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"506000411_0": "見放された世界",
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"506000411_1": "「朗報です。装者を送り出すための宇宙ロケットですが、\\n 米国の宇宙局が航法システムのサポートに同意してくれましたッ!」",
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"506000411_2": "「発射施設の方も、内閣府特命担当大臣が、\\n 割り込みでの使用に同意を取り付けたそうです」",
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"506000411_3": "「ギリギリになりましたが、\\n 関係各局の足並みは揃いましたね」",
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"506000411_4": "「大臣自ら動いてくれたか。\\n 俺の名前で礼を言っておいてくれ」",
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"506000411_5": "「しかし、よく有人の宇宙ロケットを、\\n こうも迅速に用意できましたね」",
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"506000411_6": "「立ち消えになった第二次アルテミス計画の遺物が、\\n 幸運にも使用できる状態にあった――などと言っていたがな」",
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"506000411_7": "「独自に月遺跡を調査すべく準備していたものを、\\n 慌てて引っ張り出してきたんだろうさ」",
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"506000411_8": "「まったく……\\n 何をする気だったのやら、という気持ちはありますが」",
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"506000411_9": "「今回ばかりは、\\n 人の欲に救われましたね」",
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"506000411_10": "「今の苦境を乗り越えたならば、\\n 遠く星の海を越えた先に同胞の住む星を探すことになる」",
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"506000411_11": "「その時はこれらの技術が役に立つことだろう。\\n 欲に根ざしたものであれ、前に進む意志は無駄にはならん」",
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"506000411_12": "「次は星間外交ですか。\\n 技術や資源の奪い合いで、問題はさらに増しそうですね」",
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"506000411_13": "「それこそ俺たちの領分というものだ」",
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"506000411_14": "「この星を、そしてあちらの星を護る者たちが、\\n 互いに拳を向け合うようなことは絶対にさせん」",
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"506000411_15": "「並行世界が居住可能な異星だとすれば、\\n そんなフロンティアを前に自制が効くかは疑わしいですが」",
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"506000411_16": "「その通り。\\n 政の実権を握るものたちは、善人ばかりではない――」",
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"506000411_17": "「無論、こちらも容易く退くつもりはないが……。\\n S.O.N.G.はあくまで国連の組織に過ぎん」",
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"506000411_18": "「もしも俺が自ら権力争いの渦中に乗り込むことで、\\n ここを護ることができるのなら――」",
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"506000411_19": "「その時は……緒川。\\n お前にこの場所を、司令の椅子を託すとしようか」",
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"506000411_20": "「ご冗談を……というお顔ではありませんね」",
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"506000411_21": "「司令が本気で立ち向かうのなら、\\n 僕も出来る限りのことはするつもりです」",
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"506000411_22": "「ああ、頼りにしている」",
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"506000411_23": "「ですが、代理の文字は消しませんよ」",
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"506000411_24": "「この場に戻ることを認めさせるぐらいの力は、\\n 勝ち取っていただけると信じています」",
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"506000411_25": "「全く、上司を使い倒す部下だ」",
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"506000411_26": "「ロケットの最終チェックを開始。\\n 装者3名もギアの調整完了とのこと」",
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"506000411_27": "「さあ、いよいよだな。\\n 神の箱庭を飛び立つ時だッ!」"
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