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JSON
Executable File
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{
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"205090412_0": "「そっちにいったわよッ!」",
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"205090412_1": "「ああ、任せておけッ。はああーーッ!」",
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"205090412_2": "(2人とも、すごいなあ……)",
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"205090412_3": "(息ぴったり……。\\n ああいうの日本じゃ、あうんの呼吸、っていうんだっけ?)",
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"205090412_4": "「ふう……片付いたわね」",
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"205090412_5": "「ああ、この一帯にアルカ・ノイズの反応はないそうだ。\\n 引き上げるとしよう」",
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"205090412_6": "「セレナもお疲れ様」",
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"205090412_7": "「最近、手伝ってもらってばかりで悪いな」",
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"205090412_8": "「い、いえ、そんなことないです」",
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"205090412_9": "(……)",
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"205090412_10": "「どうした、わたしの顔に何かついてるか?」",
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"205090412_11": "「な、なんでもありません」",
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"205090412_12": "(姉さん、風鳴さんと一緒だと動きがもっと凄くなる……)",
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"205090412_13": "(月読さんと暁さんも、確かに姉さんと仲がいいけど……\\n どっちかというと、わたしと同じ、妹みたいな感じかな)",
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"205090412_14": "(なんていうか、まだ姉さんが合わせてくれてるって感じ……)",
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"205090412_15": "(でも。風鳴さんとはなんていうか……\\n 相棒とか、対等のパートナーって感じがする……)",
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"205090412_16": "(うん、決めた。わたし、風鳴さんみたいに、\\n マリア姉さんを支えられるパートナーになりたいッ!)",
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"205090412_17": "「よしッ!」",
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"205090412_18": "「報告もこれでおしまい、と。\\n 今日は意外と手早く終わったわね」",
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"205090412_19": "「お疲れ様、姉さん」",
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"205090412_20": "「フフ……セレナもね」",
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"205090412_21": "「まだ陽もくれてないし、この後どこか寄っていく?」",
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"205090412_22": "「う、うん……」",
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"205090412_23": "(やっぱり、風鳴さんにお願いしてみようッ!)",
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"205090412_24": "「ごめん、姉さんは先に帰っててッ! わたし、用があるの」",
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"205090412_25": "「あっ、セレナッ!?」",
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"205090412_26": "「もう。用って、いったいどうしたのよ」",
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"205090412_27": "「せっかく、久しぶりに時間ができたと思ったのに……」",
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"205090412_28": "「それで、わたしに話というのは?」",
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"205090412_29": "「あの……わたしを弟子にしてくださいッ!」",
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"205090412_30": "「弟子ッ!? まるで立花みたいな物言いだな……」",
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"205090412_31": "「あ、いけない。ついこの間のノリで……」",
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"205090412_32": "「まあいい。とにかく事情を聞かせてくれ」",
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"205090412_33": "「わたし、風鳴さんのように姉さんと対等の関係で戦える\\n パートナーに、大人の女性になりたいんですッ!」",
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"205090412_34": "「なるほどな……\\n どうも最近様子がおかしいと思ったら、そういうことか」",
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"205090412_35": "「えっ? 何か変でしたか?」",
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"205090412_36": "「まあな……」",
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"205090412_37": "(……)",
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"205090412_38": "「まあ、ともかく。\\n せっかくの申し出だが、断らせてもらうとしよう」",
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"205090412_39": "「それは――わたしには無理という事でしょうか……」",
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"205090412_40": "「そうは言ってない。だが、そんな風に背伸びすることは、\\n マリアだってきっと望んではいない……」",
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"205090412_41": "「でも……。\\n 姉さんや皆さんの力にあまりなれてない自分が……もどかしいんです」",
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"205090412_42": "「出来ない事をしようとする必要は無い。\\n 出来ることに精一杯、力を尽くせばいいんだ」",
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"205090412_43": "「そして何よりも……今という時間を大事に過ごすことだ」",
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"205090412_44": "「今という時間?」",
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"205090412_45": "「ああ……今はマリアとの、\\n 失った時間を取り戻すことが大切なんじゃないか?」",
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"205090412_46": "「…………」",
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"205090412_47": "「それに、な。\\n マリアもそろそろ限界みたいだから、早く帰ってやるといい」",
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"205090412_48": "「限界? マリア姉さんが?」",
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"205090412_49": "「やっぱり気づいていなかったのか……」",
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"205090412_50": "「最近、セレナとすれ違ってばかりで寂しいと、\\n ボヤいていたぞ?」",
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"205090412_51": "「姉さんが?」",
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"205090412_52": "「お前の存在が、今のマリアにとってどれだけ力に\\n なっているか。もっと自覚した方がいいな」",
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"205090412_53": "「わたしが……わたしの存在が、姉さんの力に……」",
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"205090412_54": "「ああ」",
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"205090412_55": "「ありがとうございますッ!\\n わたし、帰りますッ!」",
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"205090412_56": "「ああ、早く帰ってやるといい。気をつけてな」",
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"205090412_57": "「相身互いに。思い、思われ、か――」",
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"205090412_58": "「フフ……姉妹、か。確かに、いいものだな」",
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"205090412_59": "「はあ……最近どうしたのかしら、セレナ」",
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"205090412_60": "(避けられてるってわけじゃないけど……\\n なんか、妙にすれ違っちゃうのよね……)",
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"205090412_61": "「それにしても遅いわね。大丈夫かしら……」",
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"205090412_62": "「ただいま、マリア姉さんッ!」",
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"205090412_63": "「か、帰って来たわッ!」",
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"205090412_64": "「うっ、うん――」",
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"205090412_65": "「姉さん?」",
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"205090412_66": "「あら、セレナ。早かったわね。用事はもう済んだの?」",
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"205090412_67": "「うん、それはもういいの」",
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"205090412_68": "「なっ、なあに、急に?\\n 甘えん坊さんね。小さな子供みたいよ?」",
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"205090412_69": "「いいじゃない。だってわたし、まだ子供だもんッ!」",
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"205090412_70": "「フフ……そうだったわね」",
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"205090412_71": "「マリア姉さん……大好きッ!」",
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"205090412_72": "「うん……わたしもよ、セレナ」"
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