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{
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"506000811_0": "歴史の亡霊",
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"506000811_1": "「ここは……？\\n 元の世界なの、か？」",
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"506000811_2": "「……データリンク成功ッ！",
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"506000811_3": " わたしたちの星……わたしたちの世界ですッ！」",
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"506000811_4": "「戻ってきたッ！ 帰ってきましたよ奏さんッ！\\n しっかりしてくださいッ！」",
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"506000811_5": "「そう叫ばなくても、聞こえてる……。\\n 言ったろ、死にはしないさ、安心しな」",
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"506000811_6": "「けど……調子に乗って唄いすぎたね。\\n 困ったことに、流石にもう出涸らしだ。宇宙に出なくてよかったよ」",
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"506000811_7": "「わたしたちがこの星へ来た時と同じ。\\n 安全な場所へ繋ぎました」",
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"506000811_8": "「そりゃ助かった。\\n 借りができたか」",
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"506000811_9": "「いいや、助けられたのはあたしたちだ。\\n その不死鳥の翼に」",
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"506000811_10": "「響ちゃん、未来ちゃん、奏さんッ！\\n ご無事ですかッ！」",
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"506000811_11": "「おっと、お早い歓迎だ。",
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"506000811_12": " 急な里帰りなのに、ありがたい……ぐうッ……」",
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"506000811_13": "「――ッ！？ 奏さんの肉体とギアに強い負荷を確認しました。\\n 何があったんですかッ！？」",
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"506000811_14": "「すぐに救助をお願いしますッ！\\n 奏さんが無茶な絶唱に、LiNKERの過剰摂取もッ！」",
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"506000811_15": "「――直ちに向かってもらいますッ！\\n それまで奏さんの意識を保ってくださいッ！」",
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"506000811_16": "「はいッ！ でもこんな場所じゃ、",
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"506000811_17": " 助けが来るのも時間がかかりそうで……」",
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"506000811_18": "「いえ、響ちゃんたちの座標は日本国内です。\\n そう時間はかかりません」",
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"506000811_19": "「ここが……日本ッ！？」",
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"506000811_20": "「そんな、どうしてこんなことに」",
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"506000811_21": "「日本だけでなく世界中で起きている現象です。\\n 星命力の流出が原因と推測されています」 ",
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"506000811_22": "「この星の生命が、\\n こんなにもたくさん奪われて……」",
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"506000811_23": "「この世界だけの問題じゃない。\\n こんな無理やりな方法じゃ、あっちの世界も耐えられない」",
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"506000811_24": "「わたしたちが人の生命力を少しずつ奪っていたのは、\\n そうしなければ世界が受け止められないから」",
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"506000811_25": "「これでは、乾ききった土に許容量を超えた豪雨が降り注ぐようなもの。\\n 星の生命が潤う前に、世界が崩れてしまう」",
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"506000811_26": "「このままじゃ両方の世界が、滅ぶ……ッ！？」",
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"506000811_27": "「どうにかして止めないとッ！",
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"506000811_28": " けど、どうしたら……ッ」",
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"506000811_29": "「……方法はある。",
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"506000811_30": " そうだよね、キョウ」",
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"506000811_31": "「うん、わたしたちで閉じよう。\\n あのアーティファクトゲートを」",
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"506000811_32": "「可能なのか？\\n あれは宇宙に開いた大穴なんだろ？」",
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"506000811_33": "「カヴァーチャ・システムの妨害で、\\n わたしたちの世界からは観測できませんでした」",
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"506000811_34": "「でもこの世界に来たことで、ゲートを感じ取れました。\\n 目に見えなくとも、距離が遠くとも」",
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"506000811_35": "「カヴァーチャから奪い取った力が繋がっている。\\n 残された力を使い尽くせば、ゲートに干渉できるはずだ」",
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"506000811_36": "「――ッ！？ そんなことをしたら、\\n ２人が元の世界に戻れなくなっちゃうッ！」",
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"506000811_37": "「いいんだよ。\\n だって……それでも、帰る方法を一緒に探してくれるだろう？」",
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"506000811_38": "「――――ッ！！」",
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"506000811_39": "「ここで為すべきを為さなければ、\\n それこそ後悔どころじゃ済みません」",
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"506000811_40": "「だから……響。\\n 今度は止めないでくれますね？」",
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"506000811_41": "「２人とも……」",
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"506000811_42": "「あんたたちも、\\n あたしと同じなんだね」",
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"506000811_43": "「奏さん……」",
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"506000811_44": "「自分の世界に戻る方法を失うとしても。\\n 誇りを捨てて、自分に嘘をつく方がずっと辛い」",
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"506000811_45": "「逃げるんじゃない、戦おうとしてる。\\n なら、背中を押してやろう」",
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"506000811_46": "「――お願い、わたしたちの世界を、２つの世界を助けてッ！\\n キョウちゃん、ヨウちゃんッ！」",
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"506000811_47": "「世界を救えと頼まれるのはいつものことだ」",
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"506000811_48": "「さあ……わたしたちの願いに応えなさいッ！！\\n カヴァーチャッ！」",
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"506000811_49": "「閉じろッ！ \\n アーティファクトゲートッ！」",
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"506000811_50": "「ぐッ……\\n これは……ッ！？」",
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"506000811_51": "「ゲートを開く時よりもずっと負荷が大きいッ！",
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"506000811_52": " これがカヴァーチャの、歴史の重み……ッ！」",
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"506000811_53": "「だからって、諦めたりは……、",
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"506000811_54": " ぐああぁッ！？」",
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"506000811_55": "「うああああああぁぁッ！？」",
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"506000811_56": "「２人ともッ！？」",
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"506000811_57": "「問題ありません……くッ！？\\n 腕が、動かない……ッ！？」",
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"506000811_58": "「足に感覚がない、\\n 呼吸も上手くできない……」",
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"506000811_59": "「カヴァーチャの怒り、無理矢理に力を奪い取る気か。\\n でも……まだ抗えるッ！」",
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"506000811_60": "「諦めないで、もう一度やろう。\\n ２つの世界のために、あのゲートを止め――」",
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"506000811_61": "「聞こえてるッ！？\\n キョウさん、ヨウさんッ！」",
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"506000811_62": "「通信……わたしたちへ？」",
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"506000811_63": "「その声……まさか、カイなのかッ！？」",
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"506000811_64": "「聞いてよッ！ 特別作戦が発令されたんだッ！\\n 世界を救うための、最終任務がッ！」",
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"506000811_65": "「最終、任務？\\n わたしたちは何も命じていませんッ！」",
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"506000811_66": "「もう嘘なんて吐かないでいいんだよッ！」",
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"506000811_67": "「キョウさんとヨウさんは、シンフォギアを殺すために\\n 懐に入り込んだってカヴァーチャが教えてくれたッ！！」",
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"506000811_68": "「――ッ！？」",
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"506000811_69": "「だから、今こそオレたちが２人を救うためにも、\\n 並行世界群に乗り込む時だってッ！！」",
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"506000811_70": "「カヴァーチャ・システムからのオーダーだよッ！\\n 直々に命令を与えてくれたんだッ！」",
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"506000811_71": "「オレも今からそっちの世界に乗り込むッ！\\n いいや、オレだけじゃなくみんなも一緒に、全員でッ！」",
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"506000811_72": "「カヴァーチャが、直接、全員に……ッ！？\\n 馬鹿な、あの声が聞こえるのは、英雄候補だけのはず……ッ」",
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"506000811_73": "「どういうことッ！？\\n 世界を捨ててこちらに移住するとでもッ！？」",
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"506000811_74": "「まさかッ！\\n 世界を救うための戦いだよッ！」",
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"506000811_75": "「オレたち全員がドッペルゲンガーのトリガーになり、\\n エネルギーを全て奪い取るんだッ！」",
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"506000811_76": "「なッ……",
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"506000811_77": " 全ての人間を消費しての略奪だってッ！？」",
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"506000811_78": "「そんなことをしては、\\n 誰も生き残らないッ！」",
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"506000811_79": "「でも、オレたちの世界は生き続ける。\\n 恵まれた世界じゃなく、オレたちの『見放された世界』がッ！」",
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"506000811_80": "「奪う者がいなくなれば、奪われることはない。\\n オレたちの星だけが世界に残るッ！ オレたちの勝利だッ！」",
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"506000811_81": "「そんな……」",
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"506000811_82": "「そんな勝利に意味なんてない。\\n あたしたちが護ろうとしたのは、そんな世界じゃない」",
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"506000811_83": "「わたしたちがゲートを閉じようとしたから……。\\n カヴァーチャは目的のために手段すら選ばなくなってしまった」",
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"506000811_84": "「目的のために悪を為す覚悟を。\\n 護るべき者を全て捨てることすらも厭わない――」",
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"506000811_85": "「それがカヴァーチャの答えだというのか……」",
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"506000811_86": "「あれ？ 聞こえてるかな、もしもーしッ！？\\n あのね、２人ともッ！！」",
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"506000811_87": "「キョウさんやヨウさんみたいな戦士にはなれなくても、\\n オレたち全員が戦うよッ！」",
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"506000811_88": "「もうすぐみんなの準備が整うんだ。\\n だから号令をッ！」",
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"506000811_89": "「……ご……号令？」",
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"506000811_90": "「そうだよッ！\\n いつもみたいに、言ってほしいんだ」",
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"506000811_91": "「『全ては見放された世界のために』、って――」",
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"506000811_92": "「「――ッ！？」」",
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"506000811_93": "「…………」",
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"506000811_94": "「……」",
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"506000811_95": "「あれ？\\n また通信がおかしいのかな……」",
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"506000811_96": "「…………違うんだ、カイ」",
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"506000811_97": "「それは、できない。\\n あたしたちには、もう……叫べないんだよ」",
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"506000811_98": "「え――……」",
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"506000811_99": "「どう、して……？」",
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"506000811_100": "「……わたしたちは、歪んでしまった。\\n 悪を為す覚悟が、悪へと逃げる言い訳になっていた」",
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"506000811_101": "「ああ……世界に見せる背中を間違えたんだ。\\n だから、護りたい世界をこんな行き止まりに導いた」",
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"506000811_102": "「それでも、ずっと観測していた。\\n 仲間を護るために、世界を護るために戦ってきた人たちを」",
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"506000811_103": "「……ううん、わがままを通すため、かな」",
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"506000811_104": "「恵まれた世界だからと目をそらしていました。\\n その輝きが眩しすぎて、直視できなかったから」",
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"506000811_105": "「……でも」",
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"506000811_106": "「そうさ――教えてもらった。\\n 背中だって、支えてもらった……ッ！」",
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"506000811_107": "「終わりだと諦めてしまったあたしたちを、\\n もう一度立ち上がらせてくれた」",
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"506000811_108": "「そう……そしてそれは、わたしたちの本来の力でもある。",
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"506000811_109": " 救いが曇って見えずとも、泥を啜って、何で汚れたとしてもッ！」",
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"506000811_110": "「<ruby=みらい>未来</ruby>が見えなくても、\\n 自分が照らすんだと立ち上がってみせるッ！」",
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"506000811_111": "「それはあたしたちが愛した、\\n 見放された世界が育ててくれた力だからッ！」",
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"506000811_112": "「「だから――カヴァーチャッ！！\\n 思い出せ、<ruby=世界>おまえ</ruby>が抱いた、最初の想いをッッ！！！」」",
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"506000811_113": "「「世界を救うという願い――\\n こんなところで、堕としてくれるなッッ！！！」」",
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"506000811_114": "「見えました、\\n 響さんたちはあそこです――ッ！？」",
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"506000811_115": "「あの光はッ！？」",
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"506000811_116": "「カヴァーチャが、\\n 黄金に輝いてる、のか……？」",
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"506000811_117": "「あの光、今までとは違う。\\n 切羽詰まった焦りも、追い詰められた苦悩も感じない」",
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"506000811_118": "「<ruby=みらい>未来</ruby>へ進むための、道を照らす輝きだ……」",
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"506000811_119": "「カヴァーチャとは……神話における英雄が、\\n 生まれた時から身に纏っていた鎧を指す名前です」",
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"506000811_120": "「きっとあれは、誰かに与えられた力じゃない。\\n 自分自身の想いが輝かせる、人の命が本来持つ力の結実――」",
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"506000811_121": "「なりやがったか、\\n 本物の英雄ってやつにッ！」",
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"506000811_122": "「何を言ってるデス、\\n ２人ともとっくに英雄だったデスッ！」",
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"506000811_123": "「一緒にベアトリーチェに挑んだ時から、\\n ずーっとデスよッ！」",
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"506000811_124": "「うん、同感かな。\\n あの武装は心配なさそう、だけど――」",
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"506000811_125": "「ああ。あれだけの力を振り絞る理由があるということ。\\n 帰還を祝うにはいささか早いと見るべきだ」",
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"506000811_126": "「――ッ！ 上空に強いエネルギー反応ッ！ \\n 緊急降下をお願いしますッ！」"
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