72 lines
6.6 KiB
JSON
Executable File
72 lines
6.6 KiB
JSON
Executable File
{
|
||
"201006812_0": "「うーん、悪くないけど……。\\n ちょっと違うかな……」",
|
||
"201006812_1": "「よし。次次ッ!\\n 張り切って、別のお店にいこうッ!」",
|
||
"201006812_2": "「…………ちばな」",
|
||
"201006812_3": "「……あれ?」",
|
||
"201006812_4": "「……立花。……立花」",
|
||
"201006812_5": "「誰かに呼ばれたような……。\\n って、あッ! つ、翼さ――ッ!?」",
|
||
"201006812_6": "「静かにしてくれ……気づかれたらまた囲まれてしまう……」",
|
||
"201006812_7": "「どうしたんですか、そんな物陰で……かくれんぼですか?」",
|
||
"201006812_8": "「ある意味そんなところだ……ちょっと買い物に出たんだが、\\n ファンに見つかり追いかけられてしまって……」",
|
||
"201006812_9": "「それはそうなりますよ。だって翼さんですし」",
|
||
"201006812_10": "「ありがたいことなのだが、これでは目的の\\n 買い物もできそうになくてな……」",
|
||
"201006812_11": "「すまないが、視線を遮るために注意をそらしてくれないか?」",
|
||
"201006812_12": "「もちろん、いいですよッ!」",
|
||
"201006812_13": "「助かった。ありがとう」",
|
||
"201006812_14": "「いえ、お安い御用です。\\n でも、買い物はよかったんですか?」",
|
||
"201006812_15": "「ああ、どちらにしてもあの店ではいいと思えるものが\\n 見つからなかったからな……」",
|
||
"201006812_16": "「一体何を買おうとしてるんですか?」",
|
||
"201006812_17": "「それが……その、バレンタインの、お、お返しをだな……」",
|
||
"201006812_18": "「バレンタインのお返しって……ええッ!?」",
|
||
"201006812_19": "「そ、そんなに驚かなくてもいいだろう……。\\n わたしとて、受けた恩はしっかり返したいんだ」",
|
||
"201006812_20": "「ち、違うんです。そうじゃなくて。\\n ……実は、わたしもバレンタインのお返しに悩んでまして」",
|
||
"201006812_21": "「なッ、立花もなのかッ!?」",
|
||
"201006812_22": "「未来にチョコを貰ったので、やっぱり何か喜んでもらえる\\n ものを返せたらなーと」",
|
||
"201006812_23": "「わたしの相手はマリアだが……そうだな。\\n わたしも気持ちは同じだ」",
|
||
"201006812_24": "「翼さんッ! それなら、一緒に相談しながら選びませんか?」",
|
||
"201006812_25": "「それは願ってもない提案だ。ぜひそうさせて欲しい」",
|
||
"201006812_26": "「決まりですねッ!\\n だったら早速、お店を回りましょう」",
|
||
"201006812_27": "「はあー……」",
|
||
"201006812_28": "「ふー……ひと通り回ってみたものの……」",
|
||
"201006812_29": "「ピッタリな贈り物って、\\n なかなか見つからないものですね」",
|
||
"201006812_30": "「そうだな、\\n こんなに難しいものとは思わなかった……」",
|
||
"201006812_31": "「かと言って妥協はしたくないですし……」",
|
||
"201006812_32": "「ああ、お礼の気持ちを伝えるためにも\\n いい加減にはしたくないな」",
|
||
"201006812_33": "「公園でため息なんかついて、どうしたんですか?」",
|
||
"201006812_34": "「調ちゃんッ! いいところにッ!」",
|
||
"201006812_35": "「地獄に仏とは、このことかッ!?」",
|
||
"201006812_36": "「事情は分かりました。\\n そういうことなら、わたしから提案があります」",
|
||
"201006812_37": "「ああ、忌憚せず、どんどん言ってくれ」",
|
||
"201006812_38": "「おふたりで特別なカフェを開いてはいかがでしょう?」",
|
||
"201006812_39": "「2人をそこに招待して、\\n 料理でおもてなしするんです」",
|
||
"201006812_40": "「わあッ、楽しそうッ!\\n 2人もきっと喜んでくれるよ」",
|
||
"201006812_41": "「ああ、さすが月読だ」",
|
||
"201006812_42": "「料理は、もちろん手作りが喜ばれると思います」",
|
||
"201006812_43": "「ホワイトデーだし、スイーツでもてなすのはどうだろう?」",
|
||
"201006812_44": "「いいですねッ!」",
|
||
"201006812_45": "「でも、スイーツってすごく難しいんですよね。\\n わたし、上手にできる自信が……」",
|
||
"201006812_46": "「わたしもだ……。しかし気合いと気迫があれば、\\n きっとなんとかなるッ!」",
|
||
"201006812_47": "「そうですね、きっとなんとかできますッ!」",
|
||
"201006812_48": "「あ……あの、よかったら料理はわたしも手伝います」",
|
||
"201006812_49": "「いいのッ!? 助かるよ、調ちゃんッ!」",
|
||
"201006812_50": "「その代わり……。\\n おふたりにやってもらいたいことがあるんですけど……」",
|
||
"201006812_51": "「やってもらいたいこと?」",
|
||
"201006812_52": "「今思いついたんですが、あの2人なら、\\n きっと喜んでくれると思います」",
|
||
"201006812_53": "「なになにッ!?\\n わたしにできることなら、なんでもするよッ!」",
|
||
"201006812_54": "「では――」",
|
||
"201006812_55": "「きましたッ! 準備はいいですか?」",
|
||
"201006812_56": "「この建物で、いいのよね?」",
|
||
"201006812_57": "「招待状には、そう書かれていますね。\\n こんにちは。響、いるの?」",
|
||
"201006812_58": "「ようこそおいでくださいました、お嬢様」",
|
||
"201006812_59": "「本日はわたしたちが、\\n 精一杯、おもてなしをさせていただきます」",
|
||
"201006812_60": "「どうぞ、楽しいホワイトデーのひとときを\\n お過ごしください」",
|
||
"201006812_61": "「……ッ!?」",
|
||
"201006812_62": "「なッ!?」",
|
||
"201006812_63": "「一体なんなの……この状況はッ!」",
|
||
"201006812_64": "「響が、執事に……ッ!?」",
|
||
"201006812_65": "「荷物をお持ちしましょう、お嬢様」",
|
||
"201006812_66": "「さあ、こちらへお掛け下さいませ、お嬢様」",
|
||
"201006812_67": "「どうしよう、響がわたしのこと『お嬢様』って……」",
|
||
"201006812_68": "「どうしよう、翼がわたしにかしずいているなんて……ッ!」",
|
||
"201006812_69": "「予想以上の効果……。\\n 喜んでもらえて良かったですね」"
|
||
} |