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"333000232_0": "「――ッ！？」",
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"333000232_1": "「翼、どうかした？」",
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"333000232_2": "「いや、ちょっと気分が悪くなって……」",
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"333000232_3": "（なんなんだ、これは？\\n 気分が悪くて、身体が重い……）",
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"333000232_4": "「大丈夫？」",
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"333000232_5": "「……ああ、大丈夫だ。何も問題ない」",
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"333000232_6": "「翼お姉ちゃん、クリスお姉ちゃん……？」",
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"333000232_7": "「なんだ？\\n 遠慮はいらない、なんでも言ってみてくれッ！」",
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"333000232_8": "「お腹が空いたの？」",
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"333000232_9": "「そうじゃ……ないけれど……」",
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"333000232_10": "「潜水艦の中でも見て回るか？\\n 窓からは魚がたくさん泳いでるのが見えるぞッ！」",
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"333000232_11": "「お魚……うーん」",
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"333000232_12": "「ん、ギョッとするほどいる」",
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"333000232_13": "「魚だけになッ！」",
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"333000232_14": "「解説しないで」",
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"333000232_15": "「ハハッ、クリスは、面白いだろう？」",
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"333000232_16": "「…………」",
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"333000232_17": "「……違う、やっぱり翼お姉ちゃんじゃない……。\\n クリスお姉ちゃんも……」",
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"333000232_18": "「オレは翼だ、違ってなんかいないぞ」",
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"333000232_19": "「そうだよ」",
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"333000232_20": "「八紘おじちゃんの所に帰りたい……」",
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"333000232_21": "「どうして？ ここは安全な場所だぞ」",
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"333000232_22": "「……安全？\\n お姉ちゃんたちは、なんなの？」",
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"333000232_23": "「それは――」",
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"333000232_24": "「そうですよね。\\n この場所がどんな場所かわからないと不安ですよね？」",
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"333000232_25": "「ここは影護の潜水艦の中です」",
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"333000232_26": "「さっきも言ってたけど、カゲモリ……って？」",
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"333000232_27": "「我々の組織ですよ」",
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"333000232_28": "「この世界には、聖遺物や異端技術という\\n 先史文明期の遺産が存在しています」",
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"333000232_29": "「それは、とても強力で恐ろしい力を持っているんです。\\n 人間が誤って扱えば、大きな被害が出てしまう危険なモノ」",
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"333000232_30": "「それに聖遺物が危険なだけではありません。\\n 聖遺物の力を求めて、人間同士の争いも続いてきました」",
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"333000232_31": "「我々影護は、聖遺物や異端技術による被害が出る前に、\\n それらを回収、封印――」",
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"333000232_32": "「もしくは、二度と使用できないように破壊することを\\n 目的として、先代の司令が立ち上げた組織なんです」",
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"333000232_33": "「その目的のためなら、\\n 各国を敵に回すことも辞さない覚悟です」",
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"333000232_34": "「我々の活動が、\\n 聖遺物の脅威から人の世界を救うことに繋がるのなら」",
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"333000232_35": "「…………」",
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"333000232_36": "「少し、難しかったですかね？」",
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"333000232_37": "「……うん」",
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"333000232_38": "「君をここへ連れて来たのも、\\n 聖遺物をめぐる欲望から君の身を護るためです」",
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"333000232_39": "「安心してください。\\n 我々は、決して君を傷つけるようなことはしませんので」",
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"333000232_40": "「先代の司令は、オレの先生なんだけど、\\n その人は、常に弱い者の味方だったんだ」",
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"333000232_41": "「そして、オレはその人の一番弟子ッ！\\n だから、何かあれば絶対にオレが護ってやるからなッ！」",
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"333000232_42": "「ええ。私たちはあなたの味方です」",
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"333000232_43": "「……でも……」",
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"333000232_44": "「でも、やっぱり、八紘のおじちゃんの所がいい……。\\n わたし、何も苦しい思いなんてしてない」",
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"333000232_45": "「八紘おじちゃんも、響お姉ちゃんも、\\n 二課の人たちも、みんな優しいよ」",
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"333000232_46": "「優しいだってッ！？ あいつらは、聖遺物を\\n 利用することだけを考えているやつらだぞ」",
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"333000232_47": "「うん、ここなら安全だよ。痛い実験も無いし――」",
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"333000232_48": "「わたし、実験なんてされてないよ」",
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"333000232_49": "「……なッ！？」",
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"333000232_50": "「どういうこと……？」",
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"333000232_51": "「……とりあえず、今はこの子を部屋に連れていきましょう。\\n きっと、疲れているでしょうから」",
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"333000232_52": "「……あ、ああ」",
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"333000232_53": "「シャロンさん。しばらくは、ここを家だと思って、\\n 自由にしていただいて構いません」",
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"333000232_54": "「欲しいものがあったら、なんでも言ってください」",
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"333000232_55": "「…………」",
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"333000232_56": "「ハハハ……、そう言われても、やっぱり不安ですよね……」",
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"333000232_57": "「とりあえずは部屋にお連れして、\\n しばらく休ませてあげてもらえますか」",
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"333000232_58": "「分かりました」",
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"333000232_59": "「帰して、くれないの？」",
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"333000232_60": "「君が安全に過ごせるようになったら\\n もちろん帰してあげますよ」",
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"333000232_61": "「もうしばらく我慢していただけますか？」",
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"333000232_62": "「……うん」",
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"333000232_63": "「さあ、部屋に行きましょうか」",
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"333000232_64": "「わかった……」",
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"333000232_65": "「帰りたいって一体、どういうことなんだッ！？」",
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"333000232_66": "「……予想外の反応」",
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"333000232_67": "「ええ、困りましたね」",
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"333000232_68": "「あの子の言葉、どう思う？」",
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"333000232_69": "「あの口ぶりから、\\n 少なくとも無理な実験はされてなさそうですね」",
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"333000232_70": "「とはいえ、聖遺物の融合症例であるあの少女は\\n 米国や日本政府から見れば非常に魅力的な存在なはず」",
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"333000232_71": "「あの子は、まだ幼い」",
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"333000232_72": "「自分が置かれている状況が\\n きちんと理解できていないのでしょう」",
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"333000232_73": "「つまり、騙されていると？」",
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"333000232_74": "「はい、本人は否定していましたが、\\n それと気づかれずに実験を行う方法はありますしね」",
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"333000232_75": "「そう……、だよな……」"
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