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Executable File
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"206120111_0": "マジックランプドリーム④",
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"206120111_1": "(わたしはずっとノイズと戦ってきた。\\n でも今はその必要のない、平和な世界……)",
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"206120111_2": "(だから今までの分まで、学院での生活に\\n 全力で打ち込んでみたい)",
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"206120111_3": "(そのためにも……)",
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"206120111_4": "「わたし、部活に入りたいですッ!」",
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"206120111_5": "「たしかに、放課後は時間があるし、いいかも」",
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"206120111_6": "「セレナがやるなら、アタシもやってみたいデスッ!」",
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"206120111_7": "「どの部活にするか、決めているの?」",
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"206120111_8": "「それはまだ……。\\n よかったら、いろいろ見学してみませんか?」",
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"206120111_9": "「そうだね。まずは、先輩たちが入っている部活に行ってみようか」",
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"206120111_10": "「それはいい考えデスッ! 先輩たちなら、初めてでも\\n やさしく教えてくれるはずデスッ!」",
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"206120111_11": "「翼さんが剣道部、クリス先輩がサバゲ―部、\\n 響さんが中国拳法部だったね」",
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"206120111_12": "「さっそく行ってみましょう。初めての部活動、楽しみです」",
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"206120111_13": "「常在戦場……」",
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"206120111_14": "「せいッ!!」",
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"206120111_15": "「持ってけダブルだッ!」",
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"206120111_16": "「吹き飛べ――ッ!」",
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"206120111_17": "「この拳に……」",
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"206120111_18": "「すべてを込める――ッ!」",
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"206120111_19": "「こ、これが部活……ッ!」",
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"206120111_20": "「戦っていたときとノリが一緒デースッ!」",
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"206120111_21": "「さすが先輩たち……。次は文科系の部活を見学してみようか」",
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"206120111_22": "「まずは家庭科部デースッ!」",
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"206120111_23": "「見学に来てくれてありがとう。\\n 今日は簡単なお料理をしてみましょうか」",
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"206120111_24": "「月読さん、すごく手際がいいんですね」",
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"206120111_25": "「調のおさんどんスキルは一級品デス」",
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"206120111_26": "「どうやって切っているんですか?」",
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"206120111_27": "「包丁はこう持って、こう切るの」",
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"206120111_28": "「なるほど……」",
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"206120111_29": "「あと、豆苗の根は育てればもう一回食べられるから\\n 捨てちゃダメ」",
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"206120111_30": "「三枚おろしで出た中骨も、揚げればおせんべいになるんだよ」",
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"206120111_31": "「すごい……捨てるところがなくなっちゃいました」",
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"206120111_32": "「あの子……即戦力だわ……ッ!」",
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"206120111_33": "「次は……、何部デスか?」",
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"206120111_34": "「オカルト研究部」",
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"206120111_35": "「ええッ!?」",
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"206120111_36": "「どんな部活なんですか?」",
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"206120111_37": "「あ、アタシは、ちょっと用事ができたので……」",
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"206120111_38": "「そんなこと、言わないで」",
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"206120111_39": "「ひいッ!」",
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"206120111_40": "「せっかく来たんだし、お茶でもどうぞ。\\n わたしのとっておきの話を聞きながら……フフ」",
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"206120111_41": "「うう……1時間もオカルト話を聞かされるなんて、\\n えらい目に遭ったデスよ……」",
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"206120111_42": "「そう? けっこう面白かったと思うけど……。\\n セレナはどうだった?」",
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"206120111_43": "「そうですね……入部はしないと思いますけど、\\n 部員2人きりの部活なんて、楽しそうでいいですよね」",
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"206120111_44": "「え……オカルト研究部には、\\n 部長1人しかいなかったけど……」",
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"206120111_45": "「でも、窓際にずっと……」",
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"206120111_46": "「デデデデースッ!?」",
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"206120111_47": "「聞かなかったことにして、次に行こう」",
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"206120111_48": "「フフ、今日はいろいろな部活が見れて楽しかったです」",
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"206120111_49": "「でも、まだ入りたい部活は決まっていなくて……。\\n もしよかったら、また明日も見てまわりませんか?」",
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"206120111_50": "「うん、もちろん」",
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"206120111_51": "「最後まで付き合うデス。\\n バラ色の学院生活のために……ッ!」",
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"206120111_52": "「ありがとうございます」",
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"206120111_53": "(これが学院生活……ッ!)",
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"206120111_54": "(まだ部活に入ったわけじゃないのに、\\n 2人といるだけで楽しくて時間を忘れちゃう)",
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"206120111_55": "(こんな時間が、ずっと続けばいいのに……)",
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"206120111_56": "(わたしが、司令補佐になった日からはや数か月……)",
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"206120111_57": "(弦十郎さんは、先日別の政府機関の司令官に任命され、\\n 惜しまれつつもS.O.N.G.を後にした)",
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"206120111_58": "(そして、今のわたしは……)",
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"206120111_59": "「司令ッ! 月読司令――」",
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"206120111_60": "「全装者、目標ポイントにてスタンバイ完了しました」",
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"206120111_61": "「まもなくアルカ・ノイズが、ポイントに到達します」",
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"206120111_62": "「想定通り……」",
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"206120111_63": "「全装者に通達。作戦開始ッ!」",
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"206120111_64": "「了解ッ! 全装者、作戦を開始せよッ!」",
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"206120111_65": "「アルカ・ノイズ残数、10%を切りましたッ!\\n しかし、苦戦を強いられているようです」",
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"206120111_66": "「装者たちのダメージ状況と、\\n マップをモニターに出してください」",
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"206120111_67": "「はいッ!」",
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"206120111_68": "「切ちゃんとマリアは展開して敵を挟み撃ちに、\\n クリス先輩は響さんの援護に回ってください」",
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"206120111_69": "「ああッ!」",
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"206120111_70": "「了解よッ!」",
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"206120111_71": "「わかったデスッ!」",
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"206120111_72": "「アルカ・ノイズ、全部倒したよッ!」",
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"206120111_73": "「ええ、やったわね」",
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"206120111_74": "「でも、錬金術師は逃がしてしまったデス……」",
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"206120111_75": "「それだったら……」",
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"206120111_76": "「わたしだ。司令の指示通り、錬金術師を確保、\\n 機密文書も押収した」",
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"206120111_77": "「ありがとうございます」",
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"206120111_78": "「ええッ!? いつのまに……?」",
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"206120111_79": "「そういや、途中から先輩の姿が見えなかったな」",
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"206120111_80": "「さっすが調デースッ!」",
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"206120111_81": "「これくらいは、司令として当然のこと」",
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"206120111_82": "「本当に、頼りになるデス」",
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"206120111_83": "「みなさん、お疲れ様です。\\n 気をつけて帰ってきてください」",
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"206120111_84": "「ふーッ……」",
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"206120111_85": "「司令、大丈夫ですか?」",
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"206120111_86": "「大丈夫です。ホッとしたら力が抜けちゃって……」",
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"206120111_87": "(弦十郎さんは、こんなプレッシャーを受けながら、\\n 何度も指揮を執っていたんだ……)",
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"206120111_88": "(実際にここに立つと、司令が背負う重責が\\n どれほどのものか、身に染みる)",
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"206120111_89": "「もっと的確な指示が出せるように、頑張らないと……」",
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"206120111_90": "「今日は、訓練を行います」",
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"206120111_91": "「おーッ! 頑張るデスッ!」",
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"206120111_92": "「……って、アタシ1人デスかッ!?」",
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"206120111_93": "「他のみんなはそれぞれ大事な予定があるから」",
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"206120111_94": "「それなら仕方ないデスね……。\\n よろしくデス、調ッ!」",
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"206120111_95": "「ダメだよ。S.O.N.G.内では\\n 司令って呼んでくれないと」",
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"206120111_96": "「は……ッ! そうデスね。\\n よろしくデス、司令ッ!」",
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"206120111_97": "「それじゃ、始めるね。\\n 目標は、シミュレート戦闘10回ッ!」",
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"206120111_98": "「10回ッ!? 調は鬼司令デス……ッ!」",
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"206120111_99": "「切ちゃんの弱点に合わせて、\\n エルフナインに調整してもらったメニューだよ」",
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"206120111_100": "「大変だと思うけど、\\n 切ちゃんに怪我をしてほしくないから……」",
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"206120111_101": "「わ、わかってるデス。でも、今日はアタシ1人だけデスし、\\n せめて半分くらいに……」",
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"206120111_102": "「家の冷蔵庫に、ジャンボプリンが入ってる」",
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"206120111_103": "「ジャンボッ!?」",
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"206120111_104": "「でも、ちゃんと訓練してない人には、あげられないかも……」",
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"206120111_105": "「やるデスやるデス……ッ!」",
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"206120111_106": "「さすが司令……アタシの扱い方を心得ているデス……」",
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"206120111_107": "「10回、頑張るデス。だから、\\n プリンは2人で一緒に食べるデスよッ!」",
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"206120111_108": "「切ちゃん……うん。一緒に食べよう」",
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"206120111_109": "「司令、あったかいものどうぞ」",
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"206120111_110": "「あったかいものどうも」",
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"206120111_111": "「こんな時間まで調べ物ですか?\\n 最近、切歌ちゃんと一緒に帰っていないようですが……」",
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"206120111_112": "「切ちゃんも、わかってくれています。\\n わたしは司令なんだから、頑張らなきゃいけないって……」",
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"206120111_113": "「この警報はッ!」",
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"206120111_114": "「アルカ・ノイズの反応多数ッ!」",
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"206120111_115": "「発生場所と規模は?」",
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"206120111_116": "「市街地の中心です……ッ!\\n しかも……発生したアルカ・ノイズはすべてが大型ですッ!」",
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"206120111_117": "<size=40>「なん…<speed=0.5>…</speed>だとッ!?」</size>",
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"206120111_118": "(あいつの口車に乗せられて歌手として\\n デビューしてから1カ月……)",
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"206120111_119": "(信じられないけど、あたしの曲はそこそこ売れているらしい)",
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"206120111_120": "(そして今日は、初めてのライブの日……)",
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"206120111_121": "「ななな、なんだよこれッ!\\n 満席じゃねーかッ!」",
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"206120111_122": "「みんなあなたの歌声を聴きに来たんですよ。\\n 大変結構なことじゃないですかッ!」",
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"206120111_123": "「いやいや、そういうことじゃなくてッ!」",
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"206120111_124": "「最初は小さいハコで、それですらお客さんが\\n ガラガラな状態から始まるもんじゃないのか?」",
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"206120111_125": "「そこは超DXエクセレントギャラクシープロデューサーの\\n 僕の力ですよッ!」",
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"206120111_126": "「またそれかよ」",
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"206120111_127": "「そしてもちろん、あなた自身の力です」",
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"206120111_128": "「何も怖れる必要はありません。\\n いつも通りに唄えば、大丈夫ですよ」",
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"206120111_129": "「で、でもやっぱり……、\\n こんな大人数の前で唄うなんて……」",
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"206120111_130": "「それより、曲前のMCの準備はできていますか?」",
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"206120111_131": "「は? なんだそれ?」",
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"206120111_132": "「打ち合わせの時、\\n 主催者からお願いされていたじゃないですか」",
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"206120111_133": "「最初の曲の前に、気の利いたMCをお願いしますと」",
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"206120111_134": "「気の利いたMC……ッ!?」",
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"206120111_135": "「どどど、どうすりゃいいんだッ!?\\n ダジャレでも言えばいいのか……?」",
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"206120111_136": "「まったく、仕方がありませんね……。短くひとことで\\n 構いません、あなたらしいことを言えばいいんですよ」",
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"206120111_137": "「さあ、そろそろ出番のようです」",
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"206120111_138": "「なにッ!? まだ心の準備が……」",
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"206120111_139": "「ここから、僕たちの伝説が始まるんですッ!\\n お願いしますよッ!」",
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"206120111_140": "「あ、ああ……、行ってくる」",
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"206120111_141": "「あ……」",
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"206120111_142": "「ど、どうも……雪音クリスです……」",
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"206120111_143": "(な、何言ってるんだあたしはッ!\\n ヤバい、頭の中が真っ白に……)",
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"206120111_144": "(何か……、何か言わないと……。\\n 短くひとこと、わたしらしく……)",
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"206120111_145": "(くそッ! こうなりゃヤケだッ!)",
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"206120111_146": "<size=40>「ばぁーん☆」</size>",
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"206120111_147": "(反応なし……。こんな大舞台で、スベった……ッ!?)",
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"206120111_148": "(ちくしょう、あのバカプロデューサーッ!\\n いい加減なこと言いやがってッ!)",
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"206120111_149": "(出てきた時より大歓声……ッ!?\\n あれ? ウケたのか……?)",
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"206120111_150": "(もう、この勢いで駆け抜けるしか……ッ!)",
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"206120111_151": "「1曲目いくぞッ!\\n 『とどけHappy♡うたずきん!』」",
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"206120111_152": "「またしても大・成・功・ッ!\\n 僕の目に狂いはありませんでした」",
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"206120111_153": "「やーっぱり、僕は何をやっても成功してしまうッ!\\n 神から与えられたこの才能ッ! 我ながら怖ろしいッ!」",
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"206120111_154": "「ありがとなッ!\\n 次の曲もッ、全開でいくぞッ!」",
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"206120111_155": "(1曲唄ったらふっきれたッ!\\n これが、ライブか――ッ!)",
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"206120111_156": "「初めてのライブからはや半年、\\n 新曲もライブもすべて成功です。これもすべて――」",
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"206120111_157": "「はいはい、超DXエクセレントギャラクシープロデューサー様\\n のおかげな」",
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"206120111_158": "「そんな僕が次に仕掛けるのは、\\n 雪音クリス、初めてのコラボライブですッ!」",
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"206120111_159": "「コラボ? 一体誰と……」",
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"206120111_160": "「アーティスト、風鳴翼とは知り合いでしたよね?」",
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"206120111_161": "「ああ、だけど、あんなトップアーティストと\\n コラボなんてできるわけ……」",
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"206120111_162": "「僕の辞書に不可能という文字はありませんッ!\\n すでに話はつけてありますよ」",
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"206120111_163": "「なにいいいッ!?」",
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"206120111_164": "(先輩と一緒に、ステージに立つッ!?)",
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"206120111_165": "(そんなことが実現するなんて……、\\n こいつ本当に敏腕プロデューサーなんじゃないかッ!?)",
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"206120111_166": "(いや、そんなことより、先輩の足を引っ張るわけにはいかない。\\n 頑張らないと……)"
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