……ッ!?\\n さらに邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が高まって――ッ!?」",
"365000812_27": "「なんてやつ……まだ上があるのかよッ!?」",
"365000812_28": "「――待て!\\n 空から何かが――あれは」",
"365000812_29": "「あの黄金の輝きは、まさか――!?」",
"365000812_30": "「<ruby=サジタリアス>射手座</ruby>の<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>だと!?」"
}

@ -0,0 +1,17 @@
{
"365000821_0": "「<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>が、オレたちのところに……」",
"365000821_1": "「アイオロス……貴様か!\\n 虫ケラ共に力を貸そうとでもいうのか」",
"365000821_2": "「だけど、<ruby=クロス>聖衣</ruby>だけでどうしたらいいんだよッ!?」",
"365000821_3": "「オレなら、纏うことができるかもしれない……」",
"365000821_4": "「星矢は以前に、\\n 纏ったことがあったのだったな」",
"365000821_5": "「じゃあ、もう一度\\n あの<ruby=クロス>聖衣</ruby>を纏うことができるなら……ッ!」",
"365000821_6": "「――ああ!\\n みんな、オレを<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>のところへ導いてくれ!」",
"365000821_7": "「うんッ!」",
"365000821_8": "「わかったッ!」",
"365000821_9": "「虫ケラに<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>など、纏わせてたまるか!\\n 貴様らなど――」",
"365000821_10": "「くッ……この凍気は――!?」",
"365000821_11": "「……オレたちのことを、忘れてもらっては困るな」",
"365000821_12": "「ここがこの戦いの分水嶺……。\\n ――命尽きるまで、拳を繰り出そう」",
"365000821_13": "「ぼくたちだって、まだ戦えるから……!」",
"365000821_14": "「次から次へと……死にぞこない共が!\\n ――五体をバラバラに引き裂いてくれる」"
}

@ -0,0 +1,37 @@
{
"365000822_0": "「今だ! 行け、星矢!\\n ――<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>のもとへ!」",
"365000822_1": "「――ああ、行ってくる!」",
"365000822_2": "「させぬと言っておるのだ!」",
"365000822_3": "「おおおおおお――ッ!」",
"365000822_4": "「まだこんな力が!?\\n ええい、邪魔をするな」",
"365000822_5": "「ぐうううう――ッ!?」",
"365000822_6": "「――落ちろ、ペガサス!」",
"365000822_7": "「させん!\\n ――<ruby=ほうよくてんしょう>鳳翼天翔</ruby>!」",
"365000822_8": "「――鬱陶しい!」",
"365000822_9": "「く――!?」",
"365000822_10": "「貴様らの希望など、この手で砕いて――!?」",
"365000822_11": "「そいつはあたしが許さねえッ!」",
"365000822_12": "「こんなもので――オレを止められるものか!」",
"365000822_13": "「うぐッ!? く……ッ!」",
"365000822_14": "「ペガサスは、既に<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>の傍まで――。\\n ならば」",
"365000822_15": "「たどり着く前に消し炭にしてくれる!",
"365000822_16": " ギャラクシアンエクスプロージョン!!」",
"365000822_17": "「先ほどまでよりもさらに大きく……なんて威力だ!\\n だが――」",
"365000822_18": "「星矢まで届かせはしない!」",
"365000822_19": "「うん!\\n ぼくたちが、盾になってでも……」",
"365000822_20": "「ぐうあああああ――!?」",
"365000822_21": "「そんな……!」",
"365000822_22": "「オレたち3人でも、止め切れないというのか……!?」",
"365000822_23": "「ウワハハハ!\\n まだまだだ そのままペガサスまで呑み込んでくれる」",
"365000822_24": "「うわああああ――!!」",
"365000822_25": "「惜しかったな……。\\n しかし、そのダメージでは、もはや<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>は纏えまい」",
"365000822_26": "「く……力が……入らない……!」",
"365000822_27": "「ペガサスは墜ちた。\\n 残りの<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>や装者とやらも半死半生……」",
"365000822_28": "「<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>も、纏う者がいなければただの飾りにすぎん。\\n ククク……残念だったな、アイオロス」",
"365000822_29": "「――ん?」",
"365000822_30": "「まだだ……まだ、\\n わたしは立ち上がれる……ッ」",
"365000822_31": "「当たり所が良かったか?\\n 虫ケラの割にはよく足掻くな」",
"365000822_32": "「だが、己の<ruby=クロス>聖衣</ruby>も持たないまがい物の<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>では、\\n 何も――」",
"365000822_33": "「わたしは、みんなを護る……。\\n この胸に胸の歌が……そして<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>がある限りッ!」",
"365000822_34": "「な!? この<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>は!?\\n なぜ、<ruby=セイント>聖闘士</ruby>でもないこんな小娘から……」"
}

@ -0,0 +1,19 @@
{
"365000911_0": "小宇宙絶唱ッ!聖衣×ギアッ!",
"365000911_1": "「そうだ……あたしたちには歌がある……。\\n 歌さえあれば、立ち上がれるんだッ」",
"365000911_2": "「もう1人の<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>もどきまで立ち上がるだと……?\\n こいつらの力はいったい……」",
"365000911_3": "「<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>だ!\\n 奴に勝つには<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>を纏うしかない!」",
"365000911_4": "「<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>を?\\n でも、わたしは<ruby=セイント>聖闘士</ruby>じゃ――」",
"365000911_5": "「確かにキミは<ruby=アテナ>女神</ruby>に選ばれた<ruby=セイント>聖闘士</ruby>じゃない!\\n だけど、キミの心には正義の<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が燃えたぎっている!」",
"365000911_6": "「オレたちの、正義の<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>に反応して――、\\n サジタリアスは力を貸してくれるはずだ」",
"365000911_7": "「……わかった、やってみるよッ!」",
"365000911_8": "「ククク……<ruby=セイント>聖闘士</ruby>でない者が<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>を纏うだと?\\n バカなことを……」",
"365000911_9": "「そんなことができるわけがない。<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>は<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の極致を\\n 体現した者だけが纏うことができるのだから」",
"365000911_10": "「例えアイオロスの意思が宿っていたとしても、\\n <ruby=セイント>聖闘士</ruby>でもない小娘の<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>では<ruby=クロス>聖衣</ruby>が応えるはずもない」",
"365000911_11": "「もう十分だ!\\n 死ね――<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>もどきよ!」",
"365000911_12": "「――もどきなんかじゃねーッ!\\n はあッ、はあッ……あたしたちは、シンフォギア装者だッ」",
"365000911_13": "「……わたしの拳を防ぎきるとは、少し驚いたぞ。\\n だが、なぜそうまでして戦おうとする」",
"365000911_14": "「お前こそ、ずいぶん必死だな。\\n まるであいつが<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>を纏うのが怖いみたいだぞ」",
"365000911_15": "「――!」",
"365000911_16": "「妄言甚だしいが、それがわたしの耳に触れるのは不愉快だぞ。\\n 二度と口がきけないようにしてやるから覚悟しろ」"
}

@ -0,0 +1,18 @@
{
"365000912_0": "「はあ……はあ……ッ!\\n おい、あたしが抑えてるうちにッ」",
"365000912_1": "「うんッ! だけど、どんなに<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を高めても、\\n <ruby=クロス>聖衣</ruby>が応えてくれなくて……」",
"365000912_2": "(あきらめるな……!)",
"365000912_3": "「この声は……ッ!?」",
"365000912_4": "(身体はもう動かなくても、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>はまだ燃えている!\\n この<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>をキミに託す! だから――)",
"365000912_5": "(オレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>も受け取ってくれ。\\n 世界の平和を護るために……",
"365000912_6": "(ああ、わずかに残ったオレたちの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を……!)",
"365000912_7": "(ぼくたちの命がたとえ尽きたとしても、\\n 希望の光を消させたりしない",
"365000912_8": "(受け取るがいい、このオレの、\\n 不死鳥の魂を――",
"365000912_9": "「感じる……この胸に、\\n みんなの<ruby=おもい>小宇宙</ruby>を……ッ!」",
"365000912_10": "「クソ……ここまでか……」",
"365000912_11": "「ふん、無駄なあがきを」",
"365000912_12": "「無駄だと思うか?\\n あたしはな、お膳立てがうまいんだ」",
"365000912_13": "「なに……!?」",
"365000912_14": "「うぅうおおおおおおおッ!」",
"365000912_15": "「小娘の<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が、\\n さらに高まっていくだと――」"
}

@ -0,0 +1,26 @@
{
"365000921_0": "「…………」",
"365000921_1": "(みんなの<ruby=おもい>小宇宙</ruby>は、確かに受け取ったよ)",
"365000921_2": "「<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>よ、お願い。わたしに力を貸して――」",
"365000921_3": "(キミならできる。\\n 正義の<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やすんだ!)",
"365000921_4": "(そうすれば、<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>は応えてくれるはずだ……!)",
"365000921_5": "「うんッ!」",
"365000921_6": "「わたしは護りたいッ! みんなを、クリスちゃんをッ!\\n そして、サガさんを……ッ」",
"365000921_7": "「そのためにわたしは歌を唄い、\\n <ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やすんだ――ッ!!」",
"365000921_8": "「なんだ……歌……?\\n それに、この<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の高まりは!?」",
"365000921_9": "「<ruby=サジタリアス>射手座</ruby>の<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>が反応しただと!?\\n ふざけるな <ruby=セイント>聖闘士</ruby>でもない者の<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>に――!」",
"365000921_10": "「――行け、響!」",
"365000921_11": "「――見せてやれッ!\\n あたしたちの力をッ」",
"365000921_12": "「はああああああ――ッ!!」",
"365000921_13": "「バカな……そんなことが……」",
"365000921_14": "「サガ、おまえには分からない! もう1人の自分を弱さと\\n 切り捨て、人で戦おうとしたおまえには……」",
"365000921_15": "「これが、みんなの想いを束ねて纏う\\n 本物の闘士の姿だ……」",
"365000921_16": "「ありがとう、みんなッ!\\n ありがとう……サジタリアスッ」",
"365000921_17": "「少しだけわたしに力を貸してッ!\\n きっと勝ってみせるからッ」",
"365000921_18": "「いきがるなよ!?\\n たとえ貴様が<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>を纏い、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を高めたところで――」",
"365000921_19": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>だけじゃないッ!\\n わたしには、この胸の歌だってあるんだッ」",
"365000921_20": "「歌、だと――!?」",
"365000921_21": "「<ruby=クロス>聖衣</ruby>とギアが融合したように、\\n <ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やし、胸の歌を響かせればッ!」",
"365000921_22": "「燃えろッ! 響けッ!",
"365000921_23": " わたしの全部よッ! おぉおおおおおおッ!」"
}

@ -0,0 +1,23 @@
{
"365000922_0": "「ギャラクシアンエクスプロージョン!」",
"365000922_1": "「だとしてもッ!」",
"365000922_2": "「なにい!?」",
"365000922_3": "「知らん……わたしは知らんぞ!\\n なんなのだその力は……」",
"365000922_4": "「わたしにだって、わからないッ!!」",
"365000922_5": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>とフォニックゲインが混ざりあって生まれた何か――」",
"365000922_6": "「だけど確かに、みんなから受け取ったものだッ!",
"365000922_7": " 繋いだ想いが紡ぐ力を――受けてみろおぉおおおッ!!」",
"365000922_8": "「ぐわあああああああ――!?」",
"365000922_9": "「まさか、わたしが――」",
"365000922_10": "「終わったのか……?\\n 全く、ギリギリが大好きだな、お前は……」",
"365000922_11": "「みんなの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>があったからだよ。\\n クリスちゃんのも、ちゃんと届いてたよ」",
"365000922_12": "「――そういうことは、わざわざ言わなくていいんだよッ!」",
"365000922_13": "「ありがとう。\\n キミのおかげだ……」",
"365000922_14": "「わたしのほうこそ――",
"365000922_15": " あれッ!?」",
"365000922_16": "「どこかへ行っちゃった……」",
"365000922_17": "「役目は終わった、ということだろう」",
"365000922_18": "「……く……」",
"365000922_19": "「おいッ! アイツが目を覚まして――ッ!」",
"365000922_20": "「ううん、もう大丈夫だよ」"
}

@ -0,0 +1,32 @@
{
"365000931_0": "「……すまかったな。おまえたち。\\n すべてはこのわたしの責任だ……」",
"365000931_1": "「サガ……もう1人のおまえはどうなったんだ」",
"365000931_2": "「わからない……。\\n 消え去ったか、わたしの奥深くに再び身を潜めたか」",
"365000931_3": "「しかし、当分表に出ようなどとは思わないだろう。\\n <ruby=セイント>聖闘士</ruby>たちの、あれほどの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を目の当たりにしてはな」",
"365000931_4": "「心から、賞賛と感謝を送らせてほしい。\\n ありがとう、<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>たち、そして装者たちよ」",
"365000931_5": "「この地震は……」",
"365000931_6": "「この世界は、悪なるわたしの必要とする世界を、\\n 黄金の枝が作り出したものなのだ」",
"365000931_7": "「悪なるわたしが消えた今、\\n この世界も消え去る運命ということだ」",
"365000931_8": "「でも、どうやって帰れば……?」",
"365000931_9": "「これが、悪なるわたしが隠し持っていた『黄金の枝』だ」",
"365000931_10": "「これがわたしたちを、元の世界へと導いてくれる」",
"365000931_11": "「帰るべき場所を持つおまえたちならば、迷うことは無いだろう」",
"365000931_12": "「……じゃあな」",
"365000931_13": "「お、おい一輝!\\n 他に何か言葉はないのかよ」",
"365000931_14": "「これが今生の別れになるとは限るまい。\\n 共に戦い、共に勝利した。それだけで十分だろう」",
"365000931_15": "「ありがとな、フェニックスッ!」",
"365000931_16": "「ふっ……」",
"365000931_17": "「別れの言葉も無しかよ……」",
"365000931_18": "「まあいいか。\\n また会うことがあったら、共に戦おう」",
"365000931_19": "「うん、きっとッ!」",
"365000931_20": "「ああ、待ってるからな!」",
"365000931_21": "「ぼくも、一緒に戦ったこと忘れないよ」",
"365000931_22": "「時間があったらシンフォギア装者と\\n 手合わせをしてみたかったが、そんな暇はないらしいな」",
"365000931_23": "「ああ、次の機会に持ち越しだな」",
"365000931_24": "「キミたちに会えてよかった。<ruby=セイント>聖闘士</ruby>以外にも\\n 正義の戦士がいると、知ることができたのだから」",
"365000931_25": "「それじゃあ、そろそろ本当に、\\n 行かなくちゃいけないみたいだ」",
"365000931_26": "「うん……」",
"365000931_27": "「みんなのこと、忘れないからッ!\\n 想いはわたしの胸に、刻まれてるからッ」",
"365000931_28": "「それじゃあ、またね……ッ!!」",
"365000931_29": "歌MAKE-UP\\n作詞竜真知子\\n作曲松澤浩明、山田信夫\\n編曲MAKE-UP"
}

@ -0,0 +1,52 @@
{
"365001011_0": "戦いの終結、そして別れ",
"365001011_1": "「あれ……。\\n ここはどこ」",
"365001011_2": "「おい、どうなってるんだよ……?\\n なんか変な感じだけど……」",
"365001011_3": "「わたしたち、元の世界に帰れてないよね?」",
"365001011_4": "「心配はいりません」",
"365001011_5": "「あなたは――?」",
"365001011_6": "「初めまして」",
"365001011_7": "「あ、こちらこそ初めまして」",
"365001011_8": "「いや、あんた誰なんだよ」",
"365001011_9": "「わたしはアテナ。わたしの力で、\\n 世界の狭間での束の間の出会いを果たしているのです」",
"365001011_10": "「アテナって……、\\n <ruby=セイント>聖闘士</ruby>たちが仕えてるって話してた、あの――ッ!?」",
"365001011_11": "「……おい、それじゃあんたが<ruby=アテナ>女神</ruby>さまかよッ!?」",
"365001011_12": "「直接、お礼を申し上げたくて……」",
"365001011_13": "「<ruby=セイント>聖闘士</ruby>たちと共に戦ってくれたこと、感謝します」",
"365001011_14": "「それなら、わたしもありがとうございましたッ!」",
"365001011_15": "「ああ、あいつらがいてくれたおかげで、\\n こうして帰ることができる。……帰れるんだよな」",
"365001011_16": "「はい。\\n すぐに元の世界へと送りましょう」",
"365001011_17": "「よかったー。\\n <ruby=アテナ>女神</ruby>さまのお墨付きなら安心だよねッ!」",
"365001011_18": "「そうだな。あ、でも戻ったら黄金の枝ってどうなるんだ……?\\n また飛ばされたりしないだろうな」",
"365001011_19": "「黄金の枝については、わたしが封印します。\\n あれは人の世にあってはならないもの……」",
"365001011_20": "「冥界の者すら、現世に導いてしまう力を持つ道具ですから」",
"365001011_21": "「そんなものだったんだ……」",
"365001011_22": "「名残惜しいですが、そろそろ時間ですね。\\n それでは、おふたりともお元気で」",
"365001011_23": "「うーん……はッ!?\\n あれ ここは……」",
"365001011_24": "「た、立花ッ!? 大丈夫なのかッ!?」",
"365001011_25": "「なんか、床が硬いな……って、ここは元の場所かよッ!」",
"365001011_26": "「あなたまでッ!? 今どこから現れたのよッ!?」",
"365001011_27": "「不思議……」",
"365001011_28": "「まさかテレポートしたデスッ!?\\n どんな感じだったデスッ」",
"365001011_29": "「あー、なんかこの感じ、久しぶりだねー」",
"365001011_30": "「そうだな」",
"365001011_31": "「久しぶりって、何を言ってるのよ?」",
"365001011_32": "「どういうことだ?」",
"365001011_33": "「立花と雪音が黄金の枝と一緒に消えてから、\\n ほんの数分しか経ってないのだが……」",
"365001011_34": "「は? 数分……? ええ――ッ!!」",
"365001011_35": "「なんだったんだろうね、あれって……。\\n クリスちゃんも覚えてるよね」",
"365001011_36": "「まあな。向こうに行って、<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>たちと会って、\\n あいつと戦って……」",
"365001011_37": "「全部、夢だったとかじゃないよね?」",
"365001011_38": "「夢にしちゃハードすぎるし、なんで2人共知らない奴が\\n 夢に出てくるんだよ」",
"365001011_39": "「そうだね……やっぱり夢じゃないよね」",
"365001011_40": "(自分の中にある宇宙、それが<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>か……)",
"365001011_41": "「大変だったけど、楽しかったよね?」",
"365001011_42": "「そうだな。すごいやつらとも知り合えたしな」",
"365001011_43": "「うん、それに――」",
"365001011_44": "「…………」",
"365001011_45": "「あれ? 今――」",
"365001011_46": "(ありがとうって、聞こえたような――)",
"365001011_47": "「どうかしたか?」",
"365001011_48": "「ううん、なんでもない――なんてことないよ」",
"365001011_49": "(そう、なんてことないよ。\\n わたしの趣味は、人助けなんだから"
}

@ -0,0 +1,26 @@
{
"365001111_0": "小宇宙よその胸にッ!",
"365001111_1": "「……何をやっているんだ、立花たちは」",
"365001111_2": "「……フォニックゲインとは違う、\\n 別の力を引き出してるんですって」",
"365001111_3": "「この間、遺跡で消えた時に、身に付けたらしいデスよ」",
"365001111_4": "「3分間くらいだったよね……」",
"365001111_5": "「3分で身に付けた力だなんて、\\n カップラーメンもビックリデス」",
"365001111_6": "「……まあ、聞かせてもらった話も\\n だいぶ荒唐無稽なものだったしな」",
"365001111_7": "「2人には悪いけど、ちょっと信じられないわよね。\\n 女神さまにお礼を言われたとか……」",
"365001111_8": "「でも、向こうでの戦いの話は\\n 手に汗握るものだったデスよッ」",
"365001111_9": "「うん、とても作り話とは思えない」",
"365001111_10": "「まあ、2人して嘘をつく意味もないだろうけど、\\n あの様子だもんね……」",
"365001111_11": "「燃え上がれッ! わたしの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>――ッ!!\\n ……どう、クリスちゃん」",
"365001111_12": "「いや、全く全然、完っ璧に、何も感じねー……。\\n なんだったんだろうな、あれは……」",
"365001111_13": "「それなら<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>ギアを――むむむッ!」",
"365001111_14": "「いや、それも試したけど無理だったろ」",
"365001111_15": "「とほほ……。<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>も全然だし、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>も感じないし、\\n 本当、どうしちゃったんだろう……」",
"365001111_16": "「<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>ギアの時は、それこそ音速とかで動けてたんだよな。\\n あたしたちも」",
"365001111_17": "「<ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>の時なんて、光速だよ?」",
"365001111_18": "「……やっぱり夢だったのかもな。\\n たまたま同じ夢を見てたとか」",
"365001111_19": "「でも……<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>はあるよッ!\\n いまは使えないとしてもッ」",
"365001111_20": "「何を根拠に……」",
"365001111_21": "「根拠は無くても、感じるんだ。\\n わたしの中には、宇宙が広がってるってッ」",
"365001111_22": "「……。\\n ま、そうだな」",
"365001111_23": "「うんッ! それが必要になったその時、\\n きっとまた熱く燃え上がる。わたしはそう信じてるッ」"
}

@ -0,0 +1,36 @@
{
"366000111_0": "未知の世界へッ!",
"366000111_1": "「ここは……どこ……?」",
"366000111_2": "「ねえ、クリスちゃん――」",
"366000111_3": "「――って、いないッ!?」",
"366000111_4": "「クリスちゃーーーんッ!!\\n どこなのーーーッ」",
"366000111_5": "「…………」",
"366000111_6": "(わたし1人、だけなんだ……)",
"366000111_7": "「……いやッ! まだそうと決まったわけじゃない。\\n 案外近くにいるかもしれないし、探しに――」",
"366000111_8": "「…………」",
"366000111_9": "「――ッ!?」",
"366000111_10": "「――!!」",
"366000111_11": "「うわッ!?」",
"366000111_12": "「この威力……この気配……、\\n 明らかに人間じゃないッ」",
"366000111_13": "「しかも――」",
"366000111_14": "「囲まれちゃったッ!?」",
"366000111_15": "「ええっと……。わたし、友達を探していまして、\\n 決して怪しいものではないのですが……」",
"366000111_16": "「…………」",
"366000111_17": "「なんとなくそんな気がしてたけど、やっぱり話が通じないッ!\\n それにこの殺気……ッ」",
"366000111_18": "「だったら――。\\n 抵抗させてもらいますッ」",
"366000111_19": "「クリスちゃんに会う前に、\\n 倒れるわけにはいかないのでえええッ」",
"366000111_20": "「なんとか切り抜けたけど、\\n 何だったんだろう、あの人たち……」",
"366000111_21": "「それに、ここはいったいどこなんだろう?」",
"366000111_22": "「よく見るとあの神殿、世界史の教科書で前に見たような……。\\n 確か、ヨーロッパの神殿があんな感じだったような」",
"366000111_23": "「未来と『行きたいねー』なんて話してたけど、\\n こんな形で来るなんて想定外だよう……」",
"366000111_24": "「……通信機も繋がらないし、\\n 並行世界だよね、きっと……」",
"366000111_25": "「――ん?」",
"366000111_26": "「…………」",
"366000111_27": "「色のある人……ッ! よかったッ!\\n あの――」",
"366000111_28": "「見つけたぞ!」",
"366000111_29": "「え――?」",
"366000111_30": "「いくぞ! ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>――!!」",
"366000111_31": "「うわあああああ――ッ!?」",
"366000111_32": "「おまえが邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主だな!\\n もう逃がさないぞ」",
"366000111_33": "「コ……、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>……?」"
}

@ -0,0 +1,30 @@
{
"366000121_0": "数時間前――",
"366000121_1": "「こちらC班、立花響と雪音クリスッ!\\n 目標ポイントに到着しましたッ」",
"366000121_2": "「今のところ、周囲に敵影は見えないな」",
"366000121_3": "「A班、B班もポイントに到着したようだ。\\n このまま作戦行動を開始してくれ」",
"366000121_4": "「了解ですッ!」",
"366000121_5": "「ところで、今回の件について、\\n ざっくりとしか経緯を聞いてないんだが……」",
"366000121_6": "「すまない、そうだったな。\\n 本格的に作戦が始まる前に改めて詳細を説明しておこう」",
"366000121_7": "「この国の古代遺跡にて、\\n 聖遺物らしきものが発見されたのが事の発端となった」",
"366000121_8": "「聖遺物、らしきもの……」",
"366000121_9": "「遺跡の壁画に残されていた記録から、\\n その聖遺物は現在『黄金の枝』と仮称されています」",
"366000121_10": "「記録の内容から、神話の時代に登場する\\n アイテムと同一のものではないかと考えられているんです」",
"366000121_11": "「それは、アイネイアスが冥界へと赴く際、\\n 同行するシビュレが持っていくよう予言したもの……」",
"366000121_12": "「持ち主を異世界へ導くと同時に、\\n 帰り道を指し示すものであったとも言われています」",
"366000121_13": "「ふうん……。そのなんとかっていう聖遺物が、\\n またぞろ暴走でもしでかしたのか」",
"366000121_14": "「そういうわけではないのだが……。\\n 見つかった場所が内戦中の小国でな……」",
"366000121_15": "「今も、政府軍と反政府軍が激しく争っている。\\n そんな争いの真っただ中の遺跡から、偶然発見されたんだ」",
"366000121_16": "「それじゃ、もしかして取り合いに……?」",
"366000121_17": "「それがどんな力を持ってるかわからないが、聖遺物には\\n 戦況を一気にひっくり返せちまうようなものもあるからな……」",
"366000121_18": "「そういうことだ」",
"366000121_19": "「特に、壁画の内容から『理想の世界へ行く力』が\\n あるのではないかと、反政府軍が過剰に反応しているらしい」",
"366000121_20": "「反政府軍はもう、その聖遺物を\\n 手に入れてるかもしれないのか」",
"366000121_21": "「わからない。だが、反政府軍はすでに\\n 遺跡内に展開しているらしい。十分に注意してくれ」",
"366000121_22": "「了解ですッ!\\n それでは目標地点まで、最速で、最短で、まっすぐに――」",
"366000121_23": "「いや、こっちから行くまでもなく、お出迎えみたいだぞ」",
"366000121_24": "「アルカ・ノイズッ!?」",
"366000121_25": "「こんなもんまで用意してるのか――」",
"366000121_26": "「目標は遺跡の中だ。\\n さっさと倒していくぞ。一直線にな」",
"366000121_27": "「そ、それ、わたしのセリフだよ……ッ!?」"
}

@ -0,0 +1,36 @@
{
"366000122_0": "「こちらA班。本部、聞こえますか?」",
"366000122_1": "「ああ、聞こえている。\\n 反政府軍の状況はどうだ」",
"366000122_2": "「予想通りね。\\n アルカ・イズの使用を確認したわ」",
"366000122_3": "「事前の情報通り、\\n 反政府軍は本格的に錬金術師と組んでいると思われます」",
"366000122_4": "「やはりか……。\\n ますます、聖遺物を奪わせるわけにはいかないな」",
"366000122_5": "「ええ。引き続き遺跡周辺の\\n アルカ・イズを掃討しつつ、遺跡内部を目指すわ」",
"366000122_6": "「切ちゃん、一気に行くよッ!」",
"366000122_7": "「合点承知デースッ!」",
"366000122_8": "「なッ!?\\n アルカ・イズがあっさりと……ッ」",
"366000122_9": "「だ、ダメだッ! 敵うわけないッ!\\n 逃げろ――ッ」",
"366000122_10": "「こちらB班。\\n 敵拠点、制圧しました」",
"366000122_11": "「残った兵士たちは逃げて行ったデスよ」",
"366000122_12": "「調ちゃん、切歌ちゃん、お疲れ様」",
"366000122_13": "「よし、これで敵の援軍は当分防げるだろう」",
"366000122_14": "「よかったデスッ!\\n それではアタシたちも遺跡の方に――」",
"366000122_15": "「待ちやがれ――ッ! お前たちのような小娘に\\n やられたとあっては、兵士の名折れッ」",
"366000122_16": "「これならどうだッ!\\n もしもの時のためのとっておきだッ」",
"366000122_17": "「前言撤回……」",
"366000122_18": "「まだ、制圧できていなかったみたいです……」",
"366000122_19": "「――そうか。\\n もうひと踏ん張り頼めるか」",
"366000122_20": "「もちろんデスッ!\\n サクッと倒して、遺跡に急ぐデスよッ」",
"366000122_21": "「うん、そうだね。\\n わたしと切ちゃんの力、見せてやろうッ」",
"366000122_22": "「ここが、古代遺跡……。\\n 思ってたより入り組んでるね」",
"366000122_23": "「しかも、かなり脆そうだ。政府軍と反政府軍の\\n 衝突のせいであちこち崩れてるみたいだな」",
"366000122_24": "「おかげで地図も全然役に立たないし……」",
"366000122_25": "「クリスちゃん、アルカ・ノイズが出てきても、\\n いつもみたいにミサイルを撃ったらダメだよ」",
"366000122_26": "「いつもみたいにって……、\\n 語弊があるだろその言い方はッ」",
"366000122_27": "「それより、時にあたしのミサイル以上にミサイルらしい\\n お前こそ気を付けろよな」",
"366000122_28": "「C班、聞こえるか?\\n 応答してくれ」",
"366000122_29": "「こちらC班。遺跡内に入ることができたんですけど、\\n 進むのに手間取っていまして……」",
"366000122_30": "「焦る必要はない。そのまま遺跡のルート確保を頼む。\\n 班、班もじきに合流できるはずだ」",
"366000122_31": "「みんなも来られそうなんですねッ!」",
"366000122_32": "「そうなりゃ、穏便に鎮圧できるかもな」",
"366000122_33": "「そうなることを祈っている。\\n 頼んだぞ、お前たち」"
}

@ -0,0 +1,16 @@
{
"366000131_0": "「……クリスちゃん、あれ見てッ!」",
"366000131_1": "「ああ、反政府軍の奴らだ。\\n やっと追いつけたかッ」",
"366000131_2": "「貴様らはッ!?」",
"366000131_3": "「国連のシンフォギア……ッ!」",
"366000131_4": "「だが、一歩遅かったようだな。\\n 『黄金の枝』は既に我らが手に……ッ」",
"366000131_5": "「お願いです。降伏してください……ッ!」",
"366000131_6": "「ならんッ!\\n 異世界へ導く力があるというこの聖遺物は我らのものッ」",
"366000131_7": "「その通りッ! 我ら民族の『約束の地』に至り、\\n 憎き政府軍に鉄槌を下す力を得るために……ッ」",
"366000131_8": "「ええッ!? そんな力があるのッ!?\\n エルフナインちゃんはそんなこと言ってなかったけど……」",
"366000131_9": "「どうせ都合よく解釈してんだろ。\\n おいコラ、痛い目見る前に渡したほうが身のためだぞ」",
"366000131_10": "「うるさいッ!\\n こちらにはまだ、これがある……ッ」",
"366000131_11": "「ククク、こいつらがお前らの相手だッ!」",
"366000131_12": "「チッ、その隙にとんずらする気かッ!」",
"366000131_13": "「そうは、させるかああああッ!」"
}

@ -0,0 +1,38 @@
{
"366000132_0": "「くそッ!\\n こんな狭いところにワンサカと……ッ」",
"366000132_1": "「立花ッ! 雪音ッ!」",
"366000132_2": "「どうやら、クライマックスには間に合ったみたいね」",
"366000132_3": "「翼さんッ! マリアさんッ!」",
"366000132_4": "「主役は遅れてくるものなんデスッ!」",
"366000132_5": "「道に迷っちゃったけど、間に合ってよかった」",
"366000132_6": "「お前らッ!」",
"366000132_7": "「そ、装者が6人も……ッ!」",
"366000132_8": "「くッ……こうなったら――ッ!」",
"366000132_9": "「ま、待てッ!\\n これ以上、アルカ・イズを出したら……ッ」",
"366000132_10": "「見ろッ! 遺跡が限界だ……ッ!\\n このままでは生き埋めになってしまうぞッ」",
"366000132_11": "「ここまで来て負けるわけにはいかないのだッ!\\n 仕方が無いだろうッ」",
"366000132_12": "「仲間割れッ!?」",
"366000132_13": "「しめたぞ。\\n その隙に――、」",
"366000132_14": "「ぐあッ!?\\n 黄金の枝がケースからッ」",
"366000132_15": "「ハッ!\\n 大切なもんなら、目を離すなってのッ」",
"366000132_16": "「クリス先輩、流石ッ!」",
"366000132_17": "「大当たりデースッ!」",
"366000132_18": "「しかしッ、このままでは遺跡が崩れる……ッ!\\n マリア、わたしたちで天井をッ」",
"366000132_19": "「ええッ! 調、切歌も手伝いなさいッ!」",
"366000132_20": "「うんッ!\\n 柱を支えて、崩落を抑える……ッ」",
"366000132_21": "「了解デースッ!」",
"366000132_22": "「立花ッ! 雪音ッ!\\n お前たちは――ッ」",
"366000132_23": "「みなまで言うなッ!\\n ――とっくに動き出してるんだよッ」",
"366000132_24": "「――黄金の枝を確保しますッ!」",
"366000132_25": "「させるかッ!\\n アルカ・イズ、奴らを止めろ……ッ」",
"366000132_26": "「――道は開いたッ!\\n 突っ込むぞッ」",
"366000132_27": "「届けえええええッ!」",
"366000132_28": "「――掴んだッ!」",
"366000132_29": "「よしッ!」",
"366000132_30": "「……って、うわッ!?」",
"366000132_31": "「何これッ!?」",
"366000132_32": "「まさか、こんなタイミングで起動したのかッ!?\\n 早く、手を放せッ」",
"366000132_33": "「ダメ、引き寄せられて――ッ!」",
"366000132_34": "「立花ッ! 雪音――ッ!」",
"366000132_35": "「2人が、消えた……、だと……」"
}

@ -0,0 +1,18 @@
{
"366000211_0": "邂逅ッ!青銅聖闘士",
"366000211_1": "「いてて……」",
"366000211_2": "「聖遺物の光に飲み込まれて――。\\n って、あたしたちどうなったんだ」",
"366000211_3": "「それに、あいつがいない……」",
"366000211_4": "(あの時、どこかに飛ばされるような感覚があった。\\n きっと、あいつもあたしと同じように……",
"366000211_5": "「……おいッ! 聞こえるかッ!?\\n 近くにいるなら返事しろッ」",
"366000211_6": "「……ッ!\\n ギリギリまで、手を握ってたはずなのに……」",
"366000211_7": "「それにしても、ここはどこだよ……?\\n とりあえず、周囲を調べてみるか」",
"366000211_8": "(本部にも、あいつにすら通信が繋がらない……。\\n どうやら普通の場所じゃないようだな",
"366000211_9": "(異世界へと導く聖遺物、黄金の枝か……。\\n ここは、未知の並行世界なのか",
"366000211_10": "「とにかく無事でいろよ、バカ……」",
"366000211_11": "「見慣れない建物ばっかりだな。\\n なんなんだ、この場所……」",
"366000211_12": "「――ッ!? 誰だッ!」",
"366000211_13": "「…………」",
"366000211_14": "「人間……じゃないようだな。\\n おいッ こっちの言ってることはわかるか」",
"366000211_15": "「問答無用かよッ!\\n そういうつもりなら、こっちも遠慮はなしだッ」"
}

@ -0,0 +1,13 @@
{
"366000212_0": "「……なんなんだよッ!\\n こいつのタフさはッ」",
"366000212_1": "「…………」",
"366000212_2": "(銃弾がまともに当たってるはずなのに、\\n あまり効いてない……",
"366000212_3": "「――ッ!?」",
"366000212_4": "「……くッ!\\n こっちの攻撃だけ効かないなんて反則だろッ」",
"366000212_5": "「これなら、どうだッ!」",
"366000212_6": "「……ッ!\\n こいつ、実体がないのかッ」",
"366000212_7": "(だから手ごたえが無かったってことか。\\n だが――ッ",
"366000212_8": "「完全に効かないってわけじゃ、ないらしいなッ!!」",
"366000212_9": "「ふー……。\\n 迷子探しで忙しいってのに、手間取らせやがって」",
"366000212_10": "「あれは……宮殿?\\n よし、あそこに行ってみるか」"
}

@ -0,0 +1,32 @@
{
"366000221_0": "(薄暗いな……)",
"366000221_1": "「――そこにいるのは誰だ!」",
"366000221_2": "「――ッ!」",
"366000221_3": "「ここはぼくが!\\n ――ネビュラチェーン」",
"366000221_4": "「なッ!?\\n 鎖が迫って――ッ」",
"366000221_5": "「その身のこなし、そして見たことの無い<ruby=クロス>聖衣</ruby>、\\n おまえが、<ruby=アテナ>女神</ruby>の言っていた邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主か……!」",
"366000221_6": "「はあッ!?」",
"366000221_7": "「――ならば受けよ、このドラゴン最大の奥義を!」",
"366000221_8": "「おいッ!\\n ちょっと待てって――ッ」",
"366000221_9": "「<ruby=ろざん>廬山</ruby>――」",
"366000221_10": "「――待って、<ruby=しりゅう>紫龍</ruby>!」",
"366000221_11": "「<ruby=しゅん>瞬</ruby>……なぜ止める?」",
"366000221_12": "「その人に敵意が無いみたいだったから……」",
"366000221_13": "「こっちの話が通じるだけ、\\n さっきのヤツとは違う手合いだってのはわかった」",
"366000221_14": "「その、\\n <ruby=クロス>聖衣</ruby>やら<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>やらってのはさっぱりだけど――」",
"366000221_15": "「いきなり攻撃されなきゃいけないような\\n 心当たりがないことは確かだ」",
"366000221_16": "「すみません。\\n さっきまで正体不明の敵に襲撃され続けていたので……」",
"366000221_17": "「ぼくは瞬。\\n よければ名前を聞いてもいいですか」",
"366000221_18": "「雪音クリス。\\n ちゃんと言葉が通じそうでよかったよ」",
"366000221_19": "「敵意を向けてすまなかった。\\n オレの名は紫龍、<ruby=ドラゴン>龍星座</ruby>の<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>だ」",
"366000221_20": "「ぼくはアンドロメダ星座の<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>です」",
"366000221_21": "「あと2人の仲間とここに来たはずなんだけど、\\n はぐれてしまって……」",
"366000221_22": "「待て待て、<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>? またよく分からない単語だな……。\\n おかげで全然話が入ってこないんだが――」",
"366000221_23": "「これは――、\\n ぼくのチェーンが警戒してる」",
"366000221_24": "「今度こそヤツらか!」",
"366000221_25": "「こいつら、また――ッ!」",
"366000221_26": "「こっちはぼくが!\\n 紫龍は反対側をお願い」",
"366000221_27": "「ああ、任せろ!」",
"366000221_28": "「クリスといったな。おまえは下がっていろ。\\n <ruby=セイント>聖闘士</ruby>でないなら、ヤツらの相手は危険だ!」",
"366000221_29": "「いや、あたしも戦う。\\n ――護られるのは性分じゃないからなッ」"
}

@ -0,0 +1,16 @@
{
"366000222_0": "「――いけ、チェーンよ!\\n サンダーウェーブ」",
"366000222_1": "「受けてみろ、<ruby=ろざんしょうりゅうは>盧山昇龍覇</ruby>――!」",
"366000222_2": "「なッ……、とんでもない威力じゃねーかッ!」",
"366000222_3": "(あたしはかなり苦労したっていうのに、\\n あっさりと……",
"366000222_4": "「けど、せめて足手まといにならないようにッ!」",
"366000222_5": "「もう、大丈夫みたいだ。\\n 人ともケガはない」",
"366000222_6": "「ああ……。\\n しかし、おまえも十分に戦えるのだな」",
"366000222_7": "「……あんたらに言われると複雑だけどな。\\n なんでそんなに強いんだ」",
"366000222_8": "「オレたち<ruby=セイント>聖闘士</ruby>は<ruby=クロス>聖衣</ruby>を得るために、\\n 極限まで肉体を鍛え、更に<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を高めている」",
"366000222_9": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を高めることで、攻撃や技を強化してるんです」",
"366000222_10": "「いやだから、専門用語が多すぎるんだが……」",
"366000222_11": "「こちらからも聞きたいことがある」",
"366000222_12": "「<ruby=セイント>聖闘士</ruby>でないようだが、おまえの纏うその鎧はなんだ!?\\n そして、なぜ戦闘中に歌を唄ってるんだ……」",
"366000222_13": "「そこはぼくも気になっていました! ぼくたち、\\n 今後のためにもお互い情報交換をした方がいいみたいだ」"
}

@ -0,0 +1,24 @@
{
"366000231_0": "「…………」",
"366000231_1": "「紫龍、瞬、<ruby=せいや>星矢</ruby>はここにはいないようだ――」",
"366000231_2": "(ともに来たはずだが、\\n 何者かの妨害を受けたか……",
"366000231_3": "(オレたちがそろっていることで、\\n 都合の悪いことでもあったのか",
"366000231_4": "「とにかく、このまま調査を進めるとしよう。\\n 星矢たちもきっとどこかで行動を起こしているだろうからな」",
"366000231_5": "「なに!?」",
"366000231_6": "「不意打ちとは卑怯な――、\\n くらえ ダイヤモンドダスト」",
"366000231_7": "「こいつらはいったい……」",
"366000231_8": "「しかし、ここは……<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>の守護宮にそっくりだ」",
"366000231_9": "(いったいどういうことだ?\\n まるでこの世界は、<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>そのもののようだが……)",
"366000231_10": "「この世界にいるという邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主とは、\\n いったい何者なのか……」",
"366000231_11": "「――!」",
"366000231_12": "「また貴様らか。\\n 何度来ても同じこと」",
"366000231_13": "「ダイヤモンドダストー!」",
"366000231_14": "「…………」",
"366000231_15": "「な!?\\n ダイヤモンドダストが効かない」",
"366000231_16": "「…………」",
"366000231_17": "「ならば、これならどうだ!\\n オーロラサンダーアターック」",
"366000231_18": "「ククク……」",
"366000231_19": "「な!!\\n ――貴様は」",
"366000231_20": "「<ruby=げんろうまおうけん>幻朧魔皇拳</ruby>――!!」",
"366000231_21": "「ぐあああああ――!?」"
}

@ -0,0 +1,47 @@
{
"366000311_0": "内なる力、小宇宙ッ!",
"366000311_1": "「いくぞ! ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>――!!」",
"366000311_2": "「うわあああああ――ッ!?」",
"366000311_3": "「おまえが邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主だな!\\n もう逃がさないぞ」",
"366000311_4": "「コ……、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>……?」",
"366000311_5": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>って……?\\n と言うか、あなたは誰……ッ」",
"366000311_6": "「とぼけるな!\\n おまえがあの戦士の影を操ってるんだろ」",
"366000311_7": "「いやいやいや、わたしもあいつらに――」",
"366000311_8": "「騙されるか!\\n ――燃え上がれ、オレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ!」",
"366000311_9": "「――ッ!?\\n これ……まるで師匠並みの迫力――ッ」",
"366000311_10": "「はぁああ――!\\n ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>――!」",
"366000311_11": "「うくッ!?\\n ぐううううううッ」",
"366000311_12": "(……ダメだ、半端な力じゃ押し負けるッ!)",
"366000311_13": "「――だったらッ!」",
"366000311_14": "「どうだ!」",
"366000311_15": "「なに!?\\n <ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>を受けきっただって!!」",
"366000311_16": "「それに、その黄金の輝き……。\\n まさか、おまえは<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>なのか!?」",
"366000311_17": "「<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>……?\\n ううん、シンフォギア装者だよ」",
"366000311_18": "「シンフォギア……?」",
"366000311_19": "「うんッ! わたしはただいま絶賛迷子中で、友達を探していて、\\n 『邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主』じゃないと思う。たぶんッ!」",
"366000311_20": "「…………」",
"366000311_21": "「確かに、よく見ると<ruby=クロス>聖衣</ruby>でもないようだ。\\n ……悪かった。どうやら、オレの早とちりだった……」",
"366000311_22": "「誤解が解けてよかったあ。\\n あ、そうそう。わたしの名前は立花響っていうんだッ」",
"366000311_23": "「オレは<ruby=ペガサス>天馬星座</ruby>の<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>、星矢だ」",
"366000311_24": "「<ruby=ひょうが>氷河</ruby>、紫龍、瞬、星矢……。\\n よく来てくれました」",
"366000311_25": "「<ruby=さおり>沙織</ruby>さん、いったい何があったんだ」",
"366000311_26": "「強い、胸騒ぎを感じたのです。\\n そしてその直後――」",
"366000311_27": "「――ここではない、この世界とは異なる世界で、\\n 邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じました……」",
"366000311_28": "「邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>……?」",
"366000311_29": "「そうです。この胸騒ぎの中心には、\\n その邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を持つ者の存在がある……」",
"366000311_30": "「その者はやがて、この世界にも\\n 災いをもたらすかもしれません」",
"366000311_31": "「なるほど……。\\n それでオレたちが呼ばれたのか……」",
"366000311_32": "「ぼくたちで調査を?」",
"366000311_33": "「今<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>たちは、<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>を空けることができません。\\n 手厚い支援も難しいでしょう……」",
"366000311_34": "「恐らく、とても危険な任務となりますが……。\\n 行ってくれますか」",
"366000311_35": "「もちろんです。\\n 我らは<ruby=アテナ>女神</ruby>の<ruby=セイント>聖闘士</ruby>なのですから」",
"366000311_36": "「ああ、オレたちに任せてくれ!」",
"366000311_37": "「彼の地へは、わたしの力で送り届けましょう。\\n さぁ、行くのです<ruby=アテナ>女神</ruby>の<ruby=セイント>聖闘士</ruby>たちよ」",
"366000311_38": "「なるほど。その、アテナさん? からの任務で、\\n 調査のためにこの世界に来たんだ……」",
"366000311_39": "「ああ。見たことのない<ruby=クロス>聖衣</ruby>のようなものを纏っていたから、\\n 邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主と勘違いして……。本当に悪かった」",
"366000311_40": "「ううん、人違いしても仕方ないよ。\\n わたし自身、どうしてここにいるのか分からないんだから」",
"366000311_41": "「キミは、『黄金の枝』という物の力に巻き込まれ、\\n この世界に飛ばされてきたんだったな」",
"366000311_42": "「うん、たぶんね。\\n そして、あなたと同じように仲間とはぐれて……」",
"366000311_43": "「――ッ!」",
"366000311_44": "「こいつら、\\n また現れたか……」"
}

@ -0,0 +1,58 @@
{
"366000312_0": "「いっぱい出てきた……ッ!\\n でも、負けないッ」",
"366000312_1": "「――ッ!\\n シンフォギアの攻撃が、あんまり効いてない――ッ」",
"366000312_2": "「うわああああッ!」",
"366000312_3": "「大丈夫か!?」",
"366000312_4": "「く、うう……」",
"366000312_5": "「うんッ!\\n 大丈夫……ッ」",
"366000312_6": "「クリスちゃんは、もっと大変な状況にいるかもしれないんだ。\\n 早く探しに行かないと――」",
"366000312_7": "「だからッ!\\n こんなところで、わたしが倒れていられるかああああッ」",
"366000312_8": "「はあ、はあ――」",
"366000312_9": "(この子も、誰かのために必死に戦っているのか)",
"366000312_10": "「くッ!\\n まだ倒せない……ッ」",
"366000312_11": "「伏せろ!\\n ここはオレに任せてくれ」",
"366000312_12": "「――ッ!」",
"366000312_13": "「うおおおおおお、燃えろオレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ!",
"366000312_14": " ――ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>!」",
"366000312_15": "「ありがとう……。\\n すごい、アレを一気に……」",
"366000312_16": "「なあ、もしよかったら、\\n 仲間が見つかるまで行動を共にしないか」",
"366000312_17": "「キミとなら、協力し合えるんじゃないかって思うんだ」",
"366000312_18": "「――ッ!」",
"366000312_19": "「うんうんッ!\\n 一緒に仲間を見つけようねッ」",
"366000312_20": "「ところでさ。さっきから話に出てくる、クロスとかセイントとか\\n コスモっていうのが、ちんぷんかんぷんなんだけど……」",
"366000312_21": "「ああ、説明しておいた方がいいよな」",
"366000312_22": "「オレたち<ruby=セイント>聖闘士</ruby>は、<ruby=アテナ>女神</ruby>を護るために戦う闘士なんだ」",
"366000312_23": "「位によって、<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>とか、\\n <ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>とかって呼ばれている」",
"366000312_24": "「あなたは<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>なんだねッ!」",
"366000312_25": "「ああ。そして、<ruby=クロス>聖衣</ruby>は<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の証。\\n こんなふうに纏うことで<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の肉体を守るんだ」",
"366000312_26": "「神話の時代から存在している神聖なもので、\\n それぞれの星座に対応している」",
"366000312_27": "「わたしたちで言う、聖遺物みたいなものなのかな?」",
"366000312_28": "「えーと、星座に対応しているっていうことは\\n あなたの<ruby=クロス>聖衣</ruby>は――」",
"366000312_29": "「オレは<ruby=ペガサス>天馬星座</ruby>を守護星座に持っている。\\n これは、ペガサスの<ruby=クロス>聖衣</ruby>なんだ!」",
"366000312_30": "「なるほど、\\n 難しいけど、ここまではギリギリ理解しましたッ」",
"366000312_31": "「そして、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>とは――」",
"366000312_32": "「キミは自分の体内に宇宙を感じたことがあるか?」",
"366000312_33": "「えええッ!? 宇宙ッ!?\\n たぶん、無いと思いますけど……」",
"366000312_34": "「オレたち<ruby=セイント>聖闘士</ruby>はその体内にある宇宙、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を<ruby=ビッグバン>爆発</ruby>させる\\n ことで闘志を上昇させ、超人的な力を生み出しているのさ」",
"366000312_35": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発させられなければ<ruby=セイント>聖闘士</ruby>としての技は使えないし、\\n 守護星座に選ばれて<ruby=クロス>聖衣</ruby>を纏うこともできないんだ」",
"366000312_36": "(思考回路がショートする音)",
"366000312_37": "「あ、あうう……途中まではついていけてたのに、\\n 結局ちんぷんかんぷんに……」",
"366000312_38": "「でも、クリスちゃんならわかると思うから、\\n その辺のことはクリスちゃんに任せようッ」",
"366000312_39": "「とにかく、すんごいパワーを使いこなせるってことだよねッ!」",
"366000312_40": "「まあ、それでもいいよ」",
"366000312_41": "「それがあるから、さっきの敵に、\\n わたしより攻撃が効いているように見えたのかな……」",
"366000312_42": "「かもしれないな。きっとあの戦士の影は、\\n 邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主が操っているんだ」",
"366000312_43": "「その人を探しに来たんだよね?」",
"366000312_44": "「ああ。この世界のどこかにいるはずなんだ。\\n <ruby=アテナ>女神</ruby>がそう感じた以上、間違いないはず……」",
"366000312_45": "「もしかしたらクリスちゃんも、\\n その邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主に捕まって……」",
"366000312_46": "「その可能性も十分考えられる――」",
"366000312_47": "「だったら急がなくちゃッ!\\n 早くクリスちゃんを助けにいかないとッ」",
"366000312_48": "「この辺り……戦闘の跡がないか?」",
"366000312_49": "「……うん。あちこちに――、\\n って、これッ」",
"366000312_50": "「どうしたんだ?」",
"366000312_51": "「この銃弾の跡……。\\n <ruby=セイント>聖闘士</ruby>の仲間に銃を使う人はいないよね?」",
"366000312_52": "「ああ。\\n オレたちの技で、こんな跡は残らないはずだ」",
"366000312_53": "「それなら間違いないよ。\\n ここで、クリスちゃんが戦ってたんだッ」",
"366000312_54": "「ここを通ったことは間違いないようだな」",
"366000312_55": "「うんッ!\\n きっともうすぐ会えるはず……ッ」"
}

@ -0,0 +1,20 @@
{
"366000321_0": "「その鎧は、シンフォギアというのか……」",
"366000321_1": "「唄うことで力を発揮するなんて、すごいですね」",
"366000321_2": "「ああ、あたしらの力の源は、\\n フォニックゲインていうんだ」",
"366000321_3": "「にしても、<ruby=クロス>聖衣</ruby>に<ruby=セイント>聖闘士</ruby>。それに<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>か……。\\n そんなややこしい話、あのバカに聞かせたら爆発するぞ」",
"366000321_4": "「その人が、はぐれてしまったキミの仲間なんですね」",
"366000321_5": "「ああ。あたしと同じシンフォギア装者で、名前は立花響。\\n まあ――いろいろと騒がしいやつだ」",
"366000321_6": "「確かそっちも、\\n あと人仲間がいるんだろ」",
"366000321_7": "「オレたちが探している2人は、星矢と氷河という名前だ」",
"366000321_8": "「どちらも年の頃はオレたちと変わらん。\\n <ruby=クロス>聖衣</ruby>を纏っているので、すぐにわかると思うが……」",
"366000321_9": "「よし、わかった。もしそいつらに会ったら、\\n あんたらの話をすればいいんだな」",
"366000321_10": "「……それより、もしよかったら一緒に行きませんか。\\n 星矢たちが、紫龍みたいに突然攻撃してくるといけないし……」",
"366000321_11": "「すまなかった……」",
"366000321_12": "「もうそれはいいって。ただ、同行していいのか?\\n こっちとしては好都合だけど、足を引っ張るかもしれない」",
"366000321_13": "「そんなこと気にしないでください。\\n 困ったときはお互い様ですよ」",
"366000321_14": "「ああ、おまえが邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主でないのは、\\n 先ほどまでの戦いでも、よくわかっているしな」",
"366000321_15": "「なら……、よろしく頼む。\\n 喋り方も、堅苦しいのはやめてくれ」",
"366000321_16": "「うん――。\\n よろしく、クリスさん」",
"366000321_17": "「って、お前らはお呼びじゃないぞ……ッ!」"
}

@ -0,0 +1,61 @@
{
"366000322_0": "「……片付いたようだな」",
"366000322_1": "「く……、また2人に助けられちまった……」",
"366000322_2": "「それにしても、あんたらの技は\\n とんでもない威力だな……」",
"366000322_3": "「技の威力だけで言ったら、\\n キミも十分にあるように見えるけど」",
"366000322_4": "「おまえがうまく戦えていないのは、\\n 別の理由があるかもしれん」",
"366000322_5": "「別の理由って、どういうことだッ!?」",
"366000322_6": "「ヤツらは、実体を持っていないようだ」",
"366000322_7": "「恐らくあれは、邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>より\\n 生み出された思念体のようなもの」",
"366000322_8": "「だから、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やすことで撃ち出される\\n オレたちの拳が有効なのではないか」",
"366000322_9": "「…………」",
"366000322_10": "「なあ、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>は人間の体内にある\\n 宇宙的エネルギーだって言ったよな」",
"366000322_11": "「だったら、あたしの中にもあるのか?\\n もしそれを爆発させることができれば――」",
"366000322_12": "「確かに、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>は誰しもが秘めているものだ」",
"366000322_13": "「だが、それを使いこなすには相応の修行を必要とする。\\n 一朝一夕でものにできるようなものではない」",
"366000322_14": "「ぼくたちも、何年もかかって\\n やっと体得したものなんだ」",
"366000322_15": "「ちなみに修行って、\\n あんたらはどんなことをしたんだ」",
"366000322_16": "「オレは中国にある廬山五老峰で、\\n 老師のもとで修行を行っていた」",
"366000322_17": "「最後には、大瀑布をも逆流させる奥義を体得することで、\\n <ruby=ドラゴン>龍星座</ruby>の<ruby=ブロンズクロス>青銅聖衣</ruby>に認められたんだ」",
"366000322_18": "「ぼくは、なかなか<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃え上がらせることができず、\\n 過酷な環境の島で毎日気絶するまで修行を……」",
"366000322_19": "「それでも海中に鎖でつながれた状態から脱出する、\\n サクリファイスという――」",
"366000322_20": "「<ruby=クロス>聖衣</ruby>継承の義を乗り越えて、\\n やっと<ruby=セイント>聖闘士</ruby>となることができたんだよ」",
"366000322_21": "「そんなに、過酷なものなのか……」",
"366000322_22": "「ああ、だから誰でもできるというわけでは――」",
"366000322_23": "「それでも、必要なんだ。\\n <ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発させる方法を教えてくれないか……」",
"366000322_24": "「この世界には、あいつもいる。\\n きっと今も、戦っているはずだ」",
"366000322_25": "「もしかしたら、たった1人で……。\\n だから、あたしが助けてやらないとダメなんだ――ッ」",
"366000322_26": "「……わかったよ。\\n そこまで言うなら――」",
"366000322_27": "「しかし――」",
"366000322_28": "「もちろん、可能性が低いのは分かった上でだよ。\\n 修行の方法を教えてあげるだけ。それでもいい」",
"366000322_29": "「ああッ!\\n よろしく頼むッ」",
"366000322_30": "「なんで目隠しなんだよ……ッ!?」",
"366000322_31": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>は体内に宿るもの。\\n 五感はむしろ邪魔となる」",
"366000322_32": "「その状態で、オレと瞬の攻撃を捌いてもらうぞ」",
"366000322_33": "「極限状態で五感を断ち、心を無にすれば\\n 自分の中にある<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じられるはず――」",
"366000322_34": "「さあ、行くよ!」",
"366000322_35": "「あ、ああッ!\\n かかって来やがれ……ッ」",
"366000322_36": "「大丈夫……?」",
"366000322_37": "「ああ……。\\n サンドバッグの気持ちが少し分かったぞ」",
"366000322_38": "「だけど正直、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>なんて全然感じられなかった……」",
"366000322_39": "「だから言っただろう」",
"366000322_40": "「く……ッ、\\n もう回だッ もう回だけ、付き合ってくれッ」",
"366000322_41": "「…………」",
"366000322_42": "「キミは、その響さんという\\n 仲間のことがすごく大切なんだね」",
"366000322_43": "「――ッ!?」",
"366000322_44": "「もしその人がこの世界でピンチに陥ったら自分で助けられる\\n ように、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じられるようになりたいんでしょう?」",
"366000322_45": "「別に、大切なんかじゃ……。護りたいのは単に、\\n あたしが先輩で、あのバカが後輩だからだ」",
"366000322_46": "「フフッ……」",
"366000322_47": "「な、なんだその顔は――ッ!!」",
"366000322_48": "「いや、誰かを護りたいっていうキミの想いが\\n なんだか少しだけ、ぼくのにいさんに似てるなって――」",
"366000322_49": "「2人とも、気を付けろ!\\n 誰かが来たようだ」",
"366000322_50": "「…………」",
"366000322_51": "「氷河! 無事だったんだな!」",
"366000322_52": "「あいつが――」",
"366000322_53": "「待って紫龍!\\n ぼくのチェーンが何かに反応して――」",
"366000322_54": "「ダイヤモンドダスト――!」",
"366000322_55": "「な!?\\n ぐああああああ――」",
"366000322_56": "「うわあああああ――!」",
"366000322_57": "「――ッ!?\\n お前、こいつらの仲間じゃなかったのかよッ」",
"366000322_58": "「…………」"
}

@ -0,0 +1,17 @@
{
"366000331_0": "「…………」",
"366000331_1": "「こいつらはお前を仲間だと言って探してたんだぞッ!\\n なのに――」",
"366000331_2": "「――!」",
"366000331_3": "「うぐッ!? くそッ!\\n そっちがその気なら――ッ」",
"366000331_4": "「防がれたッ!?」",
"366000331_5": "(あの影とは違う、実体のある人間だ。\\n なら、あの冷気の防御さえ突破できれば……ッ",
"366000331_6": "「そろそろ終わらせてやる。受けてみろ――。\\n <ruby=キグナス>白鳥星座</ruby>、最大の拳!」",
"366000331_7": "「オーロラサンダーアターック!!」",
"366000331_8": "「うおおおおおッ!」",
"366000331_9": "「――!?」",
"366000331_10": "「こっからが本番だぞッ!」",
"366000331_11": "「く……」",
"366000331_12": "「まだまだッ!\\n ――くらっとけッ」",
"366000331_13": "「…………」",
"366000331_14": "「黒い連中があいつに加勢してッ!?\\n こいつら、つるんでるのかよッ」"
}

@ -0,0 +1,20 @@
{
"366000332_0": "「今までやられた分の倍返しだッ!\\n ――まとめて吹き飛べッ」",
"366000332_1": "「はあッ、はあッ……。アマルガムの力のおかげで、\\n あたしだけでもなんとかなったみたいだな……」",
"366000332_2": "「だけど、氷河とかいうやつには逃げられたか……」",
"366000332_3": "「う……」",
"366000332_4": "「よかった、無事だったんだな」",
"366000332_5": "「うん、なんとか……。\\n だけど――」",
"366000332_6": "「紫龍が、氷河に連れ去られてしまったんだ」",
"366000332_7": "「なんだとッ!?」",
"366000332_8": "「あたしが黒いやつらの相手にまごついてる隙に……。\\n 悪かった……」",
"366000332_9": "「ううん、キミは悪くないよ。\\n まさか氷河に襲われるなんて、ぼくも紫龍も想定外だった」",
"366000332_10": "「あいつ、仲間だったんじゃないのか?\\n なんでいきなり……」",
"366000332_11": "「氷河は仲間だよ。なぜあんなことをしたのか……。\\n 考えられるとすれば邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主に操られているとか……」",
"366000332_12": "「確証はないけど、<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>には\\n そういう技を使う<ruby=セイント>聖闘士</ruby>もいるんだ」",
"366000332_13": "「……厄介な話だな」",
"366000332_14": "「まあいい、早く探しに行くぞ」",
"366000332_15": "「でもキミは、響さんを探さないといけないんじゃ……」",
"366000332_16": "「あのバカに関しては今のところ手がかりがないし、\\n こんな状況でお前らを放っておけるかよ」",
"366000332_17": "「ありがとう……。\\n それじゃあ、行こう」"
}

@ -0,0 +1,29 @@
{
"366000411_0": "黄金聖闘士サガとの出会いッ!",
"366000411_1": "「なかなか追いつかないね……」",
"366000411_2": "「クリスちゃんも、\\n <ruby=セイント>聖闘士</ruby>さんたちも、無事だといいけど……」",
"366000411_3": "「ああ。だが、そう簡単にやられる連中では――」",
"366000411_4": "「――!?\\n これは……」",
"366000411_5": "「どうしたのッ!?」",
"366000411_6": "「強大な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じる……。\\n あの宮殿からだ」",
"366000411_7": "「仲間の<ruby=セイント>聖闘士</ruby>さんがいるってこと?」",
"366000411_8": "「……わからない。\\n ひょっとしたら、邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主かもしれないぞ……!」",
"366000411_9": "「そうだとしても、無視するわけにはいかない。\\n そうだよね」",
"366000411_10": "「ああ……。\\n 様子を見に行ってみよう」",
"366000411_11": "「星矢、ここで会うとは思わなかったぞ」",
"366000411_12": "「あんたは――サガ!?\\n サガなのか」",
"366000411_13": "「ええっと、そちらは……?」",
"366000411_14": "「彼はサガ。\\n <ruby=ゴールドクロス>黄金聖衣</ruby>を纏い<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>を護る最上位の闘士、<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>の1人だ」",
"366000411_15": "「それじゃあ……、<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>より\\n もっと強い人なんだ……」",
"366000411_16": "「どうしてあんたがこの世界にいるんだ?」",
"366000411_17": "「やはりここは異世界なのだな……。わたしは気を失い、\\n 気づくとこの場所で目を覚ましていたのだ」",
"366000411_18": "「それってもしかして、わたしたちと同じように\\n 黄金の枝でこの世界に飛ばされたんじゃ――」",
"366000411_19": "「黄金の枝?\\n 意識を失う前の記憶が曖昧でな、悪いがそれは定かではない」",
"366000411_20": "「星矢がなぜここにいるのか、その少女は何者なのか。\\n まずはわたしに話してもらえないだろうか」",
"366000411_21": "「ああ、わかった。\\n オレは――」",
"366000411_22": "「なるほど、邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を持つ<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の調査。\\n そしてシンフォギア装者との出会いか……」",
"366000411_23": "「オレはこのまま、邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主と仲間たちを探すつもりだ。\\n サガ、あんたは」",
"366000411_24": "「わたしは――」",
"366000411_25": "「――!\\n どうやら、招かれざる客が来たようだな」",
"366000411_26": "「戦士の影が……こんなにッ!?」"
}

@ -0,0 +1,15 @@
{
"366000412_0": "「なにい!?\\n まだ増えるのか」",
"366000412_1": "「倒しても倒しても……キリがないよッ!」",
"366000412_2": "「ここはわたしに任せてくれ」",
"366000412_3": "「サガ……?」",
"366000412_4": "「で、でもッ!\\n こんな数を相手に人では――」",
"366000412_5": "「わたしは<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>の1人、<ruby=ジェミニ>双子座</ruby>のサガだ。\\n 雑兵が何人いたところで、敵ではない」",
"366000412_6": "「――ほとばしれ!\\n 我が<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ!」",
"366000412_7": "「美しき銀河の星々と共に滅べ……。\\n ――ギャラクシアンエクスプロージョン」",
"366000412_8": "「あれだけいたのに、たったの一撃で……」",
"366000412_9": "「先ほどの問い、\\n わたしがどうするつもりかということだが――」",
"366000412_10": "「おまえたちに同行し、協力させてほしい」",
"366000412_11": "「いいのか?」",
"366000412_12": "「ああ、それが<ruby=アテナ>女神</ruby>の願いであるというのならば是非もない」"
}

@ -0,0 +1,22 @@
{
"366000421_0": "「ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>!」",
"366000421_1": "「時空の狭間へと消え去るがいい。\\n アナザーディメンション」",
"366000421_2": "「なんかわたし、全然役に立ててない……」",
"366000421_3": "「こいつらには<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やして撃ち出す攻撃でないと\\n 効きにくいみたいだから、仕方ないさ」",
"366000421_4": "「だけど、クリスちゃんが1人ぼっちで助けを\\n 待っているかもしれないのに、何もできないなんて……」",
"366000421_5": "「あのさ、\\n わたしも<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じて燃やすこと、できないかな?」",
"366000421_6": "「キミが!?\\n だけど、そう簡単には……」",
"366000421_7": "「簡単ではないが、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じることは不可能ではない。\\n それは誰にだって宿っている力なのだ」",
"366000421_8": "「だけど、オレだって何年も修行をして、\\n やっと感じることができたんだぜ」",
"366000421_9": "「そっか……」",
"366000421_10": "「彼女が普通の少女だったなら、\\n わたしもこんなことは言わないが……」",
"366000421_11": "「<ruby=セイント>聖闘士</ruby>が<ruby=クロス>聖衣</ruby>を纏い、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発させて戦うように、\\n 装者はシンフォギアを纏い、唄うことで力を得るという」",
"366000421_12": "「その不思議な相似に、わたしは興味があるのだ。\\n 彼女ならばもしかしたら、と」",
"366000421_13": "「可能性があるなら、\\n 挑戦してみたいですッ」",
"366000421_14": "「確かに、キミが<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を\\n 感じることができたら百人力だな」",
"366000421_15": "「ならばまずは……、\\n わたしと手合わせをしよう」",
"366000421_16": "「えええッ!?\\n わたしが、サガさんとですかッ」",
"366000421_17": "「ああ、戦いに勝る経験はない」",
"366000421_18": "「わ、わかりましたッ!\\n それなら、お願いしますッ」",
"366000421_19": "「手加減は不要だ。\\n ――全力でかかってくるがいい」"
}

@ -0,0 +1,53 @@
{
"366000422_0": "(全然……歯が立たない……ッ!)",
"366000422_1": "「もう終わりか?」",
"366000422_2": "「ま・だ・ま・だああああッ!」",
"366000422_3": "「筋はいいが――」",
"366000422_4": "「簡単に受け止められ――うわッ!?」",
"366000422_5": "「きゅぅ、参りました……」",
"366000422_6": "「まるで、見えない壁に吹き飛ばされたみたい……」",
"366000422_7": "「拳圧による衝撃波だ」",
"366000422_8": "「そんなことまでできるなんて……」",
"366000422_9": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を極めた<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の力はこの程度ではない。\\n <ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>の放つ拳は、光速に達する」",
"366000422_10": "「こ、光速ッ!?」",
"366000422_11": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じたければ、己の内面に目を向けるんだ。\\n おまえの中には宇宙が広がっている」",
"366000422_12": "「わたしの中の宇宙――」",
"366000422_13": "「ここまでしてもらって申し訳ないのですが……、\\n 言ってること、全然わかりませんッ」",
"366000422_14": "「フッ、まあそうだろう。\\n すぐに理解できるものでもない」",
"366000422_15": "「次は、星矢。\\n おまえが彼女の相手をしてやってくれ」",
"366000422_16": "「オレが!?」",
"366000422_17": "「星矢の粗削りな<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>に触れた方が、\\n むしろ得るものが多いかもしれないと思ってな」",
"366000422_18": "「そういうことなら――」",
"366000422_19": "「お願いしますッ!」",
"366000422_20": "「ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>!」",
"366000422_21": "「く――ッ!」",
"366000422_22": "「やっぱり、すごい破壊力……ッ!」",
"366000422_23": "「教えてやるよ。世にある全ての物は原子でできている。\\n 破壊するということの根本は、原子を砕くってことなんだ」",
"366000422_24": "「原子を……」",
"366000422_25": "「だから、体内にあるパワーとソウルを、\\n 破壊しようとする物の原子の一点に集中させて打ち抜くんだ」",
"366000422_26": "「こんなふうに……!」",
"366000422_27": "「うう……ッ!\\n もっとちゃんと理科の授業を聞いておくんだった……ッ」",
"366000422_28": "「ヘヘ、今のは<ruby=マリン>魔鈴</ruby>さんの受け売りなんだけどな」",
"366000422_29": "「<ruby=マリン>魔鈴</ruby>さん?」",
"366000422_30": "「オレの師匠さ。オレに<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の戦い方を教え込んでくれた。\\n 厳しいけれど、優しい人だ」",
"366000422_31": "「師匠だったら、わたしにだってッ!\\n 曰く、稲妻を喰らい、雷を握り潰すように打つべし――ッ」",
"366000422_32": "「今度はわたしの番だッ!」",
"366000422_33": "「うあああ――!」",
"366000422_34": "「どうだッ!\\n <ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が感じられなくたって、これくらいッ!」",
"366000422_35": "「く――!」",
"366000422_36": "「まだだ……!」",
"366000422_37": "「燃えろ、オレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>\\n 燃え上がれええええ」",
"366000422_38": "「一度は倒れたのに、まだこんな力がッ!?\\n これが、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>……ッ!」",
"366000422_39": "「うおおおおお!」",
"366000422_40": "(力だけじゃない……。\\n 身体を包む光の奥に、何かが見える――ッ",
"366000422_41": "(これは……ッ!)",
"366000422_42": "魔鈴さんを助けるため、燃えろオレの小宇宙よ、奇跡を起こせ……!",
"366000422_43": "みんながこのオレに勇気と力を与えてくれた。オレはみんなの希望なのだ――!",
"366000422_44": "もう一度オレに力をくれ! 小宇宙よ、女神よ!",
"366000422_45": "ねえさん! ねえさん――!!",
"366000422_46": "「これが<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の力だああ!」",
"366000422_47": "「うわあああッ!?」",
"366000422_48": "(拳に乗った想いを感じる……。\\n いつも誰かのために……だから<ruby=セイント>聖闘士</ruby>はこんなに強いの?)",
"366000422_49": "(この想いが、この強さが……、\\n これが、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>なの……ッ!?)",
"366000422_50": "(まだまだ、<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の領域には程遠いだろう。\\n だが、何かを掴んだようだな、少女よ"
}

@ -0,0 +1,36 @@
{
"366000511_0": "邪なる聖闘士の毒牙ッ!",
"366000511_1": "「チェーンよ……」",
"366000511_2": "「氷河たちは向こうに行ったみたいだ」",
"366000511_3": "「そんなことまでわかるのか」",
"366000511_4": "「アンドロメダ星座の<ruby=クロス>聖衣</ruby>には攻撃・探索性能を持つ<ruby=スクエアチェーン>角鎖</ruby>と、\\n 防御性能を持つ<ruby=サークルチェーン>円鎖</ruby>がそれぞれ備わっているんだ」",
"366000511_5": "「へえ。便利なもんだな」",
"366000511_6": "「ただ……、いいのか?」",
"366000511_7": "「え、なにが?」",
"366000511_8": "「分かってんだろ。\\n このまま行けば、仲間と戦うことになるんだぞ」",
"366000511_9": "「……大丈夫。\\n 紫龍を、そして氷河も助け出さないと」",
"366000511_10": "「星矢っていう、もう1人の仲間と\\n 先に合流した方がいいんじゃないのか」",
"366000511_11": "「ううん、星矢の状況もわからないし、\\n 今は急いだ方がいいと思う」",
"366000511_12": "「……ここに、にいさんがいればよかったんだけどね」",
"366000511_13": "「にいさん……、そういえばさっきも言ってたな」",
"366000511_14": "「ごめん、今のは聞かなかったことにして。\\n 弱音なんて吐いたら、それこそにいさんに笑われちゃうよ」",
"366000511_15": "「まあいいけど。\\n よっぽど仲のいい兄弟なんだな」",
"366000511_16": "「……そう言われると、どうなんだろう」",
"366000511_17": "「はあ?」",
"366000511_18": "「修行中は長い間離れて暮らしていたし、\\n 今もたくさん話すことはあまり無いから」",
"366000511_19": "「少し気難しくて、あまり誰かと一緒にいようとしないけど……、\\n 誰より優しくて、強い心を持った人なんだ」",
"366000511_20": "「にいさんに心配をかけないためにも、\\n 全てを終わらせて無事に帰らないと」",
"366000511_21": "「…………」",
"366000511_22": "「キミは、兄弟はいるかい?」",
"366000511_23": "「いや、そういうのはいない」",
"366000511_24": "「だけど、あたしには放っておけない後輩と、\\n やっぱり放っておけない先輩がいる」",
"366000511_25": "「だから、あたしも絶対帰らなくちゃいけないんだ」",
"366000511_26": "「そうなんだね」",
"366000511_27": "「……キミこそ、いいの?\\n 氷河のことはぼくたちの問題だ。キミが付き合う必要は――」",
"366000511_28": "「さすがに今さらだろ。代わりに、そっちが片付いたら\\n バカを探すためにそのチェーンを使わせてもらうからな」",
"366000511_29": "「……うん。きっとそうするよ」",
"366000511_30": "「……チッ、またこいつらか」",
"366000511_31": "「きっと、氷河が近い証拠だ」",
"366000511_32": "「なるほどな。\\n だったら前菜は速攻で片付けるぞッ」",
"366000511_33": "「うん。そして氷河のもとへ!」"
}

@ -0,0 +1,22 @@
{
"366000512_0": "「氷河! 紫龍!」",
"366000512_1": "「いたッ!\\n あそこに人倒れてるぞッ」",
"366000512_2": "「――紫龍!」",
"366000512_3": "「う…………」",
"366000512_4": "「紫龍、大丈夫!?」",
"366000512_5": "「――後ろだッ!\\n 気をつけろッ」",
"366000512_6": "「ダイヤモンドダスト!」",
"366000512_7": "「サークルディフェンス!」",
"366000512_8": "「そう何度も不意打ちはくらわないよ」",
"366000512_9": "「…………」",
"366000512_10": "「さっきと違って3対1だ。お前に勝ち目はないッ!\\n 降参するなら今のうちだぞッ」",
"366000512_11": "「待って、この気配は……。\\n まさか」",
"366000512_12": "「どうしたッ!?」",
"366000512_13": "「<ruby=ろざん>廬山</ruby>――」",
"366000512_14": "「なんだとッ!?」",
"366000512_15": "「あぶない!!」",
"366000512_16": "「――<ruby=しょうりゅうは>昇龍覇</ruby>!!」",
"366000512_17": "「う、うわああああ――!?」",
"366000512_18": "「…………」",
"366000512_19": "「ま、まさか……、\\n お前まで操られて……ッ」"
}

@ -0,0 +1,34 @@
{
"366000521_0": "「おいッ!\\n 大丈夫かッ」",
"366000521_1": "「う……」",
"366000521_2": "(気を失って……)",
"366000521_3": "「…………」",
"366000521_4": "「…………」",
"366000521_5": "「次はあたしってわけか。\\n だけど、させるか――ッ」",
"366000521_6": "「あたしを庇ってくれたこいつのためにも、\\n 負けるわけにはいかないからなッ」",
"366000521_7": "「止められたッ!?」",
"366000521_8": "「<ruby=ろざんしょうりゅうは>廬山昇龍覇</ruby>!」",
"366000521_9": "「くッ!」",
"366000521_10": "「――ダイヤモンドダスト!」",
"366000521_11": "「ぐ、あああ……ッ!」",
"366000521_12": "「…………」",
"366000521_13": "「…………」",
"366000521_14": "「くッ……」",
"366000521_15": "「……う、クリス……」",
"366000521_16": "「気が付いたのかッ!?」",
"366000521_17": "「なんとか、ね……。\\n ごめん、人で戦わせて……」",
"366000521_18": "「無理して動くなッ!\\n あの技をまともに食らったんだろッ」",
"366000521_19": "「そんなわけにはいかないよ……。\\n ぼくたち人で、氷河と紫龍を止めよう」",
"366000521_20": "「だけど、そんなダメージで……ッ!」",
"366000521_21": "「ぼくは、<ruby=セイント>聖闘士</ruby>だから。\\n この<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が尽きるまで、諦めない!」",
"366000521_22": "「燃え上がれ! ぼくの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ――!」",
"366000521_23": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の力か……ッ!\\n とにかく、まだやれるみたいだな」",
"366000521_24": "「うん。言ったでしょう、必ず帰るって。\\n そのために、負けるわけにはいかないよ」",
"366000521_25": "「…………」",
"366000521_26": "「あいつ、影を呼び出しやがったッ!?」",
"366000521_27": "「――!?」",
"366000521_28": "「く、分断されて――ッ!」",
"366000521_29": "「ぼくは大丈夫!\\n まずはこの、戦士の影を倒そう」",
"366000521_30": "「ああ……ッ!」",
"366000521_31": "「この程度の雑魚、\\n 秒で片付けてやるよッ」"
}

@ -0,0 +1,34 @@
{
"366000522_0": "「弓矢で弾幕が張れないとでも思ったかッ!?」",
"366000522_1": "「ハッ、予告通り秒で片付いたな」",
"366000522_2": "「おい、大丈夫かッ!?」",
"366000522_3": "「…………」",
"366000522_4": "「――ッ!?」",
"366000522_5": "「ネビュラチェーン!」",
"366000522_6": "「く――ッ!\\n お、お前まさか……ッ」",
"366000522_7": "「…………」",
"366000522_8": "(洗脳されてるのかッ!?\\n たった少しの隙に、誰が どうやってッ",
"366000522_9": "「<ruby=ろざんしょうりゅうは>廬山昇龍覇</ruby>!」",
"366000522_10": "「目を覚ましてくれッ!\\n お前は、こんな事をするやつじゃないはずだッ」",
"366000522_11": "「…………」",
"366000522_12": "「サンダーウェーブ!!」",
"366000522_13": "「ダイヤモンドダスト!!」",
"366000522_14": "「<ruby=ろざんしょうりゅうは>廬山昇龍覇</ruby>!」",
"366000522_15": "「間に合えッ!\\n コクーン……ッ」",
"366000522_16": "「コクーンのリフレクターが、砕け――ッ!?」",
"366000522_17": "「うわあああああッ!?」",
"366000522_18": "「ぐ、うう……。\\n はあ……はあ……」",
"366000522_19": "「…………」",
"366000522_20": "「……あたしに、トドメを刺すつもりか……。\\n そんなこと、させ、るか……ッ」",
"366000522_21": "(――ッ! ダ、ダメだ……。\\n こいつに向けて引き金を引くことが、あたしには――ッ",
"366000522_22": "「サンダーウェーブ!!」",
"366000522_23": "「――!?」",
"366000522_24": "「あいつの攻撃が、弾かれたッ!?」",
"366000522_25": "「…………」",
"366000522_26": "「お前が、助けてくれたのか?\\n いったい、何者……」",
"366000522_27": "「オレは<ruby=いっき>一輝</ruby>。\\n 瞬の兄にして、<ruby=フェニックス>鳳凰星座</ruby>の<ruby=セイント>聖闘士</ruby>」",
"366000522_28": "「瞬……おまえに人殺しなどさせん」",
"366000522_29": "「――!」",
"366000522_30": "「洗脳状態にあるようだな……。\\n 何者か知らんが、許さんぞ――」",
"366000522_31": "「我が弟、瞬の心を汚した罪を……!!」"
}

@ -0,0 +1,59 @@
{
"366000611_0": "ペガサスとフェニックスッ!",
"366000611_1": "「目を覚ませ、瞬」",
"366000611_2": "「…………」",
"366000611_3": "「…………」",
"366000611_4": "「…………」",
"366000611_5": "「やはり、何者かに洗脳されているか」",
"366000611_6": "「手荒な手段を取るしかないようだな」",
"366000611_7": "「ま……待て……。\\n あたしも戦う……ッ」",
"366000611_8": "「その必要はない」",
"366000611_9": "「だけど、相手は3人もいるんだぞッ!」",
"366000611_10": "「何人いようと変わらん。\\n この鳳凰の羽ばたきの前には、ただ燃え尽きるのみだ」",
"366000611_11": "「だいたい、そのダメージで何ができる?\\n オレが人を倒すところを黙って見ていろ」",
"366000611_12": "「く……」",
"366000611_13": "「<ruby=ろざんしょうりゅうは>廬山昇龍覇</ruby>!」",
"366000611_14": "「ダイヤモンドダスト!」",
"366000611_15": "「普段のおまえたちならばいざ知らず、操られた状態で放つ\\n 見せかけの技など、鳳翼の羽ばたきつで吹き飛ばしてくれる」",
"366000611_16": "「くう……!?」",
"366000611_17": "「む……!?」",
"366000611_18": "「やはり、技に普段ほどのキレを感じないぞ」",
"366000611_19": "「――!」",
"366000611_20": "「ネビュラチェーン!」",
"366000611_21": "「危ないッ!\\n やっぱり黙って見ているなんて――」",
"366000611_22": "「待て、手出しは無用だと――!」",
"366000611_23": "「できるかよ――ッ!」",
"366000611_24": "「う……」",
"366000611_25": "「――!\\n 鎖だけを狙って攻撃を……」",
"366000611_26": "「おまえ……。先程も、瞬を撃つことをためらっていたな」",
"366000611_27": "「あんたが来るまであいつと一緒に戦ってたんだッ!\\n それにあいつは、身体を張ってあたしを助けてくれた」",
"366000611_28": "「短い付き合いだけど、あたしだってな、\\n あいつを傷つけたくなんかないんだよッ」",
"366000611_29": "「…………」",
"366000611_30": "「だけどだからこそ、洗脳を解いて助けてやりたい。\\n あたしにも手伝わせろ」",
"366000611_31": "「……いいだろう。\\n おまえの名前は」",
"366000611_32": "「雪音クリスだ。覚えとけッ!」",
"366000611_33": "「ダイヤモンドダスト!!」",
"366000611_34": "「く……ッ!\\n とはいえ、厳しい状況に変わりはないか……」",
"366000611_35": "「3人をまとめて倒し気絶させるには、\\n このフェニックス最大の技を放つ必要がある」",
"366000611_36": "「だが、操られているとは言え奴らも武を極めた者だ。\\n そう易々とは隙を作ってくれないだろう。だから――」",
"366000611_37": "「あたしにその隙を無理やり作れってのかッ!?\\n 人使いの荒いやつだなッ」",
"366000611_38": "「できないのならば無理にとは言わん」",
"366000611_39": "「できないとは言ってないだろッ!\\n あのバカのせいで、お膳立てには慣れてんだよ……ッ」",
"366000611_40": "「…………」",
"366000611_41": "「銃弾を防いだくらいでドヤッてんじゃねーッ!\\n ミサイルパーティにご招待だッ」",
"366000611_42": "「許せ、氷河、紫龍、瞬……。\\n 手加減はできん」",
"366000611_43": "「邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主……決して許しはしないぞ。\\n オレに瞬を攻撃させたこと――」",
"366000611_44": "「必ず見つけ出し、八つ裂きにしてくれる!」",
"366000611_45": "「燃えろ、オレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ――!」",
"366000611_46": "(なんだ、この気迫は……ッ!)",
"366000611_47": "(感じる……仲間への想いと、敵への怒りをッ!\\n これが、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>なのか……?)",
"366000611_48": "「期は満ちた。行くぞ!」",
"366000611_49": "「――ッ!\\n ああ、ぶちかませッ」",
"366000611_50": "「<ruby=ほうよくてんしょう>鳳翼天翔</ruby>――!!」",
"366000611_51": "「ぐあああああああ!?」",
"366000611_52": "「に……いさ……ん……?」",
"366000611_53": "「気絶したか……。\\n あんたのおかげで、なんとかなった」",
"366000611_54": "「ああ。だが、戦いはまだ――」",
"366000611_55": "「クリスちゃーんッ!\\n おーいッ」",
"366000611_56": "「――ッ!?\\n この声は……」"
}

@ -0,0 +1,34 @@
{
"366000621_0": "「クリスちゃんクリスちゃんクリスちゃんッ!」",
"366000621_1": "「くっつくなバカッ!」",
"366000621_2": "「とにかく、無事だったんだな。\\n 心配させやがって」",
"366000621_3": "「一輝!」",
"366000621_4": "「星矢か……」",
"366000621_5": "「これは……何があったんだ!?\\n どうして瞬や氷河、紫龍が気絶して……」",
"366000621_6": "「お互い、状況説明が必要みたいだな……」",
"366000621_7": "「――ってことがあったんだよ」",
"366000621_8": "「クリスちゃんも大変だったんだね……」",
"366000621_9": "「一輝も、<ruby=アテナ>女神</ruby>に呼ばれて\\n この世界に来ていたのか」",
"366000621_10": "「それにしても、最初は氷河、それから紫龍、瞬。\\n まさか人も洗脳されるだなんて……」",
"366000621_11": "「それをしたのも、戦士の影を差し向けているのも、\\n 全て<ruby=アテナ>女神</ruby>の言う邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主ということか」",
"366000621_12": "「他者の心を上書きし操る拳、か……」",
"366000621_13": "<size=40>ドドドドドドド――ッ!!</size>",
"366000621_14": "「なんだ――!?」",
"366000621_15": "「外からのようだ!」",
"366000621_16": "「戦士の影が、\\n この宮殿に向かって押し寄せてくる……ッ」",
"366000621_17": "「100や200じゃきかないぞッ!」",
"366000621_18": "「洗脳による同士討ちが失敗に終わったから、\\n あれであたしらを倒そうってハラかッ」",
"366000621_19": "「宮殿の中には倒れたままの瞬たちがいる……!」",
"366000621_20": "「3人を連れて退くにも、\\n こう囲まれてしまっては逃げ場がないな……」",
"366000621_21": "「迎え撃つしかないだろう」",
"366000621_22": "「正面の敵はわたしが対処しよう。おまえたちはそれぞれ、\\n 手に分かれて残りの侵入経路を潰してくれ」",
"366000621_23": "「待ってくれ!\\n それじゃあんたが半分以上を相手することに……」",
"366000621_24": "「心配はいらない」",
"366000621_25": "「おまえたちこそ、敵に後れを取るなよ」",
"366000621_26": "「おまえに言われるまでもない」",
"366000621_27": "「わかった。あんたも気を付けてくれ!」",
"366000621_28": "「わたしたち装者の攻撃は、あいつらに効きにくい……。\\n それでも、精一杯戦うよッ」",
"366000621_29": "「当然だ。それじゃあ、お前はそのままそいつと戦え。\\n 勝手に倒れたら承知しないからな」",
"366000621_30": "「うん。クリスちゃんと一緒にみんなのところに帰るまで\\n 倒れたりしないよ……ッ」",
"366000621_31": "「では行くぞ。宮殿に入り込まれれば、\\n あの人が危険に晒される。ただの人も通すなよ」"
}

@ -0,0 +1,16 @@
{
"366000622_0": "(邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主の正体、もしや――)",
"366000622_1": "「……今は、考えごとをしている場合ではないか。\\n まずは目の前の敵を片付けねばな……」",
"366000622_2": "「ここから先は誰も通さん。\\n <ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>の力、その身に刻み滅ぶがいい!」",
"366000622_3": "「ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>!」",
"366000622_4": "「わたしだってッ!」",
"366000622_5": "「うぐ……ッ!」",
"366000622_6": "「大丈夫か!?」",
"366000622_7": "「あ、ありがとう……ッ!」",
"366000622_8": "(足を引っ張ってどうするんだッ!\\n 人でも多く、敵を倒せ……ッ",
"366000622_9": "「ここは通行止めだッ!」",
"366000622_10": "「くッ、1人倒すのに\\n こんなに時間をかけてられないってのに……」",
"366000622_11": "「<ruby=ほうよくてんしょう>鳳翼天翔</ruby>――!」",
"366000622_12": "「あれが、<ruby=セイント>聖闘士</ruby>の力……」",
"366000622_13": "(あたしにも、こいつらを倒せる力があったなら……ッ!)"
}

@ -0,0 +1,70 @@
{
"366000631_0": "「はあ、はあ……まだだ!」",
"366000631_1": "「まだまだ!\\n ペガサス<ruby=りゅうせいけん>流星拳</ruby>!」",
"366000631_2": "「はあ……はあ……」",
"366000631_3": "「大丈夫ッ!?\\n ごめんね、わたしがもっと戦えたら……ッ」",
"366000631_4": "「仕方ないさ。その分、オレがあいつらを倒す……!」",
"366000631_5": "「まだこんなに……。\\n だけど、ここはオレが護らなくちゃいけないんだ……」",
"366000631_6": "「共に戦う仲間のため、帰りを待つ<ruby=アテナ>女神</ruby>のため、\\n オレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>尽きるまで――!」",
"366000631_7": "「消え去れ!」",
"366000631_8": "「――!?」",
"366000631_9": "「それはあたしがッ!\\n 止まりやがれッ」",
"366000631_10": "「オレとしたことが……く!」",
"366000631_11": "「いくらなんでも無茶な戦い方をしすぎだぞ……ッ!」",
"366000631_12": "「オレの心配などいらん」",
"366000631_13": "「それじゃ、どうするつもりだよッ!?」",
"366000631_14": "「知れたことだ。\\n ――ここで命まで燃やし尽くすのみよ」",
"366000631_15": "「<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>たちの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が弱まっていく……。\\n どうやら限界が近いか……」",
"366000631_16": "(しかし、わたしがここを離れれば、\\n 敵が宮殿内に押し寄せてしまう……",
"366000631_17": "(この状況を覆すには、気絶している<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>たちが\\n 目覚めるか、もしくは――",
"366000631_18": "「――可能性に、賭けるしかないな」",
"366000631_19": "「シンフォギア装者の少女たちよ、\\n おまえたちならば、できるはずだ……」",
"366000631_20": "「う……」",
"366000631_21": "「もう、限界がッ!?」",
"366000631_22": "「はあ……はあ……。\\n く、身体が……動かない……」",
"366000631_23": "「…………」",
"366000631_24": "「<ruby=セイント>聖闘士</ruby>のみんながこんなにボロボロになるまで\\n 戦っているのに、どうしてわたしにはないんだ……」",
"366000631_25": "「みんなを、護り抜くだけの力が……ッ!」",
"366000631_26": "「キミには、その力があるよ……」",
"366000631_27": "「――ッ!」",
"366000631_28": "「だけど、わたしは<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じることが……」",
"366000631_29": "「きっとできる」",
"366000631_30": "「向き合うんだ。自分自身に、何を感じて、何を想うかに」 ",
"366000631_31": "「でも、どうやって……」",
"366000631_32": "「いつもやっていたじゃないか。\\n 熱い想いを、歌に乗せて――」",
"366000631_33": "「――ッ! そうだ、この胸の歌は、わたしそのもの。\\n だったら、歌が湧きあがってくる、心の奥にある物が……ッ」",
"366000631_34": "「く……」",
"366000631_35": "「おい、諦めるなッ!\\n 諦めたら死ぬぞッ」",
"366000631_36": "「おまえは手遅れになる前に逃げろ」",
"366000631_37": "「ばかやろうッ!\\n お前を置いていけるかよッ」",
"366000631_38": "「…………」",
"366000631_39": "「<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じることができないから、\\n おまえはうまく戦うことができないのだったな」",
"366000631_40": "「ならば、おまえも<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やせ」",
"366000631_41": "「あたしが<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を……ッ!?\\n だけど、いくら教えてもらっても分からなかったんだッ」",
"366000631_42": "「最後は自分で感じるしかない」",
"366000631_43": "「わずかでも、瞬やオレの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じたはずだ。\\n おまえの中にも必ずある」",
"366000631_44": "(こいつから感じたもの……。それは、火傷するほど熱い想いッ!\\n それは、あたしら装者の歌に似て……ッ",
"366000631_45": "(敵が迫っている……。だけど、気にするなッ!\\n 今はそんなときじゃない、自分に向き合うんだ",
"366000631_46": "(わたしは……護りたいッ!\\n 護るために戦っているんだッ",
"366000631_47": "<ruby=セイント>聖闘士</ruby>のみんなを、クリスちゃんを、\\n そして目の前の、この人を……ッ",
"366000631_48": "(これがわたしだ。\\n わたしの中に広がるこの宇宙が――ッ",
"366000631_49": "「これは……ペガサスの<ruby=クロス>聖衣</ruby>が光って!?」",
"366000631_50": "(あたしはなんで、唄ってるんだッ!?)",
"366000631_51": "(決まってるッ!\\n あたしの歌は絆だッ",
"366000631_52": "(家族と、みんなと、そしてあのバカとの……ッ!)",
"366000631_53": "(そうだ、こいつらだって、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を燃やすのは\\n いつだって絆を護ろうとするときだった",
"366000631_54": "(ここで新しくできた<ruby=セイント>聖闘士</ruby>との絆。\\n あたしは、それを護るために――ッ",
"366000631_55": "「――!\\n フェニックスの<ruby=クロス>聖衣</ruby>が反応している!?」",
"366000631_56": "「これは――ッ!?」",
"366000631_57": "「響き渡れ……」",
"366000631_58": "「わたしの中の、<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ――ッ!」",
"366000631_59": "「<size=40>うぅうおおおおおおッ!</size>」",
"366000631_60": "「ガングニールが、わたしの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>と\\n ペガサスの<ruby=クロス>聖衣</ruby>に呼応してッ!?」",
"366000631_61": "「ついに……掴んだんだな!」",
"366000631_62": "「できた……あったよ。\\n わたしにも<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>がッ!」",
"366000631_63": "「胸の歌が生まれる、あたしの奥の奥……。\\n 粗削りで、むき出しで――」",
"366000631_64": "「<size=40>これがあたしの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>だッ!</size>」",
"366000631_65": "「その姿は……」",
"366000631_66": "「イチイバルが、<ruby=クロス>聖衣</ruby>の力に反応したのか」",
"366000631_67": "「よーし、ここからが本番だッ!\\n 休憩しながら、燃えてるあたしを御覧じなッ」"
}

@ -0,0 +1,26 @@
{
"366000632_0": "「感じる、クリスちゃんの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>もッ!\\n よーし、それならこっちはわたしがッ」",
"366000632_1": "「わたしの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>はもっと燃えるッ!\\n 熱くなれるッ」",
"366000632_2": "「彼女の拳が、音速を超えて――!」",
"366000632_3": "「貫けええええッ!」",
"366000632_4": "「新たな鳳翼が生まれるとはな……」",
"366000632_5": "「あんたたちのおかげだッ!\\n 今度は、あたしが護る番だぞ」",
"366000632_6": "「できるッ! 全開バーニング中の\\n あたしの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>で――ッ!」",
"366000632_7": "「戻ったか」",
"366000632_8": "「サガさんッ!\\n ありがとうございましたッ」",
"366000632_9": "「いや、敵を退けることができたのは\\n おまえたち人の頑張りのおかげだ」",
"366000632_10": "「特に、土壇場で<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発させた2人のな」",
"366000632_11": "「それは、あんたらのことを見ていたからなんだけどな」",
"366000632_12": "「それより、休憩はもう十分だろう。\\n 瞬たちもじきに目を覚ますはずだ」",
"366000632_13": "「全ての元凶、邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主を探さねば」",
"366000632_14": "「いや、探す必要はない」",
"366000632_15": "「どういうことだ!?」",
"366000632_16": "「――いるのだろう、姿を見せろ!」",
"366000632_17": "「――!?\\n こいつが瞬たちを洗脳した<ruby=セイント>聖闘士</ruby>……」",
"366000632_18": "「黒い、影……ッ!\\n あれ でも――」",
"366000632_19": "「邪悪でバカデカい<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を感じる……。\\n だけど、この感じは――」",
"366000632_20": "「やはりそうだったか……」",
"366000632_21": "「邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主の正体は、\\n もう人のわたしだったのだ」",
"366000632_22": "「…………」",
"366000632_23": "「<size=40>もう1人の、サガさん……ッ!?</size>」"
}

@ -0,0 +1,65 @@
{
"366000711_0": "邪悪な小宇宙の主現るッ!",
"366000711_1": "「邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の主の正体は、\\n もう人のわたしだったのだ」",
"366000711_2": "「もう1人のわたしだと?\\n クックク……」",
"366000711_3": "「オレたちは1つだったのだ。\\n 水臭いことを言ってくれるな……ククククク……」",
"366000711_4": "「……この地で目覚めてから、枷が外れたような\\n 穏やかさを感じていたが……」",
"366000711_5": "「ククク……言ってくれる。\\n オレからすれば、甘さが消えて清々しておるわッ」",
"366000711_6": "「サガさん、この人は……?」",
"366000711_7": "「……この者は、わたし自身……。\\n わたしの邪なる心なのだ」",
"366000711_8": "「ああッ!?\\n 分身でもしたってのかッ」",
"366000711_9": "「ククク……分身とは、実に的確な表現を持ち出したものだな」",
"366000711_10": "「元の世界でのわたしの心には、邪悪なるもう1人の人格が\\n 巣くっていたのだ」",
"366000711_11": "「時には主人格を支配されることもあったが……、\\n このように、対面することなどなかった」",
"366000711_12": "「あくまでも1つの身体に宿った、別の人格であったはずなのだ。\\n それが……なぜ」",
"366000711_13": "「それがこの世界の力だ!\\n 『黄金の枝』に導かれし、オレの望む世界のな」",
"366000711_14": "「『黄金の枝』に導かれた世界だとッ!?」",
"366000711_15": "「な、なぜおまえが『黄金の枝』を……!?」",
"366000711_16": "「探させていたであろう?\\n おまえの側近が嬉しそうに報告に来てくれたわ」",
"366000711_17": "「く、よもや主人格を乗っ取られている間に\\n 発見の報せが届いていたとは……」",
"366000711_18": "「アテナが感じた邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>とは……、\\n おまえのことだったのだな」",
"366000711_19": "「それで!? おまえは何を企んでいる!?\\n どうしてオレ達を襲ったんだ」",
"366000711_20": "「ククク……確かにこの世界はオレが望むものだった」",
"366000711_21": "「オレがオレ自身として、\\n 誰に咎められることなく存在できる世界」",
"366000711_22": "「しかし、所詮は仮初。\\n 時が来れば、この世界は音もなく崩れ去ってしまうのだ」",
"366000711_23": "「だから自暴自棄になったとでも言うのか!?」",
"366000711_24": "「自棄になる必要がどこにある?\\n この世界が崩れる前に、元の世界に戻ればよいだけだ」",
"366000711_25": "「オレの身体から、善人ぶった甘い人格を排除し\\n オレ人の人格を持ったサガとしてな」",
"366000711_26": "「おまえが<ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>に帰るということは、邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を\\n <ruby=サンクチュアリ>聖域</ruby>に放つということと変わらん」",
"366000711_27": "「そんなことさせるか!」",
"366000711_28": "「……待ちたまえ」",
"366000711_29": "「これは、わたしの失策により招かれた事態。\\n ならば、自らの手によって始末をつけるべきだ」",
"366000711_30": "「――ほとばしれ! 我が<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>よ!」",
"366000711_31": "「なんだよ、このとんでもない<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>は……ッ!?」",
"366000711_32": "「さあ、決着をつけよう。\\n 今こそ<ruby=アテナ>女神</ruby>の<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>として、正義を尽くそう!」",
"366000711_33": "「クククッ……流石の<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>だが、ここが、\\n オレの望んだ世界だということを思い知るがいい」",
"366000711_34": "「空気が、震えてる……ッ!!」",
"366000711_35": "「明らかに、悪そうなサガの<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>の方が強大じゃねーかッ!!」",
"366000711_36": "「なんのために<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>のような虫ケラ共を\\n 洗脳までしたと思っているのだ」",
"366000711_37": "「おまえたちが<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を高め、戦えば戦うほど\\n この世界に、邪悪なる<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>は満ちるのだ!!」",
"366000711_38": "「もはや、1人の<ruby=ゴールドセイント>黄金聖闘士</ruby>程度\\n 雑兵と変わらぬわ」",
"366000711_39": "「く……ここまでの力を……!?\\n しかし、引く訳にはいかぬ」",
"366000711_40": "「悲しい程の貧弱さよ。\\n 早々に諦めて、その身体を明け渡すのだ」",
"366000711_41": "「ならば、これならどうだ!\\n ギャラクシアンエクスプロージョン」",
"366000711_42": "「――ギャラクシアンエクスプロージョン!」",
"366000711_43": "「ぐ……」",
"366000711_44": "「クックックック……、\\n そろそろ格の違いというものを思い知ったか」",
"366000711_45": "「安心して消滅するがよい。\\n その身体は、オレが十全に使い尽くしてやろう」",
"366000711_46": "「あたしたちがそんなことをッ!」",
"366000711_47": "「させると思ったかッ!!」",
"366000711_48": "「今のうちにサガさんをッ!!」",
"366000711_49": "「いや!\\n ここで逃がしてもらえるほど甘い相手じゃない」",
"366000711_50": "「おまえたちこそ逃げろ。\\n できればそこで倒れている人の<ruby=ブロンズセイント>青銅聖闘士</ruby>を頼む」",
"366000711_51": "「おまえたちヒヨコは、オレの話が理解できぬのか!?\\n この地で<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>を爆発すればするほど――」",
"366000711_52": "「邪悪な<ruby=コスモ>小宇宙</ruby>が満ち、オレの力が増すと教えてやったと言うのに\\n やはり虫ケラは虫ケラ」",
"366000711_53": "「――滅びよ!\\n ギャラクシアン――」 ",
"366000711_54": "「ま、待て……。\\n わたしは……まだ朽ちては……おらぬ……」",
"366000711_55": "「流石はオレの身体と言う所か。\\n では、希望通り引導を渡してやろう」",
"366000711_56": "「星矢、一輝、皆を頼む!",
"366000711_57": " アナザーディメンション!!」",
"366000711_58": "「フッ……ウワーッハハハハ!」",
"366000711_59": "「まだ偽善を貫くか、まぁ良い! おまえの身体さえ残れば、\\n ヒヨコや虫ケラ共に用などないわ」",
"366000711_60": "「なんだよこれッ!」",
"366000711_61": "「オレたちを逃がすつもりなんだ!」",
"366000711_62": "「そんなのダメだよッ!\\n サガさ――ッ」"
}

Some files were not shown because too many files have changed in this diff Show More