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"356000131_0": "「スサノオが倒されたというのか……」",
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"356000131_1": "「ああ。\\n しかも、それをやったのは、並行世界の立花響だ」",
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"356000131_2": "「そしてその場には、\\n 行動を共にしていた者が他に2人――」",
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"356000131_3": "「報告書にある、フォルテ、ララという少女か。\\n さらに、その者たちのリーダーの名前が……」",
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"356000131_4": "「ニコラ・テスラ……ッ!」",
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"356000131_5": "「……誰もが知る、天才的な科学者の名前ですね」",
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"356000131_6": "「交流電流のように現在でも使われている技術から、\\n 『ワールドシステム』と呼ばれる実用に至らなかったものまで」",
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"356000131_7": "「様々な発明をし、20世紀半ばに亡くなったとされています。\\n ……あくまで、ボクたちの世界では、ですが」",
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"356000131_8": "「いや、ほとんどの並行世界で同じ認識のはずだ」",
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"356000131_9": "「だがあれが本物だとして、少なくとも1人、どこかの並行世界の\\n テスラは、死の運命から逃れる方法を見つけた――」",
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"356000131_10": "「レーベンガーや、レイラインエネルギーのコントロールなど、\\n 敵対組織が高い科学技術を持っていることは明らかです」",
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"356000131_11": "「本当に、あの有名なニコラ・テスラが、\\n 黒幕ということなのでしょうか……ッ!?」",
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"356000131_12": "「<ruby=テック>T.E.C.</ruby>という組織名から見ても、\\n そう考えるのが自然だろうな」",
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"356000131_13": "「並行世界の響くんは、そんな組織と行動を共にしていた……。\\n 何やら言い争っていたとも聞いているが……」",
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"356000131_14": "「しかし、少女2名の言動や、纏っていた装備から判断するに、\\n 組織の一員となっている可能性が高いだろう」",
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"356000131_15": "「並行世界を消滅させるような組織に、なぜ……」",
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"356000131_16": "「疑問は尽きないが、いずれにしても、\\n T.E.C.の狙いは阻止しなくてはならない」",
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"356000131_17": "「だがな、残念ながら奴らの活動拠点も、標的にしている\\n 並行世界も、知る術がないというのが現状だ」",
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"356000131_18": "「せっかく相手のことがわかったのに、\\n 手も足も出せないなんて……」",
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"356000131_19": "「じれったいが、どうしようもない。当面は、今まで通り\\n 異常のある並行世界の調査をしていくことになるだろう」",
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"356000131_20": "「必ず、その喉元に食らいついてやる……」",
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"356000131_21": "「並行世界の剪定など、させるものか……ッ!」",
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"356000131_22": "「皆を助けてくれてありがとう、奏。\\n 危ないところだったと聞いた」",
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"356000131_23": "「間に合ってよかったよ。",
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"356000131_24": " それにしても、みんながやられるなんてね……」",
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"356000131_25": "「しかもどんな攻撃方法かもわからず、一撃で……」",
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"356000131_26": "「思っていた通り。\\n いえ、それ以上に厄介な相手なのかもしれないわね」",
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"356000131_27": "「ニコラ・テスラ……。\\n 超科学を駆使する敵か……」",
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"356000131_28": "「…………」",
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"356000131_29": "「その上、並行世界の立花響が関わっているなんて……」",
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"356000131_30": "「立花の不調は恐らく、彼女の心境を\\n 受けてのものだったんだな……」",
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"356000131_31": "「実際に会って、戦って、\\n 本人もショックを受けているでしょうね……」",
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"356000131_32": "「よーっしッ!」",
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"356000131_33": "「――ッ!?」",
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"356000131_34": "「奏……?」",
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"356000131_35": "「どうやら役者は揃ったようだし?\\n ここからは、戦う相手もわからないモヤモヤした状況は無しだ」",
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"356000131_36": "「なら突き進めばいいだけ。\\n こっちの響が挫けそうなら支えてやって」",
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"356000131_37": "「あっちの響がピンチなら手伝ってやって、\\n そんで黒幕のテスラを倒すッ!」",
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"356000131_38": "「やることはシンプルだろ?\\n なら、下を向いてる暇はない」",
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"356000131_39": "「そう簡単にねぇ……」",
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"356000131_40": "「だけど、奏らしい」",
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"356000131_41": "「確かに、言う通りだな。\\n 年長者のわたしたちが暗い顔をしていてはいけない」",
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"356000131_42": "「前を向こう。マリアもだぞッ!」",
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"356000131_43": "「な……ッ!\\n あなたまで……」",
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"356000131_44": "「……でも、2人の言う通りね。\\n わたしも、無理矢理にでも前を向くわ」",
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"356000131_45": "「うんうん。その意気だッ!」",
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"356000131_46": "「暇だね……」",
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"356000131_47": "「暇デース……」",
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"356000131_48": "「何か欲しいものはありますか?」",
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"356000131_49": "「ゲーム機とコントローラーを持ってきてほしいデスッ!」",
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"356000131_50": "「それはダメです。\\n 今日1日は絶対安静ですから」",
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"356000131_51": "「うう……わかったデス……」",
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"356000131_52": "「わたし、お料理したい……」",
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"356000131_53": "「それもダメです。\\n ご飯ならわたしが用意しますから明日まで我慢してください」",
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"356000131_54": "「厳しい……」",
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"356000131_55": "「今日のわたしは、姉さんにおふたりのことを\\n 頼まれていますから」",
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"356000131_56": "「さすがマリア、アタシたちが大人しく\\n できないことを見越して……ッ!」",
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"356000131_57": "「だけど、2人はすごいですね。\\n 元気いっぱいで……」",
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"356000131_58": "「え? 怪我人デスよ……?」",
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"356000131_59": "「いえ、心が、ということです。\\n あんなに恐ろしい敵の正体が垣間見えたのに……」",
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"356000131_60": "「……アタシだって怖いデスよ。\\n でも、みんながいるデス」",
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"356000131_61": "「うん。切ちゃんも、セレナも、\\n マリアたちも、みんな一緒」",
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"356000131_62": "「そうデス。\\n これほど安心なことは無いのデスッ!」",
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"356000131_63": "「フフ、そうですね。\\n わたしも、勇気が湧いてきました」",
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"356000131_64": "「でも、1つだけ心配……」",
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"356000131_65": "「……?」",
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"356000131_66": "「向こうの世界の響さん。\\n 響さんの周りには、ちゃんと、仲間がいるのかな……?」",
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"356000131_67": "「たしかに、心配デスね……」",
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"356000131_68": "「響、欲しいものはない?」",
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"356000131_69": "「未来が傍にいてくれれば、それだけで大丈夫だよ」",
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"356000131_70": "「フフ、響ったら……」",
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"356000131_71": "「そういうことは家でやれ――」",
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"356000131_72": "「って、ここは家じゃねーかッ!」",
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"356000131_73": "「クリス、騒いじゃダメだよ」",
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"356000131_74": "「そうだよ、クリスちゃん。\\n 未来がせっかく看病してくれてるんだから」",
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"356000131_75": "「……くそッ、なんであたしがこんな目に」",
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"356000131_76": "「クリスも響も、ダメージが抜けてないんだから。\\n 今日くらいはちゃんと休もう?」",
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"356000131_77": "「それなら、目の前で\\n イチャイチャし続けるのはやめてくれ……」",
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"356000131_78": "「え? そんなつもりはないんだけど……」",
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"356000131_79": "「うん、普通だよね?」",
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"356000131_80": "「あたしか? あたしがおかしいのかッ!?」",
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"356000131_81": "「クリスも、やってほしいことがあったら何でも言ってね」",
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"356000131_82": "「あたしはもうお腹いっぱいだっての……」",
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"356000131_83": "「……なあ、ところであいつのことだけどよ」",
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"356000131_84": "「……並行世界の、わたしのことだよね?」",
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"356000131_85": "「お前から見てどうだったんだ?\\n 自分自身だろ」",
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"356000131_86": "「……うん。わたしには、こうして当たり前に未来がいてくれる」",
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"356000131_87": "「だけど、あのわたしには、未来がいないんだ。\\n それがどういうことなのか、想像もできないよ」",
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"356000131_88": "「本人からも、わからないくせにって言われちゃったな」",
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"356000131_89": "「響……」",
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"356000131_90": "「でも、だからこそ、\\n 1人にしちゃいけない気がする」",
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"356000131_91": "「誰かが、傍にいないと……」",
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"356000131_92": "「そうだね。\\n 今、どこで何をしてるんだろう……」",
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"356000131_93": "「どこにいたって、どうにかして会いに行きたい。\\n もう一度、話を聞きたいんだ……ッ!」",
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"356000131_94": "「着いた。ここが――」",
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"356000131_95": "「もう、あの世界と同じことは起こさせない……。\\n わたしが止めるんだ……ッ!」"
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