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"201014011_0": "正体不明、神出鬼没、最強の2人",
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"201014011_1": "「すまないな、定期報告のたびにこちらへ来てもらって」",
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"201014011_2": "「気にすんなよ、行き来できるのは装者だけなんだからな。\\n ……ところでなんでこっちは不機嫌そうなんだ?」",
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"201014011_3": "「別に不機嫌なわけではないわ。\\n どこかの誰かさんのおかげで頭が痛いってだけよ」",
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"201014011_4": "「まさか、草薙に動きがあったのですか?」",
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"201014011_5": "「いいえ、そちらとの関係で大きな問題は起こっていないわ」",
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"201014011_6": "「じゃあ、あんたが頭を痛める誰かってのは……。\\n って聞くまでもなく、このおっさんか」",
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"201014011_7": "「俺は自分にできることをやろうとしているだけなんだがな」",
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"201014011_8": "「何度も言わせないで頂戴。忍者集団のあの事件以降、\\n 上からの監視の目が厳しくなっているわ」",
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"201014011_9": "「なのに、ノイズが現れるたびに自分が出ると言い始める始末。\\n 毎度止める身にもなってほしいものね」",
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"201014011_10": "「自分の立場を考えれば、静観すべき時なのはわかる……。\\n しかし、できることがあるのならッ!」",
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"201014011_11": "「わかっているのなら自重しなさい。\\n 前のように隠れて抜け出そうなんてしないことね」",
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"201014011_12": "「うむ……」",
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"201014011_13": "「抜け出すって……子どもじゃあるまいし。\\n おっさんが人目を盗んで抜け出すとか無理があるだろ」",
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"201014011_14": "「どうしてもって言うなら、ほっかむりでもして\\n 盗人みたいに隠れたらどうだ?」",
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"201014011_15": "「その手があったか……ッ!」",
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"201014011_16": "「この期に及んでその発言はどういう了見かしらね。\\n あなたもこの人に余計な知恵を与えないで」",
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"201014011_17": "「人手が必要なら、わたしたちにも手伝わせてください。\\n 僅かばかりの力ですが、お役に立てるかと」",
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"201014011_18": "「その申し出はありがたいが、これはこちらの世界の問題だ。\\n 俺たちの手でなんとかしてみせる」",
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"201014011_19": "「それはそうなんだろうけど、\\n 本当にどうしようもなくなったらちゃんと言えよな?」",
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"201014011_20": "「ああ、そのときは頼りにさせてもらうさ」",
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"201014011_21": "「……できることはないか、\\n やきもきする気持ちはわからなくもないけれど」",
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"201014011_22": "「何か言ったか?」",
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"201014011_23": "「いいえ、何も」",
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"201014011_24": "「今日もこんな遅くまで研究とは、精が出るな」",
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"201014011_25": "「まあね」",
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"201014011_26": "「根を詰めすぎるのはよくない。\\n たまには英気を養うことも必要だと思うが」",
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"201014011_27": "「……そうね、一段落ついたところだから\\n たまにはいいかもしれないわ」",
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"201014011_28": "「だったら、最近、いい店を見つけてな。\\n 立ち飲み屋だがおっちゃんの気前がいいんだ」",
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"201014011_29": "「フッ……、そういう店は嫌いではないけどね、\\n あなたと2人で行くだなんて一言も言っていないのだけど?」",
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"201014011_30": "「おいおい、それだと俺が案内できないじゃないか」",
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"201014011_31": "「本当に……あなたは扱い方に困る相手ね」",
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"201014011_32": "「これは――ッ!?」",
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"201014011_33": "「ノイズの反応を検知したようね。\\n あなたは早く発令所へ向かったほうがいいんじゃない?」",
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"201014011_34": "「ああッ!」",
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"201014011_35": "「状況はどうなっているッ!」",
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"201014011_36": "「現在、市街部にてノイズが出現。\\n 今は特異災害対策機動部一課が通常兵器にて対応中」",
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"201014011_37": "「よし、なら俺も出る。ここはお前たちに任せたぞッ!」",
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"201014011_38": "「そ、それが二課は別命があるまで待機と\\n 上層部から言われていまして……」",
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"201014011_39": "「なんだとッ!?」",
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"201014011_40": "「ノイズ相手に通常兵器で戦おうなんて、\\n 上は何を考えているのかしら」",
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"201014011_41": "「このままでは無駄に死人が出てしまうぞッ!\\n やはり、俺が――」",
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"201014011_42": "「だから、あなたが動いてどうするのよ。\\n これが上の策略という可能性もあるのに」",
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"201014011_43": "「それは……」",
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"201014011_44": "「二課の立場が弱くなれば、最悪、ここの技術も人も奪われて、\\n 解体されるかもしれない」",
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"201014011_45": "「それでもいいのなら止めないわ。\\n あなたの言う、家族がどうなってもいいのならね」",
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"201014011_46": "「確かに君の言うとおりかもしれない。\\n ここで俺が動けば、それだけ周囲に迷惑をかけてしまうと」",
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"201014011_47": "「だが、目の前で失われる人命には代えられないッ!」",
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"201014011_48": "「そう……それがあなたの答えなのね」",
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"201014011_49": "「あなたなら、そう言うと思っていたわ。\\n いえ、そう言わなかったら、失望していたところよ」",
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"201014011_50": "「なら……」",
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"201014011_51": "「待ちなさい、急く男は嫌われるわよ。\\n このために用意したものがあるから、それを使いなさい」",
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"201014011_52": "「用意したもの、だと?」",
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"201014011_53": "「このッ! こんな役にも立たない武器でどうやって\\n ノイズと戦えと言うんだッ!」",
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"201014011_54": "「退却命令はまだ出ないのかッ!?」",
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"201014011_55": "「依然として本部は各員、ノイズとの戦闘を続行せよと……」",
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"201014011_56": "「か、囲まれたッ!? ど、どうすれば……」",
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"201014011_57": "「う、うわ――ッ!」",
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"201014011_58": "「な――ッ!? ノイズが、消えた……?\\n い、一体、なにが起きたんだ」",
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"201014011_59": "「お前たち、大丈夫か?\\n ここは俺たちに任せて部隊を退かせろ」",
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"201014011_60": "「あ、あなたたちは一体……?」",
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"201014011_61": "「<size=40>通りすがりのヒーローだッ!</size>」",
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"201014011_62": "「ひ、ヒーロー?」",
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"201014011_63": "「誰かを護るために命をかけるッ!\\n それがヒーローだッ!」",
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"201014011_64": "「は、はあ……」",
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"201014011_65": "「どこかのいかれた研究者さんみたいになっているわよ。\\n それと、熱弁している暇なんてないわ」",
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"201014011_66": "「退路は確保したから、あなたたちは早く逃げなさい」",
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"201014011_67": "「本当にここを任せてしまっていいのか?」",
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"201014011_68": "「うおおお――ッ!」",
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"201014011_69": "「あれを見ても、自分たちではなく、私たちを心配するの?」",
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"201014011_70": "「……そうだな、ここはあなたたちに任せたほうがいいようだ。\\n 私たちがいては足手まといになる」",
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"201014011_71": "「どこの誰かわからないが、ありがとうッ!\\n この礼は必ずどこかでッ!」",
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"201014011_72": "「顔も素性もわからない人にどうやってお礼をするのか楽しみね」",
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"201014011_73": "「しかし、意外とばれないものだな。\\n 今いた一課の連中、何度か会って話しているはずなんだが」",
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"201014011_74": "「私が作ったものなのよ、完璧に決まっているじゃない。\\n ……あなたが余計なことさえ言わなければね」",
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"201014011_75": "「すまないな、年甲斐もなくはしゃいでしまった。\\n こういった変身スーツは男の憧れだからな」",
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"201014011_76": "「気に入ってもらえたなら、作り手として冥利に尽きるわ」",
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"201014011_77": "「ありがとう、君には助けてもらってばかりだ」",
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"201014011_78": "「ただ1つ要求があるとしたら、色合いはもう少し明るいほうが\\n ヒーローらしさが出るんだが……」",
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"201014011_79": "「あら、文句でもあるって言うの?\\n 目立つのが目的じゃないからこれでいいのよ」",
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"201014011_80": "「……ふと思ったのだが、用意するなら俺の分だけで\\n よかったんじゃないか?」",
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"201014011_81": "「それはね――」",
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"201014011_82": "「こいつら、また増えて――ッ!」",
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"201014011_83": "「はあ――ッ!」",
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"201014011_84": "「こういう風に私も暴れたくなるときがあるのよ」",
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"201014011_85": "「なるほど」",
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"201014011_86": "「では、残りを片付けてしまおうか。\\n 背中は預けたぞッ!」",
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"201014011_87": "「フッ……、任せてくれるのはいいけど、\\n 後ろから刺されないように気をつけなさいッ!」",
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"201014011_88": "「そんときはそんときだッ!\\n 行くぞ、相棒ッ!」",
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"201014011_89": "「まったく……」",
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"201014011_90": "(相棒だなんて、言ってくれるじゃないの)"
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