better seperation of custom assets seperation of enabled quests based on language yes i enabled all of the japanese questspull/1/head
@@ -1,30 +1,30 @@ | |||
{ | |||
"201008111_0": "チアガールダンス", | |||
"201008111_1": "「はぁーッ……」", | |||
"201008111_2": "「どうしたんですか?」", | |||
"201008111_3": "「さっきから、ため息ばっかりデス」", | |||
"201008111_4": "「はぁーッ……」", | |||
"201008111_5": "「さっきから、ずっとこんな感じなの」", | |||
"201008111_6": "「体育祭の学年合同種目でチアダンスを\\n やることになったんだけど、それが憂鬱なんだって」", | |||
"201008111_7": "「チアダンス?」", | |||
"201008111_8": "「アタシと響さんも、一緒にやるデス」", | |||
"201008111_9": "「はぁーッ……」", | |||
"201008111_10": "「ため息ばかりこぼしていると、\\n 幸せが逃げていくって言うよ」", | |||
"201008111_11": "「おまえらとチアダンスをやる時点で、\\n 十分に逃げていってるだろう……」", | |||
"201008111_12": "「でも、合同種目は強制参加じゃないはず。\\n どうして参加したんですか?」", | |||
"201008111_13": "「長距離走に出るか、合同種目をやるかの\\n 二者択一だったんだ……」", | |||
"201008111_14": "「そのときは、まだ合同種目でチアダンスをやるって、\\n 決まってなかったからな……。理不尽な話だろう?」", | |||
"201008111_15": "「まあ、決まっていても長距離走とチアじゃ、\\n どっちを選んだかわからないけどな」", | |||
"201008111_16": "「そういえば、調は未来さんと同じチームって聞いてるデス。\\n 合同種目で何をやるんデスか?」", | |||
"201008111_17": "「わたしたちは、学生服を着て応援団をやるよ」", | |||
"201008111_18": "「おおッ! それは格好いいデスッ!\\n 2人の雄姿、楽しみデスねッ!」", | |||
"201008111_19": "「学生服ッ!? チアよりずっとマシじゃねーかッ!\\n あたしもそっちのチームがよかった……」", | |||
"201008111_20": "「でも、もう決まっちゃったんだから、\\n 楽しもうよッ!」", | |||
"201008111_21": "「そうデス、やるなら全力デスッ!\\n アタシも付いてるデスよッ!」", | |||
"201008111_22": "「分かってるよ……」", | |||
"201008111_23": "「そうだッ、訓練が終わったら、さっそく特訓しようよッ!\\n みんなで一緒にッ!」", | |||
"201008111_24": "「訓練の後に特訓ッ!?」", | |||
"201008111_25": "「自信がないなら、特訓して自信をつければいいんだよ。\\n ねッ、やろう、2人ともッ!」", | |||
"201008111_26": "「王道的展開デスねッ、やってやるデスッ!」", | |||
"201008111_27": "「展開早いにもほどがあるだろうッ!」" | |||
{ | |||
"201008111_0": "チアガールダンス", | |||
"201008111_1": "「はぁーッ……」", | |||
"201008111_2": "「どうしたんですか?」", | |||
"201008111_3": "「さっきから、ため息ばっかりデス」", | |||
"201008111_4": "「はぁーッ……」", | |||
"201008111_5": "「さっきから、ずっとこんな感じなの」", | |||
"201008111_6": "「体育祭の学年合同種目でチアダンスを\\n やることになったんだけど、それが憂鬱なんだって」", | |||
"201008111_7": "「チアダンス?」", | |||
"201008111_8": "「アタシと響さんも、一緒にやるデス」", | |||
"201008111_9": "「はぁーッ……」", | |||
"201008111_10": "「ため息ばかりこぼしていると、\\n 幸せが逃げていくって言うよ」", | |||
"201008111_11": "「おまえらとチアダンスをやる時点で、\\n 十分に逃げていってるだろう……」", | |||
"201008111_12": "「でも、合同種目は強制参加じゃないはず。\\n どうして参加したんですか?」", | |||
"201008111_13": "「長距離走に出るか、合同種目をやるかの\\n 二者択一だったんだ……」", | |||
"201008111_14": "「そのときは、まだ合同種目でチアダンスをやるって、\\n 決まってなかったからな……。理不尽な話だろう?」", | |||
"201008111_15": "「まあ、決まっていても長距離走とチアじゃ、\\n どっちを選んだかわからないけどな」", | |||
"201008111_16": "「そういえば、調は未来さんと同じチームって聞いてるデス。\\n 合同種目で何をやるんデスか?」", | |||
"201008111_17": "「わたしたちは、学生服を着て応援団をやるよ」", | |||
"201008111_18": "「おおッ! それは格好いいデスッ!\\n 2人の雄姿、楽しみデスねッ!」", | |||
"201008111_19": "「学生服ッ!? チアよりずっとマシじゃねーかッ!\\n あたしもそっちのチームがよかった……」", | |||
"201008111_20": "「でも、もう決まっちゃったんだから、\\n 楽しもうよッ!」", | |||
"201008111_21": "「そうデス、やるなら全力デスッ!\\n アタシも付いてるデスよッ!」", | |||
"201008111_22": "「分かってるよ……」", | |||
"201008111_23": "「そうだッ、訓練が終わったら、さっそく特訓しようよッ!\\n みんなで一緒にッ!」", | |||
"201008111_24": "「訓練の後に特訓ッ!?」", | |||
"201008111_25": "「自信がないなら、特訓して自信をつければいいんだよ。\\n ねッ、やろう、2人ともッ!」", | |||
"201008111_26": "「王道的展開デスねッ、やってやるデスッ!」", | |||
"201008111_27": "「展開早いにもほどがあるだろうッ!」" | |||
} |
@@ -1,51 +1,51 @@ | |||
{ | |||
"201008112_0": "「じゃあ、チアダンスの特訓を始めるよッ!」", | |||
"201008112_1": "「どっからでも、かかってくるデスッ!」", | |||
"201008112_2": "「なんで訓練の後に、\\n ここで特訓しないといけないんだ……」", | |||
"201008112_3": "「それはクリスちゃんが、\\n 学院で特訓するのは恥ずかしいって言うから……」", | |||
"201008112_4": "「わざわざ司令にかけあって、\\n このトレーニングルームの使用許可をもらったんデスよ」", | |||
"201008112_5": "「あーもうッ、わかったよッ!\\n 特訓でもなんでもやってやるッ!」", | |||
"201008112_6": "「うんッ、気合いを入れていこう」", | |||
"201008112_7": "「いち、にーッ! いち、にーッ!」", | |||
"201008112_8": "「デス、デースッ!」", | |||
"201008112_9": "「はッ、はぁッ……」", | |||
"201008112_10": "「クリスちゃん、ターンが遅れてるよッ!」", | |||
"201008112_11": "「あ、ああ」", | |||
"201008112_12": "「まだジャンプは早いデスッ!」", | |||
"201008112_13": "「悪い、そうだったッ!」", | |||
"201008112_14": "「はあッ、……はあッ……」", | |||
"201008112_15": "「スポーツドリンク、貰ってきたよ。\\n 2人とも、水分もきちんと取らないとねッ!」", | |||
"201008112_16": "「助かるデスッ!」", | |||
"201008112_17": "「ああ、悪いな……ッ、んぐッ……<speed=0.5>、</speed>……はぁーッ!\\n い、生き返る……」", | |||
"201008112_18": "「最初の頃と比べたら、\\n 見違えるほどよくなってきたよ」", | |||
"201008112_19": "「そ、そうか?\\n まあ、そうでなきゃ困るんだけどな……」", | |||
"201008112_20": "「さすがクリス先輩、飲み込みが早いデス」", | |||
"201008112_21": "「この分なら、あとひと息で\\n チアダンスをマスターできるはずデス」", | |||
"201008112_22": "「へへッ。\\n あんまり、お前たちに迷惑をかけられないからな」", | |||
"201008112_23": "「じゃあそろそろ、特訓を再開しようかッ!」", | |||
"201008112_24": "「ぶッ!\\n 今日はもう、終わりの流れじゃないのかッ!?」", | |||
"201008112_25": "「体が冷える前に始めるデス」", | |||
"201008112_26": "「待て待てッ!\\n 本番前に体が壊れちまうッ」", | |||
"201008112_27": "「大丈夫ッ!\\n これくらいじゃ壊れないよッ!」", | |||
"201008112_28": "「そうデスッ!\\n やっと体が温まってきたところじゃないデスか」", | |||
"201008112_29": "「これだから、体力バカはッ!」", | |||
"201008112_30": "「さあ、いよいよ本番ッ!」", | |||
"201008112_31": "「なんだ、このコスチュームはッ!?\\n こんな格好するなんて、聞いてないッ!」", | |||
"201008112_32": "「なんだって言われても……。\\n チアダンスの時は、みんなこの格好だよ?」", | |||
"201008112_33": "「お、お前は恥ずかしくないのか?」", | |||
"201008112_34": "「恥ずかしくなんてないよ。こんなにかわいいのに」", | |||
"201008112_35": "「そうデスッ!\\n 今さら泣き言なんて漢らしくないデスッ!」", | |||
"201008112_36": "「あたしは女だッ!」", | |||
"201008112_37": "「ああッ! そうこうしているうちに得点が……。\\n 応援する前から、大ピンチデスッ!」", | |||
"201008112_38": "「今こそ、アタシたちチアガールズの出番なのデスッ!」", | |||
"201008112_39": "「そうだね。みんなを応援して、大逆転を目指そうよッ!」", | |||
"201008112_40": "「さあ、一緒にチアスピリッツを見せつけてやるデスッ!」", | |||
"201008112_41": "「わーったよッ、こうなりゃヤケだ……ッ!」", | |||
"201008112_42": "「いくよッ!」", | |||
"201008112_43": "「Yeah!」", | |||
"201008112_44": "「あたしだって、無駄に特訓をしたわけじゃないからなッ!」", | |||
"201008112_45": "(くそッ、コスチュームがヒラヒラして……、\\n 集中できねえッ!)", | |||
"201008112_46": "「特訓の時のように動けてないよッ!\\n もっと胸をはってッ!」", | |||
"201008112_47": "「体が縮こまってるデス。\\n もっとダイナミックに動くデスッ!」", | |||
"201008112_48": "<size=40>「もう、どうにでもなりやがれッ!」</size>" | |||
{ | |||
"201008112_0": "「じゃあ、チアダンスの特訓を始めるよッ!」", | |||
"201008112_1": "「どっからでも、かかってくるデスッ!」", | |||
"201008112_2": "「なんで訓練の後に、\\n ここで特訓しないといけないんだ……」", | |||
"201008112_3": "「それはクリスちゃんが、\\n 学院で特訓するのは恥ずかしいって言うから……」", | |||
"201008112_4": "「わざわざ司令にかけあって、\\n このトレーニングルームの使用許可をもらったんデスよ」", | |||
"201008112_5": "「あーもうッ、わかったよッ!\\n 特訓でもなんでもやってやるッ!」", | |||
"201008112_6": "「うんッ、気合いを入れていこう」", | |||
"201008112_7": "「いち、にーッ! いち、にーッ!」", | |||
"201008112_8": "「デス、デースッ!」", | |||
"201008112_9": "「はッ、はぁッ……」", | |||
"201008112_10": "「クリスちゃん、ターンが遅れてるよッ!」", | |||
"201008112_11": "「あ、ああ」", | |||
"201008112_12": "「まだジャンプは早いデスッ!」", | |||
"201008112_13": "「悪い、そうだったッ!」", | |||
"201008112_14": "「はあッ、……はあッ……」", | |||
"201008112_15": "「スポーツドリンク、貰ってきたよ。\\n 2人とも、水分もきちんと取らないとねッ!」", | |||
"201008112_16": "「助かるデスッ!」", | |||
"201008112_17": "「ああ、悪いな……ッ、んぐッ……<speed=0.5>、</speed>……はぁーッ!\\n い、生き返る……」", | |||
"201008112_18": "「最初の頃と比べたら、\\n 見違えるほどよくなってきたよ」", | |||
"201008112_19": "「そ、そうか?\\n まあ、そうでなきゃ困るんだけどな……」", | |||
"201008112_20": "「さすがクリス先輩、飲み込みが早いデス」", | |||
"201008112_21": "「この分なら、あとひと息で\\n チアダンスをマスターできるはずデス」", | |||
"201008112_22": "「へへッ。\\n あんまり、お前たちに迷惑をかけられないからな」", | |||
"201008112_23": "「じゃあそろそろ、特訓を再開しようかッ!」", | |||
"201008112_24": "「ぶッ!\\n 今日はもう、終わりの流れじゃないのかッ!?」", | |||
"201008112_25": "「体が冷える前に始めるデス」", | |||
"201008112_26": "「待て待てッ!\\n 本番前に体が壊れちまうッ」", | |||
"201008112_27": "「大丈夫ッ!\\n これくらいじゃ壊れないよッ!」", | |||
"201008112_28": "「そうデスッ!\\n やっと体が温まってきたところじゃないデスか」", | |||
"201008112_29": "「これだから、体力バカはッ!」", | |||
"201008112_30": "「さあ、いよいよ本番ッ!」", | |||
"201008112_31": "「なんだ、このコスチュームはッ!?\\n こんな格好するなんて、聞いてないッ!」", | |||
"201008112_32": "「なんだって言われても……。\\n チアダンスの時は、みんなこの格好だよ?」", | |||
"201008112_33": "「お、お前は恥ずかしくないのか?」", | |||
"201008112_34": "「恥ずかしくなんてないよ。こんなにかわいいのに」", | |||
"201008112_35": "「そうデスッ!\\n 今さら泣き言なんて漢らしくないデスッ!」", | |||
"201008112_36": "「あたしは女だッ!」", | |||
"201008112_37": "「ああッ! そうこうしているうちに得点が……。\\n 応援する前から、大ピンチデスッ!」", | |||
"201008112_38": "「今こそ、アタシたちチアガールズの出番なのデスッ!」", | |||
"201008112_39": "「そうだね。みんなを応援して、大逆転を目指そうよッ!」", | |||
"201008112_40": "「さあ、一緒にチアスピリッツを見せつけてやるデスッ!」", | |||
"201008112_41": "「わーったよッ、こうなりゃヤケだ……ッ!」", | |||
"201008112_42": "「いくよッ!」", | |||
"201008112_43": "「Yeah!」", | |||
"201008112_44": "「あたしだって、無駄に特訓をしたわけじゃないからなッ!」", | |||
"201008112_45": "(くそッ、コスチュームがヒラヒラして……、\\n 集中できねえッ!)", | |||
"201008112_46": "「特訓の時のように動けてないよッ!\\n もっと胸をはってッ!」", | |||
"201008112_47": "「体が縮こまってるデス。\\n もっとダイナミックに動くデスッ!」", | |||
"201008112_48": "<size=40>「もう、どうにでもなりやがれッ!」</size>" | |||
} |
@@ -1,191 +1,191 @@ | |||
{ | |||
"201008211_0": "奏のバースデー2018", | |||
"201008211_1": "「ん……、あー……。\\n ふぁ~、結構寝たな――」", | |||
"201008211_2": "「さーて、今日はどう過ごそうか……。\\n なんせ仕事も任務の予定も今の所無し。久方ぶりの完全オフだ」", | |||
"201008211_3": "「外は晴天、か。平和だね……。\\n 向こうの翼たちと一緒に戦ったのが嘘みたいだ」", | |||
"201008211_4": "「あたしたちが護った、戦いの先に見えてきた景色――。\\n 今頃、翼も同じ景色を見ているのかもしれない」", | |||
"201008211_5": "「……こうして何もないってのも、いいことだなッ!」", | |||
"201008211_6": "「邪魔するよ」", | |||
"201008211_7": "「奏じゃないか。どうした?」", | |||
"201008211_8": "「久々のオフなんだ。\\n ちょっと暇を持て余しててね」", | |||
"201008211_9": "「だからって、こーんな色気ない所に来てどうするの」", | |||
"201008211_10": "「年頃の乙女なんだから、もっと行く所があるでしょ?\\n 何かやりたいことはないの?」", | |||
"201008211_11": "「やりたいこと、ねえ……。そう言われてもなあ」", | |||
"201008211_12": "(あたしのやりたいことも楽しいことも、\\n 今は全部あの風景の中にある――)", | |||
"201008211_13": "(あとは歌――、それから……)", | |||
"201008211_14": "「あ……」", | |||
"201008211_15": "「あら~?\\n 何かチラッと浮かんじゃったようね?」", | |||
"201008211_16": "「あーあ。お見通しってわけか。\\n やりたいことっていうのも、少し違う気がするけどね」", | |||
"201008211_17": "「翼のことか?」", | |||
"201008211_18": "「まあね。そりゃ会いには行きたいけど、\\n こっちはそれで大丈夫なのか?」", | |||
"201008211_19": "「今日くらい自分がやりたいことをやりなさい」", | |||
"201008211_20": "「いいのか?」", | |||
"201008211_21": "「ああ。\\n 後のことはまかせて、安心して行ってこい」", | |||
"201008211_22": "「そうよ。『こんな日』くらい、ね?」", | |||
"201008211_23": "「こんな日?」", | |||
"201008211_24": "「……なんでもないわ」", | |||
"201008211_25": "「じゃあ、お言葉に甘えて行ってくるよ。\\n 2人とも、ありがとなッ!」", | |||
"201008211_26": "「フフッ。今日はいい日になりそうね」", | |||
"201008211_27": "「ああ」", | |||
"201008211_28": "「さてと、とりあえず翼を探すとするか。\\n こうなったら、今日はとことん楽しんでやる」", | |||
"201008211_29": "「やりたいことってのはまだ決まらないけど、\\n 2人一緒なら、なんだって楽しいはずさッ!」", | |||
"201008211_30": "「ええっと、飾り付けの材料はこれで全部だね。\\n 早くパーティ会場へ持って行かないとッ!」", | |||
"201008211_31": "「飾りつけひとつに、朝からヘンテコ舞いデスッ!」", | |||
"201008211_32": "「切ちゃん、ヘンテコじゃなくて、てんてこ舞いだよ」", | |||
"201008211_33": "「やあ。今日はやけに忙しそうにしてるんだな?」", | |||
"201008211_34": "「そうなんですよ。準備が結構大変で……」", | |||
"201008211_35": "「って、奏さんッ!? もう来ちゃったんですか?\\n まだ誰も呼びに行ってないのにッ!?」", | |||
"201008211_36": "「もう? 呼びにって、あたしをかい?」", | |||
"201008211_37": "「響さん、それを言うのはまずいデス……。\\n サプライズが企画倒れしてしまうデス」", | |||
"201008211_38": "「切ちゃん、それも言ったらダメなやつだよ」", | |||
"201008211_39": "「いいよ、なーんにも聞いてなかったからさ。\\n ところで、そのサプライズってのは翼も一緒なのかい?」", | |||
"201008211_40": "「そ、それは……。\\n って、やっぱり聞こえてたんじゃないデスか」", | |||
"201008211_41": "「――奏ッ!? ど、どうしてッ!?」", | |||
"201008211_42": "「翼ッ! よかった、探す手間が省けたよ」", | |||
"201008211_43": "「久々のオフだから、翼と一緒に過ごそうと思ってね。\\n 今来たとこなんだ」", | |||
"201008211_44": "「……そ、そう」", | |||
"201008211_45": "「ん? どうして目をそらすのさ」 ", | |||
"201008211_46": "「それが、その……」", | |||
"201008211_47": "(なんだ? みんな、今日はやけに歯切れが悪いなあ……)", | |||
"201008211_48": "「翼さん、そっちは順調ですか?」", | |||
"201008211_49": "「い、いや、まだ上手くいってない。\\n 悔しいことに、成果があがらなくてな……」", | |||
"201008211_50": "「何かあったのか? なら、話してごらんよ。\\n あたしでよければ力になるからさ」", | |||
"201008211_51": "「い、いいの……、\\n これはわたしが乗り越えるべきことだからッ!」", | |||
"201008211_52": "「そ、それじゃッ!」", | |||
"201008211_53": "「……何か悩んでいるみたいだったけど、\\n 仕事で何かあったのか?」", | |||
"201008211_54": "「えッ<speed=0.5>?</speed> あ、そ、そうみたいですねー<speed=0.5>、</speed>アハハ……」", | |||
"201008211_55": "「そっか……。まあ、翼が自分で頑張るって言ったんだ。\\n 心配するより信じて応援してやらなきゃな」", | |||
"201008211_56": "「奏さん……」", | |||
"201008211_57": "「とはいえ、あんな顔見せられたんじゃなあ。\\n なんとか翼を笑顔にしてやりたいな」", | |||
"201008211_58": "(そうか。あたしがやりたいこと――、\\n それって、翼と一緒に笑うことだったんだッ!)", | |||
"201008211_59": "「……」", | |||
"201008211_60": "「今のうちに……、ちゃっちゃと準備に向かうデスッ!」", | |||
"201008211_61": "「でも、このまま今日の主役を放っておくのは……」", | |||
"201008211_62": "「わかりました、奏さん」", | |||
"201008211_63": "「みんなでパーッとやりましょうッ!\\n 翼さんを元気づける、サプライズパーティをッ!」", | |||
"201008211_64": "「うん?」", | |||
"201008211_65": "「ええええッ!?」", | |||
"201008211_66": "「……よし。これで買い出しはばっちり。\\n ありがとう、クリス」", | |||
"201008211_67": "「なんのことだ?」", | |||
"201008211_68": "「飲み物で重たい方の袋、持ってくれてたから」", | |||
"201008211_69": "「た、たまたま持った方の袋が重かっただけだッ!」", | |||
"201008211_70": "「でも、準備がまだ残ってるってのに、\\n あいつらどこで油売ってるんだ?」", | |||
"201008211_71": "「それが今、響から連絡があったんだけど、\\n なんだか、おかしなことになってるみたい……」", | |||
"201008211_72": "「おかしなこと?」", | |||
"201008211_73": "「それが――」", | |||
"201008211_74": "「ただいまーッ!」", | |||
"201008211_75": "「ああ、遅かったな。\\n ちゃんとパーティに必要なものを回収して――」", | |||
"201008211_76": "「よっ、久しぶり。手伝いに来たよ」", | |||
"201008211_77": "「うわあッ!?\\n 手伝いって……、なにがどうなってんだッ!?」", | |||
"201008211_78": "「いやー、色々あってー……」", | |||
"201008211_79": "「ちょ、ちょっとこいッ!」", | |||
"201008211_80": "「ええッ!? ひ、引っ張らないでーッ!」", | |||
"201008211_81": "「どこの世界にサプライズバースデーパーティの主役に\\n 準備を手伝わせるやつがいるんだよッ!?」", | |||
"201008211_82": "「えっと……ここに?」", | |||
"201008211_83": "「サプライズが台無しだろッ!」", | |||
"201008211_84": "「それなら大丈夫です」", | |||
"201008211_85": "「サプライズが形を変えて、\\n サプライズ第2形態のまま進行中なんデス」", | |||
"201008211_86": "「……どういうことだ?」", | |||
"201008211_87": "「実は――」", | |||
"201008211_88": "「あたしが言うのも変かもしれないけど、\\n みんな、翼のこと考えてくれてありがとな」", | |||
"201008211_89": "「え?」", | |||
"201008211_90": "「聞いたよ。これは翼を励ますためのパーティなんだろ?\\n びっくりするだろうなあ、翼のやつ……フフ」", | |||
"201008211_91": "(ああ、そう誤魔化したんだ……)", | |||
"201008211_92": "「どうしたんだい?」", | |||
"201008211_93": "「いえ……、そうですね。\\n 翼さんのために頑張りましょうッ!」", | |||
"201008211_94": "(それもある意味、間違いじゃないよね……)", | |||
"201008211_95": "「……よし。\\n ジャガイモの皮むき、いっちょ上がりッ!」", | |||
"201008211_96": "「こういうのは久しぶりだよ。\\n 誰かに食べてもらうための料理ってさ、なんかいいよな」", | |||
"201008211_97": "「フフ」", | |||
"201008211_98": "「って、笑うところかい?」", | |||
"201008211_99": "「ごめんなさい。\\n 奏さんがあんまり楽しそうだったから、つい……」", | |||
"201008211_100": "「なんだい、そりゃ?」", | |||
"201008211_101": "(奏さん、本当に翼さんのことが好きなんだなぁ……)", | |||
"201008211_102": "「それで、こっちの材料はどうするんだ?」", | |||
"201008211_103": "「あ、わるいですよ、そんな……」", | |||
"201008211_104": "「仕上げはわたしたちに任せてください」", | |||
"201008211_105": "「そうかい?\\n それじゃあ飾り付けの応援にでも行ってこようかな」", | |||
"201008211_106": "「……あー、その飾り、もうちょっと右上じゃないのか?」", | |||
"201008211_107": "「っと、じゃあ……、この辺かな?」", | |||
"201008211_108": "「それじゃ行き過ぎだ。もうちょっと左の……、\\n って、あたしが自分でやった方が早いか」", | |||
"201008211_109": "「じゃあ、お願いッ!」", | |||
"201008211_110": "「ああ。配色的に、ここに飾った方が……、\\n バランスが……<speed=0.5>、</speed>んん……ッ、た<speed=0.5>、</speed>高い……」", | |||
"201008211_111": "「……全然届いてないデス」", | |||
"201008211_112": "「これを上にか。よっと……、この辺でいいかい?」", | |||
"201008211_113": "「あ、ああ。\\n ……悪いな手伝わせて」", | |||
"201008211_114": "「お安い御用だ。他にもなにかあるかい?」", | |||
"201008211_115": "(あっても言えるわけないだろうッ!)", | |||
"201008211_116": "「それじゃ、次はこっちを――」", | |||
"201008211_117": "「ヘルプデスッ!\\n 猫の手も借りたいくらいデスよッ!」", | |||
"201008211_118": "(おまえら少しは遠慮しろ――ッ!)", | |||
"201008211_119": "「アハハッ、まかせとけッ!」", | |||
"201008211_120": "「今日の奏さん、すごく楽しそう。\\n これも響が機転を利かせてくれたおかげだね」", | |||
"201008211_121": "「しかし、よくこんな大胆なこと思いついたよな」", | |||
"201008211_122": "「さっき奏さんが言ってたんだ。\\n 『翼さんを笑顔にしたい』って」", | |||
"201008211_123": "「だったら一緒に、その願いを叶えられたらいいなって」", | |||
"201008211_124": "「確かに、先輩が喜ぶ姿は目に見えてるしな」", | |||
"201008211_125": "「それに好きな人のために何かできるって、とっても楽しいもの」", | |||
"201008211_126": "「ふう……。なんとか会場が形になったデス」", | |||
"201008211_127": "「お料理の盛り付けも完成したよ」", | |||
"201008211_128": "「みんなお疲れ様。しかし、見事なもんだね。\\n 気合いの入った手料理に飾り付け――」", | |||
"201008211_129": "「これでケーキでもあれば、\\n まるで誰かのバースデーパーティだ」", | |||
"201008211_130": "「そ、そうですね……」", | |||
"201008211_131": "(本当にいい仲間を持ったね、翼。\\n みんな、翼のことを想ってくれるいい子ばかりだ)", | |||
"201008211_132": "(ちょっと妬けちゃうくらい――、なーんてなッ!)", | |||
"201008211_133": "「さあて、あとは主役の到着を待つだけ、か。\\n サプライズってさ、仕掛ける方もソワソワするな……」", | |||
"201008211_134": "「ま、まったくもってその通りデスッ!」", | |||
"201008211_135": "「それで、ここからどう誤魔化すつもりなんだ?」", | |||
"201008211_136": "「そ、それは……」", | |||
"201008211_137": "「まさか……、考えてなかったのかッ!?」", | |||
"201008211_138": "「あのッ! 今、マリアから連絡があって――、\\n 翼さんと一緒に、もうすぐここに着くそうです」", | |||
"201008211_139": "「ええええッ!?」", | |||
"201008211_140": "(どうしよう……。翼さんと奏さん――、\\n 2人ともサプライズを楽しんでもらうには……)", | |||
"201008211_141": "「ハハッ、仕掛ける方がなんて顔してるのさ」", | |||
"201008211_142": "「あたしが時間を稼ぐから、\\n その間にいい作戦考えといてくれよッ!」", | |||
"201008211_143": "「あッ、奏さんッ!」", | |||
"201008211_144": "「お疲れさま、お2人さんッ!」", | |||
"201008211_145": "「奏……<speed=0.5>。</speed>\\n わたし、その……」", | |||
"201008211_146": "「ここで逃げてもどうにもならないわよ?」", | |||
"201008211_147": "「しかし……」", | |||
"201008211_148": "「はあ……。\\n やっぱり、1人じゃ荷が重すぎたのかしら……」", | |||
"201008211_149": "(荷が重いって……?\\n まさか、悩みって危険な任務か何かなのか?)", | |||
"201008211_150": "「確かにわたしは……、\\n ただ斬ることくらいしか満足にできなかった」", | |||
"201008211_151": "「割り入れてかき回すだけならいざ知らず、\\n 仕上げにああもてこずるなんて……」", | |||
"201008211_152": "(敵陣に切り込んで掻きまわし、トドメまでッ!?\\n そんな過酷な任務を1人で……ッ!)", | |||
"201008211_153": "「それでも、これだけはどうしても、\\n わたし1人でやりきりたかったんだッ!」", | |||
"201008211_154": "「……強がるのもいい加減にしろッ!」", | |||
"201008211_155": "「え?」", | |||
"201008211_156": "「……奏?」", | |||
"201008211_157": "「翼には、翼を想ってくれる仲間がいるんだ。\\n 自分1人で戦おうとするな、少しは頼れッ!」", | |||
"201008211_158": "「戦うって……、さっきからなんのこと……?」", | |||
"201008211_159": "「ん? だって、仕上げにてこずったって……」", | |||
"201008211_160": "「そう。仕上げに使うチョコの扱いが、なかなか難しくて……」", | |||
"201008211_161": "「……ち、ちょこ……?」", | |||
"201008211_162": "「実は、これをどうしても奏に食べてもらいたくて。\\n 頑張って作ってみたんだけど……」", | |||
"201008211_163": "「……あたしに、……ケーキだってッ!?\\n じゃあまさか、サプライズってのは――」", | |||
"201008211_164": "「よし、やるなら今だッ!」", | |||
"201008211_165": "「みんな、いくよッ!」", | |||
"201008211_166": "「奏……ッ!」", | |||
"201008211_167": "「誕生日おめでとうッ!」", | |||
"201008211_168": "「……」", | |||
"201008211_169": "「……ぷッ、ハハッ!」", | |||
"201008211_170": "「アハハハッ!\\n てこずったって、ケーキのことだったのか」", | |||
"201008211_171": "「わあ……、すごい素敵に仕上がってるじゃないですかッ!」", | |||
"201008211_172": "「わたしもそう言ったんだけれど、翼の理想が高すぎるのよ」", | |||
"201008211_173": "「なあ、この絵ってもしかして……」", | |||
"201008211_174": "「……奏だよ」", | |||
"201008211_175": "「アハハハハッ!」", | |||
"201008211_176": "「もう……、確かに少し不格好かもしれないけど、\\n そんなに笑わなくても……」", | |||
"201008211_177": "「じゃなくてさ、浮かない顔して何やってるかと思えば、\\n 隠れてこんな可愛いことしてくれてたんだなー、ってね」", | |||
"201008211_178": "「いいケーキじゃないか。あたしは好きだよ」", | |||
"201008211_179": "「奏……」", | |||
"201008211_180": "「ありがとう。あたしのために頑張ってくれてたんだな。\\n 翼の想い、たくさん伝わってくるよ」", | |||
"201008211_181": "「……うんッ! 気持ちは十分すぎるくらい詰まってる。\\n それだけは、どんなお菓子職人にも負けないくらいッ!」", | |||
"201008211_182": "「アハハッ! 見てくれ、やっと翼が笑ってくれたッ!」", | |||
"201008211_183": "「えッ!?」", | |||
"201008211_184": "「ほんとだ。これで奏さんのサプライズも成功ですねッ!」", | |||
"201008211_185": "「ああ。みんなも、ありがとう。\\n 今日はたくさんいいものを貰っちゃったな」", | |||
"201008211_186": "「なんの話なの?」", | |||
"201008211_187": "「やだね。翼には教えてやんないッ!」", | |||
"201008211_188": "「もう……。\\n 1つ歳をとっても、奏はわたしに意地悪だ」" | |||
{ | |||
"201008211_0": "奏のバースデー2018", | |||
"201008211_1": "「ん……、あー……。\\n ふぁ~、結構寝たな――」", | |||
"201008211_2": "「さーて、今日はどう過ごそうか……。\\n なんせ仕事も任務の予定も今の所無し。久方ぶりの完全オフだ」", | |||
"201008211_3": "「外は晴天、か。平和だね……。\\n 向こうの翼たちと一緒に戦ったのが嘘みたいだ」", | |||
"201008211_4": "「あたしたちが護った、戦いの先に見えてきた景色――。\\n 今頃、翼も同じ景色を見ているのかもしれない」", | |||
"201008211_5": "「……こうして何もないってのも、いいことだなッ!」", | |||
"201008211_6": "「邪魔するよ」", | |||
"201008211_7": "「奏じゃないか。どうした?」", | |||
"201008211_8": "「久々のオフなんだ。\\n ちょっと暇を持て余しててね」", | |||
"201008211_9": "「だからって、こーんな色気ない所に来てどうするの」", | |||
"201008211_10": "「年頃の乙女なんだから、もっと行く所があるでしょ?\\n 何かやりたいことはないの?」", | |||
"201008211_11": "「やりたいこと、ねえ……。そう言われてもなあ」", | |||
"201008211_12": "(あたしのやりたいことも楽しいことも、\\n 今は全部あの風景の中にある――)", | |||
"201008211_13": "(あとは歌――、それから……)", | |||
"201008211_14": "「あ……」", | |||
"201008211_15": "「あら~?\\n 何かチラッと浮かんじゃったようね?」", | |||
"201008211_16": "「あーあ。お見通しってわけか。\\n やりたいことっていうのも、少し違う気がするけどね」", | |||
"201008211_17": "「翼のことか?」", | |||
"201008211_18": "「まあね。そりゃ会いには行きたいけど、\\n こっちはそれで大丈夫なのか?」", | |||
"201008211_19": "「今日くらい自分がやりたいことをやりなさい」", | |||
"201008211_20": "「いいのか?」", | |||
"201008211_21": "「ああ。\\n 後のことはまかせて、安心して行ってこい」", | |||
"201008211_22": "「そうよ。『こんな日』くらい、ね?」", | |||
"201008211_23": "「こんな日?」", | |||
"201008211_24": "「……なんでもないわ」", | |||
"201008211_25": "「じゃあ、お言葉に甘えて行ってくるよ。\\n 2人とも、ありがとなッ!」", | |||
"201008211_26": "「フフッ。今日はいい日になりそうね」", | |||
"201008211_27": "「ああ」", | |||
"201008211_28": "「さてと、とりあえず翼を探すとするか。\\n こうなったら、今日はとことん楽しんでやる」", | |||
"201008211_29": "「やりたいことってのはまだ決まらないけど、\\n 2人一緒なら、なんだって楽しいはずさッ!」", | |||
"201008211_30": "「ええっと、飾り付けの材料はこれで全部だね。\\n 早くパーティ会場へ持って行かないとッ!」", | |||
"201008211_31": "「飾りつけひとつに、朝からヘンテコ舞いデスッ!」", | |||
"201008211_32": "「切ちゃん、ヘンテコじゃなくて、てんてこ舞いだよ」", | |||
"201008211_33": "「やあ。今日はやけに忙しそうにしてるんだな?」", | |||
"201008211_34": "「そうなんですよ。準備が結構大変で……」", | |||
"201008211_35": "「って、奏さんッ!? もう来ちゃったんですか?\\n まだ誰も呼びに行ってないのにッ!?」", | |||
"201008211_36": "「もう? 呼びにって、あたしをかい?」", | |||
"201008211_37": "「響さん、それを言うのはまずいデス……。\\n サプライズが企画倒れしてしまうデス」", | |||
"201008211_38": "「切ちゃん、それも言ったらダメなやつだよ」", | |||
"201008211_39": "「いいよ、なーんにも聞いてなかったからさ。\\n ところで、そのサプライズってのは翼も一緒なのかい?」", | |||
"201008211_40": "「そ、それは……。\\n って、やっぱり聞こえてたんじゃないデスか」", | |||
"201008211_41": "「――奏ッ!? ど、どうしてッ!?」", | |||
"201008211_42": "「翼ッ! よかった、探す手間が省けたよ」", | |||
"201008211_43": "「久々のオフだから、翼と一緒に過ごそうと思ってね。\\n 今来たとこなんだ」", | |||
"201008211_44": "「……そ、そう」", | |||
"201008211_45": "「ん? どうして目をそらすのさ」 ", | |||
"201008211_46": "「それが、その……」", | |||
"201008211_47": "(なんだ? みんな、今日はやけに歯切れが悪いなあ……)", | |||
"201008211_48": "「翼さん、そっちは順調ですか?」", | |||
"201008211_49": "「い、いや、まだ上手くいってない。\\n 悔しいことに、成果があがらなくてな……」", | |||
"201008211_50": "「何かあったのか? なら、話してごらんよ。\\n あたしでよければ力になるからさ」", | |||
"201008211_51": "「い、いいの……、\\n これはわたしが乗り越えるべきことだからッ!」", | |||
"201008211_52": "「そ、それじゃッ!」", | |||
"201008211_53": "「……何か悩んでいるみたいだったけど、\\n 仕事で何かあったのか?」", | |||
"201008211_54": "「えッ<speed=0.5>?</speed> あ、そ、そうみたいですねー<speed=0.5>、</speed>アハハ……」", | |||
"201008211_55": "「そっか……。まあ、翼が自分で頑張るって言ったんだ。\\n 心配するより信じて応援してやらなきゃな」", | |||
"201008211_56": "「奏さん……」", | |||
"201008211_57": "「とはいえ、あんな顔見せられたんじゃなあ。\\n なんとか翼を笑顔にしてやりたいな」", | |||
"201008211_58": "(そうか。あたしがやりたいこと――、\\n それって、翼と一緒に笑うことだったんだッ!)", | |||
"201008211_59": "「……」", | |||
"201008211_60": "「今のうちに……、ちゃっちゃと準備に向かうデスッ!」", | |||
"201008211_61": "「でも、このまま今日の主役を放っておくのは……」", | |||
"201008211_62": "「わかりました、奏さん」", | |||
"201008211_63": "「みんなでパーッとやりましょうッ!\\n 翼さんを元気づける、サプライズパーティをッ!」", | |||
"201008211_64": "「うん?」", | |||
"201008211_65": "「ええええッ!?」", | |||
"201008211_66": "「……よし。これで買い出しはばっちり。\\n ありがとう、クリス」", | |||
"201008211_67": "「なんのことだ?」", | |||
"201008211_68": "「飲み物で重たい方の袋、持ってくれてたから」", | |||
"201008211_69": "「た、たまたま持った方の袋が重かっただけだッ!」", | |||
"201008211_70": "「でも、準備がまだ残ってるってのに、\\n あいつらどこで油売ってるんだ?」", | |||
"201008211_71": "「それが今、響から連絡があったんだけど、\\n なんだか、おかしなことになってるみたい……」", | |||
"201008211_72": "「おかしなこと?」", | |||
"201008211_73": "「それが――」", | |||
"201008211_74": "「ただいまーッ!」", | |||
"201008211_75": "「ああ、遅かったな。\\n ちゃんとパーティに必要なものを回収して――」", | |||
"201008211_76": "「よっ、久しぶり。手伝いに来たよ」", | |||
"201008211_77": "「うわあッ!?\\n 手伝いって……、なにがどうなってんだッ!?」", | |||
"201008211_78": "「いやー、色々あってー……」", | |||
"201008211_79": "「ちょ、ちょっとこいッ!」", | |||
"201008211_80": "「ええッ!? ひ、引っ張らないでーッ!」", | |||
"201008211_81": "「どこの世界にサプライズバースデーパーティの主役に\\n 準備を手伝わせるやつがいるんだよッ!?」", | |||
"201008211_82": "「えっと……ここに?」", | |||
"201008211_83": "「サプライズが台無しだろッ!」", | |||
"201008211_84": "「それなら大丈夫です」", | |||
"201008211_85": "「サプライズが形を変えて、\\n サプライズ第2形態のまま進行中なんデス」", | |||
"201008211_86": "「……どういうことだ?」", | |||
"201008211_87": "「実は――」", | |||
"201008211_88": "「あたしが言うのも変かもしれないけど、\\n みんな、翼のこと考えてくれてありがとな」", | |||
"201008211_89": "「え?」", | |||
"201008211_90": "「聞いたよ。これは翼を励ますためのパーティなんだろ?\\n びっくりするだろうなあ、翼のやつ……フフ」", | |||
"201008211_91": "(ああ、そう誤魔化したんだ……)", | |||
"201008211_92": "「どうしたんだい?」", | |||
"201008211_93": "「いえ……、そうですね。\\n 翼さんのために頑張りましょうッ!」", | |||
"201008211_94": "(それもある意味、間違いじゃないよね……)", | |||
"201008211_95": "「……よし。\\n ジャガイモの皮むき、いっちょ上がりッ!」", | |||
"201008211_96": "「こういうのは久しぶりだよ。\\n 誰かに食べてもらうための料理ってさ、なんかいいよな」", | |||
"201008211_97": "「フフ」", | |||
"201008211_98": "「って、笑うところかい?」", | |||
"201008211_99": "「ごめんなさい。\\n 奏さんがあんまり楽しそうだったから、つい……」", | |||
"201008211_100": "「なんだい、そりゃ?」", | |||
"201008211_101": "(奏さん、本当に翼さんのことが好きなんだなぁ……)", | |||
"201008211_102": "「それで、こっちの材料はどうするんだ?」", | |||
"201008211_103": "「あ、わるいですよ、そんな……」", | |||
"201008211_104": "「仕上げはわたしたちに任せてください」", | |||
"201008211_105": "「そうかい?\\n それじゃあ飾り付けの応援にでも行ってこようかな」", | |||
"201008211_106": "「……あー、その飾り、もうちょっと右上じゃないのか?」", | |||
"201008211_107": "「っと、じゃあ……、この辺かな?」", | |||
"201008211_108": "「それじゃ行き過ぎだ。もうちょっと左の……、\\n って、あたしが自分でやった方が早いか」", | |||
"201008211_109": "「じゃあ、お願いッ!」", | |||
"201008211_110": "「ああ。配色的に、ここに飾った方が……、\\n バランスが……<speed=0.5>、</speed>んん……ッ、た<speed=0.5>、</speed>高い……」", | |||
"201008211_111": "「……全然届いてないデス」", | |||
"201008211_112": "「これを上にか。よっと……、この辺でいいかい?」", | |||
"201008211_113": "「あ、ああ。\\n ……悪いな手伝わせて」", | |||
"201008211_114": "「お安い御用だ。他にもなにかあるかい?」", | |||
"201008211_115": "(あっても言えるわけないだろうッ!)", | |||
"201008211_116": "「それじゃ、次はこっちを――」", | |||
"201008211_117": "「ヘルプデスッ!\\n 猫の手も借りたいくらいデスよッ!」", | |||
"201008211_118": "(おまえら少しは遠慮しろ――ッ!)", | |||
"201008211_119": "「アハハッ、まかせとけッ!」", | |||
"201008211_120": "「今日の奏さん、すごく楽しそう。\\n これも響が機転を利かせてくれたおかげだね」", | |||
"201008211_121": "「しかし、よくこんな大胆なこと思いついたよな」", | |||
"201008211_122": "「さっき奏さんが言ってたんだ。\\n 『翼さんを笑顔にしたい』って」", | |||
"201008211_123": "「だったら一緒に、その願いを叶えられたらいいなって」", | |||
"201008211_124": "「確かに、先輩が喜ぶ姿は目に見えてるしな」", | |||
"201008211_125": "「それに好きな人のために何かできるって、とっても楽しいもの」", | |||
"201008211_126": "「ふう……。なんとか会場が形になったデス」", | |||
"201008211_127": "「お料理の盛り付けも完成したよ」", | |||
"201008211_128": "「みんなお疲れ様。しかし、見事なもんだね。\\n 気合いの入った手料理に飾り付け――」", | |||
"201008211_129": "「これでケーキでもあれば、\\n まるで誰かのバースデーパーティだ」", | |||
"201008211_130": "「そ、そうですね……」", | |||
"201008211_131": "(本当にいい仲間を持ったね、翼。\\n みんな、翼のことを想ってくれるいい子ばかりだ)", | |||
"201008211_132": "(ちょっと妬けちゃうくらい――、なーんてなッ!)", | |||
"201008211_133": "「さあて、あとは主役の到着を待つだけ、か。\\n サプライズってさ、仕掛ける方もソワソワするな……」", | |||
"201008211_134": "「ま、まったくもってその通りデスッ!」", | |||
"201008211_135": "「それで、ここからどう誤魔化すつもりなんだ?」", | |||
"201008211_136": "「そ、それは……」", | |||
"201008211_137": "「まさか……、考えてなかったのかッ!?」", | |||
"201008211_138": "「あのッ! 今、マリアから連絡があって――、\\n 翼さんと一緒に、もうすぐここに着くそうです」", | |||
"201008211_139": "「ええええッ!?」", | |||
"201008211_140": "(どうしよう……。翼さんと奏さん――、\\n 2人ともサプライズを楽しんでもらうには……)", | |||
"201008211_141": "「ハハッ、仕掛ける方がなんて顔してるのさ」", | |||
"201008211_142": "「あたしが時間を稼ぐから、\\n その間にいい作戦考えといてくれよッ!」", | |||
"201008211_143": "「あッ、奏さんッ!」", | |||
"201008211_144": "「お疲れさま、お2人さんッ!」", | |||
"201008211_145": "「奏……<speed=0.5>。</speed>\\n わたし、その……」", | |||
"201008211_146": "「ここで逃げてもどうにもならないわよ?」", | |||
"201008211_147": "「しかし……」", | |||
"201008211_148": "「はあ……。\\n やっぱり、1人じゃ荷が重すぎたのかしら……」", | |||
"201008211_149": "(荷が重いって……?\\n まさか、悩みって危険な任務か何かなのか?)", | |||
"201008211_150": "「確かにわたしは……、\\n ただ斬ることくらいしか満足にできなかった」", | |||
"201008211_151": "「割り入れてかき回すだけならいざ知らず、\\n 仕上げにああもてこずるなんて……」", | |||
"201008211_152": "(敵陣に切り込んで掻きまわし、トドメまでッ!?\\n そんな過酷な任務を1人で……ッ!)", | |||
"201008211_153": "「それでも、これだけはどうしても、\\n わたし1人でやりきりたかったんだッ!」", | |||
"201008211_154": "「……強がるのもいい加減にしろッ!」", | |||
"201008211_155": "「え?」", | |||
"201008211_156": "「……奏?」", | |||
"201008211_157": "「翼には、翼を想ってくれる仲間がいるんだ。\\n 自分1人で戦おうとするな、少しは頼れッ!」", | |||
"201008211_158": "「戦うって……、さっきからなんのこと……?」", | |||
"201008211_159": "「ん? だって、仕上げにてこずったって……」", | |||
"201008211_160": "「そう。仕上げに使うチョコの扱いが、なかなか難しくて……」", | |||
"201008211_161": "「……ち、ちょこ……?」", | |||
"201008211_162": "「実は、これをどうしても奏に食べてもらいたくて。\\n 頑張って作ってみたんだけど……」", | |||
"201008211_163": "「……あたしに、……ケーキだってッ!?\\n じゃあまさか、サプライズってのは――」", | |||
"201008211_164": "「よし、やるなら今だッ!」", | |||
"201008211_165": "「みんな、いくよッ!」", | |||
"201008211_166": "「奏……ッ!」", | |||
"201008211_167": "「誕生日おめでとうッ!」", | |||
"201008211_168": "「……」", | |||
"201008211_169": "「……ぷッ、ハハッ!」", | |||
"201008211_170": "「アハハハッ!\\n てこずったって、ケーキのことだったのか」", | |||
"201008211_171": "「わあ……、すごい素敵に仕上がってるじゃないですかッ!」", | |||
"201008211_172": "「わたしもそう言ったんだけれど、翼の理想が高すぎるのよ」", | |||
"201008211_173": "「なあ、この絵ってもしかして……」", | |||
"201008211_174": "「……奏だよ」", | |||
"201008211_175": "「アハハハハッ!」", | |||
"201008211_176": "「もう……、確かに少し不格好かもしれないけど、\\n そんなに笑わなくても……」", | |||
"201008211_177": "「じゃなくてさ、浮かない顔して何やってるかと思えば、\\n 隠れてこんな可愛いことしてくれてたんだなー、ってね」", | |||
"201008211_178": "「いいケーキじゃないか。あたしは好きだよ」", | |||
"201008211_179": "「奏……」", | |||
"201008211_180": "「ありがとう。あたしのために頑張ってくれてたんだな。\\n 翼の想い、たくさん伝わってくるよ」", | |||
"201008211_181": "「……うんッ! 気持ちは十分すぎるくらい詰まってる。\\n それだけは、どんなお菓子職人にも負けないくらいッ!」", | |||
"201008211_182": "「アハハッ! 見てくれ、やっと翼が笑ってくれたッ!」", | |||
"201008211_183": "「えッ!?」", | |||
"201008211_184": "「ほんとだ。これで奏さんのサプライズも成功ですねッ!」", | |||
"201008211_185": "「ああ。みんなも、ありがとう。\\n 今日はたくさんいいものを貰っちゃったな」", | |||
"201008211_186": "「なんの話なの?」", | |||
"201008211_187": "「やだね。翼には教えてやんないッ!」", | |||
"201008211_188": "「もう……。\\n 1つ歳をとっても、奏はわたしに意地悪だ」" | |||
} |
@@ -1,99 +1,99 @@ | |||
{ | |||
"201008311_0": "マリアのバースデー2018", | |||
"201008311_1": "「マリアさん、お誕生日……」", | |||
"201008311_2": "<size=40>「おめでとーッ!」</size>", | |||
"201008311_3": "「みんな、わたしのためにありがとう。とっても嬉しいわ」", | |||
"201008311_4": "「ほんとうに素敵ね。部屋の飾り付けとか、\\n 大変だったでしょう……?」", | |||
"201008311_5": "「マリアさんが喜んでくれるのを想像しながら準備したので、\\n とっても楽しかったですよッ!」", | |||
"201008311_6": "「みんなで頑張りましたッ!」", | |||
"201008311_7": "「響ったら、泊まりがけでやろうって言うんですよ」", | |||
"201008311_8": "「がんばりすぎよ、もう。……でも、ありがとう」", | |||
"201008311_9": "「それにそれに、このたっくさんの料理とケーキはッ!」", | |||
"201008311_10": "「アタシと調が作ったんデスッ!」", | |||
"201008311_11": "「うん、2人で力を合わせて作ったんだ」", | |||
"201008311_12": "「調がほとんど作ったんデスけどね……」", | |||
"201008311_13": "「そんなことないよ。切ちゃんも、たくさん手伝ってくれた」", | |||
"201008311_14": "「わたしのために頑張ってくれたのね。\\n ありがとう、お腹いっぱい食べさせてもらうわッ!」", | |||
"201008311_15": "「お誕生日おめでとう、マリア姉さん」", | |||
"201008311_16": "「えッ!? セレナッ!? 何故、ここに……?」", | |||
"201008311_17": "「今日は大切なマリア姉さんの誕生日だもの。\\n わたしも、どうしてもお祝いがしたくて」", | |||
"201008311_18": "「あなたも来てくれるなんて、驚いたわ。\\n マムはあなたが来ることを知っているの?」", | |||
"201008311_19": "「うん、マムも『私の分までお祝いしてきなさい』って」", | |||
"201008311_20": "「そう……。ありがとう、マム……」", | |||
"201008311_21": "「今日は最高の日だわ」", | |||
"201008311_22": "「でも……残念でしたね。\\n 翼さん、あんなに楽しみにしてたのに」", | |||
"201008311_23": "「ああ、急な仕事が入ったようでな」", | |||
"201008311_24": "「ほんと、ついてないな……」", | |||
"201008311_25": "「そう……。残念だけど、仕事なら仕方ないわ」", | |||
"201008311_26": "「それに……、翼のことだから、きっと……」", | |||
"201008311_27": "「はぁ……、はぁ……」", | |||
"201008311_28": "「お、遅れてすまない……ッ!」", | |||
"201008311_29": "「流石にもう、終わってしまったか……」", | |||
"201008311_30": "「…………」", | |||
"201008311_31": "「ちょっと、どこに行くつもり?」", | |||
"201008311_32": "「……ッ!?」", | |||
"201008311_33": "「ま、マリアッ!? まだ帰っていなかったのか……ッ!」", | |||
"201008311_34": "「遅かったわね、待ちくたびれたわ」", | |||
"201008311_35": "「待っていてくれたのか?」", | |||
"201008311_36": "「そうね、誰かさんにだけ\\n お祝いを言ってもらえないなんて、残念じゃない?」", | |||
"201008311_37": "「それに、きっと来てくれると思ってたから」", | |||
"201008311_38": "「マリア……」", | |||
"201008311_39": "「待たせてしまってすまない。\\n 遅くなってしまったが……」", | |||
"201008311_40": "「誕生日、おめでとう」", | |||
"201008311_41": "「ありがとう。とても、嬉しいわ」 ", | |||
"201008311_42": "「……それと、もうひとつ\\n 謝らなければならないことがあるんだ……」", | |||
"201008311_43": "「……あら、なにかしら?」", | |||
"201008311_44": "「本来ならば……今日に合わせ、\\n プレゼントを用意するはずだったんだが……」", | |||
"201008311_45": "「仕事で忙しくて、どうしても用意できなかったんだ」", | |||
"201008311_46": "(……本当に、真面目なんだから)", | |||
"201008311_47": "「……フフ」", | |||
"201008311_48": "「……マリア?」", | |||
"201008311_49": "「そうね、どうしようかしら?」", | |||
"201008311_50": "「今日はみんなからプレゼントをもらったし、\\n なにもないのはちょっと寂しいわね」", | |||
"201008311_51": "「……すまない。埋め合わせは、なんでも言ってくれ」", | |||
"201008311_52": "「それなら、デュエットしてくれないかしら?」", | |||
"201008311_53": "「デュエット……?」", | |||
"201008311_54": "「ええ、お互い仕事が忙しくて、\\n しばらく一緒に唄えていなかったでしょ?」", | |||
"201008311_55": "「だから、久しぶりに2人で唄いたいの」", | |||
"201008311_56": "「2人で……」", | |||
"201008311_57": "「もちろんだ。ならば全力でお相手させていただこう」", | |||
"201008311_58": "「それで、なんの曲を唄うんだ?」", | |||
"201008311_59": "「実は、もう決めてあるの。楽しみにしてて。\\n あなたなら……、すぐに分かると思うわ」", | |||
"201008311_60": "「……?」", | |||
"201008311_61": "「それじゃ始めるわよッ!」", | |||
"201008311_62": "「……これはッ!\\n 『不死鳥のフランメ』……ッ!」", | |||
"201008311_63": "「なつかしいでしょう?\\n これは、わたしとあなたの出会いの曲――」", | |||
"201008311_64": "「見せてもらうわよ、風鳴翼ッ!\\n あなたの歌があの時とどう変わったのか」", | |||
"201008311_65": "「ああ……<speed=1>、</speed>望む所だッ!」", | |||
"201008311_66": "「……なかなかやるじゃない」", | |||
"201008311_67": "「ああ、そちらもな……ッ!」", | |||
"201008311_68": "「だが、これはプレゼントと言っても良いのだろうか?」", | |||
"201008311_69": "「ええ、あなたの気持ちが伝わってくる……、\\n 最高のプレゼントだったわッ!」", | |||
"201008311_70": "「そうか、喜んでもらえたのなら良かった」", | |||
"201008311_71": "「やはり、マリアと一緒に唄うのは気持ちがいいな」", | |||
"201008311_72": "「ええ、このままずっと唄っていたいぐらいね」", | |||
"201008311_73": "「フッ、ならばどうする?」", | |||
"201008311_74": "「そうね、せっかくの誕生日……、\\n これで終わりじゃ、勿体ないわね」", | |||
"201008311_75": "「であれば、やることはひとつだな」", | |||
"201008311_76": "「それじゃ、朝まで?」", | |||
"201008311_77": "「ああ、つきあうとしよう……ッ!」", | |||
"201008311_78": "「あーッ! 翼さんがいるーッ!」", | |||
"201008311_79": "「お、これでようやく集まったな」", | |||
"201008311_80": "「……みんな、もう帰ったのではなかったのか?」", | |||
"201008311_81": "「あら、言わなかったかしら?」", | |||
"201008311_82": "「あなたを待つ間、みんなに買い出しを頼んでいたの」", | |||
"201008311_83": "「食べ物に飲み物と、色々と買い足しておいたデス」", | |||
"201008311_84": "「これで2次会をするには十分です」", | |||
"201008311_85": "「みんな、あなたを待ってたのよ」", | |||
"201008311_86": "「そうですよ、翼さんッ!」", | |||
"201008311_87": "「お待ちしてました」", | |||
"201008311_88": "「みんな……、待たせてすまなかった。そして、ありがとう」", | |||
"201008311_89": "「みんな楽しみに待ってましたからッ!」", | |||
"201008311_90": "「……そんなことよりッ!\\n 今、マリアさんとデュエットしてませんでしたかッ!?」", | |||
"201008311_91": "「ああ、唄っていたが……」", | |||
"201008311_92": "「くーッ! もっと早く帰ってきていれば……ッ!\\n おふたりの共演を見られたのに……ッ!」", | |||
"201008311_93": "「そうデス。\\n マリアたちの歌、聴きたかったデス」", | |||
"201008311_94": "「フフッ、だそうよ? 準備はいい?」", | |||
"201008311_95": "「勿論だッ!」", | |||
"201008311_96": "「誕生日限定ライブの……<speed=1>、</speed>開演よッ!」" | |||
{ | |||
"201008311_0": "マリアのバースデー2018", | |||
"201008311_1": "「マリアさん、お誕生日……」", | |||
"201008311_2": "<size=40>「おめでとーッ!」</size>", | |||
"201008311_3": "「みんな、わたしのためにありがとう。とっても嬉しいわ」", | |||
"201008311_4": "「ほんとうに素敵ね。部屋の飾り付けとか、\\n 大変だったでしょう……?」", | |||
"201008311_5": "「マリアさんが喜んでくれるのを想像しながら準備したので、\\n とっても楽しかったですよッ!」", | |||
"201008311_6": "「みんなで頑張りましたッ!」", | |||
"201008311_7": "「響ったら、泊まりがけでやろうって言うんですよ」", | |||
"201008311_8": "「がんばりすぎよ、もう。……でも、ありがとう」", | |||
"201008311_9": "「それにそれに、このたっくさんの料理とケーキはッ!」", | |||
"201008311_10": "「アタシと調が作ったんデスッ!」", | |||
"201008311_11": "「うん、2人で力を合わせて作ったんだ」", | |||
"201008311_12": "「調がほとんど作ったんデスけどね……」", | |||
"201008311_13": "「そんなことないよ。切ちゃんも、たくさん手伝ってくれた」", | |||
"201008311_14": "「わたしのために頑張ってくれたのね。\\n ありがとう、お腹いっぱい食べさせてもらうわッ!」", | |||
"201008311_15": "「お誕生日おめでとう、マリア姉さん」", | |||
"201008311_16": "「えッ!? セレナッ!? 何故、ここに……?」", | |||
"201008311_17": "「今日は大切なマリア姉さんの誕生日だもの。\\n わたしも、どうしてもお祝いがしたくて」", | |||
"201008311_18": "「あなたも来てくれるなんて、驚いたわ。\\n マムはあなたが来ることを知っているの?」", | |||
"201008311_19": "「うん、マムも『私の分までお祝いしてきなさい』って」", | |||
"201008311_20": "「そう……。ありがとう、マム……」", | |||
"201008311_21": "「今日は最高の日だわ」", | |||
"201008311_22": "「でも……残念でしたね。\\n 翼さん、あんなに楽しみにしてたのに」", | |||
"201008311_23": "「ああ、急な仕事が入ったようでな」", | |||
"201008311_24": "「ほんと、ついてないな……」", | |||
"201008311_25": "「そう……。残念だけど、仕事なら仕方ないわ」", | |||
"201008311_26": "「それに……、翼のことだから、きっと……」", | |||
"201008311_27": "「はぁ……、はぁ……」", | |||
"201008311_28": "「お、遅れてすまない……ッ!」", | |||
"201008311_29": "「流石にもう、終わってしまったか……」", | |||
"201008311_30": "「…………」", | |||
"201008311_31": "「ちょっと、どこに行くつもり?」", | |||
"201008311_32": "「……ッ!?」", | |||
"201008311_33": "「ま、マリアッ!? まだ帰っていなかったのか……ッ!」", | |||
"201008311_34": "「遅かったわね、待ちくたびれたわ」", | |||
"201008311_35": "「待っていてくれたのか?」", | |||
"201008311_36": "「そうね、誰かさんにだけ\\n お祝いを言ってもらえないなんて、残念じゃない?」", | |||
"201008311_37": "「それに、きっと来てくれると思ってたから」", | |||
"201008311_38": "「マリア……」", | |||
"201008311_39": "「待たせてしまってすまない。\\n 遅くなってしまったが……」", | |||
"201008311_40": "「誕生日、おめでとう」", | |||
"201008311_41": "「ありがとう。とても、嬉しいわ」 ", | |||
"201008311_42": "「……それと、もうひとつ\\n 謝らなければならないことがあるんだ……」", | |||
"201008311_43": "「……あら、なにかしら?」", | |||
"201008311_44": "「本来ならば……今日に合わせ、\\n プレゼントを用意するはずだったんだが……」", | |||
"201008311_45": "「仕事で忙しくて、どうしても用意できなかったんだ」", | |||
"201008311_46": "(……本当に、真面目なんだから)", | |||
"201008311_47": "「……フフ」", | |||
"201008311_48": "「……マリア?」", | |||
"201008311_49": "「そうね、どうしようかしら?」", | |||
"201008311_50": "「今日はみんなからプレゼントをもらったし、\\n なにもないのはちょっと寂しいわね」", | |||
"201008311_51": "「……すまない。埋め合わせは、なんでも言ってくれ」", | |||
"201008311_52": "「それなら、デュエットしてくれないかしら?」", | |||
"201008311_53": "「デュエット……?」", | |||
"201008311_54": "「ええ、お互い仕事が忙しくて、\\n しばらく一緒に唄えていなかったでしょ?」", | |||
"201008311_55": "「だから、久しぶりに2人で唄いたいの」", | |||
"201008311_56": "「2人で……」", | |||
"201008311_57": "「もちろんだ。ならば全力でお相手させていただこう」", | |||
"201008311_58": "「それで、なんの曲を唄うんだ?」", | |||
"201008311_59": "「実は、もう決めてあるの。楽しみにしてて。\\n あなたなら……、すぐに分かると思うわ」", | |||
"201008311_60": "「……?」", | |||
"201008311_61": "「それじゃ始めるわよッ!」", | |||
"201008311_62": "「……これはッ!\\n 『不死鳥のフランメ』……ッ!」", | |||
"201008311_63": "「なつかしいでしょう?\\n これは、わたしとあなたの出会いの曲――」", | |||
"201008311_64": "「見せてもらうわよ、風鳴翼ッ!\\n あなたの歌があの時とどう変わったのか」", | |||
"201008311_65": "「ああ……<speed=1>、</speed>望む所だッ!」", | |||
"201008311_66": "「……なかなかやるじゃない」", | |||
"201008311_67": "「ああ、そちらもな……ッ!」", | |||
"201008311_68": "「だが、これはプレゼントと言っても良いのだろうか?」", | |||
"201008311_69": "「ええ、あなたの気持ちが伝わってくる……、\\n 最高のプレゼントだったわッ!」", | |||
"201008311_70": "「そうか、喜んでもらえたのなら良かった」", | |||
"201008311_71": "「やはり、マリアと一緒に唄うのは気持ちがいいな」", | |||
"201008311_72": "「ええ、このままずっと唄っていたいぐらいね」", | |||
"201008311_73": "「フッ、ならばどうする?」", | |||
"201008311_74": "「そうね、せっかくの誕生日……、\\n これで終わりじゃ、勿体ないわね」", | |||
"201008311_75": "「であれば、やることはひとつだな」", | |||
"201008311_76": "「それじゃ、朝まで?」", | |||
"201008311_77": "「ああ、つきあうとしよう……ッ!」", | |||
"201008311_78": "「あーッ! 翼さんがいるーッ!」", | |||
"201008311_79": "「お、これでようやく集まったな」", | |||
"201008311_80": "「……みんな、もう帰ったのではなかったのか?」", | |||
"201008311_81": "「あら、言わなかったかしら?」", | |||
"201008311_82": "「あなたを待つ間、みんなに買い出しを頼んでいたの」", | |||
"201008311_83": "「食べ物に飲み物と、色々と買い足しておいたデス」", | |||
"201008311_84": "「これで2次会をするには十分です」", | |||
"201008311_85": "「みんな、あなたを待ってたのよ」", | |||
"201008311_86": "「そうですよ、翼さんッ!」", | |||
"201008311_87": "「お待ちしてました」", | |||
"201008311_88": "「みんな……、待たせてすまなかった。そして、ありがとう」", | |||
"201008311_89": "「みんな楽しみに待ってましたからッ!」", | |||
"201008311_90": "「……そんなことよりッ!\\n 今、マリアさんとデュエットしてませんでしたかッ!?」", | |||
"201008311_91": "「ああ、唄っていたが……」", | |||
"201008311_92": "「くーッ! もっと早く帰ってきていれば……ッ!\\n おふたりの共演を見られたのに……ッ!」", | |||
"201008311_93": "「そうデス。\\n マリアたちの歌、聴きたかったデス」", | |||
"201008311_94": "「フフッ、だそうよ? 準備はいい?」", | |||
"201008311_95": "「勿論だッ!」", | |||
"201008311_96": "「誕生日限定ライブの……<speed=1>、</speed>開演よッ!」" | |||
} |
@@ -1,43 +1,43 @@ | |||
{ | |||
"201008411_0": "明日のために", | |||
"201008411_1": "「ねえ、日が傾いてきちゃったけど……。\\n 遺跡には、まだ着かないの?」", | |||
"201008411_2": "「今のペースだと、\\n 到着まであと2日ほどかかるわ」", | |||
"201008411_3": "「統制局長からの情報が正しければ、ね……」", | |||
"201008411_4": "「そんなにッ!?\\n だったらヘリか何か使えばいいじゃない」", | |||
"201008411_5": "「ヘリなんか使ったら、アッという間に\\n レーダーに捕捉される」", | |||
"201008411_6": "「我々は正式な調査団ではないから、\\n 目立つ行動はできないというワケダ」", | |||
"201008411_7": "「はいはい、分かってるわよ。\\n でも愚痴ぐらい言わせてくれても、いいんじゃない?」", | |||
"201008411_8": "「口を動かして余計な体力を使うのは、得策ではないわ」", | |||
"201008411_9": "「無理を強いるのは心苦しいけど……。\\n これも理想のためよ」", | |||
"201008411_10": "「もう、相変わらず頭が固いんだから……。\\n ねえ、プレラーティもそう思わない?」", | |||
"201008411_11": "「カリオストロの口が減らないのも\\n 相変わらずなワケダ」", | |||
"201008411_12": "「つれないわね。\\n いいわ、歩けばいいんでしょうッ!」", | |||
"201008411_13": "「さすがにこれ以上進むのは危険ね……。\\n 今日はここで野営にしましょう」", | |||
"201008411_14": "「まさかとは思っていたけど、\\n やっぱり野宿なのッ!?」", | |||
"201008411_15": "「こんなところで寝たらお肌が荒れちゃうじゃないッ!」", | |||
"201008411_16": "「恨みごとは無理難題を押しつける\\n 統制局長にぶつけるワケダ」", | |||
"201008411_17": "「あいつのことなら、毎日呪ってるわよッ!\\n 今日はプレラーティも一緒にどう?」", | |||
"201008411_18": "「断る。……足が棒で、もう動けないワケダ。\\n 体の汚れも気になるし……」", | |||
"201008411_19": "「たしかに、汗を流してさっぱりしたいわね。\\n 近くに温泉でもないかしら」", | |||
"201008411_20": "「2人とも、文句ばかり言ってないで食事にするわよ」", | |||
"201008411_21": "「はい、レーションよ。今日は貴重なチョコ味だから、\\n 味わって食べましょう」", | |||
"201008411_22": "「贅沢は言っていられないワケダ」", | |||
"201008411_23": "「いただきまーす」", | |||
"201008411_24": "「冷えてきたわね……。\\n サンジェルマン、寒くない?」", | |||
"201008411_25": "「……私は大丈夫よ」", | |||
"201008411_26": "「ほら、もっとあーしに寄りかかりなさいって。\\n 少しは寒さがしのげるでしょ」", | |||
"201008411_27": "「ええ。すまないわね……」", | |||
"201008411_28": "「身を寄せ合えば、夜でも温かいワケダ」", | |||
"201008411_29": "「あーしが可愛いからって、\\n どさくさに紛れて変なとこ触っちゃダメよ?」", | |||
"201008411_30": "「寝言は寝てから言うワケダ」", | |||
"201008411_31": "「フッ……明日のために、眠りましょう、2人とも」", | |||
"201008411_32": "「……まだ起きてる?」", | |||
"201008411_33": "「ええ」", | |||
"201008411_34": "「起きているワケダ」", | |||
"201008411_35": "「いつも面倒事に付き合わせてしまって……。\\n すまないと思っているわ」", | |||
"201008411_36": "「いいのよ、必要なことだって分かってるし」", | |||
"201008411_37": "「サンジェルマンのためなら、\\n あの男の命令に従うのも、仕方ないワケダ」", | |||
"201008411_38": "「そういうこと。\\n 明日も早いし、もう寝ましょう……」", | |||
"201008411_39": "「少しでも寝ておくワケダ」", | |||
"201008411_40": "「そうね……おやすみなさい。\\n ありがとう、2人とも」" | |||
{ | |||
"201008411_0": "明日のために", | |||
"201008411_1": "「ねえ、日が傾いてきちゃったけど……。\\n 遺跡には、まだ着かないの?」", | |||
"201008411_2": "「今のペースだと、\\n 到着まであと2日ほどかかるわ」", | |||
"201008411_3": "「統制局長からの情報が正しければ、ね……」", | |||
"201008411_4": "「そんなにッ!?\\n だったらヘリか何か使えばいいじゃない」", | |||
"201008411_5": "「ヘリなんか使ったら、アッという間に\\n レーダーに捕捉される」", | |||
"201008411_6": "「我々は正式な調査団ではないから、\\n 目立つ行動はできないというワケダ」", | |||
"201008411_7": "「はいはい、分かってるわよ。\\n でも愚痴ぐらい言わせてくれても、いいんじゃない?」", | |||
"201008411_8": "「口を動かして余計な体力を使うのは、得策ではないわ」", | |||
"201008411_9": "「無理を強いるのは心苦しいけど……。\\n これも理想のためよ」", | |||
"201008411_10": "「もう、相変わらず頭が固いんだから……。\\n ねえ、プレラーティもそう思わない?」", | |||
"201008411_11": "「カリオストロの口が減らないのも\\n 相変わらずなワケダ」", | |||
"201008411_12": "「つれないわね。\\n いいわ、歩けばいいんでしょうッ!」", | |||
"201008411_13": "「さすがにこれ以上進むのは危険ね……。\\n 今日はここで野営にしましょう」", | |||
"201008411_14": "「まさかとは思っていたけど、\\n やっぱり野宿なのッ!?」", | |||
"201008411_15": "「こんなところで寝たらお肌が荒れちゃうじゃないッ!」", | |||
"201008411_16": "「恨みごとは無理難題を押しつける\\n 統制局長にぶつけるワケダ」", | |||
"201008411_17": "「あいつのことなら、毎日呪ってるわよッ!\\n 今日はプレラーティも一緒にどう?」", | |||
"201008411_18": "「断る。……足が棒で、もう動けないワケダ。\\n 体の汚れも気になるし……」", | |||
"201008411_19": "「たしかに、汗を流してさっぱりしたいわね。\\n 近くに温泉でもないかしら」", | |||
"201008411_20": "「2人とも、文句ばかり言ってないで食事にするわよ」", | |||
"201008411_21": "「はい、レーションよ。今日は貴重なチョコ味だから、\\n 味わって食べましょう」", | |||
"201008411_22": "「贅沢は言っていられないワケダ」", | |||
"201008411_23": "「いただきまーす」", | |||
"201008411_24": "「冷えてきたわね……。\\n サンジェルマン、寒くない?」", | |||
"201008411_25": "「……私は大丈夫よ」", | |||
"201008411_26": "「ほら、もっとあーしに寄りかかりなさいって。\\n 少しは寒さがしのげるでしょ」", | |||
"201008411_27": "「ええ。すまないわね……」", | |||
"201008411_28": "「身を寄せ合えば、夜でも温かいワケダ」", | |||
"201008411_29": "「あーしが可愛いからって、\\n どさくさに紛れて変なとこ触っちゃダメよ?」", | |||
"201008411_30": "「寝言は寝てから言うワケダ」", | |||
"201008411_31": "「フッ……明日のために、眠りましょう、2人とも」", | |||
"201008411_32": "「……まだ起きてる?」", | |||
"201008411_33": "「ええ」", | |||
"201008411_34": "「起きているワケダ」", | |||
"201008411_35": "「いつも面倒事に付き合わせてしまって……。\\n すまないと思っているわ」", | |||
"201008411_36": "「いいのよ、必要なことだって分かってるし」", | |||
"201008411_37": "「サンジェルマンのためなら、\\n あの男の命令に従うのも、仕方ないワケダ」", | |||
"201008411_38": "「そういうこと。\\n 明日も早いし、もう寝ましょう……」", | |||
"201008411_39": "「少しでも寝ておくワケダ」", | |||
"201008411_40": "「そうね……おやすみなさい。\\n ありがとう、2人とも」" | |||
} |
@@ -1,116 +1,116 @@ | |||
{ | |||
"201008511_0": "響のバースデー2018", | |||
"201008511_1": "「『ふらわー』の予約、できなかったのか?」", | |||
"201008511_2": "「うん、貸し切りの予約が入っちゃったって。\\n 響の誕生日パーティ、どうしよう……」", | |||
"201008511_3": "「特製お好み焼きをプレゼントして、\\n あいつを喜ばせようと思ってたのにな」", | |||
"201008511_4": "「うん……。残念だけど、何か別のプレゼントを用意しないとね」", | |||
"201008511_5": "「ああ。どうしたもんかな」", | |||
"201008511_6": "「うーん……」", | |||
"201008511_7": "「ま、お前からもらったものなら、\\n あいつはなんでも喜びそうだけどな」", | |||
"201008511_8": "「クリスからのプレゼントだって、\\n すごく喜ぶと思うよ?」", | |||
"201008511_9": "「うーん……そうなのか?\\n それにしても何がいいんだろうな?」", | |||
"201008511_10": "「うーん、それじゃあ……」", | |||
"201008511_11": "「ん? 何か思いついたのか?」", | |||
"201008511_12": "「うん。あのね、みんなでそれぞれひとつ選んで、\\n 当日に持ち寄ってプレゼントするのはどうかな」", | |||
"201008511_13": "「なるほどな。……ああ、いいんじゃないか?」", | |||
"201008511_14": "「あー、でも……」", | |||
"201008511_15": "「……どうしたの?」", | |||
"201008511_16": "「あたしからのプレゼントも、ついでに選んでくれないか?」", | |||
"201008511_17": "「ええッ!? どうして?」", | |||
"201008511_18": "「そりゃ、いきなりプレゼントを選べって言われても\\n 難しいっていうか……」", | |||
"201008511_19": "「それに、親友に選んでもらったものの方があいつも喜ぶだろ」", | |||
"201008511_20": "「ううん。こういうのはきっと、\\n プレゼントに気持ちがこもっているのが大切なんだよ」", | |||
"201008511_21": "「響も、クリスが自分で選んでくれたプレゼントの方が\\n 喜んでくれるはずだよ」", | |||
"201008511_22": "「そ、そうか……?」", | |||
"201008511_23": "「うん、絶対にそうッ!」", | |||
"201008511_24": "「……よ、よしッ! ここは一発、あいつが最高に\\n 喜ぶプレゼントを用意してやるかッ!」", | |||
"201008511_25": "「うん、そうしようッ!\\n みんなにも伝えておくね」", | |||
"201008511_26": "「……」", | |||
"201008511_27": "「どうしたんだ? 浮かない様子だが」", | |||
"201008511_28": "「あ、こんにちは。\\n 実は響の誕生日プレゼントのことで……」", | |||
"201008511_29": "「ああ。何を渡すか、いい案が思い浮かばないということか」", | |||
"201008511_30": "「違うんですッ!\\n 渡したいものがありすぎて、ひとつに絞れないんです」", | |||
"201008511_31": "「なるほど……。小日向らしい悩みだな」", | |||
"201008511_32": "「はい、響のことを考えていると\\n いろいろ思い浮かんじゃって」", | |||
"201008511_33": "「どれにしたら一番喜んでくれるのかな……」", | |||
"201008511_34": "「フッ。そんなに思ってもらえて、立花は幸せ者だな」", | |||
"201008511_35": "「え……?」", | |||
"201008511_36": "「プレゼントが無くても、小日向がこれだけ悩んでいたと\\n 知っただけで喜びそうだ」", | |||
"201008511_37": "「だ、だめですよ? 響に言ったら」", | |||
"201008511_38": "「ああ。分かっている。\\n プレゼントはよく考えて決めるといい」", | |||
"201008511_39": "「はいッ! これからまたお店を回って考えようと思います」", | |||
"201008511_40": "「では、失礼します」", | |||
"201008511_41": "「……さて、わたしも祝いの品を用意しないとな」", | |||
"201008511_42": "(いざ選ぶとなると、難しいものだな。\\n こうも悩んでしまうとは……)", | |||
"201008511_43": "(……ん?)", | |||
"201008511_44": "「うーん、これがいいか、それともこっちか……。\\n うわ、けっこう高いな」", | |||
"201008511_45": "「これならあいつに似合いそうかも。\\n いや、でも、ありきたりすぎるか……」", | |||
"201008511_46": "「……なるほど、雪音も立花へのプレゼント選びか」", | |||
"201008511_47": "「うわッ、びっくりしたッ!」", | |||
"201008511_48": "「ずいぶんと難航しているようだな」", | |||
"201008511_49": "「べ、別にそんなんじゃないって」", | |||
"201008511_50": "「とっくに決めて、買おうとしてたところだ」", | |||
"201008511_51": "「ひとりごとが聞こえていたぞ?」", | |||
"201008511_52": "「それは……念のため、ちょっと考えなおしてただけだッ!」", | |||
"201008511_53": "「フフ、立花には喜んでほしいものだな」", | |||
"201008511_54": "「ま、まあな……」", | |||
"201008511_55": "「というか、そっちも同じ目的だろ?\\n あたしに構ってないで、買いに行ったらどうだ?」", | |||
"201008511_56": "「ああ、分かった。\\n それでは、また誕生日パーティでな」", | |||
"201008511_57": "(皆、立花に喜んでもらおうと真剣に考えているのだな)", | |||
"201008511_58": "(プレゼントを受け取った時の反応が今から楽しみだ)", | |||
"201008511_59": "<size=40>「ハッピーバースデーッ!」</size>", | |||
"201008511_60": "「誕生日おめでとう、響」", | |||
"201008511_61": "「ありがとう、未来ッ! みんなもッ!」", | |||
"201008511_62": "「みんなからあなたへ、それぞれプレゼントがあるのよ」", | |||
"201008511_63": "「これ、わたしからです」", | |||
"201008511_64": "「これはアタシからのプレゼントデス。\\n 厳選に厳選を重ねた一品なんデスよッ!」", | |||
"201008511_65": "「わたしからもだ、受け取ってくれ」", | |||
"201008511_66": "「うわぁ……ッ! みんなからひとつずつッ!?\\n ありがとうございますッ!」", | |||
"201008511_67": "「さっそく開けてもいいですか?」", | |||
"201008511_68": "「ええ、もちろんよ」", | |||
"201008511_69": "「うう、緊張するなぁ。 喜んでくれるかな……」", | |||
"201008511_70": "「あたりまえだろ。お前からのプレゼントなんだから」", | |||
"201008511_71": "「あれ……? クリスのプレゼント、そのラッピングは……」", | |||
"201008511_72": "「ああ、学校帰りに見つけた店でな。\\n ちょうどあいつに似合いそうなものがあったから……」", | |||
"201008511_73": "「……あ、あのね?」", | |||
"201008511_74": "「ん? どうしたんだ?」", | |||
"201008511_75": "「わたしも同じのを買っちゃったみたい。\\n ほら、これ……」", | |||
"201008511_76": "「なにッ!?」", | |||
"201008511_77": "「どうしよう。プレゼントが被っちゃうなんて……」", | |||
"201008511_78": "「……」", | |||
"201008511_79": "「……ったく、しょうがないな。それじゃ、あたしはパスだ」", | |||
"201008511_80": "「えッ!? パスって……」", | |||
"201008511_81": "「ああ。一番あいつを喜ばせるのはそっちの役目だろ」", | |||
"201008511_82": "「で、でもクリスは……」", | |||
"201008511_83": "「あたしは忘れたことにでもするから大丈夫だ。\\n ほら、あいつが待ってるぞ」", | |||
"201008511_84": "「う、うん……」", | |||
"201008511_85": "「ふーッ、あぶない……。\\n せっかくの誕生日に水を差すとこだったな」", | |||
"201008511_86": "「やっぱりあたしにはプレゼント選びなんて……」", | |||
"201008511_87": "「……まったく、何を言っているんだ」", | |||
"201008511_88": "「うわッ、聞いてたのか?」 ", | |||
"201008511_89": "「でも、こうするしかないだろ?\\n プレゼントが被るなんて……」", | |||
"201008511_90": "「そんなことを気にするな。\\n せっかく選んだプレゼントだろう?」", | |||
"201008511_91": "「立花なら大丈夫だ。ほら、行ってこいッ!」", | |||
"201008511_92": "「お、おいッ! そんな、強引に……ッ!」", | |||
"201008511_93": "「きゃッ! クリスッ!?」", | |||
"201008511_94": "「うわッ!? わ、悪いッ!」", | |||
"201008511_95": "「おっとっと……ッ! 2人とも大丈夫?」", | |||
"201008511_96": "「あ、ああ……。あのさ、プレゼントだけど……」", | |||
"201008511_97": "「実はね、2人で同じのを選んじゃったみたいなの」", | |||
"201008511_98": "「そうなんだ。ありがとうッ!」", | |||
"201008511_99": "「ああ、悪い……。\\n って、えッ!?」", | |||
"201008511_100": "「いいの……?」", | |||
"201008511_101": "「もちろんッ! すっごくうれしいよ」", | |||
"201008511_102": "「だって、同じプレゼントってことは、\\n 2人とも同じように考えて選んでくれたってことでしょ?」", | |||
"201008511_103": "「まあ、そういうことになるかもな……」", | |||
"201008511_104": "「うん。これだったら響が一番喜んでくれそうだなって」", | |||
"201008511_105": "「やっぱりッ! だから、2倍うれしいッ!\\n 最高のプレゼントだよッ!」", | |||
"201008511_106": "「ったく……、気にしたこっちが\\n バカみたいに思えてくるな」", | |||
"201008511_107": "「フフ、喜んでもらえてよかった」", | |||
"201008511_108": "「アハハ」", | |||
"201008511_109": "「ちょ、おいッ! そろそろ離せって」", | |||
"201008511_110": "「え? もうちょっとこのままでいいでしょー?」", | |||
"201008511_111": "「なんだか3人ですごく盛りあがってるデスね」", | |||
"201008511_112": "「うん、とっても楽しそう」", | |||
"201008511_113": "「まったく、世話の焼ける後輩たちだな」" | |||
{ | |||
"201008511_0": "響のバースデー2018", | |||
"201008511_1": "「『ふらわー』の予約、できなかったのか?」", | |||
"201008511_2": "「うん、貸し切りの予約が入っちゃったって。\\n 響の誕生日パーティ、どうしよう……」", | |||
"201008511_3": "「特製お好み焼きをプレゼントして、\\n あいつを喜ばせようと思ってたのにな」", | |||
"201008511_4": "「うん……。残念だけど、何か別のプレゼントを用意しないとね」", | |||
"201008511_5": "「ああ。どうしたもんかな」", | |||
"201008511_6": "「うーん……」", | |||
"201008511_7": "「ま、お前からもらったものなら、\\n あいつはなんでも喜びそうだけどな」", | |||
"201008511_8": "「クリスからのプレゼントだって、\\n すごく喜ぶと思うよ?」", | |||
"201008511_9": "「うーん……そうなのか?\\n それにしても何がいいんだろうな?」", | |||
"201008511_10": "「うーん、それじゃあ……」", | |||
"201008511_11": "「ん? 何か思いついたのか?」", | |||
"201008511_12": "「うん。あのね、みんなでそれぞれひとつ選んで、\\n 当日に持ち寄ってプレゼントするのはどうかな」", | |||
"201008511_13": "「なるほどな。……ああ、いいんじゃないか?」", | |||
"201008511_14": "「あー、でも……」", | |||
"201008511_15": "「……どうしたの?」", | |||
"201008511_16": "「あたしからのプレゼントも、ついでに選んでくれないか?」", | |||
"201008511_17": "「ええッ!? どうして?」", | |||
"201008511_18": "「そりゃ、いきなりプレゼントを選べって言われても\\n 難しいっていうか……」", | |||
"201008511_19": "「それに、親友に選んでもらったものの方があいつも喜ぶだろ」", | |||
"201008511_20": "「ううん。こういうのはきっと、\\n プレゼントに気持ちがこもっているのが大切なんだよ」", | |||
"201008511_21": "「響も、クリスが自分で選んでくれたプレゼントの方が\\n 喜んでくれるはずだよ」", | |||
"201008511_22": "「そ、そうか……?」", | |||
"201008511_23": "「うん、絶対にそうッ!」", | |||
"201008511_24": "「……よ、よしッ! ここは一発、あいつが最高に\\n 喜ぶプレゼントを用意してやるかッ!」", | |||
"201008511_25": "「うん、そうしようッ!\\n みんなにも伝えておくね」", | |||
"201008511_26": "「……」", | |||
"201008511_27": "「どうしたんだ? 浮かない様子だが」", | |||
"201008511_28": "「あ、こんにちは。\\n 実は響の誕生日プレゼントのことで……」", | |||
"201008511_29": "「ああ。何を渡すか、いい案が思い浮かばないということか」", | |||
"201008511_30": "「違うんですッ!\\n 渡したいものがありすぎて、ひとつに絞れないんです」", | |||
"201008511_31": "「なるほど……。小日向らしい悩みだな」", | |||
"201008511_32": "「はい、響のことを考えていると\\n いろいろ思い浮かんじゃって」", | |||
"201008511_33": "「どれにしたら一番喜んでくれるのかな……」", | |||
"201008511_34": "「フッ。そんなに思ってもらえて、立花は幸せ者だな」", | |||
"201008511_35": "「え……?」", | |||
"201008511_36": "「プレゼントが無くても、小日向がこれだけ悩んでいたと\\n 知っただけで喜びそうだ」", | |||
"201008511_37": "「だ、だめですよ? 響に言ったら」", | |||
"201008511_38": "「ああ。分かっている。\\n プレゼントはよく考えて決めるといい」", | |||
"201008511_39": "「はいッ! これからまたお店を回って考えようと思います」", | |||
"201008511_40": "「では、失礼します」", | |||
"201008511_41": "「……さて、わたしも祝いの品を用意しないとな」", | |||
"201008511_42": "(いざ選ぶとなると、難しいものだな。\\n こうも悩んでしまうとは……)", | |||
"201008511_43": "(……ん?)", | |||
"201008511_44": "「うーん、これがいいか、それともこっちか……。\\n うわ、けっこう高いな」", | |||
"201008511_45": "「これならあいつに似合いそうかも。\\n いや、でも、ありきたりすぎるか……」", | |||
"201008511_46": "「……なるほど、雪音も立花へのプレゼント選びか」", | |||
"201008511_47": "「うわッ、びっくりしたッ!」", | |||
"201008511_48": "「ずいぶんと難航しているようだな」", | |||
"201008511_49": "「べ、別にそんなんじゃないって」", | |||
"201008511_50": "「とっくに決めて、買おうとしてたところだ」", | |||
"201008511_51": "「ひとりごとが聞こえていたぞ?」", | |||
"201008511_52": "「それは……念のため、ちょっと考えなおしてただけだッ!」", | |||
"201008511_53": "「フフ、立花には喜んでほしいものだな」", | |||
"201008511_54": "「ま、まあな……」", | |||
"201008511_55": "「というか、そっちも同じ目的だろ?\\n あたしに構ってないで、買いに行ったらどうだ?」", | |||
"201008511_56": "「ああ、分かった。\\n それでは、また誕生日パーティでな」", | |||
"201008511_57": "(皆、立花に喜んでもらおうと真剣に考えているのだな)", | |||
"201008511_58": "(プレゼントを受け取った時の反応が今から楽しみだ)", | |||
"201008511_59": "<size=40>「ハッピーバースデーッ!」</size>", | |||
"201008511_60": "「誕生日おめでとう、響」", | |||
"201008511_61": "「ありがとう、未来ッ! みんなもッ!」", | |||
"201008511_62": "「みんなからあなたへ、それぞれプレゼントがあるのよ」", | |||
"201008511_63": "「これ、わたしからです」", | |||
"201008511_64": "「これはアタシからのプレゼントデス。\\n 厳選に厳選を重ねた一品なんデスよッ!」", | |||
"201008511_65": "「わたしからもだ、受け取ってくれ」", | |||
"201008511_66": "「うわぁ……ッ! みんなからひとつずつッ!?\\n ありがとうございますッ!」", | |||
"201008511_67": "「さっそく開けてもいいですか?」", | |||
"201008511_68": "「ええ、もちろんよ」", | |||
"201008511_69": "「うう、緊張するなぁ。 喜んでくれるかな……」", | |||
"201008511_70": "「あたりまえだろ。お前からのプレゼントなんだから」", | |||
"201008511_71": "「あれ……? クリスのプレゼント、そのラッピングは……」", | |||
"201008511_72": "「ああ、学校帰りに見つけた店でな。\\n ちょうどあいつに似合いそうなものがあったから……」", | |||
"201008511_73": "「……あ、あのね?」", | |||
"201008511_74": "「ん? どうしたんだ?」", | |||
"201008511_75": "「わたしも同じのを買っちゃったみたい。\\n ほら、これ……」", | |||
"201008511_76": "「なにッ!?」", | |||
"201008511_77": "「どうしよう。プレゼントが被っちゃうなんて……」", | |||
"201008511_78": "「……」", | |||
"201008511_79": "「……ったく、しょうがないな。それじゃ、あたしはパスだ」", | |||
"201008511_80": "「えッ!? パスって……」", | |||
"201008511_81": "「ああ。一番あいつを喜ばせるのはそっちの役目だろ」", | |||
"201008511_82": "「で、でもクリスは……」", | |||
"201008511_83": "「あたしは忘れたことにでもするから大丈夫だ。\\n ほら、あいつが待ってるぞ」", | |||
"201008511_84": "「う、うん……」", | |||
"201008511_85": "「ふーッ、あぶない……。\\n せっかくの誕生日に水を差すとこだったな」", | |||
"201008511_86": "「やっぱりあたしにはプレゼント選びなんて……」", | |||
"201008511_87": "「……まったく、何を言っているんだ」", | |||
"201008511_88": "「うわッ、聞いてたのか?」 ", | |||
"201008511_89": "「でも、こうするしかないだろ?\\n プレゼントが被るなんて……」", | |||
"201008511_90": "「そんなことを気にするな。\\n せっかく選んだプレゼントだろう?」", | |||
"201008511_91": "「立花なら大丈夫だ。ほら、行ってこいッ!」", | |||
"201008511_92": "「お、おいッ! そんな、強引に……ッ!」", | |||
"201008511_93": "「きゃッ! クリスッ!?」", | |||
"201008511_94": "「うわッ!? わ、悪いッ!」", | |||
"201008511_95": "「おっとっと……ッ! 2人とも大丈夫?」", | |||
"201008511_96": "「あ、ああ……。あのさ、プレゼントだけど……」", | |||
"201008511_97": "「実はね、2人で同じのを選んじゃったみたいなの」", | |||
"201008511_98": "「そうなんだ。ありがとうッ!」", | |||
"201008511_99": "「ああ、悪い……。\\n って、えッ!?」", | |||
"201008511_100": "「いいの……?」", | |||
"201008511_101": "「もちろんッ! すっごくうれしいよ」", | |||
"201008511_102": "「だって、同じプレゼントってことは、\\n 2人とも同じように考えて選んでくれたってことでしょ?」", | |||
"201008511_103": "「まあ、そういうことになるかもな……」", | |||
"201008511_104": "「うん。これだったら響が一番喜んでくれそうだなって」", | |||
"201008511_105": "「やっぱりッ! だから、2倍うれしいッ!\\n 最高のプレゼントだよッ!」", | |||
"201008511_106": "「ったく……、気にしたこっちが\\n バカみたいに思えてくるな」", | |||
"201008511_107": "「フフ、喜んでもらえてよかった」", | |||
"201008511_108": "「アハハ」", | |||
"201008511_109": "「ちょ、おいッ! そろそろ離せって」", | |||
"201008511_110": "「え? もうちょっとこのままでいいでしょー?」", | |||
"201008511_111": "「なんだか3人ですごく盛りあがってるデスね」", | |||
"201008511_112": "「うん、とっても楽しそう」", | |||
"201008511_113": "「まったく、世話の焼ける後輩たちだな」" | |||
} |
@@ -1,80 +1,80 @@ | |||
{ | |||
"201008611_0": "楽しいおしゃべり", | |||
"201008611_1": "「こんにちは」", | |||
"201008611_2": "「あら、こんにちは。\\n こっちに来ていたのね」", | |||
"201008611_3": "「はい。姉さんに用事があって」", | |||
"201008611_4": "「ごめんなさい。\\n マリアさんなら今、任務で出てもらっているの」", | |||
"201008611_5": "「えッ? そうなんですか……」", | |||
"201008611_6": "「なんだ、あんたもか」", | |||
"201008611_7": "「え……?」", | |||
"201008611_8": "「あたしも翼に用があってきたんだけどさ」", | |||
"201008611_9": "「翼さんとマリアさん、\\n 2人とも一緒の任務についているのよ」", | |||
"201008611_10": "「せっかく来たってのに、\\n あたしもあんたも、空振りしちゃったみたいだな」", | |||
"201008611_11": "「そうですね」", | |||
"201008611_12": "「……では、また日を改めます」", | |||
"201008611_13": "「あ、待って。2人とも早ければ1時間ほどで戻る予定よ」", | |||
"201008611_14": "「それなら、もう少し待ってみようかな」", | |||
"201008611_15": "「ああ。あたしもこうして待ってるんだけど、\\n よかったら、一緒に話でもして待たないか?」", | |||
"201008611_16": "「わたしでよければ、よろこんで」", | |||
"201008611_17": "「助かったよ。1人で退屈してたところだったんだ」", | |||
"201008611_18": "「ここじゃなんだから、場所を変えようか。\\n ほら、こっちこっち」", | |||
"201008611_19": "「あッ、あのッ……」", | |||
"201008611_20": "(姉さんみたいな、温かい手……)", | |||
"201008611_21": "(そういえば姉さんも、わたしが躊躇っていると、\\n よくこうやって手を握って引っ張ってくれた……)", | |||
"201008611_22": "(この人も姉さんみたいに温かくて、\\n 優しい人なのかな……)", | |||
"201008611_23": "「ん? どうかしたかい?」", | |||
"201008611_24": "「い、いえ。手を握られるのは久しぶりで、\\n ちょっとびっくりして……」", | |||
"201008611_25": "「やだッ、わたし……恥ずかしい」", | |||
"201008611_26": "「アハハッ! お腹が鳴るのは元気な証拠さ」", | |||
"201008611_27": "「食堂にでも行こうか。\\n あたしもガッツリ食べたかったんだよな」", | |||
"201008611_28": "「翼たちが戻ってきたら、食堂で待ってるって、\\n 伝えてもらっていいかな?」", | |||
"201008611_29": "「分かったわ。ちゃんと伝えておくわね」", | |||
"201008611_30": "「ありがとう」", | |||
"201008611_31": "「じゃあ行こうか。\\n 装者が任務中ってことは、ここも直に忙しくなるはずだ」", | |||
"201008611_32": "「ここにいて仕事の邪魔になっちまったら、\\n 翼たちにも合わせる顔がないからな」", | |||
"201008611_33": "「そうですね、行きましょう」", | |||
"201008611_34": "「さて、何を食べようかな……。\\n あんたはどうする?」", | |||
"201008611_35": "「わたしは……、今はお肉の気分なので、\\n ハンバーグのセットにします」", | |||
"201008611_36": "「ハンバーグか、いいねッ!\\n あたしも同じものにしようッ!」", | |||
"201008611_37": "「あ、あの、それより……」", | |||
"201008611_38": "「うん?」", | |||
"201008611_39": "「もう手を離してもらって、大丈夫ですよ。\\n 迷子になったりしませんから」", | |||
"201008611_40": "「あッ、悪いッ!\\n 子ども扱いする気はなかったんだけどさ」", | |||
"201008611_41": "「いえ、大丈夫です」", | |||
"201008611_42": "「さてと、空いている席は……」", | |||
"201008611_43": "「姉さんたちが見つけやすいように、\\n 入り口近くの席にしませんか?」", | |||
"201008611_44": "「ああ。そうしようか」", | |||
"201008611_45": "「あの、姉さんとはどのような関係なんですか?」", | |||
"201008611_46": "「うーん、あらためて聞かれると、\\n どう答えたもんかなあ……」", | |||
"201008611_47": "「はじめはどうしたって、翼を介した付き合いだった。\\n けど、今は何かと世話になっている感じかな」", | |||
"201008611_48": "「あんたと翼の関係は、どうなんだい?」", | |||
"201008611_49": "「そうですね……」", | |||
"201008611_50": "「正直に言えば、あまり深くはお付き合いしていないので、\\n まだ知らないことの方が多いです」", | |||
"201008611_51": "「ただ、姉さんがお世話になっているということは、\\n わたしがお世話になっているも同じなので……」", | |||
"201008611_52": "「つまりは、とてもお世話になっているということですッ!」", | |||
"201008611_53": "「ハハッ、分かったような、分からないようなだな。\\n でも気持ちはよく分かるよ」", | |||
"201008611_54": "「もしかして、あたしたちの境遇が似ているのかな」", | |||
"201008611_55": "「そうかも……、しれませんね」", | |||
"201008611_56": "「まったく……。奏はいつも、急に訪れる」", | |||
"201008611_57": "「セレナもよ。けど、向こうもきっと、わたしたちのことを\\n 同じように思っているわ」", | |||
"201008611_58": "「フッ、違いないな」", | |||
"201008611_59": "「だいぶ2人を待たせてしまったようだが……」", | |||
"201008611_60": "「あの2人が一緒にいるなんて、\\n 一体何を話しているのかしら」", | |||
"201008611_61": "「姉さんは優しくて、とても強いんです」", | |||
"201008611_62": "「そうみたいだな。\\n あんたの話を聞いていると、よく伝わってくるよ」", | |||
"201008611_63": "「それでは足りませんッ。\\n その倍……ううん、10倍は優しくて強いんですッ!」", | |||
"201008611_64": "「ハハ、10倍とは大きくでたもんだ」", | |||
"201008611_65": "「セ、セレナがわたしのことを……、あんなに褒めて……ッ!?\\n 嬉しいけど、恥ずかしいじゃない……」", | |||
"201008611_66": "「さすが奏だな。すっかりうち解けているようだ」", | |||
"201008611_67": "「でも、翼だって、\\n あんたの姉さんと同じくらい、優しくて強いやつなんだ」", | |||
"201008611_68": "「そうでなければ、あんなに良い関係は築けないからな」", | |||
"201008611_69": "「はい、それはわたしにも伝わります」", | |||
"201008611_70": "「翼さんと話している姉さんは、\\n とても楽しそうで……。少しだけ、妬けてしまいます」", | |||
"201008611_71": "「アハハッ、あんたもか? 実はあたしも一緒さ」", | |||
"201008611_72": "「あの2人が楽しそうにしているところを見ると、\\n 少し、寂しく感じることがあるんだ」", | |||
"201008611_73": "「分かります……でも、\\n わたしは姉さんが幸せなら、それが1番、嬉しいんですッ!」", | |||
"201008611_74": "「ああ、そうだな。その気持ち、よく分かるよ……」", | |||
"201008611_75": "「姉さんは本当に……」", | |||
"201008611_76": "「もうそこまでにしてちょうだい……。\\n どんな顔をして出ていけばいいか、分からないじゃない……」", | |||
"201008611_77": "「奏も。話をあわせるためとはいえ、褒めすぎだ……。\\n このまま聞いていたら、顔から火が出てしまう……」" | |||
{ | |||
"201008611_0": "楽しいおしゃべり", | |||
"201008611_1": "「こんにちは」", | |||
"201008611_2": "「あら、こんにちは。\\n こっちに来ていたのね」", | |||
"201008611_3": "「はい。姉さんに用事があって」", | |||
"201008611_4": "「ごめんなさい。\\n マリアさんなら今、任務で出てもらっているの」", | |||
"201008611_5": "「えッ? そうなんですか……」", | |||
"201008611_6": "「なんだ、あんたもか」", | |||
"201008611_7": "「え……?」", | |||
"201008611_8": "「あたしも翼に用があってきたんだけどさ」", | |||
"201008611_9": "「翼さんとマリアさん、\\n 2人とも一緒の任務についているのよ」", | |||
"201008611_10": "「せっかく来たってのに、\\n あたしもあんたも、空振りしちゃったみたいだな」", | |||
"201008611_11": "「そうですね」", | |||
"201008611_12": "「……では、また日を改めます」", | |||
"201008611_13": "「あ、待って。2人とも早ければ1時間ほどで戻る予定よ」", | |||
"201008611_14": "「それなら、もう少し待ってみようかな」", | |||
"201008611_15": "「ああ。あたしもこうして待ってるんだけど、\\n よかったら、一緒に話でもして待たないか?」", | |||
"201008611_16": "「わたしでよければ、よろこんで」", | |||
"201008611_17": "「助かったよ。1人で退屈してたところだったんだ」", | |||
"201008611_18": "「ここじゃなんだから、場所を変えようか。\\n ほら、こっちこっち」", | |||
"201008611_19": "「あッ、あのッ……」", | |||
"201008611_20": "(姉さんみたいな、温かい手……)", | |||
"201008611_21": "(そういえば姉さんも、わたしが躊躇っていると、\\n よくこうやって手を握って引っ張ってくれた……)", | |||
"201008611_22": "(この人も姉さんみたいに温かくて、\\n 優しい人なのかな……)", | |||
"201008611_23": "「ん? どうかしたかい?」", | |||
"201008611_24": "「い、いえ。手を握られるのは久しぶりで、\\n ちょっとびっくりして……」", | |||
"201008611_25": "「やだッ、わたし……恥ずかしい」", | |||
"201008611_26": "「アハハッ! お腹が鳴るのは元気な証拠さ」", | |||
"201008611_27": "「食堂にでも行こうか。\\n あたしもガッツリ食べたかったんだよな」", | |||
"201008611_28": "「翼たちが戻ってきたら、食堂で待ってるって、\\n 伝えてもらっていいかな?」", | |||
"201008611_29": "「分かったわ。ちゃんと伝えておくわね」", | |||
"201008611_30": "「ありがとう」", | |||
"201008611_31": "「じゃあ行こうか。\\n 装者が任務中ってことは、ここも直に忙しくなるはずだ」", | |||
"201008611_32": "「ここにいて仕事の邪魔になっちまったら、\\n 翼たちにも合わせる顔がないからな」", | |||
"201008611_33": "「そうですね、行きましょう」", | |||
"201008611_34": "「さて、何を食べようかな……。\\n あんたはどうする?」", | |||
"201008611_35": "「わたしは……、今はお肉の気分なので、\\n ハンバーグのセットにします」", | |||
"201008611_36": "「ハンバーグか、いいねッ!\\n あたしも同じものにしようッ!」", | |||
"201008611_37": "「あ、あの、それより……」", | |||
"201008611_38": "「うん?」", | |||
"201008611_39": "「もう手を離してもらって、大丈夫ですよ。\\n 迷子になったりしませんから」", | |||
"201008611_40": "「あッ、悪いッ!\\n 子ども扱いする気はなかったんだけどさ」", | |||
"201008611_41": "「いえ、大丈夫です」", | |||
"201008611_42": "「さてと、空いている席は……」", | |||
"201008611_43": "「姉さんたちが見つけやすいように、\\n 入り口近くの席にしませんか?」", | |||
"201008611_44": "「ああ。そうしようか」", | |||
"201008611_45": "「あの、姉さんとはどのような関係なんですか?」", | |||
"201008611_46": "「うーん、あらためて聞かれると、\\n どう答えたもんかなあ……」", | |||
"201008611_47": "「はじめはどうしたって、翼を介した付き合いだった。\\n けど、今は何かと世話になっている感じかな」", | |||
"201008611_48": "「あんたと翼の関係は、どうなんだい?」", | |||
"201008611_49": "「そうですね……」", | |||
"201008611_50": "「正直に言えば、あまり深くはお付き合いしていないので、\\n まだ知らないことの方が多いです」", | |||
"201008611_51": "「ただ、姉さんがお世話になっているということは、\\n わたしがお世話になっているも同じなので……」", | |||
"201008611_52": "「つまりは、とてもお世話になっているということですッ!」", | |||
"201008611_53": "「ハハッ、分かったような、分からないようなだな。\\n でも気持ちはよく分かるよ」", | |||
"201008611_54": "「もしかして、あたしたちの境遇が似ているのかな」", | |||
"201008611_55": "「そうかも……、しれませんね」", | |||
"201008611_56": "「まったく……。奏はいつも、急に訪れる」", | |||
"201008611_57": "「セレナもよ。けど、向こうもきっと、わたしたちのことを\\n 同じように思っているわ」", | |||
"201008611_58": "「フッ、違いないな」", | |||
"201008611_59": "「だいぶ2人を待たせてしまったようだが……」", | |||
"201008611_60": "「あの2人が一緒にいるなんて、\\n 一体何を話しているのかしら」", | |||
"201008611_61": "「姉さんは優しくて、とても強いんです」", | |||
"201008611_62": "「そうみたいだな。\\n あんたの話を聞いていると、よく伝わってくるよ」", | |||
"201008611_63": "「それでは足りませんッ。\\n その倍……ううん、10倍は優しくて強いんですッ!」", | |||
"201008611_64": "「ハハ、10倍とは大きくでたもんだ」", | |||
"201008611_65": "「セ、セレナがわたしのことを……、あんなに褒めて……ッ!?\\n 嬉しいけど、恥ずかしいじゃない……」", | |||
"201008611_66": "「さすが奏だな。すっかりうち解けているようだ」", | |||
"201008611_67": "「でも、翼だって、\\n あんたの姉さんと同じくらい、優しくて強いやつなんだ」", | |||
"201008611_68": "「そうでなければ、あんなに良い関係は築けないからな」", | |||
"201008611_69": "「はい、それはわたしにも伝わります」", | |||
"201008611_70": "「翼さんと話している姉さんは、\\n とても楽しそうで……。少しだけ、妬けてしまいます」", | |||
"201008611_71": "「アハハッ、あんたもか? 実はあたしも一緒さ」", | |||
"201008611_72": "「あの2人が楽しそうにしているところを見ると、\\n 少し、寂しく感じることがあるんだ」", | |||
"201008611_73": "「分かります……でも、\\n わたしは姉さんが幸せなら、それが1番、嬉しいんですッ!」", | |||
"201008611_74": "「ああ、そうだな。その気持ち、よく分かるよ……」", | |||
"201008611_75": "「姉さんは本当に……」", | |||
"201008611_76": "「もうそこまでにしてちょうだい……。\\n どんな顔をして出ていけばいいか、分からないじゃない……」", | |||
"201008611_77": "「奏も。話をあわせるためとはいえ、褒めすぎだ……。\\n このまま聞いていたら、顔から火が出てしまう……」" | |||
} |
@@ -1,79 +1,79 @@ | |||
{ | |||
"201008711_0": "頑張るあなたへ", | |||
"201008711_1": "「あッ、あの後ろ姿は……」", | |||
"201008711_2": "「姉さ……えッ!?」", | |||
"201008711_3": "「わッ!?」", | |||
"201008711_4": "「きゃッ!」", | |||
"201008711_5": "「うわッ!」", | |||
"201008711_6": "「いたたッ……大丈夫ですかッ!?」", | |||
"201008711_7": "「は、はい……、大丈夫です」", | |||
"201008711_8": "「ごめんなさい。\\n わたしが通路を走ったりしたから……」", | |||
"201008711_9": "「こちらこそすみません。\\n 抱えていた資料で、前が見えなくて……」", | |||
"201008711_10": "「あッ、落ちてしまった資料拾います」", | |||
"201008711_11": "「ありがとうございます」", | |||
"201008711_12": "「これで全部ですか?」", | |||
"201008711_13": "「えーと……、はい。全部揃っています。\\n ありがとうございました」", | |||
"201008711_14": "「元はといえばわたしが悪いのに、お礼なんて……。\\n 本当にごめんなさい」", | |||
"201008711_15": "「お互い、怪我が無くてなによりでした。\\n よいしょ……わわッ!」", | |||
"201008711_16": "「だ、大丈夫ですか?\\n ひょっとして、足に痛みがあるんじゃ……」", | |||
"201008711_17": "「いえ、大丈夫です。\\n ちょっとふらついてしまっただけで……」", | |||
"201008711_18": "「ダメですね、少しは運動をしないと……。\\n ご心配をおかけして、本当に申し訳ありません」", | |||
"201008711_19": "「それでは、ボクはこれで……」", | |||
"201008711_20": "「は、はい……」", | |||
"201008711_21": "(あの、おぼつかない足取り……。\\n とても大丈夫とは思えないけど……)", | |||
"201008711_22": "「あれ?」", | |||
"201008711_23": "「どうしたの?」", | |||
"201008711_24": "「ペンダントが、見つからなくて……」", | |||
"201008711_25": "「大事なペンダントなの?」", | |||
"201008711_26": "「うん、とっても……」", | |||
"201008711_27": "「そう……。落とした場所に心当たりはないかしら。\\n たとえば転んだとか、荷物を置いたとか……」", | |||
"201008711_28": "「転んだ……あッ!」", | |||
"201008711_29": "「わたし、ちょっと見てくるね」", | |||
"201008711_30": "「待って、わたしも一緒に行くわ」", | |||
"201008711_31": "「大丈夫だよ、ちょっと心当たりを見てくるだけだから」", | |||
"201008711_32": "「そう? 気を付けてね」", | |||
"201008711_33": "(もし落としたとしたら、\\n さっきぶつかって転んだ場所だと思うけど……)", | |||
"201008711_34": "「この辺りだよね……」", | |||
"201008711_35": "「うーん……、無いな……」", | |||
"201008711_36": "「ここに落ちてないとすると、どこで落としたんだろう……」", | |||
"201008711_37": "「どうしたの?」", | |||
"201008711_38": "「落としものをしてしまって、探していたんです」", | |||
"201008711_39": "「何を落としたの?」", | |||
"201008711_40": "「ペンダントなんですけど……、見かけませんでしたか?」", | |||
"201008711_41": "「ううん、見てないけど……」", | |||
"201008711_42": "「そうですか……」", | |||
"201008711_43": "「切ちゃんにも聞いてみる。\\n 見かけたら知らせるから、気を落とさないで」", | |||
"201008711_44": "「気にかけてくれて、ありがとうございます。\\n 月読さんも、何か用があったんじゃ……」", | |||
"201008711_45": "「そうだ、エルフナインがセレナを捜していたみたい。\\n 用件までは聞かなかったけど……」", | |||
"201008711_46": "「なんでしょう? お話伺いに行ってきますね」", | |||
"201008711_47": "「この時間なら、研究室にいると思う」", | |||
"201008711_48": "「はい、ありがとうございます」", | |||
"201008711_49": "「あの……セレナです。\\n わたしを捜していたって聞いたんですけど……」", | |||
"201008711_50": "「こんばんは。……お留守ですか?」", | |||
"201008711_51": "「……」", | |||
"201008711_52": "「いないのかな?」", | |||
"201008711_53": "「あッ、開いちゃった……」", | |||
"201008711_54": "「カギがかかってないってことは、\\n 部屋の中にはいるんだよね……?」", | |||
"201008711_55": "「えっと、お邪魔します……」", | |||
"201008711_56": "「こんばんは……。\\n あ……」", | |||
"201008711_57": "「んぅ……ッ」", | |||
"201008711_58": "「だッ、大丈夫ですかッ!?\\n 椅子から転げ落ちるなんて、どこか具合が……」", | |||
"201008711_59": "「すーッ、すーッ……」", | |||
"201008711_60": "「寝てる……?」", | |||
"201008711_61": "「どうしよう。どちらにしても、このままにしておけない」", | |||
"201008711_62": "「えーと……、こんなところで寝てたら、風邪をひいちゃいますよ?」", | |||
"201008711_63": "「うーん……」", | |||
"201008711_64": "「こんなにぐっすり……」", | |||
"201008711_65": "「えっと、どこかに毛布は……」", | |||
"201008711_66": "「……あれ?\\n わたしのペンダントが、机の上に?」", | |||
"201008711_67": "「あの時、拾ってくれていたんですね」", | |||
"201008711_68": "「ベッドに運べれば1番いいんですが、\\n ちょっと無理そうなので……」", | |||
"201008711_69": "「これでよしっと」", | |||
"201008711_70": "「ありがとう……<speed=1>、</speed><size=25>ございます……</size>」", | |||
"201008711_71": "「あッ……、起こしちゃいましたか?」", | |||
"201008711_72": "「すーッ、すーッ……」", | |||
"201008711_73": "「寝言……、みたいですね。\\n 寝ている時まで、気を使いすぎです」", | |||
"201008711_74": "「こちらこそ、ありがとうございました」", | |||
"201008711_75": "「あんまり、無理はしないでくださいね」", | |||
"201008711_76": "「は……<speed=1>、</speed><size=25>はい……</size>」" | |||
{ | |||
"201008711_0": "頑張るあなたへ", | |||
"201008711_1": "「あッ、あの後ろ姿は……」", | |||
"201008711_2": "「姉さ……えッ!?」", | |||
"201008711_3": "「わッ!?」", | |||
"201008711_4": "「きゃッ!」", | |||
"201008711_5": "「うわッ!」", | |||
"201008711_6": "「いたたッ……大丈夫ですかッ!?」", | |||
"201008711_7": "「は、はい……、大丈夫です」", | |||
"201008711_8": "「ごめんなさい。\\n わたしが通路を走ったりしたから……」", | |||
"201008711_9": "「こちらこそすみません。\\n 抱えていた資料で、前が見えなくて……」", | |||
"201008711_10": "「あッ、落ちてしまった資料拾います」", | |||
"201008711_11": "「ありがとうございます」", | |||
"201008711_12": "「これで全部ですか?」", | |||
"201008711_13": "「えーと……、はい。全部揃っています。\\n ありがとうございました」", | |||
"201008711_14": "「元はといえばわたしが悪いのに、お礼なんて……。\\n 本当にごめんなさい」", | |||
"201008711_15": "「お互い、怪我が無くてなによりでした。\\n よいしょ……わわッ!」", | |||
"201008711_16": "「だ、大丈夫ですか?\\n ひょっとして、足に痛みがあるんじゃ……」", | |||
"201008711_17": "「いえ、大丈夫です。\\n ちょっとふらついてしまっただけで……」", | |||
"201008711_18": "「ダメですね、少しは運動をしないと……。\\n ご心配をおかけして、本当に申し訳ありません」", | |||
"201008711_19": "「それでは、ボクはこれで……」", | |||
"201008711_20": "「は、はい……」", | |||
"201008711_21": "(あの、おぼつかない足取り……。\\n とても大丈夫とは思えないけど……)", | |||
"201008711_22": "「あれ?」", | |||
"201008711_23": "「どうしたの?」", | |||
"201008711_24": "「ペンダントが、見つからなくて……」", | |||
"201008711_25": "「大事なペンダントなの?」", | |||
"201008711_26": "「うん、とっても……」", | |||
"201008711_27": "「そう……。落とした場所に心当たりはないかしら。\\n たとえば転んだとか、荷物を置いたとか……」", | |||
"201008711_28": "「転んだ……あッ!」", | |||
"201008711_29": "「わたし、ちょっと見てくるね」", | |||
"201008711_30": "「待って、わたしも一緒に行くわ」", | |||
"201008711_31": "「大丈夫だよ、ちょっと心当たりを見てくるだけだから」", | |||
"201008711_32": "「そう? 気を付けてね」", | |||
"201008711_33": "(もし落としたとしたら、\\n さっきぶつかって転んだ場所だと思うけど……)", | |||
"201008711_34": "「この辺りだよね……」", | |||
"201008711_35": "「うーん……、無いな……」", | |||
"201008711_36": "「ここに落ちてないとすると、どこで落としたんだろう……」", | |||
"201008711_37": "「どうしたの?」", | |||
"201008711_38": "「落としものをしてしまって、探していたんです」", | |||
"201008711_39": "「何を落としたの?」", | |||
"201008711_40": "「ペンダントなんですけど……、見かけませんでしたか?」", | |||
"201008711_41": "「ううん、見てないけど……」", | |||
"201008711_42": "「そうですか……」", | |||
"201008711_43": "「切ちゃんにも聞いてみる。\\n 見かけたら知らせるから、気を落とさないで」", | |||
"201008711_44": "「気にかけてくれて、ありがとうございます。\\n 月読さんも、何か用があったんじゃ……」", | |||
"201008711_45": "「そうだ、エルフナインがセレナを捜していたみたい。\\n 用件までは聞かなかったけど……」", | |||
"201008711_46": "「なんでしょう? お話伺いに行ってきますね」", | |||
"201008711_47": "「この時間なら、研究室にいると思う」", | |||
"201008711_48": "「はい、ありがとうございます」", | |||
"201008711_49": "「あの……セレナです。\\n わたしを捜していたって聞いたんですけど……」", | |||
"201008711_50": "「こんばんは。……お留守ですか?」", | |||
"201008711_51": "「……」", | |||
"201008711_52": "「いないのかな?」", | |||
"201008711_53": "「あッ、開いちゃった……」", | |||
"201008711_54": "「カギがかかってないってことは、\\n 部屋の中にはいるんだよね……?」", | |||
"201008711_55": "「えっと、お邪魔します……」", | |||
"201008711_56": "「こんばんは……。\\n あ……」", | |||
"201008711_57": "「んぅ……ッ」", | |||
"201008711_58": "「だッ、大丈夫ですかッ!?\\n 椅子から転げ落ちるなんて、どこか具合が……」", | |||
"201008711_59": "「すーッ、すーッ……」", | |||
"201008711_60": "「寝てる……?」", | |||
"201008711_61": "「どうしよう。どちらにしても、このままにしておけない」", | |||
"201008711_62": "「えーと……、こんなところで寝てたら、風邪をひいちゃいますよ?」", | |||
"201008711_63": "「うーん……」", | |||
"201008711_64": "「こんなにぐっすり……」", | |||
"201008711_65": "「えっと、どこかに毛布は……」", | |||
"201008711_66": "「……あれ?\\n わたしのペンダントが、机の上に?」", | |||
"201008711_67": "「あの時、拾ってくれていたんですね」", | |||
"201008711_68": "「ベッドに運べれば1番いいんですが、\\n ちょっと無理そうなので……」", | |||
"201008711_69": "「これでよしっと」", | |||
"201008711_70": "「ありがとう……<speed=1>、</speed><size=25>ございます……</size>」", | |||
"201008711_71": "「あッ……、起こしちゃいましたか?」", | |||
"201008711_72": "「すーッ、すーッ……」", | |||
"201008711_73": "「寝言……、みたいですね。\\n 寝ている時まで、気を使いすぎです」", | |||
"201008711_74": "「こちらこそ、ありがとうございました」", | |||
"201008711_75": "「あんまり、無理はしないでくださいね」", | |||
"201008711_76": "「は……<speed=1>、</speed><size=25>はい……</size>」" | |||
} |
@@ -1,79 +1,79 @@ | |||
{ | |||
"201008811_0": "2人はキャリアウーマン", | |||
"201008811_1": "「ブリーフィングは以上だ。\\n 質問はあるか?」", | |||
"201008811_2": "「大丈夫だ」", | |||
"201008811_3": "「問題ありません」", | |||
"201008811_4": "「え、ええっと……」", | |||
"201008811_5": "「後でもう一度説明しよう」", | |||
"201008811_6": "「うう、すみません……」", | |||
"201008811_7": "「ところで翼、時間は大丈夫なのか?」", | |||
"201008811_8": "「はッ!? しまった――ッ!\\n ライブの打ち合わせが……失礼しますッ!!」", | |||
"201008811_9": "「やれやれ……、間に合うといいが。\\n 緒川がいないとどうにも危なっかしいな……」", | |||
"201008811_10": "「え……、緒川さん今いないんですか?」", | |||
"201008811_11": "「ああ、風邪をひいてしまったらしくてな」", | |||
"201008811_12": "「はあッ!? あの人がッ!?」", | |||
"201008811_13": "「何を驚いている?\\n 緒川だって、風邪をひくこともあるだろう」", | |||
"201008811_14": "「おっさんが言っても、全然説得力無いけどな……」", | |||
"201008811_15": "「まあ、そういうわけで、\\n 翼にうつしてしまう可能性もあるから自宅療養中だ」", | |||
"201008811_16": "「あれ? それじゃ翼さんのマネージャーは?」", | |||
"201008811_17": "「今は自分でスケジュール管理をしている」", | |||
"201008811_18": "「緒川がいないことで、かなり苦労しているようだがな」", | |||
"201008811_19": "「そっか……。翼さん、困ってるんだ……」", | |||
"201008811_20": "「ゴホッ……はい。……響さんですか?」", | |||
"201008811_21": "「――なるほど。それは助かります。\\n 実はちょうど心配していたところでして……」", | |||
"201008811_22": "「それでは、ぜひお願いします」", | |||
"201008811_23": "「今日はライブ会場でリハーサルか。\\n そろそろ準備をしなくては――」", | |||
"201008811_24": "「翼さんッ! おはようございますッ!」", | |||
"201008811_25": "「よう」", | |||
"201008811_26": "「立花と雪音……? と、突然どうしたんだ?\\n ……まあいい、とりあえず入ってくれ」", | |||
"201008811_27": "「お邪魔しますッ!」", | |||
"201008811_28": "「一体なんの用だ?\\n わたしはそろそろ仕事に行かなくてはならないのだが――」", | |||
"201008811_29": "「今日は、わたしとクリスちゃんが、\\n 翼さんのマネージャーをしますッ!」", | |||
"201008811_30": "「…………は?」", | |||
"201008811_31": "「なるほど、風邪をひいた緒川さんの代わりに……」", | |||
"201008811_32": "「このバカお得意の人助けってやつだな」", | |||
"201008811_33": "「頼んだら、クリスちゃんも一緒に来てくれたんですッ!」", | |||
"201008811_34": "「お前が無理やり連れてきたんだろ。\\n まあ、特に用も無かったからいいけど……」", | |||
"201008811_35": "「しかし、流石に学生に務まるとは……」", | |||
"201008811_36": "「大丈夫ですッ!\\n マネージャーらしくスーツを用意しましたッ!」", | |||
"201008811_37": "「そ、そういう問題では……。\\n これは遊び気分で務まるような仕事ではないんだぞ」", | |||
"201008811_38": "「だいたい、今日何をするかも分からないんじゃ……」", | |||
"201008811_39": "「今日はライブ会場でリハーサルですよねッ!\\n 音響と演出を確認する予定です。曲目は――」", | |||
"201008811_40": "「な、なぜそれを……」", | |||
"201008811_41": "「あたしたちの耳に、本部で借りたインカムが\\n 入っているんだ」", | |||
"201008811_42": "「自宅にいる緒川さんと繋がっているんです。\\n これで指示をもらいながら仕事をすれば大丈夫ですッ!」", | |||
"201008811_43": "「なッ……。\\n すでに緒川さんに話が通っているのか……」", | |||
"201008811_44": "「『2人に任せてください、翼さん』だってさ」", | |||
"201008811_45": "「……ああ、分かった。\\n 今日はよろしく頼む」", | |||
"201008811_46": "「はいッ! がんばります」", | |||
"201008811_47": "「邪魔にはならないようにしないとな」", | |||
"201008811_48": "「風鳴翼のマネージャー代理、立花響ですッ!」", | |||
"201008811_49": "「同じく、付き添いのもんだ」", | |||
"201008811_50": "「可愛いマネージャーさんね。\\n こちらこそ、今日はよろしくお願いします」", | |||
"201008811_51": "(よろしく頼むとは言ったものの、\\n 2人は大丈夫だろうか……。不安だ)", | |||
"201008811_52": "「それで、唄い終わりと同時にこちらにはけていただいて――。\\n ……風鳴さん? どうかされましたか?」", | |||
"201008811_53": "「あッ、いえ……。\\n 申し訳ありません、説明を続けてください」", | |||
"201008811_54": "「ね、ねえクリスちゃん。ケータリングってこっちで\\n いいんだっけッ!?」", | |||
"201008811_55": "「さっき確認していただろッ!\\n こっちは今確認事項が立てこんでいて大変なんだよッ!」", | |||
"201008811_56": "「うう……、忙しくて目が回りそう……。\\n 緒川さんは1人でこれをやってたんだよね……」", | |||
"201008811_57": "「やっぱとんでもない人だな……」", | |||
"201008811_58": "「おふたりは初めてなんですから無理ありませんよ。\\n もう十分ですから、休んでは……」", | |||
"201008811_59": "「いえッ! 手伝うって言ったのはわたしたちですからッ!」", | |||
"201008811_60": "「ああ、これくらいで音を上げたら、\\n ステージで唄ってる先輩に笑われるッ!」", | |||
"201008811_61": "「……そうですね。すみませんでした。\\n それでは、最後まで頑張りましょうッ!」", | |||
"201008811_62": "「ファイトッ! おーッ!!」", | |||
"201008811_63": "「ああッ!!」", | |||
"201008811_64": "「あ、あの、声の大きさは控えめで……」", | |||
"201008811_65": "「……ふう」", | |||
"201008811_66": "「翼さんッ、お疲れ様でしたッ!」", | |||
"201008811_67": "「……今日はありがとう。\\n おかげでリハーサルに集中することができた」", | |||
"201008811_68": "「2人こそ、慣れない仕事で疲れただろう」", | |||
"201008811_69": "「確かに疲れたな。でも……」", | |||
"201008811_70": "「すごく勉強になりましたし、楽しかったですッ!」", | |||
"201008811_71": "「そうか。なら良かった」", | |||
"201008811_72": "「今日はそろそろ帰る。じゃあな」", | |||
"201008811_73": "「翼さん、また明日ッ!」", | |||
"201008811_74": "「ああ、また明日」", | |||
"201008811_75": "「……ん? また明日?」", | |||
"201008811_76": "「2人はいつまでマネージャーを\\n してくれる気なのだろうか……」" | |||
{ | |||
"201008811_0": "2人はキャリアウーマン", | |||
"201008811_1": "「ブリーフィングは以上だ。\\n 質問はあるか?」", | |||
"201008811_2": "「大丈夫だ」", | |||
"201008811_3": "「問題ありません」", | |||
"201008811_4": "「え、ええっと……」", | |||
"201008811_5": "「後でもう一度説明しよう」", | |||
"201008811_6": "「うう、すみません……」", | |||
"201008811_7": "「ところで翼、時間は大丈夫なのか?」", | |||
"201008811_8": "「はッ!? しまった――ッ!\\n ライブの打ち合わせが……失礼しますッ!!」", | |||
"201008811_9": "「やれやれ……、間に合うといいが。\\n 緒川がいないとどうにも危なっかしいな……」", | |||
"201008811_10": "「え……、緒川さん今いないんですか?」", | |||
"201008811_11": "「ああ、風邪をひいてしまったらしくてな」", | |||
"201008811_12": "「はあッ!? あの人がッ!?」", | |||
"201008811_13": "「何を驚いている?\\n 緒川だって、風邪をひくこともあるだろう」", | |||
"201008811_14": "「おっさんが言っても、全然説得力無いけどな……」", | |||
"201008811_15": "「まあ、そういうわけで、\\n 翼にうつしてしまう可能性もあるから自宅療養中だ」", | |||
"201008811_16": "「あれ? それじゃ翼さんのマネージャーは?」", | |||
"201008811_17": "「今は自分でスケジュール管理をしている」", | |||
"201008811_18": "「緒川がいないことで、かなり苦労しているようだがな」", | |||
"201008811_19": "「そっか……。翼さん、困ってるんだ……」", | |||
"201008811_20": "「ゴホッ……はい。……響さんですか?」", | |||
"201008811_21": "「――なるほど。それは助かります。\\n 実はちょうど心配していたところでして……」", | |||
"201008811_22": "「それでは、ぜひお願いします」", | |||
"201008811_23": "「今日はライブ会場でリハーサルか。\\n そろそろ準備をしなくては――」", | |||
"201008811_24": "「翼さんッ! おはようございますッ!」", | |||
"201008811_25": "「よう」", | |||
"201008811_26": "「立花と雪音……? と、突然どうしたんだ?\\n ……まあいい、とりあえず入ってくれ」", | |||
"201008811_27": "「お邪魔しますッ!」", | |||
"201008811_28": "「一体なんの用だ?\\n わたしはそろそろ仕事に行かなくてはならないのだが――」", | |||
"201008811_29": "「今日は、わたしとクリスちゃんが、\\n 翼さんのマネージャーをしますッ!」", | |||
"201008811_30": "「…………は?」", | |||
"201008811_31": "「なるほど、風邪をひいた緒川さんの代わりに……」", | |||
"201008811_32": "「このバカお得意の人助けってやつだな」", | |||
"201008811_33": "「頼んだら、クリスちゃんも一緒に来てくれたんですッ!」", | |||
"201008811_34": "「お前が無理やり連れてきたんだろ。\\n まあ、特に用も無かったからいいけど……」", | |||
"201008811_35": "「しかし、流石に学生に務まるとは……」", | |||
"201008811_36": "「大丈夫ですッ!\\n マネージャーらしくスーツを用意しましたッ!」", | |||
"201008811_37": "「そ、そういう問題では……。\\n これは遊び気分で務まるような仕事ではないんだぞ」", | |||
"201008811_38": "「だいたい、今日何をするかも分からないんじゃ……」", | |||
"201008811_39": "「今日はライブ会場でリハーサルですよねッ!\\n 音響と演出を確認する予定です。曲目は――」", | |||
"201008811_40": "「な、なぜそれを……」", | |||
"201008811_41": "「あたしたちの耳に、本部で借りたインカムが\\n 入っているんだ」", | |||
"201008811_42": "「自宅にいる緒川さんと繋がっているんです。\\n これで指示をもらいながら仕事をすれば大丈夫ですッ!」", | |||
"201008811_43": "「なッ……。\\n すでに緒川さんに話が通っているのか……」", | |||
"201008811_44": "「『2人に任せてください、翼さん』だってさ」", | |||
"201008811_45": "「……ああ、分かった。\\n 今日はよろしく頼む」", | |||
"201008811_46": "「はいッ! がんばります」", | |||
"201008811_47": "「邪魔にはならないようにしないとな」", | |||
"201008811_48": "「風鳴翼のマネージャー代理、立花響ですッ!」", | |||
"201008811_49": "「同じく、付き添いのもんだ」", | |||
"201008811_50": "「可愛いマネージャーさんね。\\n こちらこそ、今日はよろしくお願いします」", | |||
"201008811_51": "(よろしく頼むとは言ったものの、\\n 2人は大丈夫だろうか……。不安だ)", | |||
"201008811_52": "「それで、唄い終わりと同時にこちらにはけていただいて――。\\n ……風鳴さん? どうかされましたか?」", | |||
"201008811_53": "「あッ、いえ……。\\n 申し訳ありません、説明を続けてください」", | |||
"201008811_54": "「ね、ねえクリスちゃん。ケータリングってこっちで\\n いいんだっけッ!?」", | |||
"201008811_55": "「さっき確認していただろッ!\\n こっちは今確認事項が立てこんでいて大変なんだよッ!」", | |||
"201008811_56": "「うう……、忙しくて目が回りそう……。\\n 緒川さんは1人でこれをやってたんだよね……」", | |||
"201008811_57": "「やっぱとんでもない人だな……」", | |||
"201008811_58": "「おふたりは初めてなんですから無理ありませんよ。\\n もう十分ですから、休んでは……」", | |||
"201008811_59": "「いえッ! 手伝うって言ったのはわたしたちですからッ!」", | |||
"201008811_60": "「ああ、これくらいで音を上げたら、\\n ステージで唄ってる先輩に笑われるッ!」", | |||
"201008811_61": "「……そうですね。すみませんでした。\\n それでは、最後まで頑張りましょうッ!」", | |||
"201008811_62": "「ファイトッ! おーッ!!」", | |||
"201008811_63": "「ああッ!!」", | |||
"201008811_64": "「あ、あの、声の大きさは控えめで……」", | |||
"201008811_65": "「……ふう」", | |||
"201008811_66": "「翼さんッ、お疲れ様でしたッ!」", | |||
"201008811_67": "「……今日はありがとう。\\n おかげでリハーサルに集中することができた」", | |||
"201008811_68": "「2人こそ、慣れない仕事で疲れただろう」", | |||
"201008811_69": "「確かに疲れたな。でも……」", | |||
"201008811_70": "「すごく勉強になりましたし、楽しかったですッ!」", | |||
"201008811_71": "「そうか。なら良かった」", | |||
"201008811_72": "「今日はそろそろ帰る。じゃあな」", | |||
"201008811_73": "「翼さん、また明日ッ!」", | |||
"201008811_74": "「ああ、また明日」", | |||
"201008811_75": "「……ん? また明日?」", | |||
"201008811_76": "「2人はいつまでマネージャーを\\n してくれる気なのだろうか……」" | |||
} |
@@ -1,100 +1,100 @@ | |||
{ | |||
"201008911_0": "セレナのバースデー2018", | |||
"201008911_1": "「はい、これでいいわ」", | |||
"201008911_2": "「ありがとうッ! やっぱりマリア姉さんに髪を整えてもらうと、\\n いつもより可愛くなれて嬉しい」", | |||
"201008911_3": "「そう? 久しぶりだったから、\\n あまり自信がなかったんだけれど……」", | |||
"201008911_4": "「ううん、すごく上手だよ。\\n いつもやってもらえたらいいのに……」", | |||
"201008911_5": "「フフ、またいらっしゃい。\\n 今度は違うアレンジをしてあげる」", | |||
"201008911_6": "「うん、楽しみにしてるね。\\n あッ……、もうこんな時間」", | |||
"201008911_7": "「そろそろ帰ろうかな。 \\n あまり遅いとマムが心配しちゃうし」", | |||
"201008911_8": "「そうね。……でも、その前に聞きたいことがあるの」", | |||
"201008911_9": "「聞きたいこと?」", | |||
"201008911_10": "「もうすぐ、セレナの誕生日よね」", | |||
"201008911_11": "「……ッ! \\n 覚えていてくれたの?」", | |||
"201008911_12": "「もちろんよ。忘れるわけがないじゃない」", | |||
"201008911_13": "「実は、調と切歌も呼んで、セレナのバースデーパーティを\\n 開きたいと思っていたの」", | |||
"201008911_14": "「良かったら、どうかしら?\\n 場所は、こちらの世界になってしまうんだけれど」", | |||
"201008911_15": "「ありがとう……ッ!\\n みんながお祝いしてくれるなんて、すごく嬉しい」", | |||
"201008911_16": "「本当はサプライズにしようと思ったんだけれど、 \\n 言っておかないと当日に会えるか分からないものね」", | |||
"201008911_17": "「うん。マムにお願いして、絶対に来るね」", | |||
"201008911_18": "「そうだ、何かパーティでしてほしいことはある? \\n あなたの誕生日なんだから、遠慮なく言ってちょうだい」", | |||
"201008911_19": "「ありがとう。\\n でも、その気持ちだけで嬉しいよ」", | |||
"201008911_20": "「だって、姉さんたちが、\\n わたしのために開いてくれるパーティだもの」", | |||
"201008911_21": "「そう……? 分かったわ」", | |||
"201008911_22": "「素敵なパーティにするから、楽しみにしていて」", | |||
"201008911_23": "「うん。当日、また来るね」", | |||
"201008911_24": "「というわけで、2人にも \\n パーティの準備のお手伝いを頼みたいの」", | |||
"201008911_25": "「もちろん、張り切って準備するデス。\\n 豪華なご馳走だってドンと来いデスよッ!」", | |||
"201008911_26": "「腕が鳴る」", | |||
"201008911_27": "「ありがとう。じゃあ、お料理は2人に任せようかしら」", | |||
"201008911_28": "「任されたデースッ!\\n 責任を持って、調のお料理の味見をするデスッ!」", | |||
"201008911_29": "「働かざる者味見するべからずだよ、切ちゃん」", | |||
"201008911_30": "「も、もちろんデスッ! お手伝いもするデス」", | |||
"201008911_31": "「それじゃあ、会場の飾りつけはわたしがやるわね」", | |||
"201008911_32": "「マリアだったら安心デスッ!\\n どんな感じにするんデスか?」", | |||
"201008911_33": "「そうね……」", | |||
"201008911_34": "「セレナの誕生日……、\\n あの子が喜んでくれるような飾りつけは……」", | |||
"201008911_35": "「まずはカラフルな風船をたくさん浮かべて……、\\n そうだ、折り紙を飾りつけに使いましょうッ!」", | |||
"201008911_36": "「それから、動物柄の入った紙皿を用意するのはどうかしら。\\n 可愛らしいウサギやクマのイラストがいいわッ!」", | |||
"201008911_37": "「その案もいいと思うけど、ちょっと……」", | |||
"201008911_38": "「全体的に子供っぽすぎる気がするデスね」", | |||
"201008911_39": "「ええッ!? そ、そうかしら?」", | |||
"201008911_40": "「あの子に喜んでもらえるように\\n 当時を思い出して考えたつもりだったんだけれど……」", | |||
"201008911_41": "「確かにセレナは、コールドスリープしていたから\\n 歳をとっていないデス」", | |||
"201008911_42": "「でも、今のマリアから子供扱いされるのは、\\n あんまり嬉しくないんじゃないかな」", | |||
"201008911_43": "「アタシたちは歳が近いから、なんとなくそう思うデスよ」", | |||
"201008911_44": "(わたしは、当時のセレナの目線に合わせようと\\n しすぎていたのかしら……)", | |||
"201008911_45": "「でも、それならどうしたら……」", | |||
"201008911_46": "「そんなの、決まってるデスッ!」", | |||
"201008911_47": "「うん。今のマリアがいいと思う飾りつけにすれば大丈夫」", | |||
"201008911_48": "「よし、出来たわッ!」", | |||
"201008911_49": "「さすがマリア。センスがいい」", | |||
"201008911_50": "「これなら、きっとセレナも喜んでくれるはずデスッ!」", | |||
"201008911_51": "「……ありがとう」", | |||
"201008911_52": "(なんとか準備が間に合って良かったわ)", | |||
"201008911_53": "(でも、本当にこんな感じで良かったのかしら?\\n 2人のアドバイス通り、わたしの好みで飾りつけてみたけれど)", | |||
"201008911_54": "(やっぱり、セレナには少し大人っぽすぎた気もするわね)", | |||
"201008911_55": "「お料理も準備万端デスッ!」", | |||
"201008911_56": "「あとはセレナが来るのを待つだけだね」", | |||
"201008911_57": "(本当に、喜んでくれるかしら……?)", | |||
"201008911_58": "「お誕生日おめでとうデスッ!」", | |||
"201008911_59": "「おめでとう」", | |||
"201008911_60": "「おふたりとも……、ありがとうございますッ!」", | |||
"201008911_61": "「姉さんも、ありがとう」", | |||
"201008911_62": "「ええ。お誕生日おめでとう」", | |||
"201008911_63": "「わあ、飾りつけがたくさん……ッ!」", | |||
"201008911_64": "「これはマリアのプロデュースなんデスよッ!」", | |||
"201008911_65": "「姉さんの?」", | |||
"201008911_66": "「ほとんど、わたしの好みで選んでしまったけれど……、\\n どうかしら?」", | |||
"201008911_67": "「すごく可愛いッ!\\n 姉さんらしくて、とっても素敵だよ」", | |||
"201008911_68": "「わたしのために選んでくれて、ありがとうッ!」", | |||
"201008911_69": "「……そう。喜んでもらえて良かったわ」", | |||
"201008911_70": "「だから言ったデース」", | |||
"201008911_71": "「今のマリアの好みも、気に入ってくれたみたいだね」", | |||
"201008911_72": "「ええ、そうね。2人のおかげよ」", | |||
"201008911_73": "(なんで気づかなかったのかしら……。姿はあの頃のままでも、\\n セレナだってちゃんと成長してる)", | |||
"201008911_74": "(目覚めてから、色々なことがあったものね。\\n いつまでも子供のままじゃなくて当たり前だわ)", | |||
"201008911_75": "(でも……、\\n そうしたら、果たしてアレで喜んでくれるかしら……)", | |||
"201008911_76": "「マリア姉さん、どうかした?」", | |||
"201008911_77": "「……えーと、実はもうひとつ用意していたものがあるの。\\n 持ってくるから、少し待っていて」", | |||
"201008911_78": "「うん」", | |||
"201008911_79": "「……姉さんが用意してくれたものって、 \\n 一体なんだろう?」", | |||
"201008911_80": "「おふたりは知っているんですか?」", | |||
"201008911_81": "「もちろん」", | |||
"201008911_82": "「きっと驚くデスッ!」", | |||
"201008911_83": "「セレナを喜ばせるには、これしかないって言ってた」", | |||
"201008911_84": "「……?」", | |||
"201008911_85": "「待たせてごめんなさい。\\n はい、セレナ」", | |||
"201008911_86": "「わあッ! これって……」", | |||
"201008911_87": "「世界でひとつだけの、バースデープリンケーキ」", | |||
"201008911_88": "「マリアの手作りデスッ!」", | |||
"201008911_89": "「セレナには、やっぱりこれがいいかなと思ったの」", | |||
"201008911_90": "「でもちょっと、子供っぽかったかしら……?」", | |||
"201008911_91": "「ううん、嬉しいッ! ありがとう、姉さん」", | |||
"201008911_92": "「目がキラキラしてる」", | |||
"201008911_93": "「今日一番のいい笑顔デス」", | |||
"201008911_94": "「フフ、そんなに喜んでもらえると思わなかったわ。 \\n 遠慮なく食べてね」", | |||
"201008911_95": "「うんッ! いただきます」", | |||
"201008911_96": "(新しい一面も知れたけれど、\\n やっぱり、セレナはセレナね)", | |||
"201008911_97": "(とってもいい笑顔……。\\n 喜んでもらえて良かった)" | |||
{ | |||
"201008911_0": "セレナのバースデー2018", | |||
"201008911_1": "「はい、これでいいわ」", | |||
"201008911_2": "「ありがとうッ! やっぱりマリア姉さんに髪を整えてもらうと、\\n いつもより可愛くなれて嬉しい」", | |||
"201008911_3": "「そう? 久しぶりだったから、\\n あまり自信がなかったんだけれど……」", | |||
"201008911_4": "「ううん、すごく上手だよ。\\n いつもやってもらえたらいいのに……」", | |||
"201008911_5": "「フフ、またいらっしゃい。\\n 今度は違うアレンジをしてあげる」", | |||
"201008911_6": "「うん、楽しみにしてるね。\\n あッ……、もうこんな時間」", | |||
"201008911_7": "「そろそろ帰ろうかな。 \\n あまり遅いとマムが心配しちゃうし」", | |||
"201008911_8": "「そうね。……でも、その前に聞きたいことがあるの」", | |||
"201008911_9": "「聞きたいこと?」", | |||
"201008911_10": "「もうすぐ、セレナの誕生日よね」", | |||
"201008911_11": "「……ッ! \\n 覚えていてくれたの?」", | |||
"201008911_12": "「もちろんよ。忘れるわけがないじゃない」", | |||
"201008911_13": "「実は、調と切歌も呼んで、セレナのバースデーパーティを\\n 開きたいと思っていたの」", | |||
"201008911_14": "「良かったら、どうかしら?\\n 場所は、こちらの世界になってしまうんだけれど」", | |||
"201008911_15": "「ありがとう……ッ!\\n みんながお祝いしてくれるなんて、すごく嬉しい」", | |||
"201008911_16": "「本当はサプライズにしようと思ったんだけれど、 \\n 言っておかないと当日に会えるか分からないものね」", | |||
"201008911_17": "「うん。マムにお願いして、絶対に来るね」", | |||
"201008911_18": "「そうだ、何かパーティでしてほしいことはある? \\n あなたの誕生日なんだから、遠慮なく言ってちょうだい」", | |||
"201008911_19": "「ありがとう。\\n でも、その気持ちだけで嬉しいよ」", | |||
"201008911_20": "「だって、姉さんたちが、\\n わたしのために開いてくれるパーティだもの」", | |||
"201008911_21": "「そう……? 分かったわ」", | |||
"201008911_22": "「素敵なパーティにするから、楽しみにしていて」", | |||
"201008911_23": "「うん。当日、また来るね」", | |||
"201008911_24": "「というわけで、2人にも \\n パーティの準備のお手伝いを頼みたいの」", | |||
"201008911_25": "「もちろん、張り切って準備するデス。\\n 豪華なご馳走だってドンと来いデスよッ!」", | |||
"201008911_26": "「腕が鳴る」", | |||
"201008911_27": "「ありがとう。じゃあ、お料理は2人に任せようかしら」", | |||
"201008911_28": "「任されたデースッ!\\n 責任を持って、調のお料理の味見をするデスッ!」", | |||
"201008911_29": "「働かざる者味見するべからずだよ、切ちゃん」", | |||
"201008911_30": "「も、もちろんデスッ! お手伝いもするデス」", | |||
"201008911_31": "「それじゃあ、会場の飾りつけはわたしがやるわね」", | |||
"201008911_32": "「マリアだったら安心デスッ!\\n どんな感じにするんデスか?」", | |||
"201008911_33": "「そうね……」", | |||
"201008911_34": "「セレナの誕生日……、\\n あの子が喜んでくれるような飾りつけは……」", | |||
"201008911_35": "「まずはカラフルな風船をたくさん浮かべて……、\\n そうだ、折り紙を飾りつけに使いましょうッ!」", | |||
"201008911_36": "「それから、動物柄の入った紙皿を用意するのはどうかしら。\\n 可愛らしいウサギやクマのイラストがいいわッ!」", | |||
"201008911_37": "「その案もいいと思うけど、ちょっと……」", | |||
"201008911_38": "「全体的に子供っぽすぎる気がするデスね」", | |||
"201008911_39": "「ええッ!? そ、そうかしら?」", | |||
"201008911_40": "「あの子に喜んでもらえるように\\n 当時を思い出して考えたつもりだったんだけれど……」", | |||
"201008911_41": "「確かにセレナは、コールドスリープしていたから\\n 歳をとっていないデス」", | |||
"201008911_42": "「でも、今のマリアから子供扱いされるのは、\\n あんまり嬉しくないんじゃないかな」", | |||
"201008911_43": "「アタシたちは歳が近いから、なんとなくそう思うデスよ」", | |||
"201008911_44": "(わたしは、当時のセレナの目線に合わせようと\\n しすぎていたのかしら……)", | |||
"201008911_45": "「でも、それならどうしたら……」", | |||
"201008911_46": "「そんなの、決まってるデスッ!」", | |||
"201008911_47": "「うん。今のマリアがいいと思う飾りつけにすれば大丈夫」", | |||
"201008911_48": "「よし、出来たわッ!」", | |||
"201008911_49": "「さすがマリア。センスがいい」", | |||
"201008911_50": "「これなら、きっとセレナも喜んでくれるはずデスッ!」", | |||
"201008911_51": "「……ありがとう」", | |||
"201008911_52": "(なんとか準備が間に合って良かったわ)", | |||
"201008911_53": "(でも、本当にこんな感じで良かったのかしら?\\n 2人のアドバイス通り、わたしの好みで飾りつけてみたけれど)", | |||
"201008911_54": "(やっぱり、セレナには少し大人っぽすぎた気もするわね)", | |||
"201008911_55": "「お料理も準備万端デスッ!」", | |||
"201008911_56": "「あとはセレナが来るのを待つだけだね」", | |||
"201008911_57": "(本当に、喜んでくれるかしら……?)", | |||
"201008911_58": "「お誕生日おめでとうデスッ!」", | |||
"201008911_59": "「おめでとう」", | |||
"201008911_60": "「おふたりとも……、ありがとうございますッ!」", | |||
"201008911_61": "「姉さんも、ありがとう」", | |||
"201008911_62": "「ええ。お誕生日おめでとう」", | |||
"201008911_63": "「わあ、飾りつけがたくさん……ッ!」", | |||
"201008911_64": "「これはマリアのプロデュースなんデスよッ!」", | |||
"201008911_65": "「姉さんの?」", | |||
"201008911_66": "「ほとんど、わたしの好みで選んでしまったけれど……、\\n どうかしら?」", | |||
"201008911_67": "「すごく可愛いッ!\\n 姉さんらしくて、とっても素敵だよ」", | |||
"201008911_68": "「わたしのために選んでくれて、ありがとうッ!」", | |||
"201008911_69": "「……そう。喜んでもらえて良かったわ」", | |||
"201008911_70": "「だから言ったデース」", | |||
"201008911_71": "「今のマリアの好みも、気に入ってくれたみたいだね」", | |||
"201008911_72": "「ええ、そうね。2人のおかげよ」", | |||
"201008911_73": "(なんで気づかなかったのかしら……。姿はあの頃のままでも、\\n セレナだってちゃんと成長してる)", | |||
"201008911_74": "(目覚めてから、色々なことがあったものね。\\n いつまでも子供のままじゃなくて当たり前だわ)", | |||
"201008911_75": "(でも……、\\n そうしたら、果たしてアレで喜んでくれるかしら……)", | |||
"201008911_76": "「マリア姉さん、どうかした?」", | |||
"201008911_77": "「……えーと、実はもうひとつ用意していたものがあるの。\\n 持ってくるから、少し待っていて」", | |||
"201008911_78": "「うん」", | |||
"201008911_79": "「……姉さんが用意してくれたものって、 \\n 一体なんだろう?」", | |||
"201008911_80": "「おふたりは知っているんですか?」", | |||
"201008911_81": "「もちろん」", | |||
"201008911_82": "「きっと驚くデスッ!」", | |||
"201008911_83": "「セレナを喜ばせるには、これしかないって言ってた」", | |||
"201008911_84": "「……?」", | |||
"201008911_85": "「待たせてごめんなさい。\\n はい、セレナ」", | |||
"201008911_86": "「わあッ! これって……」", | |||
"201008911_87": "「世界でひとつだけの、バースデープリンケーキ」", | |||
"201008911_88": "「マリアの手作りデスッ!」", | |||
"201008911_89": "「セレナには、やっぱりこれがいいかなと思ったの」", | |||
"201008911_90": "「でもちょっと、子供っぽかったかしら……?」", | |||
"201008911_91": "「ううん、嬉しいッ! ありがとう、姉さん」", | |||
"201008911_92": "「目がキラキラしてる」", | |||
"201008911_93": "「今日一番のいい笑顔デス」", | |||
"201008911_94": "「フフ、そんなに喜んでもらえると思わなかったわ。 \\n 遠慮なく食べてね」", | |||
"201008911_95": "「うんッ! いただきます」", | |||
"201008911_96": "(新しい一面も知れたけれど、\\n やっぱり、セレナはセレナね)", | |||
"201008911_97": "(とってもいい笑顔……。\\n 喜んでもらえて良かった)" | |||
} |
@@ -1,125 +1,125 @@ | |||
{ | |||
"201009011_0": "秘伝・未来焼き", | |||
"201009011_1": "「んー、いい香りがしてきたッ!\\n たまんないよーッ!」", | |||
"201009011_2": "「どうしてソースの匂いって、\\n こうもお腹を空かせるんだろう」", | |||
"201009011_3": "「そうだね」", | |||
"201009011_4": "「久しぶりのふらわーのお好み焼き。\\n お腹いっぱいになるまで、食べるぞーッ!」", | |||
"201009011_5": "「フフ。気持ちはわかるけど、\\n 食べ過ぎると夕飯が入らなくなっちゃうよ」", | |||
"201009011_6": "「いらっしゃい」", | |||
"201009011_7": "「こんにちは、おばちゃんッ!」", | |||
"201009011_8": "「こんにちは」", | |||
"201009011_9": "「お好み焼き、とりあえず2人前ねッ!」", | |||
"201009011_10": "「はいよ、ちょっと待っててね」", | |||
"201009011_11": "「おまちどうさま」", | |||
"201009011_12": "「きたきたッ、美味しそーッ!\\n それじゃあ、熱いうちに、いただき……」", | |||
"201009011_13": "「えッ!?\\n ちょ、ちょっとごめんね、未来」", | |||
"201009011_14": "「うん……」", | |||
"201009011_15": "「はい、こちら響です」", | |||
"201009011_16": "「緊急事態だ。工業地帯にアルカ・ノイズが現れた」", | |||
"201009011_17": "「工業地帯にッ!? それで被害は……」", | |||
"201009011_18": "「避難は速やかに行われ、\\n 今のところ人的な被害は報告されていない」", | |||
"201009011_19": "「そうなんですね、よかったー……」", | |||
"201009011_20": "「今、駅に移動用の車を回している。\\n クリスくんも駅に向かっているはずだ」", | |||
"201009011_21": "「響くんも急いで向かってくれ」", | |||
"201009011_22": "「わかりましたッ!」", | |||
"201009011_23": "「ごめんね、未来。\\n わたし、行かなきゃ」", | |||
"201009011_24": "「うん、少しだけ聞こえてた。\\n 気をつけてね」", | |||
"201009011_25": "「ありがとう」", | |||
"201009011_26": "「急用かい?」", | |||
"201009011_27": "「おばちゃんごめんッ!\\n また来るからッ!」", | |||
"201009011_28": "「あの子も相変わらず忙しないねえ……。\\n お好み焼き、持ち帰るかい?」", | |||
"201009011_29": "「ありがとうございます。そうさせてください」", | |||
"201009011_30": "「たぶん、お腹を空かせて帰ってくると思うので……」", | |||
"201009011_31": "「今包むから、ちょっと待っててね」", | |||
"201009011_32": "(あんなに楽しみにしていたんだもん、\\n やっぱり、焼きたてを食べさせてあげたいな……)", | |||
"201009011_33": "「焼きたて……そうだッ!」", | |||
"201009011_34": "「おばちゃんッ!\\n お願いがあるんだけど――」", | |||
"201009011_35": "「こんにちは」", | |||
"201009011_36": "「お邪魔するデスッ!」", | |||
"201009011_37": "「いらっしゃい。今日は来てくれてありがとう。\\n よろしくお願いします」", | |||
"201009011_38": "「ふらわーのお好み焼きを再現するんですか?」", | |||
"201009011_39": "「うん、おばちゃんから特別にレシピを教えてもらったの」", | |||
"201009011_40": "「だったら調に相談しなくても、\\n いいんじゃないデスか?」", | |||
"201009011_41": "「それが何度か作ってはみたんだけど、\\n どうもうまくいかなくて……」", | |||
"201009011_42": "「なるほど……。では実際に焼いているところを、\\n 見せてもらえますか?」", | |||
"201009011_43": "「うん。じゃあ、やってみるね」", | |||
"201009011_44": "「はーッ、お腹が空いてきたデスッ! ソースの匂いって、\\n どうしてこうもお腹に暴力的なんデスかね?」", | |||
"201009011_45": "「フフ、響も似たようなこと言ってたよ」", | |||
"201009011_46": "「ここまではレシピ通りですが……」", | |||
"201009011_47": "「よしッ。\\n ふらわー風お好み焼き、完成」", | |||
"201009011_48": "「美味しそうデスッ!\\n 見た目は完璧に、ふらわーのお好み焼きデスね」", | |||
"201009011_49": "「そうだね。\\n じゃあ、早速、いただきます。はむッ……」", | |||
"201009011_50": "「いただくデースッ! ふーッ、ふーッ……、あむッ!」", | |||
"201009011_51": "「ど、どうかな?」", | |||
"201009011_52": "「熱々のうまうまデースッ!」", | |||
"201009011_53": "「美味しいです。\\n 美味しさも見た目も、問題無いと思います……」", | |||
"201009011_54": "「けれど……、ふらわーの味ではありませんね」", | |||
"201009011_55": "「やっぱり、そうだよね……。\\n どこが違うんだろう?」", | |||
"201009011_56": "「試しにわたしが作ってみても、いいですか?」", | |||
"201009011_57": "「もちろんだよ。お願い、調ちゃん」", | |||
"201009011_58": "「これだけ美味しければ、十分だと思うんデスけどねー」", | |||
"201009011_59": "「できました。どうでしょう?」", | |||
"201009011_60": "「ボーノッ! 未来さんのお好み焼きも美味しかったデスが、\\n 調のお好み焼きは、格別に美味しいデスッ!」", | |||
"201009011_61": "「本当だ、すごく美味しい。\\n それに、ふらわーの味にそっくり……」", | |||
"201009011_62": "「具材の切り方、タネの混ぜ方や焼き方を工夫してみました」", | |||
"201009011_63": "「そっか……、材料と配分が同じでも、\\n そんなところで違いが出るんだ」", | |||
"201009011_64": "「さすが調ちゃん……。\\n そのやり方、わたしにも教えてくれる?」", | |||
"201009011_65": "「はい。\\n 未来さんなら、すぐにできるようになります」", | |||
"201009011_66": "「最初のお好み焼きと比べれば、\\n ずっと近づいたんですが……」", | |||
"201009011_67": "「あと、ほんのちょっとなんだけど、\\n そのちょっとを埋めるのが、難しい……」", | |||
"201009011_68": "「く、苦しいデス……」", | |||
"201009011_69": "「ごめんね切ちゃん、考えなしに作りすぎちゃった。\\n まだ食べてない分は、タッパーに入れて保存しよう」", | |||
"201009011_70": "「しばらく、ソファーで横になって休んでいて」", | |||
"201009011_71": "「でも2人とも、\\n まだ満足していないデスよね?」", | |||
"201009011_72": "「えッ?」", | |||
"201009011_73": "「大事な切ちゃんに、無理はさせられないよ」", | |||
"201009011_74": "「それに、料理を食べてもらえるのは嬉しいけど、\\n 苦しそうに食べる切ちゃんを見るのは、悲しいよ……」", | |||
"201009011_75": "「調……。わかったデス。\\n 少し休んで、また楽しく食べにくるデスよ」", | |||
"201009011_76": "(わたし……大きな勘違いをしちゃったんじゃないかな?)", | |||
"201009011_77": "(いつの間にか、『完璧なふらわーのお好み焼き』のこと\\n ばかり考えていたけど)", | |||
"201009011_78": "(わたしがやりたかったことは――、\\n 本当に作りたかったお好み焼きは――)", | |||
"201009011_79": "(響が美味しいって、笑って食べてくれる\\n お好み焼きだったんだ)", | |||
"201009011_80": "「ごめんね、調ちゃん、切歌ちゃん……。\\n わたし、間違ってたよ」", | |||
"201009011_81": "「間違ってた?」", | |||
"201009011_82": "「急に……どうしたんデスか?」", | |||
"201009011_83": "「2人を見ていて気がついたんだ。響が……、\\n ううん、食べてくれる人が一番、喜んでくれる料理は……」", | |||
"201009011_84": "「食べてくれる人のためを想って作る料理なんだよね」", | |||
"201009011_85": "「わたし……、\\n 響が喜んでくれるお好み焼きを、焼いてみせるよ」", | |||
"201009011_86": "(響への想いを……)", | |||
"201009011_87": "(精一杯、このお好み焼きに込めるんだッ!)", | |||
"201009011_88": "「これはッ! 先程までの迷いが感じられない……」", | |||
"201009011_89": "「おお……ッ! こ、このお好み焼きは――ッ!」", | |||
"201009011_90": "「ただいまーッ!」", | |||
"201009011_91": "「おかえり、響。\\n 早かったね」", | |||
"201009011_92": "「未来がお好み焼きを焼いてくれるって言うんだもん。\\n S.O.N.G.から走ってきちゃったよ」", | |||
"201009011_93": "「おかえりなさい、響さん」", | |||
"201009011_94": "「ううッ……、お、おかえりなさいデス……」", | |||
"201009011_95": "「ただいまーッ!\\n ……って切歌ちゃんッ!? 大丈夫?」", | |||
"201009011_96": "「だ、大丈夫デス。一時休戦しているだけデス……」", | |||
"201009011_97": "「切ちゃんなら、お腹がいっぱいになって、\\n 休んでもらっていただけなので……」", | |||
"201009011_98": "「えッ、焼く前からお腹いっぱい?」", | |||
"201009011_99": "「お好み焼きを試食してもらってたの」", | |||
"201009011_100": "「2人が協力してくれたおかげで、\\n 納得のいくお好み焼きが焼けるようになったんだ」", | |||
"201009011_101": "「そうなんだ、期待しちゃうなーッ!」", | |||
"201009011_102": "「じゃあ、さっそく焼くね」", | |||
"201009011_103": "「よろしくお願いしまーすッ!」", | |||
"201009011_104": "「うんッ、うまく焼けたッ!」", | |||
"201009011_105": "「お待たせ。熱いうちにどうぞ」", | |||
"201009011_106": "「うわーッ、美味しそ~ッ!\\n それにすごくいい匂いッ!」", | |||
"201009011_107": "「じゃあ、いただきま~すッ!\\n はひッ! はふはふッ!」", | |||
"201009011_108": "「ど、どう?」", | |||
"201009011_109": "「ごくん……、すごいよ未来ッ!\\n こんな美味しいお好み焼き、はじめて食べたよッ!」", | |||
"201009011_110": "「この美味しさは、お好み焼きの枠を越えている……。\\n これはもう、お好み焼きなんかじゃないッ!」", | |||
"201009011_111": "「今日から未来の焼くお好み焼きは、\\n 『未来焼き』に認定するよッ!」", | |||
"201009011_112": "「それは褒めすぎだよ、響。\\n でも……、そこまで気に入ってくれたのは、嬉しいな」", | |||
"201009011_113": "「気に入ったってレベルじゃないよッ!\\n これから毎日、未来焼きを食べたいくらいだよ」", | |||
"201009011_114": "「そんなに食べたら、いくら響でも\\n 太ってすごいことになっちゃうよ」", | |||
"201009011_115": "「未来焼きで太るなら本望だよ。\\n でも、なんでハートの形なの?」", | |||
"201009011_116": "「え? そ、その、可愛いかなって思って……」", | |||
"201009011_117": "(……本当は響のことを考えて焼くと、\\n 何故かハート型になっちゃうだけなんだけど……)", | |||
"201009011_118": "「確かに可愛いかもッ!\\n ちょっと食べるのがもったいない気もするけど」", | |||
"201009011_119": "「フフ、そんなこと言いながら手も口も止まってないよ?」", | |||
"201009011_120": "「だって美味しいしッ! お代わりあるかな?\\n 次は特大でお願いッ!」", | |||
"201009011_121": "「うんッ! 特大の気持ちも込めて作るからッ!」", | |||
"201009011_122": "「フフッ、ごちそうさまです」" | |||
{ | |||
"201009011_0": "秘伝・未来焼き", | |||
"201009011_1": "「んー、いい香りがしてきたッ!\\n たまんないよーッ!」", | |||
"201009011_2": "「どうしてソースの匂いって、\\n こうもお腹を空かせるんだろう」", | |||
"201009011_3": "「そうだね」", | |||
"201009011_4": "「久しぶりのふらわーのお好み焼き。\\n お腹いっぱいになるまで、食べるぞーッ!」", | |||
"201009011_5": "「フフ。気持ちはわかるけど、\\n 食べ過ぎると夕飯が入らなくなっちゃうよ」", | |||
"201009011_6": "「いらっしゃい」", | |||
"201009011_7": "「こんにちは、おばちゃんッ!」", | |||
"201009011_8": "「こんにちは」", | |||
"201009011_9": "「お好み焼き、とりあえず2人前ねッ!」", | |||
"201009011_10": "「はいよ、ちょっと待っててね」", | |||
"201009011_11": "「おまちどうさま」", | |||
"201009011_12": "「きたきたッ、美味しそーッ!\\n それじゃあ、熱いうちに、いただき……」", | |||
"201009011_13": "「えッ!?\\n ちょ、ちょっとごめんね、未来」", | |||
"201009011_14": "「うん……」", | |||
"201009011_15": "「はい、こちら響です」", | |||
"201009011_16": "「緊急事態だ。工業地帯にアルカ・ノイズが現れた」", | |||
"201009011_17": "「工業地帯にッ!? それで被害は……」", | |||
"201009011_18": "「避難は速やかに行われ、\\n 今のところ人的な被害は報告されていない」", | |||
"201009011_19": "「そうなんですね、よかったー……」", | |||
"201009011_20": "「今、駅に移動用の車を回している。\\n クリスくんも駅に向かっているはずだ」", | |||
"201009011_21": "「響くんも急いで向かってくれ」", | |||
"201009011_22": "「わかりましたッ!」", | |||
"201009011_23": "「ごめんね、未来。\\n わたし、行かなきゃ」", | |||
"201009011_24": "「うん、少しだけ聞こえてた。\\n 気をつけてね」", | |||
"201009011_25": "「ありがとう」", | |||
"201009011_26": "「急用かい?」", | |||
"201009011_27": "「おばちゃんごめんッ!\\n また来るからッ!」", | |||
"201009011_28": "「あの子も相変わらず忙しないねえ……。\\n お好み焼き、持ち帰るかい?」", | |||
"201009011_29": "「ありがとうございます。そうさせてください」", | |||
"201009011_30": "「たぶん、お腹を空かせて帰ってくると思うので……」", | |||
"201009011_31": "「今包むから、ちょっと待っててね」", | |||
"201009011_32": "(あんなに楽しみにしていたんだもん、\\n やっぱり、焼きたてを食べさせてあげたいな……)", | |||
"201009011_33": "「焼きたて……そうだッ!」", | |||
"201009011_34": "「おばちゃんッ!\\n お願いがあるんだけど――」", | |||
"201009011_35": "「こんにちは」", | |||
"201009011_36": "「お邪魔するデスッ!」", | |||
"201009011_37": "「いらっしゃい。今日は来てくれてありがとう。\\n よろしくお願いします」", | |||
"201009011_38": "「ふらわーのお好み焼きを再現するんですか?」", | |||
"201009011_39": "「うん、おばちゃんから特別にレシピを教えてもらったの」", | |||
"201009011_40": "「だったら調に相談しなくても、\\n いいんじゃないデスか?」", | |||
"201009011_41": "「それが何度か作ってはみたんだけど、\\n どうもうまくいかなくて……」", | |||
"201009011_42": "「なるほど……。では実際に焼いているところを、\\n 見せてもらえますか?」", | |||
"201009011_43": "「うん。じゃあ、やってみるね」", | |||
"201009011_44": "「はーッ、お腹が空いてきたデスッ! ソースの匂いって、\\n どうしてこうもお腹に暴力的なんデスかね?」", | |||
"201009011_45": "「フフ、響も似たようなこと言ってたよ」", | |||
"201009011_46": "「ここまではレシピ通りですが……」", | |||
"201009011_47": "「よしッ。\\n ふらわー風お好み焼き、完成」", | |||
"201009011_48": "「美味しそうデスッ!\\n 見た目は完璧に、ふらわーのお好み焼きデスね」", | |||
"201009011_49": "「そうだね。\\n じゃあ、早速、いただきます。はむッ……」", | |||
"201009011_50": "「いただくデースッ! ふーッ、ふーッ……、あむッ!」", | |||
"201009011_51": "「ど、どうかな?」", | |||
"201009011_52": "「熱々のうまうまデースッ!」", | |||
"201009011_53": "「美味しいです。\\n 美味しさも見た目も、問題無いと思います……」", | |||
"201009011_54": "「けれど……、ふらわーの味ではありませんね」", | |||
"201009011_55": "「やっぱり、そうだよね……。\\n どこが違うんだろう?」", | |||
"201009011_56": "「試しにわたしが作ってみても、いいですか?」", | |||
"201009011_57": "「もちろんだよ。お願い、調ちゃん」", | |||
"201009011_58": "「これだけ美味しければ、十分だと思うんデスけどねー」", | |||
"201009011_59": "「できました。どうでしょう?」", | |||
"201009011_60": "「ボーノッ! 未来さんのお好み焼きも美味しかったデスが、\\n 調のお好み焼きは、格別に美味しいデスッ!」", | |||
"201009011_61": "「本当だ、すごく美味しい。\\n それに、ふらわーの味にそっくり……」", | |||
"201009011_62": "「具材の切り方、タネの混ぜ方や焼き方を工夫してみました」", | |||
"201009011_63": "「そっか……、材料と配分が同じでも、\\n そんなところで違いが出るんだ」", | |||
"201009011_64": "「さすが調ちゃん……。\\n そのやり方、わたしにも教えてくれる?」", | |||
"201009011_65": "「はい。\\n 未来さんなら、すぐにできるようになります」", | |||
"201009011_66": "「最初のお好み焼きと比べれば、\\n ずっと近づいたんですが……」", | |||
"201009011_67": "「あと、ほんのちょっとなんだけど、\\n そのちょっとを埋めるのが、難しい……」", | |||
"201009011_68": "「く、苦しいデス……」", | |||
"201009011_69": "「ごめんね切ちゃん、考えなしに作りすぎちゃった。\\n まだ食べてない分は、タッパーに入れて保存しよう」", | |||
"201009011_70": "「しばらく、ソファーで横になって休んでいて」", | |||
"201009011_71": "「でも2人とも、\\n まだ満足していないデスよね?」", | |||
"201009011_72": "「えッ?」", | |||
"201009011_73": "「大事な切ちゃんに、無理はさせられないよ」", | |||
"201009011_74": "「それに、料理を食べてもらえるのは嬉しいけど、\\n 苦しそうに食べる切ちゃんを見るのは、悲しいよ……」", | |||
"201009011_75": "「調……。わかったデス。\\n 少し休んで、また楽しく食べにくるデスよ」", | |||
"201009011_76": "(わたし……大きな勘違いをしちゃったんじゃないかな?)", | |||
"201009011_77": "(いつの間にか、『完璧なふらわーのお好み焼き』のこと\\n ばかり考えていたけど)", | |||
"201009011_78": "(わたしがやりたかったことは――、\\n 本当に作りたかったお好み焼きは――)", | |||
"201009011_79": "(響が美味しいって、笑って食べてくれる\\n お好み焼きだったんだ)", | |||
"201009011_80": "「ごめんね、調ちゃん、切歌ちゃん……。\\n わたし、間違ってたよ」", | |||
"201009011_81": "「間違ってた?」", | |||
"201009011_82": "「急に……どうしたんデスか?」", | |||
"201009011_83": "「2人を見ていて気がついたんだ。響が……、\\n ううん、食べてくれる人が一番、喜んでくれる料理は……」", | |||
"201009011_84": "「食べてくれる人のためを想って作る料理なんだよね」", | |||
"201009011_85": "「わたし……、\\n 響が喜んでくれるお好み焼きを、焼いてみせるよ」", | |||
"201009011_86": "(響への想いを……)", | |||
"201009011_87": "(精一杯、このお好み焼きに込めるんだッ!)", | |||
"201009011_88": "「これはッ! 先程までの迷いが感じられない……」", | |||
"201009011_89": "「おお……ッ! こ、このお好み焼きは――ッ!」", | |||
"201009011_90": "「ただいまーッ!」", | |||
"201009011_91": "「おかえり、響。\\n 早かったね」", | |||
"201009011_92": "「未来がお好み焼きを焼いてくれるって言うんだもん。\\n S.O.N.G.から走ってきちゃったよ」", | |||
"201009011_93": "「おかえりなさい、響さん」", | |||
"201009011_94": "「ううッ……、お、おかえりなさいデス……」", | |||
"201009011_95": "「ただいまーッ!\\n ……って切歌ちゃんッ!? 大丈夫?」", | |||
"201009011_96": "「だ、大丈夫デス。一時休戦しているだけデス……」", | |||
"201009011_97": "「切ちゃんなら、お腹がいっぱいになって、\\n 休んでもらっていただけなので……」", | |||
"201009011_98": "「えッ、焼く前からお腹いっぱい?」", | |||
"201009011_99": "「お好み焼きを試食してもらってたの」", | |||
"201009011_100": "「2人が協力してくれたおかげで、\\n 納得のいくお好み焼きが焼けるようになったんだ」", | |||
"201009011_101": "「そうなんだ、期待しちゃうなーッ!」", | |||
"201009011_102": "「じゃあ、さっそく焼くね」", | |||
"201009011_103": "「よろしくお願いしまーすッ!」", | |||
"201009011_104": "「うんッ、うまく焼けたッ!」", | |||
"201009011_105": "「お待たせ。熱いうちにどうぞ」", | |||
"201009011_106": "「うわーッ、美味しそ~ッ!\\n それにすごくいい匂いッ!」", | |||
"201009011_107": "「じゃあ、いただきま~すッ!\\n はひッ! はふはふッ!」", | |||
"201009011_108": "「ど、どう?」", | |||
"201009011_109": "「ごくん……、すごいよ未来ッ!\\n こんな美味しいお好み焼き、はじめて食べたよッ!」", | |||
"201009011_110": "「この美味しさは、お好み焼きの枠を越えている……。\\n これはもう、お好み焼きなんかじゃないッ!」", | |||
"201009011_111": "「今日から未来の焼くお好み焼きは、\\n 『未来焼き』に認定するよッ!」", | |||
"201009011_112": "「それは褒めすぎだよ、響。\\n でも……、そこまで気に入ってくれたのは、嬉しいな」", | |||
"201009011_113": "「気に入ったってレベルじゃないよッ!\\n これから毎日、未来焼きを食べたいくらいだよ」", | |||
"201009011_114": "「そんなに食べたら、いくら響でも\\n 太ってすごいことになっちゃうよ」", | |||
"201009011_115": "「未来焼きで太るなら本望だよ。\\n でも、なんでハートの形なの?」", | |||
"201009011_116": "「え? そ、その、可愛いかなって思って……」", | |||
"201009011_117": "(……本当は響のことを考えて焼くと、\\n 何故かハート型になっちゃうだけなんだけど……)", | |||
"201009011_118": "「確かに可愛いかもッ!\\n ちょっと食べるのがもったいない気もするけど」", | |||
"201009011_119": "「フフ、そんなこと言いながら手も口も止まってないよ?」", | |||
"201009011_120": "「だって美味しいしッ! お代わりあるかな?\\n 次は特大でお願いッ!」", | |||
"201009011_121": "「うんッ! 特大の気持ちも込めて作るからッ!」", | |||
"201009011_122": "「フフッ、ごちそうさまです」" | |||
} |
@@ -1,99 +1,99 @@ | |||
{ | |||
"201009111_0": "未来のバースデー2018", | |||
"201009111_1": "「はぁ……。\\n 誕生日プレゼント、全然いいのが見つからないよ……」", | |||
"201009111_2": "「未来は何をあげたら喜んでくれるんだろう?\\n うーん……」", | |||
"201009111_3": "「あッ、このお店にあるやつ……」", | |||
"201009111_4": "「可愛くて、未来にぴったりかもッ!」", | |||
"201009111_5": "「よろしければ、店内でご覧になりますか?」", | |||
"201009111_6": "「はいッ!」", | |||
"201009111_7": "「ヘッヘッヘー、いいもの見つけちゃったなー。\\n 未来、喜んでくれるかな?」", | |||
"201009111_8": "「そうだッ!\\n せっかくだし、サプライズパーティにしよう」", | |||
"201009111_9": "「部屋もいっぱい飾って……、\\n フフ、驚かせちゃうぞーッ!」", | |||
"201009111_10": "「ふー……。ちょっと買い過ぎちゃったかな。\\n 未来が帰ってくる前に隠して……」", | |||
"201009111_11": "「おかえり」", | |||
"201009111_12": "「わあッ!?」", | |||
"201009111_13": "「み、未来?\\n 今日は遅くなるって言ってなかった?」", | |||
"201009111_14": "「うん。でも、予定より用事が早く済んだから。\\n それよりどうしたの? そんなに驚いて」", | |||
"201009111_15": "「な、なんでもないよ?」", | |||
"201009111_16": "「ふーん……。ところで、その荷物は?」", | |||
"201009111_17": "「ええッ!? これは――ッ!\\n とッ、とととッ、うわッ!?」", | |||
"201009111_18": "「響ッ!? だ、大丈夫?」", | |||
"201009111_19": "「う、うん。平気……」", | |||
"201009111_20": "「って、あッ!」", | |||
"201009111_21": "「荷物が崩れちゃったね、ごめん」", | |||
"201009111_22": "「あれ、クラッカー? なんでこんなの……」", | |||
"201009111_23": "「わあああッ! クラッカーはねッ!\\n ちょ、ちょっと鳴らしてみたいなーってッ!」", | |||
"201009111_24": "「そ、そっかぁ。鳴らしてみたい時って、あるよね」", | |||
"201009111_25": "「うんッ! ほら、あんまり鳴らす機会ってないからッ!\\n クラッカーって誕生日とかぐらいでしか使わないしッ!」", | |||
"201009111_26": "「……いや、た、誕生日は関係なくて……」", | |||
"201009111_27": "「…………」", | |||
"201009111_28": "「…………」", | |||
"201009111_29": "「……アハハ。さすがにバレバレだよね?」", | |||
"201009111_30": "「うん」", | |||
"201009111_31": "「嘘ついてごめん。\\n 本当は、未来のバースデーパーティの準備をしてたんだ」", | |||
"201009111_32": "「フフ。ありがとう、響」", | |||
"201009111_33": "「早くもサプライズ失敗だよ……。\\n 未来に喜んでもらいたかったのに……」", | |||
"201009111_34": "「ううん。響の気持ち、すごく嬉しいよ」", | |||
"201009111_35": "「そうだッ!\\n せっかくだから、2人で準備しない?」", | |||
"201009111_36": "「未来の誕生日なのに、いいの?」", | |||
"201009111_37": "「もちろん。\\n 準備も2人で一緒にした方が、もっと楽しいから」", | |||
"201009111_38": "「なるほどッ! ナイスアイデアだねッ!」", | |||
"201009111_39": "「よーし、頑張るぞーッ!」", | |||
"201009111_40": "「飾り付けはもうすぐ完成だよッ!\\n そっちはどう?」", | |||
"201009111_41": "「うん、お料理ももうすぐ――」", | |||
"201009111_42": "「あッ……」", | |||
"201009111_43": "「本部から?」", | |||
"201009111_44": "「うん……」", | |||
"201009111_45": "「はい……。はい、わかりました。\\n すぐに、向かいます」", | |||
"201009111_46": "「ごめん、急な任務が入っちゃった……」", | |||
"201009111_47": "「……大丈夫。\\n それより、ちゃんと無事に帰ってきてね」", | |||
"201009111_48": "「任せてッ!\\n 任務を終わらせて、すぐ帰ってくるからッ!」", | |||
"201009111_49": "「それじゃ、気をつけてね」", | |||
"201009111_50": "「うん。……あ、そうだッ! 未来ッ!」", | |||
"201009111_51": "「なに?」", | |||
"201009111_52": "「プレゼントも用意してるから楽しみに待っててッ!\\n それじゃ、行ってきまーすッ!」", | |||
"201009111_53": "「もうこんな時間……。\\n 響、遅いな」", | |||
"201009111_54": "「まだ、どこかで頑張ってるのかな……」", | |||
"201009111_55": "「プレゼントも嬉しいけど、早く響に会いたいよ――」", | |||
"201009111_56": "「えッ? 響から……?」", | |||
"201009111_57": "「はい、もしもし――」", | |||
"201009111_58": "「はぁ……、はぁ……ッ! 響、来たよッ!」", | |||
"201009111_59": "「響……? いないの?」", | |||
"201009111_60": "「……」", | |||
"201009111_61": "「未来ッ!」", | |||
"201009111_62": "「ごめんね、こんなところに呼び出しちゃって。\\n どうしても早くおめでとうが言いたくて……ッ!」", | |||
"201009111_63": "「……響ッ!」", | |||
"201009111_64": "「わわッ!? ど、どうしたの?」", | |||
"201009111_65": "「もうッ……。待たせ過ぎだよ。\\n すごく帰りが遅いから、心配したんだよ」", | |||
"201009111_66": "「うん、ごめん……」", | |||
"201009111_67": "「でも、ちゃんと無事に帰ってきたよッ!」", | |||
"201009111_68": "「これを、渡したくて……ッ!」", | |||
"201009111_69": "「お誕生日おめでとう、未来ッ!」", | |||
"201009111_70": "「ありがとう。開けてもいい?」", | |||
"201009111_71": "「うんッ!」", | |||
"201009111_72": "「わあ……ッ! 可愛い髪飾り」", | |||
"201009111_73": "「フフ、未来に似合うと思ったんだ」", | |||
"201009111_74": "「ありがとう。一生の宝物にするね」", | |||
"201009111_75": "「……」", | |||
"201009111_76": "「響……?」", | |||
"201009111_77": "「あ、いや。喜んでもらえたのは嬉しいけど、\\n それじゃちょっと困ったことになっちゃうかもなーって思って」", | |||
"201009111_78": "「どういうこと?」", | |||
"201009111_79": "「だって、これからも毎年あげるんだから、\\n 家の中が一生の宝物でいっぱいになっちゃうよ」", | |||
"201009111_80": "「……ッ!」", | |||
"201009111_81": "「って、あれ?\\n わたし何か変なこと言った?」", | |||
"201009111_82": "「……ぐす……」", | |||
"201009111_83": "「ええッ!? な、泣いてるッ!?」", | |||
"201009111_84": "「ごめん未来、わたしのせいなら謝るからッ!」", | |||
"201009111_85": "「違う……、違うの……」", | |||
"201009111_86": "「えッ?」", | |||
"201009111_87": "「急に泣いちゃってごめんね。\\n でも、悲しいから泣いてるんじゃないの」", | |||
"201009111_88": "「響……」", | |||
"201009111_89": "「は、はいッ!」", | |||
"201009111_90": "「やっぱりこのプレゼントは、一生の宝物だよ」", | |||
"201009111_91": "「ええッ!? どういうこと?」", | |||
"201009111_92": "「……恥ずかしいから、内緒」", | |||
"201009111_93": "「そんなのずるいッ! 教えてよーッ!」", | |||
"201009111_94": "「フフ、だーめッ!」", | |||
"201009111_95": "「……これからも、ずっと一緒にいてね」", | |||
"201009111_96": "「うんッ! ずっと一緒だよッ!」" | |||
{ | |||
"201009111_0": "未来のバースデー2018", | |||
"201009111_1": "「はぁ……。\\n 誕生日プレゼント、全然いいのが見つからないよ……」", | |||
"201009111_2": "「未来は何をあげたら喜んでくれるんだろう?\\n うーん……」", | |||
"201009111_3": "「あッ、このお店にあるやつ……」", | |||
"201009111_4": "「可愛くて、未来にぴったりかもッ!」", | |||
"201009111_5": "「よろしければ、店内でご覧になりますか?」", | |||
"201009111_6": "「はいッ!」", | |||
"201009111_7": "「ヘッヘッヘー、いいもの見つけちゃったなー。\\n 未来、喜んでくれるかな?」", | |||
"201009111_8": "「そうだッ!\\n せっかくだし、サプライズパーティにしよう」", | |||
"201009111_9": "「部屋もいっぱい飾って……、\\n フフ、驚かせちゃうぞーッ!」", | |||
"201009111_10": "「ふー……。ちょっと買い過ぎちゃったかな。\\n 未来が帰ってくる前に隠して……」", | |||
"201009111_11": "「おかえり」", | |||
"201009111_12": "「わあッ!?」", | |||
"201009111_13": "「み、未来?\\n 今日は遅くなるって言ってなかった?」", | |||
"201009111_14": "「うん。でも、予定より用事が早く済んだから。\\n それよりどうしたの? そんなに驚いて」", | |||
"201009111_15": "「な、なんでもないよ?」", | |||
"201009111_16": "「ふーん……。ところで、その荷物は?」", | |||
"201009111_17": "「ええッ!? これは――ッ!\\n とッ、とととッ、うわッ!?」", | |||
"201009111_18": "「響ッ!? だ、大丈夫?」", | |||
"201009111_19": "「う、うん。平気……」", | |||
"201009111_20": "「って、あッ!」", | |||
"201009111_21": "「荷物が崩れちゃったね、ごめん」", | |||
"201009111_22": "「あれ、クラッカー? なんでこんなの……」", | |||
"201009111_23": "「わあああッ! クラッカーはねッ!\\n ちょ、ちょっと鳴らしてみたいなーってッ!」", | |||
"201009111_24": "「そ、そっかぁ。鳴らしてみたい時って、あるよね」", | |||
"201009111_25": "「うんッ! ほら、あんまり鳴らす機会ってないからッ!\\n クラッカーって誕生日とかぐらいでしか使わないしッ!」", | |||
"201009111_26": "「……いや、た、誕生日は関係なくて……」", | |||
"201009111_27": "「…………」", | |||
"201009111_28": "「…………」", | |||
"201009111_29": "「……アハハ。さすがにバレバレだよね?」", | |||
"201009111_30": "「うん」", | |||
"201009111_31": "「嘘ついてごめん。\\n 本当は、未来のバースデーパーティの準備をしてたんだ」", | |||
"201009111_32": "「フフ。ありがとう、響」", | |||
"201009111_33": "「早くもサプライズ失敗だよ……。\\n 未来に喜んでもらいたかったのに……」", | |||
"201009111_34": "「ううん。響の気持ち、すごく嬉しいよ」", | |||
"201009111_35": "「そうだッ!\\n せっかくだから、2人で準備しない?」", | |||
"201009111_36": "「未来の誕生日なのに、いいの?」", | |||
"201009111_37": "「もちろん。\\n 準備も2人で一緒にした方が、もっと楽しいから」", | |||
"201009111_38": "「なるほどッ! ナイスアイデアだねッ!」", | |||
"201009111_39": "「よーし、頑張るぞーッ!」", | |||
"201009111_40": "「飾り付けはもうすぐ完成だよッ!\\n そっちはどう?」", | |||
"201009111_41": "「うん、お料理ももうすぐ――」", | |||
"201009111_42": "「あッ……」", | |||
"201009111_43": "「本部から?」", | |||
"201009111_44": "「うん……」", | |||
"201009111_45": "「はい……。はい、わかりました。\\n すぐに、向かいます」", | |||
"201009111_46": "「ごめん、急な任務が入っちゃった……」", | |||
"201009111_47": "「……大丈夫。\\n それより、ちゃんと無事に帰ってきてね」", | |||
"201009111_48": "「任せてッ!\\n 任務を終わらせて、すぐ帰ってくるからッ!」", | |||
"201009111_49": "「それじゃ、気をつけてね」", | |||
"201009111_50": "「うん。……あ、そうだッ! 未来ッ!」", | |||
"201009111_51": "「なに?」", | |||
"201009111_52": "「プレゼントも用意してるから楽しみに待っててッ!\\n それじゃ、行ってきまーすッ!」", | |||
"201009111_53": "「もうこんな時間……。\\n 響、遅いな」", | |||
"201009111_54": "「まだ、どこかで頑張ってるのかな……」", | |||
"201009111_55": "「プレゼントも嬉しいけど、早く響に会いたいよ――」", | |||
"201009111_56": "「えッ? 響から……?」", | |||
"201009111_57": "「はい、もしもし――」", | |||
"201009111_58": "「はぁ……、はぁ……ッ! 響、来たよッ!」", | |||
"201009111_59": "「響……? いないの?」", | |||
"201009111_60": "「……」", | |||
"201009111_61": "「未来ッ!」", | |||
"201009111_62": "「ごめんね、こんなところに呼び出しちゃって。\\n どうしても早くおめでとうが言いたくて……ッ!」", | |||
"201009111_63": "「……響ッ!」", | |||
"201009111_64": "「わわッ!? ど、どうしたの?」", | |||
"201009111_65": "「もうッ……。待たせ過ぎだよ。\\n すごく帰りが遅いから、心配したんだよ」", | |||
"201009111_66": "「うん、ごめん……」", | |||
"201009111_67": "「でも、ちゃんと無事に帰ってきたよッ!」", | |||
"201009111_68": "「これを、渡したくて……ッ!」", | |||
"201009111_69": "「お誕生日おめでとう、未来ッ!」", | |||
"201009111_70": "「ありがとう。開けてもいい?」", | |||
"201009111_71": "「うんッ!」", | |||
"201009111_72": "「わあ……ッ! 可愛い髪飾り」", | |||
"201009111_73": "「フフ、未来に似合うと思ったんだ」", | |||
"201009111_74": "「ありがとう。一生の宝物にするね」", | |||
"201009111_75": "「……」", | |||
"201009111_76": "「響……?」", | |||
"201009111_77": "「あ、いや。喜んでもらえたのは嬉しいけど、\\n それじゃちょっと困ったことになっちゃうかもなーって思って」", | |||
"201009111_78": "「どういうこと?」", | |||
"201009111_79": "「だって、これからも毎年あげるんだから、\\n 家の中が一生の宝物でいっぱいになっちゃうよ」", | |||
"201009111_80": "「……ッ!」", | |||
"201009111_81": "「って、あれ?\\n わたし何か変なこと言った?」", | |||
"201009111_82": "「……ぐす……」", | |||
"201009111_83": "「ええッ!? な、泣いてるッ!?」", | |||
"201009111_84": "「ごめん未来、わたしのせいなら謝るからッ!」", | |||
"201009111_85": "「違う……、違うの……」", | |||
"201009111_86": "「えッ?」", | |||
"201009111_87": "「急に泣いちゃってごめんね。\\n でも、悲しいから泣いてるんじゃないの」", | |||
"201009111_88": "「響……」", | |||
"201009111_89": "「は、はいッ!」", | |||
"201009111_90": "「やっぱりこのプレゼントは、一生の宝物だよ」", | |||
"201009111_91": "「ええッ!? どういうこと?」", | |||
"201009111_92": "「……恥ずかしいから、内緒」", | |||
"201009111_93": "「そんなのずるいッ! 教えてよーッ!」", | |||
"201009111_94": "「フフ、だーめッ!」", | |||
"201009111_95": "「……これからも、ずっと一緒にいてね」", | |||
"201009111_96": "「うんッ! ずっと一緒だよッ!」" | |||
} |
@@ -1,123 +1,123 @@ | |||
{ | |||
"201009211_0": "秋の誘惑", | |||
"201009211_1": "「もうすっかり秋ですね。肌寒くなってきました」", | |||
"201009211_2": "「だねー。そろそろシチューが恋しくなる季節だよ」", | |||
"201009211_3": "「あ、そうだ。翼さんにとっての秋って、なんの秋ですか?」", | |||
"201009211_4": "「なんだ? 藪から棒に」", | |||
"201009211_5": "「『なんとかの秋』って言うじゃないですかッ!」", | |||
"201009211_6": "「ああ、なるほどな。\\n ちなみにエルフナインはどうなんだ?」", | |||
"201009211_7": "「そうですね……。ボクは『読書の秋』でしょうか?\\n 研究のために文献を読み解くことが多いですし」", | |||
"201009211_8": "「らしい回答だな」", | |||
"201009211_9": "「装者のみなさんは『音楽の秋』でしょうか?」", | |||
"201009211_10": "「うーん、わたしはそれより、『食欲の秋』かなあ」", | |||
"201009211_11": "「それも立花らしい答えだ」", | |||
"201009211_12": "「だって秋って美味しいものがたくさんあるんですよッ!?\\n 我慢できるはずがないですッ!」", | |||
"201009211_13": "「秋の味覚で思い出したが、\\n 公園に焼き芋屋のトラックが来ていたのを見かけたな」", | |||
"201009211_14": "「ホントですかッ!? うわあ、食べたいなあ……」", | |||
"201009211_15": "「あの、焼き芋とは……?」", | |||
"201009211_16": "「もしかして、食べたことないのッ!?」", | |||
"201009211_17": "「は、はい。芋を焼いた料理だとは思うのですが……」", | |||
"201009211_18": "「そんなッ! もったいないよ、\\n あんなに美味しいものを食べたことがないなんてッ!」", | |||
"201009211_19": "「そうだな。\\n せっかくだ、公園に買いに行くか?」", | |||
"201009211_20": "「はいッ! みんなで行きましょうッ!」", | |||
"201009211_21": "「いしやぁーきいもぉー、おいもぉー」", | |||
"201009211_22": "「いたいたッ! あれが焼き芋屋だよ」", | |||
"201009211_23": "「まだ去ってはいなかったようだな」", | |||
"201009211_24": "「良い匂いがします。そして不思議な歌……。\\n あれが焼き芋屋さんですか……」", | |||
"201009211_25": "「うん、さっそく買いに行こうッ!」", | |||
"201009211_26": "「はいッ!」", | |||
"201009211_27": "「待て、そんなに慌てては――」", | |||
"201009211_28": "「わッ……」\\n「あッ……」", | |||
"201009211_29": "「いたた……」", | |||
"201009211_30": "「2人とも、怪我は無いか?」", | |||
"201009211_31": "「大丈夫です。\\n すみません……。足がもつれてしまって……」", | |||
"201009211_32": "「ごめんね。慌てなくたって、焼き芋は逃げたりしないのに」", | |||
"201009211_33": "「いや、躓いて倒れている間に\\n トラックは去ってしまったようだ」", | |||
"201009211_34": "「ええッ!?」", | |||
"201009211_35": "「お店なのに移動するんですかッ!?」", | |||
"201009211_36": "「ま、まだ追いつけるはずッ! 行こうッ!」", | |||
"201009211_37": "「見つけたッ!」", | |||
"201009211_38": "「遠くに行っていなくてよかったです」", | |||
"201009211_39": "「今度は焦らずに行くぞ」", | |||
"201009211_40": "「あの……。もしかして、風鳴翼さんですよね?」", | |||
"201009211_41": "「はい、そうですが」", | |||
"201009211_42": "「キャーッ! やっぱり本物ッ!\\n わたし前からファンだったんですッ!」", | |||
"201009211_43": "「あ、ありがとうございます」", | |||
"201009211_44": "「さすが翼さん、すごい人気だね」", | |||
"201009211_45": "「感心している場合ではないかもしれませんよ」", | |||
"201009211_46": "「って……、いつの間にか人だかりがッ!?」", | |||
"201009211_47": "「お願いですッ! サインをいただけないでしょうかッ!?」", | |||
"201009211_48": "「よかったら写真を……ッ!」", | |||
"201009211_49": "「すまないが、少し待っていてくれ」", | |||
"201009211_50": "「は、はいッ!」", | |||
"201009211_51": "「ああ、トラックがまた遠くに……」", | |||
"201009211_52": "「こ、今度こそッ!」", | |||
"201009211_53": "「次はわたしが行ってきますッ!」", | |||
"201009211_54": "「頼んだぞッ!」", | |||
"201009211_55": "「ファンに囲まれることはないだろうし、\\n 躓いて転んだりしなければ大丈夫なはず……」", | |||
"201009211_56": "「ん? あれは……」", | |||
"201009211_57": "「うえーんッ! お母さんどこーッ!?」", | |||
"201009211_58": "「お母さんとはぐれちゃったんだ……。\\n 大丈夫、お姉ちゃんが一緒に探してあげるッ!」", | |||
"201009211_59": "「あの子のお母さん、すぐに見つかってよかったね」", | |||
"201009211_60": "「満足そうな顔つきだが、焼き芋を忘れていないか?」", | |||
"201009211_61": "「あ……。あー、アハハ……」", | |||
"201009211_62": "「すみません、忘れてました……」", | |||
"201009211_63": "「迷子の子の方が一大事ですし、仕方がありませんね。\\n よーし、次こそは……ッ!」", | |||
"201009211_64": "「公園まで戻って来てしまいましたけど、\\n ようやくトラックに追いつけましたね」", | |||
"201009211_65": "「今度こそ買うんだからッ!」", | |||
"201009211_66": "「わたしたちに足りなかったのは連携だったのかもしれない」", | |||
"201009211_67": "「誰かが欠けてしまっても、\\n 残ったものが必ず目的を達成するんだ」", | |||
"201009211_68": "「次こそは、焼き芋をこの手にッ!」", | |||
"201009211_69": "「はいッ!」", | |||
"201009211_70": "「キャーッ! 翼さーんッ!\\n 噂通り、本当にいたわ……ッ!」", | |||
"201009211_71": "「くッ! またしてもッ!?\\n 街で噂を聞きつけてきたのか……ッ!」", | |||
"201009211_72": "「ど、どうしましょう?」", | |||
"201009211_73": "「わたしのことは気にせず先に行けッ!」", | |||
"201009211_74": "「で、でも……ッ!」", | |||
"201009211_75": "「あとは頼んだ。わたしの想い、預けるぞッ!」", | |||
"201009211_76": "「翼さんッ!?」", | |||
"201009211_77": "「ボクたちに任せるために、トラックとは別の方向へ……」", | |||
"201009211_78": "「行こう。受け取った想いを無駄にしないためにッ!」", | |||
"201009211_79": "「は、はいッ!」", | |||
"201009211_80": "「お母さーんッ! どこーッ!?」", | |||
"201009211_81": "「うえーんッ!」", | |||
"201009211_82": "「もう、二度とママには会えないんだ……。グスッ……」", | |||
"201009211_83": "「また迷子ッ!?」", | |||
"201009211_84": "「しかも3人もいますよッ!?」", | |||
"201009211_85": "「こっちは任せてッ! 焼き芋をお願いッ!」", | |||
"201009211_86": "「で、でも……」", | |||
"201009211_87": "「あッ! トラックがまた動き出しちゃうッ!\\n わたしたちの分まで、お願いッ!」", | |||
"201009211_88": "「……さあ、お姉ちゃんが来たからもう安心だよッ!\\n みんなのお母さんを探してあげるからッ!」", | |||
"201009211_89": "「響さん……ッ!」", | |||
"201009211_90": "「ま、まさかボクが残ることになるなんて……」", | |||
"201009211_91": "「でも、焼き芋を食べたことのないボクのために\\n 頑張ってくれたんだ……」", | |||
"201009211_92": "「受け取った想いの分まで……、諦めませんッ!」", | |||
"201009211_93": "「すみませんッ! 待ってくださーいッ!」", | |||
"201009211_94": "「これが……、焼き芋ですか……」", | |||
"201009211_95": "「ほかほかで美味しそうだな」", | |||
"201009211_96": "「フフ、さぁ、食べてみて」", | |||
"201009211_97": "「で、では……、いただきます」", | |||
"201009211_98": "「あ、あふい……。けど、美味しいですッ!\\n ただ焼いただけなのにこんなに甘くなるなんてッ!」", | |||
"201009211_99": "「よかった、喜んでくれて」", | |||
"201009211_100": "「あれだけ頑張ったんだ。人一倍美味しくも感じるだろう」", | |||
"201009211_101": "「それにしても美味しそうですね……、\\n わたしたちも食べませんか?」", | |||
"201009211_102": "「本部まで我慢できそうにないですッ!」", | |||
"201009211_103": "「そうだな。おみやげ用に買ったものだが、\\n わたしたちも食べてしまおうか」", | |||
"201009211_104": "「やったーッ! いただきまーすッ!\\n んー、ほくほくで美味しいッ!」", | |||
"201009211_105": "「確かに、久方ぶりに食したがこれは美味しいな……ッ!」", | |||
"201009211_106": "「こんな素晴らしいものに出会わせてくれて、\\n ありがとうございますッ!」", | |||
"201009211_107": "「フフ、どういたしまして」", | |||
"201009211_108": "「それにしても美味しいですねー。\\n もう1個食べちゃおっかな」", | |||
"201009211_109": "「……って、あれ?」", | |||
"201009211_110": "「どうしたんですか?」", | |||
"201009211_111": "「焼き芋、なくなっちゃいました……」", | |||
"201009211_112": "「そういえば、皆の分を残すのを忘れていたな」", | |||
"201009211_113": "「す、すみません。美味しくてつい……」", | |||
"201009211_114": "「いや、わたしも久方ぶりの焼き芋に\\n 舞い上がってしまったからな」", | |||
"201009211_115": "「みんなにも食べてほしかったですね……」", | |||
"201009211_116": "「いしやぁーきいもぉー、おいもぉー」", | |||
"201009211_117": "「……」", | |||
"201009211_118": "「ここはやっぱり」", | |||
"201009211_119": "「無論ッ!」", | |||
"201009211_120": "「追いかけましょうッ!」" | |||
{ | |||
"201009211_0": "秋の誘惑", | |||
"201009211_1": "「もうすっかり秋ですね。肌寒くなってきました」", | |||
"201009211_2": "「だねー。そろそろシチューが恋しくなる季節だよ」", | |||
"201009211_3": "「あ、そうだ。翼さんにとっての秋って、なんの秋ですか?」", | |||
"201009211_4": "「なんだ? 藪から棒に」", | |||
"201009211_5": "「『なんとかの秋』って言うじゃないですかッ!」", | |||
"201009211_6": "「ああ、なるほどな。\\n ちなみにエルフナインはどうなんだ?」", | |||
"201009211_7": "「そうですね……。ボクは『読書の秋』でしょうか?\\n 研究のために文献を読み解くことが多いですし」", | |||
"201009211_8": "「らしい回答だな」", | |||
"201009211_9": "「装者のみなさんは『音楽の秋』でしょうか?」", | |||
"201009211_10": "「うーん、わたしはそれより、『食欲の秋』かなあ」", | |||
"201009211_11": "「それも立花らしい答えだ」", | |||
"201009211_12": "「だって秋って美味しいものがたくさんあるんですよッ!?\\n 我慢できるはずがないですッ!」", | |||
"201009211_13": "「秋の味覚で思い出したが、\\n 公園に焼き芋屋のトラックが来ていたのを見かけたな」", | |||
"201009211_14": "「ホントですかッ!? うわあ、食べたいなあ……」", | |||
"201009211_15": "「あの、焼き芋とは……?」", | |||
"201009211_16": "「もしかして、食べたことないのッ!?」", | |||
"201009211_17": "「は、はい。芋を焼いた料理だとは思うのですが……」", | |||
"201009211_18": "「そんなッ! もったいないよ、\\n あんなに美味しいものを食べたことがないなんてッ!」", | |||
"201009211_19": "「そうだな。\\n せっかくだ、公園に買いに行くか?」", | |||
"201009211_20": "「はいッ! みんなで行きましょうッ!」", | |||
"201009211_21": "「いしやぁーきいもぉー、おいもぉー」", | |||
"201009211_22": "「いたいたッ! あれが焼き芋屋だよ」", | |||
"201009211_23": "「まだ去ってはいなかったようだな」", | |||
"201009211_24": "「良い匂いがします。そして不思議な歌……。\\n あれが焼き芋屋さんですか……」", | |||
"201009211_25": "「うん、さっそく買いに行こうッ!」", | |||
"201009211_26": "「はいッ!」", | |||
"201009211_27": "「待て、そんなに慌てては――」", | |||
"201009211_28": "「わッ……」\\n「あッ……」", | |||
"201009211_29": "「いたた……」", | |||
"201009211_30": "「2人とも、怪我は無いか?」", | |||
"201009211_31": "「大丈夫です。\\n すみません……。足がもつれてしまって……」", | |||
"201009211_32": "「ごめんね。慌てなくたって、焼き芋は逃げたりしないのに」", | |||
"201009211_33": "「いや、躓いて倒れている間に\\n トラックは去ってしまったようだ」", | |||
"201009211_34": "「ええッ!?」", | |||
"201009211_35": "「お店なのに移動するんですかッ!?」", | |||
"201009211_36": "「ま、まだ追いつけるはずッ! 行こうッ!」", | |||
"201009211_37": "「見つけたッ!」", | |||
"201009211_38": "「遠くに行っていなくてよかったです」", | |||
"201009211_39": "「今度は焦らずに行くぞ」", | |||
"201009211_40": "「あの……。もしかして、風鳴翼さんですよね?」", | |||
"201009211_41": "「はい、そうですが」", | |||
"201009211_42": "「キャーッ! やっぱり本物ッ!\\n わたし前からファンだったんですッ!」", | |||
"201009211_43": "「あ、ありがとうございます」", | |||
"201009211_44": "「さすが翼さん、すごい人気だね」", | |||
"201009211_45": "「感心している場合ではないかもしれませんよ」", | |||
"201009211_46": "「って……、いつの間にか人だかりがッ!?」", | |||
"201009211_47": "「お願いですッ! サインをいただけないでしょうかッ!?」", | |||
"201009211_48": "「よかったら写真を……ッ!」", | |||
"201009211_49": "「すまないが、少し待っていてくれ」", | |||
"201009211_50": "「は、はいッ!」", | |||
"201009211_51": "「ああ、トラックがまた遠くに……」", | |||
"201009211_52": "「こ、今度こそッ!」", | |||
"201009211_53": "「次はわたしが行ってきますッ!」", | |||
"201009211_54": "「頼んだぞッ!」", | |||
"201009211_55": "「ファンに囲まれることはないだろうし、\\n 躓いて転んだりしなければ大丈夫なはず……」", | |||
"201009211_56": "「ん? あれは……」", | |||
"201009211_57": "「うえーんッ! お母さんどこーッ!?」", | |||
"201009211_58": "「お母さんとはぐれちゃったんだ……。\\n 大丈夫、お姉ちゃんが一緒に探してあげるッ!」", | |||
"201009211_59": "「あの子のお母さん、すぐに見つかってよかったね」", | |||
"201009211_60": "「満足そうな顔つきだが、焼き芋を忘れていないか?」", | |||
"201009211_61": "「あ……。あー、アハハ……」", | |||
"201009211_62": "「すみません、忘れてました……」", | |||
"201009211_63": "「迷子の子の方が一大事ですし、仕方がありませんね。\\n よーし、次こそは……ッ!」", | |||
"201009211_64": "「公園まで戻って来てしまいましたけど、\\n ようやくトラックに追いつけましたね」", | |||
"201009211_65": "「今度こそ買うんだからッ!」", | |||
"201009211_66": "「わたしたちに足りなかったのは連携だったのかもしれない」", | |||
"201009211_67": "「誰かが欠けてしまっても、\\n 残ったものが必ず目的を達成するんだ」", | |||
"201009211_68": "「次こそは、焼き芋をこの手にッ!」", | |||
"201009211_69": "「はいッ!」", | |||
"201009211_70": "「キャーッ! 翼さーんッ!\\n 噂通り、本当にいたわ……ッ!」", | |||
"201009211_71": "「くッ! またしてもッ!?\\n 街で噂を聞きつけてきたのか……ッ!」", | |||
"201009211_72": "「ど、どうしましょう?」", | |||
"201009211_73": "「わたしのことは気にせず先に行けッ!」", | |||
"201009211_74": "「で、でも……ッ!」", | |||
"201009211_75": "「あとは頼んだ。わたしの想い、預けるぞッ!」", | |||
"201009211_76": "「翼さんッ!?」", | |||
"201009211_77": "「ボクたちに任せるために、トラックとは別の方向へ……」", | |||
"201009211_78": "「行こう。受け取った想いを無駄にしないためにッ!」", | |||
"201009211_79": "「は、はいッ!」", | |||
"201009211_80": "「お母さーんッ! どこーッ!?」", | |||
"201009211_81": "「うえーんッ!」", | |||
"201009211_82": "「もう、二度とママには会えないんだ……。グスッ……」", | |||
"201009211_83": "「また迷子ッ!?」", | |||
"201009211_84": "「しかも3人もいますよッ!?」", | |||
"201009211_85": "「こっちは任せてッ! 焼き芋をお願いッ!」", | |||
"201009211_86": "「で、でも……」", | |||
"201009211_87": "「あッ! トラックがまた動き出しちゃうッ!\\n わたしたちの分まで、お願いッ!」", | |||
"201009211_88": "「……さあ、お姉ちゃんが来たからもう安心だよッ!\\n みんなのお母さんを探してあげるからッ!」", | |||
"201009211_89": "「響さん……ッ!」", | |||
"201009211_90": "「ま、まさかボクが残ることになるなんて……」", | |||
"201009211_91": "「でも、焼き芋を食べたことのないボクのために\\n 頑張ってくれたんだ……」", | |||
"201009211_92": "「受け取った想いの分まで……、諦めませんッ!」", | |||
"201009211_93": "「すみませんッ! 待ってくださーいッ!」", | |||
"201009211_94": "「これが……、焼き芋ですか……」", | |||
"201009211_95": "「ほかほかで美味しそうだな」", | |||
"201009211_96": "「フフ、さぁ、食べてみて」", | |||
"201009211_97": "「で、では……、いただきます」", | |||
"201009211_98": "「あ、あふい……。けど、美味しいですッ!\\n ただ焼いただけなのにこんなに甘くなるなんてッ!」", | |||
"201009211_99": "「よかった、喜んでくれて」", | |||
"201009211_100": "「あれだけ頑張ったんだ。人一倍美味しくも感じるだろう」", | |||
"201009211_101": "「それにしても美味しそうですね……、\\n わたしたちも食べませんか?」", | |||
"201009211_102": "「本部まで我慢できそうにないですッ!」", | |||
"201009211_103": "「そうだな。おみやげ用に買ったものだが、\\n わたしたちも食べてしまおうか」", | |||
"201009211_104": "「やったーッ! いただきまーすッ!\\n んー、ほくほくで美味しいッ!」", | |||
"201009211_105": "「確かに、久方ぶりに食したがこれは美味しいな……ッ!」", | |||
"201009211_106": "「こんな素晴らしいものに出会わせてくれて、\\n ありがとうございますッ!」", | |||
"201009211_107": "「フフ、どういたしまして」", | |||
"201009211_108": "「それにしても美味しいですねー。\\n もう1個食べちゃおっかな」", | |||
"201009211_109": "「……って、あれ?」", | |||
"201009211_110": "「どうしたんですか?」", | |||
"201009211_111": "「焼き芋、なくなっちゃいました……」", | |||
"201009211_112": "「そういえば、皆の分を残すのを忘れていたな」", | |||
"201009211_113": "「す、すみません。美味しくてつい……」", | |||
"201009211_114": "「いや、わたしも久方ぶりの焼き芋に\\n 舞い上がってしまったからな」", | |||
"201009211_115": "「みんなにも食べてほしかったですね……」", | |||
"201009211_116": "「いしやぁーきいもぉー、おいもぉー」", | |||
"201009211_117": "「……」", | |||
"201009211_118": "「ここはやっぱり」", | |||
"201009211_119": "「無論ッ!」", | |||
"201009211_120": "「追いかけましょうッ!」" | |||
} |
@@ -1,60 +1,60 @@ | |||
{ | |||
"201009311_0": "響の帰る場所", | |||
"201009311_1": "「ただいま戻りました」", | |||
"201009311_2": "「ああ、ご苦労だったな。\\n よくアルカ・ノイズの被害を抑えてくれた」", | |||
"201009311_3": "「未来、ただいまッ!」", | |||
"201009311_4": "「お帰りなさい。\\n 大丈夫だった?」", | |||
"201009311_5": "「うんッ!」", | |||
"201009311_6": "「でも疲れたよ……」", | |||
"201009311_7": "「街でアルカ・ノイズが大量発生するなんてな」", | |||
"201009311_8": "「首謀者はまだ見つかっていないのかしら?」", | |||
"201009311_9": "「アルカ・ノイズを盾に逃げ回っているようだ。\\n 追い詰めるまで、もうしばらくはかかりそうだな」", | |||
"201009311_10": "「今日だけでもう3回も戦ったデス……。\\n お腹へりんこファイヤーデスッ!」", | |||
"201009311_11": "「それに、少し休みたいね」", | |||
"201009311_12": "「ああ、そう言うだろうと思って、\\n 食堂に昼食を用意してある」", | |||
"201009311_13": "「やったッ! ご飯ッ!」", | |||
"201009311_14": "「今のうちにゆっくり休んでね、響」", | |||
"201009311_15": "「うんッ! ありがとう」", | |||
"201009311_16": "「それじゃとっとと食堂に行くか。\\n またいつ出るかもわからねーし……」", | |||
"201009311_17": "「ダメデスよッ! そんなこと言ってると――」", | |||
"201009311_18": "「ここから南西3キロの地点より、\\n アルカ・ノイズの反応を検知しましたッ!」", | |||
"201009311_19": "「やっぱりデースッ!\\n もうアルカ・ノイズはお腹いっぱいデスよッ!!」", | |||
"201009311_20": "「朝から連戦だが、行けるか?」", | |||
"201009311_21": "「もちろんですッ! アルカ・ノイズを\\n 止められるのは、わたしたちだけですからッ!」", | |||
"201009311_22": "「立花の言う通りだ。行くぞ、みんなッ!」", | |||
"201009311_23": "「ちくしょう……、あたしの昼飯……」", | |||
"201009311_24": "「アタシのご飯……」", | |||
"201009311_25": "「気持ちはわかるけど……、ぼやかないの」", | |||
"201009311_26": "「これを片付けたら、今度こそ……」", | |||
"201009311_27": "「それじゃあ、未来。行ってくるね」", | |||
"201009311_28": "「うん、気をつけてね……」", | |||
"201009311_29": "「あの……」", | |||
"201009311_30": "「どうした?」", | |||
"201009311_31": "「何か……、わたしにもできることはありませんか?」", | |||
"201009311_32": "「みんなが戦いに出て心配に思う気持ちはわかるが、\\n 未来くんが無理をする必要はないんだぞ……?」", | |||
"201009311_33": "「雑用でもなんでもいいんです……。\\n お願いしますッ!」", | |||
"201009311_34": "「……わかった。\\n では、重要な任務をお願いしよう」", | |||
"201009311_35": "「……よいしょっと」", | |||
"201009311_36": "「失礼します」", | |||
"201009311_37": "「あッ、緒川さん」", | |||
"201009311_38": "「追加の洗濯物が洗い終わったので、持ってきましたよ」", | |||
"201009311_39": "「ありがとうございます。\\n そこに置いておいてください」", | |||
"201009311_40": "「まだかなり量がありますし、僕も手伝いますよ」", | |||
"201009311_41": "「ありがとうございます。\\n でも、大丈夫です。わたしにやらせてください」", | |||
"201009311_42": "「……わかりました。では、お願いします」", | |||
"201009311_43": "「……ところで、\\n どうして急に本部のお手伝いを?」", | |||
"201009311_44": "「えーっと……、ちょっと恥ずかしいんですけど……」", | |||
"201009311_45": "「ここが、響の帰ってくる場所だからです」", | |||
"201009311_46": "「帰ってくる場所?」", | |||
"201009311_47": "「はい。学院も、寮の部屋も、\\n ここも全部響の帰る場所です」", | |||
"201009311_48": "「響はいつも頑張って戦っているけど、\\n わたしは一緒に戦うことはできないから……」", | |||
"201009311_49": "「だからせめて、響が安心してここに帰ってこられるように、\\n わたしにできることができたらいいなって」", | |||
"201009311_50": "「……そうですか」", | |||
"201009311_51": "「なんて言っても、\\n ……これくらいしかできませんけどね」", | |||
"201009311_52": "「いいえ、十分ですよ。そんなに想われて\\n 響さんは幸せ者ですね」", | |||
"201009311_53": "「お、想ってるなんて、わたしは別にそんなんじゃ……。\\n ただ、無事に帰ってきてほしいだけで……」", | |||
"201009311_54": "「フフ……。\\n おや? 噂をすれば……」", | |||
"201009311_55": "「あれ? 未来だッ!\\n 未来ーッ!! 戻ったよーッ!!」", | |||
"201009311_56": "(よかった……。元気いっぱいみたい)", | |||
"201009311_57": "「おかえり、響」" | |||
{ | |||
"201009311_0": "響の帰る場所", | |||
"201009311_1": "「ただいま戻りました」", | |||
"201009311_2": "「ああ、ご苦労だったな。\\n よくアルカ・ノイズの被害を抑えてくれた」", | |||
"201009311_3": "「未来、ただいまッ!」", | |||
"201009311_4": "「お帰りなさい。\\n 大丈夫だった?」", | |||
"201009311_5": "「うんッ!」", | |||
"201009311_6": "「でも疲れたよ……」", | |||
"201009311_7": "「街でアルカ・ノイズが大量発生するなんてな」", | |||
"201009311_8": "「首謀者はまだ見つかっていないのかしら?」", | |||
"201009311_9": "「アルカ・ノイズを盾に逃げ回っているようだ。\\n 追い詰めるまで、もうしばらくはかかりそうだな」", | |||
"201009311_10": "「今日だけでもう3回も戦ったデス……。\\n お腹へりんこファイヤーデスッ!」", | |||
"201009311_11": "「それに、少し休みたいね」", | |||
"201009311_12": "「ああ、そう言うだろうと思って、\\n 食堂に昼食を用意してある」", | |||
"201009311_13": "「やったッ! ご飯ッ!」", | |||
"201009311_14": "「今のうちにゆっくり休んでね、響」", | |||
"201009311_15": "「うんッ! ありがとう」", | |||
"201009311_16": "「それじゃとっとと食堂に行くか。\\n またいつ出るかもわからねーし……」", | |||
"201009311_17": "「ダメデスよッ! そんなこと言ってると――」", | |||
"201009311_18": "「ここから南西3キロの地点より、\\n アルカ・ノイズの反応を検知しましたッ!」", | |||
"201009311_19": "「やっぱりデースッ!\\n もうアルカ・ノイズはお腹いっぱいデスよッ!!」", | |||
"201009311_20": "「朝から連戦だが、行けるか?」", | |||
"201009311_21": "「もちろんですッ! アルカ・ノイズを\\n 止められるのは、わたしたちだけですからッ!」", | |||
"201009311_22": "「立花の言う通りだ。行くぞ、みんなッ!」", | |||
"201009311_23": "「ちくしょう……、あたしの昼飯……」", | |||
"201009311_24": "「アタシのご飯……」", | |||
"201009311_25": "「気持ちはわかるけど……、ぼやかないの」", | |||
"201009311_26": "「これを片付けたら、今度こそ……」", | |||
"201009311_27": "「それじゃあ、未来。行ってくるね」", | |||
"201009311_28": "「うん、気をつけてね……」", | |||
"201009311_29": "「あの……」", | |||
"201009311_30": "「どうした?」", | |||
"201009311_31": "「何か……、わたしにもできることはありませんか?」", | |||
"201009311_32": "「みんなが戦いに出て心配に思う気持ちはわかるが、\\n 未来くんが無理をする必要はないんだぞ……?」", | |||
"201009311_33": "「雑用でもなんでもいいんです……。\\n お願いしますッ!」", | |||
"201009311_34": "「……わかった。\\n では、重要な任務をお願いしよう」", | |||
"201009311_35": "「……よいしょっと」", | |||
"201009311_36": "「失礼します」", | |||
"201009311_37": "「あッ、緒川さん」", | |||
"201009311_38": "「追加の洗濯物が洗い終わったので、持ってきましたよ」", | |||
"201009311_39": "「ありがとうございます。\\n そこに置いておいてください」", | |||
"201009311_40": "「まだかなり量がありますし、僕も手伝いますよ」", | |||
"201009311_41": "「ありがとうございます。\\n でも、大丈夫です。わたしにやらせてください」", | |||
"201009311_42": "「……わかりました。では、お願いします」", | |||
"201009311_43": "「……ところで、\\n どうして急に本部のお手伝いを?」", | |||
"201009311_44": "「えーっと……、ちょっと恥ずかしいんですけど……」", | |||
"201009311_45": "「ここが、響の帰ってくる場所だからです」", | |||
"201009311_46": "「帰ってくる場所?」", | |||
"201009311_47": "「はい。学院も、寮の部屋も、\\n ここも全部響の帰る場所です」", | |||
"201009311_48": "「響はいつも頑張って戦っているけど、\\n わたしは一緒に戦うことはできないから……」", | |||
"201009311_49": "「だからせめて、響が安心してここに帰ってこられるように、\\n わたしにできることができたらいいなって」", | |||
"201009311_50": "「……そうですか」", | |||
"201009311_51": "「なんて言っても、\\n ……これくらいしかできませんけどね」", | |||
"201009311_52": "「いいえ、十分ですよ。そんなに想われて\\n 響さんは幸せ者ですね」", | |||
"201009311_53": "「お、想ってるなんて、わたしは別にそんなんじゃ……。\\n ただ、無事に帰ってきてほしいだけで……」", | |||
"201009311_54": "「フフ……。\\n おや? 噂をすれば……」", | |||
"201009311_55": "「あれ? 未来だッ!\\n 未来ーッ!! 戻ったよーッ!!」", | |||
"201009311_56": "(よかった……。元気いっぱいみたい)", | |||
"201009311_57": "「おかえり、響」" | |||
} |
@@ -1,97 +1,97 @@ | |||
{ | |||
"201009411_0": "頼りになる背中", | |||
"201009411_1": "「よし、揃っているな」", | |||
"201009411_2": "「あれッ!? 結構足りないような……」", | |||
"201009411_3": "「そうだな……」", | |||
"201009411_4": "「調なら今朝早くにマリアが迎えに来てたデスよ。\\n てっきりS.O.N.G.に先に来てるもんだと……」", | |||
"201009411_5": "「いや、ここにいない3人には別の任務に出てもらっている。\\n 少々気になることがあったからな」", | |||
"201009411_6": "「そうなんですか。\\n そうなると今日は3人だけの訓練なんですね」", | |||
"201009411_7": "「フフ……。そうとは限らないぞ」", | |||
"201009411_8": "「その不敵な笑み……、まさか司令がッ!?」", | |||
"201009411_9": "「え、師匠との特訓ですかッ!?」", | |||
"201009411_10": "「今日の訓練はまさかの超ハードコースデスかッ!?」", | |||
"201009411_11": "「いや、それも面白そうではあるが、俺じゃない。\\n 入ってくれッ!」", | |||
"201009411_12": "「よッ、みんな元気そうだな」", | |||
"201009411_13": "「か、奏ッ!?」", | |||
"201009411_14": "「これはとんだビッグサプライズデスッ!?」", | |||
"201009411_15": "「うわー、奏さんだッ! 来てたんですねッ!」", | |||
"201009411_16": "「ああ、S.O.N.G.にちょっと聞きたいことがあってね」", | |||
"201009411_17": "「そのついでに、奏くんにも戦闘訓練への参加を\\n 要請したんだ。互いにいい刺激になると思ってな」", | |||
"201009411_18": "「ありがたいよ、他の装者と訓練する機会なんて、\\n 向こうじゃ無いからね」", | |||
"201009411_19": "「では……、今日はこの4人で訓練を行う」", | |||
"201009411_20": "「普段とは違うメンバーが入ることで、いい刺激にもなるだろう」", | |||
"201009411_21": "「その分、気合いを入れて臨んでほしい」", | |||
"201009411_22": "「はいッ!」", | |||
"201009411_23": "「はいデスッ!」", | |||
"201009411_24": "「了解です」", | |||
"201009411_25": "「あいよッ!」", | |||
"201009411_26": "「いい返事だッ!\\n よし、エルフナインくん、始めてくれ」", | |||
"201009411_27": "「はい。シミュレータ、起動します」", | |||
"201009411_28": "「残るは、あのアルカ・ノイズ1体だが……」", | |||
"201009411_29": "「あの大きさは、脅威だね……」", | |||
"201009411_30": "「懐に飛び込もうにも、\\n クリスちゃんか調ちゃんの支援がないと……」", | |||
"201009411_31": "「ええいッ、まどろっこしいデスッ!\\n これでも、食らうデスッ!」", | |||
"201009411_32": "「暁ッ! いくらなんでも強引すぎるぞッ!」", | |||
"201009411_33": "「わたし、援護しますッ!」", | |||
"201009411_34": "「言ってる場合じゃないね。ここは全員で行くッ!」", | |||
"201009411_35": "「ああ、わかったッ!」", | |||
"201009411_36": "「あと一撃ッ!\\n ここはアタシの見せ場デスッ!」", | |||
"201009411_37": "「はああああッ!」", | |||
"201009411_38": "「――ッ!?」", | |||
"201009411_39": "「切歌ちゃんッ!? 大丈夫ッ!?」", | |||
"201009411_40": "「いててて……。ちょっと勢い余ったデス……」", | |||
"201009411_41": "「まったく、強引な攻めはよくない。\\n 倒せたからいいものの……」", | |||
"201009411_42": "「時には強引な攻めも必要さ。結果としてそれが状況打開に\\n 繋がったんだから、いいじゃないか」", | |||
"201009411_43": "「う、奏がそう言うなら……」", | |||
"201009411_44": "「それより、さっきの一撃見たデスかッ!\\n アタシの雄姿……、調にも見せたかったデスッ!」", | |||
"201009411_45": "「うん、カッコよかったよ」", | |||
"201009411_46": "「最後の攻撃は申し分ない威力だったな。\\n バランスを崩して着地に失敗しなければ完璧だったのだが……」", | |||
"201009411_47": "「後半は忘れてほしいデス……」", | |||
"201009411_48": "「これもいい経験になっただろう。\\n 次、もっとうまくやれば問題ないさ」", | |||
"201009411_49": "「よし、今日の訓練はここまでとする。\\n クールダウンを忘れずにな」", | |||
"201009411_50": "「みなさん、お疲れ様でした」", | |||
"201009411_51": "「ふう、なかなか激しい訓練だったデ――」", | |||
"201009411_52": "「ッ!?」", | |||
"201009411_53": "「どうしたッ!?」", | |||
"201009411_54": "「切歌ちゃん、大丈夫ッ!?」", | |||
"201009411_55": "「へ、平気デースッ!\\n ちょっと、足がもつれただけデスから……」", | |||
"201009411_56": "「まったく……、驚かせるな」", | |||
"201009411_57": "「それじゃ、シャワー浴びて帰りますかッ!」", | |||
"201009411_58": "「そうだな。2人も行くだろう?」", | |||
"201009411_59": "「ああ、そうだね」", | |||
"201009411_60": "「……」", | |||
"201009411_61": "「どうしたの、切歌ちゃん?」", | |||
"201009411_62": "「アタシは、さっきの雄姿のリプレイを見てから\\n シャワーを浴びることにするデス」", | |||
"201009411_63": "「そう? それなら先に行ってるね」", | |||
"201009411_64": "「あまり体を冷やさないよう、ほどほどにな。\\n それじゃ、行こうか」", | |||
"201009411_65": "「ああ……」", | |||
"201009411_66": "「ふーッ……。正直、みんなが行ってくれて\\n 助かったデス……」", | |||
"201009411_67": "「これ……、捻挫デスよね。たぶん……。\\n 勢い余って怪我したなんて恥ずかしくて言えないデスよ」", | |||
"201009411_68": "「……そーっとなら、歩けるデスかね」", | |||
"201009411_69": "「ッ!? デェェーーースッ!?」", | |||
"201009411_70": "「くぅーッ。……な、なんデスか、今の痛みはッ!?」", | |||
"201009411_71": "「こ、これはメディカルルーム直行レベルデスッ!」", | |||
"201009411_72": "「でも、どうやって辿りつけば……」", | |||
"201009411_73": "「まったく……。何やってるんだい?」", | |||
"201009411_74": "「うわあッ!? どうしてここにいるんデスかッ!?」", | |||
"201009411_75": "「ちょっと様子がおかしかったからね。\\n 気になって戻ってきたんだけど、正解だったね」", | |||
"201009411_76": "「だ、大丈夫デスッ! ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ\\n ズキッとしただけデスッ!」", | |||
"201009411_77": "「ふうん……。ちょっとって感じには\\n 見えなかったけどな」", | |||
"201009411_78": "「うう……、図星デス……」", | |||
"201009411_79": "「ほらメディカルルームまでおぶってやるから、背中に乗りな」", | |||
"201009411_80": "「……でも、迷惑をかけるわけには――」", | |||
"201009411_81": "「いやなら無理矢理肩に担いでいくよ?\\n 荷物扱いで」", | |||
"201009411_82": "「なんデスとッ!?\\n そ、それなら……、おんぶでお願いするデス……」", | |||
"201009411_83": "「だろ? ほら、早くしな」", | |||
"201009411_84": "「お邪魔するデス……」", | |||
"201009411_85": "「揺れるけど少しのあいだ、我慢してくれよ」", | |||
"201009411_86": "「ほとんど揺れていないデス……」", | |||
"201009411_87": "「背中、大きいデス……」", | |||
"201009411_88": "「ん? そんなにデカいか?」", | |||
"201009411_89": "「えーと、体格的な大きさではなくて……」 ", | |||
"201009411_90": "「うまく言えないデスけど、こう、精神的にというか……」", | |||
"201009411_91": "「人としての、器が大きいような気がするデス」", | |||
"201009411_92": "「そうかい」", | |||
"201009411_93": "「とても頼りになって、\\n 一緒にいると安心できるデス」", | |||
"201009411_94": "「ハハッ……。そりゃ、ありがとね。\\n あたしの背中でよかったら、また貸してやるよ」" | |||
{ | |||
"201009411_0": "頼りになる背中", | |||
"201009411_1": "「よし、揃っているな」", | |||
"201009411_2": "「あれッ!? 結構足りないような……」", | |||
"201009411_3": "「そうだな……」", | |||
"201009411_4": "「調なら今朝早くにマリアが迎えに来てたデスよ。\\n てっきりS.O.N.G.に先に来てるもんだと……」", | |||
"201009411_5": "「いや、ここにいない3人には別の任務に出てもらっている。\\n 少々気になることがあったからな」", | |||
"201009411_6": "「そうなんですか。\\n そうなると今日は3人だけの訓練なんですね」", | |||
"201009411_7": "「フフ……。そうとは限らないぞ」", | |||
"201009411_8": "「その不敵な笑み……、まさか司令がッ!?」", | |||
"201009411_9": "「え、師匠との特訓ですかッ!?」", | |||
"201009411_10": "「今日の訓練はまさかの超ハードコースデスかッ!?」", | |||
"201009411_11": "「いや、それも面白そうではあるが、俺じゃない。\\n 入ってくれッ!」", | |||
"201009411_12": "「よッ、みんな元気そうだな」", | |||
"201009411_13": "「か、奏ッ!?」", | |||
"201009411_14": "「これはとんだビッグサプライズデスッ!?」", | |||
"201009411_15": "「うわー、奏さんだッ! 来てたんですねッ!」", | |||
"201009411_16": "「ああ、S.O.N.G.にちょっと聞きたいことがあってね」", | |||
"201009411_17": "「そのついでに、奏くんにも戦闘訓練への参加を\\n 要請したんだ。互いにいい刺激になると思ってな」", | |||
"201009411_18": "「ありがたいよ、他の装者と訓練する機会なんて、\\n 向こうじゃ無いからね」", | |||
"201009411_19": "「では……、今日はこの4人で訓練を行う」", | |||
"201009411_20": "「普段とは違うメンバーが入ることで、いい刺激にもなるだろう」", | |||
"201009411_21": "「その分、気合いを入れて臨んでほしい」", | |||
"201009411_22": "「はいッ!」", | |||
"201009411_23": "「はいデスッ!」", | |||
"201009411_24": "「了解です」", | |||
"201009411_25": "「あいよッ!」", | |||
"201009411_26": "「いい返事だッ!\\n よし、エルフナインくん、始めてくれ」", | |||
"201009411_27": "「はい。シミュレータ、起動します」", | |||
"201009411_28": "「残るは、あのアルカ・ノイズ1体だが……」", | |||
"201009411_29": "「あの大きさは、脅威だね……」", | |||
"201009411_30": "「懐に飛び込もうにも、\\n クリスちゃんか調ちゃんの支援がないと……」", | |||
"201009411_31": "「ええいッ、まどろっこしいデスッ!\\n これでも、食らうデスッ!」", | |||
"201009411_32": "「暁ッ! いくらなんでも強引すぎるぞッ!」", | |||
"201009411_33": "「わたし、援護しますッ!」", | |||
"201009411_34": "「言ってる場合じゃないね。ここは全員で行くッ!」", | |||
"201009411_35": "「ああ、わかったッ!」", | |||
"201009411_36": "「あと一撃ッ!\\n ここはアタシの見せ場デスッ!」", | |||
"201009411_37": "「はああああッ!」", | |||
"201009411_38": "「――ッ!?」", | |||
"201009411_39": "「切歌ちゃんッ!? 大丈夫ッ!?」", | |||
"201009411_40": "「いててて……。ちょっと勢い余ったデス……」", | |||
"201009411_41": "「まったく、強引な攻めはよくない。\\n 倒せたからいいものの……」", | |||
"201009411_42": "「時には強引な攻めも必要さ。結果としてそれが状況打開に\\n 繋がったんだから、いいじゃないか」", | |||
"201009411_43": "「う、奏がそう言うなら……」", | |||
"201009411_44": "「それより、さっきの一撃見たデスかッ!\\n アタシの雄姿……、調にも見せたかったデスッ!」", | |||
"201009411_45": "「うん、カッコよかったよ」", | |||
"201009411_46": "「最後の攻撃は申し分ない威力だったな。\\n バランスを崩して着地に失敗しなければ完璧だったのだが……」", | |||
"201009411_47": "「後半は忘れてほしいデス……」", | |||
"201009411_48": "「これもいい経験になっただろう。\\n 次、もっとうまくやれば問題ないさ」", | |||
"201009411_49": "「よし、今日の訓練はここまでとする。\\n クールダウンを忘れずにな」", | |||
"201009411_50": "「みなさん、お疲れ様でした」", | |||
"201009411_51": "「ふう、なかなか激しい訓練だったデ――」", | |||
"201009411_52": "「ッ!?」", | |||
"201009411_53": "「どうしたッ!?」", | |||
"201009411_54": "「切歌ちゃん、大丈夫ッ!?」", | |||
"201009411_55": "「へ、平気デースッ!\\n ちょっと、足がもつれただけデスから……」", | |||
"201009411_56": "「まったく……、驚かせるな」", | |||
"201009411_57": "「それじゃ、シャワー浴びて帰りますかッ!」", | |||
"201009411_58": "「そうだな。2人も行くだろう?」", | |||
"201009411_59": "「ああ、そうだね」", | |||
"201009411_60": "「……」", | |||
"201009411_61": "「どうしたの、切歌ちゃん?」", | |||
"201009411_62": "「アタシは、さっきの雄姿のリプレイを見てから\\n シャワーを浴びることにするデス」", | |||
"201009411_63": "「そう? それなら先に行ってるね」", | |||
"201009411_64": "「あまり体を冷やさないよう、ほどほどにな。\\n それじゃ、行こうか」", | |||
"201009411_65": "「ああ……」", | |||
"201009411_66": "「ふーッ……。正直、みんなが行ってくれて\\n 助かったデス……」", | |||
"201009411_67": "「これ……、捻挫デスよね。たぶん……。\\n 勢い余って怪我したなんて恥ずかしくて言えないデスよ」", | |||
"201009411_68": "「……そーっとなら、歩けるデスかね」", | |||
"201009411_69": "「ッ!? デェェーーースッ!?」", | |||
"201009411_70": "「くぅーッ。……な、なんデスか、今の痛みはッ!?」", | |||
"201009411_71": "「こ、これはメディカルルーム直行レベルデスッ!」", | |||
"201009411_72": "「でも、どうやって辿りつけば……」", | |||
"201009411_73": "「まったく……。何やってるんだい?」", | |||
"201009411_74": "「うわあッ!? どうしてここにいるんデスかッ!?」", | |||
"201009411_75": "「ちょっと様子がおかしかったからね。\\n 気になって戻ってきたんだけど、正解だったね」", | |||
"201009411_76": "「だ、大丈夫デスッ! ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ\\n ズキッとしただけデスッ!」", | |||
"201009411_77": "「ふうん……。ちょっとって感じには\\n 見えなかったけどな」", | |||
"201009411_78": "「うう……、図星デス……」", | |||
"201009411_79": "「ほらメディカルルームまでおぶってやるから、背中に乗りな」", | |||
"201009411_80": "「……でも、迷惑をかけるわけには――」", | |||
"201009411_81": "「いやなら無理矢理肩に担いでいくよ?\\n 荷物扱いで」", | |||
"201009411_82": "「なんデスとッ!?\\n そ、それなら……、おんぶでお願いするデス……」", | |||
"201009411_83": "「だろ? ほら、早くしな」", | |||
"201009411_84": "「お邪魔するデス……」", | |||
"201009411_85": "「揺れるけど少しのあいだ、我慢してくれよ」", | |||
"201009411_86": "「ほとんど揺れていないデス……」", | |||
"201009411_87": "「背中、大きいデス……」", | |||
"201009411_88": "「ん? そんなにデカいか?」", | |||
"201009411_89": "「えーと、体格的な大きさではなくて……」 ", | |||
"201009411_90": "「うまく言えないデスけど、こう、精神的にというか……」", | |||
"201009411_91": "「人としての、器が大きいような気がするデス」", | |||
"201009411_92": "「そうかい」", | |||
"201009411_93": "「とても頼りになって、\\n 一緒にいると安心できるデス」", | |||
"201009411_94": "「ハハッ……。そりゃ、ありがとね。\\n あたしの背中でよかったら、また貸してやるよ」" | |||
} |
@@ -1,86 +1,86 @@ | |||
{ | |||
"201009511_0": "やさしいあなたにクリスマス", | |||
"201009511_1": "(今日は一段と冷え込むわね……)", | |||
"201009511_2": "(もうすぐクリスマス……。\\n どこを見ても人でごった返しているわ)", | |||
"201009511_3": "「お母さーんッ! これ買ってよーッ!」", | |||
"201009511_4": "「もう……しょうがないわね。今日だけよ?」", | |||
"201009511_5": "(フフ、子供連れもよく見かけるわね)", | |||
"201009511_6": "(あの子たちを見ていると、調に切歌、セレナのことを\\n 思い浮かべてしまうわ)", | |||
"201009511_7": "(あの子たちにも親がいたら、\\n まだまだ甘えたい年頃だったでしょうに……)", | |||
"201009511_8": "(……いけないわね。今更こんな感傷にひたってしまうなんて)", | |||
"201009511_9": "(このクリスマスの雰囲気がそうさせるのかしら?)", | |||
"201009511_10": "「おーいッ!」", | |||
"201009511_11": "「ん……あら、2人ともどうしたの?」", | |||
"201009511_12": "「こんなところで会うなんて奇遇デスッ!」", | |||
"201009511_13": "「街中で立ち止まって、どうかしたの?」", | |||
"201009511_14": "「えッ!? ……いえ、なんでもないわ」", | |||
"201009511_15": "「なんだか変デスよ?」", | |||
"201009511_16": "「な、何よ。別に変なところなんて何もないわ」", | |||
"201009511_17": "(そうだわ。クリスマスパーティを\\n 開いたら2人とも喜んでくれるかしら?)", | |||
"201009511_18": "(親はいなくても、わたしがいる。\\n 内緒でことを進めて……フフ、驚いてくれるかしら)", | |||
"201009511_19": "「なんだか影のある女って感じデスね」", | |||
"201009511_20": "「か、影って……さっきからひどい言われようねッ!」", | |||
"201009511_21": "(料理はこのレシピがよさそうね……。\\n みんなで食べるにはちょうどいいわ)", | |||
"201009511_22": "(しまったッ! ケーキの手配もしておかないと……)", | |||
"201009511_23": "「姉さん、ずいぶん忙しそうだけど、\\n わたしも手伝おうか?」", | |||
"201009511_24": "「いいえ、大丈夫よ。あなたの手をわずらわせる程ではないわ」", | |||
"201009511_25": "「ならいいんだけど……」", | |||
"201009511_26": "「ええ。あ、あと、この前伝えた日はあけてくれた?」", | |||
"201009511_27": "「うんッ! マムに許可をもらったから、その日また来るね」", | |||
"201009511_28": "「お願いね。\\n さあ、わたしは大丈夫だから、調たちと遊んでいて」", | |||
"201009511_29": "「……」", | |||
"201009511_30": "「フフ、張り切ってるデス」", | |||
"201009511_31": "「だめだよ、切ちゃん。わたしたちに秘密にして、\\n クリスマスパーティを開こうとしてるんだから」", | |||
"201009511_32": "「ここは気づいていない体で振る舞おう」", | |||
"201009511_33": "「そうですね。まさかわたしたちがクリスマスパーティに\\n 気づいているだなんて、夢にも思ってないでしょうし」", | |||
"201009511_34": "「あれだけ浮足立ったテンションに加えて、\\n 雑誌に折り目まで付けてたら……」", | |||
"201009511_35": "「誰だって気づいちゃう」", | |||
"201009511_36": "「だけど、わたしたちのために準備を\\n してくれているのかと思うと、嬉しいですね」", | |||
"201009511_37": "「2人とも楽しみでそわそわしてる」", | |||
"201009511_38": "「調こそ、ふわっふわしてるデスッ!」", | |||
"201009511_39": "「シーッ! 2人とも、聞こえちゃいますよ」", | |||
"201009511_40": "「あの、わたしたちからも姉さんに、\\n 何かしてあげられないでしょうか」", | |||
"201009511_41": "「名案デスッ!」", | |||
"201009511_42": "「いまのうちに決めちゃおう」", | |||
"201009511_43": "「そうですねッ!\\n どんなことをしたら喜んでくれるでしょうか」", | |||
"201009511_44": "「――っくしゅんッ!」", | |||
"201009511_45": "(くしゃみ……ちょっと風邪気味かしら?)", | |||
"201009511_46": "(まあ、大事にはならないと思うけど……)", | |||
"201009511_47": "(参ったわね……)", | |||
"201009511_48": "「まさかよりにもよって、計画していた当日に風邪をひいて\\n 熱まで出るなんて。準備にばかり気がいってしまったのかしら」", | |||
"201009511_49": "「いけない、もうすぐ3人が来てしまうわ……。\\n すぐ用意できるものだけでも、手をつけないと……」", | |||
"201009511_50": "「あッ!」", | |||
"201009511_51": "「まともに歩くことすら、できてないじゃない……ッ!」", | |||
"201009511_52": "「こんな状態ではまともに準備できそうにないわね……。\\n 少し、横になって……」", | |||
"201009511_53": "「起きたら、再開しましょう……はあ……」", | |||
"201009511_54": "(3人を喜ばせてあげたかったのに……)", | |||
"201009511_55": "(こんな大事な時に、わたしは……。自分の不甲斐なさが、\\n 情け……ない……)", | |||
"201009511_56": "「…………」", | |||
"201009511_57": "「ッ!」", | |||
"201009511_58": "(……すっかり眠ってしまったようね)", | |||
"201009511_59": "(眩暈もなくなってるし、体も気持ち楽になっている感じがするわ)", | |||
"201009511_60": "「そ、そうだわッ! パーティの準備を……ッ!」", | |||
"201009511_61": "「ううん、まだ起きちゃダメ」", | |||
"201009511_62": "「ッ!?」", | |||
"201009511_63": "「姉さんは安静にしてて?」", | |||
"201009511_64": "「こんなになるまで頑張って」", | |||
"201009511_65": "「アタシたちを驚かせたかったのはわかるデス。\\n けど、体調が悪かったなら、頼ってほしかったデスよッ!」", | |||
"201009511_66": "「3人ともいつの間に来ていたの?\\n 思っていた以上に深い眠りに落ちていたのね……」", | |||
"201009511_67": "「というか、その衣装。いつ準備していたの?」", | |||
"201009511_68": "「実は……今日クリスマスパーティが開かれることは、\\n アタシたち全員わかっていたんデス」", | |||
"201009511_69": "「あんなに楽しみにしている姉さんの姿を見ていたら、\\n わたしたちも姉さんを驚かせてあげたくなってしまって」", | |||
"201009511_70": "「何かできることはないかなって相談して。\\n それでサンタの衣装を着ることにしたの」", | |||
"201009511_71": "「もちろん、プレゼントもあるよ」", | |||
"201009511_72": "「あ、あなたたち……ッ!」", | |||
"201009511_73": "「せっかく楽しみにしてくれていたのに、ごめんなさい……。\\n こんなパーティになってしまって」", | |||
"201009511_74": "「気にしないで。わたしたちはマリアの方が、ずっと大事だから」", | |||
"201009511_75": "「そうデスッ!\\n マリアがいてくれるだけで、アタシたちは嬉しいんデスよ」", | |||
"201009511_76": "「クリスマスって、本来は大切な家族と過ごす日なんだって。\\n だからみんなでこうやって集まれば十分だよ」", | |||
"201009511_77": "「一緒に過ごせるだけで幸せデスッ!」", | |||
"201009511_78": "「うん、幸せ」", | |||
"201009511_79": "「自分だけでなんとかしようとして、気負ってばかりで。\\n ダメだったわね……」", | |||
"201009511_80": "「ありがとう、みんな」", | |||
"201009511_81": "「フフ、姉さんの体調がよくなったら、\\n 一緒にクリスマスケーキを食べよ?」", | |||
"201009511_82": "「ええ、そうね……そうしましょう」", | |||
"201009511_83": "(失敗してしまったけれど、こんなサプライズプレゼントを\\n もらって、最高のクリスマスになったわ)" | |||
{ | |||
"201009511_0": "やさしいあなたにクリスマス", | |||
"201009511_1": "(今日は一段と冷え込むわね……)", | |||
"201009511_2": "(もうすぐクリスマス……。\\n どこを見ても人でごった返しているわ)", | |||
"201009511_3": "「お母さーんッ! これ買ってよーッ!」", | |||
"201009511_4": "「もう……しょうがないわね。今日だけよ?」", | |||
"201009511_5": "(フフ、子供連れもよく見かけるわね)", | |||
"201009511_6": "(あの子たちを見ていると、調に切歌、セレナのことを\\n 思い浮かべてしまうわ)", | |||
"201009511_7": "(あの子たちにも親がいたら、\\n まだまだ甘えたい年頃だったでしょうに……)", | |||
"201009511_8": "(……いけないわね。今更こんな感傷にひたってしまうなんて)", | |||
"201009511_9": "(このクリスマスの雰囲気がそうさせるのかしら?)", | |||
"201009511_10": "「おーいッ!」", | |||
"201009511_11": "「ん……あら、2人ともどうしたの?」", | |||
"201009511_12": "「こんなところで会うなんて奇遇デスッ!」", | |||
"201009511_13": "「街中で立ち止まって、どうかしたの?」", | |||
"201009511_14": "「えッ!? ……いえ、なんでもないわ」", | |||
"201009511_15": "「なんだか変デスよ?」", | |||
"201009511_16": "「な、何よ。別に変なところなんて何もないわ」", | |||
"201009511_17": "(そうだわ。クリスマスパーティを\\n 開いたら2人とも喜んでくれるかしら?)", | |||
"201009511_18": "(親はいなくても、わたしがいる。\\n 内緒でことを進めて……フフ、驚いてくれるかしら)", | |||
"201009511_19": "「なんだか影のある女って感じデスね」", | |||
"201009511_20": "「か、影って……さっきからひどい言われようねッ!」", | |||
"201009511_21": "(料理はこのレシピがよさそうね……。\\n みんなで食べるにはちょうどいいわ)", | |||
"201009511_22": "(しまったッ! ケーキの手配もしておかないと……)", | |||
"201009511_23": "「姉さん、ずいぶん忙しそうだけど、\\n わたしも手伝おうか?」", | |||
"201009511_24": "「いいえ、大丈夫よ。あなたの手をわずらわせる程ではないわ」", | |||
"201009511_25": "「ならいいんだけど……」", | |||
"201009511_26": "「ええ。あ、あと、この前伝えた日はあけてくれた?」", | |||
"201009511_27": "「うんッ! マムに許可をもらったから、その日また来るね」", | |||
"201009511_28": "「お願いね。\\n さあ、わたしは大丈夫だから、調たちと遊んでいて」", | |||
"201009511_29": "「……」", | |||
"201009511_30": "「フフ、張り切ってるデス」", | |||
"201009511_31": "「だめだよ、切ちゃん。わたしたちに秘密にして、\\n クリスマスパーティを開こうとしてるんだから」", | |||
"201009511_32": "「ここは気づいていない体で振る舞おう」", | |||
"201009511_33": "「そうですね。まさかわたしたちがクリスマスパーティに\\n 気づいているだなんて、夢にも思ってないでしょうし」", | |||
"201009511_34": "「あれだけ浮足立ったテンションに加えて、\\n 雑誌に折り目まで付けてたら……」", | |||
"201009511_35": "「誰だって気づいちゃう」", | |||
"201009511_36": "「だけど、わたしたちのために準備を\\n してくれているのかと思うと、嬉しいですね」", | |||
"201009511_37": "「2人とも楽しみでそわそわしてる」", | |||
"201009511_38": "「調こそ、ふわっふわしてるデスッ!」", | |||
"201009511_39": "「シーッ! 2人とも、聞こえちゃいますよ」", | |||
"201009511_40": "「あの、わたしたちからも姉さんに、\\n 何かしてあげられないでしょうか」", | |||
"201009511_41": "「名案デスッ!」", | |||
"201009511_42": "「いまのうちに決めちゃおう」", | |||
"201009511_43": "「そうですねッ!\\n どんなことをしたら喜んでくれるでしょうか」", | |||
"201009511_44": "「――っくしゅんッ!」", | |||
"201009511_45": "(くしゃみ……ちょっと風邪気味かしら?)", | |||
"201009511_46": "(まあ、大事にはならないと思うけど……)", | |||
"201009511_47": "(参ったわね……)", | |||
"201009511_48": "「まさかよりにもよって、計画していた当日に風邪をひいて\\n 熱まで出るなんて。準備にばかり気がいってしまったのかしら」", | |||
"201009511_49": "「いけない、もうすぐ3人が来てしまうわ……。\\n すぐ用意できるものだけでも、手をつけないと……」", | |||
"201009511_50": "「あッ!」", | |||
"201009511_51": "「まともに歩くことすら、できてないじゃない……ッ!」", | |||
"201009511_52": "「こんな状態ではまともに準備できそうにないわね……。\\n 少し、横になって……」", | |||
"201009511_53": "「起きたら、再開しましょう……はあ……」", | |||
"201009511_54": "(3人を喜ばせてあげたかったのに……)", | |||
"201009511_55": "(こんな大事な時に、わたしは……。自分の不甲斐なさが、\\n 情け……ない……)", | |||
"201009511_56": "「…………」", | |||
"201009511_57": "「ッ!」", | |||
"201009511_58": "(……すっかり眠ってしまったようね)", | |||
"201009511_59": "(眩暈もなくなってるし、体も気持ち楽になっている感じがするわ)", | |||
"201009511_60": "「そ、そうだわッ! パーティの準備を……ッ!」", | |||
"201009511_61": "「ううん、まだ起きちゃダメ」", | |||
"201009511_62": "「ッ!?」", | |||
"201009511_63": "「姉さんは安静にしてて?」", | |||
"201009511_64": "「こんなになるまで頑張って」", | |||
"201009511_65": "「アタシたちを驚かせたかったのはわかるデス。\\n けど、体調が悪かったなら、頼ってほしかったデスよッ!」", | |||
"201009511_66": "「3人ともいつの間に来ていたの?\\n 思っていた以上に深い眠りに落ちていたのね……」", | |||
"201009511_67": "「というか、その衣装。いつ準備していたの?」", | |||
"201009511_68": "「実は……今日クリスマスパーティが開かれることは、\\n アタシたち全員わかっていたんデス」", | |||
"201009511_69": "「あんなに楽しみにしている姉さんの姿を見ていたら、\\n わたしたちも姉さんを驚かせてあげたくなってしまって」", | |||
"201009511_70": "「何かできることはないかなって相談して。\\n それでサンタの衣装を着ることにしたの」", | |||
"201009511_71": "「もちろん、プレゼントもあるよ」", | |||
"201009511_72": "「あ、あなたたち……ッ!」", | |||
"201009511_73": "「せっかく楽しみにしてくれていたのに、ごめんなさい……。\\n こんなパーティになってしまって」", | |||
"201009511_74": "「気にしないで。わたしたちはマリアの方が、ずっと大事だから」", | |||
"201009511_75": "「そうデスッ!\\n マリアがいてくれるだけで、アタシたちは嬉しいんデスよ」", | |||
"201009511_76": "「クリスマスって、本来は大切な家族と過ごす日なんだって。\\n だからみんなでこうやって集まれば十分だよ」", | |||
"201009511_77": "「一緒に過ごせるだけで幸せデスッ!」", | |||
"201009511_78": "「うん、幸せ」", | |||
"201009511_79": "「自分だけでなんとかしようとして、気負ってばかりで。\\n ダメだったわね……」", | |||
"201009511_80": "「ありがとう、みんな」", | |||
"201009511_81": "「フフ、姉さんの体調がよくなったら、\\n 一緒にクリスマスケーキを食べよ?」", | |||
"201009511_82": "「ええ、そうね……そうしましょう」", | |||
"201009511_83": "(失敗してしまったけれど、こんなサプライズプレゼントを\\n もらって、最高のクリスマスになったわ)" | |||
} |
@@ -1,64 +1,64 @@ | |||
{ | |||
"201009611_0": "大きな借り物", | |||
"201009611_1": "「今日の特別訓練は、これにて終了だ。\\n 過酷な特訓だったが、よく最後まで耐えたな」", | |||
"201009611_2": "「……は、はい。ありがとうございました」", | |||
"201009611_3": "「しかし、自分から特訓を申し出るとは、\\n 真面目だな」", | |||
"201009611_4": "「お疲れ様デス、調ッ!」", | |||
"201009611_5": "「切ちゃん。補習はもう終わったの?」", | |||
"201009611_6": "「補習? テストで赤点でも取ったのか?」", | |||
"201009611_7": "「デデデデースッ! なんでわかったんデスかッ!?」", | |||
"201009611_8": "「まったく……。赤点とは感心しないな」", | |||
"201009611_9": "「うう……。もう補習はこりごりなので、次からは気をつけるデス……」", | |||
"201009611_10": "「ああ。学生の本分はしっかりな」", | |||
"201009611_11": "「はいデスッ!」", | |||
"201009611_12": "「ところで、アタシがいない間に1人で特訓とは、\\n 熱心すぎるデスよ」", | |||
"201009611_13": "「今日は買い出しの予定なかったし、\\n わたしだって、もっと強くなりたいから」", | |||
"201009611_14": "「向上心に応じて、特訓に付き合っていたわけだが、\\n シミュレーションの戦績もなかなかのものだ」", | |||
"201009611_15": "「そんなにいい感じだったんデスか?\\n ……アタシもやってみたいデスッ!」", | |||
"201009611_16": "「切ちゃん、その袋は?」", | |||
"201009611_17": "「ああッ、忘れてたデスッ!\\n 待たせてしまったお詫びに、アイスを買ってきたんデスよ」", | |||
"201009611_18": "「2人とも、お疲れ様デスッ!」", | |||
"201009611_19": "「ああ、ありがとう」", | |||
"201009611_20": "「ありがとう、切ちゃん」", | |||
"201009611_21": "「急いで食べないと溶けちゃうデスッ!」", | |||
"201009611_22": "「うん」", | |||
"201009611_23": "「えいッ!」", | |||
"201009611_24": "「あッ……」", | |||
"201009611_25": "「ああッ!? 調めがけてアタシのアイスがッ!?\\n ご、ごめんなさいデスッ!」", | |||
"201009611_26": "「これぐらい、拭けば大丈夫」", | |||
"201009611_27": "「服にアイスがべったりじゃないデスか。\\n すぐに洗わないと染みになっちゃうデスッ!」", | |||
"201009611_28": "「で、でも洗うってどこで洗えばいいんデスかッ!?」", | |||
"201009611_29": "「ここには職員用のクリーニング設備もある。\\n アイスの汚れぐらいなら、すぐに落とせるぞ」", | |||
"201009611_30": "「本当デスかッ!? ぜひお願いするデスッ!」", | |||
"201009611_31": "「そこまでしてもらわなくても……」", | |||
"201009611_32": "「そういえば洗ってる間の着替えはどうするんデスか?\\n 裸でいるわけにもいかないデス……」", | |||
"201009611_33": "「ちょっとの間ぐらいなら……」", | |||
"201009611_34": "「だめデスよッ! 調にそんな恥ずかしい恰好させるなんて\\n もってのほかデスッ!」", | |||
"201009611_35": "「男物のシャツでよければ、俺のを貸そう」", | |||
"201009611_36": "「予備のシャツなら、いつもここに用意しているからな。\\n もちろん、新品だ」", | |||
"201009611_37": "「それはありがたいデスッ!」", | |||
"201009611_38": "「ありがとうございます。\\n すみません、お借りします」", | |||
"201009611_39": "「はー。アイスで労うつもりが、\\n 迷惑をかけてしまったデス……」", | |||
"201009611_40": "「そう落ち込むな。\\n 調くんだって怒ってはいなかっただろう?」", | |||
"201009611_41": "「それはそうデスけど……」", | |||
"201009611_42": "「……司令がいてくれて良かったデス。\\n 危うく、調にベタベタの服で帰らせるところだったデス」", | |||
"201009611_43": "「本当なら、アタシの服と交換して帰ってもよかったんデスが、\\n きっと、調は優しいので譲らなかったと思うんデス」", | |||
"201009611_44": "「……2人は大切に想いあっているんだな」", | |||
"201009611_45": "「当然デスッ!」", | |||
"201009611_46": "「……お待たせしました」", | |||
"201009611_47": "「調……、その恰好……」", | |||
"201009611_48": "「当然と言えば当然だが、\\n やはりサイズはまったく合っていないな」", | |||
"201009611_49": "「むしろそれがいいデスッ!\\n 不思議と似合ってるデスッ!」", | |||
"201009611_50": "「そう……、かな?」", | |||
"201009611_51": "「少し落ち着かないだろうが、\\n 服が乾くまで、すまんがそれで我慢してくれ」", | |||
"201009611_52": "「いえ、ありがとうございます。\\n あとで洗って返します」", | |||
"201009611_53": "「いや、気にしなくていいぞ」", | |||
"201009611_54": "「そろそろ発令所に戻るが、\\n 2人は洗濯が終わるまでゆっくりしていってくれ」", | |||
"201009611_55": "「わかったデス」", | |||
"201009611_56": "「……それにしても、\\n その恰好の調もあと少しで見納めデスね」", | |||
"201009611_57": "「それじゃ、今日はこのまま帰ろうかな」", | |||
"201009611_58": "「え……? いや、さすがにそれはちょっとまずいデス」", | |||
"201009611_59": "「どうして? 切ちゃんが褒めてくれたのに」", | |||
"201009611_60": "「それは、その……、うーん、困ったデスッ!」", | |||
"201009611_61": "「……変な切ちゃん」" | |||
{ | |||
"201009611_0": "大きな借り物", | |||
"201009611_1": "「今日の特別訓練は、これにて終了だ。\\n 過酷な特訓だったが、よく最後まで耐えたな」", | |||
"201009611_2": "「……は、はい。ありがとうございました」", | |||
"201009611_3": "「しかし、自分から特訓を申し出るとは、\\n 真面目だな」", | |||
"201009611_4": "「お疲れ様デス、調ッ!」", | |||
"201009611_5": "「切ちゃん。補習はもう終わったの?」", | |||
"201009611_6": "「補習? テストで赤点でも取ったのか?」", | |||
"201009611_7": "「デデデデースッ! なんでわかったんデスかッ!?」", | |||
"201009611_8": "「まったく……。赤点とは感心しないな」", | |||
"201009611_9": "「うう……。もう補習はこりごりなので、次からは気をつけるデス……」", | |||
"201009611_10": "「ああ。学生の本分はしっかりな」", | |||
"201009611_11": "「はいデスッ!」", | |||
"201009611_12": "「ところで、アタシがいない間に1人で特訓とは、\\n 熱心すぎるデスよ」", | |||
"201009611_13": "「今日は買い出しの予定なかったし、\\n わたしだって、もっと強くなりたいから」", | |||
"201009611_14": "「向上心に応じて、特訓に付き合っていたわけだが、\\n シミュレーションの戦績もなかなかのものだ」", | |||
"201009611_15": "「そんなにいい感じだったんデスか?\\n ……アタシもやってみたいデスッ!」", | |||
"201009611_16": "「切ちゃん、その袋は?」", | |||
"201009611_17": "「ああッ、忘れてたデスッ!\\n 待たせてしまったお詫びに、アイスを買ってきたんデスよ」", | |||
"201009611_18": "「2人とも、お疲れ様デスッ!」", | |||
"201009611_19": "「ああ、ありがとう」", | |||
"201009611_20": "「ありがとう、切ちゃん」", | |||
"201009611_21": "「急いで食べないと溶けちゃうデスッ!」", | |||
"201009611_22": "「うん」", | |||
"201009611_23": "「えいッ!」", | |||
"201009611_24": "「あッ……」", | |||
"201009611_25": "「ああッ!? 調めがけてアタシのアイスがッ!?\\n ご、ごめんなさいデスッ!」", | |||
"201009611_26": "「これぐらい、拭けば大丈夫」", | |||
"201009611_27": "「服にアイスがべったりじゃないデスか。\\n すぐに洗わないと染みになっちゃうデスッ!」", | |||
"201009611_28": "「で、でも洗うってどこで洗えばいいんデスかッ!?」", | |||
"201009611_29": "「ここには職員用のクリーニング設備もある。\\n アイスの汚れぐらいなら、すぐに落とせるぞ」", | |||
"201009611_30": "「本当デスかッ!? ぜひお願いするデスッ!」", | |||
"201009611_31": "「そこまでしてもらわなくても……」", | |||
"201009611_32": "「そういえば洗ってる間の着替えはどうするんデスか?\\n 裸でいるわけにもいかないデス……」", | |||
"201009611_33": "「ちょっとの間ぐらいなら……」", | |||
"201009611_34": "「だめデスよッ! 調にそんな恥ずかしい恰好させるなんて\\n もってのほかデスッ!」", | |||
"201009611_35": "「男物のシャツでよければ、俺のを貸そう」", | |||
"201009611_36": "「予備のシャツなら、いつもここに用意しているからな。\\n もちろん、新品だ」", | |||
"201009611_37": "「それはありがたいデスッ!」", | |||
"201009611_38": "「ありがとうございます。\\n すみません、お借りします」", | |||
"201009611_39": "「はー。アイスで労うつもりが、\\n 迷惑をかけてしまったデス……」", | |||
"201009611_40": "「そう落ち込むな。\\n 調くんだって怒ってはいなかっただろう?」", | |||
"201009611_41": "「それはそうデスけど……」", | |||
"201009611_42": "「……司令がいてくれて良かったデス。\\n 危うく、調にベタベタの服で帰らせるところだったデス」", | |||
"201009611_43": "「本当なら、アタシの服と交換して帰ってもよかったんデスが、\\n きっと、調は優しいので譲らなかったと思うんデス」", | |||
"201009611_44": "「……2人は大切に想いあっているんだな」", | |||
"201009611_45": "「当然デスッ!」", | |||
"201009611_46": "「……お待たせしました」", | |||
"201009611_47": "「調……、その恰好……」", | |||
"201009611_48": "「当然と言えば当然だが、\\n やはりサイズはまったく合っていないな」", | |||
"201009611_49": "「むしろそれがいいデスッ!\\n 不思議と似合ってるデスッ!」", | |||
"201009611_50": "「そう……、かな?」", | |||
"201009611_51": "「少し落ち着かないだろうが、\\n 服が乾くまで、すまんがそれで我慢してくれ」", | |||
"201009611_52": "「いえ、ありがとうございます。\\n あとで洗って返します」", | |||
"201009611_53": "「いや、気にしなくていいぞ」", | |||
"201009611_54": "「そろそろ発令所に戻るが、\\n 2人は洗濯が終わるまでゆっくりしていってくれ」", | |||
"201009611_55": "「わかったデス」", | |||
"201009611_56": "「……それにしても、\\n その恰好の調もあと少しで見納めデスね」", | |||
"201009611_57": "「それじゃ、今日はこのまま帰ろうかな」", | |||
"201009611_58": "「え……? いや、さすがにそれはちょっとまずいデス」", | |||
"201009611_59": "「どうして? 切ちゃんが褒めてくれたのに」", | |||
"201009611_60": "「それは、その……、うーん、困ったデスッ!」", | |||
"201009611_61": "「……変な切ちゃん」" | |||
} |
@@ -1,96 +1,96 @@ | |||
{ | |||
"201009711_0": "思い出作り", | |||
"201009711_1": "「今日の戦闘訓練はいつもよりキツかったデース……。\\n お腹もすいたデスよ」", | |||
"201009711_2": "「少し休んだあとで、どこかにごはんを食べに行く?」", | |||
"201009711_3": "「いいデスねッ!\\n みんなは、このあと時間あるデスか?」", | |||
"201009711_4": "「ああ、付き合おう。雪音は――」", | |||
"201009711_5": "「あたしは先に帰るからな、お疲れさん」", | |||
"201009711_6": "「あ、ああ、もう帰るのか。気をつけてな」", | |||
"201009711_7": "「……行っちゃったデス」", | |||
"201009711_8": "「なんだか、急いでるみたいだったね」", | |||
"201009711_9": "「最近、いつもあんな感じなんだよね」", | |||
"201009711_10": "「放課後とか、お休みの日とか、時間を見つけては\\n どこかに出かけてるみたいなんだけど……」", | |||
"201009711_11": "「司令なら何か知っているのでは?」", | |||
"201009711_12": "「それが誰にも言ってないみたいなんです。\\n 心配なんだけど、ちょっと聞きづらくて……」", | |||
"201009711_13": "「潜入美人捜査官メガネを今持っていれば……ッ!」", | |||
"201009711_14": "「尾行できたのにね」", | |||
"201009711_15": "「なんだ? それは……」", | |||
"201009711_16": "「どこで何してるんだろう。\\n 変なことに巻き込まれてないといいけどな……」", | |||
"201009711_17": "「はい、ご注文の花束です。\\n ありがとうございました」", | |||
"201009711_18": "「綺麗なお花をありがとうッ!」", | |||
"201009711_19": "「またお待ちしてまーすッ!」", | |||
"201009711_20": "「お疲れ様。\\n もうすっかり花屋の店員さんね」", | |||
"201009711_21": "「店長に比べるとまだまだだけどな。\\n よし、午後もこの調子で……」", | |||
"201009711_22": "「でも、大丈夫? たくさん来てもらえるのは助かるけど、\\n 少しハードじゃない?」", | |||
"201009711_23": "「まだまだ大丈夫だッ!\\n なんならもっと忙しくなっても――」", | |||
"201009711_24": "「うわあッ!?」", | |||
"201009711_25": "「ど、どうしたの、急に大声出して」", | |||
"201009711_26": "「いや、その……」", | |||
"201009711_27": "(なんであの2人がここにいるんだよ。\\n ってか、なんかこっちに向かってきてないかッ!?)", | |||
"201009711_28": "「あ、あの、店長。あたし……」", | |||
"201009711_29": "「……わかったわ、少しだけお店の奥に入ってなさい」", | |||
"201009711_30": "「あ、ありがとうございますッ!」", | |||
"201009711_31": "「あれー? さっき先輩がいたような気が……。\\n どこに行っちゃったんデスかね」", | |||
"201009711_32": "「見間違いだったのかな」", | |||
"201009711_33": "「そうデスかねー……」", | |||
"201009711_34": "「行ったか……。\\n すみません、まさかあいつらが通るとは……」", | |||
"201009711_35": "「あの子たち、学校の後輩ちゃん?\\n 別に隠れなくてもいいのに」", | |||
"201009711_36": "「なんというか、恥ずかしくて……」", | |||
"201009711_37": "「フフ。まあ、気持ちはわかるな。\\n そういえば、あなたはどうしてバイトを始めたの?」", | |||
"201009711_38": "「……クラスメイトに、\\n みんなで旅行に行かないかって誘われたんだ」", | |||
"201009711_39": "「そのためのお金が足りないわけじゃないんだけど……」", | |||
"201009711_40": "「だったら、どうして?」", | |||
"201009711_41": "「みんなはそのためにバイトしてるって聞いて……」", | |||
"201009711_42": "「だったら、あたしも同じようにバイトをしたお金で、\\n みんなと同じ思い出作りをしたいって思ったんだ」", | |||
"201009711_43": "「そうだったの。素敵な考えね」", | |||
"201009711_44": "「そういうことなら、どんどん働かせてあげるから、\\n 頑張ってねッ!」", | |||
"201009711_45": "「ああッ! 望むところだッ!」", | |||
"201009711_46": "(はぁ、はぁ……思うように身体が動かない……)", | |||
"201009711_47": "「どうした、いつもならこの程度で根は上げなかったぞ」", | |||
"201009711_48": "「くッ……」", | |||
"201009711_49": "「……最近忙しそうだが、\\n 一体、何があったんだ?」", | |||
"201009711_50": "「せ、先輩には関係ないだろ……」", | |||
"201009711_51": "(バイトしてるのはあたしの勝手な事情だからな)", | |||
"201009711_52": "(S.O.N.G.の任務とバイト……。\\n 両立するって決めたのに、なんだよこのザマはッ!)", | |||
"201009711_53": "「……わかった。ならば、わたしと戦えッ!」", | |||
"201009711_54": "「ちょ、ちょっと待て、なんでそうなるんだよ」", | |||
"201009711_55": "「司令が前に言っていた。\\n 通じ合えぬのなら通じ合えるまで戦えとッ!」", | |||
"201009711_56": "「おっさんの謎理論を持ち込んでくるなッ!」", | |||
"201009711_57": "「問答無用ッ! 行くぞッ!」", | |||
"201009711_58": "「ぐうッ!? なんて重い一撃をッ!」", | |||
"201009711_59": "「まだまだだッ!」", | |||
"201009711_60": "「うわあッ!?」", | |||
"201009711_61": "「立て、雪音ッ!\\n わたしはまだ、一撃ももらっていないぞッ!」", | |||
"201009711_62": "「……そうだよな。\\n こんだけ好き勝手されて、寝てなんかいられないッ!」", | |||
"201009711_63": "(これはあたしが決めたことなんだ。\\n バイトごときに負けてられるかッ!)", | |||
"201009711_64": "(クラスのみんなも思い出作りのために頑張ってる。\\n だったら、あたしはッ!)", | |||
"201009711_65": "「ダブルで頑張りゃいいだけだろーがッ!」", | |||
"201009711_66": "「くうッ!?」", | |||
"201009711_67": "「どうだッ! まだまだこっからだぞ、先輩ッ!」", | |||
"201009711_68": "「ああ、かかってこいッ!」", | |||
"201009711_69": "「すーすー……」", | |||
"201009711_70": "「フフ、ぐっすり寝てるね」", | |||
"201009711_71": "「最近、忙しくしてたみたいだし、\\n 目的地までまだ時間があるから寝かせてあげようよ」", | |||
"201009711_72": "「可愛い寝顔だね、ちょっとつついちゃう?」", | |||
"201009711_73": "「こら、やめなって。起きちゃうでしょ」", | |||
"201009711_74": "「あれ? 端末の着信が聞こえるけど……。\\n これって、雪音さんのじゃない?」", | |||
"201009711_75": "「大事な用件だったら取ってあげたほうがいいし、\\n でも、プライベートな用事だったら……」", | |||
"201009711_76": "「迷ったときは取ってから謝ればいい」", | |||
"201009711_77": "「はい、こちら雪音クリスの携帯です」", | |||
"201009711_78": "「ん? 本人ではないのか?」", | |||
"201009711_79": "「す、すみません、勝手に取っちゃって。\\n 雪音さん、ぐっすり寝てて、それで」", | |||
"201009711_80": "「君たちは雪音の友人か?」", | |||
"201009711_81": "「はい。今一緒にお出かけしてて……、\\n 大事な用件なら、起こしましょうか?」", | |||
"201009711_82": "「いや、大丈夫だ。ただ、ひとつ伝えてほしい」", | |||
"201009711_83": "「次からはきちんと相談しろ。\\n それと思い切り楽しんでこい、と」", | |||
"201009711_84": "「……わかりました、ちゃんと伝えておきますね」", | |||
"201009711_85": "「それと君たちにも。\\n わたしの後輩を、雪音をよろしく頼む」", | |||
"201009711_86": "「はい、任されましたッ!」", | |||
"201009711_87": "「では、失礼する」", | |||
"201009711_88": "「あッ、そうだ、名前ッ!\\n ……切れちゃった。なんかどこかで聞いた声だけど」", | |||
"201009711_89": "「先輩からの伝言って言えば伝わるんじゃないかな。\\n それより、寝顔を写真に撮ろうよ」", | |||
"201009711_90": "「えッ、そんなことして怒らないかな?」", | |||
"201009711_91": "「いいんじゃない。\\n これも旅の思い出のひとつだからね」", | |||
"201009711_92": "「じゃあ、寄って寄って。\\n はい、チーズッ!」", | |||
"201009711_93": "「……すーすー……んん……」" | |||
{ | |||
"201009711_0": "思い出作り", | |||
"201009711_1": "「今日の戦闘訓練はいつもよりキツかったデース……。\\n お腹もすいたデスよ」", | |||
"201009711_2": "「少し休んだあとで、どこかにごはんを食べに行く?」", | |||
"201009711_3": "「いいデスねッ!\\n みんなは、このあと時間あるデスか?」", | |||
"201009711_4": "「ああ、付き合おう。雪音は――」", | |||
"201009711_5": "「あたしは先に帰るからな、お疲れさん」", | |||
"201009711_6": "「あ、ああ、もう帰るのか。気をつけてな」", | |||
"201009711_7": "「……行っちゃったデス」", | |||
"201009711_8": "「なんだか、急いでるみたいだったね」", | |||
"201009711_9": "「最近、いつもあんな感じなんだよね」", | |||
"201009711_10": "「放課後とか、お休みの日とか、時間を見つけては\\n どこかに出かけてるみたいなんだけど……」", | |||
"201009711_11": "「司令なら何か知っているのでは?」", | |||
"201009711_12": "「それが誰にも言ってないみたいなんです。\\n 心配なんだけど、ちょっと聞きづらくて……」", | |||
"201009711_13": "「潜入美人捜査官メガネを今持っていれば……ッ!」", | |||
"201009711_14": "「尾行できたのにね」", | |||
"201009711_15": "「なんだ? それは……」", | |||
"201009711_16": "「どこで何してるんだろう。\\n 変なことに巻き込まれてないといいけどな……」", | |||
"201009711_17": "「はい、ご注文の花束です。\\n ありがとうございました」", | |||
"201009711_18": "「綺麗なお花をありがとうッ!」", | |||
"201009711_19": "「またお待ちしてまーすッ!」", | |||
"201009711_20": "「お疲れ様。\\n もうすっかり花屋の店員さんね」", | |||
"201009711_21": "「店長に比べるとまだまだだけどな。\\n よし、午後もこの調子で……」", | |||
"201009711_22": "「でも、大丈夫? たくさん来てもらえるのは助かるけど、\\n 少しハードじゃない?」", | |||
"201009711_23": "「まだまだ大丈夫だッ!\\n なんならもっと忙しくなっても――」", | |||
"201009711_24": "「うわあッ!?」", | |||
"201009711_25": "「ど、どうしたの、急に大声出して」", | |||
"201009711_26": "「いや、その……」", | |||
"201009711_27": "(なんであの2人がここにいるんだよ。\\n ってか、なんかこっちに向かってきてないかッ!?)", | |||
"201009711_28": "「あ、あの、店長。あたし……」", | |||
"201009711_29": "「……わかったわ、少しだけお店の奥に入ってなさい」", | |||
"201009711_30": "「あ、ありがとうございますッ!」", | |||
"201009711_31": "「あれー? さっき先輩がいたような気が……。\\n どこに行っちゃったんデスかね」", | |||
"201009711_32": "「見間違いだったのかな」", | |||
"201009711_33": "「そうデスかねー……」", | |||
"201009711_34": "「行ったか……。\\n すみません、まさかあいつらが通るとは……」", | |||
"201009711_35": "「あの子たち、学校の後輩ちゃん?\\n 別に隠れなくてもいいのに」", | |||
"201009711_36": "「なんというか、恥ずかしくて……」", | |||
"201009711_37": "「フフ。まあ、気持ちはわかるな。\\n そういえば、あなたはどうしてバイトを始めたの?」", | |||
"201009711_38": "「……クラスメイトに、\\n みんなで旅行に行かないかって誘われたんだ」", | |||
"201009711_39": "「そのためのお金が足りないわけじゃないんだけど……」", | |||
"201009711_40": "「だったら、どうして?」", | |||
"201009711_41": "「みんなはそのためにバイトしてるって聞いて……」", | |||
"201009711_42": "「だったら、あたしも同じようにバイトをしたお金で、\\n みんなと同じ思い出作りをしたいって思ったんだ」", | |||
"201009711_43": "「そうだったの。素敵な考えね」", | |||
"201009711_44": "「そういうことなら、どんどん働かせてあげるから、\\n 頑張ってねッ!」", | |||
"201009711_45": "「ああッ! 望むところだッ!」", | |||
"201009711_46": "(はぁ、はぁ……思うように身体が動かない……)", | |||
"201009711_47": "「どうした、いつもならこの程度で根は上げなかったぞ」", | |||
"201009711_48": "「くッ……」", | |||
"201009711_49": "「……最近忙しそうだが、\\n 一体、何があったんだ?」", | |||
"201009711_50": "「せ、先輩には関係ないだろ……」", | |||
"201009711_51": "(バイトしてるのはあたしの勝手な事情だからな)", | |||
"201009711_52": "(S.O.N.G.の任務とバイト……。\\n 両立するって決めたのに、なんだよこのザマはッ!)", | |||
"201009711_53": "「……わかった。ならば、わたしと戦えッ!」", | |||
"201009711_54": "「ちょ、ちょっと待て、なんでそうなるんだよ」", | |||
"201009711_55": "「司令が前に言っていた。\\n 通じ合えぬのなら通じ合えるまで戦えとッ!」", | |||
"201009711_56": "「おっさんの謎理論を持ち込んでくるなッ!」", | |||
"201009711_57": "「問答無用ッ! 行くぞッ!」", | |||
"201009711_58": "「ぐうッ!? なんて重い一撃をッ!」", | |||
"201009711_59": "「まだまだだッ!」", | |||
"201009711_60": "「うわあッ!?」", | |||
"201009711_61": "「立て、雪音ッ!\\n わたしはまだ、一撃ももらっていないぞッ!」", | |||
"201009711_62": "「……そうだよな。\\n こんだけ好き勝手されて、寝てなんかいられないッ!」", | |||
"201009711_63": "(これはあたしが決めたことなんだ。\\n バイトごときに負けてられるかッ!)", | |||
"201009711_64": "(クラスのみんなも思い出作りのために頑張ってる。\\n だったら、あたしはッ!)", | |||
"201009711_65": "「ダブルで頑張りゃいいだけだろーがッ!」", | |||
"201009711_66": "「くうッ!?」", | |||
"201009711_67": "「どうだッ! まだまだこっからだぞ、先輩ッ!」", | |||
"201009711_68": "「ああ、かかってこいッ!」", | |||
"201009711_69": "「すーすー……」", | |||
"201009711_70": "「フフ、ぐっすり寝てるね」", | |||
"201009711_71": "「最近、忙しくしてたみたいだし、\\n 目的地までまだ時間があるから寝かせてあげようよ」", | |||
"201009711_72": "「可愛い寝顔だね、ちょっとつついちゃう?」", | |||
"201009711_73": "「こら、やめなって。起きちゃうでしょ」", | |||
"201009711_74": "「あれ? 端末の着信が聞こえるけど……。\\n これって、雪音さんのじゃない?」", | |||
"201009711_75": "「大事な用件だったら取ってあげたほうがいいし、\\n でも、プライベートな用事だったら……」", | |||
"201009711_76": "「迷ったときは取ってから謝ればいい」", | |||
"201009711_77": "「はい、こちら雪音クリスの携帯です」", | |||
"201009711_78": "「ん? 本人ではないのか?」", | |||
"201009711_79": "「す、すみません、勝手に取っちゃって。\\n 雪音さん、ぐっすり寝てて、それで」", | |||
"201009711_80": "「君たちは雪音の友人か?」", | |||
"201009711_81": "「はい。今一緒にお出かけしてて……、\\n 大事な用件なら、起こしましょうか?」", | |||
"201009711_82": "「いや、大丈夫だ。ただ、ひとつ伝えてほしい」", | |||
"201009711_83": "「次からはきちんと相談しろ。\\n それと思い切り楽しんでこい、と」", | |||
"201009711_84": "「……わかりました、ちゃんと伝えておきますね」", | |||
"201009711_85": "「それと君たちにも。\\n わたしの後輩を、雪音をよろしく頼む」", | |||
"201009711_86": "「はい、任されましたッ!」", | |||
"201009711_87": "「では、失礼する」", | |||
"201009711_88": "「あッ、そうだ、名前ッ!\\n ……切れちゃった。なんかどこかで聞いた声だけど」", | |||
"201009711_89": "「先輩からの伝言って言えば伝わるんじゃないかな。\\n それより、寝顔を写真に撮ろうよ」", | |||
"201009711_90": "「えッ、そんなことして怒らないかな?」", | |||
"201009711_91": "「いいんじゃない。\\n これも旅の思い出のひとつだからね」", | |||
"201009711_92": "「じゃあ、寄って寄って。\\n はい、チーズッ!」", | |||
"201009711_93": "「……すーすー……んん……」" | |||
} |
@@ -1,130 +1,130 @@ | |||
{ | |||
"201009811_0": "クリスのバースデー2018", | |||
"201009811_1": "「というわけで、クリス先輩の誕生日パーティッ!」", | |||
"201009811_2": "「……がみんなで揃ってできないので、\\n どういうふうにお祝いするか特別緊急会議を始めるデース」", | |||
"201009811_3": "「まさか、予定が詰まっていてみんなで集まれないとはな」", | |||
"201009811_4": "「ライブの打ち合わせに、重要なメディカルチェック……。\\n わたしも家族と予定が入っちゃったし……」", | |||
"201009811_5": "「ここまで予定が被るなんて思わなかったね。\\n 師匠も大切な日に任務を入れなくてもいいのに……」", | |||
"201009811_6": "「風鳴司令も忘れていたわけではないでしょうから、\\n やむを得なかったのよ」", | |||
"201009811_7": "「全員揃って祝えないのなら、各々雪音を祝う他ないな」", | |||
"201009811_8": "「みんなのスケジュールを確認して、\\n それぞれが完璧に祝えるように予定表を作ります」", | |||
"201009811_9": "「ちゃんとノートも用意してきたデスよッ!」", | |||
"201009811_10": "「揃ってお祝いはできないけど、\\n みんなで最高のお誕生日にしようッ!」", | |||
"201009811_11": "「ふわ……、朝っぱらから誰だ?」", | |||
"201009811_12": "「はい、どちら様――」", | |||
"201009811_13": "「クリスちゃんッ! ハッピーバースデーッ!」", | |||
"201009811_14": "「お誕生日おめでとう、クリスッ!」", | |||
"201009811_15": "「うわッ、な、なんだッ!?」", | |||
"201009811_16": "「クリスちゃんに、ハッピーバースデーを言いにきたんだよッ!」", | |||
"201009811_17": "「ん? ああ、そうか……」", | |||
"201009811_18": "(今日は、あたしの誕生日か……。\\n 2人とも、わざわざ祝いにきてくれたんだな)", | |||
"201009811_19": "「でも、なんでこんな朝っぱらから――」", | |||
"201009811_20": "「はい、わたしたちからのプレゼントッ!\\n 未来と2人で選んだんだよッ!」", | |||
"201009811_21": "「ああ。でもちょっと待て、こんな玄関で――」", | |||
"201009811_22": "「本当におめでとうッ! あとね――」", | |||
"201009811_23": "「人の話を聞けッ!」", | |||
"201009811_24": "「あいたッ!? ひどいよ、せっかくお祝いにきたのに……」", | |||
"201009811_25": "「それはまあ、嬉しいけど……。\\n 何をそんなに急いでるんだ?」", | |||
"201009811_26": "「そ、それは……」", | |||
"201009811_27": "「実はこのあと任務に行かないといけなくて……。\\n 移動の時間とか、ギリギリで……」", | |||
"201009811_28": "「ごめんね、ゆっくりお祝いしたいんだけど、\\n わたしも用事があって行かなきゃいけないの」", | |||
"201009811_29": "「はあ、そういうことか。だったらそっちを優先しろよ。\\n ホント、バカだな」", | |||
"201009811_30": "「ごめんね、本当にごめんッ!」", | |||
"201009811_31": "「最後にもう1回……お誕生日おめでとうッ!」", | |||
"201009811_32": "「もうわかったから、早く行け」", | |||
"201009811_33": "「また今度、ゆっくりお祝いするからねッ!\\n じゃあね、クリスちゃんッ!」", | |||
"201009811_34": "「……行ったか。朝から騒がしい連中だったな」", | |||
"201009811_35": "「でも、時間が無いのにわざわざ来てくれるなんて……」", | |||
"201009811_36": "「あ……」", | |||
"201009811_37": "(2人にお礼……言うの忘れてたな……)", | |||
"201009811_38": "(せっかく目が覚めたし、買い物でもするか。\\n 今日は1日オフだし……)", | |||
"201009811_39": "「ん?」", | |||
"201009811_40": "「うわ――ッ!」", | |||
"201009811_41": "「な、なんだ、この車ッ!\\n 急に目の前に停まって……」", | |||
"201009811_42": "「すみません、急いでいたものでッ!」", | |||
"201009811_43": "「家にいなかったから探したわよ。\\n すぐに見つかってよかったわ」", | |||
"201009811_44": "「なんだッ? 緊急事態か……ッ!?」", | |||
"201009811_45": "「詳しいことは道中説明する、まずは車に乗ってくれ」", | |||
"201009811_46": "「……というわけで、雪音の誕生日を祝いにきたんだ」", | |||
"201009811_47": "「大体の事情はわかったけど……なんで車なんだ?」", | |||
"201009811_48": "「次のライブのために打ち合わせ行脚中だからだ。\\n 今もまた別の先方のもとへ向かっている」", | |||
"201009811_49": "「わたしも次の任務のために移動しなきゃいけなくて、\\n 2人で話した結果、車の中で祝うことにしたのよ」", | |||
"201009811_50": "「ドライブスルー感覚かよ……」", | |||
"201009811_51": "「今日お祝いするには、このタイミングしかなかったんだ。\\n 雪音、誕生日おめでとうッ!」", | |||
"201009811_52": "「直接伝えられてよかったわ。おめでとうッ!」", | |||
"201009811_53": "「あ、ああ……」", | |||
"201009811_54": "「誕生日プレゼントは後日渡すつもりだが、\\n 今日はこれだけ受け取ってくれ」", | |||
"201009811_55": "「わたしたちから歌のプレゼントよ」", | |||
"201009811_56": "「ええッ!?」", | |||
"201009811_57": "「ハッピーバースデー♪」", | |||
"201009811_58": "「トゥーユー♪」", | |||
"201009811_59": "(密室でバースデーソングって……、\\n なんだこの恥ずかしい時間は……)", | |||
"201009811_60": "(まあ、嬉しくなくはないけど……)", | |||
"201009811_61": "「……やっと終わったか……」", | |||
"201009811_62": "「さあ、そろそろ次の目的地だ」", | |||
"201009811_63": "「忙しなくて申し訳なかったわね」", | |||
"201009811_64": "「あれ? あたしの家に向かってたんじゃないのか?」", | |||
"201009811_65": "「他にもお祝いをしたいという人たちがいたもので」", | |||
"201009811_66": "「……ここは、本部?」", | |||
"201009811_67": "「おめでとうデースッ!」", | |||
"201009811_68": "「おめでとうございます」", | |||
"201009811_69": "「ああ、悪いな」", | |||
"201009811_70": "「でも、どうしてここなんだ?」", | |||
"201009811_71": "「今日はわたしたちのメディカルチェックの日なので、\\n 長時間は逃げ――抜けられなくて」", | |||
"201009811_72": "「友里さんたちの目を掻い潜ってきたデスよ」", | |||
"201009811_73": "「そうだったのか……」", | |||
"201009811_74": "(こいつらも、忙しい中祝ってくれてるんだな)", | |||
"201009811_75": "「これ、切ちゃんと2人で選んだプレゼントです」", | |||
"201009811_76": "「受け取ってほしいデースッ!」", | |||
"201009811_77": "「……ああ。あの、ありが……」", | |||
"201009811_78": "「月読調、暁切歌両名は、至急メディカルルームにお戻りください」", | |||
"201009811_79": "「艦内放送デスかッ!?」", | |||
"201009811_80": "「この声……友里さんッ!?」", | |||
"201009811_81": "「……あたしはいいから、早く戻れよ」", | |||
"201009811_82": "「メディカルチェックも途中なんだろ?\\n これ以上戻らないと、そろそろ怒られるぞ」", | |||
"201009811_83": "「……はい」", | |||
"201009811_84": "「もっとゆっくりお祝いしたかったデスけど、\\n 仕方がないデス……」", | |||
"201009811_85": "「ただいま」", | |||
"201009811_86": "(なんかずーっとバタバタしてたけど、\\n やっぱ、祝ってもらうってのは嬉しいもんだ)", | |||
"201009811_87": "(でも……、結局誰にもちゃんとお礼を言ってないな)", | |||
"201009811_88": "(せっかく時間見つけて来てくれたのに、\\n あたしは何やってんだ……)", | |||
"201009811_89": "「でも、もうこんな時間か……。\\n 誕生日もあとちょっとで終わりだな」", | |||
"201009811_90": "「誰だ? こんな時間に……」", | |||
"201009811_91": "「クリスちゃん、ハッピーバースデーッ!」", | |||
"201009811_92": "「ハッピーバースデーデースッ!」", | |||
"201009811_93": "「フフ、ぎりぎり間に合ってよかった」", | |||
"201009811_94": "「みんなでお祝いができましたね」", | |||
"201009811_95": "「ああ、やはり誕生日はこうでなくてはな」", | |||
"201009811_96": "「ちょっと待ってッ! この子、鳩が豆鉄砲\\n 食らったような顔をしてるわよ?」", | |||
"201009811_97": "「な、なんで……。今日は全員、忙しくて\\n 集まれないって言ってただろッ!?」", | |||
"201009811_98": "「みんな、自分の用事を早く終わらせることができたのよ。\\n 日付が変わる前ギリギリに集まれるんじゃないかってね」", | |||
"201009811_99": "「クリスちゃんに会うために、急いで任務を終わらせたんだッ!」", | |||
"201009811_100": "「みな、考えることは同じだったというわけだな」", | |||
"201009811_101": "「……そっか。みんな、ありが――」", | |||
"201009811_102": "「そうだッ! ケーキもちゃんと買ってきたんだよッ!」", | |||
"201009811_103": "「記念写真も撮ろうッ!」", | |||
"201009811_104": "「クリスちゃん、あーん……」", | |||
"201009811_105": "「次こっち向いて。はい、チーズッ!」", | |||
"201009811_106": "「……」", | |||
"201009811_107": "「もう一口食べる? はい、あーん」", | |||
"201009811_108": "「喜んでくれたみたいでよかったデース」", | |||
"201009811_109": "「でも、さっき何か言おうとしてたような……」", | |||
"201009811_110": "「え、そうなの? 何か言いたいことがあるなら……」", | |||
"201009811_111": "「もぐもぐ……ごくんッ!」", | |||
"201009811_112": "「お前たちの勢いがすごいから\\n 言いたくても言えなかったんだろッ!」", | |||
"201009811_113": "「ごめんごめん、クリスちゃんに喜んでもらおうと\\n 思ってたらつい……」", | |||
"201009811_114": "「それで、何を言おうとしていたんだ?」", | |||
"201009811_115": "「それは……、その……」", | |||
"201009811_116": "「ありがとうな。あたしの誕生日を祝ってくれて。\\n 昼会った時は、お礼が言えてなかったから……」", | |||
"201009811_117": "「……ッ!」", | |||
"201009811_118": "「クリスちゃん、声がちっちゃかったよッ!\\n もう1回ッ!」", | |||
"201009811_119": "「聞こえてただろッ! もう言わないからなッ!」", | |||
"201009811_120": "「そこをなんとかお願いするデースッ!」", | |||
"201009811_121": "「お前まで……」", | |||
"201009811_122": "「さっきのはもう忘れろッ!\\n ほら、みんなでケーキ食べるぞ」", | |||
"201009811_123": "「そしたら帰れよ」", | |||
"201009811_124": "「クリス先輩、耳まで真っ赤です」", | |||
"201009811_125": "「それがずっと言いたかったこととは、雪音らしいな」", | |||
"201009811_126": "「よーし、今日は朝までとことんお祝いするわよッ!」", | |||
"201009811_127": "「あ、あのなあ……」" | |||
{ | |||
"201009811_0": "クリスのバースデー2018", | |||
"201009811_1": "「というわけで、クリス先輩の誕生日パーティッ!」", | |||
"201009811_2": "「……がみんなで揃ってできないので、\\n どういうふうにお祝いするか特別緊急会議を始めるデース」", | |||
"201009811_3": "「まさか、予定が詰まっていてみんなで集まれないとはな」", | |||
"201009811_4": "「ライブの打ち合わせに、重要なメディカルチェック……。\\n わたしも家族と予定が入っちゃったし……」", | |||
"201009811_5": "「ここまで予定が被るなんて思わなかったね。\\n 師匠も大切な日に任務を入れなくてもいいのに……」", | |||
"201009811_6": "「風鳴司令も忘れていたわけではないでしょうから、\\n やむを得なかったのよ」", | |||
"201009811_7": "「全員揃って祝えないのなら、各々雪音を祝う他ないな」", | |||
"201009811_8": "「みんなのスケジュールを確認して、\\n それぞれが完璧に祝えるように予定表を作ります」", | |||
"201009811_9": "「ちゃんとノートも用意してきたデスよッ!」", | |||
"201009811_10": "「揃ってお祝いはできないけど、\\n みんなで最高のお誕生日にしようッ!」", | |||
"201009811_11": "「ふわ……、朝っぱらから誰だ?」", | |||
"201009811_12": "「はい、どちら様――」", | |||
"201009811_13": "「クリスちゃんッ! ハッピーバースデーッ!」", | |||
"201009811_14": "「お誕生日おめでとう、クリスッ!」", | |||
"201009811_15": "「うわッ、な、なんだッ!?」", | |||
"201009811_16": "「クリスちゃんに、ハッピーバースデーを言いにきたんだよッ!」", | |||
"201009811_17": "「ん? ああ、そうか……」", | |||
"201009811_18": "(今日は、あたしの誕生日か……。\\n 2人とも、わざわざ祝いにきてくれたんだな)", | |||
"201009811_19": "「でも、なんでこんな朝っぱらから――」", | |||
"201009811_20": "「はい、わたしたちからのプレゼントッ!\\n 未来と2人で選んだんだよッ!」", | |||
"201009811_21": "「ああ。でもちょっと待て、こんな玄関で――」", | |||
"201009811_22": "「本当におめでとうッ! あとね――」", | |||
"201009811_23": "「人の話を聞けッ!」", | |||
"201009811_24": "「あいたッ!? ひどいよ、せっかくお祝いにきたのに……」", | |||
"201009811_25": "「それはまあ、嬉しいけど……。\\n 何をそんなに急いでるんだ?」", | |||
"201009811_26": "「そ、それは……」", | |||
"201009811_27": "「実はこのあと任務に行かないといけなくて……。\\n 移動の時間とか、ギリギリで……」", | |||
"201009811_28": "「ごめんね、ゆっくりお祝いしたいんだけど、\\n わたしも用事があって行かなきゃいけないの」", | |||
"201009811_29": "「はあ、そういうことか。だったらそっちを優先しろよ。\\n ホント、バカだな」", | |||
"201009811_30": "「ごめんね、本当にごめんッ!」", | |||
"201009811_31": "「最後にもう1回……お誕生日おめでとうッ!」", | |||
"201009811_32": "「もうわかったから、早く行け」", | |||
"201009811_33": "「また今度、ゆっくりお祝いするからねッ!\\n じゃあね、クリスちゃんッ!」", | |||
"201009811_34": "「……行ったか。朝から騒がしい連中だったな」", | |||
"201009811_35": "「でも、時間が無いのにわざわざ来てくれるなんて……」", | |||
"201009811_36": "「あ……」", | |||
"201009811_37": "(2人にお礼……言うの忘れてたな……)", | |||
"201009811_38": "(せっかく目が覚めたし、買い物でもするか。\\n 今日は1日オフだし……)", | |||
"201009811_39": "「ん?」", | |||
"201009811_40": "「うわ――ッ!」", | |||
"201009811_41": "「な、なんだ、この車ッ!\\n 急に目の前に停まって……」", | |||
"201009811_42": "「すみません、急いでいたものでッ!」", | |||
"201009811_43": "「家にいなかったから探したわよ。\\n すぐに見つかってよかったわ」", | |||
"201009811_44": "「なんだッ? 緊急事態か……ッ!?」", | |||
"201009811_45": "「詳しいことは道中説明する、まずは車に乗ってくれ」", | |||
"201009811_46": "「……というわけで、雪音の誕生日を祝いにきたんだ」", | |||
"201009811_47": "「大体の事情はわかったけど……なんで車なんだ?」", | |||
"201009811_48": "「次のライブのために打ち合わせ行脚中だからだ。\\n 今もまた別の先方のもとへ向かっている」", | |||
"201009811_49": "「わたしも次の任務のために移動しなきゃいけなくて、\\n 2人で話した結果、車の中で祝うことにしたのよ」", | |||
"201009811_50": "「ドライブスルー感覚かよ……」", | |||
"201009811_51": "「今日お祝いするには、このタイミングしかなかったんだ。\\n 雪音、誕生日おめでとうッ!」", | |||
"201009811_52": "「直接伝えられてよかったわ。おめでとうッ!」", | |||
"201009811_53": "「あ、ああ……」", | |||
"201009811_54": "「誕生日プレゼントは後日渡すつもりだが、\\n 今日はこれだけ受け取ってくれ」", | |||
"201009811_55": "「わたしたちから歌のプレゼントよ」", | |||
"201009811_56": "「ええッ!?」", | |||
"201009811_57": "「ハッピーバースデー♪」", | |||
"201009811_58": "「トゥーユー♪」", | |||
"201009811_59": "(密室でバースデーソングって……、\\n なんだこの恥ずかしい時間は……)", | |||
"201009811_60": "(まあ、嬉しくなくはないけど……)", | |||
"201009811_61": "「……やっと終わったか……」", | |||
"201009811_62": "「さあ、そろそろ次の目的地だ」", | |||
"201009811_63": "「忙しなくて申し訳なかったわね」", | |||
"201009811_64": "「あれ? あたしの家に向かってたんじゃないのか?」", | |||
"201009811_65": "「他にもお祝いをしたいという人たちがいたもので」", | |||
"201009811_66": "「……ここは、本部?」", | |||
"201009811_67": "「おめでとうデースッ!」", | |||
"201009811_68": "「おめでとうございます」", | |||
"201009811_69": "「ああ、悪いな」", | |||
"201009811_70": "「でも、どうしてここなんだ?」", | |||
"201009811_71": "「今日はわたしたちのメディカルチェックの日なので、\\n 長時間は逃げ――抜けられなくて」", | |||
"201009811_72": "「友里さんたちの目を掻い潜ってきたデスよ」", | |||
"201009811_73": "「そうだったのか……」", | |||
"201009811_74": "(こいつらも、忙しい中祝ってくれてるんだな)", | |||
"201009811_75": "「これ、切ちゃんと2人で選んだプレゼントです」", | |||
"201009811_76": "「受け取ってほしいデースッ!」", | |||
"201009811_77": "「……ああ。あの、ありが……」", | |||
"201009811_78": "「月読調、暁切歌両名は、至急メディカルルームにお戻りください」", | |||
"201009811_79": "「艦内放送デスかッ!?」", | |||
"201009811_80": "「この声……友里さんッ!?」", | |||
"201009811_81": "「……あたしはいいから、早く戻れよ」", | |||
"201009811_82": "「メディカルチェックも途中なんだろ?\\n これ以上戻らないと、そろそろ怒られるぞ」", | |||
"201009811_83": "「……はい」", | |||
"201009811_84": "「もっとゆっくりお祝いしたかったデスけど、\\n 仕方がないデス……」", | |||
"201009811_85": "「ただいま」", | |||
"201009811_86": "(なんかずーっとバタバタしてたけど、\\n やっぱ、祝ってもらうってのは嬉しいもんだ)", | |||
"201009811_87": "(でも……、結局誰にもちゃんとお礼を言ってないな)", | |||
"201009811_88": "(せっかく時間見つけて来てくれたのに、\\n あたしは何やってんだ……)", | |||
"201009811_89": "「でも、もうこんな時間か……。\\n 誕生日もあとちょっとで終わりだな」", | |||
"201009811_90": "「誰だ? こんな時間に……」", | |||
"201009811_91": "「クリスちゃん、ハッピーバースデーッ!」", | |||
"201009811_92": "「ハッピーバースデーデースッ!」", | |||
"201009811_93": "「フフ、ぎりぎり間に合ってよかった」", | |||
"201009811_94": "「みんなでお祝いができましたね」", | |||
"201009811_95": "「ああ、やはり誕生日はこうでなくてはな」", | |||
"201009811_96": "「ちょっと待ってッ! この子、鳩が豆鉄砲\\n 食らったような顔をしてるわよ?」", | |||
"201009811_97": "「な、なんで……。今日は全員、忙しくて\\n 集まれないって言ってただろッ!?」", | |||
"201009811_98": "「みんな、自分の用事を早く終わらせることができたのよ。\\n 日付が変わる前ギリギリに集まれるんじゃないかってね」", | |||
"201009811_99": "「クリスちゃんに会うために、急いで任務を終わらせたんだッ!」", | |||
"201009811_100": "「みな、考えることは同じだったというわけだな」", | |||
"201009811_101": "「……そっか。みんな、ありが――」", | |||
"201009811_102": "「そうだッ! ケーキもちゃんと買ってきたんだよッ!」", | |||
"201009811_103": "「記念写真も撮ろうッ!」", | |||
"201009811_104": "「クリスちゃん、あーん……」", | |||
"201009811_105": "「次こっち向いて。はい、チーズッ!」", | |||
"201009811_106": "「……」", | |||
"201009811_107": "「もう一口食べる? はい、あーん」", | |||
"201009811_108": "「喜んでくれたみたいでよかったデース」", | |||
"201009811_109": "「でも、さっき何か言おうとしてたような……」", | |||
"201009811_110": "「え、そうなの? 何か言いたいことがあるなら……」", | |||
"201009811_111": "「もぐもぐ……ごくんッ!」", | |||
"201009811_112": "「お前たちの勢いがすごいから\\n 言いたくても言えなかったんだろッ!」", | |||
"201009811_113": "「ごめんごめん、クリスちゃんに喜んでもらおうと\\n 思ってたらつい……」", | |||
"201009811_114": "「それで、何を言おうとしていたんだ?」", | |||
"201009811_115": "「それは……、その……」", | |||
"201009811_116": "「ありがとうな。あたしの誕生日を祝ってくれて。\\n 昼会った時は、お礼が言えてなかったから……」", | |||
"201009811_117": "「……ッ!」", | |||
"201009811_118": "「クリスちゃん、声がちっちゃかったよッ!\\n もう1回ッ!」", | |||
"201009811_119": "「聞こえてただろッ! もう言わないからなッ!」", | |||
"201009811_120": "「そこをなんとかお願いするデースッ!」", | |||
"201009811_121": "「お前まで……」", | |||
"201009811_122": "「さっきのはもう忘れろッ!\\n ほら、みんなでケーキ食べるぞ」", | |||
"201009811_123": "「そしたら帰れよ」", | |||
"201009811_124": "「クリス先輩、耳まで真っ赤です」", | |||
"201009811_125": "「それがずっと言いたかったこととは、雪音らしいな」", | |||
"201009811_126": "「よーし、今日は朝までとことんお祝いするわよッ!」", | |||
"201009811_127": "「あ、あのなあ……」" | |||
} |
@@ -1,56 +1,56 @@ | |||
{ | |||
"201009911_0": "あんぱんの恩返し", | |||
"201009911_1": "「あむッ、んッ……。\\n ぷはッ!」", | |||
"201009911_2": "「クリス先輩……、そんなにワイルドに食べなくても、\\n お昼ご飯は逃げないデスよ」", | |||
"201009911_3": "「いいだろ、別に。これに慣れてるんだよ」", | |||
"201009911_4": "「昔の探偵ドラマで見た食べ方デス……」", | |||
"201009911_5": "「いつもあんぱんと牛乳ばかりじゃ、栄養が偏ります」", | |||
"201009911_6": "「好きなんだから、いいだろ。\\n 別に毎食これってわけじゃないんだし」", | |||
"201009911_7": "「あ、いたいたッ!」", | |||
"201009911_8": "「2人とも、昨日はありがとう。\\n これ、お礼とお返しッ!」", | |||
"201009911_9": "「コンビニのスイーツ?」", | |||
"201009911_10": "「そんな、お礼なんていいのに……」", | |||
"201009911_11": "「でもこのスイーツ、食べたかったやつデスッ!\\n ありがたくいただくデースッ!」", | |||
"201009911_12": "「昨日、何かあったのか?」", | |||
"201009911_13": "「昨日のお昼、お弁当もおサイフも忘れて\\n 途方に暮れていたら、2人がお弁当をわけてくれたんだ」", | |||
"201009911_14": "「それでお礼とお返しねえ……。\\n って、そんなにまとめて忘れるなよ」", | |||
"201009911_15": "「あの時の響さんの顔を見たら、\\n 何かせずにはいられなくなるデス……」", | |||
"201009911_16": "「世界の終わりがきたような顔をしてたよね……」", | |||
"201009911_17": "「それじゃあ、未来が待ってるから。\\n みんな、またあとでねーッ!」", | |||
"201009911_18": "「あ、スイーツ、ごちそうさまですッ!」", | |||
"201009911_19": "(お礼とお返し……)", | |||
"201009911_20": "「差し入れだ」", | |||
"201009911_21": "「……くッ!」", | |||
"201009911_22": "「何も盛っちゃいないさ」", | |||
"201009911_23": "「ちッ!」", | |||
"201009911_24": "「どうしました、あんぱんをじっと見て……」", | |||
"201009911_25": "「いや、なんでもない……」", | |||
"201009911_26": "(そうだよな、あの時のお礼とお返し……、\\n まだしてなかったよな)", | |||
"201009911_27": "「やっぱ、ちゃんと返すべきだよな……」", | |||
"201009911_28": "「けど、今さら……、何を返せばいいんだ?\\n うーん……」", | |||
"201009911_29": "「これで……、大丈夫だよな?\\n どうもピンとくるものは浮かばなかったけど――」", | |||
"201009911_30": "「――ま、もらったのもあんぱんなんだ。\\n それで返すのが、道理ってもんだよな」", | |||
"201009911_31": "「それに、ここのあんぱんは美味いし」", | |||
"201009911_32": "「問題は、どうやって渡すかだ……」", | |||
"201009911_33": "(正面切って、あの時はありがとうなんて……、\\n い、言えるかってのッ!)", | |||
"201009911_34": "「はあ……、あのバカの脳天気さを、\\n 10分の1でもわけてほしいな……」", | |||
"201009911_35": "(それでも……、ここらで覚悟を決めないと……)", | |||
"201009911_36": "(ああ……、もう発令所に着いちまう……)", | |||
"201009911_37": "「よう、クリスくんじゃないか」", | |||
"201009911_38": "「うわッ! バッ……、なんで出てくるんだッ!?」", | |||
"201009911_39": "「どうした、固まって?」", | |||
"201009911_40": "「ほ、ほらッ、受け取れッ!」", | |||
"201009911_41": "「――なッ!? これはッ!?」", | |||
"201009911_42": "「このあんぱんは……、一体、なんなんだ?」", | |||
"201009911_43": "「……やるよ。これも。ほら」", | |||
"201009911_44": "「あんぱんの次は、牛乳だと……?」", | |||
"201009911_45": "「あ、あの時は、悪かった。\\n 前にもらっただろ、あんぱんと牛乳……」", | |||
"201009911_46": "「そ、その……、ありがとなッ!」", | |||
"201009911_47": "「クリスくん……」", | |||
"201009911_48": "「フッ、ありがとう、か。\\n ……ハハハッ! なるほど、そういうことか」", | |||
"201009911_49": "「そのあんぱん、美味いからちゃんと食べろよッ!\\n これで貸し借りなしだからなッ!」", | |||
"201009911_50": "「おいッ、待ってくれッ!」", | |||
"201009911_51": "「行ってしまったか……」", | |||
"201009911_52": "「あの時の、お礼とお返し……か」", | |||
"201009911_53": "「このあんぱんは、何よりのご馳走だな。\\n ありがたくいただくぞ、クリスくん」" | |||
{ | |||
"201009911_0": "あんぱんの恩返し", | |||
"201009911_1": "「あむッ、んッ……。\\n ぷはッ!」", | |||
"201009911_2": "「クリス先輩……、そんなにワイルドに食べなくても、\\n お昼ご飯は逃げないデスよ」", | |||
"201009911_3": "「いいだろ、別に。これに慣れてるんだよ」", | |||
"201009911_4": "「昔の探偵ドラマで見た食べ方デス……」", | |||
"201009911_5": "「いつもあんぱんと牛乳ばかりじゃ、栄養が偏ります」", | |||
"201009911_6": "「好きなんだから、いいだろ。\\n 別に毎食これってわけじゃないんだし」", | |||
"201009911_7": "「あ、いたいたッ!」", | |||
"201009911_8": "「2人とも、昨日はありがとう。\\n これ、お礼とお返しッ!」", | |||
"201009911_9": "「コンビニのスイーツ?」", | |||
"201009911_10": "「そんな、お礼なんていいのに……」", | |||
"201009911_11": "「でもこのスイーツ、食べたかったやつデスッ!\\n ありがたくいただくデースッ!」", | |||
"201009911_12": "「昨日、何かあったのか?」", | |||
"201009911_13": "「昨日のお昼、お弁当もおサイフも忘れて\\n 途方に暮れていたら、2人がお弁当をわけてくれたんだ」", | |||
"201009911_14": "「それでお礼とお返しねえ……。\\n って、そんなにまとめて忘れるなよ」", | |||
"201009911_15": "「あの時の響さんの顔を見たら、\\n 何かせずにはいられなくなるデス……」", | |||
"201009911_16": "「世界の終わりがきたような顔をしてたよね……」", | |||
"201009911_17": "「それじゃあ、未来が待ってるから。\\n みんな、またあとでねーッ!」", | |||
"201009911_18": "「あ、スイーツ、ごちそうさまですッ!」", | |||
"201009911_19": "(お礼とお返し……)", | |||
"201009911_20": "「差し入れだ」", | |||
"201009911_21": "「……くッ!」", | |||
"201009911_22": "「何も盛っちゃいないさ」", | |||
"201009911_23": "「ちッ!」", | |||
"201009911_24": "「どうしました、あんぱんをじっと見て……」", | |||
"201009911_25": "「いや、なんでもない……」", | |||
"201009911_26": "(そうだよな、あの時のお礼とお返し……、\\n まだしてなかったよな)", | |||
"201009911_27": "「やっぱ、ちゃんと返すべきだよな……」", | |||
"201009911_28": "「けど、今さら……、何を返せばいいんだ?\\n うーん……」", | |||
"201009911_29": "「これで……、大丈夫だよな?\\n どうもピンとくるものは浮かばなかったけど――」", | |||
"201009911_30": "「――ま、もらったのもあんぱんなんだ。\\n それで返すのが、道理ってもんだよな」", | |||
"201009911_31": "「それに、ここのあんぱんは美味いし」", | |||
"201009911_32": "「問題は、どうやって渡すかだ……」", | |||
"201009911_33": "(正面切って、あの時はありがとうなんて……、\\n い、言えるかってのッ!)", | |||
"201009911_34": "「はあ……、あのバカの脳天気さを、\\n 10分の1でもわけてほしいな……」", | |||
"201009911_35": "(それでも……、ここらで覚悟を決めないと……)", | |||
"201009911_36": "(ああ……、もう発令所に着いちまう……)", | |||
"201009911_37": "「よう、クリスくんじゃないか」", | |||
"201009911_38": "「うわッ! バッ……、なんで出てくるんだッ!?」", | |||
"201009911_39": "「どうした、固まって?」", | |||
"201009911_40": "「ほ、ほらッ、受け取れッ!」", | |||
"201009911_41": "「――なッ!? これはッ!?」", | |||
"201009911_42": "「このあんぱんは……、一体、なんなんだ?」", | |||
"201009911_43": "「……やるよ。これも。ほら」", | |||
"201009911_44": "「あんぱんの次は、牛乳だと……?」", | |||
"201009911_45": "「あ、あの時は、悪かった。\\n 前にもらっただろ、あんぱんと牛乳……」", | |||
"201009911_46": "「そ、その……、ありがとなッ!」", | |||
"201009911_47": "「クリスくん……」", | |||
"201009911_48": "「フッ、ありがとう、か。\\n ……ハハハッ! なるほど、そういうことか」", | |||
"201009911_49": "「そのあんぱん、美味いからちゃんと食べろよッ!\\n これで貸し借りなしだからなッ!」", | |||
"201009911_50": "「おいッ、待ってくれッ!」", | |||
"201009911_51": "「行ってしまったか……」", | |||
"201009911_52": "「あの時の、お礼とお返し……か」", | |||
"201009911_53": "「このあんぱんは、何よりのご馳走だな。\\n ありがたくいただくぞ、クリスくん」" | |||
} |
@@ -1,39 +1,39 @@ | |||
{ | |||
"201010011_0": "陽の当たらない世界", | |||
"201010011_1": "とある並行世界――", | |||
"201010011_2": "(雨が降ってきた……)", | |||
"201010011_3": "「わッ! もう、傘持ってきてないのに~」", | |||
"201010011_4": "「どっかお店にでも入ろうよ。\\n だんだん強くなってきてるし……」", | |||
"201010011_5": "(傘か……このままだとかなり濡れちゃうな……)", | |||
"201010011_6": "「……どうでもいいけど」", | |||
"201010011_7": "(風邪をひいたって構わない。\\n どうせわたしを心配する人なんていないんだから――)", | |||
"201010011_8": "「ねえ……」", | |||
"201010011_9": "「…………」", | |||
"201010011_10": "「あの、立花さん……だよね?」", | |||
"201010011_11": "「……?」", | |||
"201010011_12": "(……この人、誰だっけ……?)", | |||
"201010011_13": "「……えっと、風邪ひいちゃうよ?\\n そんなふうに雨に濡れてると――」", | |||
"201010011_14": "「……」", | |||
"201010011_15": "「その、ちゃんと雨宿りしたほうが……、\\n あ、わたしのこと覚えてない? 同じクラスの――」", | |||
"201010011_16": "(ああ、今のクラスにこんな子がいた気がする)", | |||
"201010011_17": "「……関係ない、放っておいて」", | |||
"201010011_18": "「あ、あのッ! 立花さん――ッ!」", | |||
"201010011_19": "「……やめなよ、あの子に言ったって無駄だよ……」", | |||
"201010011_20": "「でも、同じクラスなんだし――」", | |||
"201010011_21": "「……それだけでしょ。もう、本当にお節介だよね……。\\n それに、あの子って昔――」", | |||
"201010011_22": "(……そう、お節介。\\n そんなのただの迷惑だから……)", | |||
"201010011_23": "「あッ!\\n か、風邪、ひかないように気を付けて――ッ!」", | |||
"201010011_24": "「……雨、もっと強くなればいいのに」", | |||
"201010011_25": "(……雨が降れば、もっと強くなれば――。\\n きっと、静かになるから……)", | |||
"201010011_26": "(世界が全部、雨の音だけになればいい……。\\n そうしたら、なんの雑音も聞こえなくなるから……)", | |||
"201010011_27": "「どうしたッ!」", | |||
"201010011_28": "「市街地にノイズが出現ッ!」", | |||
"201010011_29": "「市街地に……くッ! 装者に連絡を繋げッ!」", | |||
"201010011_30": "「――はい。翼です」", | |||
"201010011_31": "「市街地にノイズが出現した。\\n 急いで向かってくれッ!」", | |||
"201010011_32": "「了解です」", | |||
"201010011_33": "「翼の現着予想は?」", | |||
"201010011_34": "「場所が場所なので……。\\n およそ40分といったところでしょうか」", | |||
"201010011_35": "「くッ……すぐに人員を向かわせろッ!\\n 場所が場所だ、民間人の保護を最優先するんだ」", | |||
"201010011_36": "「翼が現着するまで、少しでも時間を稼げッ!」" | |||
{ | |||
"201010011_0": "陽の当たらない世界", | |||
"201010011_1": "とある並行世界――", | |||
"201010011_2": "(雨が降ってきた……)", | |||
"201010011_3": "「わッ! もう、傘持ってきてないのに~」", | |||
"201010011_4": "「どっかお店にでも入ろうよ。\\n だんだん強くなってきてるし……」", | |||
"201010011_5": "(傘か……このままだとかなり濡れちゃうな……)", | |||
"201010011_6": "「……どうでもいいけど」", | |||
"201010011_7": "(風邪をひいたって構わない。\\n どうせわたしを心配する人なんていないんだから――)", | |||
"201010011_8": "「ねえ……」", | |||
"201010011_9": "「…………」", | |||
"201010011_10": "「あの、立花さん……だよね?」", | |||
"201010011_11": "「……?」", | |||
"201010011_12": "(……この人、誰だっけ……?)", | |||
"201010011_13": "「……えっと、風邪ひいちゃうよ?\\n そんなふうに雨に濡れてると――」", | |||
"201010011_14": "「……」", | |||
"201010011_15": "「その、ちゃんと雨宿りしたほうが……、\\n あ、わたしのこと覚えてない? 同じクラスの――」", | |||
"201010011_16": "(ああ、今のクラスにこんな子がいた気がする)", | |||
"201010011_17": "「……関係ない、放っておいて」", | |||
"201010011_18": "「あ、あのッ! 立花さん――ッ!」", | |||
"201010011_19": "「……やめなよ、あの子に言ったって無駄だよ……」", | |||
"201010011_20": "「でも、同じクラスなんだし――」", | |||
"201010011_21": "「……それだけでしょ。もう、本当にお節介だよね……。\\n それに、あの子って昔――」", | |||
"201010011_22": "(……そう、お節介。\\n そんなのただの迷惑だから……)", | |||
"201010011_23": "「あッ!\\n か、風邪、ひかないように気を付けて――ッ!」", | |||
"201010011_24": "「……雨、もっと強くなればいいのに」", | |||
"201010011_25": "(……雨が降れば、もっと強くなれば――。\\n きっと、静かになるから……)", | |||
"201010011_26": "(世界が全部、雨の音だけになればいい……。\\n そうしたら、なんの雑音も聞こえなくなるから……)", | |||
"201010011_27": "「どうしたッ!」", | |||
"201010011_28": "「市街地にノイズが出現ッ!」", | |||
"201010011_29": "「市街地に……くッ! 装者に連絡を繋げッ!」", | |||
"201010011_30": "「――はい。翼です」", | |||
"201010011_31": "「市街地にノイズが出現した。\\n 急いで向かってくれッ!」", | |||
"201010011_32": "「了解です」", | |||
"201010011_33": "「翼の現着予想は?」", | |||
"201010011_34": "「場所が場所なので……。\\n およそ40分といったところでしょうか」", | |||
"201010011_35": "「くッ……すぐに人員を向かわせろッ!\\n 場所が場所だ、民間人の保護を最優先するんだ」", | |||
"201010011_36": "「翼が現着するまで、少しでも時間を稼げッ!」" | |||
} |
@@ -1,57 +1,57 @@ | |||
{ | |||
"201010012_0": "「――ッ!」", | |||
"201010012_1": "(……邪魔だッ! こいつが――)", | |||
"201010012_2": "「こいつらがいるせいで――ッ!」", | |||
"201010012_3": "「はあ、はあ……」", | |||
"201010012_4": "(……静かに、なった……。\\n 誰もいない……)", | |||
"201010012_5": "(わたしだけの世界……)", | |||
"201010012_6": "「…………」", | |||
"201010012_7": "「現着しましたッ! ノイズは――ッ!?」", | |||
"201010012_8": "「お前は――。\\n ……お前がノイズを倒したのか?」", | |||
"201010012_9": "「…………」", | |||
"201010012_10": "「おいッ! 質問に答えろ、立花響ッ!」", | |||
"201010012_11": "(雑音がする……)", | |||
"201010012_12": "「やっとこっちを向いたか。\\n ここに出現したノイズは――」", | |||
"201010012_13": "(……独りに、なりたい……)", | |||
"201010012_14": "「おいッ!」", | |||
"201010012_15": "「……相変わらずか。\\n 仕方ない――」", | |||
"201010012_16": "「本部ですか。こちら翼です。\\n 出現したノイズですが、どうやら――」", | |||
"201010012_17": "「――そうか。ご苦労だった。\\n 念のため、周囲を確認の上、帰投してくれ」", | |||
"201010012_18": "「……たまたまですが、ガングニールの装者が\\n 現場近くにいてくれてよかったですね」", | |||
"201010012_19": "「……ああ。立花響くんだな。\\n できれば我々に正式に協力してもらいたいところだが――」", | |||
"201010012_20": "「『孤高の装者』ですもんね。\\n 何度勧誘しても、危険な目にあっても、あの調子で……」", | |||
"201010012_21": "「……ああ」", | |||
"201010012_22": "(……彼女にとっての支えに、\\n 俺たちではなることができないのだろうか……)", | |||
"201010012_23": "(……ノイズ……。\\n 人を殺す災害、怪物……)", | |||
"201010012_24": "(……そう、この世界の異物だ……)", | |||
"201010012_25": "(あいつらの――あの怪物のせいで、わたしは――)", | |||
"201010012_26": "(わたしは――)", | |||
"201010012_27": "(…………)", | |||
"201010012_28": "「怪物……か。そんなの、わたしも同じだ……」", | |||
"201010012_29": "(人の中にいて、人ではない異物。\\n 人を殺すノイズを、殺すことのできる怪物――)", | |||
"201010012_30": "「立花響くんだね?」", | |||
"201010012_31": "「…………」", | |||
"201010012_32": "「俺たちに力を貸してくれないか?\\n 君を特異災害対策機動部二課に迎えたい」", | |||
"201010012_33": "「…………」", | |||
"201010012_34": "「俺たちと共に、人々を護らないか?」", | |||
"201010012_35": "「人を……他人を、護る……?」", | |||
"201010012_36": "「そうだ。それに我々の仲間には、君と同じ装者もいる。\\n きっと君の力にもなれるはずだ」", | |||
"201010012_37": "(わたしの力になる……?)", | |||
"201010012_38": "(そんな人、いるわけがない……)", | |||
"201010012_39": "「一緒に他人を護るなんて、できない。\\n 誰かを護るなんて、したくない……」", | |||
"201010012_40": "(他人を護ったって、わたしのことは誰も護ってくれない。\\n 助けてなんてくれない……)", | |||
"201010012_41": "(苦しくて、辛くて、誰かに助けてほしい時があっても、\\n 誰もわたしなんて、助けてくれない)", | |||
"201010012_42": "「じゃあ……どうしてわたしはノイズを倒しているんだろう……」", | |||
"201010012_43": "(雨……いつの間にかあがってる。\\n あのまま降り続けていてほしかったのに……)", | |||
"201010012_44": "(……イライラする。\\n どうして、こんなにも思い通りにならないんだろう……)", | |||
"201010012_45": "「……おねえちゃん、びしょびしょ?」", | |||
"201010012_46": "「…………?」", | |||
"201010012_47": "「あのね、これッ!\\n うさちゃんタオル、あげるッ!」", | |||
"201010012_48": "「……え?」", | |||
"201010012_49": "「あの、よかったら使ってください。\\n 濡れたままだと、風邪をひいてしまいますから……」", | |||
"201010012_50": "「……わたしに、構わないで」", | |||
"201010012_51": "「おねえちゃん……」", | |||
"201010012_52": "「…………」", | |||
"201010012_53": "(……わたしがどうこうじゃない。\\n ただ、雨に濡れてるから、誰でもよかっただけ……)", | |||
"201010012_54": "(……わたしが、――の生き残りだって知れば、\\n 誰も、いなくなるんだから……)" | |||
{ | |||
"201010012_0": "「――ッ!」", | |||
"201010012_1": "(……邪魔だッ! こいつが――)", | |||
"201010012_2": "「こいつらがいるせいで――ッ!」", | |||
"201010012_3": "「はあ、はあ……」", | |||
"201010012_4": "(……静かに、なった……。\\n 誰もいない……)", | |||
"201010012_5": "(わたしだけの世界……)", | |||
"201010012_6": "「…………」", | |||
"201010012_7": "「現着しましたッ! ノイズは――ッ!?」", | |||
"201010012_8": "「お前は――。\\n ……お前がノイズを倒したのか?」", | |||
"201010012_9": "「…………」", | |||
"201010012_10": "「おいッ! 質問に答えろ、立花響ッ!」", | |||
"201010012_11": "(雑音がする……)", | |||
"201010012_12": "「やっとこっちを向いたか。\\n ここに出現したノイズは――」", | |||
"201010012_13": "(……独りに、なりたい……)", | |||
"201010012_14": "「おいッ!」", | |||
"201010012_15": "「……相変わらずか。\\n 仕方ない――」", | |||
"201010012_16": "「本部ですか。こちら翼です。\\n 出現したノイズですが、どうやら――」", | |||
"201010012_17": "「――そうか。ご苦労だった。\\n 念のため、周囲を確認の上、帰投してくれ」", | |||
"201010012_18": "「……たまたまですが、ガングニールの装者が\\n 現場近くにいてくれてよかったですね」", | |||
"201010012_19": "「……ああ。立花響くんだな。\\n できれば我々に正式に協力してもらいたいところだが――」", | |||
"201010012_20": "「『孤高の装者』ですもんね。\\n 何度勧誘しても、危険な目にあっても、あの調子で……」", | |||
"201010012_21": "「……ああ」", | |||
"201010012_22": "(……彼女にとっての支えに、\\n 俺たちではなることができないのだろうか……)", | |||
"201010012_23": "(……ノイズ……。\\n 人を殺す災害、怪物……)", | |||
"201010012_24": "(……そう、この世界の異物だ……)", | |||
"201010012_25": "(あいつらの――あの怪物のせいで、わたしは――)", | |||
"201010012_26": "(わたしは――)", | |||
"201010012_27": "(…………)", | |||
"201010012_28": "「怪物……か。そんなの、わたしも同じだ……」", | |||
"201010012_29": "(人の中にいて、人ではない異物。\\n 人を殺すノイズを、殺すことのできる怪物――)", | |||
"201010012_30": "「立花響くんだね?」", | |||
"201010012_31": "「…………」", | |||
"201010012_32": "「俺たちに力を貸してくれないか?\\n 君を特異災害対策機動部二課に迎えたい」", | |||
"201010012_33": "「…………」", | |||
"201010012_34": "「俺たちと共に、人々を護らないか?」", | |||
"201010012_35": "「人を……他人を、護る……?」", | |||
"201010012_36": "「そうだ。それに我々の仲間には、君と同じ装者もいる。\\n きっと君の力にもなれるはずだ」", | |||
"201010012_37": "(わたしの力になる……?)", | |||
"201010012_38": "(そんな人、いるわけがない……)", | |||
"201010012_39": "「一緒に他人を護るなんて、できない。\\n 誰かを護るなんて、したくない……」", | |||
"201010012_40": "(他人を護ったって、わたしのことは誰も護ってくれない。\\n 助けてなんてくれない……)", | |||
"201010012_41": "(苦しくて、辛くて、誰かに助けてほしい時があっても、\\n 誰もわたしなんて、助けてくれない)", | |||
"201010012_42": "「じゃあ……どうしてわたしはノイズを倒しているんだろう……」", | |||
"201010012_43": "(雨……いつの間にかあがってる。\\n あのまま降り続けていてほしかったのに……)", | |||
"201010012_44": "(……イライラする。\\n どうして、こんなにも思い通りにならないんだろう……)", | |||
"201010012_45": "「……おねえちゃん、びしょびしょ?」", | |||
"201010012_46": "「…………?」", | |||
"201010012_47": "「あのね、これッ!\\n うさちゃんタオル、あげるッ!」", | |||
"201010012_48": "「……え?」", | |||
"201010012_49": "「あの、よかったら使ってください。\\n 濡れたままだと、風邪をひいてしまいますから……」", | |||
"201010012_50": "「……わたしに、構わないで」", | |||
"201010012_51": "「おねえちゃん……」", | |||
"201010012_52": "「…………」", | |||
"201010012_53": "(……わたしがどうこうじゃない。\\n ただ、雨に濡れてるから、誰でもよかっただけ……)", | |||
"201010012_54": "(……わたしが、――の生き残りだって知れば、\\n 誰も、いなくなるんだから……)" | |||
} |
@@ -1,70 +1,70 @@ | |||
{ | |||
"201010021_0": "「……よかった。雨、やんだみたい」", | |||
"201010021_1": "(……今日こそ、会うんだ。\\n 会って、謝って、それから――)", | |||
"201010021_2": "「響……」", | |||
"201010021_3": "(わたしのこと、覚えていてくれてるかな……。\\n あんなお別れになっちゃって、許してくれるかな……)", | |||
"201010021_4": "「響の実家、ひどい様子だったよね……。\\n きっと、響もすごく辛かったはず……」", | |||
"201010021_5": "(家、誰もいなくなってたな……)", | |||
"201010021_6": "(響も、響の家族も、みんな優しい人たちだったのに……。\\n あんなに、あったかい家だったのに……)", | |||
"201010021_7": "(響……)", | |||
"201010021_8": "「……うん、\\n 今日は学院の方に行ってみようッ!」", | |||
"201010021_9": "「ダメ、かー……」", | |||
"201010021_10": "(個人情報だから部外者には教えられないって……。\\n 友だちだって言ってるのに、それでもダメだって……)", | |||
"201010021_11": "「……わたしはただ会いたいだけなのにッ!」", | |||
"201010021_12": "「大丈夫だったかなぁ……」", | |||
"201010021_13": "「もう、まだ気にしてるの?\\n あの子のこと……」", | |||
"201010021_14": "(あ、ここの寮の人かな?)", | |||
"201010021_15": "「だって、立花さんあんなに雨に濡れてたし……。\\n 風邪ひいたりしたら、かわいそうだよ」", | |||
"201010021_16": "(立花……?\\n もしかして――ッ!)", | |||
"201010021_17": "「好きで雨の中歩いてたんだし、仕方ないじゃない」", | |||
"201010021_18": "「あ、あのッ!\\n ちょっといいですかッ!」", | |||
"201010021_19": "「……それで雨の中、歩いていっちゃって……」", | |||
"201010021_20": "「そうですか……」", | |||
"201010021_21": "「……確認してきた。まだ寮には戻ってないみたい。\\n あの子、いつも遅いみたいよ」", | |||
"201010021_22": "(いつも遅い……? 響が……?)", | |||
"201010021_23": "「やっぱり……」", | |||
"201010021_24": "「ありがとうございました。\\n わたし、ちょっと探してみますッ!」", | |||
"201010021_25": "「その……立花さんのお友だちなんですよね?」", | |||
"201010021_26": "「はいッ!」", | |||
"201010021_27": "「……その、なんて言ったらいいかわからないけど、\\n ちゃんと学院に来てほしいって伝えてください……」", | |||
"201010021_28": "「……はい。ありがとうございますッ!」", | |||
"201010021_29": "「行っちゃった。あの子にもちゃんと友だちいたんだね……」", | |||
"201010021_30": "「もう、そんなこと言っちゃダメだよ。\\n ――あッ、そうだッ! 名前、聞けばよかった……」", | |||
"201010021_31": "(――あれ、これは――)", | |||
"201010021_32": "(……そうか、また、この夢なんだ……)", | |||
"201010021_33": "(わたしが……、\\n 奴らを殺す、力を手に入れた時の――)", | |||
"201010021_34": "(辛くて、苦しくて、誰も傍にいてくれなくて……。\\n みんなが、わたしが悪い、どうして生きてるんだって――)", | |||
"201010021_35": "(わたしだって、好きで生き残ったわけじゃない。\\n ただ偶然こうなっただけなのに――)", | |||
"201010021_36": "(気づけば友だちはみんないなくなってて、\\n 家族もバラバラになって――)", | |||
"201010021_37": "(……そうして、いたたまれなくなって逃げ出したわたしの前に、\\n 奴らが現れた――)", | |||
"201010021_38": "「どう……して?\\n また、こいつらが――」", | |||
"201010021_39": "(ああ、そっか。\\n わたしを殺しにきたんだ……)", | |||
"201010021_40": "(……わたしがちゃんとあそこで死ななかったから……)", | |||
"201010021_41": "「……もう、いいんだ。わたしなんて……。\\n だから、今度はちゃんと殺して――」", | |||
"201010021_42": "「――ッ!?」", | |||
"201010021_43": "「……え? どうして……」", | |||
"201010021_44": "「……許せない。また、わたしだけ生き残らせるのか。\\n また、わたしにあんな想いをさせるのか――」", | |||
"201010021_45": "「……それなら、わたしがお前たちを――ッ!!」", | |||
"201010021_46": "「――ッ!?」", | |||
"201010021_47": "(なに……これ……?\\n 胸の中から、光? それに――)", | |||
"201010021_48": "「……歌が、聴こえる……?」", | |||
"201010021_49": "「Balwisyall Nescell gungnir tron――」", | |||
"201010021_50": "「これは……、力が漲ってくる」", | |||
"201010021_51": "「この力があれば、あいつらをッ!」", | |||
"201010021_52": "「砕けろッ!! はああああ――ッ!!」", | |||
"201010021_53": "「……やった……倒して、やった……ハハ……」", | |||
"201010021_54": "「……この力ならどんな理不尽だって打ち壊せる。わたしに\\n あんな想いをさせたノイズを、こんなふうに壊せるんだから――」", | |||
"201010021_55": "「う、うわあああああ――ッ!」", | |||
"201010021_56": "「まだ、ノイズが――ッ!」", | |||
"201010021_57": "「……え? いない……?」", | |||
"201010021_58": "「……どうして、逃げるの?\\n もう、あいつらは倒したのに……」", | |||
"201010021_59": "(……人には倒せない、ノイズを壊したのに……)", | |||
"201010021_60": "「……人には、倒せない?\\n ……じゃあ、わたしは……?」", | |||
"201010021_61": "「……ん。\\n ……ああ、ちょっと寝ちゃってたんだ……」", | |||
"201010021_62": "(……わたしが手に入れた力は、人の物じゃなかった。\\n わたしはあの時から、変わっちゃったんだ……)", | |||
"201010021_63": "(人とは違う、人とは相いれない異物に。\\n 周りが望んだとおりの、化物に……)", | |||
"201010021_64": "(でも……)", | |||
"201010021_65": "(あの姿になると……、少しだけ、胸が温かくなる)", | |||
"201010021_66": "(あれは何?)", | |||
"201010021_67": "「…………」" | |||
{ | |||
"201010021_0": "「……よかった。雨、やんだみたい」", | |||
"201010021_1": "(……今日こそ、会うんだ。\\n 会って、謝って、それから――)", | |||
"201010021_2": "「響……」", | |||
"201010021_3": "(わたしのこと、覚えていてくれてるかな……。\\n あんなお別れになっちゃって、許してくれるかな……)", | |||
"201010021_4": "「響の実家、ひどい様子だったよね……。\\n きっと、響もすごく辛かったはず……」", | |||
"201010021_5": "(家、誰もいなくなってたな……)", | |||
"201010021_6": "(響も、響の家族も、みんな優しい人たちだったのに……。\\n あんなに、あったかい家だったのに……)", | |||
"201010021_7": "(響……)", | |||
"201010021_8": "「……うん、\\n 今日は学院の方に行ってみようッ!」", | |||
"201010021_9": "「ダメ、かー……」", | |||
"201010021_10": "(個人情報だから部外者には教えられないって……。\\n 友だちだって言ってるのに、それでもダメだって……)", | |||
"201010021_11": "「……わたしはただ会いたいだけなのにッ!」", | |||
"201010021_12": "「大丈夫だったかなぁ……」", | |||
"201010021_13": "「もう、まだ気にしてるの?\\n あの子のこと……」", | |||
"201010021_14": "(あ、ここの寮の人かな?)", | |||
"201010021_15": "「だって、立花さんあんなに雨に濡れてたし……。\\n 風邪ひいたりしたら、かわいそうだよ」", | |||
"201010021_16": "(立花……?\\n もしかして――ッ!)", | |||
"201010021_17": "「好きで雨の中歩いてたんだし、仕方ないじゃない」", | |||
"201010021_18": "「あ、あのッ!\\n ちょっといいですかッ!」", | |||
"201010021_19": "「……それで雨の中、歩いていっちゃって……」", | |||
"201010021_20": "「そうですか……」", | |||
"201010021_21": "「……確認してきた。まだ寮には戻ってないみたい。\\n あの子、いつも遅いみたいよ」", | |||
"201010021_22": "(いつも遅い……? 響が……?)", | |||
"201010021_23": "「やっぱり……」", | |||
"201010021_24": "「ありがとうございました。\\n わたし、ちょっと探してみますッ!」", | |||
"201010021_25": "「その……立花さんのお友だちなんですよね?」", | |||
"201010021_26": "「はいッ!」", | |||
"201010021_27": "「……その、なんて言ったらいいかわからないけど、\\n ちゃんと学院に来てほしいって伝えてください……」", | |||
"201010021_28": "「……はい。ありがとうございますッ!」", | |||
"201010021_29": "「行っちゃった。あの子にもちゃんと友だちいたんだね……」", | |||
"201010021_30": "「もう、そんなこと言っちゃダメだよ。\\n ――あッ、そうだッ! 名前、聞けばよかった……」", | |||
"201010021_31": "(――あれ、これは――)", | |||
"201010021_32": "(……そうか、また、この夢なんだ……)", | |||
"201010021_33": "(わたしが……、\\n 奴らを殺す、力を手に入れた時の――)", | |||
"201010021_34": "(辛くて、苦しくて、誰も傍にいてくれなくて……。\\n みんなが、わたしが悪い、どうして生きてるんだって――)", | |||
"201010021_35": "(わたしだって、好きで生き残ったわけじゃない。\\n ただ偶然こうなっただけなのに――)", | |||
"201010021_36": "(気づけば友だちはみんないなくなってて、\\n 家族もバラバラになって――)", | |||
"201010021_37": "(……そうして、いたたまれなくなって逃げ出したわたしの前に、\\n 奴らが現れた――)", | |||
"201010021_38": "「どう……して?\\n また、こいつらが――」", | |||
"201010021_39": "(ああ、そっか。\\n わたしを殺しにきたんだ……)", | |||
"201010021_40": "(……わたしがちゃんとあそこで死ななかったから……)", | |||
"201010021_41": "「……もう、いいんだ。わたしなんて……。\\n だから、今度はちゃんと殺して――」", | |||
"201010021_42": "「――ッ!?」", | |||
"201010021_43": "「……え? どうして……」", | |||
"201010021_44": "「……許せない。また、わたしだけ生き残らせるのか。\\n また、わたしにあんな想いをさせるのか――」", | |||
"201010021_45": "「……それなら、わたしがお前たちを――ッ!!」", | |||
"201010021_46": "「――ッ!?」", | |||
"201010021_47": "(なに……これ……?\\n 胸の中から、光? それに――)", | |||
"201010021_48": "「……歌が、聴こえる……?」", | |||
"201010021_49": "「Balwisyall Nescell gungnir tron――」", | |||
"201010021_50": "「これは……、力が漲ってくる」", | |||
"201010021_51": "「この力があれば、あいつらをッ!」", | |||
"201010021_52": "「砕けろッ!! はああああ――ッ!!」", | |||
"201010021_53": "「……やった……倒して、やった……ハハ……」", | |||
"201010021_54": "「……この力ならどんな理不尽だって打ち壊せる。わたしに\\n あんな想いをさせたノイズを、こんなふうに壊せるんだから――」", | |||
"201010021_55": "「う、うわあああああ――ッ!」", | |||
"201010021_56": "「まだ、ノイズが――ッ!」", | |||
"201010021_57": "「……え? いない……?」", | |||
"201010021_58": "「……どうして、逃げるの?\\n もう、あいつらは倒したのに……」", | |||
"201010021_59": "(……人には倒せない、ノイズを壊したのに……)", | |||
"201010021_60": "「……人には、倒せない?\\n ……じゃあ、わたしは……?」", | |||
"201010021_61": "「……ん。\\n ……ああ、ちょっと寝ちゃってたんだ……」", | |||
"201010021_62": "(……わたしが手に入れた力は、人の物じゃなかった。\\n わたしはあの時から、変わっちゃったんだ……)", | |||
"201010021_63": "(人とは違う、人とは相いれない異物に。\\n 周りが望んだとおりの、化物に……)", | |||
"201010021_64": "(でも……)", | |||
"201010021_65": "(あの姿になると……、少しだけ、胸が温かくなる)", | |||
"201010021_66": "(あれは何?)", | |||
"201010021_67": "「…………」" | |||
} |
@@ -1,29 +1,29 @@ | |||
{ | |||
"201010031_0": "(確か、こっちの方に行ったって……)", | |||
"201010031_1": "(濡れたまま歩いてたって聞いたし、\\n 誰か見た人とかいれば、覚えてるかも――)", | |||
"201010031_2": "「おねえちゃん、うさちゃんタオルきらいだったのかな……?」", | |||
"201010031_3": "「そんなことないわ。\\n きっとお腹が痛かったから、すぐにお家に帰ったのよ」", | |||
"201010031_4": "「それなら、おねえちゃんはおかぜひかない?」", | |||
"201010031_5": "「ええ、きっと大丈夫よ」", | |||
"201010031_6": "「うんッ!」", | |||
"201010031_7": "「あの、ちょっとすみません――」", | |||
"201010031_8": "「……だから、わたしのうさちゃんタオル、\\n あげようとおもったのッ!」", | |||
"201010031_9": "「フフ、そうなんだ」", | |||
"201010031_10": "「エヘヘ……」", | |||
"201010031_11": "「それで、あの……。\\n その子、どっちの方に行ったのか教えてもらえますか?」", | |||
"201010031_12": "「ああ、はい。確か公園の方に――」", | |||
"201010031_13": "「……おねえちゃん、まだぬれたままなの?」", | |||
"201010031_14": "「えッ!? あ……」", | |||
"201010031_15": "「あのね、それならこれ、おねえちゃんにわたしてッ!」", | |||
"201010031_16": "「……いいの?」", | |||
"201010031_17": "「うんッ!」", | |||
"201010031_18": "「どうぞお持ちください。\\n この子も、そうしたがっているので」", | |||
"201010031_19": "「ありがとうございます。\\n ……あなたも。ありがとう、優しいんだね」", | |||
"201010031_20": "「今の……ッ!?」", | |||
"201010031_21": "「何かあったんでしょうか……?」", | |||
"201010031_22": "「ノイズだッ! ノイズが出た――ッ!!」", | |||
"201010031_23": "「……ノイズッ!?」", | |||
"201010031_24": "「向こうの方が騒がしい……」", | |||
"201010031_25": "「ノイズだッ! ノイズが出たーッ!!」", | |||
"201010031_26": "「ノイズが……またッ!?」" | |||
{ | |||
"201010031_0": "(確か、こっちの方に行ったって……)", | |||
"201010031_1": "(濡れたまま歩いてたって聞いたし、\\n 誰か見た人とかいれば、覚えてるかも――)", | |||
"201010031_2": "「おねえちゃん、うさちゃんタオルきらいだったのかな……?」", | |||
"201010031_3": "「そんなことないわ。\\n きっとお腹が痛かったから、すぐにお家に帰ったのよ」", | |||
"201010031_4": "「それなら、おねえちゃんはおかぜひかない?」", | |||
"201010031_5": "「ええ、きっと大丈夫よ」", | |||
"201010031_6": "「うんッ!」", | |||
"201010031_7": "「あの、ちょっとすみません――」", | |||
"201010031_8": "「……だから、わたしのうさちゃんタオル、\\n あげようとおもったのッ!」", | |||
"201010031_9": "「フフ、そうなんだ」", | |||
"201010031_10": "「エヘヘ……」", | |||
"201010031_11": "「それで、あの……。\\n その子、どっちの方に行ったのか教えてもらえますか?」", | |||
"201010031_12": "「ああ、はい。確か公園の方に――」", | |||
"201010031_13": "「……おねえちゃん、まだぬれたままなの?」", | |||
"201010031_14": "「えッ!? あ……」", | |||
"201010031_15": "「あのね、それならこれ、おねえちゃんにわたしてッ!」", | |||
"201010031_16": "「……いいの?」", | |||
"201010031_17": "「うんッ!」", | |||
"201010031_18": "「どうぞお持ちください。\\n この子も、そうしたがっているので」", | |||
"201010031_19": "「ありがとうございます。\\n ……あなたも。ありがとう、優しいんだね」", | |||
"201010031_20": "「今の……ッ!?」", | |||
"201010031_21": "「何かあったんでしょうか……?」", | |||
"201010031_22": "「ノイズだッ! ノイズが出た――ッ!!」", | |||
"201010031_23": "「……ノイズッ!?」", | |||
"201010031_24": "「向こうの方が騒がしい……」", | |||
"201010031_25": "「ノイズだッ! ノイズが出たーッ!!」", | |||
"201010031_26": "「ノイズが……またッ!?」" | |||
} |
@@ -1,41 +1,41 @@ | |||
{ | |||
"201010041_0": "「くッ、この短期間に連続で出現するとはッ!\\n ――翼ッ!」", | |||
"201010041_1": "「既に迎撃中ですッ!\\n しかし、広範囲にノイズが現れており、全ての捕捉は――」", | |||
"201010041_2": "「わかった。翼はその場でノイズの対処を続けてくれッ!\\n こちらは避難誘導を進める」", | |||
"201010041_3": "「わかりました」", | |||
"201010041_4": "「聞いたな。\\n 避難指示を急げッ!」", | |||
"201010041_5": "「こちらです、焦らないでッ!\\n 前の人に続いて、避難してくださいッ!」", | |||
"201010041_6": "「ノイズが出るなんて……」", | |||
"201010041_7": "「き、来てるッ! ノイズがッ!\\n ――どけッ!」", | |||
"201010041_8": "「――きゃッ!?」", | |||
"201010041_9": "「あ、あの子のタオルが――ッ!」", | |||
"201010041_10": "(拾わないと。\\n でも、人が多くてこれじゃ――ッ!?)", | |||
"201010041_11": "「……あれ? 今の……?」", | |||
"201010041_12": "(人ごみの向こうに、一瞬響がいたような――)", | |||
"201010041_13": "(……気のせい?)", | |||
"201010041_14": "「いや、あれはきっと――」", | |||
"201010041_15": "「――あっちか」", | |||
"201010041_16": "「ま、待ってッ!」", | |||
"201010041_17": "「そちらはダメですッ!\\n ノイズがそこまで迫ってきてますッ!」", | |||
"201010041_18": "「でもッ! 響がいたかもしれないのにッ!\\n 響ッ! 響ぃ―――ッ!!」", | |||
"201010041_19": "(人が邪魔……でも、こっちに逃げてきてるから、\\n 多分、この辺りまでノイズが――)", | |||
"201010041_20": "「<size=27>響ぃ―――ッ!!</size>」", | |||
"201010041_21": "「ん? 今誰か……」", | |||
"201010041_22": "「…………」", | |||
"201010041_23": "「……気のせい、だよね」", | |||
"201010041_24": "「いた、こいつらだ……」", | |||
"201010041_25": "(……さっき、誰かに呼ばれたような気もしたけど……)", | |||
"201010041_26": "「……そんなわけない。\\n わたしのことなんて、誰も気にしないんだから……」", | |||
"201010041_27": "「Balwisyall Nescell gungnir tron――」", | |||
"201010041_28": "「わたしはただ、こいつらを壊すだけ……」", | |||
"201010041_29": "「――ッ!?」", | |||
"201010041_30": "(ノイズの足元の、あれは……)", | |||
"201010041_31": "「ウサギ柄の、タオル……」", | |||
"201010041_32": "「あのね、これッ!\\n うさちゃんタオル、あげるッ!」", | |||
"201010041_33": "「……え?」", | |||
"201010041_34": "「あの、よかったら使ってください。\\n 濡れたままだと、風邪をひいてしまいますから……」", | |||
"201010041_35": "「…………」", | |||
"201010041_36": "(……やっぱり、みんないなくなるんだ。みんな……)", | |||
"201010041_37": "「……お前たちの、せいだ。\\n 全部、全部――ッ!」", | |||
"201010041_38": "「……壊してやる、この拳で。\\n お前たちなんて、全部……粉々にしてやる――ッ!!」" | |||
{ | |||
"201010041_0": "「くッ、この短期間に連続で出現するとはッ!\\n ――翼ッ!」", | |||
"201010041_1": "「既に迎撃中ですッ!\\n しかし、広範囲にノイズが現れており、全ての捕捉は――」", | |||
"201010041_2": "「わかった。翼はその場でノイズの対処を続けてくれッ!\\n こちらは避難誘導を進める」", | |||
"201010041_3": "「わかりました」", | |||
"201010041_4": "「聞いたな。\\n 避難指示を急げッ!」", | |||
"201010041_5": "「こちらです、焦らないでッ!\\n 前の人に続いて、避難してくださいッ!」", | |||
"201010041_6": "「ノイズが出るなんて……」", | |||
"201010041_7": "「き、来てるッ! ノイズがッ!\\n ――どけッ!」", | |||
"201010041_8": "「――きゃッ!?」", | |||
"201010041_9": "「あ、あの子のタオルが――ッ!」", | |||
"201010041_10": "(拾わないと。\\n でも、人が多くてこれじゃ――ッ!?)", | |||
"201010041_11": "「……あれ? 今の……?」", | |||
"201010041_12": "(人ごみの向こうに、一瞬響がいたような――)", | |||
"201010041_13": "(……気のせい?)", | |||
"201010041_14": "「いや、あれはきっと――」", | |||
"201010041_15": "「――あっちか」", | |||
"201010041_16": "「ま、待ってッ!」", | |||
"201010041_17": "「そちらはダメですッ!\\n ノイズがそこまで迫ってきてますッ!」", | |||
"201010041_18": "「でもッ! 響がいたかもしれないのにッ!\\n 響ッ! 響ぃ―――ッ!!」", | |||
"201010041_19": "(人が邪魔……でも、こっちに逃げてきてるから、\\n 多分、この辺りまでノイズが――)", | |||
"201010041_20": "「<size=27>響ぃ―――ッ!!</size>」", | |||
"201010041_21": "「ん? 今誰か……」", | |||
"201010041_22": "「…………」", | |||
"201010041_23": "「……気のせい、だよね」", | |||
"201010041_24": "「いた、こいつらだ……」", | |||
"201010041_25": "(……さっき、誰かに呼ばれたような気もしたけど……)", | |||
"201010041_26": "「……そんなわけない。\\n わたしのことなんて、誰も気にしないんだから……」", | |||
"201010041_27": "「Balwisyall Nescell gungnir tron――」", | |||
"201010041_28": "「わたしはただ、こいつらを壊すだけ……」", | |||
"201010041_29": "「――ッ!?」", | |||
"201010041_30": "(ノイズの足元の、あれは……)", | |||
"201010041_31": "「ウサギ柄の、タオル……」", | |||
"201010041_32": "「あのね、これッ!\\n うさちゃんタオル、あげるッ!」", | |||
"201010041_33": "「……え?」", | |||
"201010041_34": "「あの、よかったら使ってください。\\n 濡れたままだと、風邪をひいてしまいますから……」", | |||
"201010041_35": "「…………」", | |||
"201010041_36": "(……やっぱり、みんないなくなるんだ。みんな……)", | |||
"201010041_37": "「……お前たちの、せいだ。\\n 全部、全部――ッ!」", | |||
"201010041_38": "「……壊してやる、この拳で。\\n お前たちなんて、全部……粉々にしてやる――ッ!!」" | |||
} |
@@ -1,28 +1,28 @@ | |||
{ | |||
"201010042_0": "(さっきのは、やっぱり響だったのかな……?)", | |||
"201010042_1": "「はあ……」", | |||
"201010042_2": "(向こうはもう封鎖されちゃってるから、見に行けない)", | |||
"201010042_3": "「…………」", | |||
"201010042_4": "「……少しベンチで休もうかな」", | |||
"201010042_5": "「……すぅ、すぅ……ん……んぅ?」", | |||
"201010042_6": "「……あ、もうこんな時間ッ!」", | |||
"201010042_7": "(つい寝ちゃった……。\\n もうそろそろ帰らないといけない時間になってる……)", | |||
"201010042_8": "「はあ……今日もダメだった。次、来れるのはいつかなぁ。\\n またお小遣い貯めないと……」", | |||
"201010042_9": "(……でも、次は必ず。\\n 絶対、会えるまであきらめないんだから……)", | |||
"201010042_10": "「あれ? また雨……。\\n わッ、急いで帰らないとッ!」", | |||
"201010042_11": "「…………」", | |||
"201010042_12": "(ノイズは倒した……でも――)", | |||
"201010042_13": "「全然、気分が晴れない……」", | |||
"201010042_14": "(……わたし、なんのために戦ってんだろう……。\\n なんの意味があって、どうして――)", | |||
"201010042_15": "「あのね、これッ!\\n うさちゃんタオル、あげるッ!」", | |||
"201010042_16": "(――ッ! 関係ない……。誰かのためじゃない、\\n わたしはただ自分のために戦ってるんだッ!)", | |||
"201010042_17": "(誰が犠牲になったって、関係ない。\\n そんなの、どうしようもないことなんだから――ッ!)", | |||
"201010042_18": "(……雨、また降りだした……)", | |||
"201010042_19": "(……どうすれば気持ちが楽になるんだろう。\\n 何をすれば……、わからない……)", | |||
"201010042_20": "「どうして、わたしは生き残ったの……」", | |||
"201010042_21": "「わたしが、生きてる意味って何……」", | |||
"201010042_22": "「どうして……」", | |||
"201010042_23": "「誰か、教えてよ……苦しいよ……」", | |||
"201010042_24": "(……誰か、助けて……)", | |||
"201010042_25": "イベントストーリー『翳り裂く閃光』へと続く――" | |||
{ | |||
"201010042_0": "(さっきのは、やっぱり響だったのかな……?)", | |||
"201010042_1": "「はあ……」", | |||
"201010042_2": "(向こうはもう封鎖されちゃってるから、見に行けない)", | |||
"201010042_3": "「…………」", | |||
"201010042_4": "「……少しベンチで休もうかな」", | |||
"201010042_5": "「……すぅ、すぅ……ん……んぅ?」", | |||
"201010042_6": "「……あ、もうこんな時間ッ!」", | |||
"201010042_7": "(つい寝ちゃった……。\\n もうそろそろ帰らないといけない時間になってる……)", | |||
"201010042_8": "「はあ……今日もダメだった。次、来れるのはいつかなぁ。\\n またお小遣い貯めないと……」", | |||
"201010042_9": "(……でも、次は必ず。\\n 絶対、会えるまであきらめないんだから……)", | |||
"201010042_10": "「あれ? また雨……。\\n わッ、急いで帰らないとッ!」", | |||
"201010042_11": "「…………」", | |||
"201010042_12": "(ノイズは倒した……でも――)", | |||
"201010042_13": "「全然、気分が晴れない……」", | |||
"201010042_14": "(……わたし、なんのために戦ってんだろう……。\\n なんの意味があって、どうして――)", | |||
"201010042_15": "「あのね、これッ!\\n うさちゃんタオル、あげるッ!」", | |||
"201010042_16": "(――ッ! 関係ない……。誰かのためじゃない、\\n わたしはただ自分のために戦ってるんだッ!)", | |||
"201010042_17": "(誰が犠牲になったって、関係ない。\\n そんなの、どうしようもないことなんだから――ッ!)", | |||
"201010042_18": "(……雨、また降りだした……)", | |||
"201010042_19": "(……どうすれば気持ちが楽になるんだろう。\\n 何をすれば……、わからない……)", | |||
"201010042_20": "「どうして、わたしは生き残ったの……」", | |||
"201010042_21": "「わたしが、生きてる意味って何……」", | |||
"201010042_22": "「どうして……」", | |||
"201010042_23": "「誰か、教えてよ……苦しいよ……」", | |||
"201010042_24": "(……誰か、助けて……)", | |||
"201010042_25": "イベントストーリー『翳り裂く閃光』へと続く――" | |||
} |
@@ -1,97 +1,97 @@ | |||
{ | |||
"201010111_0": "コタツの魔力", | |||
"201010111_1": "「お、あたしが最後か……」", | |||
"201010111_2": "「クリスちゃん、おはよー。\\n 今日も寒いね」", | |||
"201010111_3": "「S.O.N.G.の中はそうでもないだろ?」", | |||
"201010111_4": "「そうだね。これで外みたいに寒かったら大変だよ。\\n 部屋に帰ればあったかいけどさー……」", | |||
"201010111_5": "「わたしと切ちゃんの部屋は、帰ってすぐはすごく寒いです……」", | |||
"201010111_6": "「帰るのも一緒デスからね……」", | |||
"201010111_7": "「うちも誰かいるわけじゃないし、帰ってすぐは寒いな」", | |||
"201010111_8": "「……まあ、それも昨日までだッ!」", | |||
"201010111_9": "「昨日までって……なんで?」", | |||
"201010111_10": "「聞いて驚けッ!\\n あたしは『コタツ』を買ったからな、もう余裕だッ!」", | |||
"201010111_11": "「へー、コタツ買ったんだ。あったかいよねッ!」", | |||
"201010111_12": "「な、なんデスと――ッ!?」", | |||
"201010111_13": "「入るものすべてを堕落させるという、魔性の暖房器具……。\\n しかも使い方次第で節電にもなる……」", | |||
"201010111_14": "「羨ましいデスッ!\\n ぜひとも体験したいデスッ!」", | |||
"201010111_15": "「うん、わたしも。どれだけあったかいのか知りたい……」", | |||
"201010111_16": "「2人とも興味津々だね。\\n ……ね、クリスちゃん?」", | |||
"201010111_17": "「な、なんだよ……」", | |||
"201010111_18": "「コタツのサイズってどれくらい?」", | |||
"201010111_19": "「これくらいだけど……」", | |||
"201010111_20": "「結構大きいね?」", | |||
"201010111_21": "「まあな。でかい方が便利だしな」", | |||
"201010111_22": "「それなら、訓練が終わったらみんなでクリスちゃんちの\\n 新品のコタツを体験しに行こうッ!」", | |||
"201010111_23": "「賛成デースッ!」", | |||
"201010111_24": "「賛成」", | |||
"201010111_25": "「はあッ!?\\n 何勝手に決めてんだッ!」", | |||
"201010111_26": "「あ、未来にも連絡しておこうっと」", | |||
"201010111_27": "「おい、あたしはまだ承諾してないッ!」", | |||
"201010111_28": "「いいじゃんいいじゃん。せっかくなんだし。\\n みんなでコタツでみかん食べようよッ!」", | |||
"201010111_29": "「やっぱり迷惑ですか?」", | |||
"201010111_30": "「……迷惑とは言ってないだろ」", | |||
"201010111_31": "「それじゃー、決まりデースッ!」", | |||
"201010111_32": "「いや、だから――」", | |||
"201010111_33": "「コタツ、楽しみデス」", | |||
"201010111_34": "「うん。体験してみて、場合によっては買うことも……」", | |||
"201010111_35": "「なんデスとッ!?\\n それはもっともっと楽しみデスッ!」", | |||
"201010111_36": "「お前たち……そろそろ訓練を……。\\n ダメか、聞いてないな……」", | |||
"201010111_37": "「たまにはいいじゃないですか、楽しそうで」", | |||
"201010111_38": "「ええ。気長に待ちましょう」", | |||
"201010111_39": "「買い物完了ッ!\\n 早く帰るデスッ!」", | |||
"201010111_40": "「急がなくてもコタツは逃げないよ、切ちゃん」", | |||
"201010111_41": "「ったく、あたしの都合も考えろよな……」", | |||
"201010111_42": "「ごめんね。\\n 無理矢理になっちゃって……」", | |||
"201010111_43": "「平気平気ッ!」", | |||
"201010111_44": "「お前が言うことかッ!」", | |||
"201010111_45": "「――あいたッ!?」", | |||
"201010111_46": "「でもやっぱりちょっと図々しかったかも……。\\n ごめんなさい」", | |||
"201010111_47": "「そうだね。夕食まで一緒にって……」", | |||
"201010111_48": "「……ま、まあ。せっかくでかいコタツ買ったしな。\\n たまにはいいんだよ、たまには……」", | |||
"201010111_49": "「やったッ! クリスちゃんから言質取ったッ!\\n これから寒い日は、クリスちゃんちに集合だねッ!」", | |||
"201010111_50": "「お前は少しは遠慮しろッ!」", | |||
"201010111_51": "「――あいたッ!?」", | |||
"201010111_52": "「ところで夕食は何を買ったんデスか?」", | |||
"201010111_53": "「常夜鍋がいいかなって……」", | |||
"201010111_54": "「鍋ッ!\\n コタツにはやっぱり鍋だよねッ!」", | |||
"201010111_55": "「お前、コタツにはみかんとか言ってなかったか……?」", | |||
"201010111_56": "「じょうやなべ? どんな鍋デスか?」", | |||
"201010111_57": "「わたしも知らないな……調ちゃん、教えてくれる?」", | |||
"201010111_58": "「普通の水炊きの一種です。\\n 豚肉とほうれん草をポン酢で食べる鍋なんですけど……」", | |||
"201010111_59": "「ご飯に合いそう、お腹減ってきた……」", | |||
"201010111_60": "「やっぱり急ぐデスよッ!\\n 早く鍋食べたいデスッ!」", | |||
"201010111_61": "「お前ら、目的変わってないか……?」", | |||
"201010111_62": "「たっだいまー」", | |||
"201010111_63": "「ただいまデースッ!」", | |||
"201010111_64": "「見つけたッ! あれが噂の――」", | |||
"201010111_65": "「コタツ、発見デスッ!」", | |||
"201010111_66": "「はぁ、あったかいねー」", | |||
"201010111_67": "「あったかいデス」", | |||
"201010111_68": "「2人とも一目散にコタツに入ったね……」", | |||
"201010111_69": "「幸せだねー……」", | |||
"201010111_70": "「幸せデース……」", | |||
"201010111_71": "「遠慮ってもんがないのかッ!」", | |||
"201010111_72": "「クリス先輩、キッチン使っていいですか?」", | |||
"201010111_73": "「ああ」", | |||
"201010111_74": "「ったく、あいつらは……」", | |||
"201010111_75": "「あ、わたしも何か手伝うよ」", | |||
"201010111_76": "「……道具の場所なら――って知ってるか。\\n 戦力外はほっといて、さっさと飯作るぞ」", | |||
"201010111_77": "「これで完成です」", | |||
"201010111_78": "「本当に簡単だね。でもすごくおいしそう」", | |||
"201010111_79": "「だな。食うのが楽しみだ」", | |||
"201010111_80": "「はい、シンプルだけど毎日食べても飽きないから、\\n 常夜鍋って名前になったらしいです」", | |||
"201010111_81": "「それじゃバカ2人のいるコタツに運んで食べるか」", | |||
"201010111_82": "「そうだね、みんなでご飯にしよう」", | |||
"201010111_83": "「おい、お前らッ!\\n 飯の時間――って……」", | |||
"201010111_84": "「すぅ、すぅ……」", | |||
"201010111_85": "「むにゃ……もう食べられないデス……」", | |||
"201010111_86": "「寝ちゃってる……」", | |||
"201010111_87": "「コタツが気持ちよかったのかな?\\n 疲れてたみたいだし」", | |||
"201010111_88": "「よだれ垂らしたりしてなきゃいいんだけどな……」", | |||
"201010111_89": "「どうしよう、先に食べますか?」", | |||
"201010111_90": "「どうしよう?」", | |||
"201010111_91": "「こいつら、起きた時に晩飯が無かったらうるさいだろ。\\n テレビでも見て、起きるまで待ちゃいい」", | |||
"201010111_92": "「晩飯は鍋だし、すぐに温め直せるしな」", | |||
"201010111_93": "「そうだね。\\n それじゃみんなでコタツに入ってゆっくりしようか」", | |||
"201010111_94": "「はい」" | |||
{ | |||
"201010111_0": "コタツの魔力", | |||
"201010111_1": "「お、あたしが最後か……」", | |||
"201010111_2": "「クリスちゃん、おはよー。\\n 今日も寒いね」", | |||
"201010111_3": "「S.O.N.G.の中はそうでもないだろ?」", | |||
"201010111_4": "「そうだね。これで外みたいに寒かったら大変だよ。\\n 部屋に帰ればあったかいけどさー……」", | |||
"201010111_5": "「わたしと切ちゃんの部屋は、帰ってすぐはすごく寒いです……」", | |||
"201010111_6": "「帰るのも一緒デスからね……」", | |||
"201010111_7": "「うちも誰かいるわけじゃないし、帰ってすぐは寒いな」", | |||
"201010111_8": "「……まあ、それも昨日までだッ!」", | |||
"201010111_9": "「昨日までって……なんで?」", | |||
"201010111_10": "「聞いて驚けッ!\\n あたしは『コタツ』を買ったからな、もう余裕だッ!」", | |||
"201010111_11": "「へー、コタツ買ったんだ。あったかいよねッ!」", | |||
"201010111_12": "「な、なんデスと――ッ!?」", | |||
"201010111_13": "「入るものすべてを堕落させるという、魔性の暖房器具……。\\n しかも使い方次第で節電にもなる……」", | |||
"201010111_14": "「羨ましいデスッ!\\n ぜひとも体験したいデスッ!」", | |||
"201010111_15": "「うん、わたしも。どれだけあったかいのか知りたい……」", | |||
"201010111_16": "「2人とも興味津々だね。\\n ……ね、クリスちゃん?」", | |||
"201010111_17": "「な、なんだよ……」", | |||
"201010111_18": "「コタツのサイズってどれくらい?」", | |||
"201010111_19": "「これくらいだけど……」", | |||
"201010111_20": "「結構大きいね?」", | |||
"201010111_21": "「まあな。でかい方が便利だしな」", | |||
"201010111_22": "「それなら、訓練が終わったらみんなでクリスちゃんちの\\n 新品のコタツを体験しに行こうッ!」", | |||
"201010111_23": "「賛成デースッ!」", | |||
"201010111_24": "「賛成」", | |||
"201010111_25": "「はあッ!?\\n 何勝手に決めてんだッ!」", | |||
"201010111_26": "「あ、未来にも連絡しておこうっと」", | |||
"201010111_27": "「おい、あたしはまだ承諾してないッ!」", | |||
"201010111_28": "「いいじゃんいいじゃん。せっかくなんだし。\\n みんなでコタツでみかん食べようよッ!」", | |||
"201010111_29": "「やっぱり迷惑ですか?」", | |||
"201010111_30": "「……迷惑とは言ってないだろ」", | |||
"201010111_31": "「それじゃー、決まりデースッ!」", | |||
"201010111_32": "「いや、だから――」", | |||
"201010111_33": "「コタツ、楽しみデス」", | |||
"201010111_34": "「うん。体験してみて、場合によっては買うことも……」", | |||
"201010111_35": "「なんデスとッ!?\\n それはもっともっと楽しみデスッ!」", | |||
"201010111_36": "「お前たち……そろそろ訓練を……。\\n ダメか、聞いてないな……」", | |||
"201010111_37": "「たまにはいいじゃないですか、楽しそうで」", | |||
"201010111_38": "「ええ。気長に待ちましょう」", | |||
"201010111_39": "「買い物完了ッ!\\n 早く帰るデスッ!」", | |||
"201010111_40": "「急がなくてもコタツは逃げないよ、切ちゃん」", | |||
"201010111_41": "「ったく、あたしの都合も考えろよな……」", | |||
"201010111_42": "「ごめんね。\\n 無理矢理になっちゃって……」", | |||
"201010111_43": "「平気平気ッ!」", | |||
"201010111_44": "「お前が言うことかッ!」", | |||
"201010111_45": "「――あいたッ!?」", | |||
"201010111_46": "「でもやっぱりちょっと図々しかったかも……。\\n ごめんなさい」", | |||
"201010111_47": "「そうだね。夕食まで一緒にって……」", | |||
"201010111_48": "「……ま、まあ。せっかくでかいコタツ買ったしな。\\n たまにはいいんだよ、たまには……」", | |||
"201010111_49": "「やったッ! クリスちゃんから言質取ったッ!\\n これから寒い日は、クリスちゃんちに集合だねッ!」", | |||
"201010111_50": "「お前は少しは遠慮しろッ!」", | |||
"201010111_51": "「――あいたッ!?」", | |||
"201010111_52": "「ところで夕食は何を買ったんデスか?」", | |||
"201010111_53": "「常夜鍋がいいかなって……」", | |||
"201010111_54": "「鍋ッ!\\n コタツにはやっぱり鍋だよねッ!」", | |||
"201010111_55": "「お前、コタツにはみかんとか言ってなかったか……?」", | |||
"201010111_56": "「じょうやなべ? どんな鍋デスか?」", | |||
"201010111_57": "「わたしも知らないな……調ちゃん、教えてくれる?」", | |||
"201010111_58": "「普通の水炊きの一種です。\\n 豚肉とほうれん草をポン酢で食べる鍋なんですけど……」", | |||
"201010111_59": "「ご飯に合いそう、お腹減ってきた……」", | |||
"201010111_60": "「やっぱり急ぐデスよッ!\\n 早く鍋食べたいデスッ!」", | |||
"201010111_61": "「お前ら、目的変わってないか……?」", | |||
"201010111_62": "「たっだいまー」", | |||
"201010111_63": "「ただいまデースッ!」", | |||
"201010111_64": "「見つけたッ! あれが噂の――」", | |||
"201010111_65": "「コタツ、発見デスッ!」", | |||
"201010111_66": "「はぁ、あったかいねー」", | |||
"201010111_67": "「あったかいデス」", | |||
"201010111_68": "「2人とも一目散にコタツに入ったね……」", | |||
"201010111_69": "「幸せだねー……」", | |||
"201010111_70": "「幸せデース……」", | |||
"201010111_71": "「遠慮ってもんがないのかッ!」", | |||
"201010111_72": "「クリス先輩、キッチン使っていいですか?」", | |||
"201010111_73": "「ああ」", | |||
"201010111_74": "「ったく、あいつらは……」", | |||
"201010111_75": "「あ、わたしも何か手伝うよ」", | |||
"201010111_76": "「……道具の場所なら――って知ってるか。\\n 戦力外はほっといて、さっさと飯作るぞ」", | |||
"201010111_77": "「これで完成です」", | |||
"201010111_78": "「本当に簡単だね。でもすごくおいしそう」", | |||
"201010111_79": "「だな。食うのが楽しみだ」", | |||
"201010111_80": "「はい、シンプルだけど毎日食べても飽きないから、\\n 常夜鍋って名前になったらしいです」", | |||
"201010111_81": "「それじゃバカ2人のいるコタツに運んで食べるか」", | |||
"201010111_82": "「そうだね、みんなでご飯にしよう」", | |||
"201010111_83": "「おい、お前らッ!\\n 飯の時間――って……」", | |||
"201010111_84": "「すぅ、すぅ……」", | |||
"201010111_85": "「むにゃ……もう食べられないデス……」", | |||
"201010111_86": "「寝ちゃってる……」", | |||
"201010111_87": "「コタツが気持ちよかったのかな?\\n 疲れてたみたいだし」", | |||
"201010111_88": "「よだれ垂らしたりしてなきゃいいんだけどな……」", | |||
"201010111_89": "「どうしよう、先に食べますか?」", | |||
"201010111_90": "「どうしよう?」", | |||
"201010111_91": "「こいつら、起きた時に晩飯が無かったらうるさいだろ。\\n テレビでも見て、起きるまで待ちゃいい」", | |||
"201010111_92": "「晩飯は鍋だし、すぐに温め直せるしな」", | |||
"201010111_93": "「そうだね。\\n それじゃみんなでコタツに入ってゆっくりしようか」", | |||
"201010111_94": "「はい」" | |||
} |
@@ -1,140 +1,140 @@ | |||
{ | |||
"201010211_0": "優しさのお返しに", | |||
"201010211_1": "「どうだ、そっちの被害の状況は?」", | |||
"201010211_2": "「木が数本、倒されているくらいで、問題ありません」", | |||
"201010211_3": "「こっちも、似たようなもんだな」", | |||
"201010211_4": "「みんな、お疲れ様です。\\n あとの処理は、こちらで行いますね」", | |||
"201010211_5": "「森や林の中の戦闘は、足場の悪さで苦労するデス」", | |||
"201010211_6": "「そうだね。木々にギアも引っかかるし、気を遣うよ」", | |||
"201010211_7": "「そういえば切歌、戦闘中に転んでたけど……、大丈夫なの?」", | |||
"201010211_8": "「見られてたデスか?\\n 恥ずかしいから、言わないでほしいデス……」", | |||
"201010211_9": "「みんな、あったかいもの、どうぞ」", | |||
"201010211_10": "「あったかいもの、どうもデース」", | |||
"201010211_11": "「はーッ……、戦闘後の1杯は、染みるデスねー」", | |||
"201010211_12": "「切歌ちゃん、怪我は大丈夫?」", | |||
"201010211_13": "「だ、大丈夫デスよッ!」", | |||
"201010211_14": "「一応、医療班に見てもらいましょうか」", | |||
"201010211_15": "「これくらい、ツバをつけとけば治るデス」", | |||
"201010211_16": "「……確かに軽傷みたいね。でも、女の子なんだから痕が\\n 残ったら大変よ。ちゃんと見てもらいましょう、ね?」", | |||
"201010211_17": "「……確かに痕は嫌デスね。了解デス」", | |||
"201010211_18": "「……」", | |||
"201010211_19": "「どうしたの、切ちゃん。\\n 傷が痛む?」", | |||
"201010211_20": "「傷は全然、痛まないデスよ。\\n あの程度の傷に、この包帯は大げさすぎデス」", | |||
"201010211_21": "「でも、心、ここにあらずって感じだったよ」", | |||
"201010211_22": "「そうデスか?\\n ちょっと、考えごとをしていたからデスね」", | |||
"201010211_23": "「考えごと?」", | |||
"201010211_24": "「友里さんの気遣いに、感心していたデス」", | |||
"201010211_25": "「いつもアタシたち装者を見て、ちゃんと気を配ってくれて、\\n フォローをくれるの……、嬉しいデスよね」", | |||
"201010211_26": "「そうだね。S.O.N.G.の任務は危険で、\\n 殺伐としそうになることも多いはずだけど……」", | |||
"201010211_27": "「友里さんが立ち回って空気をやわらげてくれるから、\\n ずいぶん救われていると思うよ」", | |||
"201010211_28": "「言われてみれば、その通りデスッ!\\n すごい人デースッ!」", | |||
"201010211_29": "「アタシもあんな風に、\\n みんなの空気をよくしたいデス……」", | |||
"201010211_30": "「切ちゃんは、十分、\\n みんなの空気をよくしているよ」", | |||
"201010211_31": "「よしッ、決めたデスッ!\\n アタシも気配りの達人になるデスッ!」", | |||
"201010211_32": "「その第1歩として、まずは友里さんに気配りの\\n お返しをして、ホッとしてもらうデスッ!」", | |||
"201010211_33": "「そ、そう……、頑張って……」", | |||
"201010211_34": "「みなさん、おはようデースッ!」", | |||
"201010211_35": "「おはよう、切歌ちゃん。傷の具合はどう?」", | |||
"201010211_36": "「もうバッチリデス。痛くもなんともないデス」", | |||
"201010211_37": "「そう、よかったわ。\\n でも何かあったら、すぐに私か医療班に言ってね」", | |||
"201010211_38": "「ありがとうございます。友里さんも、\\n アタシにしてほしいことがあったら、言ってほしいデス」", | |||
"201010211_39": "「というか、してほしいことはないデスか?」", | |||
"201010211_40": "「えッ、してほしいこと……?」", | |||
"201010211_41": "「なんでもいいデスよ」", | |||
"201010211_42": "「うーん、今は思い浮かばないかな」", | |||
"201010211_43": "「そうデスか、残念デス……」", | |||
"201010211_44": "「……そうね。\\n じゃあ、何か思いついたらお願いしようかしら」", | |||
"201010211_45": "「その時は、よろしくね」", | |||
"201010211_46": "「はいッ! ドーンと頼ってほしいデスッ!」", | |||
"201010211_47": "「それはストレート過ぎるよ、切ちゃん……」", | |||
"201010211_48": "「あら、何を見ているの?\\n 何か新しい遊び?」", | |||
"201010211_49": "「……ううん、切ちゃんなりの努力」", | |||
"201010211_50": "「さっきは上手くいかなかったデスけど、\\n アタシにはまだ秘策があるデスッ!」", | |||
"201010211_51": "「友里さんといえば、みんなをホッとさせるあったかいもの……」", | |||
"201010211_52": "「つまりアタシも見習って、あったかいお茶を\\n 差し入れするデ……」", | |||
"201010211_53": "「わぶッ!」", | |||
"201010211_54": "「切歌くんッ!? 大丈夫か?」", | |||
"201010211_55": "「あちッ! あちちッ!」", | |||
"201010211_56": "「お茶をかぶったのかッ?\\n おいッ、誰か来てくれッ!」", | |||
"201010211_57": "「どうしました、司令ッ!」", | |||
"201010211_58": "「俺とぶつかった際、\\n 切歌くんがお茶をかぶってしまったようだ」", | |||
"201010211_59": "「大変ッ、急いで冷やさないとッ!」", | |||
"201010211_60": "「だ、大丈夫デスッ!\\n そんなに熱いお茶じゃないデス」", | |||
"201010211_61": "「ちょっと驚いただけデスから……」", | |||
"201010211_62": "「それでも冷やさないとダメよ。\\n 急いでメディカルルームに行きましょう」", | |||
"201010211_63": "「でも、通路を水浸しにしたままデス……」", | |||
"201010211_64": "「そんなことを気にしている場合じゃないだろう。\\n ここは俺が片付けておくから、早くメディカルルームに行くんだ」", | |||
"201010211_65": "「は、はい……。色々と、ごめんなさいデス……」", | |||
"201010211_66": "「はあ……ッ。気配りでホッとしてもらうつもりだったのに、\\n 逆に気を遣わせてしまったデス……」", | |||
"201010211_67": "「でも、まだこれからデスッ!\\n バッチリ気配りの達人をして、汚名を挽回するデスッ!」", | |||
"201010211_68": "「それを言うなら汚名返上。\\n 汚名は挽回したらダメだよ……」", | |||
"201010211_69": "「あれ? 違ったデスか?」", | |||
"201010211_70": "「具合はどう?\\n お茶をかぶったところは、ヒリヒリしてないかしら?」", | |||
"201010211_71": "「この通り、大丈夫デース。\\n 服も調が取ってきてくれたデス」", | |||
"201010211_72": "「そう、よかった。手にお茶を持っているときは、\\n いつも以上に注意して歩かないとダメよ」", | |||
"201010211_73": "「毎度毎度、迷惑をかけて、ホント、申し訳ないデス」", | |||
"201010211_74": "「いいのよ、そんなこと気にしないで。\\n お茶をかぶった服、乾いたから持ってきたわ」", | |||
"201010211_75": "「えッ? 服を乾かしてくれたデスか?」", | |||
"201010211_76": "「備え付けの洗濯洗剤と柔軟剤だから、\\n いつもと香りが違うかもしれないけど」", | |||
"201010211_77": "「そんなの気にしないデスよッ!」", | |||
"201010211_78": "「着替えるなら更衣室を使っていいから。\\n それじゃあ、気をつけて帰ってね」", | |||
"201010211_79": "「ご迷惑をおかけしました」", | |||
"201010211_80": "「ありがとデースッ!」", | |||
"201010211_81": "「やっぱり友里さんの気遣いは、絶妙にして絶品デスね。\\n こっちの気持ちまで、ポカポカしてくるようで……」", | |||
"201010211_82": "「まだ続けるの、切ちゃん?」", | |||
"201010211_83": "「もちろんデスッ! このままだともらう一方デス。\\n 必ず一矢報いてみせるデスよッ! 一撃必殺デースッ!」", | |||
"201010211_84": "「今から狩りに行くみたいになってるよ、切ちゃん……」", | |||
"201010211_85": "「こうなったら作戦を変更デス。\\n がむしゃらに気遣いしても、空回りするだけデス」", | |||
"201010211_86": "「敵を知れば、なんとやらって言うデスからね」", | |||
"201010211_87": "「司令、資料をまとめておいたので、確認をお願いします」", | |||
"201010211_88": "「助かる。それと明後日の会合だが、\\n スケジュールが変更になった。悪いが調整を頼む」", | |||
"201010211_89": "「はい、わかりました」", | |||
"201010211_90": "「急な変更にも、顔色ひとつ変えないで応じる……。\\n 気配りだけでなく、業務の達人デスね……」", | |||
"201010211_91": "「あったかいもの、どうぞ」", | |||
"201010211_92": "「あったかいもの、どうも」", | |||
"201010211_93": "「今日は定時で帰れそう?」", | |||
"201010211_94": "「ちょっと無理かな。\\n 未整理の書類が、山ほど残っているからね」", | |||
"201010211_95": "「そう。でも、あまり根を詰めすぎないようにね。\\n 手が空いたら、私もフォローに入るから」", | |||
"201010211_96": "「自分がどんなに忙しくても、\\n 同僚への気配りも欠かさない……」", | |||
"201010211_97": "「うーん、さすがデスね。\\n 見習うべきところが、いっぱいあるデス」", | |||
"201010211_98": "「そうだね……」", | |||
"201010211_99": "「ふあぁ……。\\n 今日は疲れたからか、眠くなってきたデス……」", | |||
"201010211_100": "「切ちゃん、大丈夫?\\n 寝るならちゃんと帰らないと……」", | |||
"201010211_101": "「でも、友里さんの1日を見届けないと……。\\n 帰れない……、デス……」", | |||
"201010211_102": "「切ちゃん、切ちゃん……?」", | |||
"201010211_103": "「もう……」", | |||
"201010211_104": "「はッ!」", | |||
"201010211_105": "「寝ちゃってたデスか?\\n でも、なんで広間にいるデス?」", | |||
"201010211_106": "「起きたの? 切ちゃん」", | |||
"201010211_107": "「調ッ!?」", | |||
"201010211_108": "「こんなところで寝たら、\\n いくら切ちゃんでも風邪ひいちゃうよ」", | |||
"201010211_109": "「そうデスッ!\\n 友里さんを観察している最中、眠くなって……」", | |||
"201010211_110": "「調が運んでくれたデスか?」", | |||
"201010211_111": "「そうだよ」", | |||
"201010211_112": "「毛布をかけてくれたのも?」", | |||
"201010211_113": "「うん」", | |||
"201010211_114": "「さすが調デース。調はいつも、\\n アタシがしてほしいことに気づいてくれるデス」", | |||
"201010211_115": "「友里さんに負けず劣らずの、気配りの達人デスッ!」", | |||
"201010211_116": "「そんなことないよ。\\n わたしが見ているのは、切ちゃんだけだもの」", | |||
"201010211_117": "「それに切ちゃんだって、わたしをよく見て、\\n してほしいことをしてくれてるよ」", | |||
"201010211_118": "「それって……、アタシも調には気配りができているって\\n ことデスか?」", | |||
"201010211_119": "「うん、いつも助かっているよ。\\n 切ちゃん、気配りを難しく考えすぎなんじゃないかな」", | |||
"201010211_120": "(気配りの秘訣は、相手をよく見ること……)", | |||
"201010211_121": "「はあ……、あの資料は……」", | |||
"201010211_122": "(友里さん、よく見れば疲れた顔をしているデス。\\n それに頻繁に、肩を叩いているデスね……)", | |||
"201010211_123": "「お疲れ様デス……」", | |||
"201010211_124": "「あら、こんな時間にどうしたの?\\n 夜遅くに帰るのは危ないわよ」", | |||
"201010211_125": "「少しだけ、時間をもらっていいデスか?\\n 終わったら、すぐに帰るデスから……」", | |||
"201010211_126": "「いいけど……」", | |||
"201010211_127": "「こんなことしか、できないデスけど……」", | |||
"201010211_128": "「あッ、んッ……」", | |||
"201010211_129": "「切歌ちゃんに肩を揉んでもらうなんて、悪いわ……」", | |||
"201010211_130": "「普段、それ以上に気遣ってもらってるから、\\n 気にしないでほしいデス」", | |||
"201010211_131": "「はあッ……、気持ちいい……」", | |||
"201010211_132": "「切歌ちゃんが、こんなにマッサージが上手いなんて、\\n 知らなかったわ」", | |||
"201010211_133": "「お言葉に甘えて、少し揉んでもらっちゃおうかな」", | |||
"201010211_134": "「友里さんの時間が許すなら、ずっと揉んでもいいデス」", | |||
"201010211_135": "「嬉しいけれど、疲れたら無理をしないで終わりにしてね」", | |||
"201010211_136": "「日頃から鍛えているデスよ、そう簡単には疲れないデス」", | |||
"201010211_137": "(やっと、役に立てて嬉しいデス。\\n 気遣いって、する方も嬉しくなるんデスね)" | |||
{ | |||
"201010211_0": "優しさのお返しに", | |||
"201010211_1": "「どうだ、そっちの被害の状況は?」", | |||
"201010211_2": "「木が数本、倒されているくらいで、問題ありません」", | |||
"201010211_3": "「こっちも、似たようなもんだな」", | |||
"201010211_4": "「みんな、お疲れ様です。\\n あとの処理は、こちらで行いますね」", | |||
"201010211_5": "「森や林の中の戦闘は、足場の悪さで苦労するデス」", | |||
"201010211_6": "「そうだね。木々にギアも引っかかるし、気を遣うよ」", | |||
"201010211_7": "「そういえば切歌、戦闘中に転んでたけど……、大丈夫なの?」", | |||
"201010211_8": "「見られてたデスか?\\n 恥ずかしいから、言わないでほしいデス……」", | |||
"201010211_9": "「みんな、あったかいもの、どうぞ」", | |||
"201010211_10": "「あったかいもの、どうもデース」", | |||
"201010211_11": "「はーッ……、戦闘後の1杯は、染みるデスねー」", | |||
"201010211_12": "「切歌ちゃん、怪我は大丈夫?」", | |||
"201010211_13": "「だ、大丈夫デスよッ!」", | |||
"201010211_14": "「一応、医療班に見てもらいましょうか」", | |||
"201010211_15": "「これくらい、ツバをつけとけば治るデス」", | |||
"201010211_16": "「……確かに軽傷みたいね。でも、女の子なんだから痕が\\n 残ったら大変よ。ちゃんと見てもらいましょう、ね?」", | |||
"201010211_17": "「……確かに痕は嫌デスね。了解デス」", | |||
"201010211_18": "「……」", | |||
"201010211_19": "「どうしたの、切ちゃん。\\n 傷が痛む?」", | |||
"201010211_20": "「傷は全然、痛まないデスよ。\\n あの程度の傷に、この包帯は大げさすぎデス」", | |||
"201010211_21": "「でも、心、ここにあらずって感じだったよ」", | |||
"201010211_22": "「そうデスか?\\n ちょっと、考えごとをしていたからデスね」", | |||
"201010211_23": "「考えごと?」", | |||
"201010211_24": "「友里さんの気遣いに、感心していたデス」", | |||
"201010211_25": "「いつもアタシたち装者を見て、ちゃんと気を配ってくれて、\\n フォローをくれるの……、嬉しいデスよね」", | |||
"201010211_26": "「そうだね。S.O.N.G.の任務は危険で、\\n 殺伐としそうになることも多いはずだけど……」", | |||
"201010211_27": "「友里さんが立ち回って空気をやわらげてくれるから、\\n ずいぶん救われていると思うよ」", | |||
"201010211_28": "「言われてみれば、その通りデスッ!\\n すごい人デースッ!」", | |||
"201010211_29": "「アタシもあんな風に、\\n みんなの空気をよくしたいデス……」", | |||
"201010211_30": "「切ちゃんは、十分、\\n みんなの空気をよくしているよ」", | |||
"201010211_31": "「よしッ、決めたデスッ!\\n アタシも気配りの達人になるデスッ!」", | |||
"201010211_32": "「その第1歩として、まずは友里さんに気配りの\\n お返しをして、ホッとしてもらうデスッ!」", | |||
"201010211_33": "「そ、そう……、頑張って……」", | |||
"201010211_34": "「みなさん、おはようデースッ!」", | |||
"201010211_35": "「おはよう、切歌ちゃん。傷の具合はどう?」", | |||
"201010211_36": "「もうバッチリデス。痛くもなんともないデス」", | |||
"201010211_37": "「そう、よかったわ。\\n でも何かあったら、すぐに私か医療班に言ってね」", | |||
"201010211_38": "「ありがとうございます。友里さんも、\\n アタシにしてほしいことがあったら、言ってほしいデス」", | |||
"201010211_39": "「というか、してほしいことはないデスか?」", | |||
"201010211_40": "「えッ、してほしいこと……?」", | |||
"201010211_41": "「なんでもいいデスよ」", | |||
"201010211_42": "「うーん、今は思い浮かばないかな」", | |||
"201010211_43": "「そうデスか、残念デス……」", | |||
"201010211_44": "「……そうね。\\n じゃあ、何か思いついたらお願いしようかしら」", | |||
"201010211_45": "「その時は、よろしくね」", | |||
"201010211_46": "「はいッ! ドーンと頼ってほしいデスッ!」", | |||
"201010211_47": "「それはストレート過ぎるよ、切ちゃん……」", | |||
"201010211_48": "「あら、何を見ているの?\\n 何か新しい遊び?」", | |||
"201010211_49": "「……ううん、切ちゃんなりの努力」", | |||
"201010211_50": "「さっきは上手くいかなかったデスけど、\\n アタシにはまだ秘策があるデスッ!」", | |||
"201010211_51": "「友里さんといえば、みんなをホッとさせるあったかいもの……」", | |||
"201010211_52": "「つまりアタシも見習って、あったかいお茶を\\n 差し入れするデ……」", | |||
"201010211_53": "「わぶッ!」", | |||
"201010211_54": "「切歌くんッ!? 大丈夫か?」", | |||
"201010211_55": "「あちッ! あちちッ!」", | |||
"201010211_56": "「お茶をかぶったのかッ?\\n おいッ、誰か来てくれッ!」", | |||
"201010211_57": "「どうしました、司令ッ!」", | |||
"201010211_58": "「俺とぶつかった際、\\n 切歌くんがお茶をかぶってしまったようだ」", | |||
"201010211_59": "「大変ッ、急いで冷やさないとッ!」", | |||
"201010211_60": "「だ、大丈夫デスッ!\\n そんなに熱いお茶じゃないデス」", | |||
"201010211_61": "「ちょっと驚いただけデスから……」", | |||
"201010211_62": "「それでも冷やさないとダメよ。\\n 急いでメディカルルームに行きましょう」", | |||
"201010211_63": "「でも、通路を水浸しにしたままデス……」", | |||
"201010211_64": "「そんなことを気にしている場合じゃないだろう。\\n ここは俺が片付けておくから、早くメディカルルームに行くんだ」", | |||
"201010211_65": "「は、はい……。色々と、ごめんなさいデス……」", | |||
"201010211_66": "「はあ……ッ。気配りでホッとしてもらうつもりだったのに、\\n 逆に気を遣わせてしまったデス……」", | |||
"201010211_67": "「でも、まだこれからデスッ!\\n バッチリ気配りの達人をして、汚名を挽回するデスッ!」", | |||
"201010211_68": "「それを言うなら汚名返上。\\n 汚名は挽回したらダメだよ……」", | |||
"201010211_69": "「あれ? 違ったデスか?」", | |||
"201010211_70": "「具合はどう?\\n お茶をかぶったところは、ヒリヒリしてないかしら?」", | |||
"201010211_71": "「この通り、大丈夫デース。\\n 服も調が取ってきてくれたデス」", | |||
"201010211_72": "「そう、よかった。手にお茶を持っているときは、\\n いつも以上に注意して歩かないとダメよ」", | |||
"201010211_73": "「毎度毎度、迷惑をかけて、ホント、申し訳ないデス」", | |||
"201010211_74": "「いいのよ、そんなこと気にしないで。\\n お茶をかぶった服、乾いたから持ってきたわ」", | |||
"201010211_75": "「えッ? 服を乾かしてくれたデスか?」", | |||
"201010211_76": "「備え付けの洗濯洗剤と柔軟剤だから、\\n いつもと香りが違うかもしれないけど」", | |||
"201010211_77": "「そんなの気にしないデスよッ!」", | |||
"201010211_78": "「着替えるなら更衣室を使っていいから。\\n それじゃあ、気をつけて帰ってね」", | |||
"201010211_79": "「ご迷惑をおかけしました」", | |||
"201010211_80": "「ありがとデースッ!」", | |||
"201010211_81": "「やっぱり友里さんの気遣いは、絶妙にして絶品デスね。\\n こっちの気持ちまで、ポカポカしてくるようで……」", | |||
"201010211_82": "「まだ続けるの、切ちゃん?」", | |||
"201010211_83": "「もちろんデスッ! このままだともらう一方デス。\\n 必ず一矢報いてみせるデスよッ! 一撃必殺デースッ!」", | |||
"201010211_84": "「今から狩りに行くみたいになってるよ、切ちゃん……」", | |||
"201010211_85": "「こうなったら作戦を変更デス。\\n がむしゃらに気遣いしても、空回りするだけデス」", | |||
"201010211_86": "「敵を知れば、なんとやらって言うデスからね」", | |||
"201010211_87": "「司令、資料をまとめておいたので、確認をお願いします」", | |||
"201010211_88": "「助かる。それと明後日の会合だが、\\n スケジュールが変更になった。悪いが調整を頼む」", | |||
"201010211_89": "「はい、わかりました」", | |||
"201010211_90": "「急な変更にも、顔色ひとつ変えないで応じる……。\\n 気配りだけでなく、業務の達人デスね……」", | |||
"201010211_91": "「あったかいもの、どうぞ」", | |||
"201010211_92": "「あったかいもの、どうも」", | |||
"201010211_93": "「今日は定時で帰れそう?」", | |||
"201010211_94": "「ちょっと無理かな。\\n 未整理の書類が、山ほど残っているからね」", | |||
"201010211_95": "「そう。でも、あまり根を詰めすぎないようにね。\\n 手が空いたら、私もフォローに入るから」", | |||
"201010211_96": "「自分がどんなに忙しくても、\\n 同僚への気配りも欠かさない……」", | |||
"201010211_97": "「うーん、さすがデスね。\\n 見習うべきところが、いっぱいあるデス」", | |||
"201010211_98": "「そうだね……」", | |||
"201010211_99": "「ふあぁ……。\\n 今日は疲れたからか、眠くなってきたデス……」", | |||
"201010211_100": "「切ちゃん、大丈夫?\\n 寝るならちゃんと帰らないと……」", | |||
"201010211_101": "「でも、友里さんの1日を見届けないと……。\\n 帰れない……、デス……」", | |||
"201010211_102": "「切ちゃん、切ちゃん……?」", | |||
"201010211_103": "「もう……」", | |||
"201010211_104": "「はッ!」", | |||
"201010211_105": "「寝ちゃってたデスか?\\n でも、なんで広間にいるデス?」", | |||
"201010211_106": "「起きたの? 切ちゃん」", | |||
"201010211_107": "「調ッ!?」", | |||
"201010211_108": "「こんなところで寝たら、\\n いくら切ちゃんでも風邪ひいちゃうよ」", | |||
"201010211_109": "「そうデスッ!\\n 友里さんを観察している最中、眠くなって……」", | |||
"201010211_110": "「調が運んでくれたデスか?」", | |||
"201010211_111": "「そうだよ」", | |||
"201010211_112": "「毛布をかけてくれたのも?」", | |||
"201010211_113": "「うん」", | |||
"201010211_114": "「さすが調デース。調はいつも、\\n アタシがしてほしいことに気づいてくれるデス」", | |||
"201010211_115": "「友里さんに負けず劣らずの、気配りの達人デスッ!」", | |||
"201010211_116": "「そんなことないよ。\\n わたしが見ているのは、切ちゃんだけだもの」", | |||
"201010211_117": "「それに切ちゃんだって、わたしをよく見て、\\n してほしいことをしてくれてるよ」", | |||
"201010211_118": "「それって……、アタシも調には気配りができているって\\n ことデスか?」", | |||
"201010211_119": "「うん、いつも助かっているよ。\\n 切ちゃん、気配りを難しく考えすぎなんじゃないかな」", | |||
"201010211_120": "(気配りの秘訣は、相手をよく見ること……)", | |||
"201010211_121": "「はあ……、あの資料は……」", | |||
"201010211_122": "(友里さん、よく見れば疲れた顔をしているデス。\\n それに頻繁に、肩を叩いているデスね……)", | |||
"201010211_123": "「お疲れ様デス……」", | |||
"201010211_124": "「あら、こんな時間にどうしたの?\\n 夜遅くに帰るのは危ないわよ」", | |||
"201010211_125": "「少しだけ、時間をもらっていいデスか?\\n 終わったら、すぐに帰るデスから……」", | |||
"201010211_126": "「いいけど……」", | |||
"201010211_127": "「こんなことしか、できないデスけど……」", | |||
"201010211_128": "「あッ、んッ……」", | |||
"201010211_129": "「切歌ちゃんに肩を揉んでもらうなんて、悪いわ……」", | |||
"201010211_130": "「普段、それ以上に気遣ってもらってるから、\\n 気にしないでほしいデス」", | |||
"201010211_131": "「はあッ……、気持ちいい……」", | |||
"201010211_132": "「切歌ちゃんが、こんなにマッサージが上手いなんて、\\n 知らなかったわ」", | |||
"201010211_133": "「お言葉に甘えて、少し揉んでもらっちゃおうかな」", | |||
"201010211_134": "「友里さんの時間が許すなら、ずっと揉んでもいいデス」", | |||
"201010211_135": "「嬉しいけれど、疲れたら無理をしないで終わりにしてね」", | |||
"201010211_136": "「日頃から鍛えているデスよ、そう簡単には疲れないデス」", | |||
"201010211_137": "(やっと、役に立てて嬉しいデス。\\n 気遣いって、する方も嬉しくなるんデスね)" | |||
} |
@@ -1,100 +1,100 @@ | |||
{ | |||
"201010311_0": "調のバースデー2019", | |||
"201010311_1": "「調ーッ!」", | |||
"201010311_2": "「誕生日プレゼントは当日までの秘密デス。\\n 楽しみにしててほしいデスッ!」", | |||
"201010311_3": "「あんなに見栄を張ったけど、\\n 全然アイデアが浮かんでこないデス」", | |||
"201010311_4": "「困ったデス……。アタシ史上最大のピンチデース……」", | |||
"201010311_5": "「調にプレゼントを渡してそっぽを向かれたら、\\n アタシは生きていけないデスよ」", | |||
"201010311_6": "「はぁ……、どうするデスかね」", | |||
"201010311_7": "「プレゼントはどうしようかしら……」", | |||
"201010311_8": "「何が好きだったかしら? なんて、今更本人には聞けないし……」", | |||
"201010311_9": "「切歌だったら、きっとすぐに思いついているわね」", | |||
"201010311_10": "「……あッ!」", | |||
"201010311_11": "「……あイタッ!」", | |||
"201010311_12": "「ご、ごめんなさい。\\n 考え事をしていて……」", | |||
"201010311_13": "「あら?」", | |||
"201010311_14": "「切歌じゃないッ!\\n こんなところでどうしたの?」", | |||
"201010311_15": "「調の誕生日に何をプレゼントしようか悩んでいて、\\n ひらめきを求めて歩いていたんデスよ」", | |||
"201010311_16": "「もしかして、マリアもまだ決まってないデスか?」", | |||
"201010311_17": "「ええ、正直言うとそうなの」", | |||
"201010311_18": "「せっかくだからあの子が一番好きなものを\\n プレゼントしたいんだけれど」", | |||
"201010311_19": "「いざ考えてみると、何がいいかわからなくなってしまって……」", | |||
"201010311_20": "「調が一番好きなもの……ッ!\\n そうだ、そうデスよ……ッ!」", | |||
"201010311_21": "「急にどうしたのよ。\\n 何かアイデアが浮かんだのかしら?」", | |||
"201010311_22": "「わかったんデスよ、最高のプレゼントがッ!\\n それにはマリアもいないとダメなんデスッ!」", | |||
"201010311_23": "「わたしがいないと?\\n わたしにできることなら、なんでも協力するわ」", | |||
"201010311_24": "「ありがたいデスッ!\\n じゃあちょっと耳を貸してほしいデス」", | |||
"201010311_25": "「ごにょごにょ……」", | |||
"201010311_26": "「なッ、そんなことッ!\\n わたしも一緒に、それをするのッ!?」", | |||
"201010311_27": "「そうデスッ!」", | |||
"201010311_28": "「マリアはイヤなんデスか?\\n 1年に一度の調の誕生日なのに……」", | |||
"201010311_29": "「わ、わかったわよッ!\\n それぐらい、できるに決まっているでしょうッ!」", | |||
"201010311_30": "「もうすぐ、招待された時間……」", | |||
"201010311_31": "(切ちゃんとマリアは何も教えてくれなかったけど、\\n お祝いをしてもらえるのかな?)", | |||
"201010311_32": "(それに、今年はみんなもいるんだ。\\n なんだかドキドキする)", | |||
"201010311_33": "「よし、着いた」", | |||
"201010311_34": "「コホン……」", | |||
"201010311_35": "「調です。入りますね」", | |||
"201010311_36": "「えっと……、みんな?」", | |||
"201010311_37": "「<size=40>調ちゃん、お誕生日おめでとーッ!</size>」", | |||
"201010311_38": "「みなさん、ありがとうございますッ!」", | |||
"201010311_39": "「これ、あたしからのプレゼントだ。\\n 大したもんじゃないけど」", | |||
"201010311_40": "「いいえ、嬉しいです。ありがとうございます」", | |||
"201010311_41": "「こっちはわたしからだよ。\\n 調ちゃん、誕生日おめでとうッ!」", | |||
"201010311_42": "「わたしも用意したぞ。受け取ってくれ」", | |||
"201010311_43": "「こんなにたくさん……」", | |||
"201010311_44": "「プレゼントをいっぱいもらえて、ううん。\\n みんなにお祝いしてもらえて幸せです」", | |||
"201010311_45": "「よーし、それじゃさっそく、パーティを始めようッ!」", | |||
"201010311_46": "「あの、その前に、切ちゃんとマリアの姿が見えないですけど……」", | |||
"201010311_47": "「あー……、それはだな……」", | |||
"201010311_48": "「実は2人にどうしても外せない用事ができてしまってな。\\n ここには来てないんだ」", | |||
"201010311_49": "「……そうですか」", | |||
"201010311_50": "(そっか……。2人にはお祝いしてほしかったけど、\\n 大事な用事なのかな……)", | |||
"201010311_51": "(ううん、せっかくお祝いしてくれてるのに、\\n わたしがしょんぼりしてたらダメだ………)", | |||
"201010311_52": "(ダメなんだけど……)", | |||
"201010311_53": "「えっと、そうだッ! まだプレゼントがあるんだよ。\\n 今持ってくるからッ!」", | |||
"201010311_54": "「え? もっとですか……?」", | |||
"201010311_55": "「みんなも手伝ってーッ!」", | |||
"201010311_56": "「ああッ!」", | |||
"201010311_57": "「手伝う……?」", | |||
"201010311_58": "「お待たせッ、調ちゃんッ!」", | |||
"201010311_59": "「……ッ!」", | |||
"201010311_60": "「すごい大きな箱……。これが、プレゼントですか?」", | |||
"201010311_61": "「ああ、そうだ」", | |||
"201010311_62": "「何が入っているんだろう?\\n こんなに大きなものなんて……」", | |||
"201010311_63": "「それじゃ開けるよーッ!」", | |||
"201010311_64": "「それーッ!」", | |||
"201010311_65": "「ババーン、デースッ!」", | |||
"201010311_66": "「ハ、ハッピーバースデー、調ッ!」", | |||
"201010311_67": "「プレゼントはッ! アタシたちデスッ!」", | |||
"201010311_68": "「……ッ!」", | |||
"201010311_69": "「あれ、どうしたデスか? 誕生日なんだから、\\n 笑顔になってほしいデス……」", | |||
"201010311_70": "「……」", | |||
"201010311_71": "「笑顔よ、笑顔になって」", | |||
"201010311_72": "「……」", | |||
"201010311_73": "「おーい、どうすんだよ……この空気」", | |||
"201010311_74": "「あう……」", | |||
"201010311_75": "「も、もしかして、完全にやらかしちゃったデスか?」", | |||
"201010311_76": "「お、おかしいわね。\\n リボンが足りなかったのかしら……?」", | |||
"201010311_77": "「<size=25>マリア、きっとそういう問題じゃないデスよッ!</size>」", | |||
"201010311_78": "「<size=25>じゃ、じゃあ、どうするのよッ!</size>」", | |||
"201010311_79": "「<size=25>そ、そうよッ! まだアレを言ってなかったわ。\\n アレを言えばッ!</size>」", | |||
"201010311_80": "「<size=25>アレ? ……ああ、そ、そうだったデスッ!</size>」", | |||
"201010311_81": "「誕生日プレゼントはアタシたちデスッ!\\n だから、今日はなんでも調の言うことを聞くデスよッ!」", | |||
"201010311_82": "「さあ、なんでも言ってちょうだいッ!」", | |||
"201010311_83": "「……」", | |||
"201010311_84": "「うぅ……無言のままだと、\\n さすがに心がズキンとするデスッ!」", | |||
"201010311_85": "「フフッ……」", | |||
"201010311_86": "「わ、笑ってくれた?」", | |||
"201010311_87": "「喜んでくれたデスかッ!?」", | |||
"201010311_88": "「調のために、わたしたちがなんでもするわ」", | |||
"201010311_89": "「どんなお願いでも、ドーンと言ってみるデスッ!」", | |||
"201010311_90": "「ううん。特別なことなんて、なんにもいらないよ」", | |||
"201010311_91": "「ただ……」", | |||
"201010311_92": "「ただ?」", | |||
"201010311_93": "「これからもずっと一緒にいてね」", | |||
"201010311_94": "「……ッ!」", | |||
"201010311_95": "「もちろんデスッ! むしろこっちからお願いするデスッ!」", | |||
"201010311_96": "「フフ、これじゃプレゼントにならないわね」", | |||
"201010311_97": "「ううん、とっても嬉しかった。\\n 2人とも、ありがとうッ!」" | |||
{ | |||
"201010311_0": "調のバースデー2019", | |||
"201010311_1": "「調ーッ!」", | |||
"201010311_2": "「誕生日プレゼントは当日までの秘密デス。\\n 楽しみにしててほしいデスッ!」", | |||
"201010311_3": "「あんなに見栄を張ったけど、\\n 全然アイデアが浮かんでこないデス」", | |||
"201010311_4": "「困ったデス……。アタシ史上最大のピンチデース……」", | |||
"201010311_5": "「調にプレゼントを渡してそっぽを向かれたら、\\n アタシは生きていけないデスよ」", | |||
"201010311_6": "「はぁ……、どうするデスかね」", | |||
"201010311_7": "「プレゼントはどうしようかしら……」", | |||
"201010311_8": "「何が好きだったかしら? なんて、今更本人には聞けないし……」", | |||
"201010311_9": "「切歌だったら、きっとすぐに思いついているわね」", | |||
"201010311_10": "「……あッ!」", | |||
"201010311_11": "「……あイタッ!」", | |||
"201010311_12": "「ご、ごめんなさい。\\n 考え事をしていて……」", | |||
"201010311_13": "「あら?」", | |||
"201010311_14": "「切歌じゃないッ!\\n こんなところでどうしたの?」", | |||
"201010311_15": "「調の誕生日に何をプレゼントしようか悩んでいて、\\n ひらめきを求めて歩いていたんデスよ」", | |||
"201010311_16": "「もしかして、マリアもまだ決まってないデスか?」", | |||
"201010311_17": "「ええ、正直言うとそうなの」", | |||
"201010311_18": "「せっかくだからあの子が一番好きなものを\\n プレゼントしたいんだけれど」", | |||
"201010311_19": "「いざ考えてみると、何がいいかわからなくなってしまって……」", | |||
"201010311_20": "「調が一番好きなもの……ッ!\\n そうだ、そうデスよ……ッ!」", | |||
"201010311_21": "「急にどうしたのよ。\\n 何かアイデアが浮かんだのかしら?」", | |||
"201010311_22": "「わかったんデスよ、最高のプレゼントがッ!\\n それにはマリアもいないとダメなんデスッ!」", | |||
"201010311_23": "「わたしがいないと?\\n わたしにできることなら、なんでも協力するわ」", | |||
"201010311_24": "「ありがたいデスッ!\\n じゃあちょっと耳を貸してほしいデス」", | |||
"201010311_25": "「ごにょごにょ……」", | |||
"201010311_26": "「なッ、そんなことッ!\\n わたしも一緒に、それをするのッ!?」", | |||
"201010311_27": "「そうデスッ!」", | |||
"201010311_28": "「マリアはイヤなんデスか?\\n 1年に一度の調の誕生日なのに……」", | |||
"201010311_29": "「わ、わかったわよッ!\\n それぐらい、できるに決まっているでしょうッ!」", | |||
"201010311_30": "「もうすぐ、招待された時間……」", | |||
"201010311_31": "(切ちゃんとマリアは何も教えてくれなかったけど、\\n お祝いをしてもらえるのかな?)", | |||
"201010311_32": "(それに、今年はみんなもいるんだ。\\n なんだかドキドキする)", | |||
"201010311_33": "「よし、着いた」", | |||
"201010311_34": "「コホン……」", | |||
"201010311_35": "「調です。入りますね」", | |||
"201010311_36": "「えっと……、みんな?」", | |||
"201010311_37": "「<size=40>調ちゃん、お誕生日おめでとーッ!</size>」", | |||
"201010311_38": "「みなさん、ありがとうございますッ!」", | |||
"201010311_39": "「これ、あたしからのプレゼントだ。\\n 大したもんじゃないけど」", | |||
"201010311_40": "「いいえ、嬉しいです。ありがとうございます」", | |||
"201010311_41": "「こっちはわたしからだよ。\\n 調ちゃん、誕生日おめでとうッ!」", | |||
"201010311_42": "「わたしも用意したぞ。受け取ってくれ」", | |||
"201010311_43": "「こんなにたくさん……」", | |||
"201010311_44": "「プレゼントをいっぱいもらえて、ううん。\\n みんなにお祝いしてもらえて幸せです」", | |||
"201010311_45": "「よーし、それじゃさっそく、パーティを始めようッ!」", | |||
"201010311_46": "「あの、その前に、切ちゃんとマリアの姿が見えないですけど……」", | |||
"201010311_47": "「あー……、それはだな……」", | |||
"201010311_48": "「実は2人にどうしても外せない用事ができてしまってな。\\n ここには来てないんだ」", | |||
"201010311_49": "「……そうですか」", | |||
"201010311_50": "(そっか……。2人にはお祝いしてほしかったけど、\\n 大事な用事なのかな……)", | |||
"201010311_51": "(ううん、せっかくお祝いしてくれてるのに、\\n わたしがしょんぼりしてたらダメだ………)", | |||
"201010311_52": "(ダメなんだけど……)", | |||
"201010311_53": "「えっと、そうだッ! まだプレゼントがあるんだよ。\\n 今持ってくるからッ!」", | |||
"201010311_54": "「え? もっとですか……?」", | |||
"201010311_55": "「みんなも手伝ってーッ!」", | |||
"201010311_56": "「ああッ!」", | |||
"201010311_57": "「手伝う……?」", | |||
"201010311_58": "「お待たせッ、調ちゃんッ!」", | |||
"201010311_59": "「……ッ!」", | |||
"201010311_60": "「すごい大きな箱……。これが、プレゼントですか?」", | |||
"201010311_61": "「ああ、そうだ」", | |||
"201010311_62": "「何が入っているんだろう?\\n こんなに大きなものなんて……」", | |||
"201010311_63": "「それじゃ開けるよーッ!」", | |||
"201010311_64": "「それーッ!」", | |||
"201010311_65": "「ババーン、デースッ!」", | |||
"201010311_66": "「ハ、ハッピーバースデー、調ッ!」", | |||
"201010311_67": "「プレゼントはッ! アタシたちデスッ!」", | |||
"201010311_68": "「……ッ!」", | |||
"201010311_69": "「あれ、どうしたデスか? 誕生日なんだから、\\n 笑顔になってほしいデス……」", | |||
"201010311_70": "「……」", | |||
"201010311_71": "「笑顔よ、笑顔になって」", | |||
"201010311_72": "「……」", | |||
"201010311_73": "「おーい、どうすんだよ……この空気」", | |||
"201010311_74": "「あう……」", | |||
"201010311_75": "「も、もしかして、完全にやらかしちゃったデスか?」", | |||
"201010311_76": "「お、おかしいわね。\\n リボンが足りなかったのかしら……?」", | |||
"201010311_77": "「<size=25>マリア、きっとそういう問題じゃないデスよッ!</size>」", | |||
"201010311_78": "「<size=25>じゃ、じゃあ、どうするのよッ!</size>」", | |||
"201010311_79": "「<size=25>そ、そうよッ! まだアレを言ってなかったわ。\\n アレを言えばッ!</size>」", | |||
"201010311_80": "「<size=25>アレ? ……ああ、そ、そうだったデスッ!</size>」", | |||
"201010311_81": "「誕生日プレゼントはアタシたちデスッ!\\n だから、今日はなんでも調の言うことを聞くデスよッ!」", | |||
"201010311_82": "「さあ、なんでも言ってちょうだいッ!」", | |||
"201010311_83": "「……」", | |||
"201010311_84": "「うぅ……無言のままだと、\\n さすがに心がズキンとするデスッ!」", | |||
"201010311_85": "「フフッ……」", | |||
"201010311_86": "「わ、笑ってくれた?」", | |||
"201010311_87": "「喜んでくれたデスかッ!?」", | |||
"201010311_88": "「調のために、わたしたちがなんでもするわ」", | |||
"201010311_89": "「どんなお願いでも、ドーンと言ってみるデスッ!」", | |||
"201010311_90": "「ううん。特別なことなんて、なんにもいらないよ」", | |||
"201010311_91": "「ただ……」", | |||
"201010311_92": "「ただ?」", | |||
"201010311_93": "「これからもずっと一緒にいてね」", | |||
"201010311_94": "「……ッ!」", | |||
"201010311_95": "「もちろんデスッ! むしろこっちからお願いするデスッ!」", | |||
"201010311_96": "「フフ、これじゃプレゼントにならないわね」", | |||
"201010311_97": "「ううん、とっても嬉しかった。\\n 2人とも、ありがとうッ!」" | |||
} |
@@ -1,103 +1,103 @@ | |||
{ | |||
"201010411_0": "仲良くなる秘訣", | |||
"201010411_1": "ギャラルホルンで世界が繋がったことにより、", | |||
"201010411_2": "調と切歌はマリアの妹、セレナと再会した。", | |||
"201010411_3": "そこから時間は流れ、数々の戦いを経て、", | |||
"201010411_4": "彼女たちの絆は再び強く結ばれた。", | |||
"201010411_5": "これは、そうなる少し前。", | |||
"201010411_6": "まだ彼女たちが再会したばかりの頃のお話――", | |||
"201010411_7": "「ふう、お疲れ様デス……」", | |||
"201010411_8": "「さっきの動き、すごくよかったよ、切ちゃん」", | |||
"201010411_9": "「へへ。ありがとうデス」", | |||
"201010411_10": "「お疲れ様です」", | |||
"201010411_11": "「あッ、セレナ。来てたんデスか?」", | |||
"201010411_12": "「はい、ついさっき。\\n タオルと冷たい飲み物、どうぞ」", | |||
"201010411_13": "「……ありがとう、セレナ」", | |||
"201010411_14": "「……えとデスね、セレナ?」", | |||
"201010411_15": "「はい、なんでしょうか?」", | |||
"201010411_16": "「その、デスね……」", | |||
"201010411_17": "「きょ、今日はとてもいい天気デスね」", | |||
"201010411_18": "「はぁ……? そう……ですね」", | |||
"201010411_19": "「<size=25>切ちゃん、もっと自然な話題をふらないと</size>」", | |||
"201010411_20": "「<size=25>そ、そんなこと言ったってデスね――</size>」", | |||
"201010411_21": "「ふう、いい汗かいたわね……」", | |||
"201010411_22": "「あら、セレナ」", | |||
"201010411_23": "「あ、マリア姉さんッ!」", | |||
"201010411_24": "「お疲れ様。はい、タオルと飲み物」", | |||
"201010411_25": "「ありがとう。わざわざ待っててくれたのね」", | |||
"201010411_26": "「早く帰ろう?」", | |||
"201010411_27": "「そうね。じゃあ、2人とも、先に上がらせてもらうわね?」", | |||
"201010411_28": "「お、お疲れ様デス」", | |||
"201010411_29": "「また明日」", | |||
"201010411_30": "「はぁ……またもや不発デス……。\\n セレナに自然に話しかけるの、難しいデス……」", | |||
"201010411_31": "「マリアが一緒にいる時は、まだましなんだけどね……」", | |||
"201010411_32": "「おかしいデスね。向こうの世界で一緒に戦った時は、\\n 家族デスって言って仲良くできてたのに……」", | |||
"201010411_33": "「うん、あらためてお話しようとすると……。\\n どう接していいか、距離感がわからない……」", | |||
"201010411_34": "「マリアは、流石に姉妹だけあるデス……」", | |||
"201010411_35": "「でも……セレナとの関係、このままじゃいけないデスよね」", | |||
"201010411_36": "「うん……そうだね。また、ちゃんと仲良くなりたい」", | |||
"201010411_37": "「遊びに誘ってみるデス。\\n 調は何がいいデスか?」", | |||
"201010411_38": "「たとえば……特売スーパー巡りとか?」", | |||
"201010411_39": "「それで楽しいって感じるのは、調くらいデス」", | |||
"201010411_40": "「そうかな……悪くないと思うけど」", | |||
"201010411_41": "「流石にちょっと上級者向けデス。\\n もう少し手軽にカラオケとかどうデスか?」", | |||
"201010411_42": "「悪くないけど、まだ少しハードルが高いかも。\\n こっちの世界の歌、知らないかもしれないし……」", | |||
"201010411_43": "「確かにそうデスね……」", | |||
"201010411_44": "「何か、共通の話題が欲しいね……」", | |||
"201010411_45": "「共通の話題、デスか……それならッ!」", | |||
"201010411_46": "「何か思いついたの?」", | |||
"201010411_47": "「ここはやっぱり王道デスッ!\\n 女の子で甘い物が嫌いな子はいないデスッ!」", | |||
"201010411_48": "「どうするの?」", | |||
"201010411_49": "「簡単なことデス。一緒にスイーツを食べに行くデスッ!」", | |||
"201010411_50": "「切ちゃんナイスアイディア。美味しい物も\\n たくさんあるし、きっと気に入ると思う」", | |||
"201010411_51": "「そうと決まれば善は急げ。\\n 明日にでも誘ってみるデスッ!」", | |||
"201010411_52": "「え……一緒にケーキを食べに、ですか?」", | |||
"201010411_53": "「うん。近くに安くて美味しい\\n ケーキバイキングをやってるお店があるデス」", | |||
"201010411_54": "「これから一緒に行かない?」", | |||
"201010411_55": "「はいッ! 行ってみたいですッ!\\n えーと、マリア姉さんは?」", | |||
"201010411_56": "「これから司令と相談があるの。\\n あなたたちだけで行ってきなさい」", | |||
"201010411_57": "「でも。なんだか姉さんに悪いし……」", | |||
"201010411_58": "「フフ。なに変な気を使ってるの、この子は。\\n いいから、みんなと楽しんでらっしゃい」", | |||
"201010411_59": "「う、うん。\\n それじゃ、行ってくるねッ!」", | |||
"201010411_60": "「決まりデスねッ! 早速行くデスッ!」", | |||
"201010411_61": "「あッ!? そんなに引っ張らなくても……」", | |||
"201010411_62": "「うわ~ッ! 本当に美味しいッ!」", | |||
"201010411_63": "「気に入ってもらえて嬉しいデス」", | |||
"201010411_64": "「当然。この街では最強のコストパフォーマンス」", | |||
"201010411_65": "「どれもすっごく甘いですね」", | |||
"201010411_66": "「甘くないケーキなんて、\\n そんなのスイーツじゃないデス」", | |||
"201010411_67": "「だけど、甘いだけじゃなくて、フルーツの酸味で\\n バランスを取ってる。だから全然クドく感じない」", | |||
"201010411_68": "「これもすっごく美味しい。\\n プリンに似てるけど、違うし……なんだろ?」", | |||
"201010411_69": "「ああ、それはブラウン饅頭デスね」", | |||
"201010411_70": "「へー。真っ白なのに茶色なんて面白い名前」", | |||
"201010411_71": "「それはブラウン饅頭じゃなくてブラマンジェだよ、\\n 切ちゃん……」", | |||
"201010411_72": "「お、おう、そ、そうだったデスね」", | |||
"201010411_73": "「こっちのケーキもふわっふわ。\\n 枕にしちゃいたいくらい」", | |||
"201010411_74": "「お目が高い。ここのシフォンケーキは隠れた名品」", | |||
"201010411_75": "「こっちのブラウニーも、\\n しっとりさっくり、絶妙な食感デス」", | |||
"201010411_76": "「贅沢にイチゴをのせたナポレオンパイも外せない」", | |||
"201010411_77": "「うー……、そんなに食べられるかな……」", | |||
"201010411_78": "「そんな弱気じゃダメ。\\n バイキングなんだから元を取らないと」", | |||
"201010411_79": "「は、はい。そうですね。わたしも頑張ります」", | |||
"201010411_80": "「あッ、でもパフェを食べるだけのお腹は空けておくデス」", | |||
"201010411_81": "「うん。おひとり様1杯限定のDXフルーツパフェを\\n 食べなきゃ、この店に来た意味がないもの」", | |||
"201010411_82": "「そうなんですね……それは、とっても楽しみですッ!」", | |||
"201010411_83": "「フフ……なかなかいい食べっぷりデスね」", | |||
"201010411_84": "「あ。これ、姉さんが好きそうな味」", | |||
"201010411_85": "「本当デスね。こっちの味なんかも好きそうデス」", | |||
"201010411_86": "「うん、わかる気がする」", | |||
"201010411_87": "「今度マリアとも一緒に来るデス」", | |||
"201010411_88": "「……本当におふたりとも、\\n マリア姉さんのことが好きなんですね」", | |||
"201010411_89": "「それは……当然デス」", | |||
"201010411_90": "「わたしたちにとって、大切な家族だから」", | |||
"201010411_91": "「そう……なんですね」", | |||
"201010411_92": "「セレナも」", | |||
"201010411_93": "「えッ!?」", | |||
"201010411_94": "「前に言ったじゃないデスか?\\n セレナもアタシたちの家族デスッ!」", | |||
"201010411_95": "「月読さん、暁さん……」", | |||
"201010411_96": "「それにアタシたちは、もう同じ釜のケーキを食べた仲デースッ!」", | |||
"201010411_97": "「確かにオーブンも釜って言うけど……普通はご飯のことだと思う」", | |||
"201010411_98": "「ケーキはご飯じゃないデスかッ!?\\n と、とにかくケーキ仲間だから家族でいいんデスッ!」", | |||
"201010411_99": "「わたしもケーキはともかく、セレナのことは家族だと思ってるよ」", | |||
"201010411_100": "「……ありがとうございます。改めてよろしくおねがいします」" | |||
{ | |||
"201010411_0": "仲良くなる秘訣", | |||
"201010411_1": "ギャラルホルンで世界が繋がったことにより、", | |||
"201010411_2": "調と切歌はマリアの妹、セレナと再会した。", | |||
"201010411_3": "そこから時間は流れ、数々の戦いを経て、", | |||
"201010411_4": "彼女たちの絆は再び強く結ばれた。", | |||
"201010411_5": "これは、そうなる少し前。", | |||
"201010411_6": "まだ彼女たちが再会したばかりの頃のお話――", | |||
"201010411_7": "「ふう、お疲れ様デス……」", | |||
"201010411_8": "「さっきの動き、すごくよかったよ、切ちゃん」", | |||
"201010411_9": "「へへ。ありがとうデス」", | |||
"201010411_10": "「お疲れ様です」", | |||
"201010411_11": "「あッ、セレナ。来てたんデスか?」", | |||
"201010411_12": "「はい、ついさっき。\\n タオルと冷たい飲み物、どうぞ」", | |||
"201010411_13": "「……ありがとう、セレナ」", | |||
"201010411_14": "「……えとデスね、セレナ?」", | |||
"201010411_15": "「はい、なんでしょうか?」", | |||
"201010411_16": "「その、デスね……」", | |||
"201010411_17": "「きょ、今日はとてもいい天気デスね」", | |||
"201010411_18": "「はぁ……? そう……ですね」", | |||
"201010411_19": "「<size=25>切ちゃん、もっと自然な話題をふらないと</size>」", | |||
"201010411_20": "「<size=25>そ、そんなこと言ったってデスね――</size>」", | |||
"201010411_21": "「ふう、いい汗かいたわね……」", | |||
"201010411_22": "「あら、セレナ」", | |||
"201010411_23": "「あ、マリア姉さんッ!」", | |||
"201010411_24": "「お疲れ様。はい、タオルと飲み物」", | |||
"201010411_25": "「ありがとう。わざわざ待っててくれたのね」", | |||
"201010411_26": "「早く帰ろう?」", | |||
"201010411_27": "「そうね。じゃあ、2人とも、先に上がらせてもらうわね?」", | |||
"201010411_28": "「お、お疲れ様デス」", | |||
"201010411_29": "「また明日」", | |||
"201010411_30": "「はぁ……またもや不発デス……。\\n セレナに自然に話しかけるの、難しいデス……」", | |||
"201010411_31": "「マリアが一緒にいる時は、まだましなんだけどね……」", | |||
"201010411_32": "「おかしいデスね。向こうの世界で一緒に戦った時は、\\n 家族デスって言って仲良くできてたのに……」", | |||
"201010411_33": "「うん、あらためてお話しようとすると……。\\n どう接していいか、距離感がわからない……」", | |||
"201010411_34": "「マリアは、流石に姉妹だけあるデス……」", | |||
"201010411_35": "「でも……セレナとの関係、このままじゃいけないデスよね」", | |||
"201010411_36": "「うん……そうだね。また、ちゃんと仲良くなりたい」", | |||
"201010411_37": "「遊びに誘ってみるデス。\\n 調は何がいいデスか?」", | |||
"201010411_38": "「たとえば……特売スーパー巡りとか?」", | |||
"201010411_39": "「それで楽しいって感じるのは、調くらいデス」", | |||
"201010411_40": "「そうかな……悪くないと思うけど」", | |||
"201010411_41": "「流石にちょっと上級者向けデス。\\n もう少し手軽にカラオケとかどうデスか?」", | |||
"201010411_42": "「悪くないけど、まだ少しハードルが高いかも。\\n こっちの世界の歌、知らないかもしれないし……」", | |||
"201010411_43": "「確かにそうデスね……」", | |||
"201010411_44": "「何か、共通の話題が欲しいね……」", | |||
"201010411_45": "「共通の話題、デスか……それならッ!」", | |||
"201010411_46": "「何か思いついたの?」", | |||
"201010411_47": "「ここはやっぱり王道デスッ!\\n 女の子で甘い物が嫌いな子はいないデスッ!」", | |||
"201010411_48": "「どうするの?」", | |||
"201010411_49": "「簡単なことデス。一緒にスイーツを食べに行くデスッ!」", | |||
"201010411_50": "「切ちゃんナイスアイディア。美味しい物も\\n たくさんあるし、きっと気に入ると思う」", | |||
"201010411_51": "「そうと決まれば善は急げ。\\n 明日にでも誘ってみるデスッ!」", | |||
"201010411_52": "「え……一緒にケーキを食べに、ですか?」", | |||
"201010411_53": "「うん。近くに安くて美味しい\\n ケーキバイキングをやってるお店があるデス」", | |||
"201010411_54": "「これから一緒に行かない?」", | |||
"201010411_55": "「はいッ! 行ってみたいですッ!\\n えーと、マリア姉さんは?」", | |||
"201010411_56": "「これから司令と相談があるの。\\n あなたたちだけで行ってきなさい」", | |||
"201010411_57": "「でも。なんだか姉さんに悪いし……」", | |||
"201010411_58": "「フフ。なに変な気を使ってるの、この子は。\\n いいから、みんなと楽しんでらっしゃい」", | |||
"201010411_59": "「う、うん。\\n それじゃ、行ってくるねッ!」", | |||
"201010411_60": "「決まりデスねッ! 早速行くデスッ!」", | |||
"201010411_61": "「あッ!? そんなに引っ張らなくても……」", | |||
"201010411_62": "「うわ~ッ! 本当に美味しいッ!」", | |||
"201010411_63": "「気に入ってもらえて嬉しいデス」", | |||
"201010411_64": "「当然。この街では最強のコストパフォーマンス」", | |||
"201010411_65": "「どれもすっごく甘いですね」", | |||
"201010411_66": "「甘くないケーキなんて、\\n そんなのスイーツじゃないデス」", | |||
"201010411_67": "「だけど、甘いだけじゃなくて、フルーツの酸味で\\n バランスを取ってる。だから全然クドく感じない」", | |||
"201010411_68": "「これもすっごく美味しい。\\n プリンに似てるけど、違うし……なんだろ?」", | |||
"201010411_69": "「ああ、それはブラウン饅頭デスね」", | |||
"201010411_70": "「へー。真っ白なのに茶色なんて面白い名前」", | |||
"201010411_71": "「それはブラウン饅頭じゃなくてブラマンジェだよ、\\n 切ちゃん……」", | |||
"201010411_72": "「お、おう、そ、そうだったデスね」", | |||
"201010411_73": "「こっちのケーキもふわっふわ。\\n 枕にしちゃいたいくらい」", | |||
"201010411_74": "「お目が高い。ここのシフォンケーキは隠れた名品」", | |||
"201010411_75": "「こっちのブラウニーも、\\n しっとりさっくり、絶妙な食感デス」", | |||
"201010411_76": "「贅沢にイチゴをのせたナポレオンパイも外せない」", | |||
"201010411_77": "「うー……、そんなに食べられるかな……」", | |||
"201010411_78": "「そんな弱気じゃダメ。\\n バイキングなんだから元を取らないと」", | |||
"201010411_79": "「は、はい。そうですね。わたしも頑張ります」", | |||
"201010411_80": "「あッ、でもパフェを食べるだけのお腹は空けておくデス」", | |||
"201010411_81": "「うん。おひとり様1杯限定のDXフルーツパフェを\\n 食べなきゃ、この店に来た意味がないもの」", | |||
"201010411_82": "「そうなんですね……それは、とっても楽しみですッ!」", | |||
"201010411_83": "「フフ……なかなかいい食べっぷりデスね」", | |||
"201010411_84": "「あ。これ、姉さんが好きそうな味」", | |||
"201010411_85": "「本当デスね。こっちの味なんかも好きそうデス」", | |||
"201010411_86": "「うん、わかる気がする」", | |||
"201010411_87": "「今度マリアとも一緒に来るデス」", | |||
"201010411_88": "「……本当におふたりとも、\\n マリア姉さんのことが好きなんですね」", | |||
"201010411_89": "「それは……当然デス」", | |||
"201010411_90": "「わたしたちにとって、大切な家族だから」", | |||
"201010411_91": "「そう……なんですね」", | |||
"201010411_92": "「セレナも」", | |||
"201010411_93": "「えッ!?」", | |||
"201010411_94": "「前に言ったじゃないデスか?\\n セレナもアタシたちの家族デスッ!」", | |||
"201010411_95": "「月読さん、暁さん……」", | |||
"201010411_96": "「それにアタシたちは、もう同じ釜のケーキを食べた仲デースッ!」", | |||
"201010411_97": "「確かにオーブンも釜って言うけど……普通はご飯のことだと思う」", | |||
"201010411_98": "「ケーキはご飯じゃないデスかッ!?\\n と、とにかくケーキ仲間だから家族でいいんデスッ!」", | |||
"201010411_99": "「わたしもケーキはともかく、セレナのことは家族だと思ってるよ」", | |||
"201010411_100": "「……ありがとうございます。改めてよろしくおねがいします」" | |||
} |
@@ -1,242 +1,242 @@ | |||
{ | |||
"201010511_0": "飛び入りセッション", | |||
"201010511_1": "「こんにちはーッ!」", | |||
"201010511_2": "「響ちゃん、いらっしゃい」", | |||
"201010511_3": "「ええっと……」", | |||
"201010511_4": "「香澄ちゃんと有咲ちゃんの2人なら、もう来てるわよ」", | |||
"201010511_5": "「ありがとうございますッ!」", | |||
"201010511_6": "「ところで、今日は他のみんなはいないの?」", | |||
"201010511_7": "「わたしと一緒で、今頃大切なお友達のところに\\n 会いに行っていると思います」", | |||
"201010511_8": "「確か黒服さんたちの話だと、\\n 2人はこのあたりにいるはずデスよね……」", | |||
"201010511_9": "「切歌! 会いに来てくれたのね。とっても嬉しいわ!」", | |||
"201010511_10": "「こんにちは」", | |||
"201010511_11": "「いたデースッ! 今日は路上ライブをしてないんデスね。\\n これからやるなら、アタシも――」", | |||
"201010511_12": "「そんなことより、ミッシェルを探さないといけないわ!\\n あなたも手伝って!」", | |||
"201010511_13": "「え? ミッシェルならここに……」", | |||
"201010511_14": "「あー、それ無駄だと思うよ。\\n 通じるようだったら、もうとっくに通じてるし」", | |||
"201010511_15": "「なぜわからないんデスか……ッ!?」", | |||
"201010511_16": "「そうよ、きっとミッシェルはCiRCLEにいるわ!\\n 行くわよ、2人とも!」", | |||
"201010511_17": "「いいデスけど、その前に、\\n どうしてミッシェルを探してるんデスか?」", | |||
"201010511_18": "「試したいことを思いついたの。\\n それにはあなたとミッシェルが必要だわ!」", | |||
"201010511_19": "「アタシもデスか?」", | |||
"201010511_20": "「ええっとね……、あなたとコラボライブをした時用の\\n 演出を思いついたとかで」", | |||
"201010511_21": "「すぐに試したくてじっとしていられなくなったんだって」", | |||
"201010511_22": "「それは楽しそうデスッ!」", | |||
"201010511_23": "「でしょ!?\\n だから、あなたも一緒に探しましょう!」", | |||
"201010511_24": "「わわッ、引っ張らなくてもちゃんとついていくデスよッ!」", | |||
"201010511_25": "「……あれ? 美咲さんはここにいるのに、\\n どうやってミッシェルを探したらいいんデスかッ!?」", | |||
"201010511_26": "「あー、大丈夫だから、こころについていってあげて」", | |||
"201010511_27": "「あたしは疲れたからちょっと休憩。\\n 暁さんは連れていっていいから」", | |||
"201010511_28": "「わかったわ。あとでちゃんとCiRCLEに来てね!」", | |||
"201010511_29": "「……さて、出てくるよね」", | |||
"201010511_30": "「はい。では、よろしくお願いします」", | |||
"201010511_31": "「はいはい、わかってますよー」", | |||
"201010511_32": "「あら、調ちゃん。会いに来てくれたのね」", | |||
"201010511_33": "「はい。ここにいると聞いたので」", | |||
"201010511_34": "「わたしたち、これから自主練習に行くところなんだ」", | |||
"201010511_35": "「場所はうちの事務所が持ってる専用のスタジオなんだけど、\\n 調ちゃんも一緒にどう?」", | |||
"201010511_36": "「わたしも行ってもいいんですか?」", | |||
"201010511_37": "「もちろん! それじゃあ、決まりだね!\\n 調ちゃん、ごあんなーい」", | |||
"201010511_38": "「彩ちゃんってば、少しはしゃぎすぎよ?」", | |||
"201010511_39": "「フフ、久しぶりにみんなと一緒に\\n 自主練だと思うと嬉しくって!」", | |||
"201010511_40": "「はー……ごめんね、調ちゃん……。\\n まさか、どのスタジオも使ってるだなんて……」", | |||
"201010511_41": "「気にしてませんから、謝らないでください」", | |||
"201010511_42": "「仕方がないわね。今日は諦めて……」", | |||
"201010511_43": "「そんな! 久しぶりに千聖ちゃんと自主練で、\\n 調ちゃんも来てくれたのに……」", | |||
"201010511_44": "「とは言え、練習場所が無いんじゃ……」", | |||
"201010511_45": "「うう……」", | |||
"201010511_46": "「そ、そうだ! あそこなら、練習ができるかも……!」", | |||
"201010511_47": "「ここなら広いし、唄って踊っても平気じゃない?\\n 伸び伸び使えていいんじゃないかな!」", | |||
"201010511_48": "「広さはいいけれど、ちょっと目立ちすぎじゃないかしら。\\n 彩ちゃん、自分がアイドルだってこと忘れてない?」", | |||
"201010511_49": "「ここで唄ったり踊ったりしたら、\\n 人が集まってきちゃいそうですね……」", | |||
"201010511_50": "「た、確かに……。\\n うう、一体どうしたらいいの……?」", | |||
"201010511_51": "「それなら、CiRCLEに行ってみるのはどうでしょう?」", | |||
"201010511_52": "「……それだ! 調ちゃん、それだよ!」", | |||
"201010511_53": "「ライブハウスでレッスンとは、盲点だったわね」", | |||
"201010511_54": "「ありがとう調ちゃん!\\n それじゃあ、さっそくCiRCLEに移動だね!」", | |||
"201010511_55": "「彩さんが元気になってよかったです」", | |||
"201010511_56": "「ちょっとだけ、やる気がいつも空回り気味なのよね」", | |||
"201010511_57": "「……ん? 1人でどうかしたのか?」", | |||
"201010511_58": "「モカと待ち合わせしてるんだけど、まだ来なくて。\\n ちょうど探しに行こうと思ってた」", | |||
"201010511_59": "「どっかで寄り道でもしてんるんだろ。\\n まあ、探しに行くなら、手伝うぞ」", | |||
"201010511_60": "「ああ、ありが……」", | |||
"201010511_61": "「あれー? 蘭だけかと思ったら、クリスさんもいたー」", | |||
"201010511_62": "「遅刻のくせにのんきだな……。\\n ――って、その両手いっぱいの袋はなんだッ!?」", | |||
"201010511_63": "「やまぶきベーカリーのパンだよー。\\n ……欲しい?」", | |||
"201010511_64": "「ホント、相変わらずだな……」", | |||
"201010511_65": "「練習前の腹ごしらえは必須なのですよー」", | |||
"201010511_66": "「言ってることはわかるけど、まずは遅刻したことを謝る」", | |||
"201010511_67": "「ごめーん。だからね、これはそのお詫び。\\n 2人とも、好きなの取っていいからねー」", | |||
"201010511_68": "「え、あたしもいいのか?\\n 別に待ってないけど……」", | |||
"201010511_69": "「ま、くれるって言うなら、あんぱんもらうぞ」", | |||
"201010511_70": "「じゃあ、あたしはドーナツ」", | |||
"201010511_71": "「なるほどなるほど……。\\n あんぱんを取った雪音さんはー」", | |||
"201010511_72": "「んん?」", | |||
"201010511_73": "「ズバリ、寂しがり屋でしょうー」", | |||
"201010511_74": "「はあッ!?」", | |||
"201010511_75": "「そしてー、蘭はドーナツを取ったからー」", | |||
"201010511_76": "「あたしも!?」", | |||
"201010511_77": "「実は面倒見がいいでしょうー。\\n ぱちぱちぱち」", | |||
"201010511_78": "「……」", | |||
"201010511_79": "「……で、今のはなんだったんだ?」", | |||
"201010511_80": "「最初に取るパンで判断するパン心理テストー。\\n これがかなり当たる」", | |||
"201010511_81": "「そんなわけないだろ、誰が寂しがり屋だッ!」", | |||
"201010511_82": "「あたしも別に、面倒見がいいわけじゃないでしょ。\\n 普通だよ」", | |||
"201010511_83": "「ちなみにちなみにー、メロンパンを取ったモカちゃんは――」", | |||
"201010511_84": "「うわっとと!?」", | |||
"201010511_85": "「バカなこといつまでも言ってないで練習に行くよ」", | |||
"201010511_86": "「もー、だからって引っ張らなくていいのにー」", | |||
"201010511_87": "「これから練習なら、あたしも邪魔していいか?」", | |||
"201010511_88": "「もちろんいいよー。じゃあ、CiRCLEへれっつごー」", | |||
"201010511_89": "「確か、このスタジオで2人が練習しているはずだけど……」", | |||
"201010511_90": "「部屋が空いていないというのは、どういうことですか!?」", | |||
"201010511_91": "「も、申し訳ありません!」", | |||
"201010511_92": "「この声はッ!?」", | |||
"201010511_93": "「友希那、落ち着いて! 他の人に迷惑になっちゃうよ」", | |||
"201010511_94": "「でも、練習をするための貴重な時間が……」", | |||
"201010511_95": "「ゆ、友希那さん、どうしたんですか?」", | |||
"201010511_96": "「練習のためにここの予約をしてたんだけど、スタッフさんの\\n 手違いで部屋が全部埋まっちゃってるらしくてさ」", | |||
"201010511_97": "「なるほど、それで……」", | |||
"201010511_98": "「本当に申し訳ありません。\\n 次回優先的に部屋を押さえますので……」", | |||
"201010511_99": "「事情はわかったわ。\\n だけど、それじゃ今日の練習場所はどうすれば……」", | |||
"201010511_100": "「次のバンドが来るまで、\\n 5分でもいいから部屋を借りられないかしら」", | |||
"201010511_101": "「そ、それはちょっと……」", | |||
"201010511_102": "「はー……。\\n 友希那、ちょっと!」", | |||
"201010511_103": "「何? 今取り込み中なんだけど……」", | |||
"201010511_104": "「いいからほら! いったん外に出よう」", | |||
"201010511_105": "「はい、ジュースです。少しは落ち着きましたか?」", | |||
"201010511_106": "「ええ……せっかく会いに来てくれたのに、\\n 変なところを見せてしまったわね」", | |||
"201010511_107": "「昔から音楽のことになると周りが見えなくなるんだよね。\\n たまにあるんだー、こういうこと」", | |||
"201010511_108": "「フフ、わかってます。\\n 真剣なのはいいことだと思います」", | |||
"201010511_109": "「あのスタジオへは後で謝りに行くわ。\\n でも、まずは練習ができるスタジオを探さないと……」", | |||
"201010511_110": "「ねー、おねえちゃん。ねこちゃんみなかった?」", | |||
"201010511_111": "「ええっと、迷子になっちゃったのかな?\\n どんな猫ちゃん?」", | |||
"201010511_112": "「これがうちのみーちゃん。どこにもいないの」", | |||
"201010511_113": "「猫ちゃんの写真かな?」", | |||
"201010511_114": "「……」", | |||
"201010511_115": "「ごめんね、ちょっと見てないかな」", | |||
"201010511_116": "「そっか……」", | |||
"201010511_117": "「……」", | |||
"201010511_118": "「友希那、写真返してあげないと」", | |||
"201010511_119": "「……え? あ、ああ、ごめんなさい」", | |||
"201010511_120": "「みたら、おしえてね……」", | |||
"201010511_121": "「元気なかったね。\\n もしかしてずっと1人で探してるのかな?」", | |||
"201010511_122": "「手伝ってあげたいけど、\\n 友希那さんは練習場所を探したいですよね」", | |||
"201010511_123": "「え、ええ……。でも……」", | |||
"201010511_124": "「友希那さんてひょっとして……、けっこう猫好き?」", | |||
"201010511_125": "「!?」", | |||
"201010511_126": "「アハハ……好きというか、大好きなんだよね」", | |||
"201010511_127": "「ちょ、ちょっと!?」", | |||
"201010511_128": "「友希那、あの子と一緒に猫探ししてあげよ」", | |||
"201010511_129": "「でも、それでは練習をする時間が……」", | |||
"201010511_130": "「だったら、わたしがスタジオを探します。\\n 2人は猫を探してあげてくださいッ!」", | |||
"201010511_131": "「でも、そんなことをあなたに頼むわけには……」", | |||
"201010511_132": "「大丈夫です、任せてくださいッ!」", | |||
"201010511_133": "「ほら、早くあの子を追いかけないと見失っちゃいますよ?」", | |||
"201010511_134": "「……わかったわ。追いかけましょう、リサ」", | |||
"201010511_135": "「オッケー!\\n ありがとね、未来!」", | |||
"201010511_136": "「……ついスタジオ探しを引き受けちゃったけど、\\n どうしようかな……」", | |||
"201010511_137": "「そうだッ! CiRCLEだったら、空きがあるかも。\\n まずはそっちに行ってみよう」", | |||
"201010511_138": "「香澄ちゃんと有咲ちゃん、いたッ!\\n でも演奏中みたい……」", | |||
"201010511_139": "「邪魔しちゃマズイよね。\\n 終わったころに戻って――」", | |||
"201010511_140": "「あっ、響ちゃんだ!」", | |||
"201010511_141": "「うわー、見つかったーッ!?」", | |||
"201010511_142": "「そんなところにいないで入ってよー!」", | |||
"201010511_143": "「見てないで、さっさと入ってくればいいのに」", | |||
"201010511_144": "「い、いや、邪魔しちゃ悪いかなって思って……」", | |||
"201010511_145": "「全然邪魔じゃないってば!\\n せっかくスタジオにいるんだから、3人で練習しようよ!」", | |||
"201010511_146": "「やるッ! わたしもギター借りてきたから、\\n 準備はバッチリだよッ!」", | |||
"201010511_147": "「それじゃ、一緒にいっぱい演奏しよう!」", | |||
"201010511_148": "「やっぱり、演奏するのは楽しいッ!」", | |||
"201010511_149": "「でしょ!?\\n よかった。そう言ってくれて」", | |||
"201010511_150": "「なまけて練習してないかと思ってましたけど、\\n 意外とちゃんと弾けてますね」", | |||
"201010511_151": "「あ、当たり前だよッ! わたし、真面目だもんッ!」", | |||
"201010511_152": "「……とはいえ、本当はちゃんと弾けるか\\n 不安だったけどね」", | |||
"201010511_153": "「うん、素直でよろしい!」", | |||
"201010511_154": "「でも、今日はメンバーが少ないから、\\n 音が足りなくてちょっぴり寂しいかも」", | |||
"201010511_155": "「今日は予定があるからって、\\n 3人は来れなかったんですよ」", | |||
"201010511_156": "「だったら、他のバンドの人を呼ぶのはどうかな?\\n ライブハウスだし、すぐ見つかると思うんだけど」", | |||
"201010511_157": "「そっかッ! その手があったねッ!」", | |||
"201010511_158": "「お前は何言ってんだ、\\n そんなの急に言われても無理に決まって――」", | |||
"201010511_159": "「ちょっと行ってくるから待ってて!」", | |||
"201010511_160": "「すぐに見つけてくるねッ!」", | |||
"201010511_161": "「ホント、2人揃って人の話を聞かねーやつらだな!」", | |||
"201010511_162": "「……はー、そんな簡単に見つかったら苦労しねーよ」", | |||
"201010511_163": "「ただいまッ! 見つけてきたよッ!」", | |||
"201010511_164": "「ええ!? 嘘だろ!?」", | |||
"201010511_165": "「ねー、響。どういう状況なのか説明して?」", | |||
"201010511_166": "「って、知り合いかよ」", | |||
"201010511_167": "「あなたにも練習に参加してほしいの!\\n どうかな?」", | |||
"201010511_168": "「なるほど、そういうことだったのね」", | |||
"201010511_169": "(さっきCiRCLEの電話を借りて、友希那さんたちには\\n 伝えたから、来るまでなら大丈夫だよね)", | |||
"201010511_170": "「うん、いいよ」", | |||
"201010511_171": "「やったーッ!」", | |||
"201010511_172": "「でも、わたしキーボードしか弾けないよ?\\n 1台しかないよね……?」", | |||
"201010511_173": "「有咲と2人で演奏すれば大丈夫!」", | |||
"201010511_174": "「勝手に決めてんじゃねー! まあいいけど……」", | |||
"201010511_175": "「じゃあ、2人はそこに並んでもらって。\\n 響ちゃんはこっち!」", | |||
"201010511_176": "「……えっと、よろしくお願いします」", | |||
"201010511_177": "「うん。よろしくお願いしますッ!\\n キーボード、半分借りるね?」", | |||
"201010511_178": "「たぶん香澄たちに無理やり連れてこられたんだと思うけど、\\n 大丈夫でしたか?」", | |||
"201010511_179": "「嫌だったら言ってください。\\n わたしがあいつに言ってきかせますから」", | |||
"201010511_180": "「ううん。響も強引なところあるから慣れてるよ」", | |||
"201010511_181": "「確かに、あの2人は似てるところありますね。\\n まったく……」", | |||
"201010511_182": "「フフ、でも、そんなところも嫌いじゃないんでしょう?」", | |||
"201010511_183": "「ま、まあ……」", | |||
"201010511_184": "「じゃあ、有咲、お願い!」", | |||
"201010511_185": "「はいはい、1、2、3――」", | |||
"201010511_186": "「やっぱり、音が多いとライブしてるーって感じがして\\n 楽しいね!」", | |||
"201010511_187": "「そうだね、すっごく楽しいッ!」", | |||
"201010511_188": "「好き勝手弾いて……。\\n 合わせる方の身にもなれっての!」", | |||
"201010511_189": "「でもやっぱり、一緒に演奏するのは楽しいねッ!」", | |||
"201010511_190": "「……まあ、そうですね」", | |||
"201010511_191": "「うん、今いい感じだったッ!」", | |||
"201010511_192": "「よーし! 次の曲、いってみよー!」", | |||
"201010511_193": "「……まさかの全員集合かよ」", | |||
"201010511_194": "「空いてる部屋はあるのかな」", | |||
"201010511_195": "「やっぱり、ミッシェルはCiRCLEにいたのね。\\n 早速、新演出を試すわよ!」", | |||
"201010511_196": "「先に行った小日向さんはどこかしら」", | |||
"201010511_197": "「そういえば、響さんもCiRCLEにいるはずです」", | |||
"201010511_198": "「音が聞こえるデスッ!\\n どうやら、奥で演奏してるみたいデスよ」", | |||
"201010511_199": "「どんな演奏してるか気になるし、\\n ちょこっとだけ覗いてみようよ!」", | |||
"201010511_200": "「見て、2人でキーボードやってるわ。\\n とっても楽しそうね!」", | |||
"201010511_201": "「ずるいデスよッ!\\n 一緒にやるなら、誘ってほしかったデスッ!」", | |||
"201010511_202": "「あれ? みんな来てたんだね。\\n せっかくだし、一緒に演奏しようよッ!」", | |||
"201010511_203": "「またバカがバカなこと言い始めやがった」", | |||
"201010511_204": "「この人数でステージに上がるのは、\\n さすがに難しいんじゃない?」", | |||
"201010511_205": "「楽器はあるみたいだし、いけるよ!」", | |||
"201010511_206": "「ほら、2人ともこっちに来て!\\n DJの機材はもう用意が終わってるから!」", | |||
"201010511_207": "「すぐにやるデースッ!」", | |||
"201010511_208": "「千聖ちゃんも調ちゃんもボヤボヤしてられないよ!\\n 早くステージに行こう!」", | |||
"201010511_209": "「はいッ!」", | |||
"201010511_210": "「モカちゃんが遅れを取るなんて。\\n 蘭もクリスさんも急がないと場所取られちゃうよー」", | |||
"201010511_211": "「やるからには徹底的にやろう」", | |||
"201010511_212": "「……マジか、全員参加かよ」", | |||
"201010511_213": "「これだよ、これ!\\n たくさんの音がスタジオいっぱいになってる!」", | |||
"201010511_214": "「バラバラな音が合わさっていく……。\\n これがバンドなんだねッ!」", | |||
"201010511_215": "「次! 次はハロハピの歌をやるわよ!」", | |||
"201010511_216": "「待った。これが終わったら、\\n 次はAfterglowの歌。いいよね?」", | |||
"201010511_217": "「いいえ、わたしたちRoseliaの歌よ。\\n ここは譲れないわ」", | |||
"201010511_218": "「Pastel*Palettesも入れてくださーい!」", | |||
"201010511_219": "「どれも演奏してみたいし、決められない……」", | |||
"201010511_220": "「だったら、全部やっちゃえばいいんだよ!」", | |||
"201010511_221": "「まるで小さなコンサートね……。\\n でも、いいんじゃないかしら」", | |||
"201010511_222": "「いいじゃん、ここまできたら徹底的にやろう!」", | |||
"201010511_223": "「決まり! 時間いっぱい、いけるところまで!\\n わたしたちの演奏は止まらない!」", | |||
"201010511_224": "「もー、これ以上ないってくらい大満足!」", | |||
"201010511_225": "「やりきったー、って感じだねッ!」", | |||
"201010511_226": "「……確かに悪くなかったわ」", | |||
"201010511_227": "「だけど勘違いしないで、これは今回限りよ。\\n わたしたちにはわたしたちのバンドがあるんだから」", | |||
"201010511_228": "「次はわたしたちのバンドにしかできない歌を唄うわ」", | |||
"201010511_229": "「そう、あたしたちはライバルだしね」", | |||
"201010511_230": "「今回は乗せられたけど、\\n 次はあたしたちが一番盛り上げるライブをするから」", | |||
"201010511_231": "「一番盛り上げられるのがあなたなら、\\n あたしは一番の笑顔をみんなに届けるわ!」", | |||
"201010511_232": "「あたしたちはいつだって、そうしてきたもの!」", | |||
"201010511_233": "「わたしたちも負けない!\\n ええっと、夢を与えるアイドルバンドとして!」", | |||
"201010511_234": "「お互いに競い合いながら高め合う……。\\n ライバル、いいデスねッ!」", | |||
"201010511_235": "「わたしたちも、参加したい」", | |||
"201010511_236": "「そうだねッ!\\n それにはもっと練習を頑張らないと」", | |||
"201010511_237": "「ああ。\\n 次来るまでに腕を上げとくから、覚悟しとけよッ!」", | |||
"201010511_238": "「よーし、今度はわたしたちだけでバンドを組んで、\\n みんなと勝負だッ!」", | |||
"201010511_239": "「楽しみにしててね、みんなッ!」" | |||
{ | |||
"201010511_0": "飛び入りセッション", | |||
"201010511_1": "「こんにちはーッ!」", | |||
"201010511_2": "「響ちゃん、いらっしゃい」", | |||
"201010511_3": "「ええっと……」", | |||
"201010511_4": "「香澄ちゃんと有咲ちゃんの2人なら、もう来てるわよ」", | |||
"201010511_5": "「ありがとうございますッ!」", | |||
"201010511_6": "「ところで、今日は他のみんなはいないの?」", | |||
"201010511_7": "「わたしと一緒で、今頃大切なお友達のところに\\n 会いに行っていると思います」", | |||
"201010511_8": "「確か黒服さんたちの話だと、\\n 2人はこのあたりにいるはずデスよね……」", | |||
"201010511_9": "「切歌! 会いに来てくれたのね。とっても嬉しいわ!」", | |||
"201010511_10": "「こんにちは」", | |||
"201010511_11": "「いたデースッ! 今日は路上ライブをしてないんデスね。\\n これからやるなら、アタシも――」", | |||
"201010511_12": "「そんなことより、ミッシェルを探さないといけないわ!\\n あなたも手伝って!」", | |||
"201010511_13": "「え? ミッシェルならここに……」", | |||
"201010511_14": "「あー、それ無駄だと思うよ。\\n 通じるようだったら、もうとっくに通じてるし」", | |||
"201010511_15": "「なぜわからないんデスか……ッ!?」", | |||
"201010511_16": "「そうよ、きっとミッシェルはCiRCLEにいるわ!\\n 行くわよ、2人とも!」", | |||
"201010511_17": "「いいデスけど、その前に、\\n どうしてミッシェルを探してるんデスか?」", | |||
"201010511_18": "「試したいことを思いついたの。\\n それにはあなたとミッシェルが必要だわ!」", | |||
"201010511_19": "「アタシもデスか?」", | |||
"201010511_20": "「ええっとね……、あなたとコラボライブをした時用の\\n 演出を思いついたとかで」", | |||
"201010511_21": "「すぐに試したくてじっとしていられなくなったんだって」", | |||
"201010511_22": "「それは楽しそうデスッ!」", | |||
"201010511_23": "「でしょ!?\\n だから、あなたも一緒に探しましょう!」", | |||
"201010511_24": "「わわッ、引っ張らなくてもちゃんとついていくデスよッ!」", | |||
"201010511_25": "「……あれ? 美咲さんはここにいるのに、\\n どうやってミッシェルを探したらいいんデスかッ!?」", | |||
"201010511_26": "「あー、大丈夫だから、こころについていってあげて」", | |||
"201010511_27": "「あたしは疲れたからちょっと休憩。\\n 暁さんは連れていっていいから」", | |||
"201010511_28": "「わかったわ。あとでちゃんとCiRCLEに来てね!」", | |||
"201010511_29": "「……さて、出てくるよね」", | |||
"201010511_30": "「はい。では、よろしくお願いします」", | |||
"201010511_31": "「はいはい、わかってますよー」", | |||
"201010511_32": "「あら、調ちゃん。会いに来てくれたのね」", | |||
"201010511_33": "「はい。ここにいると聞いたので」", | |||
"201010511_34": "「わたしたち、これから自主練習に行くところなんだ」", | |||
"201010511_35": "「場所はうちの事務所が持ってる専用のスタジオなんだけど、\\n 調ちゃんも一緒にどう?」", | |||
"201010511_36": "「わたしも行ってもいいんですか?」", | |||
"201010511_37": "「もちろん! それじゃあ、決まりだね!\\n 調ちゃん、ごあんなーい」", | |||
"201010511_38": "「彩ちゃんってば、少しはしゃぎすぎよ?」", | |||
"201010511_39": "「フフ、久しぶりにみんなと一緒に\\n 自主練だと思うと嬉しくって!」", | |||
"201010511_40": "「はー……ごめんね、調ちゃん……。\\n まさか、どのスタジオも使ってるだなんて……」", | |||
"201010511_41": "「気にしてませんから、謝らないでください」", | |||
"201010511_42": "「仕方がないわね。今日は諦めて……」", | |||
"201010511_43": "「そんな! 久しぶりに千聖ちゃんと自主練で、\\n 調ちゃんも来てくれたのに……」", | |||
"201010511_44": "「とは言え、練習場所が無いんじゃ……」", | |||
"201010511_45": "「うう……」", | |||
"201010511_46": "「そ、そうだ! あそこなら、練習ができるかも……!」", | |||
"201010511_47": "「ここなら広いし、唄って踊っても平気じゃない?\\n 伸び伸び使えていいんじゃないかな!」", | |||
"201010511_48": "「広さはいいけれど、ちょっと目立ちすぎじゃないかしら。\\n 彩ちゃん、自分がアイドルだってこと忘れてない?」", | |||
"201010511_49": "「ここで唄ったり踊ったりしたら、\\n 人が集まってきちゃいそうですね……」", | |||
"201010511_50": "「た、確かに……。\\n うう、一体どうしたらいいの……?」", | |||
"201010511_51": "「それなら、CiRCLEに行ってみるのはどうでしょう?」", | |||
"201010511_52": "「……それだ! 調ちゃん、それだよ!」", | |||
"201010511_53": "「ライブハウスでレッスンとは、盲点だったわね」", | |||
"201010511_54": "「ありがとう調ちゃん!\\n それじゃあ、さっそくCiRCLEに移動だね!」", | |||
"201010511_55": "「彩さんが元気になってよかったです」", | |||
"201010511_56": "「ちょっとだけ、やる気がいつも空回り気味なのよね」", | |||
"201010511_57": "「……ん? 1人でどうかしたのか?」", | |||
"201010511_58": "「モカと待ち合わせしてるんだけど、まだ来なくて。\\n ちょうど探しに行こうと思ってた」", | |||
"201010511_59": "「どっかで寄り道でもしてんるんだろ。\\n まあ、探しに行くなら、手伝うぞ」", | |||
"201010511_60": "「ああ、ありが……」", | |||
"201010511_61": "「あれー? 蘭だけかと思ったら、クリスさんもいたー」", | |||
"201010511_62": "「遅刻のくせにのんきだな……。\\n ――って、その両手いっぱいの袋はなんだッ!?」", | |||
"201010511_63": "「やまぶきベーカリーのパンだよー。\\n ……欲しい?」", | |||
"201010511_64": "「ホント、相変わらずだな……」", | |||
"201010511_65": "「練習前の腹ごしらえは必須なのですよー」", | |||
"201010511_66": "「言ってることはわかるけど、まずは遅刻したことを謝る」", | |||
"201010511_67": "「ごめーん。だからね、これはそのお詫び。\\n 2人とも、好きなの取っていいからねー」", | |||
"201010511_68": "「え、あたしもいいのか?\\n 別に待ってないけど……」", | |||
"201010511_69": "「ま、くれるって言うなら、あんぱんもらうぞ」", | |||
"201010511_70": "「じゃあ、あたしはドーナツ」", | |||
"201010511_71": "「なるほどなるほど……。\\n あんぱんを取った雪音さんはー」", | |||
"201010511_72": "「んん?」", | |||
"201010511_73": "「ズバリ、寂しがり屋でしょうー」", | |||
"201010511_74": "「はあッ!?」", | |||
"201010511_75": "「そしてー、蘭はドーナツを取ったからー」", | |||
"201010511_76": "「あたしも!?」", | |||
"201010511_77": "「実は面倒見がいいでしょうー。\\n ぱちぱちぱち」", | |||
"201010511_78": "「……」", | |||
"201010511_79": "「……で、今のはなんだったんだ?」", | |||
"201010511_80": "「最初に取るパンで判断するパン心理テストー。\\n これがかなり当たる」", | |||
"201010511_81": "「そんなわけないだろ、誰が寂しがり屋だッ!」", | |||
"201010511_82": "「あたしも別に、面倒見がいいわけじゃないでしょ。\\n 普通だよ」", | |||
"201010511_83": "「ちなみにちなみにー、メロンパンを取ったモカちゃんは――」", | |||
"201010511_84": "「うわっとと!?」", | |||
"201010511_85": "「バカなこといつまでも言ってないで練習に行くよ」", | |||
"201010511_86": "「もー、だからって引っ張らなくていいのにー」", | |||
"201010511_87": "「これから練習なら、あたしも邪魔していいか?」", | |||
"201010511_88": "「もちろんいいよー。じゃあ、CiRCLEへれっつごー」", | |||
"201010511_89": "「確か、このスタジオで2人が練習しているはずだけど……」", | |||
"201010511_90": "「部屋が空いていないというのは、どういうことですか!?」", | |||
"201010511_91": "「も、申し訳ありません!」", | |||
"201010511_92": "「この声はッ!?」", | |||
"201010511_93": "「友希那、落ち着いて! 他の人に迷惑になっちゃうよ」", | |||
"201010511_94": "「でも、練習をするための貴重な時間が……」", | |||
"201010511_95": "「ゆ、友希那さん、どうしたんですか?」", | |||
"201010511_96": "「練習のためにここの予約をしてたんだけど、スタッフさんの\\n 手違いで部屋が全部埋まっちゃってるらしくてさ」", | |||
"201010511_97": "「なるほど、それで……」", | |||
"201010511_98": "「本当に申し訳ありません。\\n 次回優先的に部屋を押さえますので……」", | |||
"201010511_99": "「事情はわかったわ。\\n だけど、それじゃ今日の練習場所はどうすれば……」", | |||
"201010511_100": "「次のバンドが来るまで、\\n 5分でもいいから部屋を借りられないかしら」", | |||
"201010511_101": "「そ、それはちょっと……」", | |||
"201010511_102": "「はー……。\\n 友希那、ちょっと!」", | |||
"201010511_103": "「何? 今取り込み中なんだけど……」", | |||
"201010511_104": "「いいからほら! いったん外に出よう」", | |||
"201010511_105": "「はい、ジュースです。少しは落ち着きましたか?」", | |||
"201010511_106": "「ええ……せっかく会いに来てくれたのに、\\n 変なところを見せてしまったわね」", | |||
"201010511_107": "「昔から音楽のことになると周りが見えなくなるんだよね。\\n たまにあるんだー、こういうこと」", | |||
"201010511_108": "「フフ、わかってます。\\n 真剣なのはいいことだと思います」", | |||
"201010511_109": "「あのスタジオへは後で謝りに行くわ。\\n でも、まずは練習ができるスタジオを探さないと……」", | |||
"201010511_110": "「ねー、おねえちゃん。ねこちゃんみなかった?」", | |||
"201010511_111": "「ええっと、迷子になっちゃったのかな?\\n どんな猫ちゃん?」", | |||
"201010511_112": "「これがうちのみーちゃん。どこにもいないの」", | |||
"201010511_113": "「猫ちゃんの写真かな?」", | |||
"201010511_114": "「……」", | |||
"201010511_115": "「ごめんね、ちょっと見てないかな」", | |||
"201010511_116": "「そっか……」", | |||
"201010511_117": "「……」", | |||
"201010511_118": "「友希那、写真返してあげないと」", | |||
"201010511_119": "「……え? あ、ああ、ごめんなさい」", | |||
"201010511_120": "「みたら、おしえてね……」", | |||
"201010511_121": "「元気なかったね。\\n もしかしてずっと1人で探してるのかな?」", | |||
"201010511_122": "「手伝ってあげたいけど、\\n 友希那さんは練習場所を探したいですよね」", | |||
"201010511_123": "「え、ええ……。でも……」", | |||
"201010511_124": "「友希那さんてひょっとして……、けっこう猫好き?」", | |||
"201010511_125": "「!?」", | |||
"201010511_126": "「アハハ……好きというか、大好きなんだよね」", | |||
"201010511_127": "「ちょ、ちょっと!?」", | |||
"201010511_128": "「友希那、あの子と一緒に猫探ししてあげよ」", | |||
"201010511_129": "「でも、それでは練習をする時間が……」", | |||
"201010511_130": "「だったら、わたしがスタジオを探します。\\n 2人は猫を探してあげてくださいッ!」", | |||
"201010511_131": "「でも、そんなことをあなたに頼むわけには……」", | |||
"201010511_132": "「大丈夫です、任せてくださいッ!」", | |||
"201010511_133": "「ほら、早くあの子を追いかけないと見失っちゃいますよ?」", | |||
"201010511_134": "「……わかったわ。追いかけましょう、リサ」", | |||
"201010511_135": "「オッケー!\\n ありがとね、未来!」", | |||
"201010511_136": "「……ついスタジオ探しを引き受けちゃったけど、\\n どうしようかな……」", | |||
"201010511_137": "「そうだッ! CiRCLEだったら、空きがあるかも。\\n まずはそっちに行ってみよう」", | |||
"201010511_138": "「香澄ちゃんと有咲ちゃん、いたッ!\\n でも演奏中みたい……」", | |||
"201010511_139": "「邪魔しちゃマズイよね。\\n 終わったころに戻って――」", | |||
"201010511_140": "「あっ、響ちゃんだ!」", | |||
"201010511_141": "「うわー、見つかったーッ!?」", | |||
"201010511_142": "「そんなところにいないで入ってよー!」", | |||
"201010511_143": "「見てないで、さっさと入ってくればいいのに」", | |||
"201010511_144": "「い、いや、邪魔しちゃ悪いかなって思って……」", | |||
"201010511_145": "「全然邪魔じゃないってば!\\n せっかくスタジオにいるんだから、3人で練習しようよ!」", | |||
"201010511_146": "「やるッ! わたしもギター借りてきたから、\\n 準備はバッチリだよッ!」", | |||
"201010511_147": "「それじゃ、一緒にいっぱい演奏しよう!」", | |||
"201010511_148": "「やっぱり、演奏するのは楽しいッ!」", | |||
"201010511_149": "「でしょ!?\\n よかった。そう言ってくれて」", | |||
"201010511_150": "「なまけて練習してないかと思ってましたけど、\\n 意外とちゃんと弾けてますね」", | |||
"201010511_151": "「あ、当たり前だよッ! わたし、真面目だもんッ!」", | |||
"201010511_152": "「……とはいえ、本当はちゃんと弾けるか\\n 不安だったけどね」", | |||
"201010511_153": "「うん、素直でよろしい!」", | |||
"201010511_154": "「でも、今日はメンバーが少ないから、\\n 音が足りなくてちょっぴり寂しいかも」", | |||
"201010511_155": "「今日は予定があるからって、\\n 3人は来れなかったんですよ」", | |||
"201010511_156": "「だったら、他のバンドの人を呼ぶのはどうかな?\\n ライブハウスだし、すぐ見つかると思うんだけど」", | |||
"201010511_157": "「そっかッ! その手があったねッ!」", | |||
"201010511_158": "「お前は何言ってんだ、\\n そんなの急に言われても無理に決まって――」", | |||
"201010511_159": "「ちょっと行ってくるから待ってて!」", | |||
"201010511_160": "「すぐに見つけてくるねッ!」", | |||
"201010511_161": "「ホント、2人揃って人の話を聞かねーやつらだな!」", | |||
"201010511_162": "「……はー、そんな簡単に見つかったら苦労しねーよ」", | |||
"201010511_163": "「ただいまッ! 見つけてきたよッ!」", | |||
"201010511_164": "「ええ!? 嘘だろ!?」", | |||
"201010511_165": "「ねー、響。どういう状況なのか説明して?」", | |||
"201010511_166": "「って、知り合いかよ」", | |||
"201010511_167": "「あなたにも練習に参加してほしいの!\\n どうかな?」", | |||
"201010511_168": "「なるほど、そういうことだったのね」", | |||
"201010511_169": "(さっきCiRCLEの電話を借りて、友希那さんたちには\\n 伝えたから、来るまでなら大丈夫だよね)", | |||
"201010511_170": "「うん、いいよ」", | |||
"201010511_171": "「やったーッ!」", | |||
"201010511_172": "「でも、わたしキーボードしか弾けないよ?\\n 1台しかないよね……?」", | |||
"201010511_173": "「有咲と2人で演奏すれば大丈夫!」", | |||
"201010511_174": "「勝手に決めてんじゃねー! まあいいけど……」", | |||
"201010511_175": "「じゃあ、2人はそこに並んでもらって。\\n 響ちゃんはこっち!」", | |||
"201010511_176": "「……えっと、よろしくお願いします」", | |||
"201010511_177": "「うん。よろしくお願いしますッ!\\n キーボード、半分借りるね?」", | |||
"201010511_178": "「たぶん香澄たちに無理やり連れてこられたんだと思うけど、\\n 大丈夫でしたか?」", | |||
"201010511_179": "「嫌だったら言ってください。\\n わたしがあいつに言ってきかせますから」", | |||
"201010511_180": "「ううん。響も強引なところあるから慣れてるよ」", | |||
"201010511_181": "「確かに、あの2人は似てるところありますね。\\n まったく……」", | |||
"201010511_182": "「フフ、でも、そんなところも嫌いじゃないんでしょう?」", | |||
"201010511_183": "「ま、まあ……」", | |||
"201010511_184": "「じゃあ、有咲、お願い!」", | |||
"201010511_185": "「はいはい、1、2、3――」", | |||
"201010511_186": "「やっぱり、音が多いとライブしてるーって感じがして\\n 楽しいね!」", | |||
"201010511_187": "「そうだね、すっごく楽しいッ!」", | |||
"201010511_188": "「好き勝手弾いて……。\\n 合わせる方の身にもなれっての!」", | |||
"201010511_189": "「でもやっぱり、一緒に演奏するのは楽しいねッ!」", | |||
"201010511_190": "「……まあ、そうですね」", | |||
"201010511_191": "「うん、今いい感じだったッ!」", | |||
"201010511_192": "「よーし! 次の曲、いってみよー!」", | |||
"201010511_193": "「……まさかの全員集合かよ」", | |||
"201010511_194": "「空いてる部屋はあるのかな」", | |||
"201010511_195": "「やっぱり、ミッシェルはCiRCLEにいたのね。\\n 早速、新演出を試すわよ!」", | |||
"201010511_196": "「先に行った小日向さんはどこかしら」", | |||
"201010511_197": "「そういえば、響さんもCiRCLEにいるはずです」", | |||
"201010511_198": "「音が聞こえるデスッ!\\n どうやら、奥で演奏してるみたいデスよ」", | |||
"201010511_199": "「どんな演奏してるか気になるし、\\n ちょこっとだけ覗いてみようよ!」", | |||
"201010511_200": "「見て、2人でキーボードやってるわ。\\n とっても楽しそうね!」", | |||
"201010511_201": "「ずるいデスよッ!\\n 一緒にやるなら、誘ってほしかったデスッ!」", | |||
"201010511_202": "「あれ? みんな来てたんだね。\\n せっかくだし、一緒に演奏しようよッ!」", | |||
"201010511_203": "「またバカがバカなこと言い始めやがった」", | |||
"201010511_204": "「この人数でステージに上がるのは、\\n さすがに難しいんじゃない?」", | |||
"201010511_205": "「楽器はあるみたいだし、いけるよ!」", | |||
"201010511_206": "「ほら、2人ともこっちに来て!\\n DJの機材はもう用意が終わってるから!」", | |||
"201010511_207": "「すぐにやるデースッ!」", | |||
"201010511_208": "「千聖ちゃんも調ちゃんもボヤボヤしてられないよ!\\n 早くステージに行こう!」", | |||
"201010511_209": "「はいッ!」", | |||
"201010511_210": "「モカちゃんが遅れを取るなんて。\\n 蘭もクリスさんも急がないと場所取られちゃうよー」", | |||
"201010511_211": "「やるからには徹底的にやろう」", | |||
"201010511_212": "「……マジか、全員参加かよ」", | |||
"201010511_213": "「これだよ、これ!\\n たくさんの音がスタジオいっぱいになってる!」", | |||
"201010511_214": "「バラバラな音が合わさっていく……。\\n これがバンドなんだねッ!」", | |||
"201010511_215": "「次! 次はハロハピの歌をやるわよ!」", | |||
"201010511_216": "「待った。これが終わったら、\\n 次はAfterglowの歌。いいよね?」", | |||
"201010511_217": "「いいえ、わたしたちRoseliaの歌よ。\\n ここは譲れないわ」", | |||
"201010511_218": "「Pastel*Palettesも入れてくださーい!」", | |||
"201010511_219": "「どれも演奏してみたいし、決められない……」", | |||
"201010511_220": "「だったら、全部やっちゃえばいいんだよ!」", | |||
"201010511_221": "「まるで小さなコンサートね……。\\n でも、いいんじゃないかしら」", | |||
"201010511_222": "「いいじゃん、ここまできたら徹底的にやろう!」", | |||
"201010511_223": "「決まり! 時間いっぱい、いけるところまで!\\n わたしたちの演奏は止まらない!」", | |||
"201010511_224": "「もー、これ以上ないってくらい大満足!」", | |||
"201010511_225": "「やりきったー、って感じだねッ!」", | |||
"201010511_226": "「……確かに悪くなかったわ」", | |||
"201010511_227": "「だけど勘違いしないで、これは今回限りよ。\\n わたしたちにはわたしたちのバンドがあるんだから」", | |||
"201010511_228": "「次はわたしたちのバンドにしかできない歌を唄うわ」", | |||
"201010511_229": "「そう、あたしたちはライバルだしね」", | |||
"201010511_230": "「今回は乗せられたけど、\\n 次はあたしたちが一番盛り上げるライブをするから」", | |||
"201010511_231": "「一番盛り上げられるのがあなたなら、\\n あたしは一番の笑顔をみんなに届けるわ!」", | |||
"201010511_232": "「あたしたちはいつだって、そうしてきたもの!」", | |||
"201010511_233": "「わたしたちも負けない!\\n ええっと、夢を与えるアイドルバンドとして!」", | |||
"201010511_234": "「お互いに競い合いながら高め合う……。\\n ライバル、いいデスねッ!」", | |||
"201010511_235": "「わたしたちも、参加したい」", | |||
"201010511_236": "「そうだねッ!\\n それにはもっと練習を頑張らないと」", | |||
"201010511_237": "「ああ。\\n 次来るまでに腕を上げとくから、覚悟しとけよッ!」", | |||
"201010511_238": "「よーし、今度はわたしたちだけでバンドを組んで、\\n みんなと勝負だッ!」", | |||
"201010511_239": "「楽しみにしててね、みんなッ!」" | |||
} |
@@ -1,77 +1,77 @@ | |||
{ | |||
"201010611_0": "切歌のバースデー2019", | |||
"201010611_1": "「やっとあの日が近づいてきたデス……ッ!」", | |||
"201010611_2": "「最近、ずっと楽しそうにしてるね」", | |||
"201010611_3": "「だってッ! 誕生日デスよッ!\\n アタシも大人の女性に一歩近づくってことデスッ!」", | |||
"201010611_4": "(切ちゃんが大人の女性に……)", | |||
"201010611_5": "「どんなふうになるんデスかね。\\n マリア? それとも、友里さんのようになったりして……」", | |||
"201010611_6": "「誕生日になっても、切ちゃんは切ちゃんのままだと思うけど……」", | |||
"201010611_7": "「なッ!? あ、アタシは、アタシのまま……」", | |||
"201010611_8": "「うん。そんなに急には変わらないと思う」", | |||
"201010611_9": "「歳をとるだけじゃ大人にはなれないんデスね……」", | |||
"201010611_10": "「誕生日になっても子供のままじゃ笑われちゃうデス。\\n なんとかしないとデスッ!」", | |||
"201010611_11": "「待って、切ちゃんッ! どこに行くの?」", | |||
"201010611_12": "「アタシは大人になる方法を探してくるから、\\n 調は先に帰ってていいデスよッ!」", | |||
"201010611_13": "「どうしよう、誕生日を楽しみにしていたのに、\\n 余計な悩みを増やしちゃった……」", | |||
"201010611_14": "「……それでわたしたちに相談しにきたのね」", | |||
"201010611_15": "「切ちゃんの望みを叶えてあげられないかな」", | |||
"201010611_16": "「うーん、どうしたらいいんだろ。\\n 大人になるって言われても、よくわからないもんね」", | |||
"201010611_17": "「確かに、ちょっと難しいかも」", | |||
"201010611_18": "「んなもん、まずは言葉遣いを変えればいいんじゃないか?」", | |||
"201010611_19": "「確かにその通りだろうが、\\n 大人びた言葉遣いをする暁が想像できるか?」", | |||
"201010611_20": "「それは……、できないな。\\n 『デス』の印象が強すぎる……ッ!」", | |||
"201010611_21": "「しゃべり方を急に変えるのは難しいよ。\\n まずは、お洋服を大人っぽくするのはどうかな」", | |||
"201010611_22": "「形から入るのはいい考えね。\\n 切歌の性格的にもそっちの方が合っていると思うわ」", | |||
"201010611_23": "「じゃあ、わたしたちで切歌ちゃんに似合う服を\\n 選ぼうよッ!」", | |||
"201010611_24": "「あいつに似合って、大人っぽい服か……。どんなのだろうな」", | |||
"201010611_25": "「スーツとかかな?」", | |||
"201010611_26": "「和服もいいのではないか?」", | |||
"201010611_27": "「あの、わたしにいい考えがあります」", | |||
"201010611_28": "「ハッピーバースデー、切ちゃん」", | |||
"201010611_29": "「ありがとうデスッ!」", | |||
"201010611_30": "「あ、いや、感謝するデス」", | |||
"201010611_31": "「お料理もたくさん用意したわよ」", | |||
"201010611_32": "「わーい、おいしそうなものがたくさ――」", | |||
"201010611_33": "「あッ!?\\n お、大人の女性はこんなことではしゃがないデスッ!」", | |||
"201010611_34": "(やっぱり、気にしてる)", | |||
"201010611_35": "「切ちゃん、渡したい物があるの。\\n こっちへ一緒に来てくれる?」", | |||
"201010611_36": "「え? ここで渡せないようなものデスか?\\n もしかして、部屋に収まらないほどの大きなプレゼントッ!?」", | |||
"201010611_37": "「フフ、それは見てのお楽しみよ」", | |||
"201010611_38": "「安心してッ! 帰ってくるまで待ってるから」", | |||
"201010611_39": "「では、行ってくるデス」", | |||
"201010611_40": "「お待たせしました」", | |||
"201010611_41": "「遅かったな、何か問題でもあったのか?」", | |||
"201010611_42": "「問題はなかったけど……ほら、切歌。\\n いつまで隠れているつもりなの」", | |||
"201010611_43": "「ほ、本当にこれ似合ってるデスか?\\n ちょっと不安デス……」", | |||
"201010611_44": "「いいから、ほら。みんなに見せてあげなさい」", | |||
"201010611_45": "「わあッ!? ま、マリア、押さないでほしいデスッ!」", | |||
"201010611_46": "「え、ええっと、どうデスか?」", | |||
"201010611_47": "「おおッ! 切歌ちゃん、すっごく似合ってるよッ!」", | |||
"201010611_48": "「素敵なドレスだね、いつもよりずっと大人っぽい」", | |||
"201010611_49": "「アタシ、大人っぽいデスか?」", | |||
"201010611_50": "「ああ、そうだな」", | |||
"201010611_51": "「ほら、言った通りでしょ。\\n 何も恥ずかしがることなんてないわ」", | |||
"201010611_52": "「切ちゃん、大丈夫。とってもきれいだよ」", | |||
"201010611_53": "「きれいとか素敵とか、言われるなんて\\n 思わなかったデスッ!」", | |||
"201010611_54": "「調の選んでくれたドレスのおかげデス。\\n 大切に着るデスよッ!」", | |||
"201010611_55": "「わたしだけじゃなくて、そのドレスはみんなで選んだの」", | |||
"201010611_56": "「そうだったんデスか。みんな、ありがとうデスッ!」", | |||
"201010611_57": "「いやッ! そうじゃなくて……、\\n か、感謝いたしますわデス?」", | |||
"201010611_58": "「フフ、無理しなくていいんだよ。\\n 見た目だけでも十分だと思うから」", | |||
"201010611_59": "「そ、そうはいかないデスますよ。\\n ドレスと釣り合うようにしないともったいないざますデス」", | |||
"201010611_60": "「ふーん、そうか」", | |||
"201010611_61": "「じゃあ、ケーキなんて子供っぽいもんはいらないよな。\\n せっかくの特別製だけど、あたしらで食っちまうか」", | |||
"201010611_62": "「ケ、ケーキデスと……ッ!?」", | |||
"201010611_63": "「なんだ? 食べたいのか?」", | |||
"201010611_64": "「そ、そんなことないデスわ。\\n 大人なアタシは食べないのデス」", | |||
"201010611_65": "「大人の女性でもケーキは食べると思うわよ」", | |||
"201010611_66": "「食べたいものを食べればいいんじゃないかな。\\n クリスもそんな意地悪しないの」", | |||
"201010611_67": "「わ、悪かったな……」", | |||
"201010611_68": "「ドレスで大人に一歩近づいたわけだし、\\n それに今日は誕生日なんだから、特別」", | |||
"201010611_69": "「じゃ、じゃあ、遠慮なくいただくデス。\\n どこから食べようか迷っちゃうデスよッ!」", | |||
"201010611_70": "「フフ、すっかりいつもどおりだねッ!」", | |||
"201010611_71": "「あの子はあれでいいと思うわ。\\n 笑顔でおいしそうに食べている姿が1番可愛いもの」", | |||
"201010611_72": "「大人になっても、切ちゃんは切ちゃんだね」", | |||
"201010611_73": "「んんッ、このケーキ、とってもおいしいデスッ!\\n ほら、調も一緒に食べるデスよッ!」", | |||
"201010611_74": "「うん、一緒に食べよう」" | |||
{ | |||
"201010611_0": "切歌のバースデー2019", | |||
"201010611_1": "「やっとあの日が近づいてきたデス……ッ!」", | |||
"201010611_2": "「最近、ずっと楽しそうにしてるね」", | |||
"201010611_3": "「だってッ! 誕生日デスよッ!\\n アタシも大人の女性に一歩近づくってことデスッ!」", | |||
"201010611_4": "(切ちゃんが大人の女性に……)", | |||
"201010611_5": "「どんなふうになるんデスかね。\\n マリア? それとも、友里さんのようになったりして……」", | |||
"201010611_6": "「誕生日になっても、切ちゃんは切ちゃんのままだと思うけど……」", | |||
"201010611_7": "「なッ!? あ、アタシは、アタシのまま……」", | |||
"201010611_8": "「うん。そんなに急には変わらないと思う」", | |||
"201010611_9": "「歳をとるだけじゃ大人にはなれないんデスね……」", | |||
"201010611_10": "「誕生日になっても子供のままじゃ笑われちゃうデス。\\n なんとかしないとデスッ!」", | |||
"201010611_11": "「待って、切ちゃんッ! どこに行くの?」", | |||
"201010611_12": "「アタシは大人になる方法を探してくるから、\\n 調は先に帰ってていいデスよッ!」", | |||
"201010611_13": "「どうしよう、誕生日を楽しみにしていたのに、\\n 余計な悩みを増やしちゃった……」", | |||
"201010611_14": "「……それでわたしたちに相談しにきたのね」", | |||
"201010611_15": "「切ちゃんの望みを叶えてあげられないかな」", | |||
"201010611_16": "「うーん、どうしたらいいんだろ。\\n 大人になるって言われても、よくわからないもんね」", | |||
"201010611_17": "「確かに、ちょっと難しいかも」", | |||
"201010611_18": "「んなもん、まずは言葉遣いを変えればいいんじゃないか?」", | |||
"201010611_19": "「確かにその通りだろうが、\\n 大人びた言葉遣いをする暁が想像できるか?」", | |||
"201010611_20": "「それは……、できないな。\\n 『デス』の印象が強すぎる……ッ!」", | |||
"201010611_21": "「しゃべり方を急に変えるのは難しいよ。\\n まずは、お洋服を大人っぽくするのはどうかな」", | |||
"201010611_22": "「形から入るのはいい考えね。\\n 切歌の性格的にもそっちの方が合っていると思うわ」", | |||
"201010611_23": "「じゃあ、わたしたちで切歌ちゃんに似合う服を\\n 選ぼうよッ!」", | |||
"201010611_24": "「あいつに似合って、大人っぽい服か……。どんなのだろうな」", | |||
"201010611_25": "「スーツとかかな?」", | |||
"201010611_26": "「和服もいいのではないか?」", | |||
"201010611_27": "「あの、わたしにいい考えがあります」", | |||
"201010611_28": "「ハッピーバースデー、切ちゃん」", | |||
"201010611_29": "「ありがとうデスッ!」", | |||
"201010611_30": "「あ、いや、感謝するデス」", | |||
"201010611_31": "「お料理もたくさん用意したわよ」", | |||
"201010611_32": "「わーい、おいしそうなものがたくさ――」", | |||
"201010611_33": "「あッ!?\\n お、大人の女性はこんなことではしゃがないデスッ!」", | |||
"201010611_34": "(やっぱり、気にしてる)", | |||
"201010611_35": "「切ちゃん、渡したい物があるの。\\n こっちへ一緒に来てくれる?」", | |||
"201010611_36": "「え? ここで渡せないようなものデスか?\\n もしかして、部屋に収まらないほどの大きなプレゼントッ!?」", | |||
"201010611_37": "「フフ、それは見てのお楽しみよ」", | |||
"201010611_38": "「安心してッ! 帰ってくるまで待ってるから」", | |||
"201010611_39": "「では、行ってくるデス」", | |||
"201010611_40": "「お待たせしました」", | |||
"201010611_41": "「遅かったな、何か問題でもあったのか?」", | |||
"201010611_42": "「問題はなかったけど……ほら、切歌。\\n いつまで隠れているつもりなの」", | |||
"201010611_43": "「ほ、本当にこれ似合ってるデスか?\\n ちょっと不安デス……」", | |||
"201010611_44": "「いいから、ほら。みんなに見せてあげなさい」", | |||
"201010611_45": "「わあッ!? ま、マリア、押さないでほしいデスッ!」", | |||
"201010611_46": "「え、ええっと、どうデスか?」", | |||
"201010611_47": "「おおッ! 切歌ちゃん、すっごく似合ってるよッ!」", | |||
"201010611_48": "「素敵なドレスだね、いつもよりずっと大人っぽい」", | |||
"201010611_49": "「アタシ、大人っぽいデスか?」", | |||
"201010611_50": "「ああ、そうだな」", | |||
"201010611_51": "「ほら、言った通りでしょ。\\n 何も恥ずかしがることなんてないわ」", | |||
"201010611_52": "「切ちゃん、大丈夫。とってもきれいだよ」", | |||
"201010611_53": "「きれいとか素敵とか、言われるなんて\\n 思わなかったデスッ!」", | |||
"201010611_54": "「調の選んでくれたドレスのおかげデス。\\n 大切に着るデスよッ!」", | |||
"201010611_55": "「わたしだけじゃなくて、そのドレスはみんなで選んだの」", | |||
"201010611_56": "「そうだったんデスか。みんな、ありがとうデスッ!」", | |||
"201010611_57": "「いやッ! そうじゃなくて……、\\n か、感謝いたしますわデス?」", | |||
"201010611_58": "「フフ、無理しなくていいんだよ。\\n 見た目だけでも十分だと思うから」", | |||
"201010611_59": "「そ、そうはいかないデスますよ。\\n ドレスと釣り合うようにしないともったいないざますデス」", | |||
"201010611_60": "「ふーん、そうか」", | |||
"201010611_61": "「じゃあ、ケーキなんて子供っぽいもんはいらないよな。\\n せっかくの特別製だけど、あたしらで食っちまうか」", | |||
"201010611_62": "「ケ、ケーキデスと……ッ!?」", | |||
"201010611_63": "「なんだ? 食べたいのか?」", | |||
"201010611_64": "「そ、そんなことないデスわ。\\n 大人なアタシは食べないのデス」", | |||
"201010611_65": "「大人の女性でもケーキは食べると思うわよ」", | |||
"201010611_66": "「食べたいものを食べればいいんじゃないかな。\\n クリスもそんな意地悪しないの」", | |||
"201010611_67": "「わ、悪かったな……」", | |||
"201010611_68": "「ドレスで大人に一歩近づいたわけだし、\\n それに今日は誕生日なんだから、特別」", | |||
"201010611_69": "「じゃ、じゃあ、遠慮なくいただくデス。\\n どこから食べようか迷っちゃうデスよッ!」", | |||
"201010611_70": "「フフ、すっかりいつもどおりだねッ!」", | |||
"201010611_71": "「あの子はあれでいいと思うわ。\\n 笑顔でおいしそうに食べている姿が1番可愛いもの」", | |||
"201010611_72": "「大人になっても、切ちゃんは切ちゃんだね」", | |||
"201010611_73": "「んんッ、このケーキ、とってもおいしいデスッ!\\n ほら、調も一緒に食べるデスよッ!」", | |||
"201010611_74": "「うん、一緒に食べよう」" | |||
} |
@@ -1,113 +1,113 @@ | |||
{ | |||
"201010711_0": "お似合いの服", | |||
"201010711_1": "「あッ! 見てください、あのドレス」", | |||
"201010711_2": "「どれどれッ?」", | |||
"201010711_3": "「わあ……、綺麗なドレス」", | |||
"201010711_4": "「姉さんに似合うと思いませんか?」", | |||
"201010711_5": "「そうだね、すごく似合うと思う。っていうかマリアさん\\n なら、どんなドレスだって着こなしちゃうよ」", | |||
"201010711_6": "「そうですよね」", | |||
"201010711_7": "「わたしも姉さんみたいに、\\n ドレスをカッコよく着こなせたらなあ……」", | |||
"201010711_8": "「セレナだって、今に似合うようになるわよ」", | |||
"201010711_9": "「そうだよ。だって、2人は姉妹なんだからッ!」", | |||
"201010711_10": "「えッ? そ、そう……ですか?」", | |||
"201010711_11": "「うん、わたしもそう思うよ」", | |||
"201010711_12": "「だから今は、今のあなたに似合う服を、\\n たくさん楽しめばいいのよ」", | |||
"201010711_13": "「今のわたしに似合う服……?」", | |||
"201010711_14": "「そう。今の自分だからこそ似合う服もあるわ」", | |||
"201010711_15": "「それに、憧れの服が似合うようになるために、\\n 自分を磨くのも楽しいものよ」", | |||
"201010711_16": "「いつかきっと、このドレスが似合う素敵なわたしになって、\\n 着てみたいな」", | |||
"201010711_17": "「その時は、真っ先に姉さんに見せるね」", | |||
"201010711_18": "「偉いわ、セレナ。\\n わたしもその時がくるのを、楽しみにしてる」", | |||
"201010711_19": "「ドレスに憧れる気持ちは、わたしもわかるなぁ」", | |||
"201010711_20": "「その隣のドレスって、未来に似合いそう」", | |||
"201010711_21": "「えッ、そ、そうかな?」", | |||
"201010711_22": "「いいわね。そのままだと少し大人っぽいけど、\\n ちょっとお化粧すれば、綺麗に着こなせるんじゃないかしら」", | |||
"201010711_23": "「ほ、本当ですか?\\n あんな大人っぽいドレス……」", | |||
"201010711_24": "「わたしが男の人で、あのドレスを着た未来を見かけたら、\\n 絶対に口説いちゃうよ」", | |||
"201010711_25": "「響……。すごい褒め言葉で照れちゃうよ……」", | |||
"201010711_26": "「でも、ブランド物のドレスなんて、\\n どんなに無理しても買えないかな……」", | |||
"201010711_27": "「大人のおしゃれって、お金がたくさん必要なんですね……」", | |||
"201010711_28": "「S.O.N.G.からッ!?」", | |||
"201010711_29": "「緊急時の呼び出し音ね……」", | |||
"201010711_30": "「はい、響です」", | |||
"201010711_31": "「休日を楽しんでいるところ、すまない。\\n A5地区で、少し厄介な状況が発生した」", | |||
"201010711_32": "「大丈夫だとは思うが最悪のケースに備え、\\n 装者は全員、S.O.N.G.内で待機してもらう」", | |||
"201010711_33": "「GPSの情報では、そこにマリアくんもいるようだな」", | |||
"201010711_34": "「ええ。話は聞こえたわ」", | |||
"201010711_35": "「では、2人とも、すみやかにS.O.N.G.へ集合してくれ」", | |||
"201010711_36": "「わかりましたッ!」", | |||
"201010711_37": "「急ぎましょう」", | |||
"201010711_38": "「ごめんね、未来……」", | |||
"201010711_39": "「ううん。わたしは平気だから、頑張って」", | |||
"201010711_40": "「ごめんね、セレナ……。\\n 部屋の鍵を渡しておくから、戻りが遅くなったら先に休んでいて」", | |||
"201010711_41": "「大丈夫だよ、姉さん。わたしのことは気にしないで。\\n おふたりとも、どうか気を付けて」", | |||
"201010711_42": "「ありがとう。\\n それじゃあ、行ってくるね」", | |||
"201010711_43": "「状況がわかったら、連絡を入れるわ」", | |||
"201010711_44": "「響をよろしくお願いします。\\n 響も絶対に、無茶しちゃダメだよッ!」", | |||
"201010711_45": "「わかってるってッ!」", | |||
"201010711_46": "「いつも返事だけはいいんだから……」", | |||
"201010711_47": "「行っちゃいましたね……」", | |||
"201010711_48": "「この後、どうしようか?」", | |||
"201010711_49": "「その、よければ……、\\n 一緒に買い物を続けませんか?」", | |||
"201010711_50": "「うん。\\n わたしも同じことを言おうとしてたんだ」", | |||
"201010711_51": "「じゃあ予定通りに、\\n 公園のフリーマーケットに行ってみようか」", | |||
"201010711_52": "「はいッ、行きましょう」", | |||
"201010711_53": "「わー、こんなにたくさんお店があるなんて……。\\n すごくにぎやかですね」", | |||
"201010711_54": "「フリーマーケットっていうのは、\\n 一般の人たちがいろんな物を持ち寄って売っているの」", | |||
"201010711_55": "「普通のお店じゃ買えない、手作り商品もたくさんあって、\\n 掘り出し物も多いんだよ」", | |||
"201010711_56": "「だからこんなに、活気があるんですね」", | |||
"201010711_57": "「はぐれるといけないから、手を繋いでいかない?」", | |||
"201010711_58": "「はいッ!」", | |||
"201010711_59": "「フフッ、こうしていれば安全ですね」", | |||
"201010711_60": "「あッ、あっちに綺麗なお洋服がたくさんありますよ」", | |||
"201010711_61": "「ホントだ、見にいってみようか」", | |||
"201010711_62": "「ここは、洋服屋さんの出店でしょうか?」", | |||
"201010711_63": "「高そうな服ばかりで、\\n フリーマーケットというより、ブティックみたい」", | |||
"201010711_64": "「見てください、ドレスもありますよ」", | |||
"201010711_65": "「本当だ。どれもすごく素敵……。\\n さっきみんなで見たブランド物みたい」", | |||
"201010711_66": "「こんにちは。\\n 自信作ばかりだから、手にとって見ていってね」", | |||
"201010711_67": "「自信作ってことは……、\\n ここのお洋服は、みんなあなたが作ったんですか?」", | |||
"201010711_68": "「そうだよ。今はまだ学生だけど、\\n プロのデザイナーを目指してるんだ」", | |||
"201010711_69": "「自信作とはいえ、まだまだアマチュアだからね。\\n 足を止めてくれるのは、あなたたちくらいだよ」", | |||
"201010711_70": "「そんな……。\\n すごく素敵なお洋服ばかりなのに」", | |||
"201010711_71": "「そうですよ。ここのドレスには、\\n ブランド物にも負けない魅力を感じます」", | |||
"201010711_72": "「そんな風に言ってくれるなんて、嬉しい……」", | |||
"201010711_73": "「もし気に入った服があったら、言ってね。\\n まけてあげるからッ!」", | |||
"201010711_74": "「ええッ、そんなつもりじゃ……」", | |||
"201010711_75": "「いいのいいの。\\n この服なんて、あなたに似合うと思うけど、どう?」", | |||
"201010711_76": "「わあ、可愛いッ!」", | |||
"201010711_77": "「黒髪のあなたには、このドレスが似合うと思うよ」", | |||
"201010711_78": "「素敵な色……。\\n こんなに素敵なドレス、わたしに着こなせるかな」", | |||
"201010711_79": "「大丈夫、絶対似合うから。\\n デザインしたわたしが言うんだから、間違いないって」", | |||
"201010711_80": "「どうしましょう……」", | |||
"201010711_81": "「どうしようって……ど、どうしようね」", | |||
"201010711_82": "「買ってくれてありがとう」", | |||
"201010711_83": "「こちらこそ、ありがとうございます。\\n あんなに素敵なドレスを、信じられない値段で……」", | |||
"201010711_84": "「ありがとうございます。絶対に、大切に着ます」", | |||
"201010711_85": "「うん。そうしてくれると、服も喜ぶよ。\\n 気に入ったら、次のフリーマーケットでも遊びに来てね」", | |||
"201010711_86": "「買っちゃい……ましたね」", | |||
"201010711_87": "「買っちゃったね……」", | |||
"201010711_88": "「せっかく買ったんだもの、着てみたいよね?」", | |||
"201010711_89": "「実はわたしも、そう思ってました。\\n 姉さんの家で着てみませんか?」", | |||
"201010711_90": "「うん、行こうッ!」", | |||
"201010711_91": "「セレナちゃん、準備はいい?」", | |||
"201010711_92": "「はいッ! そちらも、大丈夫ですか?」", | |||
"201010711_93": "「うんッ! じゃあ、いっせーので、見せ合おうねッ!」", | |||
"201010711_94": "「わかりました」", | |||
"201010711_95": "「それじゃあ……」", | |||
"201010711_96": "「いっせーのッ!」", | |||
"201010711_97": "「わあッ……そのドレス、\\n すごく似合っていて、素敵ですッ!」", | |||
"201010711_98": "「セレナちゃんこそ、そのドレスすごく似合ってるッ!\\n お人形みたいに可愛いッ!」", | |||
"201010711_99": "「嬉しいです。\\n 姉さんも……、似合うって言ってくれるでしょうか?」", | |||
"201010711_100": "「うん。\\n きっと、心から言ってくれるよ」", | |||
"201010711_101": "「ありがとうございます。\\n 小日向さんも、立花さんに口説かれちゃいますね」", | |||
"201010711_102": "「フフ、本当に口説かれたら、どうしようかな?」", | |||
"201010711_103": "「響からのメールだ……。\\n 2人とも、もうじき帰ってこれるって」", | |||
"201010711_104": "「任務が無事終わったんですね。よかった」", | |||
"201010711_105": "「今ね、マリアさんの部屋にいるって、\\n 返信したんだけど……」", | |||
"201010711_106": "「小日向さんの言いたいこと、わかります。\\n この格好のまま姉さんたちが帰ってくるのを待ちましょう、ですよね?」", | |||
"201010711_107": "「せっかくだもの。どうかな?」", | |||
"201010711_108": "「もちろん、賛成に決まっていますッ!\\n わたしたちの格好を見たら、きっと最初は驚きますよね」", | |||
"201010711_109": "「そうだね、すごく驚くと思うな。\\n そのあとは……、どんな反応をするんだろう」", | |||
"201010711_110": "「楽しみですね。\\n 姉さんたち、早く帰ってこないかなぁ……」" | |||
{ | |||
"201010711_0": "お似合いの服", | |||
"201010711_1": "「あッ! 見てください、あのドレス」", | |||
"201010711_2": "「どれどれッ?」", | |||
"201010711_3": "「わあ……、綺麗なドレス」", | |||
"201010711_4": "「姉さんに似合うと思いませんか?」", | |||
"201010711_5": "「そうだね、すごく似合うと思う。っていうかマリアさん\\n なら、どんなドレスだって着こなしちゃうよ」", | |||
"201010711_6": "「そうですよね」", | |||
"201010711_7": "「わたしも姉さんみたいに、\\n ドレスをカッコよく着こなせたらなあ……」", | |||
"201010711_8": "「セレナだって、今に似合うようになるわよ」", | |||
"201010711_9": "「そうだよ。だって、2人は姉妹なんだからッ!」", | |||
"201010711_10": "「えッ? そ、そう……ですか?」", | |||
"201010711_11": "「うん、わたしもそう思うよ」", | |||
"201010711_12": "「だから今は、今のあなたに似合う服を、\\n たくさん楽しめばいいのよ」", | |||
"201010711_13": "「今のわたしに似合う服……?」", | |||
"201010711_14": "「そう。今の自分だからこそ似合う服もあるわ」", | |||
"201010711_15": "「それに、憧れの服が似合うようになるために、\\n 自分を磨くのも楽しいものよ」", | |||
"201010711_16": "「いつかきっと、このドレスが似合う素敵なわたしになって、\\n 着てみたいな」", | |||
"201010711_17": "「その時は、真っ先に姉さんに見せるね」", | |||
"201010711_18": "「偉いわ、セレナ。\\n わたしもその時がくるのを、楽しみにしてる」", | |||
"201010711_19": "「ドレスに憧れる気持ちは、わたしもわかるなぁ」", | |||
"201010711_20": "「その隣のドレスって、未来に似合いそう」", | |||
"201010711_21": "「えッ、そ、そうかな?」", | |||
"201010711_22": "「いいわね。そのままだと少し大人っぽいけど、\\n ちょっとお化粧すれば、綺麗に着こなせるんじゃないかしら」", | |||
"201010711_23": "「ほ、本当ですか?\\n あんな大人っぽいドレス……」", | |||
"201010711_24": "「わたしが男の人で、あのドレスを着た未来を見かけたら、\\n 絶対に口説いちゃうよ」", | |||
"201010711_25": "「響……。すごい褒め言葉で照れちゃうよ……」", | |||
"201010711_26": "「でも、ブランド物のドレスなんて、\\n どんなに無理しても買えないかな……」", | |||
"201010711_27": "「大人のおしゃれって、お金がたくさん必要なんですね……」", | |||
"201010711_28": "「S.O.N.G.からッ!?」", | |||
"201010711_29": "「緊急時の呼び出し音ね……」", | |||
"201010711_30": "「はい、響です」", | |||
"201010711_31": "「休日を楽しんでいるところ、すまない。\\n A5地区で、少し厄介な状況が発生した」", | |||
"201010711_32": "「大丈夫だとは思うが最悪のケースに備え、\\n 装者は全員、S.O.N.G.内で待機してもらう」", | |||
"201010711_33": "「GPSの情報では、そこにマリアくんもいるようだな」", | |||
"201010711_34": "「ええ。話は聞こえたわ」", | |||
"201010711_35": "「では、2人とも、すみやかにS.O.N.G.へ集合してくれ」", | |||
"201010711_36": "「わかりましたッ!」", | |||
"201010711_37": "「急ぎましょう」", | |||
"201010711_38": "「ごめんね、未来……」", | |||
"201010711_39": "「ううん。わたしは平気だから、頑張って」", | |||
"201010711_40": "「ごめんね、セレナ……。\\n 部屋の鍵を渡しておくから、戻りが遅くなったら先に休んでいて」", | |||
"201010711_41": "「大丈夫だよ、姉さん。わたしのことは気にしないで。\\n おふたりとも、どうか気を付けて」", | |||
"201010711_42": "「ありがとう。\\n それじゃあ、行ってくるね」", | |||
"201010711_43": "「状況がわかったら、連絡を入れるわ」", | |||
"201010711_44": "「響をよろしくお願いします。\\n 響も絶対に、無茶しちゃダメだよッ!」", | |||
"201010711_45": "「わかってるってッ!」", | |||
"201010711_46": "「いつも返事だけはいいんだから……」", | |||
"201010711_47": "「行っちゃいましたね……」", | |||
"201010711_48": "「この後、どうしようか?」", | |||
"201010711_49": "「その、よければ……、\\n 一緒に買い物を続けませんか?」", | |||
"201010711_50": "「うん。\\n わたしも同じことを言おうとしてたんだ」", | |||
"201010711_51": "「じゃあ予定通りに、\\n 公園のフリーマーケットに行ってみようか」", | |||
"201010711_52": "「はいッ、行きましょう」", | |||
"201010711_53": "「わー、こんなにたくさんお店があるなんて……。\\n すごくにぎやかですね」", | |||
"201010711_54": "「フリーマーケットっていうのは、\\n 一般の人たちがいろんな物を持ち寄って売っているの」", | |||
"201010711_55": "「普通のお店じゃ買えない、手作り商品もたくさんあって、\\n 掘り出し物も多いんだよ」", | |||
"201010711_56": "「だからこんなに、活気があるんですね」", | |||
"201010711_57": "「はぐれるといけないから、手を繋いでいかない?」", | |||
"201010711_58": "「はいッ!」", | |||
"201010711_59": "「フフッ、こうしていれば安全ですね」", | |||
"201010711_60": "「あッ、あっちに綺麗なお洋服がたくさんありますよ」", | |||
"201010711_61": "「ホントだ、見にいってみようか」", | |||
"201010711_62": "「ここは、洋服屋さんの出店でしょうか?」", | |||
"201010711_63": "「高そうな服ばかりで、\\n フリーマーケットというより、ブティックみたい」", | |||
"201010711_64": "「見てください、ドレスもありますよ」", | |||
"201010711_65": "「本当だ。どれもすごく素敵……。\\n さっきみんなで見たブランド物みたい」", | |||
"201010711_66": "「こんにちは。\\n 自信作ばかりだから、手にとって見ていってね」", | |||
"201010711_67": "「自信作ってことは……、\\n ここのお洋服は、みんなあなたが作ったんですか?」", | |||
"201010711_68": "「そうだよ。今はまだ学生だけど、\\n プロのデザイナーを目指してるんだ」", | |||
"201010711_69": "「自信作とはいえ、まだまだアマチュアだからね。\\n 足を止めてくれるのは、あなたたちくらいだよ」", | |||
"201010711_70": "「そんな……。\\n すごく素敵なお洋服ばかりなのに」", | |||
"201010711_71": "「そうですよ。ここのドレスには、\\n ブランド物にも負けない魅力を感じます」", | |||
"201010711_72": "「そんな風に言ってくれるなんて、嬉しい……」", | |||
"201010711_73": "「もし気に入った服があったら、言ってね。\\n まけてあげるからッ!」", | |||
"201010711_74": "「ええッ、そんなつもりじゃ……」", | |||
"201010711_75": "「いいのいいの。\\n この服なんて、あなたに似合うと思うけど、どう?」", | |||
"201010711_76": "「わあ、可愛いッ!」", | |||
"201010711_77": "「黒髪のあなたには、このドレスが似合うと思うよ」", | |||
"201010711_78": "「素敵な色……。\\n こんなに素敵なドレス、わたしに着こなせるかな」", | |||
"201010711_79": "「大丈夫、絶対似合うから。\\n デザインしたわたしが言うんだから、間違いないって」", | |||
"201010711_80": "「どうしましょう……」", | |||
"201010711_81": "「どうしようって……ど、どうしようね」", | |||
"201010711_82": "「買ってくれてありがとう」", | |||
"201010711_83": "「こちらこそ、ありがとうございます。\\n あんなに素敵なドレスを、信じられない値段で……」", | |||
"201010711_84": "「ありがとうございます。絶対に、大切に着ます」", | |||
"201010711_85": "「うん。そうしてくれると、服も喜ぶよ。\\n 気に入ったら、次のフリーマーケットでも遊びに来てね」", | |||
"201010711_86": "「買っちゃい……ましたね」", | |||
"201010711_87": "「買っちゃったね……」", | |||
"201010711_88": "「せっかく買ったんだもの、着てみたいよね?」", | |||
"201010711_89": "「実はわたしも、そう思ってました。\\n 姉さんの家で着てみませんか?」", | |||
"201010711_90": "「うん、行こうッ!」", | |||
"201010711_91": "「セレナちゃん、準備はいい?」", | |||
"201010711_92": "「はいッ! そちらも、大丈夫ですか?」", | |||
"201010711_93": "「うんッ! じゃあ、いっせーので、見せ合おうねッ!」", | |||
"201010711_94": "「わかりました」", | |||
"201010711_95": "「それじゃあ……」", | |||
"201010711_96": "「いっせーのッ!」", | |||
"201010711_97": "「わあッ……そのドレス、\\n すごく似合っていて、素敵ですッ!」", | |||
"201010711_98": "「セレナちゃんこそ、そのドレスすごく似合ってるッ!\\n お人形みたいに可愛いッ!」", | |||
"201010711_99": "「嬉しいです。\\n 姉さんも……、似合うって言ってくれるでしょうか?」", | |||
"201010711_100": "「うん。\\n きっと、心から言ってくれるよ」", | |||
"201010711_101": "「ありがとうございます。\\n 小日向さんも、立花さんに口説かれちゃいますね」", | |||
"201010711_102": "「フフ、本当に口説かれたら、どうしようかな?」", | |||
"201010711_103": "「響からのメールだ……。\\n 2人とも、もうじき帰ってこれるって」", | |||
"201010711_104": "「任務が無事終わったんですね。よかった」", | |||
"201010711_105": "「今ね、マリアさんの部屋にいるって、\\n 返信したんだけど……」", | |||
"201010711_106": "「小日向さんの言いたいこと、わかります。\\n この格好のまま姉さんたちが帰ってくるのを待ちましょう、ですよね?」", | |||
"201010711_107": "「せっかくだもの。どうかな?」", | |||
"201010711_108": "「もちろん、賛成に決まっていますッ!\\n わたしたちの格好を見たら、きっと最初は驚きますよね」", | |||
"201010711_109": "「そうだね、すごく驚くと思うな。\\n そのあとは……、どんな反応をするんだろう」", | |||
"201010711_110": "「楽しみですね。\\n 姉さんたち、早く帰ってこないかなぁ……」" | |||
} |
@@ -1,80 +1,80 @@ | |||
{ | |||
"201010811_0": "アルバイト奮闘中", | |||
"201010811_1": "「今日の任務はこれで終わりデスね。\\n まだお昼だから、どこかで食べて帰るデスよッ!」", | |||
"201010811_2": "「そうだね。ついでに夕飯の材料も買って帰ろう」", | |||
"201010811_3": "「……あッ、クリス先輩」", | |||
"201010811_4": "「おわッ!? な、なんだ、お前らいたのか」", | |||
"201010811_5": "「ちょうど調とご飯食べに行こうって話をしてて、\\n 一緒にどうデスか?」", | |||
"201010811_6": "「い、いや、あたしは遠慮しとく」", | |||
"201010811_7": "「もしかして、これから任務ですか?」", | |||
"201010811_8": "「いや……でも今日はどうしても外せない用があるんだ、悪いなッ!」", | |||
"201010811_9": "「……行っちゃったデス。あんなに急いでどんな用事なんデスかね。\\n すごく慌ててたデス」", | |||
"201010811_10": "「最近、訓練が終わってから、すぐ帰ってるみたい。\\n 何かあるのかな」", | |||
"201010811_11": "「そう言えば、前もこんなことがあったデス」", | |||
"201010811_12": "「何か事件かもしれないデスッ! 今度こそ真相を確かめて\\n アタシたちの手で先輩を助けるデスッ!」", | |||
"201010811_13": "「でも、今は潜入美人捜査官メガネは手元に無いから気をつけよう」", | |||
"201010811_14": "「わかってるデスよ。さあ、見失う前に追いかけるデスッ!」", | |||
"201010811_15": "「……」", | |||
"201010811_16": "「先輩を発見。このまま後をつけるデス」", | |||
"201010811_17": "「うん」", | |||
"201010811_18": "「調、このお店からいい匂いがするデスよ。\\n お腹が鳴っちゃいそうデース……」", | |||
"201010811_19": "「切ちゃん、尾行中なんだから集中しないと」", | |||
"201010811_20": "「……あッ! ほら、先輩が先に行っちゃう」", | |||
"201010811_21": "「ああッ! 待つデスよ、調ッ!」", | |||
"201010811_22": "「確かこっちのほうへ来たはずなんだけど……。\\n 切ちゃん、見つかった?」", | |||
"201010811_23": "「向こうにはいなかったデス。\\n この辺りのお店に入ったとは思うんデスが……」", | |||
"201010811_24": "「ファミレスに、ストレッチジム、お花屋さん。\\n どれに入ったんだろう……」", | |||
"201010811_25": "「では、この名探偵がズバッと推理してみせるデースッ!」", | |||
"201010811_26": "「アタシの推理が正しければ、先輩は外食が多いデス。\\n つまり、ファミレスでご飯中と見たデスッ!」", | |||
"201010811_27": "「だったら、わたしたちと一緒でもいいし、\\n 用事がある、なんて断り方するかな」", | |||
"201010811_28": "「え、ええっと、じゃあ、ストレッチジムッ!\\n きっとお腹の辺りが出てきてダイエット中なんデスよ」", | |||
"201010811_29": "「それはあるかも。先輩は隠れて努力するタイプだから。\\n わたしたちに内緒で特訓してるのかな」", | |||
"201010811_30": "「お花屋さんは……ないデスね。\\n 贈り物にお花ってタイプじゃなさそうデスし」", | |||
"201010811_31": "「そうとは言い切れないよ。\\n 花を贈りたい相手がいるから急いで買いに走ったのかも」", | |||
"201010811_32": "「先輩が花を贈るほどの相手……。\\n い、一体、誰なんデスかッ!?」", | |||
"201010811_33": "「これはわたしたちがしっかり調査しないと」", | |||
"201010811_34": "「まずはお花屋さんに入ってどんな花を買うのか\\n 確かめるデスよ」", | |||
"201010811_35": "「いらっしゃいませ。どのようなお花をお探し――」", | |||
"201010811_36": "「って、お前らッ!?」", | |||
"201010811_37": "「し、しまった、見つかったデスッ!」", | |||
"201010811_38": "「逃げるデスよ、調ッ!」", | |||
"201010811_39": "「待って、それよりも……」", | |||
"201010811_40": "「……あれ、『いらっしゃいませ』ってなんデスか?」", | |||
"201010811_41": "「あッ、いや、つまり、あれだ……」", | |||
"201010811_42": "「そ、そんなことより、なんでここにいるんだよッ!」", | |||
"201010811_43": "「え、ええっと、それはデスね……」", | |||
"201010811_44": "「お前ら、あたしの後をつけてきやがったな。\\n ったく、見られたくないから隠してたのに」", | |||
"201010811_45": "「あら、雪音ちゃんのお友達?」", | |||
"201010811_46": "「ああ、いや、あたしの後輩なんだ。\\n すぐに帰らせるから、気にしないでくれ」", | |||
"201010811_47": "「いいのよ、ゆっくりしていって。\\n それよりもほら、まだ出してないお花があるでしょ」", | |||
"201010811_48": "「あ、ああ、わかってるッ!」", | |||
"201010811_49": "「先輩はここで何をやってるんデスか?」", | |||
"201010811_50": "「見りゃわかるだろ、アルバイトだよ。\\n たまに働いてんだ、黙ってたけどな」", | |||
"201010811_51": "「最近、他のアルバイトの子が体調を崩しちゃってね。\\n 臨時で手伝ってくれてるの」", | |||
"201010811_52": "「なるほど。最近、すぐに帰っていたのは\\n ここへ来るためだったんですね」", | |||
"201010811_53": "「ま、まあ、そういうことだから、\\n お前らも用がないならさっさと帰れよな。それとも花買うか?」", | |||
"201010811_54": "「お花は買わないデスけど、店長さん、アルバイトの子が\\n 休んでるってことは人手が足りてないってことデスよね?」", | |||
"201010811_55": "「わたしたち、先輩のお手伝いをしたいです。\\n ダメですか?」", | |||
"201010811_56": "「だ、ダメに決まってんだろ。\\n だいたい、働くってのはお前らが思っている以上に――」", | |||
"201010811_57": "「ええ、いいわよ。\\n こんなに可愛いお手伝いさんなら大歓迎」", | |||
"201010811_58": "「ちょッ!? 何言ってんだッ!」", | |||
"201010811_59": "「でも、手伝う以上はきちんとやってもらうからね。\\n 先輩の言うこともちゃんと聞くように」", | |||
"201010811_60": "「頑張るデースッ!」", | |||
"201010811_61": "「任せてください」", | |||
"201010811_62": "「大丈夫かよ……」", | |||
"201010811_63": "「いらっしゃいませデースッ!\\n 贈り物にお花はいかがデスかーッ!」", | |||
"201010811_64": "「こちら、新入荷です。\\n よかったら、見ていってください」", | |||
"201010811_65": "「……一応、教えた通りしっかりできてるみたいだな」", | |||
"201010811_66": "「ったくあいつら、元気だけはいいからな」", | |||
"201010811_67": "「フフ、あなたがアルバイトに来たばかりのころは\\n もっと大変だったものね」", | |||
"201010811_68": "「えッ、そうなんデスか?」", | |||
"201010811_69": "「最初はね、声もかけられず、チラシも渡せずで\\n オロオロしてばかりだったのよ」", | |||
"201010811_70": "「そ、それは初めてでよくわからなかったからで……」", | |||
"201010811_71": "「初々しくて、見てて危なっかしい子だったのに、\\n 今はちゃんと先輩として教えてあげてるなんてね」", | |||
"201010811_72": "「その話、もっと詳しく聞かせてください」", | |||
"201010811_73": "「し、仕事中だろ、ちゃんと働けッ!」", | |||
"201010811_74": "「そうね。なら、休憩時間にでもお話しましょうか」", | |||
"201010811_75": "「おおッ、それは楽しみデースッ!\\n 頑張って働くデスよーッ!」", | |||
"201010811_76": "「うん、頑張ろう」", | |||
"201010811_77": "「店長、あんまり変なことを後輩に話さないでくれよな。\\n あたしはあいつらの先輩なんだから……」" | |||
{ | |||
"201010811_0": "アルバイト奮闘中", | |||
"201010811_1": "「今日の任務はこれで終わりデスね。\\n まだお昼だから、どこかで食べて帰るデスよッ!」", | |||
"201010811_2": "「そうだね。ついでに夕飯の材料も買って帰ろう」", | |||
"201010811_3": "「……あッ、クリス先輩」", | |||
"201010811_4": "「おわッ!? な、なんだ、お前らいたのか」", | |||
"201010811_5": "「ちょうど調とご飯食べに行こうって話をしてて、\\n 一緒にどうデスか?」", | |||
"201010811_6": "「い、いや、あたしは遠慮しとく」", | |||
"201010811_7": "「もしかして、これから任務ですか?」", | |||
"201010811_8": "「いや……でも今日はどうしても外せない用があるんだ、悪いなッ!」", | |||
"201010811_9": "「……行っちゃったデス。あんなに急いでどんな用事なんデスかね。\\n すごく慌ててたデス」", | |||
"201010811_10": "「最近、訓練が終わってから、すぐ帰ってるみたい。\\n 何かあるのかな」", | |||
"201010811_11": "「そう言えば、前もこんなことがあったデス」", | |||
"201010811_12": "「何か事件かもしれないデスッ! 今度こそ真相を確かめて\\n アタシたちの手で先輩を助けるデスッ!」", | |||
"201010811_13": "「でも、今は潜入美人捜査官メガネは手元に無いから気をつけよう」", | |||
"201010811_14": "「わかってるデスよ。さあ、見失う前に追いかけるデスッ!」", | |||
"201010811_15": "「……」", | |||
"201010811_16": "「先輩を発見。このまま後をつけるデス」", | |||
"201010811_17": "「うん」", | |||
"201010811_18": "「調、このお店からいい匂いがするデスよ。\\n お腹が鳴っちゃいそうデース……」", | |||
"201010811_19": "「切ちゃん、尾行中なんだから集中しないと」", | |||
"201010811_20": "「……あッ! ほら、先輩が先に行っちゃう」", | |||
"201010811_21": "「ああッ! 待つデスよ、調ッ!」", | |||
"201010811_22": "「確かこっちのほうへ来たはずなんだけど……。\\n 切ちゃん、見つかった?」", | |||
"201010811_23": "「向こうにはいなかったデス。\\n この辺りのお店に入ったとは思うんデスが……」", | |||
"201010811_24": "「ファミレスに、ストレッチジム、お花屋さん。\\n どれに入ったんだろう……」", | |||
"201010811_25": "「では、この名探偵がズバッと推理してみせるデースッ!」", | |||
"201010811_26": "「アタシの推理が正しければ、先輩は外食が多いデス。\\n つまり、ファミレスでご飯中と見たデスッ!」", | |||
"201010811_27": "「だったら、わたしたちと一緒でもいいし、\\n 用事がある、なんて断り方するかな」", | |||
"201010811_28": "「え、ええっと、じゃあ、ストレッチジムッ!\\n きっとお腹の辺りが出てきてダイエット中なんデスよ」", | |||
"201010811_29": "「それはあるかも。先輩は隠れて努力するタイプだから。\\n わたしたちに内緒で特訓してるのかな」", | |||
"201010811_30": "「お花屋さんは……ないデスね。\\n 贈り物にお花ってタイプじゃなさそうデスし」", | |||
"201010811_31": "「そうとは言い切れないよ。\\n 花を贈りたい相手がいるから急いで買いに走ったのかも」", | |||
"201010811_32": "「先輩が花を贈るほどの相手……。\\n い、一体、誰なんデスかッ!?」", | |||
"201010811_33": "「これはわたしたちがしっかり調査しないと」", | |||
"201010811_34": "「まずはお花屋さんに入ってどんな花を買うのか\\n 確かめるデスよ」", | |||
"201010811_35": "「いらっしゃいませ。どのようなお花をお探し――」", | |||
"201010811_36": "「って、お前らッ!?」", | |||
"201010811_37": "「し、しまった、見つかったデスッ!」", | |||
"201010811_38": "「逃げるデスよ、調ッ!」", | |||
"201010811_39": "「待って、それよりも……」", | |||
"201010811_40": "「……あれ、『いらっしゃいませ』ってなんデスか?」", | |||
"201010811_41": "「あッ、いや、つまり、あれだ……」", | |||
"201010811_42": "「そ、そんなことより、なんでここにいるんだよッ!」", | |||
"201010811_43": "「え、ええっと、それはデスね……」", | |||
"201010811_44": "「お前ら、あたしの後をつけてきやがったな。\\n ったく、見られたくないから隠してたのに」", | |||
"201010811_45": "「あら、雪音ちゃんのお友達?」", | |||
"201010811_46": "「ああ、いや、あたしの後輩なんだ。\\n すぐに帰らせるから、気にしないでくれ」", | |||
"201010811_47": "「いいのよ、ゆっくりしていって。\\n それよりもほら、まだ出してないお花があるでしょ」", | |||
"201010811_48": "「あ、ああ、わかってるッ!」", | |||
"201010811_49": "「先輩はここで何をやってるんデスか?」", | |||
"201010811_50": "「見りゃわかるだろ、アルバイトだよ。\\n たまに働いてんだ、黙ってたけどな」", | |||
"201010811_51": "「最近、他のアルバイトの子が体調を崩しちゃってね。\\n 臨時で手伝ってくれてるの」", | |||
"201010811_52": "「なるほど。最近、すぐに帰っていたのは\\n ここへ来るためだったんですね」", | |||
"201010811_53": "「ま、まあ、そういうことだから、\\n お前らも用がないならさっさと帰れよな。それとも花買うか?」", | |||
"201010811_54": "「お花は買わないデスけど、店長さん、アルバイトの子が\\n 休んでるってことは人手が足りてないってことデスよね?」", | |||
"201010811_55": "「わたしたち、先輩のお手伝いをしたいです。\\n ダメですか?」", | |||
"201010811_56": "「だ、ダメに決まってんだろ。\\n だいたい、働くってのはお前らが思っている以上に――」", | |||
"201010811_57": "「ええ、いいわよ。\\n こんなに可愛いお手伝いさんなら大歓迎」", | |||
"201010811_58": "「ちょッ!? 何言ってんだッ!」", | |||
"201010811_59": "「でも、手伝う以上はきちんとやってもらうからね。\\n 先輩の言うこともちゃんと聞くように」", | |||
"201010811_60": "「頑張るデースッ!」", | |||
"201010811_61": "「任せてください」", | |||
"201010811_62": "「大丈夫かよ……」", | |||
"201010811_63": "「いらっしゃいませデースッ!\\n 贈り物にお花はいかがデスかーッ!」", | |||
"201010811_64": "「こちら、新入荷です。\\n よかったら、見ていってください」", | |||
"201010811_65": "「……一応、教えた通りしっかりできてるみたいだな」", | |||
"201010811_66": "「ったくあいつら、元気だけはいいからな」", | |||
"201010811_67": "「フフ、あなたがアルバイトに来たばかりのころは\\n もっと大変だったものね」", | |||
"201010811_68": "「えッ、そうなんデスか?」", | |||
"201010811_69": "「最初はね、声もかけられず、チラシも渡せずで\\n オロオロしてばかりだったのよ」", | |||
"201010811_70": "「そ、それは初めてでよくわからなかったからで……」", | |||
"201010811_71": "「初々しくて、見てて危なっかしい子だったのに、\\n 今はちゃんと先輩として教えてあげてるなんてね」", | |||
"201010811_72": "「その話、もっと詳しく聞かせてください」", | |||
"201010811_73": "「し、仕事中だろ、ちゃんと働けッ!」", | |||
"201010811_74": "「そうね。なら、休憩時間にでもお話しましょうか」", | |||
"201010811_75": "「おおッ、それは楽しみデースッ!\\n 頑張って働くデスよーッ!」", | |||
"201010811_76": "「うん、頑張ろう」", | |||
"201010811_77": "「店長、あんまり変なことを後輩に話さないでくれよな。\\n あたしはあいつらの先輩なんだから……」" | |||
} |
@@ -0,0 +1,75 @@ | |||
{ | |||
"201010911_0": "慣れない得物", | |||
"201010911_1": "「さて、今日のトレーニングだが、\\n 2人に向けて、趣向を凝らしてみた」", | |||
"201010911_2": "「あたしたち限定ってことか?」", | |||
"201010911_3": "「どのようなものであろうと、受けて立ちますッ!」", | |||
"201010911_4": "「うむ、その心意気や良しッ!\\n ではその内容を説明しよう」", | |||
"201010911_5": "「お前たちは剣と銃、それぞれ対照的な性質の\\n 得物を使っているだろう?」", | |||
"201010911_6": "「今日のトレーニングは、その得物を交換して行ってもらう」", | |||
"201010911_7": "「なんだ、そりゃ?」", | |||
"201010911_8": "「お互いの得物を扱えば、特有の間合いや身のこなしなど、\\n 相手の行動に理解が深まるだろう」", | |||
"201010911_9": "「そのことで、連携をよりスムーズにするのが、\\n 今回のトレーニングの狙いだ」", | |||
"201010911_10": "「なるほど……。互いの行動パターンが把握できれば、\\n あらゆる状況にも柔軟に対応できますね」", | |||
"201010911_11": "「まあ、なにかしら得るものはありそうだな」", | |||
"201010911_12": "「……といっても、ギアを交換するわけにはいかない。\\n そこで用意してきたのが、コレだ」", | |||
"201010911_13": "「玩具の銃ですか……?」", | |||
"201010911_14": "「こっちは刀みたいだけど、\\n ……もちろん、本物じゃないんだよな?」", | |||
"201010911_15": "「エアソフトガンと模擬刀だ。\\n それを使ってお互いの戦い方を学んでもらう」", | |||
"201010911_16": "「慣れない得物だ、慎重にな」", | |||
"201010911_17": "「心得ています。\\n 戦士たるもの、武具の取り扱いに抜かりはありませ……」", | |||
"201010911_18": "「痛ッ!」", | |||
"201010911_19": "「ど、どこに試し撃ちしてるんだッ!」", | |||
"201010911_20": "「す、すまんッ!\\n 引き金に指をかけたら、勝手に……」", | |||
"201010911_21": "「トリガーには撃つべき時以外、\\n 指をかけない方がいい」", | |||
"201010911_22": "「ったく、ホントに気をつけてくれよな……」", | |||
"201010911_23": "「すまない……」", | |||
"201010911_24": "「あ、ああ。分かってくれればいいんだ……」", | |||
"201010911_25": "「クリスくんの方はどうだ?」", | |||
"201010911_26": "「なんの問題もないな。\\n 銃と比べれば、刀なんか軽いに決まって……」", | |||
"201010911_27": "「……なッ、思ったより重いッ!?\\n ふ、振り回される……ッ!」", | |||
"201010911_28": "「模擬刀と言えど、刀の重みを体感するには十分だろう。\\n 重心を意識せず振りぬけば、持っていかれるぞ」", | |||
"201010911_29": "「わぁぁぁぁぁぁぁッ!」", | |||
"201010911_30": "「刀の扱いは思ったよりも難しいだろう?」", | |||
"201010911_31": "「先輩は、こんな重さをいつも軽々と……」", | |||
"201010911_32": "「互いの行動への理解――」", | |||
"201010911_33": "「百聞は一見にしかずと言うが、\\n 我が身で体験するとやはり違うものだな」", | |||
"201010911_34": "「ああ、よーく理解できた。\\n 思ってた以上に大変だってことがな」", | |||
"201010911_35": "「慣れるまで扱いには苦労するだろうが、\\n これもまた修行の一貫、精進することだッ!」", | |||
"201010911_36": "「……さて、そろそろ新しい得物も\\n 馴染んできた頃合いだろう」", | |||
"201010911_37": "「ここらでひとつ、模擬戦をやってみるとしよう」", | |||
"201010911_38": "「五分の条件でどこまでいけるか、\\n いい勝負になりそうだな」", | |||
"201010911_39": "「弘法は筆を選ばず、防人もまたしかり。受けて立とう」", | |||
"201010911_40": "「フッ、いい気迫だ。\\n では早速、準備にとりかかってくれッ!」", | |||
"201010911_41": "「準備はできたようだな。\\n ……それでは、始めッ!」", | |||
"201010911_42": "「手加減なしだ、行くぞッ!」", | |||
"201010911_43": "「無論、遠慮は無用だ。\\n わたしも容赦はしないからなッ!」", | |||
"201010911_44": "「ああ、それじゃ先手必勝だッ!\\n はああああッ!」", | |||
"201010911_45": "「ちッ、あたらないッ!」", | |||
"201010911_46": "「どこを狙っている、わたしはこっちだぞッ!」", | |||
"201010911_47": "「ンなこと言っても、この重さじゃ細かい動きは無理だ。\\n くそッ! どうしても大振りになっちまうッ!」", | |||
"201010911_48": "「ならばこちらから行くぞッ!\\n はぁ――ッ!」", | |||
"201010911_49": "「外したッ!? 狙いが高かった――、\\n いや、撃った反動で狙いが反れたか」", | |||
"201010911_50": "「だが、次は慎重に……、\\n 狙いを定め、反動に備えて――」", | |||
"201010911_51": "「のんびり狙ってたら、カモになるぞ。\\n あっという間に踏み込まれるッ!」", | |||
"201010911_52": "「なッ!?」", | |||
"201010911_53": "「遠距離の脆いトコならあたしが良く分かってる。\\n くらえ……ッ!」", | |||
"201010911_54": "「……って、やっぱりこの刀、重すぎだッ!」", | |||
"201010911_55": "「そんなへっぴり腰で扱えるものかッ!」", | |||
"201010911_56": "「振り上げて重心が後ろにかかっては、それこそカモになる。\\n 踏み込むときは、重心が少し前に来るのを意識するんだ」", | |||
"201010911_57": "「あ、ああ。\\n ……ッ! こうかッ!?」", | |||
"201010911_58": "「……本当だ。一気に安定してきた……」", | |||
"201010911_59": "「刀と銃――、\\n 勝手は違うが、通ずるものも見えてきたな」", | |||
"201010911_60": "「ああ。刀の重心に銃の反動――。\\n どんな武器も、体に覚えさせるのは一緒みたいだな」", | |||
"201010911_61": "「さすが先輩ッ! もう狙いが定まってきたッ!」", | |||
"201010911_62": "「そちらもなかなかに構えがサマになってきたぞ。\\n 次の一撃、かわすのは容易ではなさそうだな」", | |||
"201010911_63": "(2人とも、なにか掴めたようだな)", | |||
"201010911_64": "「お疲れさん。得物を交換した成果はどうだ?\\n なかなか有意義だったんじゃないか?」", | |||
"201010911_65": "「とにかく疲れた……。\\n やっぱあたしは銃の方が合ってる」", | |||
"201010911_66": "「飛び道具は身体能力に依存しないとばかり思っていましたが、\\n 戦場では相応の身のこなしが必要であると知りました」", | |||
"201010911_67": "「こっちも、刀で相手の懐に飛び込む苦労ってのを、\\n 一通り経験した気がするな……」", | |||
"201010911_68": "「戦場を駆ける先輩のスピード感、少しわかった気がする……」", | |||
"201010911_69": "「雪音の柔軟な立ち振る舞いも、見習うべきものは多かった。\\n 今日の経験は、戦場で十分に活かせるはずだ」", | |||
"201010911_70": "「ああ」", | |||
"201010911_71": "「狙い通り――、いや、それ以上に、\\n 互いへの理解が深まったようだな」", | |||
"201010911_72": "「今後、この2人の連携にはますます期待ができそうだ」" | |||
} |
@@ -0,0 +1,192 @@ | |||
{ | |||
"201011011_0": "わたしはお姉さん", | |||
"201011011_1": "「完成したって、本当デスかッ!?」", | |||
"201011011_2": "「はい。切歌さんから提案していただいた、幻獣型ギアを\\n 纏うための心象実験の装置が完成したんです」", | |||
"201011011_3": "「おおッ! これで、ドラゴンの力を持ったギアを\\n 纏えるかもしれないんデスねッ!」", | |||
"201011011_4": "「調や先輩から幻獣型ギアの話を聞いて、\\n すごく気になっていたんデスよ」", | |||
"201011011_5": "「『魔剣グラム』の事件に巻き込まれたとき、\\n 切ちゃんはいなかったもんね」", | |||
"201011011_6": "「今回は切歌くんが心象実験の対象者だ。\\n 本人たっての希望もあるからな」", | |||
"201011011_7": "「みんな任務とかで忙しそうなのに、アタシだけ\\n わがままを言って心象実験をしちゃって大丈夫デスか……?」", | |||
"201011011_8": "「力の象徴でもあるドラゴンの特性を持ったギアならば、\\n 戦力の上昇に繋がるだろう」", | |||
"201011011_9": "「それに、切歌くんが心象実験を成功させれば、\\n 他の装者にも応用が可能だ」", | |||
"201011011_10": "「つまり、我々S.O.N.G.にとっても、\\n 十分に意味のある心象実験ということだ」", | |||
"201011011_11": "「わかったデスッ! みんなのためにも、\\n カッコイイ幻獣型ギアを発現してみせるデスッ!」", | |||
"201011011_12": "「ああ、その意気だ」", | |||
"201011011_13": "「心象実験は明日行う予定になっているから、\\n 今日はゆっくり休んで備えてくれ」", | |||
"201011011_14": "「了解デースッ!」", | |||
"201011011_15": "「フフ、頑張ろうね、切ちゃん」", | |||
"201011011_16": "(夢にまで見た幻獣型ギア……。\\n 今からドキドキワクワクしちゃうデス……ッ!)", | |||
"201011011_17": "「……これがカルマノイズの資料ですね。\\n 確かに受け取りました、必ずマムに届けます」", | |||
"201011011_18": "「わざわざ取りに来てもらってすまないな」", | |||
"201011011_19": "「こちらこそ、情報を共有していただけるのはとても助かります」", | |||
"201011011_20": "「……」", | |||
"201011011_21": "「あ、あの、ところで1つお聞きしたいのですが……」", | |||
"201011011_22": "「ゲホゲホ……。\\n うう、アタシはバカデス、とんでもない大バカデースッ!」", | |||
"201011011_23": "「ええっと、暁さんはなぜ泣いているんでしょう?」", | |||
"201011011_24": "「切ちゃんが幻獣型ギアを発現させるための心象実験を\\n やるはずだったんだけど……」", | |||
"201011011_25": "「楽しみすぎて全然寝付けなかったせいで、\\n 体調を崩しちゃったんデス……ゲホッ……」", | |||
"201011011_26": "「なるほど……」", | |||
"201011011_27": "「仕方がないが、心象実験は延期にする必要があるな」", | |||
"201011011_28": "「うう、ごめんなさいデス……」", | |||
"201011011_29": "「明日以降は任務の予定が詰まっていますから、\\n 次はだいぶ先になってしまいそうですね……」", | |||
"201011011_30": "「そ、そんな……ッ!」", | |||
"201011011_31": "「あれ? なんだか元気になってきた気がするデスッ!」", | |||
"201011011_32": "「これなら心象実験しても……ゲホッ……」", | |||
"201011011_33": "「切ちゃん、バレバレだよ」", | |||
"201011011_34": "「無理はいけませんよ? まずは体調を治さないと」", | |||
"201011011_35": "「でも……あッ、そうデスッ!\\n セレナが心象実験を受ければいいんデスよッ!」", | |||
"201011011_36": "「えッ!? わたしが?」", | |||
"201011011_37": "「強くてカッコイイ、幻獣型ギアを纏えるチャンスデスよッ!」", | |||
"201011011_38": "「強くて、カッコイイ……」", | |||
"201011011_39": "「みんなのためにも、お願いするデス。\\n わたしのカタキを討ってほしいデス……」", | |||
"201011011_40": "(わたしが纏うことができれば、\\n もっと強くなって姉さんみたいに戦えるかな……)", | |||
"201011011_41": "「興味ありそう」", | |||
"201011011_42": "「こちらの装者は、調くんと切歌くん以外出払っている」", | |||
"201011011_43": "「セレナくんに代打として心象実験を受けてもらうのは、\\n たしかにいい案だな」", | |||
"201011011_44": "「急な話で申し訳ないが、どうだろうか……?」", | |||
"201011011_45": "「ぜひ、やってみたいですッ!\\n ですが、マムの許可が無いと……」", | |||
"201011011_46": "「ああ、その通りだな。\\n 無理にとは言わないから、きちんと話し合って決めてくれ」", | |||
"201011011_47": "「分かりました。では、いったん失礼させてもらいます」", | |||
"201011011_48": "「待ってるデスよッ! ゲホン……」", | |||
"201011011_49": "「セレナさん、どうぞこちらへ」", | |||
"201011011_50": "「よろしくお願いします」", | |||
"201011011_51": "「マムの許可が取れてよかったね」", | |||
"201011011_52": "「はいッ! わたしも、きちんと結果を残さないと」", | |||
"201011011_53": "「……そういえば、暁さんは?」", | |||
"201011011_54": "「切ちゃんは帰らされて自宅療養中。\\n ここにいたら、我慢できずに飛び入り参加しそうだから」", | |||
"201011011_55": "「確かに、暁さんならそうなっちゃうかもしれません……」", | |||
"201011011_56": "「では、実験について説明しますね」", | |||
"201011011_57": "「おふたりには、こちらのテレビゲーム、『レジェンドオブ\\n ドラゴンバスター』の世界を体験してもらいます」", | |||
"201011011_58": "「え? ゲームですか?」", | |||
"201011011_59": "「切歌さんの提案なんです。ゲームの世界を実際に体験できたら、\\n 心象変化が起きるに違いないと」", | |||
"201011011_60": "「ボクはゲームの経験がなかったのでわかりませんが、ゲームは\\n 子供たちの思考に大きな影響を与えるというデータもあります」", | |||
"201011011_61": "「切歌さんは、きっとそういったデータをもとに……」", | |||
"201011011_62": "「うーん……、切ちゃんはそこまで深く考えてないと思う」", | |||
"201011011_63": "「フフ、暁さんらしいアイデアですね。\\n 心象実験が楽しみになってきました」", | |||
"201011011_64": "「それでは、そろそろ始めますね。\\n 調さんにも、サポートとして参加していただきます」", | |||
"201011011_65": "「おふたりはギアを纏って準備をしてください」", | |||
"201011011_66": "「わかりました」", | |||
"201011011_67": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」", | |||
"201011011_68": "「Various shul shagana tron――」", | |||
"201011011_69": "「シミュレータ起動します。気をつけてくださいね」", | |||
"201011011_70": "「え? 気をつけてくださいって、どういう――」", | |||
"201011011_71": "「景色が変わった……?」", | |||
"201011011_72": "「ゲームの中身を再現した場所、\\n ということでいいんでしょうか?」", | |||
"201011011_73": "「うん、レジェンドオブドラゴンバスターの世界だよ。\\n たぶん、すぐに出てくるはず……」", | |||
"201011011_74": "「出てくるって、やっぱり――」", | |||
"201011011_75": "「ゴオオオ――ッ!」", | |||
"201011011_76": "「あれが、ドラゴンッ! 思ったより大きくて怖いです……。\\n あの、今更ですけどこのゲームって……」", | |||
"201011011_77": "「ドラゴンと戦って、倒したらクリアだよ」", | |||
"201011011_78": "「倒す以外に方法はないんですか?\\n 巣に帰してあげるとか……」", | |||
"201011011_79": "「これはゲームだから……。\\n ドラゴンは、人類の敵として登場するの」", | |||
"201011011_80": "「ゴオオオオオ――ッ!」", | |||
"201011011_81": "「話してる暇はないみたい。わたしがサポートするから、\\n セレナは自分なりに戦ってみて」", | |||
"201011011_82": "「は、はいッ!」", | |||
"201011011_83": "(ノイズと雰囲気が違って怖いけど、\\n 心象変化を起こすために、頑張らないとッ!)", | |||
"201011011_84": "「たあ――ッ!」", | |||
"201011011_85": "「はあッ!」", | |||
"201011011_86": "「グウ……?」", | |||
"201011011_87": "「あ、あれ? 全然効いてない……?」", | |||
"201011011_88": "「無傷ッ!?」", | |||
"201011011_89": "「ゲームでは、どうやって戦っているんですか?」", | |||
"201011011_90": "「ドラゴンキラー属性の素材で武器を作ったり、\\n 修行して古代の魔法を覚えたり……」", | |||
"201011011_91": "「つまり、普通のギアで攻撃しても\\n 倒せないってことですかッ!?」", | |||
"201011011_92": "「ギャオオオオオ――ッ!」", | |||
"201011011_93": "「――ッ!?」", | |||
"201011011_94": "「きゃあああああッ!?」", | |||
"201011011_95": "「うう、一方的にドラゴンさんから攻撃されて、\\n ゲームオーバーになってしまいました……」", | |||
"201011011_96": "「すみません。なるべくゲームの内容を再現しようと\\n したのですが……」", | |||
"201011011_97": "「謝ることないよ。ドラゴンが弱かったら心象変化をする\\n 意味がなくなっちゃうし」", | |||
"201011011_98": "「とは言え、どうしたらいいんでしょう。\\n わたしがもっと強ければよかったのに……」", | |||
"201011011_99": "「ゲームで心象変化をするというのは、\\n 無茶だったんでしょうか……」", | |||
"201011011_100": "(2人とも落ち込んじゃった……。\\n 何か、ドラゴンを倒す以外でできることはないかな……)", | |||
"201011011_101": "「……そうだッ!」", | |||
"201011011_102": "「どうしたんですか?」", | |||
"201011011_103": "「……このゲームのシステムは全部再現してるの?」", | |||
"201011011_104": "「はい。ゲームをそのまま楽しめるようにしたい、\\n とのことだったので」", | |||
"201011011_105": "「だったら『ドラゴン育成モード』をやってみるのは\\n どうかな?」", | |||
"201011011_106": "「そういえば、ミニゲーム的な要素としてそんな\\n モードがありましたね」", | |||
"201011011_107": "「たしか、卵から孵ったドラゴンを育てて\\n 仲間にすることができるモードだったはずです」", | |||
"201011011_108": "「目的はドラゴンを倒すことじゃなくて心象変化だから。\\n 他のことに挑戦してみるのもいいかもしれないと思って」", | |||
"201011011_109": "「あのドラゴンさんを育てるんですか?\\n わたしにできるでしょうか……」", | |||
"201011011_110": "「やめておく?」", | |||
"201011011_111": "「……いいえ。このまま逃げ続ける訳にはいきません。\\n 『ドラゴン育成モード』に挑戦してみますッ!」", | |||
"201011011_112": "「では、育成モードでシミュレータを起動させますね。\\n 頑張ってくださいッ!」", | |||
"201011011_113": "「……起動したみたいですね。たしか、卵から孵った\\n ドラゴンさんを育てるということですが……」", | |||
"201011011_114": "「卵なら目の前にあるよ。ほら、ここ」", | |||
"201011011_115": "「えッ、この小さな卵がそうなんですかッ!\\n てっきり卵もお家ぐらいあるのかと思ってました」", | |||
"201011011_116": "「最初に戦ったドラゴン、すごく大きかったもんね。\\n そんなことよりほら、卵が孵るよ」", | |||
"201011011_117": "「ど、どんなドラゴンさんが出てくるんでしょう……」", | |||
"201011011_118": "「クーッ!」", | |||
"201011011_119": "「か、可愛いッ!\\n さっきのドラゴンさんと大違いです」", | |||
"201011011_120": "「クー、クークーッ!」", | |||
"201011011_121": "「フフ、身体を擦り寄せてきて、人懐っこいドラゴンちゃん。\\n よしよし、元気があっていい子だね」", | |||
"201011011_122": "「すりこみで親だと思ってるのかな」", | |||
"201011011_123": "「ちょっと照れちゃいますね」", | |||
"201011011_124": "「でも、お母さんより、\\n わたしはお姉さんになりたいな」", | |||
"201011011_125": "「ククーッ!」", | |||
"201011011_126": "「え、ええっと、服を引っ張ってるけど遊んでほしいのかな?\\n それともお腹が空いてるの?」", | |||
"201011011_127": "「その反応は……うん、遊んでほしいんだと思う」", | |||
"201011011_128": "「フフ、じゃあ、お姉さんと一緒に遊ぼうッ!」", | |||
"201011011_129": "数日後(ゲーム内時間)", | |||
"201011011_130": "「クーッ!」", | |||
"201011011_131": "「まだ遊び足りないの?\\n ダメだよ、休むことも大切なんだからね」", | |||
"201011011_132": "「クー……」", | |||
"201011011_133": "「フフ、いい子いい子」", | |||
"201011011_134": "「その子、すっかり大きくなったね」", | |||
"201011011_135": "「だけど、甘えん坊ですし、やっぱりまだまだ子供です」", | |||
"201011011_136": "「それだけセレナのことが好きなんだよ」", | |||
"201011011_137": "「ククーッ!」", | |||
"201011011_138": "(やっぱり、セレナには戦いよりもこっちのほうが\\n 合ってたみたい)", | |||
"201011011_139": "「くすぐったいよ。もしかして、お腹がすいたの?」", | |||
"201011011_140": "「クーッ!」", | |||
"201011011_141": "「本当に、お姉さんみたい」", | |||
"201011011_142": "「わたしには、頼りになるお姉さんが近くにいましたから。\\n わたしも小さい頃はこうやって姉さんに甘えていました」", | |||
"201011011_143": "「おふたりとも楽しめているようでよかったです。\\n ですが、まだ心象変化の兆候は見られませんね……」", | |||
"201011011_144": "「戻ったわ」", | |||
"201011011_145": "「マリアさん。任務から戻られたんですね」", | |||
"201011011_146": "「ええ。ついさっき戻ったところよ」", | |||
"201011011_147": "「あら? 何をしているかと思ったら、切歌たちがやっていた\\n ゲームじゃない。あの子たちから借りたのね」", | |||
"201011011_148": "「いえ、これは……」", | |||
"201011011_149": "「ちょっと待って……このキャラ、セレナにそっくり……ッ!\\n ドラゴンと戯れて、可愛らしいわ……ッ!」", | |||
"201011011_150": "「あの、これはキャラではなくて、本物の――」", | |||
"201011011_151": "「このボタンで操作してるのね。\\n わたしも少し触らせてもらってもいいかしら」", | |||
"201011011_152": "「ああッ!? そ、そのボタンは――ッ!」", | |||
"201011011_153": "「この音は……?」", | |||
"201011011_154": "「クウ?」", | |||
"201011011_155": "「大丈夫だよ。お姉さんの後ろに隠れて」", | |||
"201011011_156": "「ゴオオオオオ――ッ!」", | |||
"201011011_157": "「あのドラゴンさんは……ッ!」", | |||
"201011011_158": "「このモードに敵は出てこないはず。\\n いつの間にか、モードが切り替わったのかも……」", | |||
"201011011_159": "「そ、そんなッ! この子がいるのにッ!」", | |||
"201011011_160": "「クー……」", | |||
"201011011_161": "(こんなに震えて怯えている。\\n この子はわたしが護ってあげないと……ッ!)", | |||
"201011011_162": "「……」", | |||
"201011011_163": "「ここはわたしが足止めする。\\n その子を連れて早くここから離れて」", | |||
"201011011_164": "「イヤです……」", | |||
"201011011_165": "「セレナ? でも、普通のギアでは……」", | |||
"201011011_166": "「確かにわたしのギアではあのドラゴンさんには\\n 勝てないかもしれません……」", | |||
"201011011_167": "「でも、この子はわたしが護りますッ!\\n わたしはこの子のお姉さんなんですからッ!」", | |||
"201011011_168": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」", | |||
"201011011_169": "「それは、幻獣型ギア……ッ!」", | |||
"201011011_170": "「胸の中から熱い力が溢れてくるッ!\\n これが、幻獣型のギアの力ッ!」", | |||
"201011011_171": "「はあッ!」", | |||
"201011011_172": "「グオオオ……」", | |||
"201011011_173": "「効いてる……ッ!」", | |||
"201011011_174": "「これならッ!」", | |||
"201011011_175": "「ゴオオオオオ――ッ!」", | |||
"201011011_176": "「<size=40>やあああ――ッ!</size>」", | |||
"201011011_177": "「な、なんとか撃退できた……」", | |||
"201011011_178": "「クークーッ!」", | |||
"201011011_179": "「ごめん、怖かったよね。でも、もう大丈夫だから」", | |||
"201011011_180": "「クーッ!」", | |||
"201011011_181": "「無事でよかった。幻獣ギアを、完璧に使いこなせてたよ」", | |||
"201011011_182": "「はい。この子を護りたいと思ったら、いつの間にか\\n 纏うことができていました」", | |||
"201011011_183": "「……あの、聞きたいことがあるんですが。\\n この子を残すことはできるんでしょうか……?」", | |||
"201011011_184": "「ゲームのシステムを再現してるって言ってたから、\\n セーブすればできると思う」", | |||
"201011011_185": "「では、またこの子と遊べるんですね。\\n これっきりにならなくて、本当によかったです」", | |||
"201011011_186": "「クーッ!」", | |||
"201011011_187": "「フフ、安心したらお腹空いたよね。何か食べようか」", | |||
"201011011_188": "(心象変化が成功したことよりも、\\n ドラゴンと仲良くなれたことの方が嬉しそう)", | |||
"201011011_189": "(よかったね、セレナ)" | |||
} |
@@ -0,0 +1,60 @@ | |||
{ | |||
"201011111_0": "翼のバースデー2019", | |||
"201011111_1": "「翼さんッ! お誕生日、おめでとうございますッ!」", | |||
"201011111_2": "「わたしたちからのプレゼントです」", | |||
"201011111_3": "「お料理もたくさんあるんデスよ。\\n どんどん食べてほしいデスッ!」", | |||
"201011111_4": "「ケーキも作りました」", | |||
"201011111_5": "「みんな、ありがとう」", | |||
"201011111_6": "「しかし、こうして集まって祝ってもらうのは少々気恥ずかしいな」", | |||
"201011111_7": "「先輩に喜んでもらうのが今日の目的だからな。\\n まだまだ祝われてもらわないと」", | |||
"201011111_8": "「でもまぁ、あの人がいないからちょっとだけ寂しいかも\\n しれないけどな」", | |||
"201011111_9": "「わ、わたしは寂しいなどと思っていないッ!\\n 奏が今日来れないからと言って……」", | |||
"201011111_10": "「こちらは名前を出していないのに、\\n どうして自分から墓穴を掘るのかしらね」", | |||
"201011111_11": "「い、いや、これは違うッ!」", | |||
"201011111_12": "「任務で来られないかもしれないというのは、\\n あらかじめ、奏から聞いていたからな」", | |||
"201011111_13": "「ま、まったく寂しくないとは言わないが、\\n あちらも忙しいんだ、無理に来いとは言えないだろう」", | |||
"201011111_14": "(とか言いながら、誰かが出入りするたびに\\n ドアの方を見ているじゃないの)", | |||
"201011111_15": "「……」", | |||
"201011111_16": "「お仕事、お疲れ様です。\\n お誕生日にまで仕事が入ってしまってすみませんでした……」", | |||
"201011111_17": "「緒川さんのせいではありません。\\n その前に十分、みんなから祝ってもらいましたから」", | |||
"201011111_18": "(ただ、最後まで奏は現れなかったな。\\n 仕方ないとは言え、それだけが心残りだ……)", | |||
"201011111_19": "(今年はダメだったが、来年は参加してくれるだろうか)", | |||
"201011111_20": "「それでは、家まで送りますね。\\n 車に乗ってください」", | |||
"201011111_21": "「はッ、はい……ッ!」", | |||
"201011111_22": "「……ん? 緒川さん、急に車を止めて、どうし――」", | |||
"201011111_23": "「おーい、翼。こっちだこっち、早くドアを開けてくれッ!」", | |||
"201011111_24": "「奏ッ!? ど、どうしてここにッ!」", | |||
"201011111_25": "「ハハ、いい驚きっぷりだな。作戦大成功だッ!」", | |||
"201011111_26": "「そうですね」", | |||
"201011111_27": "「まさか、緒川さんもグルだったんですかッ!」", | |||
"201011111_28": "「奏さんが前回こちらに来ていた時に、頼まれていたんですよ。\\n 任務で遅くなってしまうけれど、必ず来るからと」", | |||
"201011111_29": "「わざわざ、来てくれたの……」", | |||
"201011111_30": "「ああ。だって、誕生日ってのは、\\n 誕生日に祝うもんだからな」", | |||
"201011111_31": "「任務で忙しいのに、ありが……」", | |||
"201011111_32": "「お礼は、こいつを受け取ってからだ。\\n さあ、後ろを向いてくれ」", | |||
"201011111_33": "「後ろ? こ、こう?」", | |||
"201011111_34": "「ああ、いくぞ。動くなよ……」", | |||
"201011111_35": "「ひゃあッ!? く、くすぐったい、何をしているのッ!?」", | |||
"201011111_36": "「こら、動くなっての。じっとしてないと付けられないだろ。\\n ……これでよし」", | |||
"201011111_37": "「これは……」", | |||
"201011111_38": "「青い宝石のネックレスだ。\\n やっぱ、翼に合う色って言えば、これだよな」", | |||
"201011111_39": "「いつもつけてるシンフォギアのペンダントもいいけど、\\n こっちもバッチリだ」", | |||
"201011111_40": "「……」", | |||
"201011111_41": "「気に入ってくれたか?」", | |||
"201011111_42": "「か、奏のことだから……、\\n わたしの誕生日なんて忘れちゃってるのかと思った」", | |||
"201011111_43": "「ハハ、翼の誕生日を忘れるわけないだろ?」", | |||
"201011111_44": "「とびっきりのプレゼントにしようと思ったんだけど、\\n いい石がなかなか見つからなくて、苦労したんだ」", | |||
"201011111_45": "「石? まさか、このネックレスの石のこと?\\n 買った宝石じゃなかったのッ!?」", | |||
"201011111_46": "「そういえば、手に傷が……ッ!」", | |||
"201011111_47": "「大丈夫だよ。\\n こんな小さい傷なんて、なめときゃ治るから」", | |||
"201011111_48": "「本当……?」", | |||
"201011111_49": "「本当だって。それより、\\n プレゼントの感想をまだ言ってもらってないけど?」", | |||
"201011111_50": "「う、うん……。そうだったね」", | |||
"201011111_51": "「その……奏、言うのが遅くなってごめん」", | |||
"201011111_52": "「ネックレス、ありがとう。大切にする」", | |||
"201011111_53": "「喜んでもらえてよかったよかった。\\n さて、せっかくだしこのままどこか行くかッ!」", | |||
"201011111_54": "「ええッ!? そんな急に――」", | |||
"201011111_55": "「今日はもう仕事の予定はありませんから、ご自由にどうぞ」", | |||
"201011111_56": "「マネージャーの許可ももらったし、問題ないな。\\n さあ、行くぞッ!」", | |||
"201011111_57": "「……まったく、奏には敵わないな」" | |||
} |
@@ -1,40 +1,40 @@ | |||
{ | |||
"302000111_0": "ギャラルホルン", | |||
"302000111_1": "「……あの運命のライブの日をわたしは今でも夢に見る」", | |||
"302000111_2": "「奏は思いっきり唄い、戦い、その命を燃やしつくし――\\n ――そして、散って行った」", | |||
"302000111_3": "「あの日からわたしは、奏を救えなかった後悔だけを胸に、\\n ひたすら剣として生きてきた……」", | |||
"302000111_4": "「しかし、皆のおかげで、今は剣としてだけではなく、\\n 片翼の翼としても、夢に向かい羽ばたくことが出来ている」", | |||
"302000111_5": "「……今のわたしを奏に見てもらいたいと思う。\\n わたし自身が誇れるようになったわたしを……」", | |||
"302000111_6": "「……奏は、今のわたしを見たら何て言うのだろう。\\n 褒めてくれるだろうか……」", | |||
"302000111_7": "「……無理なのは分かってる。\\n だけど、もし、例え夢でも逢えたなら――」", | |||
"302000111_8": "「夢で逢えたら……か。\\n 全く、我ながら女々しいものだ……」", | |||
"302000111_9": "(……わたしは、強くなれたのだろうか)", | |||
"302000111_10": "(奏がわたしを引っ張ってくれたように、立花や雪音、\\n みんなを引っ張っていけているのだろうか……)", | |||
"302000111_11": "(奏のように……か。\\n 思えば奏は、わたしには意地悪だったな)", | |||
"302000111_12": "(泣き虫、弱虫だなんてよく言われたが、今のわたしはあの頃の\\n 奏から見たら、強くなったように見えるのだろうか……)", | |||
"302000111_13": "「奏……」", | |||
"302000111_14": "(今、思い出しても、こんなにも胸が痛い……。\\n 奏がいない、奏に会えない事が苦しい……)", | |||
"302000111_15": "(奏と2人、いつまでも一緒だと思っていた)", | |||
"302000111_16": "(もっと話したい事があった。聞きたいことがあった。\\n もっと、2人で唄いたかった……)", | |||
"302000111_17": "(奏に、会いたい……)", | |||
"302000111_18": "「……いけない。\\n わたしはもう泣き虫ではいられないのだから……」", | |||
"302000111_19": "「こんな様では、奏に笑われてしまうかも知れないな……」", | |||
"302000111_20": "(奏と唄う事はもう出来ない。\\n だけど、まだわたしは、片翼でも唄う事が出来ている……)", | |||
"302000111_21": "(奏と育てた、ツヴァイウィングの片翼を羽ばたかせることが\\n できる……だから――)", | |||
"302000111_22": "「……わたしの歌、わたしたちの歌が世界中の人に届いたら、\\n きっと奏の所にも届くよね……」", | |||
"302000111_23": "「……だから、見守っていて欲しい。\\n どこまでだって、飛んでみせるから……」", | |||
"302000111_24": "「艦内聖遺物保管区画より、高質量のエネルギー反応ッ!」", | |||
"302000111_25": "「――なんだとッ! すぐに波形を照合しろッ!」", | |||
"302000111_26": "「この反応は……まさかッ!?」", | |||
"302000111_27": "「ギャラルホルン……だとッ。\\n 何故、このタイミングで……」", | |||
"302000111_28": "「みんな、良く集まってくれた」", | |||
"302000111_29": "「師匠ー。今日は一体どうしたんですか?」", | |||
"302000111_30": "「朝っぱらから緊急召集って、どっかで事故か何かでも\\n 起きたってのか?」", | |||
"302000111_31": "「……事故は、これから起こるのかも知れません」", | |||
"302000111_32": "「これから……?\\n それは一体――」", | |||
"302000111_33": "「……やはり、来たかッ!」", | |||
"302000111_34": "「そんな……どうしてアルカ・ノイズじゃなくて、\\n ノイズが……」", | |||
"302000111_35": "「バ、バビロニアの宝物庫が空いたって事デスかッ!?」", | |||
"302000111_36": "「それとも、新たな敵……?」", | |||
"302000111_37": "「説明は後だッ!\\n とにかく、ノイズの迎撃を頼むぞッ!」" | |||
{ | |||
"302000111_0": "ギャラルホルン", | |||
"302000111_1": "「……あの運命のライブの日をわたしは今でも夢に見る」", | |||
"302000111_2": "「奏は思いっきり唄い、戦い、その命を燃やしつくし――\\n ――そして、散って行った」", | |||
"302000111_3": "「あの日からわたしは、奏を救えなかった後悔だけを胸に、\\n ひたすら剣として生きてきた……」", | |||
"302000111_4": "「しかし、皆のおかげで、今は剣としてだけではなく、\\n 片翼の翼としても、夢に向かい羽ばたくことが出来ている」", | |||
"302000111_5": "「……今のわたしを奏に見てもらいたいと思う。\\n わたし自身が誇れるようになったわたしを……」", | |||
"302000111_6": "「……奏は、今のわたしを見たら何て言うのだろう。\\n 褒めてくれるだろうか……」", | |||
"302000111_7": "「……無理なのは分かってる。\\n だけど、もし、例え夢でも逢えたなら――」", | |||
"302000111_8": "「夢で逢えたら……か。\\n 全く、我ながら女々しいものだ……」", | |||
"302000111_9": "(……わたしは、強くなれたのだろうか)", | |||
"302000111_10": "(奏がわたしを引っ張ってくれたように、立花や雪音、\\n みんなを引っ張っていけているのだろうか……)", | |||
"302000111_11": "(奏のように……か。\\n 思えば奏は、わたしには意地悪だったな)", | |||
"302000111_12": "(泣き虫、弱虫だなんてよく言われたが、今のわたしはあの頃の\\n 奏から見たら、強くなったように見えるのだろうか……)", | |||
"302000111_13": "「奏……」", | |||
"302000111_14": "(今、思い出しても、こんなにも胸が痛い……。\\n 奏がいない、奏に会えない事が苦しい……)", | |||
"302000111_15": "(奏と2人、いつまでも一緒だと思っていた)", | |||
"302000111_16": "(もっと話したい事があった。聞きたいことがあった。\\n もっと、2人で唄いたかった……)", | |||
"302000111_17": "(奏に、会いたい……)", | |||
"302000111_18": "「……いけない。\\n わたしはもう泣き虫ではいられないのだから……」", | |||
"302000111_19": "「こんな様では、奏に笑われてしまうかも知れないな……」", | |||
"302000111_20": "(奏と唄う事はもう出来ない。\\n だけど、まだわたしは、片翼でも唄う事が出来ている……)", | |||
"302000111_21": "(奏と育てた、ツヴァイウィングの片翼を羽ばたかせることが\\n できる……だから――)", | |||
"302000111_22": "「……わたしの歌、わたしたちの歌が世界中の人に届いたら、\\n きっと奏の所にも届くよね……」", | |||
"302000111_23": "「……だから、見守っていて欲しい。\\n どこまでだって、飛んでみせるから……」", | |||
"302000111_24": "「艦内聖遺物保管区画より、高質量のエネルギー反応ッ!」", | |||
"302000111_25": "「――なんだとッ! すぐに波形を照合しろッ!」", | |||
"302000111_26": "「この反応は……まさかッ!?」", | |||
"302000111_27": "「ギャラルホルン……だとッ。\\n 何故、このタイミングで……」", | |||
"302000111_28": "「みんな、良く集まってくれた」", | |||
"302000111_29": "「師匠ー。今日は一体どうしたんですか?」", | |||
"302000111_30": "「朝っぱらから緊急召集って、どっかで事故か何かでも\\n 起きたってのか?」", | |||
"302000111_31": "「……事故は、これから起こるのかも知れません」", | |||
"302000111_32": "「これから……?\\n それは一体――」", | |||
"302000111_33": "「……やはり、来たかッ!」", | |||
"302000111_34": "「そんな……どうしてアルカ・ノイズじゃなくて、\\n ノイズが……」", | |||
"302000111_35": "「バ、バビロニアの宝物庫が空いたって事デスかッ!?」", | |||
"302000111_36": "「それとも、新たな敵……?」", | |||
"302000111_37": "「説明は後だッ!\\n とにかく、ノイズの迎撃を頼むぞッ!」" | |||
} |
@@ -1,113 +1,113 @@ | |||
{ | |||
"302000112_0": "「さあ、説明してもらおうかッ!\\n 何でノイズがまた出て来てるんだよッ!?」", | |||
"302000112_1": "「ああ、もちろんだ……エルフナインくん」", | |||
"302000112_2": "「はい……」", | |||
"302000112_3": "「まず、あのノイズはこの世界のモノではありません」", | |||
"302000112_4": "「この世界のモノじゃない……?」", | |||
"302000112_5": "「……この世界のバビロニアの宝物庫は閉じています」", | |||
"302000112_6": "「しかし、それでもノイズが現れたのは、あのノイズがこの\\n 世界のモノではなく、並行世界のノイズだからです」", | |||
"302000112_7": "「一体、どういうこと……?」", | |||
"302000112_8": "「へ、へいこう……せかい……?」", | |||
"302000112_9": "「パラレルワールドって聞いたことが無い?\\n この世界とすごく似てる別の世界の事だよ」", | |||
"302000112_10": "「……うう、わかったような、わからないような……」", | |||
"302000112_11": "「でも……、そんな世界が本当に……」", | |||
"302000112_12": "「ああッ!? へーこー世界だか何だか知らねーが、\\n 結局何でノイズが出てきたんだよッ! 簡潔に言えッ!」", | |||
"302000112_13": "「……この事態を引き起こしているのは聖遺物ギャラルホルン。\\n 異なる世界同士を繋ぐ、完全聖遺物だ」", | |||
"302000112_14": "「異なる世界同士を……」", | |||
"302000112_15": "「繋ぐ……デスかッ!?」", | |||
"302000112_16": "「待ってください。\\n そんなもの……一体いつ発見されたんですか?」", | |||
"302000112_17": "「ギャラルホルンを発見したのは、当時発掘チームを率いていた\\n 了子くんだ。この聖遺物は、発見当初から既に起動状態だった」", | |||
"302000112_18": "「了子さんがッ!?」", | |||
"302000112_19": "「ギャラルホルンについてはずっと機密扱いで、一部の人物に\\n しか知らされていなかったようです」", | |||
"302000112_20": "「ボクも今朝、レポートを見せてもらって初めて知りました」", | |||
"302000112_21": "「ギャラルホルンはあまりにも特殊で、危険な聖遺物だ。\\n その為、一部の者のみで極秘に実験と解析を進めていた」", | |||
"302000112_22": "「その結果分かった事は、並行世界に異変が起こった際に、\\n こちらの世界と並行世界を繋げる特性があるということだ」", | |||
"302000112_23": "「並行世界……それはこの世界と同じような世界が広がり、\\n 同じような歴史をたどっています」", | |||
"302000112_24": "「しかし、それでありながら、必ずこちらの世界とは違う所も\\n 同時に発生します」", | |||
"302000112_25": "「この世界の歴史とは川の流れのように、遥か昔の上流から\\n 現代という下流まで流れ続けています」", | |||
"302000112_26": "「しかし、歴史とは大きな転換点において、必ず支流が発生する\\n ものなのです」", | |||
"302000112_27": "「その支流が並行世界ということね」", | |||
"302000112_28": "「はい。こちらの世界からこぼれた可能性が生んだ、\\n 異なる世界が並行世界になります」", | |||
"302000112_29": "「こちらではこぼれた可能性を内包した世界……」", | |||
"302000112_30": "「……とにかく、今回の件はギャラルホルンがまたどこかの\\n 並行世界と、この世界を繋いだ為に起きた異変で間違いない」", | |||
"302000112_31": "「……また、と言いましたね。\\n では以前にも同じような事が?」", | |||
"302000112_32": "「……ああ。ギャラルホルンが並行世界を繋げると、異なる世界\\n 同士が混じり合う影響か、大量のノイズの出現が観測される」", | |||
"302000112_33": "「前回は、バビロニアの宝物庫が閉じられていなかった為、\\n 推測の域だったが、今回のことではっきりした」", | |||
"302000112_34": "「そして、この発生した異変は、\\n 並行世界側の異常を解決する事で解消される」", | |||
"302000112_35": "「記録には2度、並行世界と繋がったことがあると\\n 記されています」", | |||
"302000112_36": "「最初の発生では、天羽奏さんが解決してくれたようです」", | |||
"302000112_37": "「か、奏さんがッ!?」", | |||
"302000112_38": "「……奏が……? 一体、いつだッ!\\n そんな事、わたしは知らないッ!」", | |||
"302000112_39": "「……落ち着け、翼」", | |||
"302000112_40": "「ギャラルホルンは完全聖遺物でありながら、一切の制御も\\n 干渉も受け付けない、まさにパンドラの箱だ」", | |||
"302000112_41": "「そんな怪しげなものに、唯一の完全適合者であるお前を\\n 使う事は、許可が下りなかった」", | |||
"302000112_42": "「だから……奏を人柱にしたって事ですかッ!」", | |||
"302000112_43": "「だから落ち着け。過去の事件では、奏くんは無事に並行世界へと\\n 渡り、異変の元凶を解決している」", | |||
"302000112_44": "「結果論で済まないが、事故や怪我もなかった。\\n そして、おかげでギャラルホルンについて知る事も出来た」", | |||
"302000112_45": "「ですが……ッ」", | |||
"302000112_46": "「繋がったのは2度と言ったわね」", | |||
"302000112_47": "「はい、2度目は、3年前のツヴァイウィングライブ、\\n ネフシュタンの起動実験の時です」", | |||
"302000112_48": "「なッ!?」", | |||
"302000112_49": "「ネフシュタンの暴走と重なり、とても対処できる状況では\\n 無かった為、収まるのを待つ他無かった……」", | |||
"302000112_50": "「なんだ、だったら別に並行世界に行かなくても\\n 収まるのを待てばいいじゃねーか」", | |||
"302000112_51": "「ですが、その代償として被害が甚大な物に……」", | |||
"302000112_52": "「それから……この聖遺物は、装者にしか反応しないんだ」", | |||
"302000112_53": "「装者にしか……?」", | |||
"302000112_54": "「詳しい理由については、まだわかっていませんが……」", | |||
"302000112_55": "「ギャラルホルンが並行世界側の異変を治める為、\\n 必要な能力を持った人物だけを選別しているとも考えられます」", | |||
"302000112_56": "「なんだかよく分からないデスけど、並行世界に行けるのは\\n アタシたちだけって事デスか?」", | |||
"302000112_57": "「ああ、そう言う事だ。\\n だから、今回は君たちに異変の調査へと向かって欲しい」", | |||
"302000112_58": "「並行世界側はどうなっているかわかりません。\\n 危険は伴いますが……」", | |||
"302000112_59": "「……わたしが行きます」", | |||
"302000112_60": "「翼……」", | |||
"302000112_61": "「奏の役割を引き継ぐなら、わたししかいない」", | |||
"302000112_62": "「それに、今はこれだけの装者がいる。\\n わたしにもしもの事があっても――」", | |||
"302000112_63": "「そ、そんなのダメですッ!」", | |||
"302000112_64": "「翼……あなた自分が何を言っているのか分かっているのッ!?」", | |||
"302000112_65": "「……すまない。だが、この役割は絶対に譲れない。\\n これは、奏の片翼としてのわたしの責務なんだ……」", | |||
"302000112_66": "「……翼。お前の気持ちは分かった。\\n だが、早とちりするな。お前1人を行かせるつもりはない」", | |||
"302000112_67": "「はい。こちらにもノイズが現れている事もあるので、\\n 戦力を2つに分けるのが最善だと思います」", | |||
"302000112_68": "「ここにいる装者は6人だから、3人ずつってことですか?」", | |||
"302000112_69": "「そうです。ですので、翼さんとあと2人……」", | |||
"302000112_70": "「そういうことなら、わたしも行くわ。\\n 翼が無茶しない様に見ておかないとね」", | |||
"302000112_71": "「マリア……」", | |||
"302000112_72": "「なら、残り1人はあたしが――」", | |||
"302000112_73": "「待って。\\n ……あなたには調と切歌の事を頼みたいの」", | |||
"302000112_74": "「デスッ!?」", | |||
"302000112_75": "「マリア……?」", | |||
"302000112_76": "「こいつらの事を……?」", | |||
"302000112_77": "「ええ。だから出来れば残りの1人は――」", | |||
"302000112_78": "「…………」", | |||
"302000112_79": "「……あの、並行世界って結局よくわからないんですけど、\\n 向こうで困っている人がいるのは確かなんですよね?」", | |||
"302000112_80": "「さっきも言ったようにギャラルホルンは、まさにパンドラの箱。\\n 解明されていない部分が大半だ」", | |||
"302000112_81": "「だが、過去の結果を見るに、その可能性は非常に高い」", | |||
"302000112_82": "「だったらわたし、行きますッ!」", | |||
"302000112_83": "「……もう、やっぱり」", | |||
"302000112_84": "「えへへ、ごめんね、未来」", | |||
"302000112_85": "「いいよ。人助けだもんね?」", | |||
"302000112_86": "「うんッ!」", | |||
"302000112_87": "「……決まったな。では今回の調査は翼、マリアくん、響くんの\\n 3名に頼む。決して無理はしないでくれ」", | |||
"302000112_88": "「これが聖遺物ギャラルホルン、そして並行世界への\\n 扉(ゲート)だ」", | |||
"302000112_89": "「ギャラルホルンは、並行世界の異常を特殊な振動波で\\n 知らせるようです」", | |||
"302000112_90": "「……振動波、では、この聖遺物の輝きが……」", | |||
"302000112_91": "「はい、並行世界の異常を感知している状態です」", | |||
"302000112_92": "「みなさん、準備はいいですか?」", | |||
"302000112_93": "「……ああ、出来ている」", | |||
"302000112_94": "「問題ないわ」", | |||
"302000112_95": "「ばっちりですッ!」", | |||
"302000112_96": "「向こうに渡ったら、その場所を確認してください」", | |||
"302000112_97": "「最初に転送された場所の付近に、戻る為のゲートがあるはずです」", | |||
"302000112_98": "「……そうなると、いつでも帰還できるのか?」", | |||
"302000112_99": "「はい。レポートにはそう記載されています」", | |||
"302000112_100": "「なるほど……ならば、先に行くぞ」", | |||
"302000112_101": "「……流石だが、思い切りよすぎじゃねぇか……?」", | |||
"302000112_102": "「それが風鳴翼よ。わたしも行ってくるわ」", | |||
"302000112_103": "「マリア、気を付けて」", | |||
"302000112_104": "「寂しかったらすぐ戻ってくるデスよッ!」", | |||
"302000112_105": "「さ、寂しかったらって……そんなことないわよッ!\\n あなたたちこそ、しっかりねッ!」", | |||
"302000112_106": "「それじゃわたしも……って、未来?」", | |||
"302000112_107": "「響……大丈夫だよね?」", | |||
"302000112_108": "「もう、心配性だなぁ、未来は。大丈夫。\\n ちょーっと人助けしてくるだけだから。待ってて?」", | |||
"302000112_109": "「うん……待ってる」", | |||
"302000112_110": "「それじゃ、行ってきま~すッ!」" | |||
{ | |||
"302000112_0": "「さあ、説明してもらおうかッ!\\n 何でノイズがまた出て来てるんだよッ!?」", | |||
"302000112_1": "「ああ、もちろんだ……エルフナインくん」", | |||
"302000112_2": "「はい……」", | |||
"302000112_3": "「まず、あのノイズはこの世界のモノではありません」", | |||
"302000112_4": "「この世界のモノじゃない……?」", | |||
"302000112_5": "「……この世界のバビロニアの宝物庫は閉じています」", | |||
"302000112_6": "「しかし、それでもノイズが現れたのは、あのノイズがこの\\n 世界のモノではなく、並行世界のノイズだからです」", | |||
"302000112_7": "「一体、どういうこと……?」", | |||
"302000112_8": "「へ、へいこう……せかい……?」", | |||
"302000112_9": "「パラレルワールドって聞いたことが無い?\\n この世界とすごく似てる別の世界の事だよ」", | |||
"302000112_10": "「……うう、わかったような、わからないような……」", | |||
"302000112_11": "「でも……、そんな世界が本当に……」", | |||
"302000112_12": "「ああッ!? へーこー世界だか何だか知らねーが、\\n 結局何でノイズが出てきたんだよッ! 簡潔に言えッ!」", | |||
"302000112_13": "「……この事態を引き起こしているのは聖遺物ギャラルホルン。\\n 異なる世界同士を繋ぐ、完全聖遺物だ」", | |||
"302000112_14": "「異なる世界同士を……」", | |||
"302000112_15": "「繋ぐ……デスかッ!?」", | |||
"302000112_16": "「待ってください。\\n そんなもの……一体いつ発見されたんですか?」", | |||
"302000112_17": "「ギャラルホルンを発見したのは、当時発掘チームを率いていた\\n 了子くんだ。この聖遺物は、発見当初から既に起動状態だった」", | |||
"302000112_18": "「了子さんがッ!?」", | |||
"302000112_19": "「ギャラルホルンについてはずっと機密扱いで、一部の人物に\\n しか知らされていなかったようです」", | |||
"302000112_20": "「ボクも今朝、レポートを見せてもらって初めて知りました」", | |||
"302000112_21": "「ギャラルホルンはあまりにも特殊で、危険な聖遺物だ。\\n その為、一部の者のみで極秘に実験と解析を進めていた」", | |||
"302000112_22": "「その結果分かった事は、並行世界に異変が起こった際に、\\n こちらの世界と並行世界を繋げる特性があるということだ」", | |||
"302000112_23": "「並行世界……それはこの世界と同じような世界が広がり、\\n 同じような歴史をたどっています」", | |||
"302000112_24": "「しかし、それでありながら、必ずこちらの世界とは違う所も\\n 同時に発生します」", | |||
"302000112_25": "「この世界の歴史とは川の流れのように、遥か昔の上流から\\n 現代という下流まで流れ続けています」", | |||
"302000112_26": "「しかし、歴史とは大きな転換点において、必ず支流が発生する\\n ものなのです」", | |||
"302000112_27": "「その支流が並行世界ということね」", | |||
"302000112_28": "「はい。こちらの世界からこぼれた可能性が生んだ、\\n 異なる世界が並行世界になります」", | |||
"302000112_29": "「こちらではこぼれた可能性を内包した世界……」", | |||
"302000112_30": "「……とにかく、今回の件はギャラルホルンがまたどこかの\\n 並行世界と、この世界を繋いだ為に起きた異変で間違いない」", | |||
"302000112_31": "「……また、と言いましたね。\\n では以前にも同じような事が?」", | |||
"302000112_32": "「……ああ。ギャラルホルンが並行世界を繋げると、異なる世界\\n 同士が混じり合う影響か、大量のノイズの出現が観測される」", | |||
"302000112_33": "「前回は、バビロニアの宝物庫が閉じられていなかった為、\\n 推測の域だったが、今回のことではっきりした」", | |||
"302000112_34": "「そして、この発生した異変は、\\n 並行世界側の異常を解決する事で解消される」", | |||
"302000112_35": "「記録には2度、並行世界と繋がったことがあると\\n 記されています」", | |||
"302000112_36": "「最初の発生では、天羽奏さんが解決してくれたようです」", | |||
"302000112_37": "「か、奏さんがッ!?」", | |||
"302000112_38": "「……奏が……? 一体、いつだッ!\\n そんな事、わたしは知らないッ!」", | |||
"302000112_39": "「……落ち着け、翼」", | |||
"302000112_40": "「ギャラルホルンは完全聖遺物でありながら、一切の制御も\\n 干渉も受け付けない、まさにパンドラの箱だ」", | |||
"302000112_41": "「そんな怪しげなものに、唯一の完全適合者であるお前を\\n 使う事は、許可が下りなかった」", | |||
"302000112_42": "「だから……奏を人柱にしたって事ですかッ!」", | |||
"302000112_43": "「だから落ち着け。過去の事件では、奏くんは無事に並行世界へと\\n 渡り、異変の元凶を解決している」", | |||
"302000112_44": "「結果論で済まないが、事故や怪我もなかった。\\n そして、おかげでギャラルホルンについて知る事も出来た」", | |||
"302000112_45": "「ですが……ッ」", | |||
"302000112_46": "「繋がったのは2度と言ったわね」", | |||
"302000112_47": "「はい、2度目は、3年前のツヴァイウィングライブ、\\n ネフシュタンの起動実験の時です」", | |||
"302000112_48": "「なッ!?」", | |||
"302000112_49": "「ネフシュタンの暴走と重なり、とても対処できる状況では\\n 無かった為、収まるのを待つ他無かった……」", | |||
"302000112_50": "「なんだ、だったら別に並行世界に行かなくても\\n 収まるのを待てばいいじゃねーか」", | |||
"302000112_51": "「ですが、その代償として被害が甚大な物に……」", | |||
"302000112_52": "「それから……この聖遺物は、装者にしか反応しないんだ」", | |||
"302000112_53": "「装者にしか……?」", | |||
"302000112_54": "「詳しい理由については、まだわかっていませんが……」", | |||
"302000112_55": "「ギャラルホルンが並行世界側の異変を治める為、\\n 必要な能力を持った人物だけを選別しているとも考えられます」", | |||
"302000112_56": "「なんだかよく分からないデスけど、並行世界に行けるのは\\n アタシたちだけって事デスか?」", | |||
"302000112_57": "「ああ、そう言う事だ。\\n だから、今回は君たちに異変の調査へと向かって欲しい」", | |||
"302000112_58": "「並行世界側はどうなっているかわかりません。\\n 危険は伴いますが……」", | |||
"302000112_59": "「……わたしが行きます」", | |||
"302000112_60": "「翼……」", | |||
"302000112_61": "「奏の役割を引き継ぐなら、わたししかいない」", | |||
"302000112_62": "「それに、今はこれだけの装者がいる。\\n わたしにもしもの事があっても――」", | |||
"302000112_63": "「そ、そんなのダメですッ!」", | |||
"302000112_64": "「翼……あなた自分が何を言っているのか分かっているのッ!?」", | |||
"302000112_65": "「……すまない。だが、この役割は絶対に譲れない。\\n これは、奏の片翼としてのわたしの責務なんだ……」", | |||
"302000112_66": "「……翼。お前の気持ちは分かった。\\n だが、早とちりするな。お前1人を行かせるつもりはない」", | |||
"302000112_67": "「はい。こちらにもノイズが現れている事もあるので、\\n 戦力を2つに分けるのが最善だと思います」", | |||
"302000112_68": "「ここにいる装者は6人だから、3人ずつってことですか?」", | |||
"302000112_69": "「そうです。ですので、翼さんとあと2人……」", | |||
"302000112_70": "「そういうことなら、わたしも行くわ。\\n 翼が無茶しない様に見ておかないとね」", | |||
"302000112_71": "「マリア……」", | |||
"302000112_72": "「なら、残り1人はあたしが――」", | |||
"302000112_73": "「待って。\\n ……あなたには調と切歌の事を頼みたいの」", | |||
"302000112_74": "「デスッ!?」", | |||
"302000112_75": "「マリア……?」", | |||
"302000112_76": "「こいつらの事を……?」", | |||
"302000112_77": "「ええ。だから出来れば残りの1人は――」", | |||
"302000112_78": "「…………」", | |||
"302000112_79": "「……あの、並行世界って結局よくわからないんですけど、\\n 向こうで困っている人がいるのは確かなんですよね?」", | |||
"302000112_80": "「さっきも言ったようにギャラルホルンは、まさにパンドラの箱。\\n 解明されていない部分が大半だ」", | |||
"302000112_81": "「だが、過去の結果を見るに、その可能性は非常に高い」", | |||
"302000112_82": "「だったらわたし、行きますッ!」", | |||
"302000112_83": "「……もう、やっぱり」", | |||
"302000112_84": "「えへへ、ごめんね、未来」", | |||
"302000112_85": "「いいよ。人助けだもんね?」", | |||
"302000112_86": "「うんッ!」", | |||
"302000112_87": "「……決まったな。では今回の調査は翼、マリアくん、響くんの\\n 3名に頼む。決して無理はしないでくれ」", | |||
"302000112_88": "「これが聖遺物ギャラルホルン、そして並行世界への\\n 扉(ゲート)だ」", | |||
"302000112_89": "「ギャラルホルンは、並行世界の異常を特殊な振動波で\\n 知らせるようです」", | |||
"302000112_90": "「……振動波、では、この聖遺物の輝きが……」", | |||
"302000112_91": "「はい、並行世界の異常を感知している状態です」", | |||
"302000112_92": "「みなさん、準備はいいですか?」", | |||
"302000112_93": "「……ああ、出来ている」", | |||
"302000112_94": "「問題ないわ」", | |||
"302000112_95": "「ばっちりですッ!」", | |||
"302000112_96": "「向こうに渡ったら、その場所を確認してください」", | |||
"302000112_97": "「最初に転送された場所の付近に、戻る為のゲートがあるはずです」", | |||
"302000112_98": "「……そうなると、いつでも帰還できるのか?」", | |||
"302000112_99": "「はい。レポートにはそう記載されています」", | |||
"302000112_100": "「なるほど……ならば、先に行くぞ」", | |||
"302000112_101": "「……流石だが、思い切りよすぎじゃねぇか……?」", | |||
"302000112_102": "「それが風鳴翼よ。わたしも行ってくるわ」", | |||
"302000112_103": "「マリア、気を付けて」", | |||
"302000112_104": "「寂しかったらすぐ戻ってくるデスよッ!」", | |||
"302000112_105": "「さ、寂しかったらって……そんなことないわよッ!\\n あなたたちこそ、しっかりねッ!」", | |||
"302000112_106": "「それじゃわたしも……って、未来?」", | |||
"302000112_107": "「響……大丈夫だよね?」", | |||
"302000112_108": "「もう、心配性だなぁ、未来は。大丈夫。\\n ちょーっと人助けしてくるだけだから。待ってて?」", | |||
"302000112_109": "「うん……待ってる」", | |||
"302000112_110": "「それじゃ、行ってきま~すッ!」" | |||
} |
@@ -1,30 +1,30 @@ | |||
{ | |||
"302000211_0": "IFの世界", | |||
"302000211_1": "「……響……」", | |||
"302000211_2": "「……行っちまったな。まあ、心配するなって」", | |||
"302000211_3": "「あのバカたちの帰りが遅かったら、あたしが連れ戻しに行ってやらぁ」", | |||
"302000211_4": "「クリス……うん、ありがとう」", | |||
"302000211_5": "「お、おう……」", | |||
"302000211_6": "「いつでも戻ってこれるなら、\\n ちょっとアタシも行ってみたいデスね……」", | |||
"302000211_7": "「切ちゃんが行くならわたしも……」", | |||
"302000211_8": "「ええッ!? その、だ、だめです……」", | |||
"302000211_9": "「そうだ。あたしたちにはあたしたちの役割があるんだからな。\\n 今はあいつらに任せときゃいい。……ん?」", | |||
"302000211_10": "「…………」", | |||
"302000211_11": "「どうしたんだよ、おっさん。そんなに渋い顔して」", | |||
"302000211_12": "「並行世界、パラレルワールド……。\\n それは何かが起きた、もしくは起きなかった世界だ……」", | |||
"302000211_13": "「こちらにノイズが現れていると言う事は、\\n 向こうのバビロニアの宝物庫は開いている……」", | |||
"302000211_14": "「だとすると、フロンティア事変やルナアタックは\\n 起きていない世界の可能性もある」", | |||
"302000211_15": "「近い世界といっても、あれだけ大きな事件が無いとなると、\\n どれだけ違いが現れているか、見当もつかん……」", | |||
"302000211_16": "「……なあ、ノイズがいるなら、向こうにも装者はいるのか?」", | |||
"302000211_17": "「わからないが、その可能性は十分にある。\\n それこそクリスくんや我々も存在しているかもしれん」", | |||
"302000211_18": "「あたしもいるかもって、マジかよ。\\n なんかとてつもなくでけー話だな……」", | |||
"302000211_19": "「やっぱり、ちょっと行ってみたいかも……」", | |||
"302000211_20": "「デスデスッ、向こうの調にも会いたいデスッ!」", | |||
"302000211_21": "「だ、だからだめですってば……」", | |||
"302000211_22": "「これ、ノイズ警報――ッ!?」", | |||
"302000211_23": "「司令ッ! ノイズ反応が現れました。\\n 急いでこちらに戻ってくださいッ!」", | |||
"302000211_24": "「ああ、わかったッ! 装者3名は直接現場へ向かってくれッ!\\n エルフナインくんと未来くんは俺と発令所に急ぐぞッ!」", | |||
"302000211_25": "「ああ、任せとけッ! 行くぞ2人ともッ!\\n あたしについて来やがれッ!」", | |||
"302000211_26": "「はい」", | |||
"302000211_27": "「了解デースッ!」" | |||
{ | |||
"302000211_0": "IFの世界", | |||
"302000211_1": "「……響……」", | |||
"302000211_2": "「……行っちまったな。まあ、心配するなって」", | |||
"302000211_3": "「あのバカたちの帰りが遅かったら、あたしが連れ戻しに行ってやらぁ」", | |||
"302000211_4": "「クリス……うん、ありがとう」", | |||
"302000211_5": "「お、おう……」", | |||
"302000211_6": "「いつでも戻ってこれるなら、\\n ちょっとアタシも行ってみたいデスね……」", | |||
"302000211_7": "「切ちゃんが行くならわたしも……」", | |||
"302000211_8": "「ええッ!? その、だ、だめです……」", | |||
"302000211_9": "「そうだ。あたしたちにはあたしたちの役割があるんだからな。\\n 今はあいつらに任せときゃいい。……ん?」", | |||
"302000211_10": "「…………」", | |||
"302000211_11": "「どうしたんだよ、おっさん。そんなに渋い顔して」", | |||
"302000211_12": "「並行世界、パラレルワールド……。\\n それは何かが起きた、もしくは起きなかった世界だ……」", | |||
"302000211_13": "「こちらにノイズが現れていると言う事は、\\n 向こうのバビロニアの宝物庫は開いている……」", | |||
"302000211_14": "「だとすると、フロンティア事変やルナアタックは\\n 起きていない世界の可能性もある」", | |||
"302000211_15": "「近い世界といっても、あれだけ大きな事件が無いとなると、\\n どれだけ違いが現れているか、見当もつかん……」", | |||
"302000211_16": "「……なあ、ノイズがいるなら、向こうにも装者はいるのか?」", | |||
"302000211_17": "「わからないが、その可能性は十分にある。\\n それこそクリスくんや我々も存在しているかもしれん」", | |||
"302000211_18": "「あたしもいるかもって、マジかよ。\\n なんかとてつもなくでけー話だな……」", | |||
"302000211_19": "「やっぱり、ちょっと行ってみたいかも……」", | |||
"302000211_20": "「デスデスッ、向こうの調にも会いたいデスッ!」", | |||
"302000211_21": "「だ、だからだめですってば……」", | |||
"302000211_22": "「これ、ノイズ警報――ッ!?」", | |||
"302000211_23": "「司令ッ! ノイズ反応が現れました。\\n 急いでこちらに戻ってくださいッ!」", | |||
"302000211_24": "「ああ、わかったッ! 装者3名は直接現場へ向かってくれッ!\\n エルフナインくんと未来くんは俺と発令所に急ぐぞッ!」", | |||
"302000211_25": "「ああ、任せとけッ! 行くぞ2人ともッ!\\n あたしについて来やがれッ!」", | |||
"302000211_26": "「はい」", | |||
"302000211_27": "「了解デースッ!」" | |||
} |
@@ -1,17 +1,17 @@ | |||
{ | |||
"302000221_0": "「着いたわね」", | |||
"302000221_1": "「……ここが並行世界、ですか?」", | |||
"302000221_2": "「そのはずなのだが……。立花、この公園は……」", | |||
"302000221_3": "「はい、いつもの公園、ですよね……」", | |||
"302000221_4": "「わたしは街の地理には詳しくないのだけれど、\\n あなたたちから見て、どこか違いは無いの?」", | |||
"302000221_5": "「違い……違い……。\\n ……あッ! マリアさんの後ろッ!」", | |||
"302000221_6": "「後ろって……ッ!?\\n これが、エルフナインの言っていた……」", | |||
"302000221_7": "「ああ、ギャラルホルンによってつくられた、\\n 元の世界とのゲートだろう」", | |||
"302000221_8": "「そうなると、ここがゲートの出口って事だけは、\\n 間違いないみたいね……」", | |||
"302000221_9": "「公園や街並みは、ここから見る限りはほとんど同じに\\n 見えますよね……」", | |||
"302000221_10": "「思ったより並行世界と我々の世界は近い物なのかもしれないな。\\n とにかく、色々と歩いてこちらの異変を――ッ!?」", | |||
"302000221_11": "「……なるほど。こちらはまだノイズが出ると言う事だったな」", | |||
"302000221_12": "「そうね。これもまた異変の一つ、ということなのかしら」", | |||
"302000221_13": "「どうだろうな。違う可能性もある。\\n しかし、放っておくわけにもいかないだろう」", | |||
"302000221_14": "「ですねッ!」" | |||
{ | |||
"302000221_0": "「着いたわね」", | |||
"302000221_1": "「……ここが並行世界、ですか?」", | |||
"302000221_2": "「そのはずなのだが……。立花、この公園は……」", | |||
"302000221_3": "「はい、いつもの公園、ですよね……」", | |||
"302000221_4": "「わたしは街の地理には詳しくないのだけれど、\\n あなたたちから見て、どこか違いは無いの?」", | |||
"302000221_5": "「違い……違い……。\\n ……あッ! マリアさんの後ろッ!」", | |||
"302000221_6": "「後ろって……ッ!?\\n これが、エルフナインの言っていた……」", | |||
"302000221_7": "「ああ、ギャラルホルンによってつくられた、\\n 元の世界とのゲートだろう」", | |||
"302000221_8": "「そうなると、ここがゲートの出口って事だけは、\\n 間違いないみたいね……」", | |||
"302000221_9": "「公園や街並みは、ここから見る限りはほとんど同じに\\n 見えますよね……」", | |||
"302000221_10": "「思ったより並行世界と我々の世界は近い物なのかもしれないな。\\n とにかく、色々と歩いてこちらの異変を――ッ!?」", | |||
"302000221_11": "「……なるほど。こちらはまだノイズが出ると言う事だったな」", | |||
"302000221_12": "「そうね。これもまた異変の一つ、ということなのかしら」", | |||
"302000221_13": "「どうだろうな。違う可能性もある。\\n しかし、放っておくわけにもいかないだろう」", | |||
"302000221_14": "「ですねッ!」" | |||
} |
@@ -1,20 +1,20 @@ | |||
{ | |||
"302000222_0": "「はあ――ッ!」", | |||
"302000222_1": "「ふう……これで全部ッ!」", | |||
"302000222_2": "「ああ、周辺のノイズは殲滅できたようだ」", | |||
"302000222_3": "「それじゃ場所を移動しましょうか。\\n といっても、行く当てがあるわけではないのだけれど」", | |||
"302000222_4": "「それなのだが、リディアンに向かうのはどうだろうか?」", | |||
"302000222_5": "「リディアンに? どうしてですか?」", | |||
"302000222_6": "「ああ。こちらにノイズが出ると言う事は、S.O.N.G.――\\n いや、旧二課と同じような組織があるかもしれない」", | |||
"302000222_7": "「……確かに、同じような歴史を重ねてきた世界であれば、\\n 同じような組織があってもおかしくは無いわね」", | |||
"302000222_8": "「街並みがこれだけ似ているということなら、尚更だわ」", | |||
"302000222_9": "「わかりました。それじゃ、リディアンに向かいましょうッ!\\n えーと、リディアンは向こうだから――え……?」", | |||
"302000222_10": "「……気づいたか、立花。\\n ああ、そうだ。昔のリディアンがこちらにはあるんだ」", | |||
"302000222_11": "「あのリディアンが、地下まで我々の知る旧リディアンと同じか\\n どうかは分からないが、行ってみる価値はあるだろう」", | |||
"302000222_12": "「反応、消失しました……」", | |||
"302000222_13": "「ノイズ反応に続いて、謎の高エネルギー反応、\\n 更に直後にノイズ反応が消失……一体何が起きているッ!?」", | |||
"302000222_14": "「波形、照合しました。こ、これは――ッ!?」", | |||
"302000222_15": "「どうしたッ! 報告しろッ!」", | |||
"302000222_16": "「3つあった反応の一つは未知の聖遺物、一つはガングニール、\\n そして最後の一つは……天羽々斬、です……」", | |||
"302000222_17": "「天羽々斬、だと……ッ!?」" | |||
{ | |||
"302000222_0": "「はあ――ッ!」", | |||
"302000222_1": "「ふう……これで全部ッ!」", | |||
"302000222_2": "「ああ、周辺のノイズは殲滅できたようだ」", | |||
"302000222_3": "「それじゃ場所を移動しましょうか。\\n といっても、行く当てがあるわけではないのだけれど」", | |||
"302000222_4": "「それなのだが、リディアンに向かうのはどうだろうか?」", | |||
"302000222_5": "「リディアンに? どうしてですか?」", | |||
"302000222_6": "「ああ。こちらにノイズが出ると言う事は、S.O.N.G.――\\n いや、旧二課と同じような組織があるかもしれない」", | |||
"302000222_7": "「……確かに、同じような歴史を重ねてきた世界であれば、\\n 同じような組織があってもおかしくは無いわね」", | |||
"302000222_8": "「街並みがこれだけ似ているということなら、尚更だわ」", | |||
"302000222_9": "「わかりました。それじゃ、リディアンに向かいましょうッ!\\n えーと、リディアンは向こうだから――え……?」", | |||
"302000222_10": "「……気づいたか、立花。\\n ああ、そうだ。昔のリディアンがこちらにはあるんだ」", | |||
"302000222_11": "「あのリディアンが、地下まで我々の知る旧リディアンと同じか\\n どうかは分からないが、行ってみる価値はあるだろう」", | |||
"302000222_12": "「反応、消失しました……」", | |||
"302000222_13": "「ノイズ反応に続いて、謎の高エネルギー反応、\\n 更に直後にノイズ反応が消失……一体何が起きているッ!?」", | |||
"302000222_14": "「波形、照合しました。こ、これは――ッ!?」", | |||
"302000222_15": "「どうしたッ! 報告しろッ!」", | |||
"302000222_16": "「3つあった反応の一つは未知の聖遺物、一つはガングニール、\\n そして最後の一つは……天羽々斬、です……」", | |||
"302000222_17": "「天羽々斬、だと……ッ!?」" | |||
} |
@@ -1,27 +1,27 @@ | |||
{ | |||
"302000231_0": "「翼さん、この街並み……」", | |||
"302000231_1": "「ああ、そうだ。\\n ……フィーネとの戦いで破壊される前とそっくりだ」", | |||
"302000231_2": "「そうなの?」", | |||
"302000231_3": "「間違いない。この風景は……変わっていない」", | |||
"302000231_4": "「……もしかして、わたしたち過去に来ちゃったとか\\n じゃないですよね?」", | |||
"302000231_5": "「時間移動したと言う事?\\n エルフナインからは、そんな説明は無かったと思うけど」", | |||
"302000231_6": "「……時間移動はしていないようだ。\\n そこの店のディスプレイを見て見ろ」", | |||
"302000231_7": "「あ……日付……」", | |||
"302000231_8": "「ああ、西暦から日時まで全く同じだ」", | |||
"302000231_9": "「……先を急ぎましょう」", | |||
"302000231_10": "「やっぱり、壊れる前のリディアン……」", | |||
"302000231_11": "「ああ、遠くから見えた時にも思ったが、何から何まで\\n 完全に記憶と一致するな……」", | |||
"302000231_12": "「……2人とも、向こうの空を見なさい」", | |||
"302000231_13": "「え? あ、もう月が登って来てるんですね」", | |||
"302000231_14": "「そうだな。\\n 綺麗な丸い月が出ている……ん、丸い月だとッ!?」", | |||
"302000231_15": "「そうよ。こちらの月は欠けてないのよ」", | |||
"302000231_16": "「わたしはこの街にはそこまで詳しくないから、どうもしっくり\\n きていなかったのだけど、月を見てようやく実感が涌いたわ」", | |||
"302000231_17": "「月が欠けてない、という事はルナアタックが無かったと言う事。\\n この世界は、あの事件が無いままに進んできた世界なのよ」", | |||
"302000231_18": "「あの事件が起きていない……?\\n そうなればフロンティア事変、魔法少女事変も……?」", | |||
"302000231_19": "「ええ、起きていないでしょうね。\\n それどころか、フィーネがいるのかどうかも分からないわ」", | |||
"302000231_20": "「だから、街もリディアンも無事なんですね……」", | |||
"302000231_21": "「――ッ!」", | |||
"302000231_22": "「今の……悲鳴ッ!」", | |||
"302000231_23": "「近いぞッ! 向こうの方だッ!」", | |||
"302000231_24": "「急ぎましょうッ!」" | |||
{ | |||
"302000231_0": "「翼さん、この街並み……」", | |||
"302000231_1": "「ああ、そうだ。\\n ……フィーネとの戦いで破壊される前とそっくりだ」", | |||
"302000231_2": "「そうなの?」", | |||
"302000231_3": "「間違いない。この風景は……変わっていない」", | |||
"302000231_4": "「……もしかして、わたしたち過去に来ちゃったとか\\n じゃないですよね?」", | |||
"302000231_5": "「時間移動したと言う事?\\n エルフナインからは、そんな説明は無かったと思うけど」", | |||
"302000231_6": "「……時間移動はしていないようだ。\\n そこの店のディスプレイを見て見ろ」", | |||
"302000231_7": "「あ……日付……」", | |||
"302000231_8": "「ああ、西暦から日時まで全く同じだ」", | |||
"302000231_9": "「……先を急ぎましょう」", | |||
"302000231_10": "「やっぱり、壊れる前のリディアン……」", | |||
"302000231_11": "「ああ、遠くから見えた時にも思ったが、何から何まで\\n 完全に記憶と一致するな……」", | |||
"302000231_12": "「……2人とも、向こうの空を見なさい」", | |||
"302000231_13": "「え? あ、もう月が登って来てるんですね」", | |||
"302000231_14": "「そうだな。\\n 綺麗な丸い月が出ている……ん、丸い月だとッ!?」", | |||
"302000231_15": "「そうよ。こちらの月は欠けてないのよ」", | |||
"302000231_16": "「わたしはこの街にはそこまで詳しくないから、どうもしっくり\\n きていなかったのだけど、月を見てようやく実感が涌いたわ」", | |||
"302000231_17": "「月が欠けてない、という事はルナアタックが無かったと言う事。\\n この世界は、あの事件が無いままに進んできた世界なのよ」", | |||
"302000231_18": "「あの事件が起きていない……?\\n そうなればフロンティア事変、魔法少女事変も……?」", | |||
"302000231_19": "「ええ、起きていないでしょうね。\\n それどころか、フィーネがいるのかどうかも分からないわ」", | |||
"302000231_20": "「だから、街もリディアンも無事なんですね……」", | |||
"302000231_21": "「――ッ!」", | |||
"302000231_22": "「今の……悲鳴ッ!」", | |||
"302000231_23": "「近いぞッ! 向こうの方だッ!」", | |||
"302000231_24": "「急ぎましょうッ!」" | |||
} |
@@ -1,14 +1,14 @@ | |||
{ | |||
"302000232_0": "「見える範囲は片付いたわね……」", | |||
"302000232_1": "「翼さんッ! マリアさんッ!\\n まだ向こうから戦闘音が聞こえますッ!」", | |||
"302000232_2": "「誰かが、戦っている……?」", | |||
"302000232_3": "「こちらの装者かも知れないわね。\\n とにかく、向かいましょう」", | |||
"302000232_4": "「……ちょうど片付いた所みたい。\\n やはり、こちらにも装者がいたわね」", | |||
"302000232_5": "「……ッ!?」", | |||
"302000232_6": "「……え……?」", | |||
"302000232_7": "「……2人とも、どうかしたの?」", | |||
"302000232_8": "「嘘……。そんな、だって、あの人は――」", | |||
"302000232_9": "「か……奏……?」", | |||
"302000232_10": "「奏ぇぇぇ――ッ!」", | |||
"302000232_11": "「……翼――ッ!?」" | |||
{ | |||
"302000232_0": "「見える範囲は片付いたわね……」", | |||
"302000232_1": "「翼さんッ! マリアさんッ!\\n まだ向こうから戦闘音が聞こえますッ!」", | |||
"302000232_2": "「誰かが、戦っている……?」", | |||
"302000232_3": "「こちらの装者かも知れないわね。\\n とにかく、向かいましょう」", | |||
"302000232_4": "「……ちょうど片付いた所みたい。\\n やはり、こちらにも装者がいたわね」", | |||
"302000232_5": "「……ッ!?」", | |||
"302000232_6": "「……え……?」", | |||
"302000232_7": "「……2人とも、どうかしたの?」", | |||
"302000232_8": "「嘘……。そんな、だって、あの人は――」", | |||
"302000232_9": "「か……奏……?」", | |||
"302000232_10": "「奏ぇぇぇ――ッ!」", | |||
"302000232_11": "「……翼――ッ!?」" | |||
} |
@@ -1,70 +1,70 @@ | |||
{ | |||
"302000311_0": "片翼の奏者", | |||
"302000311_1": "「……あの運命のライブの日をあたしは今でも夢に見る」", | |||
"302000311_2": "「翼はあの絶望を前にしても、折れず、負けず、\\n その命を燃やして唄い――そして、散って逝った」", | |||
"302000311_3": "「あの日からあたしは、両親の仇と共に翼の仇を取る事だけを\\n 胸に、戦い以外の歌を捨て、復讐の為だけに生きてきた……」", | |||
"302000311_4": "「……あれから後悔しなかった日は1日もない。\\n ただ狂おしい程の後悔と、奴らへの怒りだけが、際限なく増していく」", | |||
"302000311_5": "「落ちるところまで落ちたあたし。\\n もう、翼と唄い、夢を見ていたあたしなんてどこにもいない」", | |||
"302000311_6": "「心にあるのはただノイズへの怒りと憎しみ。\\n そう……奴らへの復讐心だけが、今のあたしを動かしている」", | |||
"302000311_7": "「……翼は、今のあたしを見たら何ていうのだろう。\\n 失望されるだろうか、拒絶されるだろうか……」", | |||
"302000311_8": "「でも、あたしは――片翼じゃ飛ぶことが出来ないんだよ。\\n だから、翼には今のあたし見て欲しくない……」", | |||
"302000311_9": "「翼が描いていたあたしは、もう……」", | |||
"302000311_10": "「奏……奏ぇ……」", | |||
"302000311_11": "「翼……」", | |||
"302000311_12": "(あれが、天羽奏……)", | |||
"302000311_13": "(そうか、これが並行世界の可能性……。\\n 『天羽奏が死ななかった世界』もあり得るという事ね……)", | |||
"302000311_14": "「奏さん……翼さん……よかったよぉ……うっ、うっ……」", | |||
"302000311_15": "「……ねぇ、そんなに翼にとって天羽奏は大きい存在だったの?」", | |||
"302000311_16": "「大きいなんてもんじゃないですッ! 奏さんは――」", | |||
"302000311_17": "「――離れろッ!」", | |||
"302000311_18": "「え……奏……?」", | |||
"302000311_19": "「うるせぇッ! 翼は死んだッ、お前が翼のはずがないッ!\\n 誰だ、てめぇらは……ッ!」", | |||
"302000311_20": "「わたしが死んだ……?」", | |||
"302000311_21": "「わたしはここにいるよ、奏……」", | |||
"302000311_22": "「黙れッ! それ以上言うのなら――ッ!」", | |||
"302000311_23": "「待て、奏」", | |||
"302000311_24": "「……なんだよッ!?」", | |||
"302000311_25": "「そこにいる者たちを、本部まで連れて来てくれ」", | |||
"302000311_26": "「はあ? なんでだよッ! こんな偽者なんて――ッ!」", | |||
"302000311_27": "「……ただの偽者に、ギアが纏えるとは思えない。\\n 詳しい話を聞きたい。頼む……」", | |||
"302000311_28": "「ちッ…………分かったよ」", | |||
"302000311_29": "「おい、お前ら。ついてこい。\\n 弦十郎のダンナが話したいんだと……」", | |||
"302000311_30": "「……やっぱり行き先はリディアンの地下なんですかね。\\n ねぇ、翼さん……翼さん?」", | |||
"302000311_31": "「奏……」", | |||
"302000311_32": "「……ほら、翼。いつまでも呆けてないで。\\n 行きましょう」", | |||
"302000311_33": "「あ、ああ……すまない」", | |||
"302000311_34": "「……つ、翼さん……?」", | |||
"302000311_35": "「本当に……どうして……?」", | |||
"302000311_36": "「……翼、なのか……?」", | |||
"302000311_37": "「……」", | |||
"302000311_38": "「……驚いた。こちらでも二課は二課なんですね……」", | |||
"302000311_39": "「こちらでも……? どういう事だ?\\n その……翼、でいいのか……?」", | |||
"302000311_40": "「……はい。おじさま。わたしは確かに風鳴翼ではありますが、\\n あなたたちの知る風鳴翼ではありません」", | |||
"302000311_41": "「……俺たちの知る翼ではない、だと?」", | |||
"302000311_42": "「ええ、そうよ。それは――」", | |||
"302000311_43": "「もしかして、パラレルワールド、かしらね?」", | |||
"302000311_44": "「りょ、りょりょりょ……了子さんッ!?」", | |||
"302000311_45": "「はあ~い。\\n あら、私ったら別の世界でも有名なのかしら」", | |||
"302000311_46": "「櫻井女史……」", | |||
"302000311_47": "「……すまないが情報を整理させてくれ。\\n 君たちは並行世界――パラレルワールドから来たと言うのか?」", | |||
"302000311_48": "「ええ、そうよ。そして、わたしたちが来た理由は――」", | |||
"302000311_49": "「高質量のエネルギー反応を検知ッ!」", | |||
"302000311_50": "「――ノイズですッ! 場所は――」", | |||
"302000311_51": "「く……こんな時に……」", | |||
"302000311_52": "「まったく、無粋よね~」", | |||
"302000311_53": "「――あたしが出るッ!」", | |||
"302000311_54": "「待って奏ちゃんッ!\\n 出るなら、もう一度LiNKERを打っていきなさい」", | |||
"302000311_55": "「わかってるよッ!」", | |||
"302000311_56": "「奏ッ! くッ――わたしも行くッ!」", | |||
"302000311_57": "「翼ッ! ああ、もう……」", | |||
"302000311_58": "「1つ聞かせてくれ。\\n ――君たちは、装者なのか?」", | |||
"302000311_59": "「ええ、そうよ。この子もわたしもね。\\n ガングニールとアガートラームの装者よ」", | |||
"302000311_60": "「アガートラーム……?」", | |||
"302000311_61": "(……この反応、こちらではアガートラームは\\n 見つかってない、というわけね……)", | |||
"302000311_62": "「翼さんはともかく、全員装者……?」", | |||
"302000311_63": "「そんな……装者がそんなにいるだなんて……」", | |||
"302000311_64": "「すまないが、君たちにも協力してもらえないだろうか?\\n ……我々には、奏以外の装者がいないんだ」", | |||
"302000311_65": "「もちろんですッ!\\n わたしたちに任せてくださいッ、師匠ッ!」", | |||
"302000311_66": "「師匠……?\\n ま、まあとにかく、よろしく頼む」", | |||
"302000311_67": "「ふふ、これは面白くなってきたわね~」" | |||
{ | |||
"302000311_0": "片翼の奏者", | |||
"302000311_1": "「……あの運命のライブの日をあたしは今でも夢に見る」", | |||
"302000311_2": "「翼はあの絶望を前にしても、折れず、負けず、\\n その命を燃やして唄い――そして、散って逝った」", | |||
"302000311_3": "「あの日からあたしは、両親の仇と共に翼の仇を取る事だけを\\n 胸に、戦い以外の歌を捨て、復讐の為だけに生きてきた……」", | |||
"302000311_4": "「……あれから後悔しなかった日は1日もない。\\n ただ狂おしい程の後悔と、奴らへの怒りだけが、際限なく増していく」", | |||
"302000311_5": "「落ちるところまで落ちたあたし。\\n もう、翼と唄い、夢を見ていたあたしなんてどこにもいない」", | |||
"302000311_6": "「心にあるのはただノイズへの怒りと憎しみ。\\n そう……奴らへの復讐心だけが、今のあたしを動かしている」", | |||
"302000311_7": "「……翼は、今のあたしを見たら何ていうのだろう。\\n 失望されるだろうか、拒絶されるだろうか……」", | |||
"302000311_8": "「でも、あたしは――片翼じゃ飛ぶことが出来ないんだよ。\\n だから、翼には今のあたし見て欲しくない……」", | |||
"302000311_9": "「翼が描いていたあたしは、もう……」", | |||
"302000311_10": "「奏……奏ぇ……」", | |||
"302000311_11": "「翼……」", | |||
"302000311_12": "(あれが、天羽奏……)", | |||
"302000311_13": "(そうか、これが並行世界の可能性……。\\n 『天羽奏が死ななかった世界』もあり得るという事ね……)", | |||
"302000311_14": "「奏さん……翼さん……よかったよぉ……うっ、うっ……」", | |||
"302000311_15": "「……ねぇ、そんなに翼にとって天羽奏は大きい存在だったの?」", | |||
"302000311_16": "「大きいなんてもんじゃないですッ! 奏さんは――」", | |||
"302000311_17": "「――離れろッ!」", | |||
"302000311_18": "「え……奏……?」", | |||
"302000311_19": "「うるせぇッ! 翼は死んだッ、お前が翼のはずがないッ!\\n 誰だ、てめぇらは……ッ!」", | |||
"302000311_20": "「わたしが死んだ……?」", | |||
"302000311_21": "「わたしはここにいるよ、奏……」", | |||
"302000311_22": "「黙れッ! それ以上言うのなら――ッ!」", | |||
"302000311_23": "「待て、奏」", | |||
"302000311_24": "「……なんだよッ!?」", | |||
"302000311_25": "「そこにいる者たちを、本部まで連れて来てくれ」", | |||
"302000311_26": "「はあ? なんでだよッ! こんな偽者なんて――ッ!」", | |||
"302000311_27": "「……ただの偽者に、ギアが纏えるとは思えない。\\n 詳しい話を聞きたい。頼む……」", | |||
"302000311_28": "「ちッ…………分かったよ」", | |||
"302000311_29": "「おい、お前ら。ついてこい。\\n 弦十郎のダンナが話したいんだと……」", | |||
"302000311_30": "「……やっぱり行き先はリディアンの地下なんですかね。\\n ねぇ、翼さん……翼さん?」", | |||
"302000311_31": "「奏……」", | |||
"302000311_32": "「……ほら、翼。いつまでも呆けてないで。\\n 行きましょう」", | |||
"302000311_33": "「あ、ああ……すまない」", | |||
"302000311_34": "「……つ、翼さん……?」", | |||
"302000311_35": "「本当に……どうして……?」", | |||
"302000311_36": "「……翼、なのか……?」", | |||
"302000311_37": "「……」", | |||
"302000311_38": "「……驚いた。こちらでも二課は二課なんですね……」", | |||
"302000311_39": "「こちらでも……? どういう事だ?\\n その……翼、でいいのか……?」", | |||
"302000311_40": "「……はい。おじさま。わたしは確かに風鳴翼ではありますが、\\n あなたたちの知る風鳴翼ではありません」", | |||
"302000311_41": "「……俺たちの知る翼ではない、だと?」", | |||
"302000311_42": "「ええ、そうよ。それは――」", | |||
"302000311_43": "「もしかして、パラレルワールド、かしらね?」", | |||
"302000311_44": "「りょ、りょりょりょ……了子さんッ!?」", | |||
"302000311_45": "「はあ~い。\\n あら、私ったら別の世界でも有名なのかしら」", | |||
"302000311_46": "「櫻井女史……」", | |||
"302000311_47": "「……すまないが情報を整理させてくれ。\\n 君たちは並行世界――パラレルワールドから来たと言うのか?」", | |||
"302000311_48": "「ええ、そうよ。そして、わたしたちが来た理由は――」", | |||
"302000311_49": "「高質量のエネルギー反応を検知ッ!」", | |||
"302000311_50": "「――ノイズですッ! 場所は――」", | |||
"302000311_51": "「く……こんな時に……」", | |||
"302000311_52": "「まったく、無粋よね~」", | |||
"302000311_53": "「――あたしが出るッ!」", | |||
"302000311_54": "「待って奏ちゃんッ!\\n 出るなら、もう一度LiNKERを打っていきなさい」", | |||
"302000311_55": "「わかってるよッ!」", | |||
"302000311_56": "「奏ッ! くッ――わたしも行くッ!」", | |||
"302000311_57": "「翼ッ! ああ、もう……」", | |||
"302000311_58": "「1つ聞かせてくれ。\\n ――君たちは、装者なのか?」", | |||
"302000311_59": "「ええ、そうよ。この子もわたしもね。\\n ガングニールとアガートラームの装者よ」", | |||
"302000311_60": "「アガートラーム……?」", | |||
"302000311_61": "(……この反応、こちらではアガートラームは\\n 見つかってない、というわけね……)", | |||
"302000311_62": "「翼さんはともかく、全員装者……?」", | |||
"302000311_63": "「そんな……装者がそんなにいるだなんて……」", | |||
"302000311_64": "「すまないが、君たちにも協力してもらえないだろうか?\\n ……我々には、奏以外の装者がいないんだ」", | |||
"302000311_65": "「もちろんですッ!\\n わたしたちに任せてくださいッ、師匠ッ!」", | |||
"302000311_66": "「師匠……?\\n ま、まあとにかく、よろしく頼む」", | |||
"302000311_67": "「ふふ、これは面白くなってきたわね~」" | |||
} |
@@ -1,65 +1,65 @@ | |||
{ | |||
"302000312_0": "「……ノイズの撃退は完了ね」", | |||
"302000312_1": "「……」", | |||
"302000312_2": "(翼の、天羽々斬……。\\n いや、あたしの知っているそれより数段強い……それに――)", | |||
"302000312_3": "(――あいつのギアは……あたしと同じ――)", | |||
"302000312_4": "「ん? どうかしましたか、奏さん?」", | |||
"302000312_5": "「……何でもない」", | |||
"302000312_6": "(ガングニール……なのに、どうしてあたしより――。\\n どうなってるんだよ、一体――ッ)", | |||
"302000312_7": "「奏……あの、大丈夫だった……?」", | |||
"302000312_8": "「……黙れ。あたしに干渉するな」", | |||
"302000312_9": "「……ごめんなさい」", | |||
"302000312_10": "「ちッ……戻るぞ」", | |||
"302000312_11": "(奏……)", | |||
"302000312_12": "「助力、感謝する……」", | |||
"302000312_13": "「いえ、ノイズから無辜の人々を守るのは、\\n わたしたちの役目ですから」", | |||
"302000312_14": "「……やはりお前は翼なんだな」", | |||
"302000312_15": "「……司令?」", | |||
"302000312_16": "「いや……すまんな。\\n どうしても俺の知る、翼と重なってしまう……」", | |||
"302000312_17": "「ふざけるなッ! 重なるもんかッ!\\n 翼は……翼は……ッ!」", | |||
"302000312_18": "「……奏。落ち着くんだ。\\n これでは話を聞く事も出来ない」", | |||
"302000312_19": "「……ちッ」", | |||
"302000312_20": "「すまなかったな……」", | |||
"302000312_21": "「……気にしないで下さい」", | |||
"302000312_22": "「そ・れ・よ・り~。早くそっちの世界の事を、聞かせて\\n くれないかしら? 興味あるわ」", | |||
"302000312_23": "「……もちろんよ。\\n こちらも色々と聞きたいことがあるわ」", | |||
"302000312_24": "「それじゃ、情報交換と行きましょうか」", | |||
"302000312_25": "「……なるほど。君たちはその完全聖遺物の力で、\\n こちらに渡って来たという事か……」", | |||
"302000312_26": "「はい。そして、ギャラルホルンが世界を繋ぐ要因となった\\n 異常の解決を目的としています」", | |||
"302000312_27": "「……何か、異変や異常に心当たりはないかしら?」", | |||
"302000312_28": "「異変や異常ね。あるわよ~。もう、ありすぎるくらい」", | |||
"302000312_29": "「そ、そんなに……?」", | |||
"302000312_30": "「……出現するノイズの一部に、通常のノイズとは特徴が\\n 異なる個体を観測している」", | |||
"302000312_31": "「それが恐らく異変の元凶だろう……」", | |||
"302000312_32": "「特徴が異なる……?\\n それはどういったものなのですか?」", | |||
"302000312_33": "「ノイズは人に触れると炭素分解を起こす。\\n ――これは知っているわよね?」", | |||
"302000312_34": "「ええ」", | |||
"302000312_35": "「でもそのノイズは人だけを分解させるのよ。\\n ――無尽蔵に」", | |||
"302000312_36": "「……え?」", | |||
"302000312_37": "「つ・ま・り。人だけを分解し、自分は分解されないの。\\n 触った相手だけを次々に分解させちゃうわけ」", | |||
"302000312_38": "「そんな……それでは犠牲者が……ッ!」", | |||
"302000312_39": "「……ああ。このノイズ1体で、いくらでも人を殺せる。\\n しかも、今までのノイズとは比べ物にならない戦闘力もある」", | |||
"302000312_40": "「我々は、なんらかの原因でノイズに状態変化が起き、\\n 特性が変わったものだと見ている」", | |||
"302000312_41": "「それをノイズの『カルマ化』と呼んでいるが、 \\n 詳しい詳細はまだ分かっていないのが現状だ」", | |||
"302000312_42": "「ノイズの『カルマ化』……」", | |||
"302000312_43": "「……君たちがこの解決に協力してくれると言うなら、\\n 我々も心強い。是非、力を貸してほしい……」", | |||
"302000312_44": "「もちろんですッ! どーんと任せてくださいッ!」", | |||
"302000312_45": "「ええ、その為に来たのだから」", | |||
"302000312_46": "「……この身に代えても、そのカルマノイズとやらを\\n 討ち取って見せます」", | |||
"302000312_47": "「――ッ! ふざけんなッ!」", | |||
"302000312_48": "「奏……?」", | |||
"302000312_49": "「この身に代えても?\\n 軽々しく口にしてんじゃねぇよッ!」", | |||
"302000312_50": "「第一、この世界の事はこの世界の奴がやるべきだろッ!\\n 他の世界の奴の手を借りるなんて……あたしは反対だッ!」", | |||
"302000312_51": "「……奏ちゃん、ご機嫌斜めね~」", | |||
"302000312_52": "「……奏にも割り切れない思いはあるのだろう」", | |||
"302000312_53": "「すまない。今日はこれくらいにしよう。我々のセーフハウスを\\n 1つ提供するから、こちらにいる時は自由に使ってくれ」", | |||
"302000312_54": "「はい、ありがとうございます」", | |||
"302000312_55": "「ね、ところで、あなたたちのいる世界にこっちから行くことは\\n 自由に出来るのかしら?」", | |||
"302000312_56": "「自由に……というと語弊がありますが、通ってきたゲートを\\n 使えば、いつでも戻れるようです」", | |||
"302000312_57": "「それなら行ってみたいわぁ~、連れて行ってくれない?」", | |||
"302000312_58": "「ゲートは装者でないと渡れないわ。\\n ギアにしか反応しないの」", | |||
"302000312_59": "「あら、そうなの? 残念だわぁ~」", | |||
"302000312_60": "「ちくしょう……どうして――」", | |||
"302000312_61": "「……この身に代えても、そのカルマノイズとやらを\\n 討ち取って見せます」", | |||
"302000312_62": "「あいつの顔で、あいつの声でそんな事言うなッ……。\\n あたしは絶対に認めねぇ……そんなの許さねぇッ!」" | |||
{ | |||
"302000312_0": "「……ノイズの撃退は完了ね」", | |||
"302000312_1": "「……」", | |||
"302000312_2": "(翼の、天羽々斬……。\\n いや、あたしの知っているそれより数段強い……それに――)", | |||
"302000312_3": "(――あいつのギアは……あたしと同じ――)", | |||
"302000312_4": "「ん? どうかしましたか、奏さん?」", | |||
"302000312_5": "「……何でもない」", | |||
"302000312_6": "(ガングニール……なのに、どうしてあたしより――。\\n どうなってるんだよ、一体――ッ)", | |||
"302000312_7": "「奏……あの、大丈夫だった……?」", | |||
"302000312_8": "「……黙れ。あたしに干渉するな」", | |||
"302000312_9": "「……ごめんなさい」", | |||
"302000312_10": "「ちッ……戻るぞ」", | |||
"302000312_11": "(奏……)", | |||
"302000312_12": "「助力、感謝する……」", | |||
"302000312_13": "「いえ、ノイズから無辜の人々を守るのは、\\n わたしたちの役目ですから」", | |||
"302000312_14": "「……やはりお前は翼なんだな」", | |||
"302000312_15": "「……司令?」", | |||
"302000312_16": "「いや……すまんな。\\n どうしても俺の知る、翼と重なってしまう……」", | |||
"302000312_17": "「ふざけるなッ! 重なるもんかッ!\\n 翼は……翼は……ッ!」", | |||
"302000312_18": "「……奏。落ち着くんだ。\\n これでは話を聞く事も出来ない」", | |||
"302000312_19": "「……ちッ」", | |||
"302000312_20": "「すまなかったな……」", | |||
"302000312_21": "「……気にしないで下さい」", | |||
"302000312_22": "「そ・れ・よ・り~。早くそっちの世界の事を、聞かせて\\n くれないかしら? 興味あるわ」", | |||
"302000312_23": "「……もちろんよ。\\n こちらも色々と聞きたいことがあるわ」", | |||
"302000312_24": "「それじゃ、情報交換と行きましょうか」", | |||
"302000312_25": "「……なるほど。君たちはその完全聖遺物の力で、\\n こちらに渡って来たという事か……」", | |||
"302000312_26": "「はい。そして、ギャラルホルンが世界を繋ぐ要因となった\\n 異常の解決を目的としています」", | |||
"302000312_27": "「……何か、異変や異常に心当たりはないかしら?」", | |||
"302000312_28": "「異変や異常ね。あるわよ~。もう、ありすぎるくらい」", | |||
"302000312_29": "「そ、そんなに……?」", | |||
"302000312_30": "「……出現するノイズの一部に、通常のノイズとは特徴が\\n 異なる個体を観測している」", | |||
"302000312_31": "「それが恐らく異変の元凶だろう……」", | |||
"302000312_32": "「特徴が異なる……?\\n それはどういったものなのですか?」", | |||
"302000312_33": "「ノイズは人に触れると炭素分解を起こす。\\n ――これは知っているわよね?」", | |||
"302000312_34": "「ええ」", | |||
"302000312_35": "「でもそのノイズは人だけを分解させるのよ。\\n ――無尽蔵に」", | |||
"302000312_36": "「……え?」", | |||
"302000312_37": "「つ・ま・り。人だけを分解し、自分は分解されないの。\\n 触った相手だけを次々に分解させちゃうわけ」", | |||
"302000312_38": "「そんな……それでは犠牲者が……ッ!」", | |||
"302000312_39": "「……ああ。このノイズ1体で、いくらでも人を殺せる。\\n しかも、今までのノイズとは比べ物にならない戦闘力もある」", | |||
"302000312_40": "「我々は、なんらかの原因でノイズに状態変化が起き、\\n 特性が変わったものだと見ている」", | |||
"302000312_41": "「それをノイズの『カルマ化』と呼んでいるが、 \\n 詳しい詳細はまだ分かっていないのが現状だ」", | |||
"302000312_42": "「ノイズの『カルマ化』……」", | |||
"302000312_43": "「……君たちがこの解決に協力してくれると言うなら、\\n 我々も心強い。是非、力を貸してほしい……」", | |||
"302000312_44": "「もちろんですッ! どーんと任せてくださいッ!」", | |||
"302000312_45": "「ええ、その為に来たのだから」", | |||
"302000312_46": "「……この身に代えても、そのカルマノイズとやらを\\n 討ち取って見せます」", | |||
"302000312_47": "「――ッ! ふざけんなッ!」", | |||
"302000312_48": "「奏……?」", | |||
"302000312_49": "「この身に代えても?\\n 軽々しく口にしてんじゃねぇよッ!」", | |||
"302000312_50": "「第一、この世界の事はこの世界の奴がやるべきだろッ!\\n 他の世界の奴の手を借りるなんて……あたしは反対だッ!」", | |||
"302000312_51": "「……奏ちゃん、ご機嫌斜めね~」", | |||
"302000312_52": "「……奏にも割り切れない思いはあるのだろう」", | |||
"302000312_53": "「すまない。今日はこれくらいにしよう。我々のセーフハウスを\\n 1つ提供するから、こちらにいる時は自由に使ってくれ」", | |||
"302000312_54": "「はい、ありがとうございます」", | |||
"302000312_55": "「ね、ところで、あなたたちのいる世界にこっちから行くことは\\n 自由に出来るのかしら?」", | |||
"302000312_56": "「自由に……というと語弊がありますが、通ってきたゲートを\\n 使えば、いつでも戻れるようです」", | |||
"302000312_57": "「それなら行ってみたいわぁ~、連れて行ってくれない?」", | |||
"302000312_58": "「ゲートは装者でないと渡れないわ。\\n ギアにしか反応しないの」", | |||
"302000312_59": "「あら、そうなの? 残念だわぁ~」", | |||
"302000312_60": "「ちくしょう……どうして――」", | |||
"302000312_61": "「……この身に代えても、そのカルマノイズとやらを\\n 討ち取って見せます」", | |||
"302000312_62": "「あいつの顔で、あいつの声でそんな事言うなッ……。\\n あたしは絶対に認めねぇ……そんなの許さねぇッ!」" | |||
} |
@@ -1,73 +1,73 @@ | |||
{ | |||
"302000411_0": "黒いノイズ", | |||
"302000411_1": "「昨日はゆっくり休めたか?\\n 朝から集まってもらってすまない」", | |||
"302000411_2": "「ばっちりですッ、師匠」", | |||
"302000411_3": "「師匠……?」", | |||
"302000411_4": "「あわわ、気にしないで下さい」", | |||
"302000411_5": "「あ、ああ……?\\n さて、とにかく昨日の続きだ」", | |||
"302000411_6": "「君たちの目的は聞いたし、こちらで起きている異変については\\n 共有できたと思う。他に聞きたい事はあるだろうか?」", | |||
"302000411_7": "「……そうね。それなら一つあるわ。\\n こちらの風鳴翼について話してくれるかしら?」", | |||
"302000411_8": "「な――ッ!」", | |||
"302000411_9": "「マリア……?」", | |||
"302000411_10": "「こっちの翼さん……?」", | |||
"302000411_11": "「あなたたちはわたしたちと会った時、翼を見て驚いていたわね。\\n つまり、こちらの翼も装者なのでしょう?」", | |||
"302000411_12": "「……その通りだ。翼は二課所属の装者だった」", | |||
"302000411_13": "「装者、だった……?」", | |||
"302000411_14": "「順を追って話そう。\\n 翼は奏と共に、アーティストユニットを組んでいた」", | |||
"302000411_15": "「……ツヴァイウィング」", | |||
"302000411_16": "「……そうか、そこはそちらの世界でも同じなのか。\\n なら話が早い。事件はそのファーストライブの会場で起きた」", | |||
"302000411_17": "「――ッ!?」", | |||
"302000411_18": "「ライブ当日、大量のノイズが会場に現れた。\\n その中に、カルマ化したノイズが混じっていた……」", | |||
"302000411_19": "「あの個体が観測されたのは、恐らくそれが初だ。\\n 翼と奏は奴と戦い、瀕死の重傷を負った」", | |||
"302000411_20": "「そして、その時……翼は奴を倒すために、絶唱を唄い、\\n 天羽々斬のギアが砕け散るほどの一撃で奴を倒した」", | |||
"302000411_21": "「……その身すらも犠牲にしてな」", | |||
"302000411_22": "「…………ッ」", | |||
"302000411_23": "「これが、我々の世界の翼の話だ……」", | |||
"302000411_24": "「……興味深いわね。そこが恐らくこの世界とわたしたちの\\n 歴史の分岐点よ。そうでしょう、翼?」", | |||
"302000411_25": "「……ああ」", | |||
"302000411_26": "「分岐点……ということはそっちでは何が起きたのかしら?」", | |||
"302000411_27": "「……奏さんが、絶唱を使って……」", | |||
"302000411_28": "「……生き残ったのは、わたしの方だった」", | |||
"302000411_29": "「後は、こちらではそんなおかしなノイズは現れてないわ。\\n ……代わりに、後から凄いのが出たけどね」", | |||
"302000411_30": "(フィーネという、怪物がね……)", | |||
"302000411_31": "「ん? 何かしら?」", | |||
"302000411_32": "(櫻井了子……フィーネは宿っていないのかしら……。\\n ……念の為フィーネの事は少しぼかしておくべきね)", | |||
"302000411_33": "「……何でもないわ。\\n ライブの後にこちらであった事だけど――」", | |||
"302000411_34": "「……そうだったのか。ルナアタックにフロンティア事変、\\n さらには魔法少女事変とは……」", | |||
"302000411_35": "「こちら以上に、戦いだらけの世界ねぇ~。\\n しかも装者が6人? もう、大盤振る舞いじゃないの~」", | |||
"302000411_36": "「こちらでは翼さんと奏さん以外にいないんですか?」", | |||
"302000411_37": "「……ああ、見つかっていない。もしかしたら、こちらの世界の\\n 君たちを見つければ、装者になれるのかもしれないが……」", | |||
"302000411_38": "「……難しいわね。\\n わたしのアガートラームは見つかっていないのでしょう?」", | |||
"302000411_39": "「大きく変化したのがそのライブからだってだけで、他にも\\n 細かな違いはあるはずよ。装者の資質だって分からないわ」", | |||
"302000411_40": "「ま、そうでしょうね~。\\n ところでそうそう、そのアガートラームなんだけど~」", | |||
"302000411_41": "「わたしにじ~っくり、見せてくれないかしら?」", | |||
"302000411_42": "「え?」", | |||
"302000411_43": "「もう、見たことない聖遺物だから気になって気になって~。\\n ね、いいでしょ? ほらほら、遠慮しないで~」", | |||
"302000411_44": "「あ、あの、ちょっとッ! ひ、引っ張らないでってばッ……」", | |||
"302000411_45": "「弦十郎くん、後は任せたわ。\\n わたしは、この子と向こうでイイコトしてくるわね~」", | |||
"302000411_46": "「イイコトって……ッ!?」", | |||
"302000411_47": "「……お手柔らかにな、了子くん」", | |||
"302000411_48": "「……なんか、落ち着きます。\\n 了子さんは了子さん……ですよねッ!」", | |||
"302000411_49": "「……ああ」", | |||
"302000411_50": "「……どういうことだ?」", | |||
"302000411_51": "「何でもありませんッ!\\n それより師匠――って、違う違う……」", | |||
"302000411_52": "「……それなんだが、すまないがどうして君は俺を師匠と\\n 呼ぶんだ? そちらでは俺は君の師匠なのか……?」", | |||
"302000411_53": "「はい、武術の師匠なんですッ!」", | |||
"302000411_54": "「……俺は人に武術を教えるなんて出来ないぞ。\\n 最低限の護身術程度しか修めていない」", | |||
"302000411_55": "「またまた~。素手でもわたしたち装者より強いくせに~」", | |||
"302000411_56": "「翼さんの必殺技を拳で止めたり、震脚でアスファルトを\\n ひっくり返したり出来るんじゃないんですか?」", | |||
"302000411_57": "「……それは、本当に人間か?」", | |||
"302000411_58": "「え? その……出来ないんですか?」", | |||
"302000411_59": "「……なにわけわかんねーこと言ってるんだ。\\n 弦十郎のダンナが戦えるはずないだろ?」", | |||
"302000411_60": "「ああ、そんな事は逆立ちしたって出来やしないさ」", | |||
"302000411_61": "「……どうやら、そっちは思ったよりこっちと違うらしいな」", | |||
"302000411_62": "「奏……」", | |||
"302000411_63": "(……なら、奏にとってのわたし、こちらの風鳴翼は……?)", | |||
"302000411_64": "「そうですね……びっくりですッ!\\n まさか師匠が普通の人だなんて……」", | |||
"302000411_65": "「俺としては、そんな事が出来るというそっちの俺の方が\\n びっくりなんだが……」", | |||
"302000411_66": "「……なぁ、お前」", | |||
"302000411_67": "「はい?」", | |||
"302000411_68": "「……お前たちの方でのあたしは――」", | |||
"302000411_69": "「――高質量のエネルギーを検知、ノイズですッ!」", | |||
"302000411_70": "「……奏、それに並行世界の装者たち……。\\n ――頼んだぞッ!」" | |||
{ | |||
"302000411_0": "黒いノイズ", | |||
"302000411_1": "「昨日はゆっくり休めたか?\\n 朝から集まってもらってすまない」", | |||
"302000411_2": "「ばっちりですッ、師匠」", | |||
"302000411_3": "「師匠……?」", | |||
"302000411_4": "「あわわ、気にしないで下さい」", | |||
"302000411_5": "「あ、ああ……?\\n さて、とにかく昨日の続きだ」", | |||
"302000411_6": "「君たちの目的は聞いたし、こちらで起きている異変については\\n 共有できたと思う。他に聞きたい事はあるだろうか?」", | |||
"302000411_7": "「……そうね。それなら一つあるわ。\\n こちらの風鳴翼について話してくれるかしら?」", | |||
"302000411_8": "「な――ッ!」", | |||
"302000411_9": "「マリア……?」", | |||
"302000411_10": "「こっちの翼さん……?」", | |||
"302000411_11": "「あなたたちはわたしたちと会った時、翼を見て驚いていたわね。\\n つまり、こちらの翼も装者なのでしょう?」", | |||
"302000411_12": "「……その通りだ。翼は二課所属の装者だった」", | |||
"302000411_13": "「装者、だった……?」", | |||
"302000411_14": "「順を追って話そう。\\n 翼は奏と共に、アーティストユニットを組んでいた」", | |||
"302000411_15": "「……ツヴァイウィング」", | |||
"302000411_16": "「……そうか、そこはそちらの世界でも同じなのか。\\n なら話が早い。事件はそのファーストライブの会場で起きた」", | |||
"302000411_17": "「――ッ!?」", | |||
"302000411_18": "「ライブ当日、大量のノイズが会場に現れた。\\n その中に、カルマ化したノイズが混じっていた……」", | |||
"302000411_19": "「あの個体が観測されたのは、恐らくそれが初だ。\\n 翼と奏は奴と戦い、瀕死の重傷を負った」", | |||
"302000411_20": "「そして、その時……翼は奴を倒すために、絶唱を唄い、\\n 天羽々斬のギアが砕け散るほどの一撃で奴を倒した」", | |||
"302000411_21": "「……その身すらも犠牲にしてな」", | |||
"302000411_22": "「…………ッ」", | |||
"302000411_23": "「これが、我々の世界の翼の話だ……」", | |||
"302000411_24": "「……興味深いわね。そこが恐らくこの世界とわたしたちの\\n 歴史の分岐点よ。そうでしょう、翼?」", | |||
"302000411_25": "「……ああ」", | |||
"302000411_26": "「分岐点……ということはそっちでは何が起きたのかしら?」", | |||
"302000411_27": "「……奏さんが、絶唱を使って……」", | |||
"302000411_28": "「……生き残ったのは、わたしの方だった」", | |||
"302000411_29": "「後は、こちらではそんなおかしなノイズは現れてないわ。\\n ……代わりに、後から凄いのが出たけどね」", | |||
"302000411_30": "(フィーネという、怪物がね……)", | |||
"302000411_31": "「ん? 何かしら?」", | |||
"302000411_32": "(櫻井了子……フィーネは宿っていないのかしら……。\\n ……念の為フィーネの事は少しぼかしておくべきね)", | |||
"302000411_33": "「……何でもないわ。\\n ライブの後にこちらであった事だけど――」", | |||
"302000411_34": "「……そうだったのか。ルナアタックにフロンティア事変、\\n さらには魔法少女事変とは……」", | |||
"302000411_35": "「こちら以上に、戦いだらけの世界ねぇ~。\\n しかも装者が6人? もう、大盤振る舞いじゃないの~」", | |||
"302000411_36": "「こちらでは翼さんと奏さん以外にいないんですか?」", | |||
"302000411_37": "「……ああ、見つかっていない。もしかしたら、こちらの世界の\\n 君たちを見つければ、装者になれるのかもしれないが……」", | |||
"302000411_38": "「……難しいわね。\\n わたしのアガートラームは見つかっていないのでしょう?」", | |||
"302000411_39": "「大きく変化したのがそのライブからだってだけで、他にも\\n 細かな違いはあるはずよ。装者の資質だって分からないわ」", | |||
"302000411_40": "「ま、そうでしょうね~。\\n ところでそうそう、そのアガートラームなんだけど~」", | |||
"302000411_41": "「わたしにじ~っくり、見せてくれないかしら?」", | |||
"302000411_42": "「え?」", | |||
"302000411_43": "「もう、見たことない聖遺物だから気になって気になって~。\\n ね、いいでしょ? ほらほら、遠慮しないで~」", | |||
"302000411_44": "「あ、あの、ちょっとッ! ひ、引っ張らないでってばッ……」", | |||
"302000411_45": "「弦十郎くん、後は任せたわ。\\n わたしは、この子と向こうでイイコトしてくるわね~」", | |||
"302000411_46": "「イイコトって……ッ!?」", | |||
"302000411_47": "「……お手柔らかにな、了子くん」", | |||
"302000411_48": "「……なんか、落ち着きます。\\n 了子さんは了子さん……ですよねッ!」", | |||
"302000411_49": "「……ああ」", | |||
"302000411_50": "「……どういうことだ?」", | |||
"302000411_51": "「何でもありませんッ!\\n それより師匠――って、違う違う……」", | |||
"302000411_52": "「……それなんだが、すまないがどうして君は俺を師匠と\\n 呼ぶんだ? そちらでは俺は君の師匠なのか……?」", | |||
"302000411_53": "「はい、武術の師匠なんですッ!」", | |||
"302000411_54": "「……俺は人に武術を教えるなんて出来ないぞ。\\n 最低限の護身術程度しか修めていない」", | |||
"302000411_55": "「またまた~。素手でもわたしたち装者より強いくせに~」", | |||
"302000411_56": "「翼さんの必殺技を拳で止めたり、震脚でアスファルトを\\n ひっくり返したり出来るんじゃないんですか?」", | |||
"302000411_57": "「……それは、本当に人間か?」", | |||
"302000411_58": "「え? その……出来ないんですか?」", | |||
"302000411_59": "「……なにわけわかんねーこと言ってるんだ。\\n 弦十郎のダンナが戦えるはずないだろ?」", | |||
"302000411_60": "「ああ、そんな事は逆立ちしたって出来やしないさ」", | |||
"302000411_61": "「……どうやら、そっちは思ったよりこっちと違うらしいな」", | |||
"302000411_62": "「奏……」", | |||
"302000411_63": "(……なら、奏にとってのわたし、こちらの風鳴翼は……?)", | |||
"302000411_64": "「そうですね……びっくりですッ!\\n まさか師匠が普通の人だなんて……」", | |||
"302000411_65": "「俺としては、そんな事が出来るというそっちの俺の方が\\n びっくりなんだが……」", | |||
"302000411_66": "「……なぁ、お前」", | |||
"302000411_67": "「はい?」", | |||
"302000411_68": "「……お前たちの方でのあたしは――」", | |||
"302000411_69": "「――高質量のエネルギーを検知、ノイズですッ!」", | |||
"302000411_70": "「……奏、それに並行世界の装者たち……。\\n ――頼んだぞッ!」" | |||
} |
@@ -1,26 +1,26 @@ | |||
{ | |||
"302000412_0": "「はあああ――ッ!」", | |||
"302000412_1": "「立花ッ!\\n マリアに続くぞッ!」", | |||
"302000412_2": "「わかりましたッ!\\n てええええええいッ!」", | |||
"302000412_3": "「――これで、トドメだッ!」", | |||
"302000412_4": "「やりましたねッ!」", | |||
"302000412_5": "「ああ。\\n だが、どうやらまだ終わりではないようだ……」", | |||
"302000412_6": "「うわわッ、まだこんなにたくさん~」", | |||
"302000412_7": "「気を抜かずに行きましょう。……本当は彼女もわたしたちと\\n 連携してくれるといいんだけれど」", | |||
"302000412_8": "「……すまない」", | |||
"302000412_9": "「翼が謝る事じゃないわ」", | |||
"302000412_10": "(……奏)", | |||
"302000412_11": "「おらああああああッ!」", | |||
"302000412_12": "(何なんだ……何なんだ何なんだッ!)", | |||
"302000412_13": "(ガングニールの奴の爆発力、見慣れないギアの奴の冷静さ、\\n そして天羽々斬……翼のあの強さはッ!)", | |||
"302000412_14": "(あたしがノイズを一匹倒す間に、あの三人はあたし以上に\\n 多くのノイズを倒してやがる……)", | |||
"302000412_15": "(……背中を預けられる相手がいるって、そんなに――)", | |||
"302000412_16": "(――違うッ! それは弱さだッ! 翼が死んだのは、\\n あたしが翼を守れなかったからだッ!)", | |||
"302000412_17": "「――認め……られるかぁッ!」", | |||
"302000412_18": "「すごい……さすが奏さん……」", | |||
"302000412_19": "「……適合係数の低いギアであれだけの動き。\\n さすが、翼のパートナーだけの事はあるわね……」", | |||
"302000412_20": "「奏……」", | |||
"302000412_21": "(そうだ、あれが奏だ……。\\n 誰よりも強く、いつもわたしを護ってくれた、奏の姿だ……)", | |||
"302000412_22": "「――ッ!?\\n 翼さんッ! 新手ですッ!」", | |||
"302000412_23": "「な――ッ!?」" | |||
{ | |||
"302000412_0": "「はあああ――ッ!」", | |||
"302000412_1": "「立花ッ!\\n マリアに続くぞッ!」", | |||
"302000412_2": "「わかりましたッ!\\n てええええええいッ!」", | |||
"302000412_3": "「――これで、トドメだッ!」", | |||
"302000412_4": "「やりましたねッ!」", | |||
"302000412_5": "「ああ。\\n だが、どうやらまだ終わりではないようだ……」", | |||
"302000412_6": "「うわわッ、まだこんなにたくさん~」", | |||
"302000412_7": "「気を抜かずに行きましょう。……本当は彼女もわたしたちと\\n 連携してくれるといいんだけれど」", | |||
"302000412_8": "「……すまない」", | |||
"302000412_9": "「翼が謝る事じゃないわ」", | |||
"302000412_10": "(……奏)", | |||
"302000412_11": "「おらああああああッ!」", | |||
"302000412_12": "(何なんだ……何なんだ何なんだッ!)", | |||
"302000412_13": "(ガングニールの奴の爆発力、見慣れないギアの奴の冷静さ、\\n そして天羽々斬……翼のあの強さはッ!)", | |||
"302000412_14": "(あたしがノイズを一匹倒す間に、あの三人はあたし以上に\\n 多くのノイズを倒してやがる……)", | |||
"302000412_15": "(……背中を預けられる相手がいるって、そんなに――)", | |||
"302000412_16": "(――違うッ! それは弱さだッ! 翼が死んだのは、\\n あたしが翼を守れなかったからだッ!)", | |||
"302000412_17": "「――認め……られるかぁッ!」", | |||
"302000412_18": "「すごい……さすが奏さん……」", | |||
"302000412_19": "「……適合係数の低いギアであれだけの動き。\\n さすが、翼のパートナーだけの事はあるわね……」", | |||
"302000412_20": "「奏……」", | |||
"302000412_21": "(そうだ、あれが奏だ……。\\n 誰よりも強く、いつもわたしを護ってくれた、奏の姿だ……)", | |||
"302000412_22": "「――ッ!?\\n 翼さんッ! 新手ですッ!」", | |||
"302000412_23": "「な――ッ!?」" | |||
} |
@@ -1,17 +1,17 @@ | |||
{ | |||
"302000421_0": "「ちッ――まさかここまで大量に出るなんてなッ!」", | |||
"302000421_1": "(……あの日、あたしがこれを使うのを躊躇したばっかりに、\\n 翼が――ッ!)", | |||
"302000421_2": "「――もう遠慮はなしだッ! 聞かせてやるよッ!\\n これがあたしの絶唱――」", | |||
"302000421_3": "「ダメええええええ――ッ!」", | |||
"302000421_4": "「な……お前ッ! 邪魔すんなッ!」", | |||
"302000421_5": "「使わせない……こんなところで散るなんて許さないッ!」", | |||
"302000421_6": "(わたしは奏を護る……今度こそッ!)", | |||
"302000421_7": "「うるせぇッ! ならあの大量のノイズをどうするつもりだッ!\\n 絶唱を使わなきゃ――」", | |||
"302000421_8": "「……わたしたちがやる。\\n 立花、マリア、抜剣だッ!」", | |||
"302000421_9": "「……抜剣?」", | |||
"302000421_10": "「了解ですッ!」", | |||
"302000421_11": "「ええ、やりましょう」", | |||
"302000421_12": "「イグナイトモジュール――抜剣ッ!」", | |||
"302000421_13": "「な――ッ!? ギアが……変化したッ!?」", | |||
"302000421_14": "「……さあ、一気に殲滅するぞッ!」" | |||
{ | |||
"302000421_0": "「ちッ――まさかここまで大量に出るなんてなッ!」", | |||
"302000421_1": "(……あの日、あたしがこれを使うのを躊躇したばっかりに、\\n 翼が――ッ!)", | |||
"302000421_2": "「――もう遠慮はなしだッ! 聞かせてやるよッ!\\n これがあたしの絶唱――」", | |||
"302000421_3": "「ダメええええええ――ッ!」", | |||
"302000421_4": "「な……お前ッ! 邪魔すんなッ!」", | |||
"302000421_5": "「使わせない……こんなところで散るなんて許さないッ!」", | |||
"302000421_6": "(わたしは奏を護る……今度こそッ!)", | |||
"302000421_7": "「うるせぇッ! ならあの大量のノイズをどうするつもりだッ!\\n 絶唱を使わなきゃ――」", | |||
"302000421_8": "「……わたしたちがやる。\\n 立花、マリア、抜剣だッ!」", | |||
"302000421_9": "「……抜剣?」", | |||
"302000421_10": "「了解ですッ!」", | |||
"302000421_11": "「ええ、やりましょう」", | |||
"302000421_12": "「イグナイトモジュール――抜剣ッ!」", | |||
"302000421_13": "「な――ッ!? ギアが……変化したッ!?」", | |||
"302000421_14": "「……さあ、一気に殲滅するぞッ!」" | |||
} |
@@ -1,20 +1,20 @@ | |||
{ | |||
"302000422_0": "「……殲滅、完了だ」", | |||
"302000422_1": "(……護れた。\\n 奏に絶唱を使わせないで済んだ……)", | |||
"302000422_2": "「……」", | |||
"302000422_3": "(……そんな、こんな力まで……)", | |||
"302000422_4": "(あたしには絶唱以外の手立てなんてなかった……。\\n こいつら、一体どれだけの力、どれだけの奥の手が……)", | |||
"302000422_5": "「終わりましたね~。\\n それじゃ、みんなで帰りましょうッ!」", | |||
"302000422_6": "「ええ、そうね」", | |||
"302000422_7": "(……こいつらは、あたしより強い……。\\n ただのノイズなんて、ものともしないだけの力がある……)", | |||
"302000422_8": "(なら、あたしは……必要なのか……?)", | |||
"302000422_9": "「――了子さんッ!」", | |||
"302000422_10": "「あらあら、どうしたのかしら~?\\n 穏やかじゃないわね~」", | |||
"302000422_11": "「あたしに――もっと力をくれッ!\\n あの力……イグナイトとかいったアレをあたしにも――ッ」", | |||
"302000422_12": "「……それは無理ね。単なる出力アップなら、時間があれば\\n 出来なくもないけど……」", | |||
"302000422_13": "「どうしてッ!\\n 同じガングニールだってあったろッ!」", | |||
"302000422_14": "「あのイグナイトの機能は、他の聖遺物をコアとして\\n 発動させている物なの。だから、それが無いとお手上げ」", | |||
"302000422_15": "「ちくしょう……ッ!」", | |||
"302000422_16": "「本当、穏やかじゃないわね~。\\n それにしても、あのイグナイトってやっぱり……」", | |||
"302000422_17": "「……人為的に引き起こした暴走、よね。例えギアが改修\\n できても、今の奏ちゃんが使おうとしたら、恐らく……」" | |||
{ | |||
"302000422_0": "「……殲滅、完了だ」", | |||
"302000422_1": "(……護れた。\\n 奏に絶唱を使わせないで済んだ……)", | |||
"302000422_2": "「……」", | |||
"302000422_3": "(……そんな、こんな力まで……)", | |||
"302000422_4": "(あたしには絶唱以外の手立てなんてなかった……。\\n こいつら、一体どれだけの力、どれだけの奥の手が……)", | |||
"302000422_5": "「終わりましたね~。\\n それじゃ、みんなで帰りましょうッ!」", | |||
"302000422_6": "「ええ、そうね」", | |||
"302000422_7": "(……こいつらは、あたしより強い……。\\n ただのノイズなんて、ものともしないだけの力がある……)", | |||
"302000422_8": "(なら、あたしは……必要なのか……?)", | |||
"302000422_9": "「――了子さんッ!」", | |||
"302000422_10": "「あらあら、どうしたのかしら~?\\n 穏やかじゃないわね~」", | |||
"302000422_11": "「あたしに――もっと力をくれッ!\\n あの力……イグナイトとかいったアレをあたしにも――ッ」", | |||
"302000422_12": "「……それは無理ね。単なる出力アップなら、時間があれば\\n 出来なくもないけど……」", | |||
"302000422_13": "「どうしてッ!\\n 同じガングニールだってあったろッ!」", | |||
"302000422_14": "「あのイグナイトの機能は、他の聖遺物をコアとして\\n 発動させている物なの。だから、それが無いとお手上げ」", | |||
"302000422_15": "「ちくしょう……ッ!」", | |||
"302000422_16": "「本当、穏やかじゃないわね~。\\n それにしても、あのイグナイトってやっぱり……」", | |||
"302000422_17": "「……人為的に引き起こした暴走、よね。例えギアが改修\\n できても、今の奏ちゃんが使おうとしたら、恐らく……」" | |||
} |
@@ -1,50 +1,50 @@ | |||
{ | |||
"302000431_0": "「……」", | |||
"302000431_1": "(ルナアタック、フロンティア事変、魔法少女事変……)", | |||
"302000431_2": "(超先史文明期の巫女、同じ装者同士や完全聖遺物、\\n 更には錬金術師との戦い……)", | |||
"302000431_3": "「あいつらの……翼の強さはそうやって磨かれたのか……」", | |||
"302000431_4": "「……あたしだって、戦い続けて来たんだッ!\\n 戦ってきた時間は変わらないッ!」", | |||
"302000431_5": "(そうだ……だからあたしにだって、ギアさえあれば――)", | |||
"302000431_6": "「あ、奏さん」", | |||
"302000431_7": "「……お前は」", | |||
"302000431_8": "「あのですね、少しだけお時間良いでしょうか?」", | |||
"302000431_9": "「……何だよ?」", | |||
"302000431_10": "「あの時は、助けてくれてありがとうございましたッ!」", | |||
"302000431_11": "「……は? 何の事だ……?」", | |||
"302000431_12": "「あのライブの日、わたしは奏さんに助けられたんです」", | |||
"302000431_13": "「それはそっちの世界の話だろ。\\n あたしはあんたを助けたことなんて無いよ」", | |||
"302000431_14": "「それでも、奏さんは奏さんですから。\\n ……一度でもいいから、お礼を言いたかったんです」", | |||
"302000431_15": "「……おかしな奴だな、お前」", | |||
"302000431_16": "「はい、よく言われますッ! ……それに、わたしが装者に\\n なれたのは、奏さんからガングニールを貰ったお蔭ですから」", | |||
"302000431_17": "「あたしが……?」", | |||
"302000431_18": "「はいッ! わたしは、奏さんに救われて、奏さんの\\n ガングニールを受け継いで装者になったんですッ!」", | |||
"302000431_19": "「……そうか」", | |||
"302000431_20": "「だから、ありがとうございますッ!」", | |||
"302000431_21": "「……ああ」", | |||
"302000431_22": "「……ちッ、作り物のノイズなんて倒しても、\\n 気が晴れやしない……」", | |||
"302000431_23": "(あたしはどうしたら強くなれる……。\\n あいつらのように……いや、あいつら以上に……)", | |||
"302000431_24": "(ギア……あたしのガングニール……。\\n でも違う、同じガングニールでもあいつのは……)", | |||
"302000431_25": "「ん? ああ、あいつらがシャワー浴びてるのか……。\\n ったく、服もギアも適当に放り出して……」", | |||
"302000431_26": "(……ギア。そう……ガングニール……)", | |||
"302000431_27": "「……機能は違っても、あたしが適合した\\n ガングニールなのは変わらない……」", | |||
"302000431_28": "「…………」", | |||
"302000431_29": "「はあ~、さっぱりした~」", | |||
"302000431_30": "「…………あれ?\\n わたしのガングニール……」", | |||
"302000431_31": "「おかしい……。\\n ここに置いておいたはずなのに……ッ!」", | |||
"302000431_32": "「――ノイズかッ!?」", | |||
"302000431_33": "「来たか、奏。\\n ……ああ、大量のノイズ反応が検知された」", | |||
"302000431_34": "「わかった、あたしが出るッ!」", | |||
"302000431_35": "「待てッ!\\n 翼、お前たちも頼んだッ!」", | |||
"302000431_36": "「はい、心得ました」", | |||
"302000431_37": "「これはまた随分と沢山ね」", | |||
"302000431_38": "「……ん? 立花はどうした?」", | |||
"302000431_39": "(この力があれば、あたしも……)", | |||
"302000431_40": "「行くぞッ! ノイズどもッ!」", | |||
"302000431_41": "「Croitzal ronzell Gungnir zizzl……」", | |||
"302000431_42": "「ぐッ! な、なんだ――」", | |||
"302000431_43": "「……奏?」", | |||
"302000431_44": "「ぐあああッ! どうなってやがる。\\n ギアが纏えない……身体が、裂けそうだ……」", | |||
"302000431_45": "「これは……一体どうしたって言うの?」", | |||
"302000431_46": "「奏ッ!?」", | |||
"302000431_47": "「――ッ! 翼ッ! ノイズが来る」" | |||
{ | |||
"302000431_0": "「……」", | |||
"302000431_1": "(ルナアタック、フロンティア事変、魔法少女事変……)", | |||
"302000431_2": "(超先史文明期の巫女、同じ装者同士や完全聖遺物、\\n 更には錬金術師との戦い……)", | |||
"302000431_3": "「あいつらの……翼の強さはそうやって磨かれたのか……」", | |||
"302000431_4": "「……あたしだって、戦い続けて来たんだッ!\\n 戦ってきた時間は変わらないッ!」", | |||
"302000431_5": "(そうだ……だからあたしにだって、ギアさえあれば――)", | |||
"302000431_6": "「あ、奏さん」", | |||
"302000431_7": "「……お前は」", | |||
"302000431_8": "「あのですね、少しだけお時間良いでしょうか?」", | |||
"302000431_9": "「……何だよ?」", | |||
"302000431_10": "「あの時は、助けてくれてありがとうございましたッ!」", | |||
"302000431_11": "「……は? 何の事だ……?」", | |||
"302000431_12": "「あのライブの日、わたしは奏さんに助けられたんです」", | |||
"302000431_13": "「それはそっちの世界の話だろ。\\n あたしはあんたを助けたことなんて無いよ」", | |||
"302000431_14": "「それでも、奏さんは奏さんですから。\\n ……一度でもいいから、お礼を言いたかったんです」", | |||
"302000431_15": "「……おかしな奴だな、お前」", | |||
"302000431_16": "「はい、よく言われますッ! ……それに、わたしが装者に\\n なれたのは、奏さんからガングニールを貰ったお蔭ですから」", | |||
"302000431_17": "「あたしが……?」", | |||
"302000431_18": "「はいッ! わたしは、奏さんに救われて、奏さんの\\n ガングニールを受け継いで装者になったんですッ!」", | |||
"302000431_19": "「……そうか」", | |||
"302000431_20": "「だから、ありがとうございますッ!」", | |||
"302000431_21": "「……ああ」", | |||
"302000431_22": "「……ちッ、作り物のノイズなんて倒しても、\\n 気が晴れやしない……」", | |||
"302000431_23": "(あたしはどうしたら強くなれる……。\\n あいつらのように……いや、あいつら以上に……)", | |||
"302000431_24": "(ギア……あたしのガングニール……。\\n でも違う、同じガングニールでもあいつのは……)", | |||
"302000431_25": "「ん? ああ、あいつらがシャワー浴びてるのか……。\\n ったく、服もギアも適当に放り出して……」", | |||
"302000431_26": "(……ギア。そう……ガングニール……)", | |||
"302000431_27": "「……機能は違っても、あたしが適合した\\n ガングニールなのは変わらない……」", | |||
"302000431_28": "「…………」", | |||
"302000431_29": "「はあ~、さっぱりした~」", | |||
"302000431_30": "「…………あれ?\\n わたしのガングニール……」", | |||
"302000431_31": "「おかしい……。\\n ここに置いておいたはずなのに……ッ!」", | |||
"302000431_32": "「――ノイズかッ!?」", | |||
"302000431_33": "「来たか、奏。\\n ……ああ、大量のノイズ反応が検知された」", | |||
"302000431_34": "「わかった、あたしが出るッ!」", | |||
"302000431_35": "「待てッ!\\n 翼、お前たちも頼んだッ!」", | |||
"302000431_36": "「はい、心得ました」", | |||
"302000431_37": "「これはまた随分と沢山ね」", | |||
"302000431_38": "「……ん? 立花はどうした?」", | |||
"302000431_39": "(この力があれば、あたしも……)", | |||
"302000431_40": "「行くぞッ! ノイズどもッ!」", | |||
"302000431_41": "「Croitzal ronzell Gungnir zizzl……」", | |||
"302000431_42": "「ぐッ! な、なんだ――」", | |||
"302000431_43": "「……奏?」", | |||
"302000431_44": "「ぐあああッ! どうなってやがる。\\n ギアが纏えない……身体が、裂けそうだ……」", | |||
"302000431_45": "「これは……一体どうしたって言うの?」", | |||
"302000431_46": "「奏ッ!?」", | |||
"302000431_47": "「――ッ! 翼ッ! ノイズが来る」" | |||
} |
@@ -1,34 +1,34 @@ | |||
{ | |||
"302000432_0": "「……これで最後かしら」", | |||
"302000432_1": "「……奏」", | |||
"302000432_2": "(……あたしに、これを扱う資格がないってことか?)", | |||
"302000432_3": "「――ッ!?\\n あれは……現れやがったッ!」", | |||
"302000432_4": "「あれが……カルマノイズ……。\\n 確かに、一筋縄では行かなそうだな……」", | |||
"302000432_5": "「先手必勝よ――ッ!\\n はああッ!」", | |||
"302000432_6": "「な――ッ!? 躱されたッ!?」", | |||
"302000432_7": "「マリアッ!」", | |||
"302000432_8": "「――くッ!」", | |||
"302000432_9": "「このままでは無理だッ!\\n イグナイトで行くぞッ!」", | |||
"302000432_10": "「ええ、それしかないみたいね」", | |||
"302000432_11": "「……あたしには無理だってのかッ!?\\n そんなの認めてたまるかッ!」", | |||
"302000432_12": "「……あたしにだって」", | |||
"302000432_13": "「……奏?」", | |||
"302000432_14": "「ぐあああッ――」", | |||
"302000432_15": "「はあ、はあ、はあ……なんで、なんでなんだよッ!」", | |||
"302000432_16": "「奏……一体どうしたというの?」", | |||
"302000432_17": "「奏さんの適合係数に異常は見られません。\\n 出撃前にもLiNKERの投与を確認しています」", | |||
"302000432_18": "「では、なぜギアを纏うことができないッ!?」", | |||
"302000432_19": "「……あれは、もしかして、\\n ……わたしのガングニール?」", | |||
"302000432_20": "「なんだとッ! どういうことだッ!?」", | |||
"302000432_21": "「奏さん……」", | |||
"302000432_22": "「はあ、はあ、はあ……」", | |||
"302000432_23": "「奏、無理はしないで。ここはわたしたちが……」", | |||
"302000432_24": "「うるさいッ! あたしだって、やれるッ!」", | |||
"302000432_25": "「馬鹿なことを言わないでッ!\\n そんな苦しそうな状態で、なにができるって言うの?」", | |||
"302000432_26": "「く……そ……」", | |||
"302000432_27": "「奏ッ! 奏―ッ!」", | |||
"302000432_28": "「落ち着いて翼。気絶しただけよ。\\n それより――」", | |||
"302000432_29": "「一旦距離を取ってから――ッ!?」", | |||
"302000432_30": "「な……消えた、だとッ!?」", | |||
"302000432_31": "「……逃げられた、それとも、助かったのかしらね……」" | |||
{ | |||
"302000432_0": "「……これで最後かしら」", | |||
"302000432_1": "「……奏」", | |||
"302000432_2": "(……あたしに、これを扱う資格がないってことか?)", | |||
"302000432_3": "「――ッ!?\\n あれは……現れやがったッ!」", | |||
"302000432_4": "「あれが……カルマノイズ……。\\n 確かに、一筋縄では行かなそうだな……」", | |||
"302000432_5": "「先手必勝よ――ッ!\\n はああッ!」", | |||
"302000432_6": "「な――ッ!? 躱されたッ!?」", | |||
"302000432_7": "「マリアッ!」", | |||
"302000432_8": "「――くッ!」", | |||
"302000432_9": "「このままでは無理だッ!\\n イグナイトで行くぞッ!」", | |||
"302000432_10": "「ええ、それしかないみたいね」", | |||
"302000432_11": "「……あたしには無理だってのかッ!?\\n そんなの認めてたまるかッ!」", | |||
"302000432_12": "「……あたしにだって」", | |||
"302000432_13": "「……奏?」", | |||
"302000432_14": "「ぐあああッ――」", | |||
"302000432_15": "「はあ、はあ、はあ……なんで、なんでなんだよッ!」", | |||
"302000432_16": "「奏……一体どうしたというの?」", | |||
"302000432_17": "「奏さんの適合係数に異常は見られません。\\n 出撃前にもLiNKERの投与を確認しています」", | |||
"302000432_18": "「では、なぜギアを纏うことができないッ!?」", | |||
"302000432_19": "「……あれは、もしかして、\\n ……わたしのガングニール?」", | |||
"302000432_20": "「なんだとッ! どういうことだッ!?」", | |||
"302000432_21": "「奏さん……」", | |||
"302000432_22": "「はあ、はあ、はあ……」", | |||
"302000432_23": "「奏、無理はしないで。ここはわたしたちが……」", | |||
"302000432_24": "「うるさいッ! あたしだって、やれるッ!」", | |||
"302000432_25": "「馬鹿なことを言わないでッ!\\n そんな苦しそうな状態で、なにができるって言うの?」", | |||
"302000432_26": "「く……そ……」", | |||
"302000432_27": "「奏ッ! 奏―ッ!」", | |||
"302000432_28": "「落ち着いて翼。気絶しただけよ。\\n それより――」", | |||
"302000432_29": "「一旦距離を取ってから――ッ!?」", | |||
"302000432_30": "「な……消えた、だとッ!?」", | |||
"302000432_31": "「……逃げられた、それとも、助かったのかしらね……」" | |||
} |
@@ -1,27 +1,27 @@ | |||
{ | |||
"302000511_0": "交錯する想い", | |||
"302000511_1": "(……無様だ。無様すぎるだろ……ッ。\\n 人のギアを盗んでおいて、制御すら出来ないなんて……ッ!)", | |||
"302000511_2": "「……あの、奏……?」", | |||
"302000511_3": "「……何だよ?」", | |||
"302000511_4": "「もう、大丈夫なの?」", | |||
"302000511_5": "「……ああ、メディカルチェックの結果も異常はないってよ」", | |||
"302000511_6": "「そう……よかった」", | |||
"302000511_7": "「よかった……? 何がよかったんだよッ!」", | |||
"302000511_8": "「あたしが人のギアを盗んでおきながら、ロクに使えなかった\\n からか? それともそんな無様なあたしへの皮肉か?」", | |||
"302000511_9": "「そんなつもりじゃ……」", | |||
"302000511_10": "「奏……」", | |||
"302000511_11": "「翼、どうだったの?」", | |||
"302000511_12": "「ああ、少し話せた。体は大丈夫だそうだ」", | |||
"302000511_13": "「よかったぁ……」", | |||
"302000511_14": "「……立花、すまなかった。\\n 奏の代わりに謝らせてくれ……」", | |||
"302000511_15": "「そ、そんなッ!? 翼さんに謝ってもらうような事じゃない\\n ですッ! ギアも戻ったし、気にしないで下さいッ!」", | |||
"302000511_16": "「ありがとう、立花……」", | |||
"302000511_17": "(イグナイトの力を欲したい気持ちはわかる。\\n でも、たとえあのペンダントを制御できたとしても――)", | |||
"302000511_18": "(今の天羽奏の心では、イグナイトの呪いには、\\n 間違いなく耐えられない)", | |||
"302000511_19": "(彼女は、力の求め方を間違っている。\\n それに気付かない限り、前へは進めない)", | |||
"302000511_20": "「立花、この後時間はあるか?」", | |||
"302000511_21": "「はい、大丈夫ですけど?」", | |||
"302000511_22": "「一応、ギアの調子を確かめておいた方が良いだろう。\\n わたしも付き合うから、手合わせをしないか?」", | |||
"302000511_23": "「はい、もちろんやりますッ!\\n マリアさんもやりましょうッ!」", | |||
"302000511_24": "「……いいわよ。それじゃ行きましょうか」" | |||
{ | |||
"302000511_0": "交錯する想い", | |||
"302000511_1": "(……無様だ。無様すぎるだろ……ッ。\\n 人のギアを盗んでおいて、制御すら出来ないなんて……ッ!)", | |||
"302000511_2": "「……あの、奏……?」", | |||
"302000511_3": "「……何だよ?」", | |||
"302000511_4": "「もう、大丈夫なの?」", | |||
"302000511_5": "「……ああ、メディカルチェックの結果も異常はないってよ」", | |||
"302000511_6": "「そう……よかった」", | |||
"302000511_7": "「よかった……? 何がよかったんだよッ!」", | |||
"302000511_8": "「あたしが人のギアを盗んでおきながら、ロクに使えなかった\\n からか? それともそんな無様なあたしへの皮肉か?」", | |||
"302000511_9": "「そんなつもりじゃ……」", | |||
"302000511_10": "「奏……」", | |||
"302000511_11": "「翼、どうだったの?」", | |||
"302000511_12": "「ああ、少し話せた。体は大丈夫だそうだ」", | |||
"302000511_13": "「よかったぁ……」", | |||
"302000511_14": "「……立花、すまなかった。\\n 奏の代わりに謝らせてくれ……」", | |||
"302000511_15": "「そ、そんなッ!? 翼さんに謝ってもらうような事じゃない\\n ですッ! ギアも戻ったし、気にしないで下さいッ!」", | |||
"302000511_16": "「ありがとう、立花……」", | |||
"302000511_17": "(イグナイトの力を欲したい気持ちはわかる。\\n でも、たとえあのペンダントを制御できたとしても――)", | |||
"302000511_18": "(今の天羽奏の心では、イグナイトの呪いには、\\n 間違いなく耐えられない)", | |||
"302000511_19": "(彼女は、力の求め方を間違っている。\\n それに気付かない限り、前へは進めない)", | |||
"302000511_20": "「立花、この後時間はあるか?」", | |||
"302000511_21": "「はい、大丈夫ですけど?」", | |||
"302000511_22": "「一応、ギアの調子を確かめておいた方が良いだろう。\\n わたしも付き合うから、手合わせをしないか?」", | |||
"302000511_23": "「はい、もちろんやりますッ!\\n マリアさんもやりましょうッ!」", | |||
"302000511_24": "「……いいわよ。それじゃ行きましょうか」" | |||
} |
@@ -1,24 +1,24 @@ | |||
{ | |||
"302000521_0": "「……」", | |||
"302000521_1": "(この力があれば、あたしも……)", | |||
"302000521_2": "「ぐあああッ! どうなってやがる。\\n ギアが纏えない……身体が、裂けそうだ……」", | |||
"302000521_3": "「……あたしの適合係数じゃ、イグナイトどころか、\\n あいつのペンダントすらまともに使えない」", | |||
"302000521_4": "「いや、仮にあいつのペンダントが使えたとしても、\\n 今のあたしじゃ……」", | |||
"302000521_5": "「所詮あたしはまがい物ってわけか……」", | |||
"302000521_6": "「……翼は、あたしなんかより、ずっと凄いやつだった。\\n ツヴァイウィングの時だってそうだ……」", | |||
"302000521_7": "「泣き虫だ弱虫だなんていつもからかっていたけど、\\n 本当は翼の方が強くて、何よりも輝いていたんだ」", | |||
"302000521_8": "「翼という大きな片翼に対して、あたしというちっぽけな片翼。\\n バランスなんか、つり合いなんか取れちゃいなかった……」", | |||
"302000521_9": "「だけど、それならあたしはこの大きな羽を持つ翼を少しでも\\n 助けてやりたい、傍で護ってやりたいと思っていたのに――」", | |||
"302000521_10": "「助けられたのはあたしだったなんて――そんなのないだろッ!\\n なんで……どうしてあたしなんて護ったんだよ……」", | |||
"302000521_11": "「あたし1人じゃ飛べないんだ……翼がいなきゃ、何も\\n 出来ないのはあたしの方だったのに――ッ!」", | |||
"302000521_12": "「ちくしょう……うわああああああ――ッ!」", | |||
"302000521_13": "(……奏)", | |||
"302000521_14": "(……わたしは奏の事を分かっていなかったのかもしれない)", | |||
"302000521_15": "(奏だって、わたしより少し年上なだけだったんだ。\\n 迷いも、嘆きも、あって当たり前なんだ……)", | |||
"302000521_16": "(……ツヴァイウィングの頃、\\n わたしは奏にずっと支えられていた)", | |||
"302000521_17": "(だから、今度はわたしが奏を支えたい。奏が寄りかかっても\\n 倒れないくらいには、強くなれたはずだから……)", | |||
"302000521_18": "「……あたしが間違ってた。\\n 人のものを奪って、簡単に強くなろうなんて……」", | |||
"302000521_19": "「やるならあたし自身の力を磨くしかない。\\n 強くならなきゃ、あたしはノイズに復讐出来ない」", | |||
"302000521_20": "「このガングニールはあたしが手に入れた、あたしの力なのに、\\n あたしがそれを疎かにしてた……」", | |||
"302000521_21": "「もう一度、あたし自身を鍛え直してやるッ!」" | |||
{ | |||
"302000521_0": "「……」", | |||
"302000521_1": "(この力があれば、あたしも……)", | |||
"302000521_2": "「ぐあああッ! どうなってやがる。\\n ギアが纏えない……身体が、裂けそうだ……」", | |||
"302000521_3": "「……あたしの適合係数じゃ、イグナイトどころか、\\n あいつのペンダントすらまともに使えない」", | |||
"302000521_4": "「いや、仮にあいつのペンダントが使えたとしても、\\n 今のあたしじゃ……」", | |||
"302000521_5": "「所詮あたしはまがい物ってわけか……」", | |||
"302000521_6": "「……翼は、あたしなんかより、ずっと凄いやつだった。\\n ツヴァイウィングの時だってそうだ……」", | |||
"302000521_7": "「泣き虫だ弱虫だなんていつもからかっていたけど、\\n 本当は翼の方が強くて、何よりも輝いていたんだ」", | |||
"302000521_8": "「翼という大きな片翼に対して、あたしというちっぽけな片翼。\\n バランスなんか、つり合いなんか取れちゃいなかった……」", | |||
"302000521_9": "「だけど、それならあたしはこの大きな羽を持つ翼を少しでも\\n 助けてやりたい、傍で護ってやりたいと思っていたのに――」", | |||
"302000521_10": "「助けられたのはあたしだったなんて――そんなのないだろッ!\\n なんで……どうしてあたしなんて護ったんだよ……」", | |||
"302000521_11": "「あたし1人じゃ飛べないんだ……翼がいなきゃ、何も\\n 出来ないのはあたしの方だったのに――ッ!」", | |||
"302000521_12": "「ちくしょう……うわああああああ――ッ!」", | |||
"302000521_13": "(……奏)", | |||
"302000521_14": "(……わたしは奏の事を分かっていなかったのかもしれない)", | |||
"302000521_15": "(奏だって、わたしより少し年上なだけだったんだ。\\n 迷いも、嘆きも、あって当たり前なんだ……)", | |||
"302000521_16": "(……ツヴァイウィングの頃、\\n わたしは奏にずっと支えられていた)", | |||
"302000521_17": "(だから、今度はわたしが奏を支えたい。奏が寄りかかっても\\n 倒れないくらいには、強くなれたはずだから……)", | |||
"302000521_18": "「……あたしが間違ってた。\\n 人のものを奪って、簡単に強くなろうなんて……」", | |||
"302000521_19": "「やるならあたし自身の力を磨くしかない。\\n 強くならなきゃ、あたしはノイズに復讐出来ない」", | |||
"302000521_20": "「このガングニールはあたしが手に入れた、あたしの力なのに、\\n あたしがそれを疎かにしてた……」", | |||
"302000521_21": "「もう一度、あたし自身を鍛え直してやるッ!」" | |||
} |
@@ -1,12 +1,12 @@ | |||
{ | |||
"302000531_0": "「……まだだ、もっと――」", | |||
"302000531_1": "「……奏、ちょっといい?」", | |||
"302000531_2": "「……なんだよ?」", | |||
"302000531_3": "「その、今度はわたしと一緒に訓練しない?」", | |||
"302000531_4": "「……同情なんていらねえんだよ」", | |||
"302000531_5": "「違う、同情なんかじゃない。\\n わたしは、ただ奏の力に――ッ!? か、奏……ッ!?」", | |||
"302000531_6": "「――いい加減、あたしとお前の世界のあたしを混同するな。\\n あたしはお前の知ってる奏じゃない」", | |||
"302000531_7": "「奏……それでも、あなたは――」", | |||
"302000531_8": "「――ノイズ警報ッ!?」", | |||
"302000531_9": "「出やがったかッ!」" | |||
{ | |||
"302000531_0": "「……まだだ、もっと――」", | |||
"302000531_1": "「……奏、ちょっといい?」", | |||
"302000531_2": "「……なんだよ?」", | |||
"302000531_3": "「その、今度はわたしと一緒に訓練しない?」", | |||
"302000531_4": "「……同情なんていらねえんだよ」", | |||
"302000531_5": "「違う、同情なんかじゃない。\\n わたしは、ただ奏の力に――ッ!? か、奏……ッ!?」", | |||
"302000531_6": "「――いい加減、あたしとお前の世界のあたしを混同するな。\\n あたしはお前の知ってる奏じゃない」", | |||
"302000531_7": "「奏……それでも、あなたは――」", | |||
"302000531_8": "「――ノイズ警報ッ!?」", | |||
"302000531_9": "「出やがったかッ!」" | |||
} |
@@ -1,15 +1,15 @@ | |||
{ | |||
"302000541_0": "「……やっぱり、出やがったッ!\\n カルマノイズめッ!」", | |||
"302000541_1": "「……奏ッ!\\n 1人で戦っては――ッ!」", | |||
"302000541_2": "「うるさいッ!\\n あたしは、コイツを倒すんだ――ッ!」", | |||
"302000541_3": "「避けられた――ッ!?\\n な――ッ!? ぐううううッ! がッ……く……」", | |||
"302000541_4": "「奏さんッ!」", | |||
"302000541_5": "「無茶をしすぎよッ!」", | |||
"302000541_6": "「くッ、こうなってはやるしか――ッ!\\n 今度こそイグナイトでッ!」", | |||
"302000541_7": "「了解ですッ!\\n イグナイトモジュール――抜剣ッ!」", | |||
"302000541_8": "「――ッ!? ぐううううッ! はあッ、はあッ……」", | |||
"302000541_9": "「くッ……今のは一体……?」", | |||
"302000541_10": "「……一瞬だけど、破壊衝動にのまれそうになったわ。\\n どうやらあなたたちも同じみたいね……」", | |||
"302000541_11": "「はい……こんな事今までなかったのに……」", | |||
"302000541_12": "「……これ以上の解放は危険かもしれない。\\n だがとにかく、今はこのノイズを倒すぞッ!」" | |||
{ | |||
"302000541_0": "「……やっぱり、出やがったッ!\\n カルマノイズめッ!」", | |||
"302000541_1": "「……奏ッ!\\n 1人で戦っては――ッ!」", | |||
"302000541_2": "「うるさいッ!\\n あたしは、コイツを倒すんだ――ッ!」", | |||
"302000541_3": "「避けられた――ッ!?\\n な――ッ!? ぐううううッ! がッ……く……」", | |||
"302000541_4": "「奏さんッ!」", | |||
"302000541_5": "「無茶をしすぎよッ!」", | |||
"302000541_6": "「くッ、こうなってはやるしか――ッ!\\n 今度こそイグナイトでッ!」", | |||
"302000541_7": "「了解ですッ!\\n イグナイトモジュール――抜剣ッ!」", | |||
"302000541_8": "「――ッ!? ぐううううッ! はあッ、はあッ……」", | |||
"302000541_9": "「くッ……今のは一体……?」", | |||
"302000541_10": "「……一瞬だけど、破壊衝動にのまれそうになったわ。\\n どうやらあなたたちも同じみたいね……」", | |||
"302000541_11": "「はい……こんな事今までなかったのに……」", | |||
"302000541_12": "「……これ以上の解放は危険かもしれない。\\n だがとにかく、今はこのノイズを倒すぞッ!」" | |||
} |
@@ -1,19 +1,19 @@ | |||
{ | |||
"302000542_0": "「ノイズの消滅を確認したッ!\\n お前たち、やってくれたなッ! 感謝するッ!」", | |||
"302000542_1": "「イグナイト……すごい力ですねッ!」", | |||
"302000542_2": "「ええ……これならまたカルマノイズが出てきても――」", | |||
"302000542_3": "(……イグナイト、暴走の力、それにカルマノイズ……)", | |||
"302000542_4": "(……奏ちゃんの暴走未遂、更に先程の変身直後の不調……)", | |||
"302000542_5": "「……もしかしたら色々とややこしくなるかもね~」", | |||
"302000542_6": "「……翼さん、イグナイトですけど……」", | |||
"302000542_7": "「ああ、分かってる……。\\n ……なるべく使わない方が良いかも知れない」", | |||
"302000542_8": "「……何なんでしょうね。この違和感は……。\\n まるで誰かの破壊衝動が流れ込んで来ていたような……」", | |||
"302000542_9": "「……とにかく、戻りましょう」", | |||
"302000542_10": "「ああ。奏も……ほら、手を――」", | |||
"302000542_11": "「いらない……余計な事はするな」", | |||
"302000542_12": "「あなた――ッ!」", | |||
"302000542_13": "「……いいんだ、マリア」", | |||
"302000542_14": "「でもッ!」", | |||
"302000542_15": "「いいんだ。今は戻ろう」", | |||
"302000542_16": "「……」" | |||
{ | |||
"302000542_0": "「ノイズの消滅を確認したッ!\\n お前たち、やってくれたなッ! 感謝するッ!」", | |||
"302000542_1": "「イグナイト……すごい力ですねッ!」", | |||
"302000542_2": "「ええ……これならまたカルマノイズが出てきても――」", | |||
"302000542_3": "(……イグナイト、暴走の力、それにカルマノイズ……)", | |||
"302000542_4": "(……奏ちゃんの暴走未遂、更に先程の変身直後の不調……)", | |||
"302000542_5": "「……もしかしたら色々とややこしくなるかもね~」", | |||
"302000542_6": "「……翼さん、イグナイトですけど……」", | |||
"302000542_7": "「ああ、分かってる……。\\n ……なるべく使わない方が良いかも知れない」", | |||
"302000542_8": "「……何なんでしょうね。この違和感は……。\\n まるで誰かの破壊衝動が流れ込んで来ていたような……」", | |||
"302000542_9": "「……とにかく、戻りましょう」", | |||
"302000542_10": "「ああ。奏も……ほら、手を――」", | |||
"302000542_11": "「いらない……余計な事はするな」", | |||
"302000542_12": "「あなた――ッ!」", | |||
"302000542_13": "「……いいんだ、マリア」", | |||
"302000542_14": "「でもッ!」", | |||
"302000542_15": "「いいんだ。今は戻ろう」", | |||
"302000542_16": "「……」" | |||
} |
@@ -1,24 +1,24 @@ | |||
{ | |||
"302000611_0": "封じられた力", | |||
"302000611_1": "「この前のイグナイトの不調だが……どう思う?」", | |||
"302000611_2": "「……正直、何が原因か見当もつかないわ」", | |||
"302000611_3": "「真っ黒な破壊衝動が急に湧いてきました。\\n 制御したイグナイトで、こんなことなんて無かったのに……」", | |||
"302000611_4": "「そうだ。\\n わたしも一瞬破壊衝動に飲み込まれそうになった……」", | |||
"302000611_5": "「普通に考えて、3人が3人とも同じ異変を感じていたのなら、\\n わたしたち個々人の問題では無いと思うわ」", | |||
"302000611_6": "「ああ。原因はイグナイトモジュールそのものかこの世界に\\n 関連した、何らかの不測の事態といったところだろう」", | |||
"302000611_7": "「……また使ったら、同じようになるのでしょうか?」", | |||
"302000611_8": "「……。大丈夫かもしれない。\\n しかし逆に、より悪化する可能性もある」", | |||
"302000611_9": "「……手がかりが掴めるまで、なるべくイグナイトは使わない\\n 方がいいかもしれないわね。……相手にもよるけど」", | |||
"302000611_10": "「……ああ、そうだな」", | |||
"302000611_11": "「みんな、よくやってくれた。\\n お陰でカルマノイズの1体を撃破することが出来た」", | |||
"302000611_12": "「カルマノイズの……1体ですって?」", | |||
"302000611_13": "「ほ、他にも居るんですかッ!?」", | |||
"302000611_14": "「今までに観測されている数だと、後5体かしらね~。\\n 他にも居ないとは言いきれないけど」", | |||
"302000611_15": "「5体……あれがか……」", | |||
"302000611_16": "(イグナイトの出力があればギリギリ戦うことは出来るが、\\n しかし……)", | |||
"302000611_17": "「次にカルマノイズがいつどこで現れるかは不明だが、\\n 奴らを倒せるのは装者を擁する我々だけだろう」", | |||
"302000611_18": "「この世界の者では無い君たちに負担をかけるのは心苦しいが、\\n それでも我々には君たちの助けが必要だ。……宜しく頼む」", | |||
"302000611_19": "「ノイズと思われる高質量のエネルギー反応を検知ッ!」", | |||
"302000611_20": "「座標、確認します……」", | |||
"302000611_21": "「早速か。全く、息つく暇も無いな……。\\n お前たち、頼んだぞッ!」" | |||
{ | |||
"302000611_0": "封じられた力", | |||
"302000611_1": "「この前のイグナイトの不調だが……どう思う?」", | |||
"302000611_2": "「……正直、何が原因か見当もつかないわ」", | |||
"302000611_3": "「真っ黒な破壊衝動が急に湧いてきました。\\n 制御したイグナイトで、こんなことなんて無かったのに……」", | |||
"302000611_4": "「そうだ。\\n わたしも一瞬破壊衝動に飲み込まれそうになった……」", | |||
"302000611_5": "「普通に考えて、3人が3人とも同じ異変を感じていたのなら、\\n わたしたち個々人の問題では無いと思うわ」", | |||
"302000611_6": "「ああ。原因はイグナイトモジュールそのものかこの世界に\\n 関連した、何らかの不測の事態といったところだろう」", | |||
"302000611_7": "「……また使ったら、同じようになるのでしょうか?」", | |||
"302000611_8": "「……。大丈夫かもしれない。\\n しかし逆に、より悪化する可能性もある」", | |||
"302000611_9": "「……手がかりが掴めるまで、なるべくイグナイトは使わない\\n 方がいいかもしれないわね。……相手にもよるけど」", | |||
"302000611_10": "「……ああ、そうだな」", | |||
"302000611_11": "「みんな、よくやってくれた。\\n お陰でカルマノイズの1体を撃破することが出来た」", | |||
"302000611_12": "「カルマノイズの……1体ですって?」", | |||
"302000611_13": "「ほ、他にも居るんですかッ!?」", | |||
"302000611_14": "「今までに観測されている数だと、後5体かしらね~。\\n 他にも居ないとは言いきれないけど」", | |||
"302000611_15": "「5体……あれがか……」", | |||
"302000611_16": "(イグナイトの出力があればギリギリ戦うことは出来るが、\\n しかし……)", | |||
"302000611_17": "「次にカルマノイズがいつどこで現れるかは不明だが、\\n 奴らを倒せるのは装者を擁する我々だけだろう」", | |||
"302000611_18": "「この世界の者では無い君たちに負担をかけるのは心苦しいが、\\n それでも我々には君たちの助けが必要だ。……宜しく頼む」", | |||
"302000611_19": "「ノイズと思われる高質量のエネルギー反応を検知ッ!」", | |||
"302000611_20": "「座標、確認します……」", | |||
"302000611_21": "「早速か。全く、息つく暇も無いな……。\\n お前たち、頼んだぞッ!」" | |||
} |
@@ -1,21 +1,21 @@ | |||
{ | |||
"302000621_0": "「装者、ノイズを圧倒していますッ!」", | |||
"302000621_1": "「本当にすごいわね。この子たちってば」", | |||
"302000621_2": "「更にあのイグナイトでしたっけ。\\n 奥の手まであるくらいですからね……」", | |||
"302000621_3": "「……う~ん、あれはちょ~っと危ないかも」", | |||
"302000621_4": "「……どういうことだ、了子くん?」", | |||
"302000621_5": "「まだ確証は無いのだけれど……まあ、心配が杞憂に\\n 終わることを祈ってるわ」", | |||
"302000621_6": "「……そうか」", | |||
"302000621_7": "「マリアッ! 10時の方向をッ!」", | |||
"302000621_8": "「任せなさいッ!」", | |||
"302000621_9": "「立花は3時の方向だッ!」", | |||
"302000621_10": "「了解ですッ! ……あれ、3時の方向ってどっちだっけ?\\n えーと……こっちッ!」", | |||
"302000621_11": "「よしッ! そのまま2人は協力してノイズを迎撃してくれッ!\\n わたしは奏の援護に――くッ!?」", | |||
"302000621_12": "「おらあああああッ!」", | |||
"302000621_13": "「――邪魔だッ!\\n あたしの近くに寄るんじゃねえッ!」", | |||
"302000621_14": "「奏ッ! 1人で無理をしては――」", | |||
"302000621_15": "「無理なんかじゃねえッ! いいからあたしの邪魔をするなッ!\\n あたしは1人でも――ッ!? なッ……ノイズが背後にッ!?」", | |||
"302000621_16": "「――させないッ!\\n はああああッ!」", | |||
"302000621_17": "「奏ッ!\\n 奏の背後はわたしが護るッ!」", | |||
"302000621_18": "「余計なことを――ッ!」" | |||
{ | |||
"302000621_0": "「装者、ノイズを圧倒していますッ!」", | |||
"302000621_1": "「本当にすごいわね。この子たちってば」", | |||
"302000621_2": "「更にあのイグナイトでしたっけ。\\n 奥の手まであるくらいですからね……」", | |||
"302000621_3": "「……う~ん、あれはちょ~っと危ないかも」", | |||
"302000621_4": "「……どういうことだ、了子くん?」", | |||
"302000621_5": "「まだ確証は無いのだけれど……まあ、心配が杞憂に\\n 終わることを祈ってるわ」", | |||
"302000621_6": "「……そうか」", | |||
"302000621_7": "「マリアッ! 10時の方向をッ!」", | |||
"302000621_8": "「任せなさいッ!」", | |||
"302000621_9": "「立花は3時の方向だッ!」", | |||
"302000621_10": "「了解ですッ! ……あれ、3時の方向ってどっちだっけ?\\n えーと……こっちッ!」", | |||
"302000621_11": "「よしッ! そのまま2人は協力してノイズを迎撃してくれッ!\\n わたしは奏の援護に――くッ!?」", | |||
"302000621_12": "「おらあああああッ!」", | |||
"302000621_13": "「――邪魔だッ!\\n あたしの近くに寄るんじゃねえッ!」", | |||
"302000621_14": "「奏ッ! 1人で無理をしては――」", | |||
"302000621_15": "「無理なんかじゃねえッ! いいからあたしの邪魔をするなッ!\\n あたしは1人でも――ッ!? なッ……ノイズが背後にッ!?」", | |||
"302000621_16": "「――させないッ!\\n はああああッ!」", | |||
"302000621_17": "「奏ッ!\\n 奏の背後はわたしが護るッ!」", | |||
"302000621_18": "「余計なことを――ッ!」" | |||
} |
@@ -1,25 +1,25 @@ | |||
{ | |||
"302000631_0": "「増援増援また増援……。\\n もう、多すぎですッ!」", | |||
"302000631_1": "「そうね……たかがノイズとはいえ、\\n これは骨が折れるわねッ!」", | |||
"302000631_2": "「2人とも、あれを――ッ!」", | |||
"302000631_3": "「あれは……あいつもカルマノイズッ!?」", | |||
"302000631_4": "「お仲間がやられたことで、\\n 仇討ちにでも来たのかしらね……」", | |||
"302000631_5": "「……どうしますか?」", | |||
"302000631_6": "「……使わざるを得ないでしょうね。\\n イグナイト無しで戦える敵じゃないわ」", | |||
"302000631_7": "「……ですね」", | |||
"302000631_8": "「イグナイトモジュール――抜剣ッ!」", | |||
"302000631_9": "「――ッ!?\\n かはッ……ぐううううッ!」", | |||
"302000631_10": "「うううう――ッ!\\n がッ……ああああッ!」", | |||
"302000631_11": "「……はぁ、はぁ……ッ」", | |||
"302000631_12": "「はぁ……はぁ……危なかったぁ……」", | |||
"302000631_13": "「ええ……とっさに解除できたからいいものの……。\\n こんなの制御以前の問題ね……くッ……だけど、力が……」", | |||
"302000631_14": "「……わたしも、ほとんど動けません……」", | |||
"302000631_15": "「マリアッ! 立花ッ!\\n 大丈夫かッ!」", | |||
"302000631_16": "「ええ……なん、とかね……くッ……」", | |||
"302000631_17": "「はぁ、はぁ……少し、休めば……多分」", | |||
"302000631_18": "「……大丈夫だ。ここはわたしが――」", | |||
"302000631_19": "「――お前ら、2人とも休んでな。\\n ここはあたしが抑えてやる」", | |||
"302000631_20": "「奏……?」", | |||
"302000631_21": "「……ついてこい。\\n あたし1人じゃ奴は無理だ」", | |||
"302000631_22": "「……ええッ! もちろんッ!」" | |||
{ | |||
"302000631_0": "「増援増援また増援……。\\n もう、多すぎですッ!」", | |||
"302000631_1": "「そうね……たかがノイズとはいえ、\\n これは骨が折れるわねッ!」", | |||
"302000631_2": "「2人とも、あれを――ッ!」", | |||
"302000631_3": "「あれは……あいつもカルマノイズッ!?」", | |||
"302000631_4": "「お仲間がやられたことで、\\n 仇討ちにでも来たのかしらね……」", | |||
"302000631_5": "「……どうしますか?」", | |||
"302000631_6": "「……使わざるを得ないでしょうね。\\n イグナイト無しで戦える敵じゃないわ」", | |||
"302000631_7": "「……ですね」", | |||
"302000631_8": "「イグナイトモジュール――抜剣ッ!」", | |||
"302000631_9": "「――ッ!?\\n かはッ……ぐううううッ!」", | |||
"302000631_10": "「うううう――ッ!\\n がッ……ああああッ!」", | |||
"302000631_11": "「……はぁ、はぁ……ッ」", | |||
"302000631_12": "「はぁ……はぁ……危なかったぁ……」", | |||
"302000631_13": "「ええ……とっさに解除できたからいいものの……。\\n こんなの制御以前の問題ね……くッ……だけど、力が……」", | |||
"302000631_14": "「……わたしも、ほとんど動けません……」", | |||
"302000631_15": "「マリアッ! 立花ッ!\\n 大丈夫かッ!」", | |||
"302000631_16": "「ええ……なん、とかね……くッ……」", | |||
"302000631_17": "「はぁ、はぁ……少し、休めば……多分」", | |||
"302000631_18": "「……大丈夫だ。ここはわたしが――」", | |||
"302000631_19": "「――お前ら、2人とも休んでな。\\n ここはあたしが抑えてやる」", | |||
"302000631_20": "「奏……?」", | |||
"302000631_21": "「……ついてこい。\\n あたし1人じゃ奴は無理だ」", | |||
"302000631_22": "「……ええッ! もちろんッ!」" | |||
} |
@@ -1,38 +1,38 @@ | |||
{ | |||
"302000632_0": "「倒した……のか?」", | |||
"302000632_1": "「……いいや、まだだッ!」", | |||
"302000632_2": "「くッ……復元したッ!?」", | |||
"302000632_3": "「……半端な攻撃じゃ、\\n こいつらは復活してしまう……」", | |||
"302000632_4": "「厄介な相手だ……ならば、絶唱で――ッ!」", | |||
"302000632_5": "「――やめろッ!」", | |||
"302000632_6": "「奏……?」", | |||
"302000632_7": "(あたしの前で、二度と翼に絶唱なんて唄わせない……)", | |||
"302000632_8": "「こいつはあたしが――ッ!」", | |||
"302000632_9": "「……消えた……?」", | |||
"302000632_10": "「逃げられたか……」", | |||
"302000632_11": "「……」", | |||
"302000632_12": "「……なんだよ?」", | |||
"302000632_13": "(奏は、立花やマリアを護ってくれた……。それに、今絶唱を\\n 止めてくれたのは……わたしを思ってのことなのだろうか……)", | |||
"302000632_14": "(やはり、奏は奏なんだ……)", | |||
"302000632_15": "「なんでもない、ありがとう、奏……」", | |||
"302000632_16": "「ちッ、気味悪ぃからやめろ。\\n ……さっさと帰るぞ」", | |||
"302000632_17": "「あらあら、大変だったわね」", | |||
"302000632_18": "「大丈夫なのか……響くん、マリアくん」", | |||
"302000632_19": "「はい、何とか」", | |||
"302000632_20": "「ええ、一応はね」", | |||
"302000632_21": "「……あなたたちのイグナイトモジュールのことだけど、\\n 一度作った人に見てもらったほうがいいわ」", | |||
"302000632_22": "「やはり、何か問題が……?」", | |||
"302000632_23": "「逆よ逆。多分、機能には何の問題もないと思うわ。\\n けど、念のためにね~」", | |||
"302000632_24": "「推測だけど、問題はカルマ化したノイズの方にあるのよ」", | |||
"302000632_25": "「どういうこと……?」", | |||
"302000632_26": "「まあ詳しい事は、確かめてからにしましょう。\\n ということで、あなたたちは一度戻ったほうがいいわ」", | |||
"302000632_27": "「で、でもッ!\\n わたしたちが帰ったらノイズとの戦いが……」", | |||
"302000632_28": "「……そうね。こちらの装者は1人、\\n 戦力的に厳しいのは確かなはず」", | |||
"302000632_29": "「なあに、大丈夫だッ!\\n 君たちが来る前も、何とか戦って来れたんだからなッ!」", | |||
"302000632_30": "「機能に不安を抱えたまま戦うのは危険よ。\\n 一度ハッキリさせて来たほうがいいわ」", | |||
"302000632_31": "「しかし――」", | |||
"302000632_32": "「……」", | |||
"302000632_33": "(……いいのか、わたしは奏を1人にして……)", | |||
"302000632_34": "「君たちが戻ってくるまで、我々だけで耐えて見せる。\\n だから、行ってきてくれ」", | |||
"302000632_35": "「……わかり、ました……」" | |||
{ | |||
"302000632_0": "「倒した……のか?」", | |||
"302000632_1": "「……いいや、まだだッ!」", | |||
"302000632_2": "「くッ……復元したッ!?」", | |||
"302000632_3": "「……半端な攻撃じゃ、\\n こいつらは復活してしまう……」", | |||
"302000632_4": "「厄介な相手だ……ならば、絶唱で――ッ!」", | |||
"302000632_5": "「――やめろッ!」", | |||
"302000632_6": "「奏……?」", | |||
"302000632_7": "(あたしの前で、二度と翼に絶唱なんて唄わせない……)", | |||
"302000632_8": "「こいつはあたしが――ッ!」", | |||
"302000632_9": "「……消えた……?」", | |||
"302000632_10": "「逃げられたか……」", | |||
"302000632_11": "「……」", | |||
"302000632_12": "「……なんだよ?」", | |||
"302000632_13": "(奏は、立花やマリアを護ってくれた……。それに、今絶唱を\\n 止めてくれたのは……わたしを思ってのことなのだろうか……)", | |||
"302000632_14": "(やはり、奏は奏なんだ……)", | |||
"302000632_15": "「なんでもない、ありがとう、奏……」", | |||
"302000632_16": "「ちッ、気味悪ぃからやめろ。\\n ……さっさと帰るぞ」", | |||
"302000632_17": "「あらあら、大変だったわね」", | |||
"302000632_18": "「大丈夫なのか……響くん、マリアくん」", | |||
"302000632_19": "「はい、何とか」", | |||
"302000632_20": "「ええ、一応はね」", | |||
"302000632_21": "「……あなたたちのイグナイトモジュールのことだけど、\\n 一度作った人に見てもらったほうがいいわ」", | |||
"302000632_22": "「やはり、何か問題が……?」", | |||
"302000632_23": "「逆よ逆。多分、機能には何の問題もないと思うわ。\\n けど、念のためにね~」", | |||
"302000632_24": "「推測だけど、問題はカルマ化したノイズの方にあるのよ」", | |||
"302000632_25": "「どういうこと……?」", | |||
"302000632_26": "「まあ詳しい事は、確かめてからにしましょう。\\n ということで、あなたたちは一度戻ったほうがいいわ」", | |||
"302000632_27": "「で、でもッ!\\n わたしたちが帰ったらノイズとの戦いが……」", | |||
"302000632_28": "「……そうね。こちらの装者は1人、\\n 戦力的に厳しいのは確かなはず」", | |||
"302000632_29": "「なあに、大丈夫だッ!\\n 君たちが来る前も、何とか戦って来れたんだからなッ!」", | |||
"302000632_30": "「機能に不安を抱えたまま戦うのは危険よ。\\n 一度ハッキリさせて来たほうがいいわ」", | |||
"302000632_31": "「しかし――」", | |||
"302000632_32": "「……」", | |||
"302000632_33": "(……いいのか、わたしは奏を1人にして……)", | |||
"302000632_34": "「君たちが戻ってくるまで、我々だけで耐えて見せる。\\n だから、行ってきてくれ」", | |||
"302000632_35": "「……わかり、ました……」" | |||
} |
@@ -1,26 +1,26 @@ | |||
{ | |||
"302000641_0": "「お帰りなさい。\\n 送ってきたの?」", | |||
"302000641_1": "「……ああ。全く、並行世界へのゲートだなんて初めて見た。\\n あんなものが、本当にあるとはな……」", | |||
"302000641_2": "「信じてなかったの?」", | |||
"302000641_3": "「いや、翼が居た時点で信じてはいたが、\\n 実際に目にした衝撃は別物さ」", | |||
"302000641_4": "「――司令ッ!\\n ノイズと思われる反応がッ!」", | |||
"302000641_5": "「……くッ、間の悪い……。\\n 奏、頼むぞッ!」", | |||
"302000641_6": "「ああ、あたしに任せときなッ!」", | |||
"302000641_7": "「……」", | |||
"302000641_8": "(そう、あたしはこれでいい……。\\n これでいいんだ……)", | |||
"302000641_9": "「この世界はあたしの世界……あいつらに頼るなんて間違いだ。\\n 今までのように、あたし1人でやってやるッ!」", | |||
"302000641_10": "「とりぁぁぁぁぁッ!」", | |||
"302000641_11": "「まだまだ――ッ!」", | |||
"302000641_12": "(あたしは負けない……ノイズを全部駆逐するまでッ!\\n もっと力を――ッ!)", | |||
"302000641_13": "「……ッ!? なッ、後ろッ!?」", | |||
"302000641_14": "「ぐううううッ!?\\n ……ちッ、やってくれるじゃねーかッ!」", | |||
"302000641_15": "「あたしの後ろに、翼はもういないんだ……。\\n だからあたしが――ッ!」", | |||
"302000641_16": "「この技は――ッ!?」", | |||
"302000641_17": "「いないなんて悲しいことを言わないで、奏……。\\n わたしはいつだって、奏の傍にいるッ!」", | |||
"302000641_18": "「……お前、どうして帰らなかったんだ?」", | |||
"302000641_19": "「わたしが奏を見捨てられるはずが無いじゃない。\\n だから、1人で残ったの」", | |||
"302000641_20": "「……あたしは、お前の知っている奏じゃない」", | |||
"302000641_21": "「わかってる。それでも、奏は奏だから」", | |||
"302000641_22": "「……。\\n ノイズをぶっ殺す。遅れんじゃねーぞッ!」", | |||
"302000641_23": "「ああ。奏の背中はわたしが護るッ」" | |||
{ | |||
"302000641_0": "「お帰りなさい。\\n 送ってきたの?」", | |||
"302000641_1": "「……ああ。全く、並行世界へのゲートだなんて初めて見た。\\n あんなものが、本当にあるとはな……」", | |||
"302000641_2": "「信じてなかったの?」", | |||
"302000641_3": "「いや、翼が居た時点で信じてはいたが、\\n 実際に目にした衝撃は別物さ」", | |||
"302000641_4": "「――司令ッ!\\n ノイズと思われる反応がッ!」", | |||
"302000641_5": "「……くッ、間の悪い……。\\n 奏、頼むぞッ!」", | |||
"302000641_6": "「ああ、あたしに任せときなッ!」", | |||
"302000641_7": "「……」", | |||
"302000641_8": "(そう、あたしはこれでいい……。\\n これでいいんだ……)", | |||
"302000641_9": "「この世界はあたしの世界……あいつらに頼るなんて間違いだ。\\n 今までのように、あたし1人でやってやるッ!」", | |||
"302000641_10": "「とりぁぁぁぁぁッ!」", | |||
"302000641_11": "「まだまだ――ッ!」", | |||
"302000641_12": "(あたしは負けない……ノイズを全部駆逐するまでッ!\\n もっと力を――ッ!)", | |||
"302000641_13": "「……ッ!? なッ、後ろッ!?」", | |||
"302000641_14": "「ぐううううッ!?\\n ……ちッ、やってくれるじゃねーかッ!」", | |||
"302000641_15": "「あたしの後ろに、翼はもういないんだ……。\\n だからあたしが――ッ!」", | |||
"302000641_16": "「この技は――ッ!?」", | |||
"302000641_17": "「いないなんて悲しいことを言わないで、奏……。\\n わたしはいつだって、奏の傍にいるッ!」", | |||
"302000641_18": "「……お前、どうして帰らなかったんだ?」", | |||
"302000641_19": "「わたしが奏を見捨てられるはずが無いじゃない。\\n だから、1人で残ったの」", | |||
"302000641_20": "「……あたしは、お前の知っている奏じゃない」", | |||
"302000641_21": "「わかってる。それでも、奏は奏だから」", | |||
"302000641_22": "「……。\\n ノイズをぶっ殺す。遅れんじゃねーぞッ!」", | |||
"302000641_23": "「ああ。奏の背中はわたしが護るッ」" | |||
} |
@@ -1,11 +1,11 @@ | |||
{ | |||
"302000642_0": "「終わったね……奏、お疲れ様」", | |||
"302000642_1": "(……そうだ、あたしは元々1人じゃなかった。\\n こんな風に翼に背中を預けて戦ってたんだ……)", | |||
"302000642_2": "「……奏? どうしたの?」", | |||
"302000642_3": "「……なんでもない」", | |||
"302000642_4": "(でも……違うッ!\\n あたしの翼は……あの時、あたしを庇って――)", | |||
"302000642_5": "「……帰るぞ」", | |||
"302000642_6": "「ええ、戻りましょう」", | |||
"302000642_7": "(……だから、違う。あたしの翼じゃない……。\\n だから、あたしは絶対に受け入れない……)", | |||
"302000642_8": "(例え翼が翼であったとしても、\\n あたしの翼はたった1人しかいないんだから……)" | |||
{ | |||
"302000642_0": "「終わったね……奏、お疲れ様」", | |||
"302000642_1": "(……そうだ、あたしは元々1人じゃなかった。\\n こんな風に翼に背中を預けて戦ってたんだ……)", | |||
"302000642_2": "「……奏? どうしたの?」", | |||
"302000642_3": "「……なんでもない」", | |||
"302000642_4": "(でも……違うッ!\\n あたしの翼は……あの時、あたしを庇って――)", | |||
"302000642_5": "「……帰るぞ」", | |||
"302000642_6": "「ええ、戻りましょう」", | |||
"302000642_7": "(……だから、違う。あたしの翼じゃない……。\\n だから、あたしは絶対に受け入れない……)", | |||
"302000642_8": "(例え翼が翼であったとしても、\\n あたしの翼はたった1人しかいないんだから……)" | |||
} |
@@ -1,38 +1,38 @@ | |||
{ | |||
"302000711_0": "侵食する世界", | |||
"302000711_1": "「響さん、マリアさん。\\n イグナイトモジュールについてですが……」", | |||
"302000711_2": "「うん」", | |||
"302000711_3": "「どうだったの? エルフナイン」", | |||
"302000711_4": "「結論から言うと、何の異常も見つかりませんでした……」", | |||
"302000711_5": "「え……制御できなかったのに?」", | |||
"302000711_6": "「……」", | |||
"302000711_7": "「はい……すみません」", | |||
"302000711_8": "「……他に考えられる可能性は?」", | |||
"302000711_9": "「イグナイトはダインスレイフの欠片を媒介としています。\\n そして、ダインスレイフは心を蝕む魔剣です」", | |||
"302000711_10": "「ですので、皆さんの方の心に隙が出来れば、制御が難しく\\n なります。大きく動揺したり、焦ったり……」", | |||
"302000711_11": "「……うーん、そんな事なかったと思うんだけどなぁ」", | |||
"302000711_12": "「念のため、お2人はメディカルチェックを受けることを\\n おすすめします」", | |||
"302000711_13": "「……そうね、分かったわ」", | |||
"302000711_14": "「わたしも受けてくるよ」", | |||
"302000711_15": "「ノイズが……」", | |||
"302000711_16": "「……メディカルチェックの前にやることが出来たわね」", | |||
"302000711_17": "「待て。2人とも。\\n 今の状況での出撃は許可できない」", | |||
"302000711_18": "「でも師匠ッ!」", | |||
"302000711_19": "「――そうそう、2人は留守番だ」", | |||
"302000711_20": "「クリスちゃんッ!」", | |||
"302000711_21": "「メディカルチェックは大事。\\n ちゃんとやっておかないと」", | |||
"302000711_22": "「デスデス。ノイズはアタシたちに任せるデス」", | |||
"302000711_23": "「調……切歌も」", | |||
"302000711_24": "「そういうことだ。\\n こっちのノイズはあたしたちの担当だからな」", | |||
"302000711_25": "「……わかった。\\n クリスちゃん、お願いねッ!」", | |||
"302000711_26": "「おう、任せとけってのッ!」", | |||
"302000711_27": "「調、切歌も気をつけて。無理はしないようにね」", | |||
"302000711_28": "「うん、大丈夫」", | |||
"302000711_29": "「泥舟に乗ったつもりで待ってるデスッ!」", | |||
"302000711_30": "「切ちゃん、それだと沈んじゃう。\\n 正しくは『大船』」", | |||
"302000711_31": "「おおう……間違ったデス。\\n とにかく、安心して待っているデスよ」", | |||
"302000711_32": "「……ええ、わかったわ」", | |||
"302000711_33": "「よし、それじゃ行くぞお前らッ!」", | |||
"302000711_34": "「うん」", | |||
"302000711_35": "「了解デース」" | |||
{ | |||
"302000711_0": "侵食する世界", | |||
"302000711_1": "「響さん、マリアさん。\\n イグナイトモジュールについてですが……」", | |||
"302000711_2": "「うん」", | |||
"302000711_3": "「どうだったの? エルフナイン」", | |||
"302000711_4": "「結論から言うと、何の異常も見つかりませんでした……」", | |||
"302000711_5": "「え……制御できなかったのに?」", | |||
"302000711_6": "「……」", | |||
"302000711_7": "「はい……すみません」", | |||
"302000711_8": "「……他に考えられる可能性は?」", | |||
"302000711_9": "「イグナイトはダインスレイフの欠片を媒介としています。\\n そして、ダインスレイフは心を蝕む魔剣です」", | |||
"302000711_10": "「ですので、皆さんの方の心に隙が出来れば、制御が難しく\\n なります。大きく動揺したり、焦ったり……」", | |||
"302000711_11": "「……うーん、そんな事なかったと思うんだけどなぁ」", | |||
"302000711_12": "「念のため、お2人はメディカルチェックを受けることを\\n おすすめします」", | |||
"302000711_13": "「……そうね、分かったわ」", | |||
"302000711_14": "「わたしも受けてくるよ」", | |||
"302000711_15": "「ノイズが……」", | |||
"302000711_16": "「……メディカルチェックの前にやることが出来たわね」", | |||
"302000711_17": "「待て。2人とも。\\n 今の状況での出撃は許可できない」", | |||
"302000711_18": "「でも師匠ッ!」", | |||
"302000711_19": "「――そうそう、2人は留守番だ」", | |||
"302000711_20": "「クリスちゃんッ!」", | |||
"302000711_21": "「メディカルチェックは大事。\\n ちゃんとやっておかないと」", | |||
"302000711_22": "「デスデス。ノイズはアタシたちに任せるデス」", | |||
"302000711_23": "「調……切歌も」", | |||
"302000711_24": "「そういうことだ。\\n こっちのノイズはあたしたちの担当だからな」", | |||
"302000711_25": "「……わかった。\\n クリスちゃん、お願いねッ!」", | |||
"302000711_26": "「おう、任せとけってのッ!」", | |||
"302000711_27": "「調、切歌も気をつけて。無理はしないようにね」", | |||
"302000711_28": "「うん、大丈夫」", | |||
"302000711_29": "「泥舟に乗ったつもりで待ってるデスッ!」", | |||
"302000711_30": "「切ちゃん、それだと沈んじゃう。\\n 正しくは『大船』」", | |||
"302000711_31": "「おおう……間違ったデス。\\n とにかく、安心して待っているデスよ」", | |||
"302000711_32": "「……ええ、わかったわ」", | |||
"302000711_33": "「よし、それじゃ行くぞお前らッ!」", | |||
"302000711_34": "「うん」", | |||
"302000711_35": "「了解デース」" | |||
} |
@@ -1,13 +1,13 @@ | |||
{ | |||
"302000721_0": "「……また大量に出てきたものだな」", | |||
"302000721_1": "「なんだい……ブルっちまったのか?」", | |||
"302000721_2": "「そうじゃない。負けられないと思っただけよ」", | |||
"302000721_3": "「……そうかい。\\n ま、あたしの邪魔だけはしないでくれよ」", | |||
"302000721_4": "「……ええ」", | |||
"302000721_5": "(奏は、頑なにわたしを翼と呼んでくれない……)", | |||
"302000721_6": "「さあ、始めようかッ!」", | |||
"302000721_7": "(立花やマリアがいないのは少々心細くもある……。\\n だが、奏と2人というのは、昔を思い出すな……)", | |||
"302000721_8": "(わたしと奏、ツヴァイウィングの両翼が揃っていた頃を……)", | |||
"302000721_9": "「……ボーっとしてるんじゃねーよ。\\n やる気が無いならそこでつっ立ってなッ!」", | |||
"302000721_10": "「……やる気ならある。\\n この剣であらゆる危難に立ち向かってみせるッ!」" | |||
{ | |||
"302000721_0": "「……また大量に出てきたものだな」", | |||
"302000721_1": "「なんだい……ブルっちまったのか?」", | |||
"302000721_2": "「そうじゃない。負けられないと思っただけよ」", | |||
"302000721_3": "「……そうかい。\\n ま、あたしの邪魔だけはしないでくれよ」", | |||
"302000721_4": "「……ええ」", | |||
"302000721_5": "(奏は、頑なにわたしを翼と呼んでくれない……)", | |||
"302000721_6": "「さあ、始めようかッ!」", | |||
"302000721_7": "(立花やマリアがいないのは少々心細くもある……。\\n だが、奏と2人というのは、昔を思い出すな……)", | |||
"302000721_8": "(わたしと奏、ツヴァイウィングの両翼が揃っていた頃を……)", | |||
"302000721_9": "「……ボーっとしてるんじゃねーよ。\\n やる気が無いならそこでつっ立ってなッ!」", | |||
"302000721_10": "「……やる気ならある。\\n この剣であらゆる危難に立ち向かってみせるッ!」" | |||
} |
@@ -1,19 +1,19 @@ | |||
{ | |||
"302000731_0": "「……はッ、ざっとこんなもんだ。\\n あたしの敵じゃねーなッ!」", | |||
"302000731_1": "「クリスくん、まだだッ!\\n 12時の方向に新たな高エネルギー反応があるッ!」", | |||
"302000731_2": "「問題ない」", | |||
"302000731_3": "「一気に片付けるデスッ!」", | |||
"302000731_4": "「対象、モニタに表示します」", | |||
"302000731_5": "「なんだ……このノイズは。\\n 通常のノイズとは比べ物にならないエネルギー……」", | |||
"302000731_6": "「あ……あれはッ!」", | |||
"302000731_7": "「カルマノイズ……。\\n 何故、あのノイズがこちらに……」", | |||
"302000731_8": "「今のノイズはバビロニアの宝物庫を介さず、並行世界から\\n 流れて来ています。ですから――」", | |||
"302000731_9": "「並行世界側の脅威が現れる可能性もある、ということか……。\\n 3人とも注意するんだッ!」", | |||
"302000731_10": "「こいつかッ!\\n って、おい……何だよこれはッ!」", | |||
"302000731_11": "「人が、人を……襲ってる?」", | |||
"302000731_12": "「まるで地獄絵図デス……」", | |||
"302000731_13": "「――お前が元凶かッ!\\n ならさっさとぶっ倒して――ッ!?」", | |||
"302000731_14": "「の、ノイズが大量に現れたデスッ!?」", | |||
"302000731_15": "「これじゃあのノイズに攻撃できない……」", | |||
"302000731_16": "「ちッ、雑魚が邪魔なんだよ――ッ!」" | |||
{ | |||
"302000731_0": "「……はッ、ざっとこんなもんだ。\\n あたしの敵じゃねーなッ!」", | |||
"302000731_1": "「クリスくん、まだだッ!\\n 12時の方向に新たな高エネルギー反応があるッ!」", | |||
"302000731_2": "「問題ない」", | |||
"302000731_3": "「一気に片付けるデスッ!」", | |||
"302000731_4": "「対象、モニタに表示します」", | |||
"302000731_5": "「なんだ……このノイズは。\\n 通常のノイズとは比べ物にならないエネルギー……」", | |||
"302000731_6": "「あ……あれはッ!」", | |||
"302000731_7": "「カルマノイズ……。\\n 何故、あのノイズがこちらに……」", | |||
"302000731_8": "「今のノイズはバビロニアの宝物庫を介さず、並行世界から\\n 流れて来ています。ですから――」", | |||
"302000731_9": "「並行世界側の脅威が現れる可能性もある、ということか……。\\n 3人とも注意するんだッ!」", | |||
"302000731_10": "「こいつかッ!\\n って、おい……何だよこれはッ!」", | |||
"302000731_11": "「人が、人を……襲ってる?」", | |||
"302000731_12": "「まるで地獄絵図デス……」", | |||
"302000731_13": "「――お前が元凶かッ!\\n ならさっさとぶっ倒して――ッ!?」", | |||
"302000731_14": "「の、ノイズが大量に現れたデスッ!?」", | |||
"302000731_15": "「これじゃあのノイズに攻撃できない……」", | |||
"302000731_16": "「ちッ、雑魚が邪魔なんだよ――ッ!」" | |||
} |
@@ -1,39 +1,39 @@ | |||
{ | |||
"302000732_0": "「――奴への道が開けたッ!\\n 一気に行くぞッ! イグナイトモジュール――」", | |||
"302000732_1": "「――抜剣ッ!」", | |||
"302000732_2": "「ぐッ!? なッ……あああああああッ!?」", | |||
"302000732_3": "「デスッ!? うああああああッ!?」", | |||
"302000732_4": "「くッ……な……うううううッ!?」", | |||
"302000732_5": "「はぁ、はぁ……な、何だってんだよ……」", | |||
"302000732_6": "「イグナイトが……おかしいのデス」", | |||
"302000732_7": "「制御できない……」", | |||
"302000732_8": "「そんな……クリスちゃんたちまで……」", | |||
"302000732_9": "「まさか、カルマノイズがイグナイトを封じている……?」", | |||
"302000732_10": "「目標のエネルギーが急速に減衰していますッ!」", | |||
"302000732_11": "「どういうことだッ!?」", | |||
"302000732_12": "「……目標、消失しました」", | |||
"302000732_13": "「……消えた……?\\n 何なんだよッ! わっけわかんねーッ!」", | |||
"302000732_14": "「でも、助かった……」", | |||
"302000732_15": "「デス……」", | |||
"302000732_16": "「先ほどのカルマ化したノイズ……、\\n カルマノイズについて、分かったことがあります」", | |||
"302000732_17": "「話してくれ」", | |||
"302000732_18": "「まずあのノイズは、正確にはまだこちらに出現していません」", | |||
"302000732_19": "「現れたのに出現してないって意味わからねーっての」", | |||
"302000732_20": "「先ほど現れたのは、鏡像のようなものと思ってください。\\n 一時的にこちらの世界へ干渉してきた幻のようなものです」", | |||
"302000732_21": "「幻……あれが……」", | |||
"302000732_22": "「はい。\\n だから並行世界側からの揺り戻しで、消えたと考えられます」", | |||
"302000732_23": "「周りの人たちが争っていたのは何なんデスか?」", | |||
"302000732_24": "「それはあのノイズの能力でしょう。\\n あれは人へ破壊衝動を植えつける呪いを持っているようです」", | |||
"302000732_25": "「破壊衝動の呪い……それってイグナイトと一緒……?」", | |||
"302000732_26": "「厳密には違いますが、イグナイトの不調の原因はそれに\\n 間違いないと思います」", | |||
"302000732_27": "「ダインスレイフの呪いにカルマノイズの呪いが重なり、\\n より強い破壊衝動を呼び起こしていたのでしょう」", | |||
"302000732_28": "「……だからイグナイトが制御できなかったのね」", | |||
"302000732_29": "「はい……あのノイズが相手の場合、イグナイトの使用は\\n 自殺行為です。イグナイト無しで戦うしかありません」", | |||
"302000732_30": "「それと、さっきのカルマノイズですが、このままだと\\n 遠からずこちらの世界に存在が確定してしまうかも知れません」", | |||
"302000732_31": "「存在が確定……?」", | |||
"302000732_32": "「こちらに実体を持って出現するということです」", | |||
"302000732_33": "「そ、それってかなりのピンチじゃないデスかッ!」", | |||
"302000732_34": "「とにかく急いで並行世界側の異変を収めないと……」", | |||
"302000732_35": "「……急ぐ理由が増えたわね」", | |||
"302000732_36": "「そうですね……」" | |||
{ | |||
"302000732_0": "「――奴への道が開けたッ!\\n 一気に行くぞッ! イグナイトモジュール――」", | |||
"302000732_1": "「――抜剣ッ!」", | |||
"302000732_2": "「ぐッ!? なッ……あああああああッ!?」", | |||
"302000732_3": "「デスッ!? うああああああッ!?」", | |||
"302000732_4": "「くッ……な……うううううッ!?」", | |||
"302000732_5": "「はぁ、はぁ……な、何だってんだよ……」", | |||
"302000732_6": "「イグナイトが……おかしいのデス」", | |||
"302000732_7": "「制御できない……」", | |||
"302000732_8": "「そんな……クリスちゃんたちまで……」", | |||
"302000732_9": "「まさか、カルマノイズがイグナイトを封じている……?」", | |||
"302000732_10": "「目標のエネルギーが急速に減衰していますッ!」", | |||
"302000732_11": "「どういうことだッ!?」", | |||
"302000732_12": "「……目標、消失しました」", | |||
"302000732_13": "「……消えた……?\\n 何なんだよッ! わっけわかんねーッ!」", | |||
"302000732_14": "「でも、助かった……」", | |||
"302000732_15": "「デス……」", | |||
"302000732_16": "「先ほどのカルマ化したノイズ……、\\n カルマノイズについて、分かったことがあります」", | |||
"302000732_17": "「話してくれ」", | |||
"302000732_18": "「まずあのノイズは、正確にはまだこちらに出現していません」", | |||
"302000732_19": "「現れたのに出現してないって意味わからねーっての」", | |||
"302000732_20": "「先ほど現れたのは、鏡像のようなものと思ってください。\\n 一時的にこちらの世界へ干渉してきた幻のようなものです」", | |||
"302000732_21": "「幻……あれが……」", | |||
"302000732_22": "「はい。\\n だから並行世界側からの揺り戻しで、消えたと考えられます」", | |||
"302000732_23": "「周りの人たちが争っていたのは何なんデスか?」", | |||
"302000732_24": "「それはあのノイズの能力でしょう。\\n あれは人へ破壊衝動を植えつける呪いを持っているようです」", | |||
"302000732_25": "「破壊衝動の呪い……それってイグナイトと一緒……?」", | |||
"302000732_26": "「厳密には違いますが、イグナイトの不調の原因はそれに\\n 間違いないと思います」", | |||
"302000732_27": "「ダインスレイフの呪いにカルマノイズの呪いが重なり、\\n より強い破壊衝動を呼び起こしていたのでしょう」", | |||
"302000732_28": "「……だからイグナイトが制御できなかったのね」", | |||
"302000732_29": "「はい……あのノイズが相手の場合、イグナイトの使用は\\n 自殺行為です。イグナイト無しで戦うしかありません」", | |||
"302000732_30": "「それと、さっきのカルマノイズですが、このままだと\\n 遠からずこちらの世界に存在が確定してしまうかも知れません」", | |||
"302000732_31": "「存在が確定……?」", | |||
"302000732_32": "「こちらに実体を持って出現するということです」", | |||
"302000732_33": "「そ、それってかなりのピンチじゃないデスかッ!」", | |||
"302000732_34": "「とにかく急いで並行世界側の異変を収めないと……」", | |||
"302000732_35": "「……急ぐ理由が増えたわね」", | |||
"302000732_36": "「そうですね……」" | |||
} |
@@ -1,15 +1,15 @@ | |||
{ | |||
"302000741_0": "「……それじゃあ、行ってくるわ」", | |||
"302000741_1": "「ごめんなさい。あの呪いについて上手く対処が出来れば\\n よかったんですけど……」", | |||
"302000741_2": "「気にしないで、エルフナインちゃん。\\n あのノイズの秘密が分かっただけで十分だよッ!」", | |||
"302000741_3": "「響さん……ありがとうございます」", | |||
"302000741_4": "「代わりと言っては何ですが、お2人にお願いがあります」", | |||
"302000741_5": "「何かしら?」", | |||
"302000741_6": "「このチップを向こうの櫻井了子さんに渡してください。\\n ボクの方でわかったことをまとめておきました」", | |||
"302000741_7": "「ありがとう~。必ず渡すからねッ!」", | |||
"302000741_8": "「はい、宜しくお願いします」", | |||
"302000741_9": "「はぁ……、はぁ……。\\n さすがに、数が多すぎる……」", | |||
"302000741_10": "「ハッ……息が、あがってる……な……はぁ、はぁッ……。\\n 疲れたなら、1人で帰ったら、どうだ……」", | |||
"302000741_11": "「絶対に……帰らないッ!」", | |||
"302000741_12": "「なら、気合入れなッ!\\n さあ、まだまだ行くよッ!」" | |||
{ | |||
"302000741_0": "「……それじゃあ、行ってくるわ」", | |||
"302000741_1": "「ごめんなさい。あの呪いについて上手く対処が出来れば\\n よかったんですけど……」", | |||
"302000741_2": "「気にしないで、エルフナインちゃん。\\n あのノイズの秘密が分かっただけで十分だよッ!」", | |||
"302000741_3": "「響さん……ありがとうございます」", | |||
"302000741_4": "「代わりと言っては何ですが、お2人にお願いがあります」", | |||
"302000741_5": "「何かしら?」", | |||
"302000741_6": "「このチップを向こうの櫻井了子さんに渡してください。\\n ボクの方でわかったことをまとめておきました」", | |||
"302000741_7": "「ありがとう~。必ず渡すからねッ!」", | |||
"302000741_8": "「はい、宜しくお願いします」", | |||
"302000741_9": "「はぁ……、はぁ……。\\n さすがに、数が多すぎる……」", | |||
"302000741_10": "「ハッ……息が、あがってる……な……はぁ、はぁッ……。\\n 疲れたなら、1人で帰ったら、どうだ……」", | |||
"302000741_11": "「絶対に……帰らないッ!」", | |||
"302000741_12": "「なら、気合入れなッ!\\n さあ、まだまだ行くよッ!」" | |||
} |
@@ -1,30 +1,30 @@ | |||
{ | |||
"302000751_0": "「はあ、はあ……」", | |||
"302000751_1": "「はあ、はあ……」", | |||
"302000751_2": "(一体どれだけのノイズが……。\\n さすがにわたしも奏も限界が近い……)", | |||
"302000751_3": "「……唄うしかないな」", | |||
"302000751_4": "「まさか――絶唱をッ!?」", | |||
"302000751_5": "「……それ以外にこのノイズの群れを倒す手段があるのかい?」", | |||
"302000751_6": "「いや、しかし――」", | |||
"302000751_7": "「躊躇するならそのまま見てな。\\n ……あたしはもう躊躇なんてしない」", | |||
"302000751_8": "「待って、奏ッ!」", | |||
"302000751_9": "「……邪魔をするんじゃないよ」", | |||
"302000751_10": "「絶唱ならわたしも唄う。\\n ……もう奏を1人で唄わせるのはたくさん」", | |||
"302000751_11": "「お前……そうか、そっちではあたしが唄ったんだったな……」", | |||
"302000751_12": "「……いいよ、それじゃ派手にぶちかまそうかッ!」", | |||
"302000751_13": "「Gatrandis――」", | |||
"302000751_14": "「その絶唱ッ!\\n ちょーっと待ったぁッ!」", | |||
"302000751_15": "「立花ッ!?」", | |||
"302000751_16": "「全く……だから翼からは目が離せないのよね」", | |||
"302000751_17": "「マリア……戻って来てくれたのかッ!」", | |||
"302000751_18": "「……ったく、いい所で再登場か……」", | |||
"302000751_19": "「後はわたしたちが引き受けますッ!\\n 2人は少し休んでから――」", | |||
"302000751_20": "「バカいってんじゃねぇよ。\\n こちとらようやく体が温まってきたところなんだ」", | |||
"302000751_21": "「……ああ、ノイズを前にしてただ見ているだけなど、\\n 防人としてできる訳が無いだろう」", | |||
"302000751_22": "「全く、意地の張り方はそっくりね、あなたたち……。\\n いいわ、それなら全員でやりましょう」", | |||
"302000751_23": "「……ああ。頼む」", | |||
"302000751_24": "「奏……?」", | |||
"302000751_25": "(奏から『頼む』って……)", | |||
"302000751_26": "「今は、お前たちの力が必要だ……」", | |||
"302000751_27": "「はいッ!\\n どーんと頼りにしちゃってくださいッ!」" | |||
{ | |||
"302000751_0": "「はあ、はあ……」", | |||
"302000751_1": "「はあ、はあ……」", | |||
"302000751_2": "(一体どれだけのノイズが……。\\n さすがにわたしも奏も限界が近い……)", | |||
"302000751_3": "「……唄うしかないな」", | |||
"302000751_4": "「まさか――絶唱をッ!?」", | |||
"302000751_5": "「……それ以外にこのノイズの群れを倒す手段があるのかい?」", | |||
"302000751_6": "「いや、しかし――」", | |||
"302000751_7": "「躊躇するならそのまま見てな。\\n ……あたしはもう躊躇なんてしない」", | |||
"302000751_8": "「待って、奏ッ!」", | |||
"302000751_9": "「……邪魔をするんじゃないよ」", | |||
"302000751_10": "「絶唱ならわたしも唄う。\\n ……もう奏を1人で唄わせるのはたくさん」", | |||
"302000751_11": "「お前……そうか、そっちではあたしが唄ったんだったな……」", | |||
"302000751_12": "「……いいよ、それじゃ派手にぶちかまそうかッ!」", | |||
"302000751_13": "「Gatrandis――」", | |||
"302000751_14": "「その絶唱ッ!\\n ちょーっと待ったぁッ!」", | |||
"302000751_15": "「立花ッ!?」", | |||
"302000751_16": "「全く……だから翼からは目が離せないのよね」", | |||
"302000751_17": "「マリア……戻って来てくれたのかッ!」", | |||
"302000751_18": "「……ったく、いい所で再登場か……」", | |||
"302000751_19": "「後はわたしたちが引き受けますッ!\\n 2人は少し休んでから――」", | |||
"302000751_20": "「バカいってんじゃねぇよ。\\n こちとらようやく体が温まってきたところなんだ」", | |||
"302000751_21": "「……ああ、ノイズを前にしてただ見ているだけなど、\\n 防人としてできる訳が無いだろう」", | |||
"302000751_22": "「全く、意地の張り方はそっくりね、あなたたち……。\\n いいわ、それなら全員でやりましょう」", | |||
"302000751_23": "「……ああ。頼む」", | |||
"302000751_24": "「奏……?」", | |||
"302000751_25": "(奏から『頼む』って……)", | |||
"302000751_26": "「今は、お前たちの力が必要だ……」", | |||
"302000751_27": "「はいッ!\\n どーんと頼りにしちゃってくださいッ!」" | |||
} |
@@ -1,11 +1,11 @@ | |||
{ | |||
"302000752_0": "「終わったか……」", | |||
"302000752_1": "「……なんとか、なってよかった」", | |||
"302000752_2": "「お疲れ様でした。奏さん、翼さんッ!」", | |||
"302000752_3": "「……あなたたち、一体どれだけ戦ってたの……?」", | |||
"302000752_4": "「そんなの覚えちゃいないよ」", | |||
"302000752_5": "「わたしもだ。片っ端から斬り続けていた……。\\n ところで、2人とも。戻るのが随分早かったな……」", | |||
"302000752_6": "「そう、それなんですッ!\\n 実はわたしたちの世界にも、カルマ化したノイズが現れて――」", | |||
"302000752_7": "「――なんだとッ!」", | |||
"302000752_8": "「……こちらの異変を治めなければ、次はわたしたちの\\n 世界という事よ。いよいよ他人事ではなくなってきたわ」" | |||
{ | |||
"302000752_0": "「終わったか……」", | |||
"302000752_1": "「……なんとか、なってよかった」", | |||
"302000752_2": "「お疲れ様でした。奏さん、翼さんッ!」", | |||
"302000752_3": "「……あなたたち、一体どれだけ戦ってたの……?」", | |||
"302000752_4": "「そんなの覚えちゃいないよ」", | |||
"302000752_5": "「わたしもだ。片っ端から斬り続けていた……。\\n ところで、2人とも。戻るのが随分早かったな……」", | |||
"302000752_6": "「そう、それなんですッ!\\n 実はわたしたちの世界にも、カルマ化したノイズが現れて――」", | |||
"302000752_7": "「――なんだとッ!」", | |||
"302000752_8": "「……こちらの異変を治めなければ、次はわたしたちの\\n 世界という事よ。いよいよ他人事ではなくなってきたわ」" | |||
} |
@@ -1,27 +1,27 @@ | |||
{ | |||
"302000811_0": "復讐の歌", | |||
"302000811_1": "「ふむふむ……それで、これが受け取ったチップね。\\n 研究欲が刺激されるわぁ~」", | |||
"302000811_2": "「……イグナイトのことについて、あなたは気づいていたの?」", | |||
"302000811_3": "「まあね~。ノイズのカルマ化に関しては色々研究していたし、\\n ギアを作ったのは何て言ったってこの櫻井了子なんだから」", | |||
"302000811_4": "「あのノイズの持つ特性と干渉して、おかしくなっている\\n 可能性が一番高いとは考えていたわよ~」", | |||
"302000811_5": "「だから問題はカルマノイズの方にあると、\\n あの時言っていたのか……」", | |||
"302000811_6": "「そうよ~。ちょっとは見直したかしら?」", | |||
"302000811_7": "「さすがは了子さんですッ!」", | |||
"302000811_8": "「ンフフ。そうそう、もっと褒めてもいいのよ?」", | |||
"302000811_9": "「……それより、そうなるとイグナイトはもう使えない、\\n そう解釈していいのか?」", | |||
"302000811_10": "「ええ、そうなるわ」", | |||
"302000811_11": "「それで……カルマノイズに勝つ手立てはあるのか?」", | |||
"302000811_12": "「……イグナイトだけがわたしたちの力ではありません」", | |||
"302000811_13": "「そうですッ!\\n 気合で何とかしますッ!」", | |||
"302000811_14": "「気合か……そうだなッ!\\n 大切なのは気合だッ!」", | |||
"302000811_15": "「はいッ!」", | |||
"302000811_16": "「さてと、それじゃ私はこのデータを色々見てみるわね。\\n フフ、何が入っているのかしらね~」", | |||
"302000811_17": "「……精神論はともかく、現実的な手段としては、わたしたちが\\n もっと連携して戦えるようになる必要があると思うわ」", | |||
"302000811_18": "「……特に、こちらの誰かさんとね」", | |||
"302000811_19": "「……」", | |||
"302000811_20": "「あなたが翼に思うところがあるのはわかってるわ。\\n でも、それとこれとは話が別」", | |||
"302000811_21": "「これからあのノイズと戦っていくには、1人1人がバラバラに\\n 戦うのではなく、協力が必要よ。……わかってるでしょう?」", | |||
"302000811_22": "「…………ああ」", | |||
"302000811_23": "「いいわ。それならあなたも一緒に訓練しましょう。\\n ……まずは相互理解が必要だわ」", | |||
"302000811_24": "「……わかったよ」" | |||
{ | |||
"302000811_0": "復讐の歌", | |||
"302000811_1": "「ふむふむ……それで、これが受け取ったチップね。\\n 研究欲が刺激されるわぁ~」", | |||
"302000811_2": "「……イグナイトのことについて、あなたは気づいていたの?」", | |||
"302000811_3": "「まあね~。ノイズのカルマ化に関しては色々研究していたし、\\n ギアを作ったのは何て言ったってこの櫻井了子なんだから」", | |||
"302000811_4": "「あのノイズの持つ特性と干渉して、おかしくなっている\\n 可能性が一番高いとは考えていたわよ~」", | |||
"302000811_5": "「だから問題はカルマノイズの方にあると、\\n あの時言っていたのか……」", | |||
"302000811_6": "「そうよ~。ちょっとは見直したかしら?」", | |||
"302000811_7": "「さすがは了子さんですッ!」", | |||
"302000811_8": "「ンフフ。そうそう、もっと褒めてもいいのよ?」", | |||
"302000811_9": "「……それより、そうなるとイグナイトはもう使えない、\\n そう解釈していいのか?」", | |||
"302000811_10": "「ええ、そうなるわ」", | |||
"302000811_11": "「それで……カルマノイズに勝つ手立てはあるのか?」", | |||
"302000811_12": "「……イグナイトだけがわたしたちの力ではありません」", | |||
"302000811_13": "「そうですッ!\\n 気合で何とかしますッ!」", | |||
"302000811_14": "「気合か……そうだなッ!\\n 大切なのは気合だッ!」", | |||
"302000811_15": "「はいッ!」", | |||
"302000811_16": "「さてと、それじゃ私はこのデータを色々見てみるわね。\\n フフ、何が入っているのかしらね~」", | |||
"302000811_17": "「……精神論はともかく、現実的な手段としては、わたしたちが\\n もっと連携して戦えるようになる必要があると思うわ」", | |||
"302000811_18": "「……特に、こちらの誰かさんとね」", | |||
"302000811_19": "「……」", | |||
"302000811_20": "「あなたが翼に思うところがあるのはわかってるわ。\\n でも、それとこれとは話が別」", | |||
"302000811_21": "「これからあのノイズと戦っていくには、1人1人がバラバラに\\n 戦うのではなく、協力が必要よ。……わかってるでしょう?」", | |||
"302000811_22": "「…………ああ」", | |||
"302000811_23": "「いいわ。それならあなたも一緒に訓練しましょう。\\n ……まずは相互理解が必要だわ」", | |||
"302000811_24": "「……わかったよ」" | |||
} |
@@ -1,17 +1,17 @@ | |||
{ | |||
"302000812_0": "「……もうこれくらいで十分だろ。\\n あんたたちの動きはわかったよ」", | |||
"302000812_1": "「え……、奏さん?」", | |||
"302000812_2": "「待って、奏ッ!」", | |||
"302000812_3": "「翼」", | |||
"302000812_4": "「マリア……?」", | |||
"302000812_5": "「あなたはここにいなさい。\\n ……当事者じゃ無い方がいいこともあるのよ」", | |||
"302000812_6": "「……わかった」", | |||
"302000812_7": "「……ちょっと待ってくれるかしら」", | |||
"302000812_8": "「何の用だ。\\n ……あんたも向こうのあたしと関係あるのか?」", | |||
"302000812_9": "「いいえ、わたしは何も」", | |||
"302000812_10": "「わたしが知る天羽奏は目の前のあなただけよ。\\n 向こうでも名前くらいなら聞いたことがあるけどね」", | |||
"302000812_11": "「そうか……」", | |||
"302000812_12": "「……自分ではない自分が重圧になっているの?」", | |||
"302000812_13": "「……あんたには関係ないことだ」", | |||
"302000812_14": "「ちょっとッ! 待ちなさいったら」" | |||
{ | |||
"302000812_0": "「……もうこれくらいで十分だろ。\\n あんたたちの動きはわかったよ」", | |||
"302000812_1": "「え……、奏さん?」", | |||
"302000812_2": "「待って、奏ッ!」", | |||
"302000812_3": "「翼」", | |||
"302000812_4": "「マリア……?」", | |||
"302000812_5": "「あなたはここにいなさい。\\n ……当事者じゃ無い方がいいこともあるのよ」", | |||
"302000812_6": "「……わかった」", | |||
"302000812_7": "「……ちょっと待ってくれるかしら」", | |||
"302000812_8": "「何の用だ。\\n ……あんたも向こうのあたしと関係あるのか?」", | |||
"302000812_9": "「いいえ、わたしは何も」", | |||
"302000812_10": "「わたしが知る天羽奏は目の前のあなただけよ。\\n 向こうでも名前くらいなら聞いたことがあるけどね」", | |||
"302000812_11": "「そうか……」", | |||
"302000812_12": "「……自分ではない自分が重圧になっているの?」", | |||
"302000812_13": "「……あんたには関係ないことだ」", | |||
"302000812_14": "「ちょっとッ! 待ちなさいったら」" | |||
} |
@@ -1,44 +1,44 @@ | |||
{ | |||
"302000821_0": "「何でこんなところに……?」", | |||
"302000821_1": "「落ち着くのさ。ったく、こんなとこまで着いてきて」", | |||
"302000821_2": "「…………」", | |||
"302000821_3": "「あたしでないあたしが重圧なのか、って聞いたよな……」", | |||
"302000821_4": "「ええ」", | |||
"302000821_5": "「……わからない。だって向こうのあたしは、\\n 翼にどう接してどう関わっていたのかわからないんだから」", | |||
"302000821_6": "「……」", | |||
"302000821_7": "「あたしはあたしだ。向こうのあたしじゃないし、\\n あたしにとっての翼はこっちの翼だけだ」", | |||
"302000821_8": "「だけど、ダブるんだ……」", | |||
"302000821_9": "「翼は翼で、確かにあたしの知っている翼なんだよ。\\n でも、あたしの翼はもう……」", | |||
"302000821_10": "「そっちの翼を翼として受け入れたら、死んだ本当の翼はどうなるんだ?」", | |||
"302000821_11": "「別人なんだ、そう思っても思い切れない」", | |||
"302000821_12": "「あたしの中の翼が、消えてしまうのが怖いんだよ……」", | |||
"302000821_13": "「……だから翼に余所余所しくしてるの?」", | |||
"302000821_14": "「……あいつは翼じゃない。そう思い続けないと、\\n あたしは翼を忘れてしまう……」", | |||
"302000821_15": "「……あなたの中の翼との1番の想い出って何なのかしら?」", | |||
"302000821_16": "「ツヴァイウィングとして、2人で唄った事だ。\\n 翼の横で、思いっきり唄った事……」", | |||
"302000821_17": "「……知ってる? 翼は今、向こうでは日本を飛び出して、\\n 世界に向けて歌を唄っているわ」", | |||
"302000821_18": "「わたしも向こうじゃちょっとしたアーティストなんだけど、\\n 何度か翼とコラボユニットを組んだりもしてるの」", | |||
"302000821_19": "「翼と……コラボ?」", | |||
"302000821_20": "「そうよ。同じステージで、デュエットソングを唄ったわ。\\n 世界的な歌の祭典でね」", | |||
"302000821_21": "「……」", | |||
"302000821_22": "「あの子の歌の才能は本物よ。階段を駆け上がるように、\\n 世界的なアーティストへと成長して来ている」", | |||
"302000821_23": "「わたしはそんなあの子と唄えるのが楽しい、\\n 唄う度に、次もまた一緒に唄いたいと思ってる」", | |||
"302000821_24": "「……ああ。そうだろうな」", | |||
"302000821_25": "「……唄いたくないの? あなたは一緒に」", | |||
"302000821_26": "「――ッ!?」", | |||
"302000821_27": "「翼は翼よ。あの歌は唯一無二。\\n だからみんなあの子に惹かれる」", | |||
"302000821_28": "「こちらの翼は亡くなったかもしれない、でも翼に偽者も本物も\\n 無いわ。翼が歌を捨てない限り、全て本物の翼よ」", | |||
"302000821_29": "「もう一度聞くわ。あなたは翼と唄いたくないの?」", | |||
"302000821_30": "「唄いたい……唄いたいに決まってんだろッ! だけどッ!\\n あたしはもう……戦い以外の歌を無くしちまったんだッ!」", | |||
"302000821_31": "「そんなあたしが、どうして翼の横に立てるッ!\\n あいつの横で唄う資格なんて、もう無いんだよ……」", | |||
"302000821_32": "「……」", | |||
"302000821_33": "「――マリアくん、聞こえるか?\\n ん、奏も一緒か。ちょうどいい」", | |||
"302000821_34": "「……はい」", | |||
"302000821_35": "「ノイズの反応を検知した。\\n 急ぎ、ランデブーポイントまできてくれ」", | |||
"302000821_36": "「了解したわ」", | |||
"302000821_37": "「……行きましょうか」", | |||
"302000821_38": "「……ああ、怒鳴って悪かったな……」", | |||
"302000821_39": "「気にしないで。わたしが焚き付けたのだから、\\n あなたは悪くないわ。でもね、あなたは一つ間違えてる」", | |||
"302000821_40": "「……間違えてる?」", | |||
"302000821_41": "「――歌を失うことなんて無いわ。あなたは忘れているだけ。\\n 胸の歌は、何があっても無くなる事なんて無いんだから……」" | |||
{ | |||
"302000821_0": "「何でこんなところに……?」", | |||
"302000821_1": "「落ち着くのさ。ったく、こんなとこまで着いてきて」", | |||
"302000821_2": "「…………」", | |||
"302000821_3": "「あたしでないあたしが重圧なのか、って聞いたよな……」", | |||
"302000821_4": "「ええ」", | |||
"302000821_5": "「……わからない。だって向こうのあたしは、\\n 翼にどう接してどう関わっていたのかわからないんだから」", | |||
"302000821_6": "「……」", | |||
"302000821_7": "「あたしはあたしだ。向こうのあたしじゃないし、\\n あたしにとっての翼はこっちの翼だけだ」", | |||
"302000821_8": "「だけど、ダブるんだ……」", | |||
"302000821_9": "「翼は翼で、確かにあたしの知っている翼なんだよ。\\n でも、あたしの翼はもう……」", | |||
"302000821_10": "「そっちの翼を翼として受け入れたら、死んだ本当の翼はどうなるんだ?」", | |||
"302000821_11": "「別人なんだ、そう思っても思い切れない」", | |||
"302000821_12": "「あたしの中の翼が、消えてしまうのが怖いんだよ……」", | |||
"302000821_13": "「……だから翼に余所余所しくしてるの?」", | |||
"302000821_14": "「……あいつは翼じゃない。そう思い続けないと、\\n あたしは翼を忘れてしまう……」", | |||
"302000821_15": "「……あなたの中の翼との1番の想い出って何なのかしら?」", | |||
"302000821_16": "「ツヴァイウィングとして、2人で唄った事だ。\\n 翼の横で、思いっきり唄った事……」", | |||
"302000821_17": "「……知ってる? 翼は今、向こうでは日本を飛び出して、\\n 世界に向けて歌を唄っているわ」", | |||
"302000821_18": "「わたしも向こうじゃちょっとしたアーティストなんだけど、\\n 何度か翼とコラボユニットを組んだりもしてるの」", | |||
"302000821_19": "「翼と……コラボ?」", | |||
"302000821_20": "「そうよ。同じステージで、デュエットソングを唄ったわ。\\n 世界的な歌の祭典でね」", | |||
"302000821_21": "「……」", | |||
"302000821_22": "「あの子の歌の才能は本物よ。階段を駆け上がるように、\\n 世界的なアーティストへと成長して来ている」", | |||
"302000821_23": "「わたしはそんなあの子と唄えるのが楽しい、\\n 唄う度に、次もまた一緒に唄いたいと思ってる」", | |||
"302000821_24": "「……ああ。そうだろうな」", | |||
"302000821_25": "「……唄いたくないの? あなたは一緒に」", | |||
"302000821_26": "「――ッ!?」", | |||
"302000821_27": "「翼は翼よ。あの歌は唯一無二。\\n だからみんなあの子に惹かれる」", | |||
"302000821_28": "「こちらの翼は亡くなったかもしれない、でも翼に偽者も本物も\\n 無いわ。翼が歌を捨てない限り、全て本物の翼よ」", | |||
"302000821_29": "「もう一度聞くわ。あなたは翼と唄いたくないの?」", | |||
"302000821_30": "「唄いたい……唄いたいに決まってんだろッ! だけどッ!\\n あたしはもう……戦い以外の歌を無くしちまったんだッ!」", | |||
"302000821_31": "「そんなあたしが、どうして翼の横に立てるッ!\\n あいつの横で唄う資格なんて、もう無いんだよ……」", | |||
"302000821_32": "「……」", | |||
"302000821_33": "「――マリアくん、聞こえるか?\\n ん、奏も一緒か。ちょうどいい」", | |||
"302000821_34": "「……はい」", | |||
"302000821_35": "「ノイズの反応を検知した。\\n 急ぎ、ランデブーポイントまできてくれ」", | |||
"302000821_36": "「了解したわ」", | |||
"302000821_37": "「……行きましょうか」", | |||
"302000821_38": "「……ああ、怒鳴って悪かったな……」", | |||
"302000821_39": "「気にしないで。わたしが焚き付けたのだから、\\n あなたは悪くないわ。でもね、あなたは一つ間違えてる」", | |||
"302000821_40": "「……間違えてる?」", | |||
"302000821_41": "「――歌を失うことなんて無いわ。あなたは忘れているだけ。\\n 胸の歌は、何があっても無くなる事なんて無いんだから……」" | |||
} |
@@ -1,11 +1,11 @@ | |||
{ | |||
"302000822_0": "(あたしは……歌を忘れているだけなのか……?)", | |||
"302000822_1": "「――ッ!? 奏ッ! 危ないッ!」", | |||
"302000822_2": "「え……?」", | |||
"302000822_3": "「くッ――はああああッ!」", | |||
"302000822_4": "「良かった、奏……」", | |||
"302000822_5": "「……すまない」", | |||
"302000822_6": "「気にしないで。さあ、残りはあと少し。\\n 一気に片付けよう」", | |||
"302000822_7": "(翼……翼の歌が聞こえる……。\\n 戦いの中でも、あたしに響く歌が……)", | |||
"302000822_8": "(唄いたい、一緒に唄いたいのに――ッ!\\n でも……。翼……あたしはどうしたら……)" | |||
{ | |||
"302000822_0": "(あたしは……歌を忘れているだけなのか……?)", | |||
"302000822_1": "「――ッ!? 奏ッ! 危ないッ!」", | |||
"302000822_2": "「え……?」", | |||
"302000822_3": "「くッ――はああああッ!」", | |||
"302000822_4": "「良かった、奏……」", | |||
"302000822_5": "「……すまない」", | |||
"302000822_6": "「気にしないで。さあ、残りはあと少し。\\n 一気に片付けよう」", | |||
"302000822_7": "(翼……翼の歌が聞こえる……。\\n 戦いの中でも、あたしに響く歌が……)", | |||
"302000822_8": "(唄いたい、一緒に唄いたいのに――ッ!\\n でも……。翼……あたしはどうしたら……)" | |||
} |
@@ -1,43 +1,43 @@ | |||
{ | |||
"302000831_0": "(……懐かしい……)", | |||
"302000831_1": "(あたしは夢を見ているのか……)", | |||
"302000831_2": "(この夢は……あの時の……)", | |||
"302000831_3": "「奏ッ! 奏、大丈夫ッ!?」", | |||
"302000831_4": "「ん……ああ、翼か?」", | |||
"302000831_5": "「よかった。気が付いたッ!」", | |||
"302000831_6": "「……くッ、翼、今の状況は……?」", | |||
"302000831_7": "「……見ての通り、だよ。\\n まるで地獄絵図……あのノイズのせいで……」", | |||
"302000831_8": "「何なんだよ……あいつはッ!」", | |||
"302000831_9": "「……奏、わたしのわがままを聞いてくれる?」", | |||
"302000831_10": "「……翼? こんな時に何を……?」", | |||
"302000831_11": "「奏にはずっと唄っていて欲しい。\\n わたしが大好きな奏の歌を絶やさないで欲しい……」", | |||
"302000831_12": "「……おい、翼……?」", | |||
"302000831_13": "「……必ず、奏を護るから。\\n だから、約束」", | |||
"302000831_14": "「おい……何を言ってるんだよッ!」", | |||
"302000831_15": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el baral zizzl――」", | |||
"302000831_16": "「やめろッ! そんなボロボロの状態で絶唱なんて唄ったら――」", | |||
"302000831_17": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el zizzl……」", | |||
"302000831_18": "「――やめろッ! やめてくれ翼ッ!」", | |||
"302000831_19": "「……例えこの身が朽ちようとも、人の世を、無辜なる人々を、\\n そして大切な誰かを護るために――これが風鳴翼の歌だッ!」", | |||
"302000831_20": "「はあああああ――ッ!」", | |||
"302000831_21": "「翼あああああああ――ッ!」", | |||
"302000831_22": "「翼は、限界だった」", | |||
"302000831_23": "「残りの力を全て使って、あのノイズと相打ちになった」", | |||
"302000831_24": "「あたしは、何も出来なかった……」", | |||
"302000831_25": "「……本当に、辞めてしまうのですか?」", | |||
"302000831_26": "「……ああ、翼がいないのに、もう唄う意味なんて――」", | |||
"302000831_27": "「……残念です」", | |||
"302000831_28": "「あんたはどうするんだい?」", | |||
"302000831_29": "「さあ……まだ決めていません」", | |||
"302000831_30": "「ツヴァイウィングのマネージャーの仕事はなくなりますしね……。\\n 奏さんは?」", | |||
"302000831_31": "「あたしは、翼の仇を取る……」", | |||
"302000831_32": "「……そうですか。ご武運を祈っています」", | |||
"302000831_33": "(そう、あたしにもう戦い以外の歌は要らない……)", | |||
"302000831_34": "(ごめんな、翼……。でもあたしはあんたの仇を取りたい。\\n 自己満足だって分かってても、あいつらを許せない)", | |||
"302000831_35": "「……カルマノイズは、まだ残ってる。\\n 翼の仇が討てる……フ、フフ、あはははははッ!」", | |||
"302000831_36": "「…………」", | |||
"302000831_37": "「奏、聞こえるかッ! ノイズが現れたッ!\\n すぐに現場に向かってくれッ!」", | |||
"302000831_38": "「ああ、聞こえてる……」", | |||
"302000831_39": "(あたしは復讐のために歌を捨てたんだ……。\\n 翼の願いに背を向けて……)", | |||
"302000831_40": "(だから、もう翼と唄いたいなんて思っちゃいけない。\\n ……あたしには、復讐の、戦いの歌だけがあればいい)" | |||
{ | |||
"302000831_0": "(……懐かしい……)", | |||
"302000831_1": "(あたしは夢を見ているのか……)", | |||
"302000831_2": "(この夢は……あの時の……)", | |||
"302000831_3": "「奏ッ! 奏、大丈夫ッ!?」", | |||
"302000831_4": "「ん……ああ、翼か?」", | |||
"302000831_5": "「よかった。気が付いたッ!」", | |||
"302000831_6": "「……くッ、翼、今の状況は……?」", | |||
"302000831_7": "「……見ての通り、だよ。\\n まるで地獄絵図……あのノイズのせいで……」", | |||
"302000831_8": "「何なんだよ……あいつはッ!」", | |||
"302000831_9": "「……奏、わたしのわがままを聞いてくれる?」", | |||
"302000831_10": "「……翼? こんな時に何を……?」", | |||
"302000831_11": "「奏にはずっと唄っていて欲しい。\\n わたしが大好きな奏の歌を絶やさないで欲しい……」", | |||
"302000831_12": "「……おい、翼……?」", | |||
"302000831_13": "「……必ず、奏を護るから。\\n だから、約束」", | |||
"302000831_14": "「おい……何を言ってるんだよッ!」", | |||
"302000831_15": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el baral zizzl――」", | |||
"302000831_16": "「やめろッ! そんなボロボロの状態で絶唱なんて唄ったら――」", | |||
"302000831_17": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el zizzl……」", | |||
"302000831_18": "「――やめろッ! やめてくれ翼ッ!」", | |||
"302000831_19": "「……例えこの身が朽ちようとも、人の世を、無辜なる人々を、\\n そして大切な誰かを護るために――これが風鳴翼の歌だッ!」", | |||
"302000831_20": "「はあああああ――ッ!」", | |||
"302000831_21": "「翼あああああああ――ッ!」", | |||
"302000831_22": "「翼は、限界だった」", | |||
"302000831_23": "「残りの力を全て使って、あのノイズと相打ちになった」", | |||
"302000831_24": "「あたしは、何も出来なかった……」", | |||
"302000831_25": "「……本当に、辞めてしまうのですか?」", | |||
"302000831_26": "「……ああ、翼がいないのに、もう唄う意味なんて――」", | |||
"302000831_27": "「……残念です」", | |||
"302000831_28": "「あんたはどうするんだい?」", | |||
"302000831_29": "「さあ……まだ決めていません」", | |||
"302000831_30": "「ツヴァイウィングのマネージャーの仕事はなくなりますしね……。\\n 奏さんは?」", | |||
"302000831_31": "「あたしは、翼の仇を取る……」", | |||
"302000831_32": "「……そうですか。ご武運を祈っています」", | |||
"302000831_33": "(そう、あたしにもう戦い以外の歌は要らない……)", | |||
"302000831_34": "(ごめんな、翼……。でもあたしはあんたの仇を取りたい。\\n 自己満足だって分かってても、あいつらを許せない)", | |||
"302000831_35": "「……カルマノイズは、まだ残ってる。\\n 翼の仇が討てる……フ、フフ、あはははははッ!」", | |||
"302000831_36": "「…………」", | |||
"302000831_37": "「奏、聞こえるかッ! ノイズが現れたッ!\\n すぐに現場に向かってくれッ!」", | |||
"302000831_38": "「ああ、聞こえてる……」", | |||
"302000831_39": "(あたしは復讐のために歌を捨てたんだ……。\\n 翼の願いに背を向けて……)", | |||
"302000831_40": "(だから、もう翼と唄いたいなんて思っちゃいけない。\\n ……あたしには、復讐の、戦いの歌だけがあればいい)" | |||
} |
@@ -1,11 +1,11 @@ | |||
{ | |||
"302000841_0": "「――来やがったッ!」", | |||
"302000841_1": "「あれは――カルマノイズッ!」", | |||
"302000841_2": "「現れたわね……」", | |||
"302000841_3": "「……待っていたよ。\\n 今度こそ、あたしが倒してやるッ!」", | |||
"302000841_4": "「奏さん……?」", | |||
"302000841_5": "(あいつさえいなければ、あたしは翼の隣にいられた。\\n あいつさえいなければ、あたしは翼と夢を追いかけられた)", | |||
"302000841_6": "「奏――ッ!?」", | |||
"302000841_7": "「くッ……落ち着きなさいッ!\\n これだけノイズがいては、あいつには届かないわッ!」", | |||
"302000841_8": "「あいつは、あいつだけはあたしが殺すッ!\\n 邪魔するノイズも……全部ぶっ殺してやるッ!」" | |||
{ | |||
"302000841_0": "「――来やがったッ!」", | |||
"302000841_1": "「あれは――カルマノイズッ!」", | |||
"302000841_2": "「現れたわね……」", | |||
"302000841_3": "「……待っていたよ。\\n 今度こそ、あたしが倒してやるッ!」", | |||
"302000841_4": "「奏さん……?」", | |||
"302000841_5": "(あいつさえいなければ、あたしは翼の隣にいられた。\\n あいつさえいなければ、あたしは翼と夢を追いかけられた)", | |||
"302000841_6": "「奏――ッ!?」", | |||
"302000841_7": "「くッ……落ち着きなさいッ!\\n これだけノイズがいては、あいつには届かないわッ!」", | |||
"302000841_8": "「あいつは、あいつだけはあたしが殺すッ!\\n 邪魔するノイズも……全部ぶっ殺してやるッ!」" | |||
} |
@@ -1,22 +1,22 @@ | |||
{ | |||
"302000851_0": "「邪魔者は片付いたッ!\\n これで翼の痛みを……思い知りなッ!」", | |||
"302000851_1": "「奏ッ! ダメだ――ッ!」", | |||
"302000851_2": "「なッ!? 避けられ――ッ!」", | |||
"302000851_3": "(――いつの間にこんな近くにッ!?\\n ダメだ、こりゃ避けられないな……)", | |||
"302000851_4": "「奏えええええッ!」", | |||
"302000851_5": "(翼……ごめんな……)", | |||
"302000851_6": "「――させるかあああああッ!」", | |||
"302000851_7": "「な――ッ!? そんなッ!?」", | |||
"302000851_8": "「ぐッ!? ……あああああッ!」", | |||
"302000851_9": "「翼さんッ!?」", | |||
"302000851_10": "「翼ッ!?」", | |||
"302000851_11": "「な、あ、あたしを庇って――ッ!?\\n なんてことしてるんだッ!」", | |||
"302000851_12": "「よかった……今度は間に合った……くッ」", | |||
"302000851_13": "「い、痛むのかッ!? 何で庇ったりなんか――」", | |||
"302000851_14": "「奏が危ないのに、わたしが見てるなんて\\n 出来るわけがないじゃない……」", | |||
"302000851_15": "「バカやろう……」", | |||
"302000851_16": "「――だけど、バカをした意味はあった。\\n 奏、わたしたちと一緒に戦って欲しい……」", | |||
"302000851_17": "「わかった、戦ってやるから……。\\n だからお前はそのまま休んで――」", | |||
"302000851_18": "「そういうわけにはいかない……」", | |||
"302000851_19": "「――休むなら、あいつを倒してからだッ!」" | |||
{ | |||
"302000851_0": "「邪魔者は片付いたッ!\\n これで翼の痛みを……思い知りなッ!」", | |||
"302000851_1": "「奏ッ! ダメだ――ッ!」", | |||
"302000851_2": "「なッ!? 避けられ――ッ!」", | |||
"302000851_3": "(――いつの間にこんな近くにッ!?\\n ダメだ、こりゃ避けられないな……)", | |||
"302000851_4": "「奏えええええッ!」", | |||
"302000851_5": "(翼……ごめんな……)", | |||
"302000851_6": "「――させるかあああああッ!」", | |||
"302000851_7": "「な――ッ!? そんなッ!?」", | |||
"302000851_8": "「ぐッ!? ……あああああッ!」", | |||
"302000851_9": "「翼さんッ!?」", | |||
"302000851_10": "「翼ッ!?」", | |||
"302000851_11": "「な、あ、あたしを庇って――ッ!?\\n なんてことしてるんだッ!」", | |||
"302000851_12": "「よかった……今度は間に合った……くッ」", | |||
"302000851_13": "「い、痛むのかッ!? 何で庇ったりなんか――」", | |||
"302000851_14": "「奏が危ないのに、わたしが見てるなんて\\n 出来るわけがないじゃない……」", | |||
"302000851_15": "「バカやろう……」", | |||
"302000851_16": "「――だけど、バカをした意味はあった。\\n 奏、わたしたちと一緒に戦って欲しい……」", | |||
"302000851_17": "「わかった、戦ってやるから……。\\n だからお前はそのまま休んで――」", | |||
"302000851_18": "「そういうわけにはいかない……」", | |||
"302000851_19": "「――休むなら、あいつを倒してからだッ!」" | |||
} |
@@ -1,24 +1,24 @@ | |||
{ | |||
"302000852_0": "「くッ……これじゃまだ足りないのッ!?\\n 再生しているッ!?」", | |||
"302000852_1": "「立花ッ! S2CAだッ!\\n 絶唱の力で、一気にあいつを殲滅するッ!」", | |||
"302000852_2": "「翼さんッ、でもその怪我じゃ……」", | |||
"302000852_3": "「問題ない――。\\n 防人の剣は、この程度で手折られはしないッ!」", | |||
"302000852_4": "「……わかりましたッ!」", | |||
"302000852_5": "「おいッ! お前たち、一体何を……」", | |||
"302000852_6": "「……少しの間、あいつを抑えていて。\\n 頼んだわよ……」", | |||
"302000852_7": "「……わ、わかった」", | |||
"302000852_8": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el baral zizzl――」", | |||
"302000852_9": "「絶唱――ッ!<speed=1>?</speed>\\n しかも3人同時って……何をッ!?」", | |||
"302000852_10": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el zizzl……」", | |||
"302000852_11": "「セットッ! ハーモニクスッ!」", | |||
"302000852_12": "「な――ッ!?\\n いったい何がどうなっていやがるッ!?」", | |||
"302000852_13": "「――行きますッ!\\n はああああああ――ッ!」", | |||
"302000852_14": "「……倒した、か?」", | |||
"302000852_15": "「はい……やりましたッ!」", | |||
"302000852_16": "「……ええ、そうね」", | |||
"302000852_17": "「……これが、翼たちの力……」", | |||
"302000852_18": "「さすがは……立花、だ……」", | |||
"302000852_19": "「翼さんッ!」", | |||
"302000852_20": "「翼ッ!」", | |||
"302000852_21": "「おい……翼?\\n 翼あああああ――ッ!」" | |||
{ | |||
"302000852_0": "「くッ……これじゃまだ足りないのッ!?\\n 再生しているッ!?」", | |||
"302000852_1": "「立花ッ! S2CAだッ!\\n 絶唱の力で、一気にあいつを殲滅するッ!」", | |||
"302000852_2": "「翼さんッ、でもその怪我じゃ……」", | |||
"302000852_3": "「問題ない――。\\n 防人の剣は、この程度で手折られはしないッ!」", | |||
"302000852_4": "「……わかりましたッ!」", | |||
"302000852_5": "「おいッ! お前たち、一体何を……」", | |||
"302000852_6": "「……少しの間、あいつを抑えていて。\\n 頼んだわよ……」", | |||
"302000852_7": "「……わ、わかった」", | |||
"302000852_8": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el baral zizzl――」", | |||
"302000852_9": "「絶唱――ッ!<speed=1>?</speed>\\n しかも3人同時って……何をッ!?」", | |||
"302000852_10": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el zizzl……」", | |||
"302000852_11": "「セットッ! ハーモニクスッ!」", | |||
"302000852_12": "「な――ッ!?\\n いったい何がどうなっていやがるッ!?」", | |||
"302000852_13": "「――行きますッ!\\n はああああああ――ッ!」", | |||
"302000852_14": "「……倒した、か?」", | |||
"302000852_15": "「はい……やりましたッ!」", | |||
"302000852_16": "「……ええ、そうね」", | |||
"302000852_17": "「……これが、翼たちの力……」", | |||
"302000852_18": "「さすがは……立花、だ……」", | |||
"302000852_19": "「翼さんッ!」", | |||
"302000852_20": "「翼ッ!」", | |||
"302000852_21": "「おい……翼?\\n 翼あああああ――ッ!」" | |||
} |
@@ -1,22 +1,22 @@ | |||
{ | |||
"302000911_0": "憎しみと後悔", | |||
"302000911_1": "「了子さんッ! 翼の容態はッ!」", | |||
"302000911_2": "「……まだなんとも言えないわ。\\n 怪我の影響と極度の疲労による衰弱。全身ボロボロよ」", | |||
"302000911_3": "「翼さん……」", | |||
"302000911_4": "「翼……」", | |||
"302000911_5": "「……なぁ、翼に会わせてくれッ!」", | |||
"302000911_6": "「無茶言わないの。これは専門家の仕事。\\n 絶対に翼ちゃんは助けてみせるから、そのまま待ってなさい」", | |||
"302000911_7": "「翼……くそッ! 全部、あいつらが……あのノイズ共が\\n 悪いんだッ! だから――ッ!」", | |||
"302000911_8": "「あいつらを根絶やしにする、とでも言うつもり?」", | |||
"302000911_9": "「……そうだ」", | |||
"302000911_10": "「無理ね。この世界ではソロモンの杖は見つかっていない。\\n バビロニアの宝物庫を閉じない限り、ノイズは現れ続ける」", | |||
"302000911_11": "「……子供じみたことを言う前にちゃんと考えたらどう?」", | |||
"302000911_12": "「マリアさん……」", | |||
"302000911_13": "「……わかってる。本当はあたしが悪いんだ。\\n あいつを、翼を受け入れてちゃんと協力していたら――」", | |||
"302000911_14": "「翼の歌は届いていたのに。あたしは、翼は翼だと分かって\\n いたのに、どうしてあたしは……」", | |||
"302000911_15": "「奏さん……」", | |||
"302000911_16": "「……ノイズね」", | |||
"302000911_17": "「――ノイズッ!」", | |||
"302000911_18": "「奏さんッ!\\n ……マリアさん、わたしたちもッ!」", | |||
"302000911_19": "「……ええ、翼の分も戦いましょう」" | |||
{ | |||
"302000911_0": "憎しみと後悔", | |||
"302000911_1": "「了子さんッ! 翼の容態はッ!」", | |||
"302000911_2": "「……まだなんとも言えないわ。\\n 怪我の影響と極度の疲労による衰弱。全身ボロボロよ」", | |||
"302000911_3": "「翼さん……」", | |||
"302000911_4": "「翼……」", | |||
"302000911_5": "「……なぁ、翼に会わせてくれッ!」", | |||
"302000911_6": "「無茶言わないの。これは専門家の仕事。\\n 絶対に翼ちゃんは助けてみせるから、そのまま待ってなさい」", | |||
"302000911_7": "「翼……くそッ! 全部、あいつらが……あのノイズ共が\\n 悪いんだッ! だから――ッ!」", | |||
"302000911_8": "「あいつらを根絶やしにする、とでも言うつもり?」", | |||
"302000911_9": "「……そうだ」", | |||
"302000911_10": "「無理ね。この世界ではソロモンの杖は見つかっていない。\\n バビロニアの宝物庫を閉じない限り、ノイズは現れ続ける」", | |||
"302000911_11": "「……子供じみたことを言う前にちゃんと考えたらどう?」", | |||
"302000911_12": "「マリアさん……」", | |||
"302000911_13": "「……わかってる。本当はあたしが悪いんだ。\\n あいつを、翼を受け入れてちゃんと協力していたら――」", | |||
"302000911_14": "「翼の歌は届いていたのに。あたしは、翼は翼だと分かって\\n いたのに、どうしてあたしは……」", | |||
"302000911_15": "「奏さん……」", | |||
"302000911_16": "「……ノイズね」", | |||
"302000911_17": "「――ノイズッ!」", | |||
"302000911_18": "「奏さんッ!\\n ……マリアさん、わたしたちもッ!」", | |||
"302000911_19": "「……ええ、翼の分も戦いましょう」" | |||
} |
@@ -1,41 +1,41 @@ | |||
{ | |||
"302000912_0": "「――くッ、まだ増えるのッ!?」", | |||
"302000912_1": "「奏さんッ、マリアさんッ。\\n ここは体制を立て直して――ッ!?」", | |||
"302000912_2": "「……来るなら来い。\\n あたしは虫の居所が悪いんだ……」", | |||
"302000912_3": "「奏ッ! 何をするつもりだっ!」", | |||
"302000912_4": "「ノイズ共にたっぷり聞かせてやるよ……。\\n このあたしに唯一残っている……戦いの歌をッ!」", | |||
"302000912_5": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el baral zizzl――」", | |||
"302000912_6": "「奏さんッ!?」", | |||
"302000912_7": "「くッ、バカなことを――ッ!」", | |||
"302000912_8": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el zizzl……」", | |||
"302000912_9": "(全部……ぶっつぶしてやるッ!)", | |||
"302000912_10": "「――Emustolronzen fine el zizzl……」", | |||
"302000912_11": "「ぐううううう――ッ!」", | |||
"302000912_12": "「――ッ!? 絶唱の力が――ッ!?」", | |||
"302000912_13": "「――ッ! いいわッ、その力を正面のノイズにッ!」", | |||
"302000912_14": "「とりぁぁぁぁぁッ!」", | |||
"302000912_15": "「この前、あのノイズを倒したときのように、今度はあたしの\\n 絶唱の力を……?」", | |||
"302000912_16": "「はあ、はあ……奏さんッ!\\n ――生きることを諦めないでッ!」", | |||
"302000912_17": "「――ッ!?」", | |||
"302000912_18": "(あたしは、諦めようとしていたのか……)", | |||
"302000912_19": "「はあッ、はあッ……くッ……」", | |||
"302000912_20": "「ちょっと、大丈夫ッ!?」", | |||
"302000912_21": "「だ、大丈夫です……ただちょっと、疲れました……」", | |||
"302000912_22": "「……ほら。あたしが運んでやる……」", | |||
"302000912_23": "「か、奏さん?」", | |||
"302000912_24": "「……話って何だ?」", | |||
"302000912_25": "「……どうもわたしもお節介な性分みたいなのよね。\\n それに、あなたにはどうしても一言言いたくて」", | |||
"302000912_26": "「いい加減、自分を偽るのはやめなさい」", | |||
"302000912_27": "「……」", | |||
"302000912_28": "「翼に怪我をさせた挙句、ノイズへの憎しみで自分の本心を\\n 全部覆い隠して、1人で死のうだなんて、ふざけないで」", | |||
"302000912_29": "「わたしはあなたの尻拭いをするためにいるんじゃない。\\n 勝手な行動ばかりして、何様のつもりなの?」", | |||
"302000912_30": "「……あたしは――」", | |||
"302000912_31": "「この前、わたしに翼と唄いたいといったのがあなたの\\n 本心でしょう」", | |||
"302000912_32": "「なのに、その本心から目を背け、真逆の行動ばかり……」", | |||
"302000912_33": "「翼と居たいんでしょう。一緒に唄いたいんでしょう。\\n なら、ちゃんと翼を見なさいッ!」", | |||
"302000912_34": "「……」", | |||
"302000912_35": "「あなたが1人で死ぬのはあなたの勝手かもしれない。\\n でもそれを後で翼が知ったらどう思うかくらい分かるでしょう」", | |||
"302000912_36": "「片翼を失って悲しんでいるのは、あなただけじゃないのよ」", | |||
"302000912_37": "「……」", | |||
"302000912_38": "「自暴自棄になる前に、もう一度自分の気持ちを\\n きちんと見つめなおしてみなさい」" | |||
{ | |||
"302000912_0": "「――くッ、まだ増えるのッ!?」", | |||
"302000912_1": "「奏さんッ、マリアさんッ。\\n ここは体制を立て直して――ッ!?」", | |||
"302000912_2": "「……来るなら来い。\\n あたしは虫の居所が悪いんだ……」", | |||
"302000912_3": "「奏ッ! 何をするつもりだっ!」", | |||
"302000912_4": "「ノイズ共にたっぷり聞かせてやるよ……。\\n このあたしに唯一残っている……戦いの歌をッ!」", | |||
"302000912_5": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el baral zizzl――」", | |||
"302000912_6": "「奏さんッ!?」", | |||
"302000912_7": "「くッ、バカなことを――ッ!」", | |||
"302000912_8": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el zizzl……」", | |||
"302000912_9": "(全部……ぶっつぶしてやるッ!)", | |||
"302000912_10": "「――Emustolronzen fine el zizzl……」", | |||
"302000912_11": "「ぐううううう――ッ!」", | |||
"302000912_12": "「――ッ!? 絶唱の力が――ッ!?」", | |||
"302000912_13": "「――ッ! いいわッ、その力を正面のノイズにッ!」", | |||
"302000912_14": "「とりぁぁぁぁぁッ!」", | |||
"302000912_15": "「この前、あのノイズを倒したときのように、今度はあたしの\\n 絶唱の力を……?」", | |||
"302000912_16": "「はあ、はあ……奏さんッ!\\n ――生きることを諦めないでッ!」", | |||
"302000912_17": "「――ッ!?」", | |||
"302000912_18": "(あたしは、諦めようとしていたのか……)", | |||
"302000912_19": "「はあッ、はあッ……くッ……」", | |||
"302000912_20": "「ちょっと、大丈夫ッ!?」", | |||
"302000912_21": "「だ、大丈夫です……ただちょっと、疲れました……」", | |||
"302000912_22": "「……ほら。あたしが運んでやる……」", | |||
"302000912_23": "「か、奏さん?」", | |||
"302000912_24": "「……話って何だ?」", | |||
"302000912_25": "「……どうもわたしもお節介な性分みたいなのよね。\\n それに、あなたにはどうしても一言言いたくて」", | |||
"302000912_26": "「いい加減、自分を偽るのはやめなさい」", | |||
"302000912_27": "「……」", | |||
"302000912_28": "「翼に怪我をさせた挙句、ノイズへの憎しみで自分の本心を\\n 全部覆い隠して、1人で死のうだなんて、ふざけないで」", | |||
"302000912_29": "「わたしはあなたの尻拭いをするためにいるんじゃない。\\n 勝手な行動ばかりして、何様のつもりなの?」", | |||
"302000912_30": "「……あたしは――」", | |||
"302000912_31": "「この前、わたしに翼と唄いたいといったのがあなたの\\n 本心でしょう」", | |||
"302000912_32": "「なのに、その本心から目を背け、真逆の行動ばかり……」", | |||
"302000912_33": "「翼と居たいんでしょう。一緒に唄いたいんでしょう。\\n なら、ちゃんと翼を見なさいッ!」", | |||
"302000912_34": "「……」", | |||
"302000912_35": "「あなたが1人で死ぬのはあなたの勝手かもしれない。\\n でもそれを後で翼が知ったらどう思うかくらい分かるでしょう」", | |||
"302000912_36": "「片翼を失って悲しんでいるのは、あなただけじゃないのよ」", | |||
"302000912_37": "「……」", | |||
"302000912_38": "「自暴自棄になる前に、もう一度自分の気持ちを\\n きちんと見つめなおしてみなさい」" | |||
} |
@@ -1,38 +1,38 @@ | |||
{ | |||
"302001011_0": "受け継がれた想い", | |||
"302001011_1": "(翼は翼、そんな単純なことがわからなかった。\\n 全く、本当にあたしはバカだ……)", | |||
"302001011_2": "(いや、違うな……本当はわかっていたんだ。\\n ただ、受け入れられなかっただけ……)", | |||
"302001011_3": "(そのせいで、また翼を失いそうになってる……)", | |||
"302001011_4": "(どうすれば、翼と一緒に唄える?\\n どうすれば、あの頃の歌を取り戻せる?)", | |||
"302001011_5": "「翼……。\\n あたしも翼の隣で唄いたい……」", | |||
"302001011_6": "「……奏?」", | |||
"302001011_7": "(夢の中で、奏の声を聞いたような気がする……)", | |||
"302001011_8": "(わたしも、待っている……大好きな奏の歌を聞ける日を……)", | |||
"302001011_9": "「すまない……心配をかけた」", | |||
"302001011_10": "「翼さ~んッ! よかった……」", | |||
"302001011_11": "「あんまり心配かけないでよね……」", | |||
"302001011_12": "「……大丈夫なのか?」", | |||
"302001011_13": "「ええ……もう大丈夫。ありがとう……。\\n カルマノイズとの戦いもあるし、わたしも戦線に――」", | |||
"302001011_14": "「それは、ドクターストップ。\\n まだまだ安静にしていること」", | |||
"302001011_15": "「さ、櫻井女史……」", | |||
"302001011_16": "「もう、起き上がるだけでもまだ辛いでしょうに。\\n さすがに戦闘なんて出来ないわよ。当分は休むこと」", | |||
"302001011_17": "「翼さん、無理はしないでください。\\n あ、一度向こうに戻って休むのはどうでしょう?」", | |||
"302001011_18": "「……いや、邪魔でないならこちらにいさせて欲しい。\\n 体が治ったらすぐに戦線に復帰したいし……。いいかな?」", | |||
"302001011_19": "「……あたしは、いいと思うよ」", | |||
"302001011_20": "「奏……」", | |||
"302001011_21": "「翼の力は必要だ。\\n だから反対するつもりは無いよ」", | |||
"302001011_22": "「ありがとう、奏……」", | |||
"302001011_23": "「……フフ、良かったわね」", | |||
"302001011_24": "「……なんであたしを見て言うんだよ。\\n 相手が違うんじゃないかい?」", | |||
"302001011_25": "「そう? そんな事無いと思うけど」", | |||
"302001011_26": "「わっかりましたッ! それなら不肖、この立花響が\\n 翼さんが治るまで部屋の片づけを担当して――ッ!」", | |||
"302001011_27": "「立花ッ、そ、それくらいは自分でやるッ!」", | |||
"302001011_28": "「万全の体調でも出来ないことを、無理にやるなんて\\n 言うものじゃないわ。諦めなさい、翼」", | |||
"302001011_29": "「……なんだ、翼はまだ片づけが出来ないままなのかい?」", | |||
"302001011_30": "「か、奏まで……」", | |||
"302001011_31": "「雨降って地固まる……か。\\n いいことだ」", | |||
"302001011_32": "「奏ちゃんも、これで少し余裕が出来るといいわね」", | |||
"302001011_33": "「さて、それじゃ訓練でもしようか」", | |||
"302001011_34": "「ええ、そうしましょう。翼の復帰まではまだ時間がかかるし、\\n やれる事はやっておいたほうがいいわ」", | |||
"302001011_35": "「みんなで、頑張りましょうッ!」" | |||
{ | |||
"302001011_0": "受け継がれた想い", | |||
"302001011_1": "(翼は翼、そんな単純なことがわからなかった。\\n 全く、本当にあたしはバカだ……)", | |||
"302001011_2": "(いや、違うな……本当はわかっていたんだ。\\n ただ、受け入れられなかっただけ……)", | |||
"302001011_3": "(そのせいで、また翼を失いそうになってる……)", | |||
"302001011_4": "(どうすれば、翼と一緒に唄える?\\n どうすれば、あの頃の歌を取り戻せる?)", | |||
"302001011_5": "「翼……。\\n あたしも翼の隣で唄いたい……」", | |||
"302001011_6": "「……奏?」", | |||
"302001011_7": "(夢の中で、奏の声を聞いたような気がする……)", | |||
"302001011_8": "(わたしも、待っている……大好きな奏の歌を聞ける日を……)", | |||
"302001011_9": "「すまない……心配をかけた」", | |||
"302001011_10": "「翼さ~んッ! よかった……」", | |||
"302001011_11": "「あんまり心配かけないでよね……」", | |||
"302001011_12": "「……大丈夫なのか?」", | |||
"302001011_13": "「ええ……もう大丈夫。ありがとう……。\\n カルマノイズとの戦いもあるし、わたしも戦線に――」", | |||
"302001011_14": "「それは、ドクターストップ。\\n まだまだ安静にしていること」", | |||
"302001011_15": "「さ、櫻井女史……」", | |||
"302001011_16": "「もう、起き上がるだけでもまだ辛いでしょうに。\\n さすがに戦闘なんて出来ないわよ。当分は休むこと」", | |||
"302001011_17": "「翼さん、無理はしないでください。\\n あ、一度向こうに戻って休むのはどうでしょう?」", | |||
"302001011_18": "「……いや、邪魔でないならこちらにいさせて欲しい。\\n 体が治ったらすぐに戦線に復帰したいし……。いいかな?」", | |||
"302001011_19": "「……あたしは、いいと思うよ」", | |||
"302001011_20": "「奏……」", | |||
"302001011_21": "「翼の力は必要だ。\\n だから反対するつもりは無いよ」", | |||
"302001011_22": "「ありがとう、奏……」", | |||
"302001011_23": "「……フフ、良かったわね」", | |||
"302001011_24": "「……なんであたしを見て言うんだよ。\\n 相手が違うんじゃないかい?」", | |||
"302001011_25": "「そう? そんな事無いと思うけど」", | |||
"302001011_26": "「わっかりましたッ! それなら不肖、この立花響が\\n 翼さんが治るまで部屋の片づけを担当して――ッ!」", | |||
"302001011_27": "「立花ッ、そ、それくらいは自分でやるッ!」", | |||
"302001011_28": "「万全の体調でも出来ないことを、無理にやるなんて\\n 言うものじゃないわ。諦めなさい、翼」", | |||
"302001011_29": "「……なんだ、翼はまだ片づけが出来ないままなのかい?」", | |||
"302001011_30": "「か、奏まで……」", | |||
"302001011_31": "「雨降って地固まる……か。\\n いいことだ」", | |||
"302001011_32": "「奏ちゃんも、これで少し余裕が出来るといいわね」", | |||
"302001011_33": "「さて、それじゃ訓練でもしようか」", | |||
"302001011_34": "「ええ、そうしましょう。翼の復帰まではまだ時間がかかるし、\\n やれる事はやっておいたほうがいいわ」", | |||
"302001011_35": "「みんなで、頑張りましょうッ!」" | |||
} |
@@ -1,10 +1,10 @@ | |||
{ | |||
"302001012_0": "「このくらいにしておきましょうか」", | |||
"302001012_1": "「……なあ、ちょっといいか?」", | |||
"302001012_2": "「え? わたしですか?」", | |||
"302001012_3": "「ああ、ちょっとこの後付き合ってくれないか?\\n もう少し体を動かしたい気分なんでね」", | |||
"302001012_4": "「そういうことなら是非ッ!\\n お手伝いしますッ!」", | |||
"302001012_5": "「ありがとな。それじゃあ、行こうか」", | |||
"302001012_6": "「え、ちょ、ちょっと待ってください。\\n わたしまだギアのままです~」", | |||
"302001012_7": "「……フフ、少しは素直になれたのかしらね」" | |||
{ | |||
"302001012_0": "「このくらいにしておきましょうか」", | |||
"302001012_1": "「……なあ、ちょっといいか?」", | |||
"302001012_2": "「え? わたしですか?」", | |||
"302001012_3": "「ああ、ちょっとこの後付き合ってくれないか?\\n もう少し体を動かしたい気分なんでね」", | |||
"302001012_4": "「そういうことなら是非ッ!\\n お手伝いしますッ!」", | |||
"302001012_5": "「ありがとな。それじゃあ、行こうか」", | |||
"302001012_6": "「え、ちょ、ちょっと待ってください。\\n わたしまだギアのままです~」", | |||
"302001012_7": "「……フフ、少しは素直になれたのかしらね」" | |||
} |
@@ -1,39 +1,39 @@ | |||
{ | |||
"302001021_0": "「はあああああッ!」", | |||
"302001021_1": "「とりぁぁぁぁぁッ!」", | |||
"302001021_2": "「思った通りだ。いい拳を持ってるじゃないかッ!」", | |||
"302001021_3": "「はいッ、ありがとうございますッ!」", | |||
"302001021_4": "「弦十郎のダンナの弟子なんだっけ。よく鍛えてるなッ!」", | |||
"302001021_5": "「師匠はわたしなんかよりものすごく強いですよッ!」", | |||
"302001021_6": "「こりゃ、そっちのダンナともぜひ手合わせして\\n みたいもんだねッ!」", | |||
"302001021_7": "「師匠、喜ぶと思いますッ!」", | |||
"302001021_8": "「……いい汗かいたね、これくらいにしとこうか」", | |||
"302001021_9": "「はいッ」", | |||
"302001021_10": "「……この前は悪かった。\\n それに、ありがとうな……」", | |||
"302001021_11": "「ふえ? あの、何のことでしょう……?」", | |||
"302001021_12": "「……ギアを盗った時の事と、生きるのを諦めるなって\\n 言ってくれた時の事だよ」", | |||
"302001021_13": "「そ、そんなッ!\\n 奏さんに謝られたり感謝されるような事じゃ無いですッ!」", | |||
"302001021_14": "「そもそも、生きるのを諦めるなってわたしに教えてくれたのは\\n 奏さんですからッ!」", | |||
"302001021_15": "「あたしが……?」", | |||
"302001021_16": "「はいッ!」", | |||
"302001021_17": "「それじゃ、そっちのあたしは、かなり出来た人間\\n みたいだね……」", | |||
"302001021_18": "「あんたにそれを言われて、気づいたんだ。\\n あたしはずっと、生きるのを諦めたがってた、ってね……」", | |||
"302001021_19": "「奏さん……」", | |||
"302001021_20": "「翼が死んで、あたしは1人になった。\\n それから、仇討ちなんてのを口実に翼の後を追おうと……」", | |||
"302001021_21": "「翼に助けてもらった命を、翼の思いを踏みにじってたんだ。\\n 誰よりも諦めちゃいけないはずのあたしが……」", | |||
"302001021_22": "「戦いも、歌も、何もかもを諦めてた。\\n そんな時、あんたたちとそっちの翼がやってきたんだ」", | |||
"302001021_23": "「眩しかった。あんたたちが。\\n あたしが無くしたものを全部持っているように見えてさ」", | |||
"302001021_24": "「奏さんは何も無くしてなんて無いです」", | |||
"302001021_25": "「……この前、同じようなことを言われたよ。\\n あたしは無くしたつもりになってただけだった」", | |||
"302001021_26": "「あたしもやり直したい、\\n 翼と一緒に戦って、唄っていたあの頃のように」", | |||
"302001021_27": "「奏さんなら出来ますッ!」", | |||
"302001021_28": "「ああ、ありがとう……。あたしが言うのもなんだけど、\\n あんたみたいなのがガングニールを継いでくれてよかった」", | |||
"302001021_29": "「……多分だけど、逝っちまったそっちのあたしも、きっと\\n そう思っているんじゃないかな」", | |||
"302001021_30": "「奏さん……ありがとうございますッ!」", | |||
"302001021_31": "「さて、休憩はこれくらいにして、もう少し本格的な\\n 訓練をしようか。……今度はギアありで」", | |||
"302001021_32": "「ええええッ!? でも、ここでギアなんて\\n 使って大丈夫なんですか……?」", | |||
"302001021_33": "「大丈夫さ。ここは二課が管理している国有地だからね。\\n 多少何かあっても弦十郎のダンナが何とかしてくれる」", | |||
"302001021_34": "「それに、シミュレータが出来る前はこの辺りで訓練してた\\n 事もあったんだよ。翼と一緒にね」", | |||
"302001021_35": "「そういうことなら……はいッ! 宜しくお願いします」", | |||
"302001021_36": "「いい返事だ。\\n それじゃ、手加減抜きでいくぞッ!」" | |||
{ | |||
"302001021_0": "「はあああああッ!」", | |||
"302001021_1": "「とりぁぁぁぁぁッ!」", | |||
"302001021_2": "「思った通りだ。いい拳を持ってるじゃないかッ!」", | |||
"302001021_3": "「はいッ、ありがとうございますッ!」", | |||
"302001021_4": "「弦十郎のダンナの弟子なんだっけ。よく鍛えてるなッ!」", | |||
"302001021_5": "「師匠はわたしなんかよりものすごく強いですよッ!」", | |||
"302001021_6": "「こりゃ、そっちのダンナともぜひ手合わせして\\n みたいもんだねッ!」", | |||
"302001021_7": "「師匠、喜ぶと思いますッ!」", | |||
"302001021_8": "「……いい汗かいたね、これくらいにしとこうか」", | |||
"302001021_9": "「はいッ」", | |||
"302001021_10": "「……この前は悪かった。\\n それに、ありがとうな……」", | |||
"302001021_11": "「ふえ? あの、何のことでしょう……?」", | |||
"302001021_12": "「……ギアを盗った時の事と、生きるのを諦めるなって\\n 言ってくれた時の事だよ」", | |||
"302001021_13": "「そ、そんなッ!\\n 奏さんに謝られたり感謝されるような事じゃ無いですッ!」", | |||
"302001021_14": "「そもそも、生きるのを諦めるなってわたしに教えてくれたのは\\n 奏さんですからッ!」", | |||
"302001021_15": "「あたしが……?」", | |||
"302001021_16": "「はいッ!」", | |||
"302001021_17": "「それじゃ、そっちのあたしは、かなり出来た人間\\n みたいだね……」", | |||
"302001021_18": "「あんたにそれを言われて、気づいたんだ。\\n あたしはずっと、生きるのを諦めたがってた、ってね……」", | |||
"302001021_19": "「奏さん……」", | |||
"302001021_20": "「翼が死んで、あたしは1人になった。\\n それから、仇討ちなんてのを口実に翼の後を追おうと……」", | |||
"302001021_21": "「翼に助けてもらった命を、翼の思いを踏みにじってたんだ。\\n 誰よりも諦めちゃいけないはずのあたしが……」", | |||
"302001021_22": "「戦いも、歌も、何もかもを諦めてた。\\n そんな時、あんたたちとそっちの翼がやってきたんだ」", | |||
"302001021_23": "「眩しかった。あんたたちが。\\n あたしが無くしたものを全部持っているように見えてさ」", | |||
"302001021_24": "「奏さんは何も無くしてなんて無いです」", | |||
"302001021_25": "「……この前、同じようなことを言われたよ。\\n あたしは無くしたつもりになってただけだった」", | |||
"302001021_26": "「あたしもやり直したい、\\n 翼と一緒に戦って、唄っていたあの頃のように」", | |||
"302001021_27": "「奏さんなら出来ますッ!」", | |||
"302001021_28": "「ああ、ありがとう……。あたしが言うのもなんだけど、\\n あんたみたいなのがガングニールを継いでくれてよかった」", | |||
"302001021_29": "「……多分だけど、逝っちまったそっちのあたしも、きっと\\n そう思っているんじゃないかな」", | |||
"302001021_30": "「奏さん……ありがとうございますッ!」", | |||
"302001021_31": "「さて、休憩はこれくらいにして、もう少し本格的な\\n 訓練をしようか。……今度はギアありで」", | |||
"302001021_32": "「ええええッ!? でも、ここでギアなんて\\n 使って大丈夫なんですか……?」", | |||
"302001021_33": "「大丈夫さ。ここは二課が管理している国有地だからね。\\n 多少何かあっても弦十郎のダンナが何とかしてくれる」", | |||
"302001021_34": "「それに、シミュレータが出来る前はこの辺りで訓練してた\\n 事もあったんだよ。翼と一緒にね」", | |||
"302001021_35": "「そういうことなら……はいッ! 宜しくお願いします」", | |||
"302001021_36": "「いい返事だ。\\n それじゃ、手加減抜きでいくぞッ!」" | |||
} |
@@ -1,18 +1,18 @@ | |||
{ | |||
"302001031_0": "「はあ~、やっぱり奏さんはすごいですッ!」", | |||
"302001031_1": "「これでもあんたより先輩だからね。\\n 翼だってあたしが育てたんだ」", | |||
"302001031_2": "「あの、奏さん。\\n ちょっと図々しいお願いがあるんですが……」", | |||
"302001031_3": "「なんだい?\\n あたしが出来ることなら、遠慮せずに言ってみな?」", | |||
"302001031_4": "「はいッ!\\n わたし、奏さんの歌が聴きたいですッ!」", | |||
"302001031_5": "「……歌? そんなの戦いの最中に聴いているだろう?」", | |||
"302001031_6": "「ちがいますよッ!\\n 戦いじゃない、奏さんが本当に唄いたい歌ですッ!」", | |||
"302001031_7": "「……あたしが唄いたい歌?」", | |||
"302001031_8": "「……今はこんな状況だし、カルマノイズ対策が先だろ?」", | |||
"302001031_9": "「それじゃ、全部終わったらまた唄ってくださいッ!\\n わたし、ぜぇ~ったいに聴きに行きますからッ!」", | |||
"302001031_10": "「……そうか。さて、そろそろ戻ろうか。\\n 十分体も動かしたし――ッ!?」", | |||
"302001031_11": "「――緊急通信ッ!」", | |||
"302001031_12": "「聞こえるかッ、カルマノイズが出たッ!\\n 急いで戻ってくれッ!」", | |||
"302001031_13": "「――行けるな?」", | |||
"302001031_14": "「いつでもッ!」", | |||
"302001031_15": "「よしッ! それじゃ今度こそ、あの忌々しいノイズに、\\n あたしたちの力を見せてやろうじゃないかッ!」" | |||
{ | |||
"302001031_0": "「はあ~、やっぱり奏さんはすごいですッ!」", | |||
"302001031_1": "「これでもあんたより先輩だからね。\\n 翼だってあたしが育てたんだ」", | |||
"302001031_2": "「あの、奏さん。\\n ちょっと図々しいお願いがあるんですが……」", | |||
"302001031_3": "「なんだい?\\n あたしが出来ることなら、遠慮せずに言ってみな?」", | |||
"302001031_4": "「はいッ!\\n わたし、奏さんの歌が聴きたいですッ!」", | |||
"302001031_5": "「……歌? そんなの戦いの最中に聴いているだろう?」", | |||
"302001031_6": "「ちがいますよッ!\\n 戦いじゃない、奏さんが本当に唄いたい歌ですッ!」", | |||
"302001031_7": "「……あたしが唄いたい歌?」", | |||
"302001031_8": "「……今はこんな状況だし、カルマノイズ対策が先だろ?」", | |||
"302001031_9": "「それじゃ、全部終わったらまた唄ってくださいッ!\\n わたし、ぜぇ~ったいに聴きに行きますからッ!」", | |||
"302001031_10": "「……そうか。さて、そろそろ戻ろうか。\\n 十分体も動かしたし――ッ!?」", | |||
"302001031_11": "「――緊急通信ッ!」", | |||
"302001031_12": "「聞こえるかッ、カルマノイズが出たッ!\\n 急いで戻ってくれッ!」", | |||
"302001031_13": "「――行けるな?」", | |||
"302001031_14": "「いつでもッ!」", | |||
"302001031_15": "「よしッ! それじゃ今度こそ、あの忌々しいノイズに、\\n あたしたちの力を見せてやろうじゃないかッ!」" | |||
} |
@@ -1,28 +1,28 @@ | |||
{ | |||
"302001032_0": "「やはり……半端な攻撃では再生するようねッ!」", | |||
"302001032_1": "「全く厄介な相手だよ、本当に。\\n ……この前の手は使えないのかい?」", | |||
"302001032_2": "「S2CAですか?\\n でもわたしとマリアさんの2人だけじゃ……」", | |||
"302001032_3": "「なら答えは簡単だ。\\n あたしに翼の代わりを務めさせてくれ」", | |||
"302001032_4": "「本気なの? あれは絶唱を束ねる技よ。互いの呼吸が合わな\\n ければ、フィードバックでボロボロになる可能性もあるわ」", | |||
"302001032_5": "「……大丈夫だ。あたしはあんたたちを信じてるさ」", | |||
"302001032_6": "「もう、この前までは全然信じていなかったくせに。\\n 意外に現金なのね」", | |||
"302001032_7": "「そうかい? ま、同じ装者でガングニールを纏ったことの\\n ある者同士、仲良くしようじゃないか」", | |||
"302001032_8": "「……もう、わかったわよ」", | |||
"302001032_9": "「きっと大丈夫ですよッ! なんてったって、奏さんは\\n ガングニールの大先輩ですからッ!」", | |||
"302001032_10": "「はいはい……。\\n ――行くわよッ!」", | |||
"302001032_11": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el baral zizzl――」", | |||
"302001032_12": "(感じる<speed=1>……</speed>こいつらの力が、あたしの中を巡っている……)", | |||
"302001032_13": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el zizzl――」", | |||
"302001032_14": "(……翼、いい仲間を持ったんだな……)", | |||
"302001032_15": "「セットッ! ハーモニクスッ!」", | |||
"302001032_16": "「行きますッ!\\n ――でえええええええいッ!」", | |||
"302001032_17": "「全く、あきれた威力だな。\\n 綺麗さっぱりあのノイズが消えてなくなるなんてさ」", | |||
"302001032_18": "「奏さんの力でもあるんですよ?」", | |||
"302001032_19": "「そうかい?」", | |||
"302001032_20": "「何にしてもこれでまた1体、カルマ化したノイズを倒せたわね。\\n これからも油断せずに行きましょう」", | |||
"302001032_21": "「ちッ、くしょう……」", | |||
"302001032_22": "「こいつ……何て強さデス……」", | |||
"302001032_23": "「……強い……」", | |||
"302001032_24": "「クリスッ! しっかりして、クリスッ!\\n 調ちゃんッ! 切歌ちゃんッ!」", | |||
"302001032_25": "「装者を回収しろッ! 急ぐんだッ!」" | |||
{ | |||
"302001032_0": "「やはり……半端な攻撃では再生するようねッ!」", | |||
"302001032_1": "「全く厄介な相手だよ、本当に。\\n ……この前の手は使えないのかい?」", | |||
"302001032_2": "「S2CAですか?\\n でもわたしとマリアさんの2人だけじゃ……」", | |||
"302001032_3": "「なら答えは簡単だ。\\n あたしに翼の代わりを務めさせてくれ」", | |||
"302001032_4": "「本気なの? あれは絶唱を束ねる技よ。互いの呼吸が合わな\\n ければ、フィードバックでボロボロになる可能性もあるわ」", | |||
"302001032_5": "「……大丈夫だ。あたしはあんたたちを信じてるさ」", | |||
"302001032_6": "「もう、この前までは全然信じていなかったくせに。\\n 意外に現金なのね」", | |||
"302001032_7": "「そうかい? ま、同じ装者でガングニールを纏ったことの\\n ある者同士、仲良くしようじゃないか」", | |||
"302001032_8": "「……もう、わかったわよ」", | |||
"302001032_9": "「きっと大丈夫ですよッ! なんてったって、奏さんは\\n ガングニールの大先輩ですからッ!」", | |||
"302001032_10": "「はいはい……。\\n ――行くわよッ!」", | |||
"302001032_11": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el baral zizzl――」", | |||
"302001032_12": "(感じる<speed=1>……</speed>こいつらの力が、あたしの中を巡っている……)", | |||
"302001032_13": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el zizzl――」", | |||
"302001032_14": "(……翼、いい仲間を持ったんだな……)", | |||
"302001032_15": "「セットッ! ハーモニクスッ!」", | |||
"302001032_16": "「行きますッ!\\n ――でえええええええいッ!」", | |||
"302001032_17": "「全く、あきれた威力だな。\\n 綺麗さっぱりあのノイズが消えてなくなるなんてさ」", | |||
"302001032_18": "「奏さんの力でもあるんですよ?」", | |||
"302001032_19": "「そうかい?」", | |||
"302001032_20": "「何にしてもこれでまた1体、カルマ化したノイズを倒せたわね。\\n これからも油断せずに行きましょう」", | |||
"302001032_21": "「ちッ、くしょう……」", | |||
"302001032_22": "「こいつ……何て強さデス……」", | |||
"302001032_23": "「……強い……」", | |||
"302001032_24": "「クリスッ! しっかりして、クリスッ!\\n 調ちゃんッ! 切歌ちゃんッ!」", | |||
"302001032_25": "「装者を回収しろッ! 急ぐんだッ!」" | |||
} |
@@ -1,49 +1,49 @@ | |||
{ | |||
"302001111_0": "カルマノイズ殲滅作戦", | |||
"302001111_1": "「さーて、それじゃわくわくMTGを始めましょうか~」", | |||
"302001111_2": "「わくわく、わくわく……」", | |||
"302001111_3": "「合わせなくていいから、落ち着きなさい……」", | |||
"302001111_4": "「……翼、もう大丈夫なのか?」", | |||
"302001111_5": "「ああ、今度こそ大丈夫だ。\\n ありがとう、奏……」", | |||
"302001111_6": "「いいんだよ。\\n あたしが怪我させたようなもんだしさ」", | |||
"302001111_7": "「さて、了子くん、報告を進めてくれ」", | |||
"302001111_8": "「はぁい。それじゃ早速、カルマ化したノイズこと、カルマノイズについて\\n わかったことを発表しちゃうわよ」", | |||
"302001111_9": "「この前受け取ったチップの情報、それからわたしが独自に\\n 集めたデータから、いくつかの事がわかったわ」", | |||
"302001111_10": "「まずカルマノイズの現れる場所の法則性について。\\n それじゃあ……響ちゃん」", | |||
"302001111_11": "「わ、わたしッ!?」", | |||
"302001111_12": "「カルマノイズは何を目標として現れているのか、\\n わかるかしら?」", | |||
"302001111_13": "「え、えーと……た、楽しそうな場所ッ!」", | |||
"302001111_14": "「はい不正解~」", | |||
"302001111_15": "「立花……さすがにそれは……」", | |||
"302001111_16": "「ノイズに感情も嗜好もないので、まあ当たり前よね。\\n ただ、惜しいところは突いているの」", | |||
"302001111_17": "「惜しい……?」", | |||
"302001111_18": "「カルマ化したノイズは、『人が多い場所』そして、\\n 総じて『フォニックゲインの高い場所』に現れやすいの」", | |||
"302001111_19": "「フォニックゲインの高い場所……まさかッ!」", | |||
"302001111_20": "「最初に現れたやつはまさにそう。\\n ……ライブ会場なんてまさに条件にピッタリだわ」", | |||
"302001111_21": "「あの時もそうだけど、普通のノイズが現れた場所に、後から\\n カルマノイズが出現するのもそれが原因の1つね」", | |||
"302001111_22": "「……そうか。装者が戦うことによって\\n フォニックゲインが高まった……」", | |||
"302001111_23": "「そういうことね。翼ちゃん、正解~」", | |||
"302001111_24": "「……あ、あのッ! それじゃ、わたしたちがカルマ化した\\n ノイズを呼んでいたって事ですか……」", | |||
"302001111_25": "「それは半分だけ正解ね。\\n あのノイズは『必ず出現するもの』なの。これが大前提」", | |||
"302001111_26": "「その出現時に、最もフォニックゲインの高い場所が\\n 選ばれると今までのデータが示してるわ」", | |||
"302001111_27": "「……つまり、わたしたちのフォニックゲインが無ければ、\\n 他の場所に同じタイミングで出現しただろう、ということ?」", | |||
"302001111_28": "「そういうことね。後はどうしてあのノイズが今まで何度も\\n 撤退していったのか。これも一つの仮説が成り立つわ」", | |||
"302001111_29": "「……その理由は?」", | |||
"302001111_30": "「それは……そうねぇ~。じゃ、弦十郎くんッ!\\n たまにはカッコいいところ見せてくれるかしら?」", | |||
"302001111_31": "「……撤退した理由、か。そうだな――」", | |||
"302001111_32": "「戦闘において、撤退する状況は兵站の不足や、敵が想定外の\\n 場所や戦力の場合、更には敵がいなかった場合などだが……」", | |||
"302001111_33": "「……ノイズは人を殺すための兵器、だそうだな。\\n だとすれば、敵――つまり人が居ない場合ではないか?」", | |||
"302001111_34": "「弦十郎くん、大正解~。後でごほうびあげるわね?」", | |||
"302001111_35": "「フ……楽しみにしておこう」", | |||
"302001111_36": "「お、おお大人の世界だ……ッ」", | |||
"302001111_37": "「カルマノイズは人に触れても自身は炭化しないわ。\\n その代わり、人が少なくなれば、自動的に消失するの」", | |||
"302001111_38": "「そうして時間を置いて次の場所に現れる。また人が少なく\\n なれば消える、多い場所に現れるを繰り返すの」", | |||
"302001111_39": "「まさに自動兵器、ということか……」", | |||
"302001111_40": "「今まで消えた時は、人々の避難の完了とほぼほぼリンクして\\n いたわ。一定範囲内の生命反応が減ると、消えるみたい」", | |||
"302001111_41": "「今分かった事はこれくらいね~」", | |||
"302001111_42": "「十分だ。後はこれを元に、あのカルマ化したノイズを倒す。\\n カルマノイズ殲滅作戦を練るだけだ」", | |||
"302001111_43": "「装者の君たちには、まだまだ負担をかけることになるが、\\n 引き続きよろしく頼む」", | |||
"302001111_44": "「……よし、違和感はないな」", | |||
"302001111_45": "「それじゃ始めましょう。翼は徐々に慣らしていってみて。\\n 病み上がりなんだし、無理だけはしないようにね」", | |||
"302001111_46": "「ああ、わかってる」" | |||
{ | |||
"302001111_0": "カルマノイズ殲滅作戦", | |||
"302001111_1": "「さーて、それじゃわくわくMTGを始めましょうか~」", | |||
"302001111_2": "「わくわく、わくわく……」", | |||
"302001111_3": "「合わせなくていいから、落ち着きなさい……」", | |||
"302001111_4": "「……翼、もう大丈夫なのか?」", | |||
"302001111_5": "「ああ、今度こそ大丈夫だ。\\n ありがとう、奏……」", | |||
"302001111_6": "「いいんだよ。\\n あたしが怪我させたようなもんだしさ」", | |||
"302001111_7": "「さて、了子くん、報告を進めてくれ」", | |||
"302001111_8": "「はぁい。それじゃ早速、カルマ化したノイズこと、カルマノイズについて\\n わかったことを発表しちゃうわよ」", | |||
"302001111_9": "「この前受け取ったチップの情報、それからわたしが独自に\\n 集めたデータから、いくつかの事がわかったわ」", | |||
"302001111_10": "「まずカルマノイズの現れる場所の法則性について。\\n それじゃあ……響ちゃん」", | |||
"302001111_11": "「わ、わたしッ!?」", | |||
"302001111_12": "「カルマノイズは何を目標として現れているのか、\\n わかるかしら?」", | |||
"302001111_13": "「え、えーと……た、楽しそうな場所ッ!」", | |||
"302001111_14": "「はい不正解~」", | |||
"302001111_15": "「立花……さすがにそれは……」", | |||
"302001111_16": "「ノイズに感情も嗜好もないので、まあ当たり前よね。\\n ただ、惜しいところは突いているの」", | |||
"302001111_17": "「惜しい……?」", | |||
"302001111_18": "「カルマ化したノイズは、『人が多い場所』そして、\\n 総じて『フォニックゲインの高い場所』に現れやすいの」", | |||
"302001111_19": "「フォニックゲインの高い場所……まさかッ!」", | |||
"302001111_20": "「最初に現れたやつはまさにそう。\\n ……ライブ会場なんてまさに条件にピッタリだわ」", | |||
"302001111_21": "「あの時もそうだけど、普通のノイズが現れた場所に、後から\\n カルマノイズが出現するのもそれが原因の1つね」", | |||
"302001111_22": "「……そうか。装者が戦うことによって\\n フォニックゲインが高まった……」", | |||
"302001111_23": "「そういうことね。翼ちゃん、正解~」", | |||
"302001111_24": "「……あ、あのッ! それじゃ、わたしたちがカルマ化した\\n ノイズを呼んでいたって事ですか……」", | |||
"302001111_25": "「それは半分だけ正解ね。\\n あのノイズは『必ず出現するもの』なの。これが大前提」", | |||
"302001111_26": "「その出現時に、最もフォニックゲインの高い場所が\\n 選ばれると今までのデータが示してるわ」", | |||
"302001111_27": "「……つまり、わたしたちのフォニックゲインが無ければ、\\n 他の場所に同じタイミングで出現しただろう、ということ?」", | |||
"302001111_28": "「そういうことね。後はどうしてあのノイズが今まで何度も\\n 撤退していったのか。これも一つの仮説が成り立つわ」", | |||
"302001111_29": "「……その理由は?」", | |||
"302001111_30": "「それは……そうねぇ~。じゃ、弦十郎くんッ!\\n たまにはカッコいいところ見せてくれるかしら?」", | |||
"302001111_31": "「……撤退した理由、か。そうだな――」", | |||
"302001111_32": "「戦闘において、撤退する状況は兵站の不足や、敵が想定外の\\n 場所や戦力の場合、更には敵がいなかった場合などだが……」", | |||
"302001111_33": "「……ノイズは人を殺すための兵器、だそうだな。\\n だとすれば、敵――つまり人が居ない場合ではないか?」", | |||
"302001111_34": "「弦十郎くん、大正解~。後でごほうびあげるわね?」", | |||
"302001111_35": "「フ……楽しみにしておこう」", | |||
"302001111_36": "「お、おお大人の世界だ……ッ」", | |||
"302001111_37": "「カルマノイズは人に触れても自身は炭化しないわ。\\n その代わり、人が少なくなれば、自動的に消失するの」", | |||
"302001111_38": "「そうして時間を置いて次の場所に現れる。また人が少なく\\n なれば消える、多い場所に現れるを繰り返すの」", | |||
"302001111_39": "「まさに自動兵器、ということか……」", | |||
"302001111_40": "「今まで消えた時は、人々の避難の完了とほぼほぼリンクして\\n いたわ。一定範囲内の生命反応が減ると、消えるみたい」", | |||
"302001111_41": "「今分かった事はこれくらいね~」", | |||
"302001111_42": "「十分だ。後はこれを元に、あのカルマ化したノイズを倒す。\\n カルマノイズ殲滅作戦を練るだけだ」", | |||
"302001111_43": "「装者の君たちには、まだまだ負担をかけることになるが、\\n 引き続きよろしく頼む」", | |||
"302001111_44": "「……よし、違和感はないな」", | |||
"302001111_45": "「それじゃ始めましょう。翼は徐々に慣らしていってみて。\\n 病み上がりなんだし、無理だけはしないようにね」", | |||
"302001111_46": "「ああ、わかってる」" | |||
} |
@@ -1,38 +1,38 @@ | |||
{ | |||
"302001121_0": "「……さて、これくらいで一度休憩しましょうか」", | |||
"302001121_1": "「フォニックゲインの高い場所に現れる、か……」", | |||
"302001121_2": "「さっきの話が気になってるの?」", | |||
"302001121_3": "「ああ。少しな……」", | |||
"302001121_4": "「気にしすぎても仕方ない。\\n 現れたはしから、ブッ倒せばいいのさ」", | |||
"302001121_5": "「ですねッ!」", | |||
"302001121_6": "「……いつの間にか、立花と奏は仲良くなったんだな?」", | |||
"302001121_7": "「そりゃ、同じガングニールの装者同士だし、な?」", | |||
"302001121_8": "「はい、ガングニール仲間ですッ!」", | |||
"302001121_9": "「あら? わたしも元ガングニール装者だけど、\\n その仲間には加えてもらえるのかしら?」", | |||
"302001121_10": "「ああ。それじゃお前もだ」", | |||
"302001121_11": "「なんだか、仲間外れにされている気分だ……」", | |||
"302001121_12": "「そんなつもりじゃないさ。\\n あたしは……」", | |||
"302001121_13": "「ん?」", | |||
"302001121_14": "「その……な、なんでもない……」", | |||
"302001121_15": "「……そう……」", | |||
"302001121_16": "「……」", | |||
"302001121_17": "「……」", | |||
"302001121_18": "「……マリアさん、マリアさん。\\n 何なんですかね、このお見合いみたいな雰囲気」", | |||
"302001121_19": "「大方今までの態度とか色々引っかかって、素直に\\n なれないんでしょうね。全く、世話のかかる2人ね……」", | |||
"302001121_20": "「でも、仲良くなれてよかったですね?」", | |||
"302001121_21": "「ええ、そうね……」", | |||
"302001121_22": "「――ノイズかッ!?」", | |||
"302001121_23": "「司令室に急ごうッ!」", | |||
"302001121_24": "「――来たかッ!\\n ……これで全員そろったな」", | |||
"302001121_25": "「どうしたんですかッ!」", | |||
"302001121_26": "「ノイズ反応と同じ場所に、新たな聖遺物の反応があったの。\\n こっちでは未知の聖遺物なんだけど……お仲間さんかしら?」", | |||
"302001121_27": "「誰かがこっちに……?\\n そんな予定は無かったはずだけど――」", | |||
"302001121_28": "「――いやな予感がする。\\n とにかく現場にッ!」", | |||
"302001121_29": "「はい、急ぎましょうッ!」", | |||
"302001121_30": "「誰か小さいのが戦っているな……」", | |||
"302001121_31": "「あれは――調ッ!?」", | |||
"302001121_32": "「マリア……よかった、やっと会えた……」", | |||
"302001121_33": "「調ちゃんッ! 大丈夫ッ!?」", | |||
"302001121_34": "「話は後……先にノイズを……」", | |||
"302001121_35": "「ああ、すぐに片付けるッ!」" | |||
{ | |||
"302001121_0": "「……さて、これくらいで一度休憩しましょうか」", | |||
"302001121_1": "「フォニックゲインの高い場所に現れる、か……」", | |||
"302001121_2": "「さっきの話が気になってるの?」", | |||
"302001121_3": "「ああ。少しな……」", | |||
"302001121_4": "「気にしすぎても仕方ない。\\n 現れたはしから、ブッ倒せばいいのさ」", | |||
"302001121_5": "「ですねッ!」", | |||
"302001121_6": "「……いつの間にか、立花と奏は仲良くなったんだな?」", | |||
"302001121_7": "「そりゃ、同じガングニールの装者同士だし、な?」", | |||
"302001121_8": "「はい、ガングニール仲間ですッ!」", | |||
"302001121_9": "「あら? わたしも元ガングニール装者だけど、\\n その仲間には加えてもらえるのかしら?」", | |||
"302001121_10": "「ああ。それじゃお前もだ」", | |||
"302001121_11": "「なんだか、仲間外れにされている気分だ……」", | |||
"302001121_12": "「そんなつもりじゃないさ。\\n あたしは……」", | |||
"302001121_13": "「ん?」", | |||
"302001121_14": "「その……な、なんでもない……」", | |||
"302001121_15": "「……そう……」", | |||
"302001121_16": "「……」", | |||
"302001121_17": "「……」", | |||
"302001121_18": "「……マリアさん、マリアさん。\\n 何なんですかね、このお見合いみたいな雰囲気」", | |||
"302001121_19": "「大方今までの態度とか色々引っかかって、素直に\\n なれないんでしょうね。全く、世話のかかる2人ね……」", | |||
"302001121_20": "「でも、仲良くなれてよかったですね?」", | |||
"302001121_21": "「ええ、そうね……」", | |||
"302001121_22": "「――ノイズかッ!?」", | |||
"302001121_23": "「司令室に急ごうッ!」", | |||
"302001121_24": "「――来たかッ!\\n ……これで全員そろったな」", | |||
"302001121_25": "「どうしたんですかッ!」", | |||
"302001121_26": "「ノイズ反応と同じ場所に、新たな聖遺物の反応があったの。\\n こっちでは未知の聖遺物なんだけど……お仲間さんかしら?」", | |||
"302001121_27": "「誰かがこっちに……?\\n そんな予定は無かったはずだけど――」", | |||
"302001121_28": "「――いやな予感がする。\\n とにかく現場にッ!」", | |||
"302001121_29": "「はい、急ぎましょうッ!」", | |||
"302001121_30": "「誰か小さいのが戦っているな……」", | |||
"302001121_31": "「あれは――調ッ!?」", | |||
"302001121_32": "「マリア……よかった、やっと会えた……」", | |||
"302001121_33": "「調ちゃんッ! 大丈夫ッ!?」", | |||
"302001121_34": "「話は後……先にノイズを……」", | |||
"302001121_35": "「ああ、すぐに片付けるッ!」" | |||
} |
@@ -1,54 +1,54 @@ | |||
{ | |||
"302001131_0": "「その子は――そちらの世界の装者の1人か?」", | |||
"302001131_1": "「ええ、この子は月読調。これでも立派な装者の1人よ」", | |||
"302001131_2": "「……こんにちは」", | |||
"302001131_3": "「それで、どうして月読がこちらに来たんだ?」", | |||
"302001131_4": "「向こうにカルマノイズが現れたの。……今度は実体を\\n 持って。それでクリス先輩、わたし、切ちゃんで迎撃して――」", | |||
"302001131_5": "「……2人はかなりの怪我を負って、今も療養中。\\n だから、危機を知らせにわたしが……」", | |||
"302001131_6": "「そんな……クリスちゃんや切歌ちゃんがッ!?」", | |||
"302001131_7": "「調……あなたも怪我を……?」", | |||
"302001131_8": "「わたしは軽傷で済んだから……」", | |||
"302001131_9": "「……無理をしないで。言うほど軽い怪我には見えないわ」", | |||
"302001131_10": "「――すぐに戻りましょうッ!」", | |||
"302001131_11": "「ええ」", | |||
"302001131_12": "「ああ、わたしたちでカルマノイズを倒すんだ」", | |||
"302001131_13": "「……なあ、あたしも連れて行ってくれないか?」", | |||
"302001131_14": "「奏……?」", | |||
"302001131_15": "「……今まであんたたちには、かなり助けられた。\\n その恩を、少しでも返させて欲しい」", | |||
"302001131_16": "「気持ちは嬉しいけど、こちらでノイズが出たらどうするの?」", | |||
"302001131_17": "「それは……でも……」", | |||
"302001131_18": "「……なら、わたしがこちらに残ろう」", | |||
"302001131_19": "「翼――ッ!?」", | |||
"302001131_20": "「あのノイズを倒すには、S2CAを使う必要があるはず。\\n しかし、まだわたしは絶唱を使えるほどには回復していない」", | |||
"302001131_21": "「……だから、わたしの代わりを奏に任せたい。\\n 頼めるかな……」", | |||
"302001131_22": "「……いいのか、本当にあたしで」", | |||
"302001131_23": "「奏だから任せられるんだ。……奏もわたしを信じて欲しい。\\n 奏の留守は、わたしが必ず護ってみせるから……」", | |||
"302001131_24": "「……ああ、わかった。翼を信じる……」", | |||
"302001131_25": "「ありがとう、奏……」", | |||
"302001131_26": "「……戻ったらゆっくり話をしよう。\\n 昔みたいにさ」", | |||
"302001131_27": "「……うん、楽しみにしてる」", | |||
"302001131_28": "「調、あなたもこっちに居なさい」", | |||
"302001131_29": "「マリア……でも、切ちゃんが……」", | |||
"302001131_30": "「切歌の事はわたしに任せて。\\n 怪我をしている以上、無理はさせられないわ」", | |||
"302001131_31": "「……わかった」", | |||
"302001131_32": "「……そういうことで、この子の事をお願いできるかしら」", | |||
"302001131_33": "「ああ、メディカルルームの準備を整えておこう」", | |||
"302001131_34": "「……それじゃ行きましょう、マリアさん、奏さん」", | |||
"302001131_35": "「ええ」", | |||
"302001131_36": "「はいよ」", | |||
"302001131_37": "「これが、あんたたちの世界へのゲート……?」", | |||
"302001131_38": "「はい、そうです。さあ、行きましょうッ!」", | |||
"302001131_39": "「着きましたッ!」", | |||
"302001131_40": "「ここは……?」", | |||
"302001131_41": "「S.O.N.G.の潜水艦の中よ。\\n 正確には、その聖遺物保管区画の一角」", | |||
"302001131_42": "「まずは司令室に向かいましょう――ッ!?」", | |||
"302001131_43": "「これは――ッ!」", | |||
"302001131_44": "「聞こえるかッ! 響くん、マリアくんッ!\\n 戻ったようだなッ!」", | |||
"302001131_45": "「師匠ッ! はい、ただいま戻りましたッ!」", | |||
"302001131_46": "「早速で悪いが、ノイズが出現した。クリスくんと切歌くんは\\n まだ動けない、悪いが2人で対処してくれッ!」", | |||
"302001131_47": "「2人じゃありませんッ、3人ですッ!」", | |||
"302001131_48": "「3人……? 翼の通信機の反応は無いが――。\\n まあいい、とにかく、頼んだぞッ!」", | |||
"302001131_49": "「……今の、弦十郎のダンナか?\\n 翼もそうだったけど、本当に似てるんだな……」", | |||
"302001131_50": "「ええ。わたしたちも向こうの司令を見たときに、同じ事を\\n 思ったわ。……それより、今は急ぎましょう」", | |||
"302001131_51": "「……ああ、そうだな。\\n さて、こっちでも一暴れさせてもらうよッ!」" | |||
{ | |||
"302001131_0": "「その子は――そちらの世界の装者の1人か?」", | |||
"302001131_1": "「ええ、この子は月読調。これでも立派な装者の1人よ」", | |||
"302001131_2": "「……こんにちは」", | |||
"302001131_3": "「それで、どうして月読がこちらに来たんだ?」", | |||
"302001131_4": "「向こうにカルマノイズが現れたの。……今度は実体を\\n 持って。それでクリス先輩、わたし、切ちゃんで迎撃して――」", | |||
"302001131_5": "「……2人はかなりの怪我を負って、今も療養中。\\n だから、危機を知らせにわたしが……」", | |||
"302001131_6": "「そんな……クリスちゃんや切歌ちゃんがッ!?」", | |||
"302001131_7": "「調……あなたも怪我を……?」", | |||
"302001131_8": "「わたしは軽傷で済んだから……」", | |||
"302001131_9": "「……無理をしないで。言うほど軽い怪我には見えないわ」", | |||
"302001131_10": "「――すぐに戻りましょうッ!」", | |||
"302001131_11": "「ええ」", | |||
"302001131_12": "「ああ、わたしたちでカルマノイズを倒すんだ」", | |||
"302001131_13": "「……なあ、あたしも連れて行ってくれないか?」", | |||
"302001131_14": "「奏……?」", | |||
"302001131_15": "「……今まであんたたちには、かなり助けられた。\\n その恩を、少しでも返させて欲しい」", | |||
"302001131_16": "「気持ちは嬉しいけど、こちらでノイズが出たらどうするの?」", | |||
"302001131_17": "「それは……でも……」", | |||
"302001131_18": "「……なら、わたしがこちらに残ろう」", | |||
"302001131_19": "「翼――ッ!?」", | |||
"302001131_20": "「あのノイズを倒すには、S2CAを使う必要があるはず。\\n しかし、まだわたしは絶唱を使えるほどには回復していない」", | |||
"302001131_21": "「……だから、わたしの代わりを奏に任せたい。\\n 頼めるかな……」", | |||
"302001131_22": "「……いいのか、本当にあたしで」", | |||
"302001131_23": "「奏だから任せられるんだ。……奏もわたしを信じて欲しい。\\n 奏の留守は、わたしが必ず護ってみせるから……」", | |||
"302001131_24": "「……ああ、わかった。翼を信じる……」", | |||
"302001131_25": "「ありがとう、奏……」", | |||
"302001131_26": "「……戻ったらゆっくり話をしよう。\\n 昔みたいにさ」", | |||
"302001131_27": "「……うん、楽しみにしてる」", | |||
"302001131_28": "「調、あなたもこっちに居なさい」", | |||
"302001131_29": "「マリア……でも、切ちゃんが……」", | |||
"302001131_30": "「切歌の事はわたしに任せて。\\n 怪我をしている以上、無理はさせられないわ」", | |||
"302001131_31": "「……わかった」", | |||
"302001131_32": "「……そういうことで、この子の事をお願いできるかしら」", | |||
"302001131_33": "「ああ、メディカルルームの準備を整えておこう」", | |||
"302001131_34": "「……それじゃ行きましょう、マリアさん、奏さん」", | |||
"302001131_35": "「ええ」", | |||
"302001131_36": "「はいよ」", | |||
"302001131_37": "「これが、あんたたちの世界へのゲート……?」", | |||
"302001131_38": "「はい、そうです。さあ、行きましょうッ!」", | |||
"302001131_39": "「着きましたッ!」", | |||
"302001131_40": "「ここは……?」", | |||
"302001131_41": "「S.O.N.G.の潜水艦の中よ。\\n 正確には、その聖遺物保管区画の一角」", | |||
"302001131_42": "「まずは司令室に向かいましょう――ッ!?」", | |||
"302001131_43": "「これは――ッ!」", | |||
"302001131_44": "「聞こえるかッ! 響くん、マリアくんッ!\\n 戻ったようだなッ!」", | |||
"302001131_45": "「師匠ッ! はい、ただいま戻りましたッ!」", | |||
"302001131_46": "「早速で悪いが、ノイズが出現した。クリスくんと切歌くんは\\n まだ動けない、悪いが2人で対処してくれッ!」", | |||
"302001131_47": "「2人じゃありませんッ、3人ですッ!」", | |||
"302001131_48": "「3人……? 翼の通信機の反応は無いが――。\\n まあいい、とにかく、頼んだぞッ!」", | |||
"302001131_49": "「……今の、弦十郎のダンナか?\\n 翼もそうだったけど、本当に似てるんだな……」", | |||
"302001131_50": "「ええ。わたしたちも向こうの司令を見たときに、同じ事を\\n 思ったわ。……それより、今は急ぎましょう」", | |||
"302001131_51": "「……ああ、そうだな。\\n さて、こっちでも一暴れさせてもらうよッ!」" | |||
} |
@@ -1,52 +1,52 @@ | |||
{ | |||
"302001132_0": "「これで全部か」", | |||
"302001132_1": "「ただのノイズしかいませんでしたね……」", | |||
"302001132_2": "「恐らく向こうで聞いたように、現れる周期があるんだわ」", | |||
"302001132_3": "「……なあ、おい。あれって……」", | |||
"302001132_4": "「どうしたんですか、奏さん?」", | |||
"302001132_5": "「月が、欠けてる……」", | |||
"302001132_6": "「……ああ、あなたは初めてだものね。\\n あれが、ルナアタック、フロンティア事変の傷跡よ」", | |||
"302001132_7": "「……本当にあたしは、別の世界に来たんだな」", | |||
"302001132_8": "「――はい、ようこそ奏さんッ!\\n わたしたちの世界にッ!」", | |||
"302001132_9": "「……ああ、ようやく実感が湧いてきたよ」", | |||
"302001132_10": "「……さて、今はこれ以上ここに居ても仕方ないわ。\\n 本部へ向かいましょう」", | |||
"302001132_11": "「ここが……S.O.N.G.か」", | |||
"302001132_12": "「……そんな、嘘……」", | |||
"302001132_13": "「ど、どうして……。じゃあ、さっきのガングニールの\\n 反応は間違いじゃなくて……」", | |||
"302001132_14": "「奏……だと……ッ!?」", | |||
"302001132_15": "「あはは~、やっぱりビックリしますよね」", | |||
"302001132_16": "「……この人は向こうの世界の装者よ」", | |||
"302001132_17": "「並行世界……そうか。\\n 向こうでは奏が生きているということか……」", | |||
"302001132_18": "「でも、本当に奏さんのままだわ……」", | |||
"302001132_19": "「あたしから見ても、弦十郎のダンナやオペレーターの\\n みんなはそのままに見えるよ」", | |||
"302001132_20": "「本当にそんな世界があるんですね……」", | |||
"302001132_21": "「驚くのはそれくらいにして、状況を教えてもらえるかしら。\\n ……切歌は? クリスは無事なの?」", | |||
"302001132_22": "「あ、ああ……。わかった。\\n エルフナインくん、頼めるか?」", | |||
"302001132_23": "「はい。それではボクから説明します」", | |||
"302001132_24": "「こちらにあのカルマノイズが現れたのは3日前。\\n 今度は前回とは異なり、存在が固着した状態で現れました」", | |||
"302001132_25": "「クリスさんたちがすぐに迎撃に当たりましたが、\\n 勝つ事は出来ず、逆に怪我を負ってしまいました……」", | |||
"302001132_26": "「ノイズはその後消失。ですが、以前とは違い、\\n こちらの世界での存在を確定させてしまっています」", | |||
"302001132_27": "「……今、こちらには戦える装者がおらず、あのノイズが\\n 次にいつ現れるか分かりません」", | |||
"302001132_28": "「そういった状況だったので、比較的怪我の軽い調さんに、\\n みなさんを呼びに行ってもらったという状況です」", | |||
"302001132_29": "「……切歌とクリスの怪我の程度は?」", | |||
"302001132_30": "「2人とも無事だ。命に別状があるほどではない。\\n だが、あのノイズの持つ呪いに当てられたのか、衰弱が激しい」", | |||
"302001132_31": "「当分は戦えるような状況では無いだろう」", | |||
"302001132_32": "「でも無事なんですよね、よかったぁ……」", | |||
"302001132_33": "「今、こちらの世界は並行世界同様に、\\n カルマノイズの脅威にさらされています」", | |||
"302001132_34": "「何とか対策を練らないといけないのですが、\\n あのノイズについては知らないことが多すぎて……」", | |||
"302001132_35": "「あ、そうだった。エルフナインちゃん宛てにこれ、\\n 了子さんから預かってたんだ」", | |||
"302001132_36": "「了子くんッ!?\\n 向こうでは了子くんも生きているのか……?」", | |||
"302001132_37": "「……ええ、そうよ」", | |||
"302001132_38": "「これは……データチップ?」", | |||
"302001132_39": "「うん、前にくれたデータのお礼だって」", | |||
"302001132_40": "「ちょっと見てみます……」", | |||
"302001132_41": "「……すごい、これを作った櫻井了子さんという人は、\\n 本当に天才ですね……」", | |||
"302001132_42": "「……役に立ちそうなの?」", | |||
"302001132_43": "「はい。これなら対策が立てられます……。\\n わぁ……こんなデータまで……」", | |||
"302001132_44": "「……了子くんは元気にしているのか?」", | |||
"302001132_45": "「はい、了子さんは了子さんのまま、すっごく元気でしたッ!」", | |||
"302001132_46": "「……そうか、それならいい」", | |||
"302001132_47": "「――みなさん、大変ですッ!」", | |||
"302001132_48": "「どうしたの?」", | |||
"302001132_49": "「このデータから推察すると、カルマノイズの次の出現\\n 予測は――今晩なんですッ!」" | |||
{ | |||
"302001132_0": "「これで全部か」", | |||
"302001132_1": "「ただのノイズしかいませんでしたね……」", | |||
"302001132_2": "「恐らく向こうで聞いたように、現れる周期があるんだわ」", | |||
"302001132_3": "「……なあ、おい。あれって……」", | |||
"302001132_4": "「どうしたんですか、奏さん?」", | |||
"302001132_5": "「月が、欠けてる……」", | |||
"302001132_6": "「……ああ、あなたは初めてだものね。\\n あれが、ルナアタック、フロンティア事変の傷跡よ」", | |||
"302001132_7": "「……本当にあたしは、別の世界に来たんだな」", | |||
"302001132_8": "「――はい、ようこそ奏さんッ!\\n わたしたちの世界にッ!」", | |||
"302001132_9": "「……ああ、ようやく実感が湧いてきたよ」", | |||
"302001132_10": "「……さて、今はこれ以上ここに居ても仕方ないわ。\\n 本部へ向かいましょう」", | |||
"302001132_11": "「ここが……S.O.N.G.か」", | |||
"302001132_12": "「……そんな、嘘……」", | |||
"302001132_13": "「ど、どうして……。じゃあ、さっきのガングニールの\\n 反応は間違いじゃなくて……」", | |||
"302001132_14": "「奏……だと……ッ!?」", | |||
"302001132_15": "「あはは~、やっぱりビックリしますよね」", | |||
"302001132_16": "「……この人は向こうの世界の装者よ」", | |||
"302001132_17": "「並行世界……そうか。\\n 向こうでは奏が生きているということか……」", | |||
"302001132_18": "「でも、本当に奏さんのままだわ……」", | |||
"302001132_19": "「あたしから見ても、弦十郎のダンナやオペレーターの\\n みんなはそのままに見えるよ」", | |||
"302001132_20": "「本当にそんな世界があるんですね……」", | |||
"302001132_21": "「驚くのはそれくらいにして、状況を教えてもらえるかしら。\\n ……切歌は? クリスは無事なの?」", | |||
"302001132_22": "「あ、ああ……。わかった。\\n エルフナインくん、頼めるか?」", | |||
"302001132_23": "「はい。それではボクから説明します」", | |||
"302001132_24": "「こちらにあのカルマノイズが現れたのは3日前。\\n 今度は前回とは異なり、存在が固着した状態で現れました」", | |||
"302001132_25": "「クリスさんたちがすぐに迎撃に当たりましたが、\\n 勝つ事は出来ず、逆に怪我を負ってしまいました……」", | |||
"302001132_26": "「ノイズはその後消失。ですが、以前とは違い、\\n こちらの世界での存在を確定させてしまっています」", | |||
"302001132_27": "「……今、こちらには戦える装者がおらず、あのノイズが\\n 次にいつ現れるか分かりません」", | |||
"302001132_28": "「そういった状況だったので、比較的怪我の軽い調さんに、\\n みなさんを呼びに行ってもらったという状況です」", | |||
"302001132_29": "「……切歌とクリスの怪我の程度は?」", | |||
"302001132_30": "「2人とも無事だ。命に別状があるほどではない。\\n だが、あのノイズの持つ呪いに当てられたのか、衰弱が激しい」", | |||
"302001132_31": "「当分は戦えるような状況では無いだろう」", | |||
"302001132_32": "「でも無事なんですよね、よかったぁ……」", | |||
"302001132_33": "「今、こちらの世界は並行世界同様に、\\n カルマノイズの脅威にさらされています」", | |||
"302001132_34": "「何とか対策を練らないといけないのですが、\\n あのノイズについては知らないことが多すぎて……」", | |||
"302001132_35": "「あ、そうだった。エルフナインちゃん宛てにこれ、\\n 了子さんから預かってたんだ」", | |||
"302001132_36": "「了子くんッ!?\\n 向こうでは了子くんも生きているのか……?」", | |||
"302001132_37": "「……ええ、そうよ」", | |||
"302001132_38": "「これは……データチップ?」", | |||
"302001132_39": "「うん、前にくれたデータのお礼だって」", | |||
"302001132_40": "「ちょっと見てみます……」", | |||
"302001132_41": "「……すごい、これを作った櫻井了子さんという人は、\\n 本当に天才ですね……」", | |||
"302001132_42": "「……役に立ちそうなの?」", | |||
"302001132_43": "「はい。これなら対策が立てられます……。\\n わぁ……こんなデータまで……」", | |||
"302001132_44": "「……了子くんは元気にしているのか?」", | |||
"302001132_45": "「はい、了子さんは了子さんのまま、すっごく元気でしたッ!」", | |||
"302001132_46": "「……そうか、それならいい」", | |||
"302001132_47": "「――みなさん、大変ですッ!」", | |||
"302001132_48": "「どうしたの?」", | |||
"302001132_49": "「このデータから推察すると、カルマノイズの次の出現\\n 予測は――今晩なんですッ!」" | |||
} |
@@ -1,44 +1,44 @@ | |||
{ | |||
"302001141_0": "「クリスちゃんッ! 切歌ちゃんッ!」", | |||
"302001141_1": "「う……お前、戻って来てたのか……」", | |||
"302001141_2": "「怪我の具合はどうなの?」", | |||
"302001141_3": "「もう大丈夫デス。でも――」", | |||
"302001141_4": "「当分は戦闘は禁止、だとよ」", | |||
"302001141_5": "「よかったよぅ~、クリスちゃん~」", | |||
"302001141_6": "「バッ……抱きつくなッ! あ、暑苦しいんだよッ!」", | |||
"302001141_7": "「そんな事言わないで~」", | |||
"302001141_8": "「……安心したデス。\\n マリアが戻ったという事は、調は無事着いたデスね」", | |||
"302001141_9": "「ええ、そうよ。\\n 切歌も、怪我は大したことなさそうで安心したわ」", | |||
"302001141_10": "「アタシは大丈夫デス。でも、クリス先輩はアタシたちを\\n 庇ったせいで、満身創痍なのデス……」", | |||
"302001141_11": "「は・な・れ・ろってのッ! あたしは怪我人だぞッ!\\n ――ッ!? あいてててて……」", | |||
"302001141_12": "「あわわッ! ご、ごめんッ! だ、大丈夫……?」", | |||
"302001141_13": "「あああッ! だから抱きつくなって言っただろうがッ!\\n このバカッ! ったく……」", | |||
"302001141_14": "「クリス」", | |||
"302001141_15": "「……何だよ?」", | |||
"302001141_16": "「……調と切歌を護ってくれてありがとう。\\n 礼を言うわ……」", | |||
"302001141_17": "「なッ!そ、その……い、いいって事よ……」", | |||
"302001141_18": "「……クリスちゃん、照れてる?」", | |||
"302001141_19": "「て、照れてなんかいねぇッ!\\n ――ッ!? あいたたた……」", | |||
"302001141_20": "「あわわわわ……ご、ごめんッ!」", | |||
"302001141_21": "「もう、お前は動くなッ! 喋るなッ!\\n あたしをゆっくり休ませやがれッ!」", | |||
"302001141_22": "(……そうか、これが翼の仲間たちなのか)", | |||
"302001141_23": "(良い仲間が出来たんだな……本当に)", | |||
"302001141_24": "「ところで、そっちのはどこのどいつなんだ?」", | |||
"302001141_25": "「奏さんだよ~。天羽奏さん」", | |||
"302001141_26": "「……どっかで聞いたことあるような……?」", | |||
"302001141_27": "「天羽奏……って、確かガングニール装者デスッ!」", | |||
"302001141_28": "「……そうだったのか?」", | |||
"302001141_29": "「奏さんは翼さんのパートナーで、\\n ツヴァイウィングなんだよッ!」", | |||
"302001141_30": "「ツヴァイウィングって、確か昔に……。\\n ――おいおい、どういうことだよッ!」", | |||
"302001141_31": "「ま、まさか幽霊デスッ!?」", | |||
"302001141_32": "「……落ち着きなさい。並行世界の方では、生き延びているのよ。\\n こちらと歴史が異なるの」", | |||
"302001141_33": "「歴史が違う、デスか?」", | |||
"302001141_34": "「なるほどな……。\\n まあいいや。あたしは雪音クリスだ。よろしくな」", | |||
"302001141_35": "「天羽奏だ。こちらこそよろしく」", | |||
"302001141_36": "「……そろそろ現れるはずです。\\n 準備はいいですか?」", | |||
"302001141_37": "「いつでもオッケーだよッ!\\n エルフナインちゃんッ!」", | |||
"302001141_38": "「問題ないわ」", | |||
"302001141_39": "「ああ、任せておきなッ!」", | |||
"302001141_40": "「――来ましたッ! 12時の方向にノイズ反応ですッ!\\n おそらく、これと戦っていれば――」", | |||
"302001141_41": "「あいつが出現する、というわけね。\\n なら行くわッ!」" | |||
{ | |||
"302001141_0": "「クリスちゃんッ! 切歌ちゃんッ!」", | |||
"302001141_1": "「う……お前、戻って来てたのか……」", | |||
"302001141_2": "「怪我の具合はどうなの?」", | |||
"302001141_3": "「もう大丈夫デス。でも――」", | |||
"302001141_4": "「当分は戦闘は禁止、だとよ」", | |||
"302001141_5": "「よかったよぅ~、クリスちゃん~」", | |||
"302001141_6": "「バッ……抱きつくなッ! あ、暑苦しいんだよッ!」", | |||
"302001141_7": "「そんな事言わないで~」", | |||
"302001141_8": "「……安心したデス。\\n マリアが戻ったという事は、調は無事着いたデスね」", | |||
"302001141_9": "「ええ、そうよ。\\n 切歌も、怪我は大したことなさそうで安心したわ」", | |||
"302001141_10": "「アタシは大丈夫デス。でも、クリス先輩はアタシたちを\\n 庇ったせいで、満身創痍なのデス……」", | |||
"302001141_11": "「は・な・れ・ろってのッ! あたしは怪我人だぞッ!\\n ――ッ!? あいてててて……」", | |||
"302001141_12": "「あわわッ! ご、ごめんッ! だ、大丈夫……?」", | |||
"302001141_13": "「あああッ! だから抱きつくなって言っただろうがッ!\\n このバカッ! ったく……」", | |||
"302001141_14": "「クリス」", | |||
"302001141_15": "「……何だよ?」", | |||
"302001141_16": "「……調と切歌を護ってくれてありがとう。\\n 礼を言うわ……」", | |||
"302001141_17": "「なッ!そ、その……い、いいって事よ……」", | |||
"302001141_18": "「……クリスちゃん、照れてる?」", | |||
"302001141_19": "「て、照れてなんかいねぇッ!\\n ――ッ!? あいたたた……」", | |||
"302001141_20": "「あわわわわ……ご、ごめんッ!」", | |||
"302001141_21": "「もう、お前は動くなッ! 喋るなッ!\\n あたしをゆっくり休ませやがれッ!」", | |||
"302001141_22": "(……そうか、これが翼の仲間たちなのか)", | |||
"302001141_23": "(良い仲間が出来たんだな……本当に)", | |||
"302001141_24": "「ところで、そっちのはどこのどいつなんだ?」", | |||
"302001141_25": "「奏さんだよ~。天羽奏さん」", | |||
"302001141_26": "「……どっかで聞いたことあるような……?」", | |||
"302001141_27": "「天羽奏……って、確かガングニール装者デスッ!」", | |||
"302001141_28": "「……そうだったのか?」", | |||
"302001141_29": "「奏さんは翼さんのパートナーで、\\n ツヴァイウィングなんだよッ!」", | |||
"302001141_30": "「ツヴァイウィングって、確か昔に……。\\n ――おいおい、どういうことだよッ!」", | |||
"302001141_31": "「ま、まさか幽霊デスッ!?」", | |||
"302001141_32": "「……落ち着きなさい。並行世界の方では、生き延びているのよ。\\n こちらと歴史が異なるの」", | |||
"302001141_33": "「歴史が違う、デスか?」", | |||
"302001141_34": "「なるほどな……。\\n まあいいや。あたしは雪音クリスだ。よろしくな」", | |||
"302001141_35": "「天羽奏だ。こちらこそよろしく」", | |||
"302001141_36": "「……そろそろ現れるはずです。\\n 準備はいいですか?」", | |||
"302001141_37": "「いつでもオッケーだよッ!\\n エルフナインちゃんッ!」", | |||
"302001141_38": "「問題ないわ」", | |||
"302001141_39": "「ああ、任せておきなッ!」", | |||
"302001141_40": "「――来ましたッ! 12時の方向にノイズ反応ですッ!\\n おそらく、これと戦っていれば――」", | |||
"302001141_41": "「あいつが出現する、というわけね。\\n なら行くわッ!」" | |||
} |
@@ -1,9 +1,9 @@ | |||
{ | |||
"302001151_0": "「……来ましたッ!\\n カルマノイズですッ!」", | |||
"302001151_1": "「了解ッ!」", | |||
"302001151_2": "「……さあ、ここからが本番よ」", | |||
"302001151_3": "「ああ、そうだね」", | |||
"302001151_4": "「あのノイズの出現に合わせて通常のノイズも新たに出現して\\n います。みなさん、気をつけてくださいッ!」", | |||
"302001151_5": "「なら、まずは普通のノイズを倒して――」", | |||
"302001151_6": "「カルマノイズに、S2CAを叩き込みましょうッ!」" | |||
{ | |||
"302001151_0": "「……来ましたッ!\\n カルマノイズですッ!」", | |||
"302001151_1": "「了解ッ!」", | |||
"302001151_2": "「……さあ、ここからが本番よ」", | |||
"302001151_3": "「ああ、そうだね」", | |||
"302001151_4": "「あのノイズの出現に合わせて通常のノイズも新たに出現して\\n います。みなさん、気をつけてくださいッ!」", | |||
"302001151_5": "「なら、まずは普通のノイズを倒して――」", | |||
"302001151_6": "「カルマノイズに、S2CAを叩き込みましょうッ!」" | |||
} |
@@ -1,15 +1,15 @@ | |||
{ | |||
"302001152_0": "「――今よッ!」", | |||
"302001152_1": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el baral zizzl――」", | |||
"302001152_2": "「セット、ハーモニクスッ!\\n S2CA――トライバー――ッ!?」", | |||
"302001152_3": "「なッ!? 敵の動きが速いッ!」", | |||
"302001152_4": "「こ、これじゃあ狙いを定められないッ!」", | |||
"302001152_5": "「――あッ!?\\n ぐううううッ……」", | |||
"302001152_6": "「おいッ! 大丈夫かッ!」", | |||
"302001152_7": "「な、何とか……でも、今のでS2CAが……」", | |||
"302001152_8": "「……くッ、こうなったらもう一度――」", | |||
"302001152_9": "「落ち着いてッ!\\n さすがにこの短時間でもう一度は無理よッ!」", | |||
"302001152_10": "「……ちッ!」", | |||
"302001152_11": "「2人ともッ、ノ、ノイズが……」", | |||
"302001152_12": "「――消え、た」" | |||
{ | |||
"302001152_0": "「――今よッ!」", | |||
"302001152_1": "「Gatrandis babel ziggurat edenal\\n Emustolronzen fine el baral zizzl――」", | |||
"302001152_2": "「セット、ハーモニクスッ!\\n S2CA――トライバー――ッ!?」", | |||
"302001152_3": "「なッ!? 敵の動きが速いッ!」", | |||
"302001152_4": "「こ、これじゃあ狙いを定められないッ!」", | |||
"302001152_5": "「――あッ!?\\n ぐううううッ……」", | |||
"302001152_6": "「おいッ! 大丈夫かッ!」", | |||
"302001152_7": "「な、何とか……でも、今のでS2CAが……」", | |||
"302001152_8": "「……くッ、こうなったらもう一度――」", | |||
"302001152_9": "「落ち着いてッ!\\n さすがにこの短時間でもう一度は無理よッ!」", | |||
"302001152_10": "「……ちッ!」", | |||
"302001152_11": "「2人ともッ、ノ、ノイズが……」", | |||
"302001152_12": "「――消え、た」" | |||
} |
@@ -1,18 +1,18 @@ | |||
{ | |||
"302001211_0": "「あたし」のいないステージ", | |||
"302001211_1": "「……やられたわね」", | |||
"302001211_2": "「すみません……」", | |||
"302001211_3": "「いや、お前のせいじゃないさ」", | |||
"302001211_4": "「……今度のカルマ化したノイズは飛行型。\\n あの機動力は厄介極まりないわね」", | |||
"302001211_5": "「わたしがクリスちゃんみたいに、ババババ――ッ!って\\n 遠距離攻撃とか出来たらいいんですけど……」", | |||
"302001211_6": "「……いえ、それでは威力そのものが減退してしまうから無理ね。\\n 威力が殺されては、あのノイズを倒せないわ」", | |||
"302001211_7": "「……何かいい考えはないかしら」", | |||
"302001211_8": "「この前受け取ったデータにヒントがあると思うので、\\n 少しお時間を頂けますか?」", | |||
"302001211_9": "「……お願いね」", | |||
"302001211_10": "「はい、頑張りますッ!」", | |||
"302001211_11": "「……なら、考えるのは頭脳担当に任せて、\\n あたしたちは訓練でもしようか。なあ?」", | |||
"302001211_12": "「はい、そうしましょうッ!\\n どうも考える方は苦手で……」", | |||
"302001211_13": "「はぁ、あなたって人は……。わたしも付き合うわ」", | |||
"302001211_14": "「あれ? お前は頭脳担当だろ?」", | |||
"302001211_15": "「エルフナインが考えてくれるなら、わたしよりもずっと効率的だもの。\\n シミュレータに向かいましょう」" | |||
{ | |||
"302001211_0": "「あたし」のいないステージ", | |||
"302001211_1": "「……やられたわね」", | |||
"302001211_2": "「すみません……」", | |||
"302001211_3": "「いや、お前のせいじゃないさ」", | |||
"302001211_4": "「……今度のカルマ化したノイズは飛行型。\\n あの機動力は厄介極まりないわね」", | |||
"302001211_5": "「わたしがクリスちゃんみたいに、ババババ――ッ!って\\n 遠距離攻撃とか出来たらいいんですけど……」", | |||
"302001211_6": "「……いえ、それでは威力そのものが減退してしまうから無理ね。\\n 威力が殺されては、あのノイズを倒せないわ」", | |||
"302001211_7": "「……何かいい考えはないかしら」", | |||
"302001211_8": "「この前受け取ったデータにヒントがあると思うので、\\n 少しお時間を頂けますか?」", | |||
"302001211_9": "「……お願いね」", | |||
"302001211_10": "「はい、頑張りますッ!」", | |||
"302001211_11": "「……なら、考えるのは頭脳担当に任せて、\\n あたしたちは訓練でもしようか。なあ?」", | |||
"302001211_12": "「はい、そうしましょうッ!\\n どうも考える方は苦手で……」", | |||
"302001211_13": "「はぁ、あなたって人は……。わたしも付き合うわ」", | |||
"302001211_14": "「あれ? お前は頭脳担当だろ?」", | |||
"302001211_15": "「エルフナインが考えてくれるなら、わたしよりもずっと効率的だもの。\\n シミュレータに向かいましょう」" | |||
} |
@@ -1,19 +1,19 @@ | |||
{ | |||
"302001212_0": "「……やはり、シミュレータでは物足りないわね」", | |||
"302001212_1": "「普通の飛行型ノイズはこっちに向かってくるから\\n 迎撃しやすいんですけど……」", | |||
"302001212_2": "「カルマノイズはその特性からか、普通の飛行型ノイズと\\n 違って、こちらと距離を取ろうとするものね。難題だわ」", | |||
"302001212_3": "「……あたしやお前の技なら捕捉は出来なくもないけどな。\\n ただ、威力の問題やS2CAの問題があるか……」", | |||
"302001212_4": "「ええ。\\n 力を束ねて放てるのはこの子だけの特性だからね……」", | |||
"302001212_5": "「う~ん、とりあえずもう一度やってみま――うわわわッ!?」", | |||
"302001212_6": "「なんだ、変な声を上げて」", | |||
"302001212_7": "「むーーッ!」", | |||
"302001212_8": "「み、未来……そ、そのただい……ま?」", | |||
"302001212_9": "「もうッ! 戻って来たならどうしてすぐに帰ってこないのッ!\\n わたし、ずっと心配してたのにッ!」", | |||
"302001212_10": "「ご、ごめん……その、色々大変で……」", | |||
"302001212_11": "「大変なら尚更ッ! 翼さんが大怪我したって聞いて、\\n もしかしたら響もって……なのに、もうッ!」", | |||
"302001212_12": "「……うん、ありがと、未来。ごめんね?」", | |||
"302001212_13": "「大丈夫そうでよかった……」", | |||
"302001212_14": "「え、えへへ……恥ずかしいよ未来ぅ……。\\n 奏さんだっているのに……」", | |||
"302001212_15": "「……奏さん? って、え……? ど、どうしてッ!?」", | |||
"302001212_16": "「ツヴァイウィングの天羽奏さんが生き返って……\\n ええ――ッ!?」" | |||
{ | |||
"302001212_0": "「……やはり、シミュレータでは物足りないわね」", | |||
"302001212_1": "「普通の飛行型ノイズはこっちに向かってくるから\\n 迎撃しやすいんですけど……」", | |||
"302001212_2": "「カルマノイズはその特性からか、普通の飛行型ノイズと\\n 違って、こちらと距離を取ろうとするものね。難題だわ」", | |||
"302001212_3": "「……あたしやお前の技なら捕捉は出来なくもないけどな。\\n ただ、威力の問題やS2CAの問題があるか……」", | |||
"302001212_4": "「ええ。\\n 力を束ねて放てるのはこの子だけの特性だからね……」", | |||
"302001212_5": "「う~ん、とりあえずもう一度やってみま――うわわわッ!?」", | |||
"302001212_6": "「なんだ、変な声を上げて」", | |||
"302001212_7": "「むーーッ!」", | |||
"302001212_8": "「み、未来……そ、そのただい……ま?」", | |||
"302001212_9": "「もうッ! 戻って来たならどうしてすぐに帰ってこないのッ!\\n わたし、ずっと心配してたのにッ!」", | |||
"302001212_10": "「ご、ごめん……その、色々大変で……」", | |||
"302001212_11": "「大変なら尚更ッ! 翼さんが大怪我したって聞いて、\\n もしかしたら響もって……なのに、もうッ!」", | |||
"302001212_12": "「……うん、ありがと、未来。ごめんね?」", | |||
"302001212_13": "「大丈夫そうでよかった……」", | |||
"302001212_14": "「え、えへへ……恥ずかしいよ未来ぅ……。\\n 奏さんだっているのに……」", | |||
"302001212_15": "「……奏さん? って、え……? ど、どうしてッ!?」", | |||
"302001212_16": "「ツヴァイウィングの天羽奏さんが生き返って……\\n ええ――ッ!?」" | |||
} |
@@ -1,44 +1,44 @@ | |||
{ | |||
"302001221_0": "「もう、本当に驚いたよ……」", | |||
"302001221_1": "「だよね、わたしも向こうで会った時は驚いたよ~」", | |||
"302001221_2": "「なんかごめんな? 驚かせて」", | |||
"302001221_3": "「い、いえッ、奏さんが悪い訳じゃないですから……」", | |||
"302001221_4": "「……それで、わたしたちはどうしてここに?」", | |||
"302001221_5": "「それはッ! わたしが未来へのお詫びの為に、\\n おばちゃんのお好み焼きを奢ることになったからですッ!」", | |||
"302001221_6": "「……それは聞いたけど、どうしてわたしたちまで?」", | |||
"302001221_7": "「いいじゃねーか。\\n 腹が減っては戦はできぬ、だろ?」", | |||
"302001221_8": "「……まあ、いいけれど」", | |||
"302001221_9": "「あ、響。こっちの豚玉も食べる? お皿貸して」", | |||
"302001221_10": "「ありがと、未来」", | |||
"302001221_11": "「ううん、はい。たくさん食べてね?」", | |||
"302001221_12": "「はぐッ、はぐッ……うん、やっぱりおばちゃんの\\n お好み焼きは1番だねッ!」", | |||
"302001221_13": "「もう、ソースついてるよ。\\n ……はい、取れた」", | |||
"302001221_14": "「……」", | |||
"302001221_15": "「どうしたの? 手が止まってるわよ?」", | |||
"302001221_16": "「……いや、少し昔を思い出しただけさ」", | |||
"302001221_17": "(……あたしもあんな風に翼と食事したっけな)", | |||
"302001221_18": "「あッ! 次はそっちの海鮮お好み焼きも食べたいッ!」", | |||
"302001221_19": "「もう、しょうがないな~。はい、あーん……」", | |||
"302001221_20": "「あーん……んん~ッ、美味しいッ!」", | |||
"302001221_21": "「……本当にあなたたちは仲が良いわね。\\n 調と切歌を見ているみたい」", | |||
"302001221_22": "「……」", | |||
"302001221_23": "「どうしたの?」", | |||
"302001221_24": "「ほら、口開けろ。あ~ん……」", | |||
"302001221_25": "「ぶッ!?」", | |||
"302001221_26": "「うわッ! 汚ねぇなッ!\\n 何してるんだよ」", | |||
"302001221_27": "「それはこっちの台詞よッ!?\\n お茶を吹いちゃったじゃないッ!」", | |||
"302001221_28": "「いや、ちょっとあいつらの真似してみようかと思って」", | |||
"302001221_29": "「そんなことしなくていいから、静かに食べなさいよッ!」", | |||
"302001221_30": "「んだよ、ノリが悪いねぇ……」", | |||
"302001221_31": "「……はぁ、あなたって思ったより――」", | |||
"302001221_32": "「ん? なんだ?」", | |||
"302001221_33": "「何でもないわよッ!\\n 昔の翼の苦労がしのばれると思っただけッ!」", | |||
"302001221_34": "「はぁ、食べた食べた~」", | |||
"302001221_35": "「いつもよりたくさん食べたね。\\n 苦しくない?」", | |||
"302001221_36": "「大丈夫。直前まで訓練してたから。\\n でもこのまま横になりたい気分~」", | |||
"302001221_37": "「もう、食べてすぐ寝たらダメだよ?」", | |||
"302001221_38": "「――この音、警報だな」", | |||
"302001221_39": "「ええ、ノイズが出たみたいね」", | |||
"302001221_40": "「……未来、行って来るねッ!」", | |||
"302001221_41": "「うん……待ってるから。頑張って、響ッ!」" | |||
{ | |||
"302001221_0": "「もう、本当に驚いたよ……」", | |||
"302001221_1": "「だよね、わたしも向こうで会った時は驚いたよ~」", | |||
"302001221_2": "「なんかごめんな? 驚かせて」", | |||
"302001221_3": "「い、いえッ、奏さんが悪い訳じゃないですから……」", | |||
"302001221_4": "「……それで、わたしたちはどうしてここに?」", | |||
"302001221_5": "「それはッ! わたしが未来へのお詫びの為に、\\n おばちゃんのお好み焼きを奢ることになったからですッ!」", | |||
"302001221_6": "「……それは聞いたけど、どうしてわたしたちまで?」", | |||
"302001221_7": "「いいじゃねーか。\\n 腹が減っては戦はできぬ、だろ?」", | |||
"302001221_8": "「……まあ、いいけれど」", | |||
"302001221_9": "「あ、響。こっちの豚玉も食べる? お皿貸して」", | |||
"302001221_10": "「ありがと、未来」", | |||
"302001221_11": "「ううん、はい。たくさん食べてね?」", | |||
"302001221_12": "「はぐッ、はぐッ……うん、やっぱりおばちゃんの\\n お好み焼きは1番だねッ!」", | |||
"302001221_13": "「もう、ソースついてるよ。\\n ……はい、取れた」", | |||
"302001221_14": "「……」", | |||
"302001221_15": "「どうしたの? 手が止まってるわよ?」", | |||
"302001221_16": "「……いや、少し昔を思い出しただけさ」", | |||
"302001221_17": "(……あたしもあんな風に翼と食事したっけな)", | |||
"302001221_18": "「あッ! 次はそっちの海鮮お好み焼きも食べたいッ!」", | |||
"302001221_19": "「もう、しょうがないな~。はい、あーん……」", | |||
"302001221_20": "「あーん……んん~ッ、美味しいッ!」", | |||
"302001221_21": "「……本当にあなたたちは仲が良いわね。\\n 調と切歌を見ているみたい」", | |||
"302001221_22": "「……」", | |||
"302001221_23": "「どうしたの?」", | |||
"302001221_24": "「ほら、口開けろ。あ~ん……」", | |||
"302001221_25": "「ぶッ!?」", | |||
"302001221_26": "「うわッ! 汚ねぇなッ!\\n 何してるんだよ」", | |||
"302001221_27": "「それはこっちの台詞よッ!?\\n お茶を吹いちゃったじゃないッ!」", | |||
"302001221_28": "「いや、ちょっとあいつらの真似してみようかと思って」", | |||
"302001221_29": "「そんなことしなくていいから、静かに食べなさいよッ!」", | |||
"302001221_30": "「んだよ、ノリが悪いねぇ……」", | |||
"302001221_31": "「……はぁ、あなたって思ったより――」", | |||
"302001221_32": "「ん? なんだ?」", | |||
"302001221_33": "「何でもないわよッ!\\n 昔の翼の苦労がしのばれると思っただけッ!」", | |||
"302001221_34": "「はぁ、食べた食べた~」", | |||
"302001221_35": "「いつもよりたくさん食べたね。\\n 苦しくない?」", | |||
"302001221_36": "「大丈夫。直前まで訓練してたから。\\n でもこのまま横になりたい気分~」", | |||
"302001221_37": "「もう、食べてすぐ寝たらダメだよ?」", | |||
"302001221_38": "「――この音、警報だな」", | |||
"302001221_39": "「ええ、ノイズが出たみたいね」", | |||
"302001221_40": "「……未来、行って来るねッ!」", | |||
"302001221_41": "「うん……待ってるから。頑張って、響ッ!」" | |||
} |
@@ -1,72 +1,72 @@ | |||
{ | |||
"302001241_0": "「ただ今戻りましたッ!」", | |||
"302001241_1": "「ああ、ご苦労だったな、お前たち」", | |||
"302001241_2": "「みなさん、お疲れ様です。\\n 早速で悪いのですが、少しいいでしょうか?」", | |||
"302001241_3": "「……もしかして、あのカルマ化した飛行型ノイズに\\n 対抗する手立てが見つかったの?」", | |||
"302001241_4": "「はい……聞いてもらえますか?」", | |||
"302001241_5": "「もちろんよ」", | |||
"302001241_6": "「カルマノイズはフォニックゲインに\\n 引き寄せられる性質があります」", | |||
"302001241_7": "「だから、それを利用してなるべく周囲が囲まれた空間に\\n おびき出し、そこで撃破を狙うというのはどうでしょうか?」", | |||
"302001241_8": "「いいんじゃないか? あたしは賛成だよ」", | |||
"302001241_9": "「ありがとうございます。それでこの作戦に都合のいい、周囲が\\n 囲まれた空間に心当たりはありませんか?」", | |||
"302001241_10": "「出来れば周囲に被害の出にくい場所だと、\\n なおいいのですが……」", | |||
"302001241_11": "「うーん、いい場所、いい場所……」", | |||
"302001241_12": "「出来れば戦いに支障のない程度は広さも欲しいわね……」", | |||
"302001241_13": "「あ、そっか。\\n 狭いだけじゃわたしたちも動けなくなっちゃいますよね」", | |||
"302001241_14": "「……1つ、心当たりがある。だが――」", | |||
"302001241_15": "「もったいつけるなよ。どこだい?」", | |||
"302001241_16": "「……ライブ会場だ」", | |||
"302001241_17": "「――ッ!? ライブ、会場……」", | |||
"302001241_18": "「……すまない。そちらの話も少し聞いている。\\n 君にとっては翼を失った場所でもある……キツイだろう」", | |||
"302001241_19": "(……翼……)", | |||
"302001241_20": "「……いや、構わない。\\n 他に場所が無いなら、選んでいる場合じゃないだろ」", | |||
"302001241_21": "「……それなら、そこにしましょう。\\n あと、作戦の為に翼さんを連れて来て欲しいのですが――」", | |||
"302001241_22": "「待てッ!\\n どうして翼をあんな場所に――ッ!」", | |||
"302001241_23": "「――ッ!? ご、ごめんなさい……」", | |||
"302001241_24": "「……落ち着きなさい。\\n エルフナインを怖がらせないで」", | |||
"302001241_25": "「……悪かった」", | |||
"302001241_26": "「は、はい。その、理由は翼さんとマリアさんに唄ってもらう事\\n が、フォニックゲインを効率的に高める方法だからです……」", | |||
"302001241_27": "「唄う……翼が、あの場所で――?」", | |||
"302001241_28": "(ダメだッ、そんなの――)", | |||
"302001241_29": "「翼にあの場所で歌を唄わせるくらいなら、あたしが――」", | |||
"302001241_30": "(唄える……のか? 今のあたしが……。\\n 自分の歌を取り戻せていない、あたしが……)", | |||
"302001241_31": "「……奏さん?」", | |||
"302001241_32": "「……」", | |||
"302001241_33": "(唄える、わけないだろう……。\\n 翼の歌の代わりなんて、あたしに出来るわけがない……ッ)", | |||
"302001241_34": "「……わかったわ。翼を呼んできましょう」", | |||
"302001241_35": "「お前――ッ!」", | |||
"302001241_36": "「だから、落ち着きなさい。翼にとって何の問題もないはずよ。\\n あの子は全て乗り越えている。……あなたと違ってね」", | |||
"302001241_37": "「……」", | |||
"302001241_38": "「一体、何かと思った……。\\n いきなり戻ったと思ったら、ライブとは……」", | |||
"302001241_39": "「驚かせたわね。でも時間が無かったから仕方ないのよ」", | |||
"302001241_40": "「向こうのノイズ対策だってあったんだぞ?」", | |||
"302001241_41": "「それは調がいたでしょ。それに、クリスと切歌にも代わりに\\n 向こうに行ってもらったし」", | |||
"302001241_42": "「わたしが奏に責任もって護ると告げたのに……」", | |||
"302001241_43": "「あら? 本音はそれ?\\n ……そんなに良い所見せたかったの?」", | |||
"302001241_44": "「そ、そうではないッ! だ、だけど……その、頑張ったら\\n 少しくらい奏が褒めてくれるかもと……」", | |||
"302001241_45": "「……全くこの剣ってば、可愛いわね」", | |||
"302001241_46": "「……ん? 何か言ったか?」", | |||
"302001241_47": "「いえ、何でもないわ。\\n こんな場所だけど、あなたと唄えるのは楽しみね」", | |||
"302001241_48": "「ああ、わたしもだ……始めよう」", | |||
"302001241_49": "「――ッ! ふう……。\\n 次はあなたの曲よ。翼」", | |||
"302001241_50": "「ああ、少しだけ待ってくれ。\\n ――奏ッ! 一緒に……唄ってくれないかな?」", | |||
"302001241_51": "「――ッ!? 翼と、一緒に……?」", | |||
"302001241_52": "「……うん。こんな場所だけど、それでもわたしは\\n 奏と一緒に唄いたい……ダメかな?」", | |||
"302001241_53": "(もう一度、翼と一緒に唄える……\\n こんなに嬉しい事は無い……だけどッ!)", | |||
"302001241_54": "「……ダメ、なんだ……」", | |||
"302001241_55": "「奏……?」", | |||
"302001241_56": "「ダメなんだよ……あたしは、まだあたしに戻れていない。\\n 戦い以外の、歌を無くしたままなんだ――ッ!」", | |||
"302001241_57": "「……ごめんなさい、奏……」", | |||
"302001241_58": "「謝るな……謝らないでくれよ……」", | |||
"302001241_59": "「……なら、その場で指をくわえて見ていなさいッ!\\n ――翼ッ! 行くわよッ!」", | |||
"302001241_60": "「あ、ああ……」", | |||
"302001241_61": "「……」", | |||
"302001241_62": "(なんで、翼の隣があたしじゃないんだ……。\\n どうして、あたしはステージにいないんだ……)", | |||
"302001241_63": "(誰よりも翼の歌が好きで、翼と一緒に唄いたいのはあたしの\\n はずなのに、どうして――ッ!)", | |||
"302001241_64": "「みなさん、反応がありましたッ!\\n ノイズが出現しますッ、恐らくカルマノイズも――ッ!」", | |||
"302001241_65": "「奏さんッ!\\n 戦いましょうッ!」", | |||
"302001241_66": "「……ああ、戦うよッ!」", | |||
"302001241_67": "「翼、後はお願いするわ」", | |||
"302001241_68": "「マリア? わたしも戦線に――」", | |||
"302001241_69": "「あなたはまだ病み上がりでしょう。\\n ……わたしたちに任せなさい」" | |||
{ | |||
"302001241_0": "「ただ今戻りましたッ!」", | |||
"302001241_1": "「ああ、ご苦労だったな、お前たち」", | |||
"302001241_2": "「みなさん、お疲れ様です。\\n 早速で悪いのですが、少しいいでしょうか?」", | |||
"302001241_3": "「……もしかして、あのカルマ化した飛行型ノイズに\\n 対抗する手立てが見つかったの?」", | |||
"302001241_4": "「はい……聞いてもらえますか?」", | |||
"302001241_5": "「もちろんよ」", | |||
"302001241_6": "「カルマノイズはフォニックゲインに\\n 引き寄せられる性質があります」", | |||
"302001241_7": "「だから、それを利用してなるべく周囲が囲まれた空間に\\n おびき出し、そこで撃破を狙うというのはどうでしょうか?」", | |||
"302001241_8": "「いいんじゃないか? あたしは賛成だよ」", | |||
"302001241_9": "「ありがとうございます。それでこの作戦に都合のいい、周囲が\\n 囲まれた空間に心当たりはありませんか?」", | |||
"302001241_10": "「出来れば周囲に被害の出にくい場所だと、\\n なおいいのですが……」", | |||
"302001241_11": "「うーん、いい場所、いい場所……」", | |||
"302001241_12": "「出来れば戦いに支障のない程度は広さも欲しいわね……」", | |||
"302001241_13": "「あ、そっか。\\n 狭いだけじゃわたしたちも動けなくなっちゃいますよね」", | |||
"302001241_14": "「……1つ、心当たりがある。だが――」", | |||
"302001241_15": "「もったいつけるなよ。どこだい?」", | |||
"302001241_16": "「……ライブ会場だ」", | |||
"302001241_17": "「――ッ!? ライブ、会場……」", | |||
"302001241_18": "「……すまない。そちらの話も少し聞いている。\\n 君にとっては翼を失った場所でもある……キツイだろう」", | |||
"302001241_19": "(……翼……)", | |||
"302001241_20": "「……いや、構わない。\\n 他に場所が無いなら、選んでいる場合じゃないだろ」", | |||
"302001241_21": "「……それなら、そこにしましょう。\\n あと、作戦の為に翼さんを連れて来て欲しいのですが――」", | |||
"302001241_22": "「待てッ!\\n どうして翼をあんな場所に――ッ!」", | |||
"302001241_23": "「――ッ!? ご、ごめんなさい……」", | |||
"302001241_24": "「……落ち着きなさい。\\n エルフナインを怖がらせないで」", | |||
"302001241_25": "「……悪かった」", | |||
"302001241_26": "「は、はい。その、理由は翼さんとマリアさんに唄ってもらう事\\n が、フォニックゲインを効率的に高める方法だからです……」", | |||
"302001241_27": "「唄う……翼が、あの場所で――?」", | |||
"302001241_28": "(ダメだッ、そんなの――)", | |||
"302001241_29": "「翼にあの場所で歌を唄わせるくらいなら、あたしが――」", | |||
"302001241_30": "(唄える……のか? 今のあたしが……。\\n 自分の歌を取り戻せていない、あたしが……)", | |||
"302001241_31": "「……奏さん?」", | |||
"302001241_32": "「……」", | |||
"302001241_33": "(唄える、わけないだろう……。\\n 翼の歌の代わりなんて、あたしに出来るわけがない……ッ)", | |||
"302001241_34": "「……わかったわ。翼を呼んできましょう」", | |||
"302001241_35": "「お前――ッ!」", | |||
"302001241_36": "「だから、落ち着きなさい。翼にとって何の問題もないはずよ。\\n あの子は全て乗り越えている。……あなたと違ってね」", | |||
"302001241_37": "「……」", | |||
"302001241_38": "「一体、何かと思った……。\\n いきなり戻ったと思ったら、ライブとは……」", | |||
"302001241_39": "「驚かせたわね。でも時間が無かったから仕方ないのよ」", | |||
"302001241_40": "「向こうのノイズ対策だってあったんだぞ?」", | |||
"302001241_41": "「それは調がいたでしょ。それに、クリスと切歌にも代わりに\\n 向こうに行ってもらったし」", | |||
"302001241_42": "「わたしが奏に責任もって護ると告げたのに……」", | |||
"302001241_43": "「あら? 本音はそれ?\\n ……そんなに良い所見せたかったの?」", | |||
"302001241_44": "「そ、そうではないッ! だ、だけど……その、頑張ったら\\n 少しくらい奏が褒めてくれるかもと……」", | |||
"302001241_45": "「……全くこの剣ってば、可愛いわね」", | |||
"302001241_46": "「……ん? 何か言ったか?」", | |||
"302001241_47": "「いえ、何でもないわ。\\n こんな場所だけど、あなたと唄えるのは楽しみね」", | |||
"302001241_48": "「ああ、わたしもだ……始めよう」", | |||
"302001241_49": "「――ッ! ふう……。\\n 次はあなたの曲よ。翼」", | |||
"302001241_50": "「ああ、少しだけ待ってくれ。\\n ――奏ッ! 一緒に……唄ってくれないかな?」", | |||
"302001241_51": "「――ッ!? 翼と、一緒に……?」", | |||
"302001241_52": "「……うん。こんな場所だけど、それでもわたしは\\n 奏と一緒に唄いたい……ダメかな?」", | |||
"302001241_53": "(もう一度、翼と一緒に唄える……\\n こんなに嬉しい事は無い……だけどッ!)", | |||
"302001241_54": "「……ダメ、なんだ……」", | |||
"302001241_55": "「奏……?」", | |||
"302001241_56": "「ダメなんだよ……あたしは、まだあたしに戻れていない。\\n 戦い以外の、歌を無くしたままなんだ――ッ!」", | |||
"302001241_57": "「……ごめんなさい、奏……」", | |||
"302001241_58": "「謝るな……謝らないでくれよ……」", | |||
"302001241_59": "「……なら、その場で指をくわえて見ていなさいッ!\\n ――翼ッ! 行くわよッ!」", | |||
"302001241_60": "「あ、ああ……」", | |||
"302001241_61": "「……」", | |||
"302001241_62": "(なんで、翼の隣があたしじゃないんだ……。\\n どうして、あたしはステージにいないんだ……)", | |||
"302001241_63": "(誰よりも翼の歌が好きで、翼と一緒に唄いたいのはあたしの\\n はずなのに、どうして――ッ!)", | |||
"302001241_64": "「みなさん、反応がありましたッ!\\n ノイズが出現しますッ、恐らくカルマノイズも――ッ!」", | |||
"302001241_65": "「奏さんッ!\\n 戦いましょうッ!」", | |||
"302001241_66": "「……ああ、戦うよッ!」", | |||
"302001241_67": "「翼、後はお願いするわ」", | |||
"302001241_68": "「マリア? わたしも戦線に――」", | |||
"302001241_69": "「あなたはまだ病み上がりでしょう。\\n ……わたしたちに任せなさい」" | |||
} |
@@ -1,19 +1,19 @@ | |||
{ | |||
"302001251_0": "「ノイズの数が減った……行きますッ!\\n S2CA・トライバーストッ!」", | |||
"302001251_1": "「――でええええええいッ!」", | |||
"302001251_2": "「くッ……まだあのノイズの動きの方が早いッ!?」", | |||
"302001251_3": "「……やっぱり、攻撃が躱されちゃう。\\n どうすれば――? って、えッ!?」", | |||
"302001251_4": "「奏さん……どうしてわたしの手を?」", | |||
"302001251_5": "「――繋いで束ねたその力、あたしに分けてくれッ!\\n そうしたら、あいつを倒してみせるッ!」", | |||
"302001251_6": "「何か考えがあるのね?」", | |||
"302001251_7": "「ああ」", | |||
"302001251_8": "「わかったわ」", | |||
"302001251_9": "「アガートラームの力で束ねた力を再配置するわ、いくわよッ!」", | |||
"302001251_10": "「……くッ、ぐあッ……ああああああッ!」", | |||
"302001251_11": "(……この場所、翼、そしてカルマノイズ……)", | |||
"302001251_12": "(あたしは翼と唄いたい。\\n だから、ここからやり直すために――)", | |||
"302001251_13": "「あたしに、力をくれ――ッ!」", | |||
"302001251_14": "「うまく……いった?」", | |||
"302001251_15": "「みたいね……」", | |||
"302001251_16": "「ありがとう。\\n ――この力、絶対に無駄にはしないッ!」" | |||
{ | |||
"302001251_0": "「ノイズの数が減った……行きますッ!\\n S2CA・トライバーストッ!」", | |||
"302001251_1": "「――でええええええいッ!」", | |||
"302001251_2": "「くッ……まだあのノイズの動きの方が早いッ!?」", | |||
"302001251_3": "「……やっぱり、攻撃が躱されちゃう。\\n どうすれば――? って、えッ!?」", | |||
"302001251_4": "「奏さん……どうしてわたしの手を?」", | |||
"302001251_5": "「――繋いで束ねたその力、あたしに分けてくれッ!\\n そうしたら、あいつを倒してみせるッ!」", | |||
"302001251_6": "「何か考えがあるのね?」", | |||
"302001251_7": "「ああ」", | |||
"302001251_8": "「わかったわ」", | |||
"302001251_9": "「アガートラームの力で束ねた力を再配置するわ、いくわよッ!」", | |||
"302001251_10": "「……くッ、ぐあッ……ああああああッ!」", | |||
"302001251_11": "(……この場所、翼、そしてカルマノイズ……)", | |||
"302001251_12": "(あたしは翼と唄いたい。\\n だから、ここからやり直すために――)", | |||
"302001251_13": "「あたしに、力をくれ――ッ!」", | |||
"302001251_14": "「うまく……いった?」", | |||
"302001251_15": "「みたいね……」", | |||
"302001251_16": "「ありがとう。\\n ――この力、絶対に無駄にはしないッ!」" | |||
} |
@@ -1,13 +1,13 @@ | |||
{ | |||
"302001252_0": "「――再生するッ!」", | |||
"302001252_1": "「……いや、そうはさせねぇッ!\\n これでとどめだああああ――ッ!」", | |||
"302001252_2": "「……やった、やりましたねッ! 奏さんッ!」", | |||
"302001252_3": "「ああ、何とかね……。ありがとな」", | |||
"302001252_4": "「奏ッ!」", | |||
"302001252_5": "「翼……」", | |||
"302001252_6": "「全く無茶をするんだから……でも、やっぱり奏は凄いッ!」", | |||
"302001252_7": "「……。\\n 悪いな、ちょっと疲れたから、先に戻る」", | |||
"302001252_8": "「え、奏……?」", | |||
"302001252_9": "「…………」", | |||
"302001252_10": "「奏……」" | |||
{ | |||
"302001252_0": "「――再生するッ!」", | |||
"302001252_1": "「……いや、そうはさせねぇッ!\\n これでとどめだああああ――ッ!」", | |||
"302001252_2": "「……やった、やりましたねッ! 奏さんッ!」", | |||
"302001252_3": "「ああ、何とかね……。ありがとな」", | |||
"302001252_4": "「奏ッ!」", | |||
"302001252_5": "「翼……」", | |||
"302001252_6": "「全く無茶をするんだから……でも、やっぱり奏は凄いッ!」", | |||
"302001252_7": "「……。\\n 悪いな、ちょっと疲れたから、先に戻る」", | |||
"302001252_8": "「え、奏……?」", | |||
"302001252_9": "「…………」", | |||
"302001252_10": "「奏……」" | |||
} |
@@ -1,36 +1,36 @@ | |||
{ | |||
"302001311_0": "七人の装者", | |||
"302001311_1": "「昨日カルマノイズを倒した事で、\\n ギャラルホルンに変化があった」", | |||
"302001311_2": "「変化……ですか?」", | |||
"302001311_3": "「はい。今までと比べてアラートが弱まっているようなのです」", | |||
"302001311_4": "「これは、こちらに出現したカルマノイズが倒れた影響だと\\n みています」", | |||
"302001311_5": "「恐らくは、カルマノイズが倒れたことで、異変が\\n 治まりつつあるということになると思います」", | |||
"302001311_6": "「異変が治まりつつある……となると、ノイズは――?」", | |||
"302001311_7": "「推測ですが、少なくともまたあのノイズがこちらに現れる\\n ようなことは無いと思います」", | |||
"302001311_8": "「もしかしたら、普通のノイズも現れないかもしれません。\\n 元々この世界のバビロニアの宝物庫は閉じていますから」", | |||
"302001311_9": "「……良かったな」", | |||
"302001311_10": "「奏……?」", | |||
"302001311_11": "「こっちの世界が無事なら、後はあたしたちの世界の問題だ。\\n ……後は、あたし1人でも――」", | |||
"302001311_12": "「……わたしは、降りるつもりはない。\\n こちらの世界だけでなく、そちらの世界が救われるまでは」", | |||
"302001311_13": "「わたしも同じですッ!\\n こんな中途半端で手を退くなんて、出来ません」", | |||
"302001311_14": "「そういうことよ。\\n 勝手にわたしたちを除け者にしないでくれるかしら?」", | |||
"302001311_15": "「……いいのか、本当に?」", | |||
"302001311_16": "「……君はもっと他人を頼っていいんだ。\\n 少なくとも俺たちは、君も君の世界も見捨てたりはしない」", | |||
"302001311_17": "「……ああ、ありがとう」", | |||
"302001311_18": "「では装者全員に指令を伝えるッ! 速やかに並行世界へと渡り、\\n 問題の元凶、カルマ化したノイズを全て撃破するんだッ!」", | |||
"302001311_19": "「準備はいいな。みんな」", | |||
"302001311_20": "「もちろん」", | |||
"302001311_21": "「バッチリですッ!」", | |||
"302001311_22": "「……ああッ!」", | |||
"302001311_23": "「よし、それでは出発するッ!」", | |||
"302001311_24": "「……帰って来たんだな。あたしは」", | |||
"302001311_25": "「奏ちゃん、聞こえてる?\\n もしかして翼ちゃんとか他の子もいるのかしら?」", | |||
"302001311_26": "「聞こえてるよ。何かあったのか?」", | |||
"302001311_27": "「大量のノイズが現れてるの。この前こっちに来た3人も\\n 向かってるけど、あなたたちも向かってくれるかしら?」", | |||
"302001311_28": "「ああ、もちろんッ!」", | |||
"302001311_29": "「うらああああああッ!\\n ぶっ飛べえええッ!」", | |||
"302001311_30": "「休む暇もないデス……ノイズ、ノイズ、ノイズって、\\n いい加減しつこすぎるのデスッ!」", | |||
"302001311_31": "「でも、誰かが倒さないと……」", | |||
"302001311_32": "「それは分かってるデスけど……」", | |||
"302001311_33": "「はんッ、こんな雑魚ノイズなんて相手になんねーよッ!\\n いくらでもきやがれってんだッ!」" | |||
{ | |||
"302001311_0": "七人の装者", | |||
"302001311_1": "「昨日カルマノイズを倒した事で、\\n ギャラルホルンに変化があった」", | |||
"302001311_2": "「変化……ですか?」", | |||
"302001311_3": "「はい。今までと比べてアラートが弱まっているようなのです」", | |||
"302001311_4": "「これは、こちらに出現したカルマノイズが倒れた影響だと\\n みています」", | |||
"302001311_5": "「恐らくは、カルマノイズが倒れたことで、異変が\\n 治まりつつあるということになると思います」", | |||
"302001311_6": "「異変が治まりつつある……となると、ノイズは――?」", | |||
"302001311_7": "「推測ですが、少なくともまたあのノイズがこちらに現れる\\n ようなことは無いと思います」", | |||
"302001311_8": "「もしかしたら、普通のノイズも現れないかもしれません。\\n 元々この世界のバビロニアの宝物庫は閉じていますから」", | |||
"302001311_9": "「……良かったな」", | |||
"302001311_10": "「奏……?」", | |||
"302001311_11": "「こっちの世界が無事なら、後はあたしたちの世界の問題だ。\\n ……後は、あたし1人でも――」", | |||
"302001311_12": "「……わたしは、降りるつもりはない。\\n こちらの世界だけでなく、そちらの世界が救われるまでは」", | |||
"302001311_13": "「わたしも同じですッ!\\n こんな中途半端で手を退くなんて、出来ません」", | |||
"302001311_14": "「そういうことよ。\\n 勝手にわたしたちを除け者にしないでくれるかしら?」", | |||
"302001311_15": "「……いいのか、本当に?」", | |||
"302001311_16": "「……君はもっと他人を頼っていいんだ。\\n 少なくとも俺たちは、君も君の世界も見捨てたりはしない」", | |||
"302001311_17": "「……ああ、ありがとう」", | |||
"302001311_18": "「では装者全員に指令を伝えるッ! 速やかに並行世界へと渡り、\\n 問題の元凶、カルマ化したノイズを全て撃破するんだッ!」", | |||
"302001311_19": "「準備はいいな。みんな」", | |||
"302001311_20": "「もちろん」", | |||
"302001311_21": "「バッチリですッ!」", | |||
"302001311_22": "「……ああッ!」", | |||
"302001311_23": "「よし、それでは出発するッ!」", | |||
"302001311_24": "「……帰って来たんだな。あたしは」", | |||
"302001311_25": "「奏ちゃん、聞こえてる?\\n もしかして翼ちゃんとか他の子もいるのかしら?」", | |||
"302001311_26": "「聞こえてるよ。何かあったのか?」", | |||
"302001311_27": "「大量のノイズが現れてるの。この前こっちに来た3人も\\n 向かってるけど、あなたたちも向かってくれるかしら?」", | |||
"302001311_28": "「ああ、もちろんッ!」", | |||
"302001311_29": "「うらああああああッ!\\n ぶっ飛べえええッ!」", | |||
"302001311_30": "「休む暇もないデス……ノイズ、ノイズ、ノイズって、\\n いい加減しつこすぎるのデスッ!」", | |||
"302001311_31": "「でも、誰かが倒さないと……」", | |||
"302001311_32": "「それは分かってるデスけど……」", | |||
"302001311_33": "「はんッ、こんな雑魚ノイズなんて相手になんねーよッ!\\n いくらでもきやがれってんだッ!」" | |||
} |
@@ -1,19 +1,19 @@ | |||
{ | |||
"302001321_0": "「まだまだ来るデスッ!」", | |||
"302001321_1": "「はッ、いくらでも来やがれッ! 風穴開けてやらあッ!」", | |||
"302001321_2": "「でも、この数は中々大変……」", | |||
"302001321_3": "「キリが無いデス……」", | |||
"302001321_4": "「それなら、わたしたちも手を貸そうッ!\\n はああああ――ッ!」", | |||
"302001321_5": "「先輩……って、全員で来たのかッ!?\\n いいのかよッ!?」", | |||
"302001321_6": "「ええ、向こうはもう心配ないみたい。\\n だから、後はこっちを解決するだけよ」", | |||
"302001321_7": "「やっとマリアも一緒デスッ!」", | |||
"302001321_8": "「うん、良かった」", | |||
"302001321_9": "「それにしても、勢ぞろいだな……。\\n 合計7人って、これだけ装者がいりゃ、余裕だろッ!」", | |||
"302001321_10": "「あんたたちと一緒に戦うのは初めてだね。\\n よろしく頼むよ」", | |||
"302001321_11": "「おう、足手まといにならねーように気を付けろよなッ」", | |||
"302001321_12": "「雪音……もう少し言い方は無いのか……?」", | |||
"302001321_13": "「いいんだよ、翼。\\n 足手まといで無い事は、戦いで証明して見せるさ」", | |||
"302001321_14": "「み、みんなッ!\\n その、あ、あれって――ッ!」", | |||
"302001321_15": "「お出ましデースッ!」", | |||
"302001321_16": "「みんな、注意するんだッ! 気を抜くなッ!」" | |||
{ | |||
"302001321_0": "「まだまだ来るデスッ!」", | |||
"302001321_1": "「はッ、いくらでも来やがれッ! 風穴開けてやらあッ!」", | |||
"302001321_2": "「でも、この数は中々大変……」", | |||
"302001321_3": "「キリが無いデス……」", | |||
"302001321_4": "「それなら、わたしたちも手を貸そうッ!\\n はああああ――ッ!」", | |||
"302001321_5": "「先輩……って、全員で来たのかッ!?\\n いいのかよッ!?」", | |||
"302001321_6": "「ええ、向こうはもう心配ないみたい。\\n だから、後はこっちを解決するだけよ」", | |||
"302001321_7": "「やっとマリアも一緒デスッ!」", | |||
"302001321_8": "「うん、良かった」", | |||
"302001321_9": "「それにしても、勢ぞろいだな……。\\n 合計7人って、これだけ装者がいりゃ、余裕だろッ!」", | |||
"302001321_10": "「あんたたちと一緒に戦うのは初めてだね。\\n よろしく頼むよ」", | |||
"302001321_11": "「おう、足手まといにならねーように気を付けろよなッ」", | |||
"302001321_12": "「雪音……もう少し言い方は無いのか……?」", | |||
"302001321_13": "「いいんだよ、翼。\\n 足手まといで無い事は、戦いで証明して見せるさ」", | |||
"302001321_14": "「み、みんなッ!\\n その、あ、あれって――ッ!」", | |||
"302001321_15": "「お出ましデースッ!」", | |||
"302001321_16": "「みんな、注意するんだッ! 気を抜くなッ!」" | |||
} |