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{
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"339000321_0": "「相変わらず、ここは人通りが多いデスね」",
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"339000321_1": "「少し前にあんな騒ぎがあったっていうのに、\\n もう普段どおりみたい」",
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"339000321_2": "「この世界の人たちは、異星人にも慣れているのかしら」",
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"339000321_3": "「だとしたら、あの子だって受け入れられてもいいのに」",
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"339000321_4": "「流石にあれだけ大暴れしていたら難しいデスよ」",
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"339000321_5": "「そうね……そう考えると、\\n 彼らの言っていることも、間違ってはいないけれど……」",
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"339000321_6": "「大丈夫?」",
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"339000321_7": "「ええ、平気よ。\\n さっきは少し頭に血が上っていたわ……」",
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"339000321_8": "「冷静になったら、恥ずかしい気分になってきた……」",
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"339000321_9": "「でも、マリアの怒りはわかる」",
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"339000321_10": "「アタシもデスッ! あんなひどい言い方をされたら、\\n ムカッとくるのも当然デスッ!」",
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"339000321_11": "「どうもあの、ギラリ眼鏡は苦手デス……」",
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"339000321_12": "「ごめんなさい。\\n わたしのせいでこんなことになってしまって……」",
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"339000321_13": "「全然、問題ないデスよ」",
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"339000321_14": "「うん、大丈夫。\\n わたしたちは何があってもマリアの味方だから」",
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"339000321_15": "「2人とも……ありがとう」",
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"339000321_16": "「でも、これからどうしよう……」",
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"339000321_17": "「1度、本部に戻るのはどうデス……?」",
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"339000321_18": "「やっぱり、このまま帰還するわけにはいかないわ」",
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"339000321_19": "「あの子を助けたいから?」",
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"339000321_20": "「ええ……望んでいるなら……、\\n あの子が救いを求めているなら……助けてあげたいわ」",
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"339000321_21": "「だったら、やるべきことは1つデスよ」",
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"339000321_22": "「でも、イフロ星人はどこへ行っちゃったんデスかね?」",
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"339000321_23": "「どこか、隠れられる場所があるのかも」",
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"339000321_24": "「そういえば、異星人は地球人に紛れて暮らしている、\\n って話もしていたわね……」",
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"339000321_25": "「姿を変えてるってことデス?」",
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"339000321_26": "「それだと、ますますわからなくなるわね……」",
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"339000321_27": "「…………」",
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"339000321_28": "「あれ……?」",
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"339000321_29": "「どうしたんデス?」",
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"339000321_30": "「あの子……」",
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"339000321_31": "「今、人混みの中に入っていった子……?」",
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"339000321_32": "「ええ。こんなところで何をしているのかしら?」",
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"339000321_33": "「子供なら他にもいるデスよ」",
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"339000321_34": "「でも、あの子……裸足だったわ」",
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"339000321_35": "「それは確かにおかしいかも」",
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"339000321_36": "「不安そうな顔で、辺りをキョロキョロ見ていたし……」",
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"339000321_37": "「迷子デスかね?」",
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"339000321_38": "「また来たデスよッ!」",
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"339000321_39": "「なんかフラフラしてる……」",
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"339000321_40": "「…………ッ!」",
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"339000321_41": "「ねえ、大丈夫?」",
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"339000321_42": "「ん……」",
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"339000321_43": "「あなた、1人でここに来たの?」",
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"339000321_44": "「そう……」",
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"339000321_45": "「お母さんは?」",
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"339000321_46": "「ううん」",
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"339000321_47": "「一緒じゃないの? お父さんは?」",
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"339000321_48": "「ううん」",
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"339000321_49": "「やっぱり迷子なんデスかね?」",
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"339000321_50": "「連れて行ってあげよう」",
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"339000321_51": "「そうね……」",
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"339000321_52": "「ねえ、お母さんとお父さんはどこにいるの? お家?」",
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"339000321_53": "「ううん」",
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"339000321_54": "「お家じゃないの? じゃあどこにいるの?」",
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"339000321_55": "「死んだ……」",
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"339000321_56": "「――えッ!?」",
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"339000321_57": "「…………」",
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"339000321_58": "「…………」",
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"339000321_59": "「ねぇ、それじゃ……あッ――」",
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"339000321_60": "「ちょっと――」",
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"339000321_61": "「――ぃてッ! なんだよ、いきなりッ!」",
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"339000321_62": "「ごめんさない……よそ見していて……」",
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"339000321_63": "「チッ、気をつけろよな……」",
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"339000321_64": "「行っちゃったデス……」",
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"339000321_65": "「この人混みだと、見つけるのは難しそう……」",
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"339000321_66": "(…………)",
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"339000321_67": "「すみません。少しよろしいでしょうか?」",
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"339000321_68": "「はい。どうしました?」",
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"339000321_69": "「突然、失礼かと思ったのですが、\\n ちょっとお尋ねしたいことがありまして……」",
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"339000321_70": "「このくらいの……小さな女の子を見ませんでしたか?\\n 髪の毛を後ろで2つに分けて束ねていて……」",
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"339000321_71": "「えッ、それって――」",
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"339000321_72": "「さっきの女の子デスか?」",
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"339000321_73": "「ご存じですか?\\n さっき、この辺りで見た気がしまして……」",
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"339000321_74": "「お知り合いなんですか?」",
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"339000321_75": "「孫娘なんですが、はぐれてしまって……」",
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"339000321_76": "「あの子、お父さんとお母さんはいないって……、\\n 言ってました……」",
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"339000321_77": "「そんな話をしていましたか……。\\n その通り、かわいそうな子でして……」",
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"339000321_78": "「両親の事故の後は、\\n 家に引きこもってほとんど笑わなくなってしまって……」",
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"339000321_79": "「せめて少しでも気晴らしになればと思い、\\n 遠出してみたのですが……」",
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"339000321_80": "「どうやら私と一緒にいてもつまらなかったみたいです……」",
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"339000321_81": "「そんなこと……あの子も捜しているみたいでしたよ」",
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"339000321_82": "「しかし、この人混みだと\\n 簡単には見つけられそうにありませんね……」",
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"339000321_83": "「1人で捜しているんデスか?」",
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"339000321_84": "「あいにく警察の方はさっきの騒動で忙しいらしく……」",
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"339000321_85": "「騒動?」",
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"339000321_86": "「ええ、この辺りで異星人が暴れまして。\\n ご存じありませんか?」",
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"339000321_87": "「あッ――いえ。一応、知っていますけど」",
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"339000321_88": "「そうですか。あの騒ぎで孫娘とはぐれてしまって……、\\n もう随分と捜してはいるんですけれどね……」",
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"339000321_89": "「それなら、わたしたちも捜すのを手伝いますッ!」",
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"339000321_90": "「いいんですか?」",
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"339000321_91": "「ええ、みんなで力を合わせれば、\\n きっとすぐ見つかると思います」",
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"339000321_92": "「おお、ありがたい。感謝します。\\n 見ず知らずの私に、なんて親切な方々なんでしょうか……」",
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"339000321_93": "「それではさっそく行くデスよッ!」",
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"339000321_94": "「…………さて」"
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