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{
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"506001011_0": "“FINE” is a name that end of",
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"506001011_1": "「はあ、……はあ……ッ\\n 出し、切った……ぜんぶ……ッ!」",
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"506001011_2": "「わたしも……\\n もう、動けそうに、……ない……」",
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"506001011_3": "「……ああ、まったく――\\n 参ったよ」",
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"506001011_4": "「いくら胸の想いが猛ろうと、\\n これはもう、立ち上がれそうもない……」",
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"506001011_5": "「……ええ、わたしたちの負けです。\\n 本当に、何の言い訳もできないぐらいに」",
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"506001011_6": "「……奪うたび、傷つけるたび、\\n 世界を護ることと、キョウを護ることが離れていった」",
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"506001011_7": "「ヨウを護りたい想いと、世界を護らなければならない呪いが、\\n いつだって相反するように感じていた」",
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"506001011_8": "「大切な人を護るために、世界を護る。\\n そんな単純で、素敵な願いを抱けなくなっていた」",
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"506001011_9": "「でも……それでも、その想いを取り返して、\\n あたしたちはぶつかれた……向き合ってくれる友達と」",
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"506001011_10": "「…………」",
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"506001011_11": "「……」",
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"506001011_12": "「初めて自分のために、思い願う気持ちのままに戦ったのに。\\n それでも、勝てなかった……」",
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"506001011_13": "「ああ……悔しいなあ。\\n 負けたのが悔しい。負けを認めてしまった自分が悔しい」",
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"506001011_14": "「悔しいのに……ちくしょう、何の後悔もない。\\n 自分の全てでぶつかって、負けたことに納得してる」",
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"506001011_15": "「あたし自身が納得してることが、\\n 何よりも悔しい……ッ!」",
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"506001011_16": "「……これで終わりなんだ。\\n わたしたちの戦いも」",
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"506001011_17": "「そうだね。世界を護れず、\\n 救いたい人も救えず、あたしたちは負けた」",
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"506001011_18": "「けど、あたしたちは最後まで抗った。\\n どん底から立ち上がって、<ruby=みらい>未来</ruby>を目指して戦った」",
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"506001011_19": "「世界なんて背負ってなかった。\\n でも、だからこそ、わたしの全力でした」",
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"506001011_20": "「みんな――、ごめんなさい」",
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"506001011_21": "「……負けちゃった。\\n …………ごめん……ッ!!」",
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"506001011_22": "「……未来、もう立てる?」",
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"506001011_23": "「うん、なんとか……",
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"506001011_24": " 支えてくれる?」",
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"506001011_25": "「もちろん。\\n わたしのことも、お願いね」",
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"506001011_26": "「「あッ!?」」",
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"506001011_27": "「シンフォギアが、欠けて――」",
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"506001011_28": "「わたしのも……\\n ――ッ!?」",
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"506001011_29": "「アハハ……\\n 思ってたよりギリギリだったみたい、わたし」",
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"506001011_30": "「……強かったもん、\\n キョウちゃんも、ヨウちゃんも」",
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"506001011_31": "「……」",
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"506001011_32": "「…………」",
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"506001011_33": "「2人とも、これを持っていって」",
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"506001011_34": "「これは……ギアの欠片……?」",
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"506001011_35": "「うん、シンフォギアの――\\n 世界のみんなの、想いの一片」",
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"506001011_36": "「本当なら、わたしの全部を渡したい気持ちだってある。\\n けど、それはできないから」",
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"506001011_37": "「これだけじゃ、世界を救うことはできないかもしれない。",
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"506001011_38": " だとしても、少しでも力に――」",
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"506001011_39": "「――必要、ない」",
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"506001011_40": "「ええ、不要です」",
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"506001011_41": "「――えッ!?」",
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"506001011_42": "「でも、わたしたちが戦ったのは、憎み合ったからじゃない。\\n 奪われるのは困るけど、譲ることはできる。だから――ッ!!」",
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"506001011_43": "「ああ……違いますよ。\\n 勘違いしないでください」",
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"506001011_44": "「施しはいらない、なんて気取るつもりはありません」",
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"506001011_45": "「世界にとっては……無駄なんだ、きっと。\\n 本当に」",
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"506001011_46": "「……え?」",
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"506001011_47": "「……わかりませんか?\\n フフ、ええ……そういうこともありますよね、本当に」",
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"506001011_48": "「……わたしたちの世界は奪うことでしか生きられない宇宙。\\n 力の巡らない、使い切ればそれまでの閉じた星」",
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"506001011_49": "「この世界からエネルギーを奪い、星の命を永らえたとしても、\\n それが尽きれば終わりは来るんです」",
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"506001011_50": "「無限に続く略奪の末に全ての星の生命を奪い、\\n あたしたちの世界もまた、滅ぶしかない」",
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"506001011_51": "「いつか必ず訪れる終わりの<ruby=みらい>未来</ruby>。\\n それは神が世界を作った時と何ら変わらないんだ」",
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"506001011_52": "「だから――本当に、もういいんだ」",
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"506001011_53": "「あの――。\\n 割り込んでしまってごめんなさい」",
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"506001011_54": "「どうしても直接伝えるんだって聞かないものだから……",
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"506001011_55": " ごめんなさいね、わたしたちも同じ気持ちだったところだし」",
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"506001011_56": "「おまえは……ッ」",
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"506001011_57": "「……ご存じでしょうが、ボクはエルフナインです。\\n ヨウさん、キョウさん」",
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"506001011_58": "「――ッ!!",
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"506001011_59": " ああ。……知っていたとも、エルフナイン」",
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"506001011_60": "「……通信機越しですが、状況は確認していました。\\n 奏さんの報告と合わせて、計測器のデータも解析しています」",
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"506001011_61": "「その上でお話させてください。\\n あなたたちの世界を救うことのできる、可能性について」",
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"506001011_62": "「可能、性……?」",
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"506001011_63": "「そんなものは……。\\n あたしたちの世界は終わる。そのように産み出された」",
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"506001011_64": "「確かに<ruby=アヌンナキ>神</ruby>はその様に創ったのかもしれません。\\n ですが、その『終わり』を歪ませる存在を検知したんです」",
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"506001011_65": "「終わりを歪ませる……?\\n 神の摂理を崩すことのできる存在なんて……」",
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"506001011_66": "「あったんです。\\n それは――ベアトリーチェの、悪意」",
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"506001011_67": "「――ッ!?\\n あの世界蛇の巫女のッ!?」",
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"506001011_68": "「彼女は最後の最後まで、悪意と共にありました。\\n そして悪意のまま、『あらゆる世界』へと溶け込んだのです」",
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"506001011_69": "「この星、この宇宙だけではなく、\\n あなたたちの生きる宇宙にすらも」",
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"506001011_70": "「彼女の悪意が……力が。\\n あなたたちの世界の摂理を歪ませようとしているんですッ」",
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"506001011_71": "「ベアトリーチェの――\\n かつて、<ruby=フィーネ>神に届こうとした巫女</ruby>でもある、あの力が……?」",
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"506001011_72": "「この宇宙も、ヨウさんたちの生きる宇宙も、\\n 『星のつくり』は変わらないと観測データが証明しています」",
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"506001011_73": "「それはどこかの世界――仮にあなたたちの言う『本流世界』、\\n そのスペアや『可能性』だから、なのかもしれません」",
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"506001011_74": "「何にせよ、人類が存在する『星』には、\\n 星命力の流れ、レイラインが存在しています」",
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"506001011_75": "「最後まで悪意と共に世界へと溶けたベアトリーチェは、\\n そちらの世界のレイラインを通じ、悪意を巡らせているんです」",
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"506001011_76": "「誰かが誰かを傷つけ、傷つけられた誰かがまた誰かを傷つける。\\n 繰り返されるたびに膨れ上がる――悪意の循環」",
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"506001011_77": "「そんな悪意の循環に、\\n あなたたちの世界もまた、組み込まれたんです」",
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"506001011_78": "「悪意の、循環。\\n わたしたちの世界に、巡るもの……」",
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"506001011_79": "「あいつは、\\n あたしたちの世界を認識してなかったのに……?」",
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"506001011_80": "「最初はそうだったのかもしれません。\\n でも、最後にはあなたたちを敵として認めていた」",
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"506001011_81": "「あなたたちが、自分の意思で歩き始めたからこそ……ッ!」",
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"506001011_82": "「――そうだ。\\n あなたたちも、悪くなかったわよ」",
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"506001011_83": "「あなたたちと拳を交わしたおかげで、\\n わたしは、『全ての世界』に干渉する術がわかった……」",
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"506001011_84": "「もう、わたしの手が届かない世界はない。\\n どれほどに遠い大地であっても、わたしは必ずそこにいる」",
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"506001011_85": "「わたしは、永劫潰えることのない悪意として、\\n 全ての世界に溶けていくの」",
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"506001011_86": "「あらゆる世界の人間……その最後の1人が、\\n 絶望を抱いて死ぬのかどうか、それを見届けるために、ね」",
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"506001011_87": "「なら、あいつの言葉は……」",
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"506001011_88": "「全て、本当だった……?」",
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"506001011_89": "「その兆しはすでに観測されています」",
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"506001011_90": "「奏さんが話してくれました。あの世界の住民が言うには、\\n 最近は獲物がよく取れる――特に蛇が、卵まで産んでいる、と」",
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"506001011_91": "「――ッ!?\\n 蛇……ベアトリーチェの……ッ!」",
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"506001011_92": "「巡る世界への妬み、終わる世界を生み出した神への憎しみ。\\n そして世界を壊したシンフォギアへの後悔……」",
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"506001011_93": "「わたしたちの世界は、\\n ベアトリーチェの好みだったかもしれませんね……」",
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"506001011_94": "「たった1つの要素が循環しただけでは、\\n 世界を維持するエネルギーには足りないかもしれません」",
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"506001011_95": "「元となる力も、とびきりの悪意です。\\n どんな影響があるかはわかりません、ですが――」",
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"506001011_96": "「それでも、力は力。強い想い。\\n それが、届いた――」",
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"506001011_97": "「世界に染み込んだ想いの力が、神の摂理を打ち崩したんです」",
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"506001011_98": "「わたしたちの世界の摂理を、\\n わたしたちが憎んだ敵が、打ち壊してくれた……」",
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"506001011_99": "「ハ……ハハ……\\n それって、なんて……冗談ですか……?」",
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"506001011_100": "「冗談なもんか。\\n おまえらがしてきたこと、あたしたちがしてきたこと――」",
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"506001011_101": "「全部繋がって、こうなってんだ。\\n それならそれは、『キセキ』ってこったろ」",
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"506001011_102": "「それに……種になるのが悪意であっても、\\n 咲かせるのは人の意志だ」",
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"506001011_103": "「英雄の背中を見た人間ならば、\\n 悪意からでも美しい花を咲かせるはずだ」",
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"506001011_104": "「なら、世界は……\\n あたしたちの、世界は……」",
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"506001011_105": "「終わりませんッ」",
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"506001011_106": "「エルフナイン……」",
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"506001011_107": "「いつでも代わるデスよッ!」",
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"506001011_108": "「ぐす……ッ",
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"506001011_109": " いいえッ! これを2人に伝えるのは、ボクの役目ですからッ!」",
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"506001011_110": "「……あ、あの――\\n エルフナイン……」",
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"506001011_111": "「いいから聞いてくださいッ!!」",
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"506001011_112": "「――ッ!!」",
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"506001011_113": "「――終わったり、しないんですッ!!\\n あなたたちの世界も、ボクたちの世界もッ!!」",
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"506001011_114": "「キャロルが繋いでくれた、この世界……\\n みんなが繋ごうとした、あなたたちの世界……ッ」",
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"506001011_115": "「たとえ、どれだけ遠くなったって――」",
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"506001011_116": "「<size=40>誰にだって、終わらせられるもんかッッ!!!</size>」",
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"506001011_117": "「…………終わら、ない……」",
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"506001011_118": "「そうか……\\n …………終わらないんだな」",
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"506001011_119": "「……わたしたちの戦いは、\\n ……無駄じゃ、なかった……」",
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"506001011_120": "「無駄じゃなかったんだ、ヨウ……ッ!」",
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"506001011_121": "「キョウ……みんな……、\\n あり、がとう……」",
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"506001011_122": "「「あぁ、う、ぅぁぁ……、\\n わああああん――」」"
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