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{
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"506000742_0": "「ここが最上階だ。\\n カヴァーチャ・システムの依代はここにある」",
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"506000742_1": "「これは……ギャラルホルンッ!?」",
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"506000742_2": "「似ているのはガワだけだ。\\n お前たちの知る『ギャラルホルン』ではないさ」",
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"506000742_3": "「ですがその依代となったものは、\\n もしかしたら、似通った存在だったのかもしれませんね」",
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"506000742_4": "「ともすれば……<ruby=アーティファクト>人工聖遺物</ruby>ノイズと同じように、\\n 皮肉を込めて模し、造られたものなのかも」",
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"506000742_5": "「さあ、その力、再び借り受けますよ……\\n カヴァーチャッ!!」",
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"506000742_6": "「お前があたしたちを英雄に選んだんだ、\\n 文句は言わせないッ!」",
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"506000742_7": "――",
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"506000742_8": "――『見放された世界』にて、",
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"506000742_9": "元英雄的存在、『キョウ』『ヨウ』の明確な叛逆を確認。",
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"506000742_10": "これより、粛清を行う――",
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"506000742_11": "「ヨウ――<ruby=世界の意思>カヴァーチャ・システム</ruby>に選ばれた戦士。\\n あなたが本物の英雄となる時が来ました」",
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"506000742_12": "「……はい。光栄です。\\n 見放された世界のため、最強の英雄になってみせます」",
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"506000742_13": "「よろしい。\\n さあ、カヴァーチャの祝福を」",
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"506000742_14": "(あたしが英雄、か。\\n ずっと目指していた場所に、やっとたどり着いた)",
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"506000742_15": "(これで世界を護れる。キョウを護れるんだ。\\n ――でも)",
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"506000742_16": "(あたしは何を代償にして、\\n 何が残るのかな)",
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"506000742_17": "(キョウを抱きしめる腕は、キョウを見つめる瞳は……\\n ……護りたいって想いは、残るのかな)",
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"506000742_18": "(何が残ったら、\\n あたしが残ったって言えるのかな)",
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"506000742_19": "(もし、全部がなくなったとしても……そのあたしは、\\n それでも世界を、キョウを護ってくれる?)",
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"506000742_20": "(そうならなかったら――\\n ああ、……厭だな……)",
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"506000742_21": "「――ッ!?\\n この反応は――ッ!」",
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"506000742_22": "「え……?」",
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"506000742_23": "「カヴァーチャよ……この少女の意志は、\\n 英雄に足りなかったというのですか……」",
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"506000742_24": "「――ッ!?",
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"506000742_25": " ひ、光が、押し寄せて……うわああああッ!!」",
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"506000742_26": "(カヴァーチャが暴走――?\\n ……違う、これは強制措置だ)",
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"506000742_27": "(英雄として立つことに迷い、決意を示せなかったあたしを、\\n 正しき英雄へ導く光)",
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"506000742_28": "(ああ……なくなっていく……\\n あたしが、……消えていく……)",
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"506000742_29": "(あたしの全てが 英雄に、\\n 世界を護る者に書き換えられる)",
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"506000742_30": "(世界のために、他の世界を食い殺せ……\\n 恨み、呪い、全てを、あたしたちの世界のために――)",
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"506000742_31": "(……これが、カヴァーチャの望む英雄。\\n あたしではない、もの――)",
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"506000742_32": "「――ヨウッ!!」",
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"506000742_33": "「――ッ!?」",
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"506000742_34": "「キョ、ウ……どうして……?」",
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"506000742_35": "「消えさせない。\\n 1人でなんて、いかせない」",
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"506000742_36": "「だからね……\\n 走ってきたのッ!!」",
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"506000742_37": "「――ッ!!",
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"506000742_38": " ダメだ、手を離して……ッ!」",
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"506000742_39": "「このままじゃ、あたしだけじゃない……\\n キョウが消えちゃうッ!!」",
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"506000742_40": "「消えないッ!!\\n 絶対にッ!! ヨウを独りになんてさせないッ!!」",
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"506000742_41": "「…………ッ!!」",
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"506000742_42": "「ヨウ1人じゃ英雄に足りなくても、\\n 2人なら、きっと受け止められる」",
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"506000742_43": "「だから……一緒に英雄になろう。\\n ――2人で1人の英雄に」",
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"506000742_44": "(そして、わたしは両腕を――)",
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"506000742_45": "(あたしは下半身と、\\n <ruby=はら>肚</ruby>の中身を失った……)",
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"506000742_46": "(受け取りきれないはずの力を受け止めきった。\\n だからあたしたちは、最強の英雄になったはずだった)",
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"506000742_47": "(でも現実は、\\n 資格もないのに割り込んだ<ruby=わたし>異物</ruby>)",
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"506000742_48": "(……そう。\\n わたしには、カヴァーチャと適合する資格なんてなかった)",
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"506000742_49": "(そしてあたしは、1人では英雄になれなかった、\\n 元から足りてなどいない、出来損ない)",
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"506000742_50": "(そんな2人が英雄に足らずと判じられたのは、\\n 当たり前のことで――)",
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"506000742_51": "「あ――……」",
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"506000742_52": "「<size=40>ああ、ああああああッ!</size>」",
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"506000742_53": "「わたしたちは、世界を救うに足りない……」",
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"506000742_54": "「その意志すらも中途半端な……\\n なり損ない……ッ!」",
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"506000742_55": "「どうした、何が見えてるッ!?\\n しっかりしろッ!」",
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"506000742_56": "「カヴァーチャ・システムが光ってる……ッ!\\n 2人に何か……すごく嫌なものを見せてるんだッ!!」",
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"506000742_57": "「カヴァーチャの呪いに負けないでッ!」",
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"506000742_58": "「お互いを思う気持ちを、思い出して――ッ!\\n そうしたらもう……2人は誰にだって、負けないからッ!!」",
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"506000742_59": "「この圧力ッ!\\n 星1つの歴史が生み出すプレッシャーかッ!」",
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"506000742_60": "「…………ッ!!」",
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"506000742_61": "「キョウちゃんッ!!」",
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"506000742_62": "「ヨウちゃんッ!!」",
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"506000742_63": "「………ッ!!」",
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"506000742_64": "(感じる……かつての痛みに、\\n 後悔に灼かれそうな今も……ッ!)",
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"506000742_65": "(わたしたちを、それでも助けようと手を伸ばしてくれる、\\n この人たちの手のひらの温かさを、背中に……ッ!",
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"506000742_66": "「そうだ……わたしたちは、\\n わたしたちだけで戦ってなんて、いない……ッ!!」",
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"506000742_67": "「――ああ……ッ!\\n こんなにも、支えられている……」",
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"506000742_68": "「ならばッ!\\n わたしたちは――」",
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"506000742_69": "「立ち続けてみせるッ!!\\n 今度こそッ!!」",
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"506000742_70": "「――ッ!\\n カヴァーチャの力を……弾いたッ!」",
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"506000742_71": "「……あたしが英雄にふさわしくないことなど、\\n わかっていたことだ」",
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"506000742_72": "「わたしは英雄に選ばれなかった、\\n 不適格者ですから」",
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"506000742_73": "「それでも諦めなかった。\\n 立ち上がらずにはいられなかった」",
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"506000742_74": "「だからこそ……誰に何と決められたって、\\n 何度でも叫んでみせましょう」",
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"506000742_75": "「命と苦難あふれる世界で、\\n 誰よりも<ruby=みらい>未来</ruby>を信じた彼女たちのようにッ!」",
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"506000742_76": "「「だと、しても――ッ!!!」」",
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"506000742_77": "「届いた……2人の手が……ッ!!」",
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"506000742_78": "「…………」",
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"506000742_79": "「――ええ、\\n 力の一部は奪い取ってみせました」",
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"506000742_80": "「さすがは世界の意思だ、全部ってわけにはいかなかった。",
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"506000742_81": " でもあっちの世界へゲートを開くには十分だ」",
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"506000742_82": "「上だッ!\\n カヴァーチャ・システムが狙われてるッ!」",
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"506000742_83": "「シンフォギアを潰せッ!\\n これ以上、星の終わりへ近づかせるなッ!」",
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"506000742_84": "「――ッ!\\n 追手ッ!?」",
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"506000742_85": "「<ruby=アーティファクト>人工聖遺物</ruby>だけじゃない、\\n この世界の人も追いかけてきたッ!」",
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"506000742_86": "「なら、ぶっ飛ばすってわけにもいかないッ!\\n どうするッ!?」",
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"506000742_87": "「大丈夫です。\\n 今この場でゲートを開きます」",
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"506000742_88": "「でも、あたしたちだけじゃ足りないかもしれない。\\n だからこの力……扱うのを手伝ってくれ」",
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"506000742_89": "「<ruby=アーティファクト>人工聖遺物</ruby>も何とかしてみせた、\\n おまえたちに共通する……その気合い……胸の歌ってやつでさ」",
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"506000742_90": "「簡単に言うんだから。",
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"506000742_91": " でも――」",
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"506000742_92": "「まかせてッ!\\n 絶対に、繋いでみせるよッ!!」",
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"506000742_93": "「フフ……\\n だよねッ!」",
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"506000742_94": "「なら――\\n いくよ、キョウ」",
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"506000742_95": "「ええ、いきましょう。\\n 見放された世界で、彼女たちを終わらせないためにッ!」",
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"506000742_96": "「ゲートが開いたッ!」",
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"506000742_97": "「飛び込むぞッ!」",
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"506000742_98": "「はいッ!」",
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"506000742_99": "「――キョウさん、ヨウさんッ!!」",
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"506000742_100": "「――カイッ!?」",
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"506000742_101": "「……あ――ッ!」"
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