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"339000411_0": "少女の正体は!?",
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"339000411_1": "「結局、あの女の子も、\\n おじいさんも見つからなかったわね」",
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"339000411_2": "「もう暗くなったし、家に帰ったのかも」",
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"339000411_3": "「それならいいんだけど……」",
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"339000411_4": "「…………」",
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"339000411_5": "「これからどうしよう……」",
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"339000411_6": "「イフロ星人のことについて、もう少し調べたいわね」",
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"339000411_7": "「できれば、もう1度イフロ星人に会って、\\n 話をしてみたいのだけれど……」",
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"339000411_8": "「一体どこにいるんデスかね」",
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"339000411_9": "「あッ、いたいたッ!\\n やっぱりまだこの辺をうろついてたんだ」",
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"339000411_10": "「あなたは……」",
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"339000411_11": "「まだ何か用があるんデスか?」",
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"339000411_12": "「昼間はゆっくり話すことができなかったからさ……」",
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"339000411_13": "「あなたに用事はないわ」",
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"339000411_14": "「そう――?\\n そっちの子は、違うみたいだけど?」",
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"339000411_15": "「…………」",
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"339000411_16": "「それに、こっちの世界のこと、特に異星人に関することは、\\n 色々と教えてあげられると思うんだけどな」",
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"339000411_17": "(確かに……イフロ星人を探す助けになるかもしれないわね)",
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"339000411_18": "「わかったわ」",
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"339000411_19": "「よし、それじゃ、行こうか」",
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"339000411_20": "「行くってどこへ?」",
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"339000411_21": "「まあ、着いてからのお楽しみだよ」",
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"339000411_22": "「今までとは、随分と雰囲気が違う場所ね……」",
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"339000411_23": "「まあ、普通の地球人は近づかないから」",
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"339000411_24": "「普通の地球人?」",
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"339000411_25": "「そう、ここは異星人たちの街なのさ」",
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"339000411_26": "「異星人の街……?\\n ということは、ここにいる人は地球人じゃないんデスか?」",
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"339000411_27": "「そういうことになるね」",
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"339000411_28": "「でも、全然そういう風には見えないわ」",
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"339000411_29": "「みんな、上手く擬態しているのさ」",
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"339000411_30": "「前にも少し聞いた気がするけれど……、\\n つまり異星人はみんな、地球人の姿に化けているってこと?」",
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"339000411_31": "「そういうルールになっているんだよ。\\n 破れば、科特隊から処罰の対象にされる」",
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"339000411_32": "「随分と詳しいんデスね」",
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"339000411_33": "「ボクはここで育ったからさ」",
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"339000411_34": "「えッ……でもあなたは異星人じゃないのよね?」",
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"339000411_35": "「ああ……」",
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"339000411_36": "「……ボクには夕子ちゃんっていう幼馴染がいるんだ。\\n 彼女たちと一緒に、ボクはこの異星人の街で育った……」",
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"339000411_37": "「その子は異星人なの……?」",
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"339000411_38": "「そうだよ、夕子ちゃんたちは、\\n 今も本来の姿を隠して暮らしているんだよ」",
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"339000411_39": "「それがどれだけ惨めで悲しいことかわかる?」",
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"339000411_40": "「…………」",
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"339000411_41": "「まあ、別の世界から来たあんたたちには関係ないけど」",
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"339000411_42": "「夕子ちゃんたちは、\\n 今も辛い状況に耐えながら生活している……」",
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"339000411_43": "「いつか自分たちの存在が地球人に受け入れられ、\\n こそこそと隠れる必要がなくなる日が来るって……」",
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"339000411_44": "「そう信じながら」",
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"339000411_45": "「なのに科特隊は、居場所のない異星人たちに\\n 手を差し伸べようとはしない」",
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"339000411_46": "「どうしてデスか?」",
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"339000411_47": "「異星人と一緒に暮らせと言われても、\\n すぐに受け入れられるものじゃないだろ」",
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"339000411_48": "「仮に受け入れたとしても、その時、地球人を傷つけたり、\\n 殺したりする異星人が混ざっていたらどうなる?」",
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"339000411_49": "「あまりいい結果にはならないでしょうね……」",
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"339000411_50": "「異星人に対する地球人の感情は間違いなく悪化する」",
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"339000411_51": "「一部とはいえ、凶悪な異星人が紛れ込んでいると知れたら、\\n 異星人の排斥運動につながりかねない」",
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"339000411_52": "「それで、あのギラリ眼鏡は厳しいことを言ってたんデスか……」",
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"339000411_53": "「もちろん地球で暮らしている以上は、\\n 異星人も地球のルールに従うべきだ」",
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"339000411_54": "「ほとんどの異星人はルールを守って暮らしている。\\n 問題なのは、それが出来ない者……」",
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"339000411_55": "「そいつらには罰が必要なんだ……ッ!」",
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"339000411_56": "「だからボクは科特隊にも入ろうとしたんだ。\\n それなのに拒絶されて……」",
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"339000411_57": "「だったら、1人でやるしかないんだよッ!」",
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"339000411_58": "「1人で……」",
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"339000411_59": "「少なくともボクは科特隊の連中よりも、\\n よっぽど異星人のことを理解している」",
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"339000411_60": "「だから、異星人を救いたいなら、ボクに協力しなよ」",
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"339000411_61": "「確かに……。\\n 科学特捜隊よりは話が通じそうね」",
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"339000411_62": "「協力するデス?」",
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"339000411_63": "「そうね……」",
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"339000411_64": "「ただ、1つ聞かせてほしいわ」",
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"339000411_65": "「なんだ?」",
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"339000411_66": "「あなた、イフロ星人のことはどうするつもり?」",
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"339000411_67": "「…………」",
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"339000411_68": "「あの異星人は、地球人に迷惑をかけている……。\\n 罰せられるべき対象だ……ッ!」",
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"339000411_69": "「そう……。\\n あなたも科学特捜隊と同じ目的だということね」",
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"339000411_70": "「いいや、違うよ。\\n だってボクの目的は全然違う」",
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"339000411_71": "「ボクにとって大切なのは、夕子ちゃんが夕子ちゃんとして、\\n 堂々と生きられる世界を実現することなんだッ!」",
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"339000411_72": "「あなたの目的は理解できるけれど、\\n やっぱりわたしたちとは相容れないわ……」",
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"339000411_73": "「ちょっと待てよ。スペシウムを扱えないんじゃ、\\n あんたたちは強力な異星人に歯が立たないんだぞッ!」",
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"339000411_74": "「スペシウム……?」",
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"339000411_75": "「そういえば、言っていたわね。\\n 彼らにあって、わたしたちにない力があるようなことを」",
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"339000411_76": "「教えて。スペシウムって何?」",
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"339000411_77": "「……ボクに協力する気はあるのか?」",
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"339000411_78": "「……イフロ星人に危害を加えるようなら協力はできないわ」",
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"339000411_79": "「それは、ボクとも敵対するって\\n 意思表示になっても良いんだね?」",
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"339000411_80": "「…………」",
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"339000411_81": "「まあ好きにすればいいさ。ただ、忘れるなよ。\\n ボクはあの異星人を見つけたら、容赦しないからな」"
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