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"201014111_0": "怪獣大決闘",
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"201014111_1": "「さて、あたしたちが残ってお留守番か。\\n しっかし、何も起きないな……」",
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"201014111_2": "「良いことだと思うぞ。\\n 今はわたしたち２人しか、戦える者はいないんだ」",
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"201014111_3": "「確かにそれはそうなんだけど。\\n これなら向こうの世界に行ったほうがいいんじゃないか」",
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"201014111_4": "「それではこちらが手薄になってしまうだろう。\\n あちらのことは奏たちを信じて待つしかない」",
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"201014111_5": "「あ、あの、突然すみません。雪音先輩ですよね」",
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"201014111_6": "「ん？ そうだけど、どこかで会ったっけか？」",
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"201014111_7": "「い、いえ、初めましてですッ！」",
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"201014111_8": "「実は明日、学院でお話をしようと考えていたんですけど、\\n ここで会えたのは運命だと思って、声をかけましたッ！」",
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"201014111_9": "「運命って、大げさな連中だな……」",
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"201014111_10": "「どうしても、お願いしたいことがあるんです。\\n わたしたちの話を聞いてくれませんかッ！」",
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"201014111_11": "「お願いって、またどっかで\\n 唄えとか言うんじゃないだろうな……」",
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"201014111_12": "「雪音先輩に、わたしたちが作っている映画に\\n 出演してほしいんですッ！」",
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"201014111_13": "「え、映画、だとッ！？」",
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"201014111_14": "「……つまり、その自主映画とやらのイメージに合う\\n 役者が見つからないってことか」",
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"201014111_15": "「はい……」",
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"201014111_16": "「だが、なぜ雪音なんだ？\\n 話を聞いていると、わたしたちと面識はないようだが」",
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"201014111_17": "「板場ちゃん……ええっと、わたしの友達に相談したら、\\n ぴったりな人を知ってるって、教えてもらったんです」",
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"201014111_18": "（板場って、あのバカのクラスメイトだよな。\\n なんだってあたしを勧めたんだ）",
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"201014111_19": "「勝手なお願いなのはわかっています。\\n ですが、他の人じゃダメなんですよッ！」",
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"201014111_20": "「で、でもな、あたしに役者なんて――」",
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"201014111_21": "「先輩、お願いします……わたしたちに力を貸してくださいッ！」",
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"201014111_22": "「うッ……わ、わかったよ、やればいいんだろ、やれば」",
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"201014111_23": "「本当ですか、ありがとうございますッ！」",
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"201014111_24": "（こんな後輩に頭下げられて嫌だなんて言えるかよ……）",
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"201014111_25": "「自主制作とはいえ、雪音が映画デビューすることになるとはな。\\n 応援しているぞ」",
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"201014111_26": "「他人事みたいに言いやがって……」",
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"201014111_27": "「あ、あの、風鳴さんにもピッタリな役があるんですが……。\\n さすがにダメ、ですかね？」",
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"201014111_28": "「わたしにも出てほしい、ということか？」",
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"201014111_29": "「す、すみません、やっぱりダメですよねッ！\\n 風鳴さんみたいな有名人が素人の映画に参加するなんて……」",
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"201014111_30": "「……そうだな、少し待っていてもらえるか」",
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"201014111_31": "「え？ は、はい……」",
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"201014111_32": "「すまない、待たせたな」",
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"201014111_33": "「で？ あのマネージャーはなんだって？」",
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"201014111_34": "「気づいていたのか。緒川さんはその映画を営利目的に\\n 使用しないのなら問題ないと言っていた」",
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"201014111_35": "「それに後輩の頼みは断れないからな」",
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"201014111_36": "「ありがとうございますッ！\\n おふたりに声をかけて、本当によかったッ！」",
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"201014111_37": "「まさか先輩と映画に出ることになるなんて、\\n あいつらが聞いたらどんな顔するかわからないな」",
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"201014111_38": "「おふたりさえよければ、今から撮影場所に行ってみませんか。\\n 衣装合わせもあるので」",
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"201014111_39": "「あたしたちは構わないぞ、特に予定もないからな」",
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"201014111_40": "「ああ」",
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"201014111_41": "「ありがとうございます。\\n じゃあ、さっそく移動しましょう」",
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"201014111_42": "「ちょ、ちょっと待て、本当にこれを着るのかッ！？」",
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"201014111_43": "「わたしもこれはさすがに予想していなかった。\\n だが、面白そうだ」",
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"201014111_44": "「では、先程の打ち合わせ通り、お願いしますね」",
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"201014111_45": "「ギャオオオ――ッ！」",
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"201014111_46": "「……」",
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"201014111_47": "「黙っていないで役になりきるんだ。\\n 引き受けた以上は、全力でやらねば相手に失礼だぞ」",
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"201014111_48": "「順応性が高すぎだろッ！」",
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"201014111_49": "「先輩、その怪獣は優しい守護神みたいな設定ですよ。\\n なりきって、頑張ってくださいッ！」",
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"201014111_50": "「くッ……ああ、わかったよッ！」",
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"201014111_51": "「キュウ――ッ！」",
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"201014111_52": "「そうです、そういう感じです。\\n もうこのままカメラを回してもいいくらいですよッ！」",
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"201014111_53": "（ど、どういう感じがいいのか全然わからないぞ……）",
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"201014111_54": "「そちらのセットは仮のものなので、\\n 遠慮せず、思いっきり壊していいですよッ！」",
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"201014111_55": "「ウオオオ――ッ！」",
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"201014111_56": "（着ぐるみで街を壊すこの感覚はなんだ。\\n とても新鮮で、悪くない。いや、楽しささえ感じるッ！）",
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"201014111_57": "（着ぐるみで宙に吊られて、あたしは一体今、\\n 何をやっているんだ……）",
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"201014111_58": "「では、最後に思いっきり叫んでくださいッ！」",
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"201014111_59": "「<size=40>グオオオ――ッ！</size>」",
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"201014111_60": "「<size=40>クワァ――ッ！</size>」",
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"201014111_61": "「おふたりとも、とてもよかったですよッ！」",
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"201014111_62": "「そ、それはよかった……」",
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"201014111_63": "「先輩を紹介してくれた友達にお礼を言わないと。\\n ここまでピッタリとは思わなかったですッ！」",
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"201014111_64": "「喜んでもらえたようでよかった」",
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"201014111_65": "「本番の撮影までに衣装はおふたりに合わせて調整しておきます。\\n 楽しみにしててくださいね」",
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"201014111_66": "「そういや、本番がまだだった……」",
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"201014111_67": "「次は事前に時間を教えておいてくれ。\\n それに合わせて、わたしたちも予定を調整しよう」",
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"201014111_68": "「ありがとうございますッ！」",
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"201014111_69": "「ところで気になっていたんだが、\\n あの２体の怪獣はなんという名前なんだ？」",
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"201014111_70": "「え？ 怪獣は怪獣ですけど……」",
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"201014111_71": "「あたしは詳しくないけど、怪獣が主役の映画なら\\n あったほうがいいんじゃないか？」",
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"201014111_72": "「そうですよね。\\n 次の撮影までにちゃんと考えておきます」",
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"201014111_73": "「では、わたしたちは残りの作業を終わらせます。\\n 今日は本当にありがとうございましたッ！」",
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"201014111_74": "「ああ、頑張ってくれ」",
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"201014111_75": "「……はぁ、なんでこうなったんだよ」",
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"201014111_76": "「お互い、後輩の頼みは断れない性分だからな」",
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"201014111_77": "「そうなんだけど……」",
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"201014111_78": "「なんだ、不満があるのか。\\n わたしはなかなか面白いと思った、次も楽しみだ」",
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"201014111_79": "「こういうのはあのバカや後輩共にやらせればいいんだ。\\n 怪獣とか好きそうだろ」",
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"201014111_80": "「確かにそうだな。\\n 帰ってきた奏たちに話したら羨ましがられそうだ」",
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"201014111_81": "（はあ……こんなことなら、\\n あたしが並行世界に行ってもよかったんじゃ……）"
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