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"506000251_0": "「……仮説はわかった。\\n それで、これからどうするんだ?」",
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"506000251_1": "「現実的な話として、並行世界が同じ宇宙にあったとしても、\\n 今日明日で手の届く距離じゃないってのはあたしでもわかる」",
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"506000251_2": "「並行世界に助けを求める手段は今のところない。",
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"506000251_3": " その上で、ブラックホールのその先に向かって――」",
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"506000251_4": "「星命力の流出を止めるのか?」",
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"506000251_5": "「それは……」",
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"506000251_6": "「…………」",
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"506000251_7": "「ブラックホールの向こう側に\\n 行くことができれば……」",
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"506000251_8": "「キョウちゃんとヨウちゃんを助けられるかもしれないってこと、\\n だよね?」",
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"506000251_9": "「問題が『向こう側』にあるなら、\\n 星命力のことだって、何かわかるかもしれない」",
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"506000251_10": "「……こいつはそう言ってるけど、\\n 2人の行方はわかったのか?」",
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"506000251_11": "「いいえ、各国と連携し捜索を行いましたが、\\n 未だに痕跡も見つかっていません」",
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"506000251_12": "「もちろん、今までのことを思えば\\n 他の並行世界に一旦退避した、ということもありえますが……」",
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"506000251_13": "「可能性としては――いえ、消える瞬間の様子から見て、\\n 高い確率で『別の宇宙』に戻ったんだと思います」",
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"506000251_14": "「ボクも、あの時の彼女らは『何者かの強い意思』によって、\\n 強制的に送還された……あるいは抵抗を試みたように見えましたから」",
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"506000251_15": "「やっぱり、そうだよね……ッ!\\n それならッ!」",
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"506000251_16": "「……もう。\\n こうなったら聞かないもんね、響は」",
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"506000251_17": "「うん。場所がわかったんなら、助けにいきたい。\\n あの時に繋げなかった手を、今度こそ……ッ!」",
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"506000251_18": "「過去に渡った並行世界は、同じ星の海にあった……か。\\n ならば今度こそ、別宇宙への挑戦となろう」",
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"506000251_19": "「ま、あいつらも見た目はあたしたちと変わらなかった。\\n 行ってみれば、きっとなんとかなるさ」",
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"506000251_20": "「……キョウ、ヨウの2名を助けるだけではない」",
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"506000251_21": "「今も星命力が奪われ続けているのならば、\\n これは世界を救う戦いに他ならない」",
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"506000251_22": "「――ッ!!」",
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"506000251_23": "「S.O.N.G.としても全力で支援する。\\n 君たちだけを戦わせはしない」",
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"506000251_24": "「ありがとうございますッ!」",
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"506000251_25": "「でも……やっぱりわたしがやりたいのは、\\n 世界を救うことじゃなくて……」",
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"506000251_26": "「2人に手を伸ばすことなんだと思います」",
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"506000251_27": "「響くん……」",
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"506000251_28": "「……責任から逃げたいわけじゃありません。",
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"506000251_29": " けど、わたしにとって一番大事なこと……」",
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"506000251_30": "「それを抱きしめていないと、きっと……\\n いざというとき、折れてしまうかもしれないから」",
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"506000251_31": "「未来を取り戻すと決めて……シェム・ハさんと約束をした時も、\\n <ruby=悪意>ベアトリーチェ</ruby>に向き合うと、孤独になんてさせないと決めた時も」",
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"506000251_32": "「手を繋ぎたい相手に、全力で手を伸ばして、\\n それが世界の明日を護ることに繋がっただけ……」",
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"506000251_33": "「それだけなんです」",
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"506000251_34": "「響……」",
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"506000251_35": "「……」",
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"506000251_36": "「でも、だからこそ」",
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"506000251_37": "「今回だって、2人に手を伸ばすことが、\\n きっと明日に繋がっていくと信じたいんです」",
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"506000251_38": "「結局は手を繋ぎたいだけ――。\\n 『それだけ』のわたしを、信じてくれますか?」",
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"506000251_39": "「当然だッ!」",
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"506000251_40": "「必ず連れ帰らないとな。\\n あいつらにはもうちょっと文句を言ってやりたかったんだ」",
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"506000251_41": "「そう言って、目の前にすれば優しい言葉をかけるのが雪音だ。\\n その姿を見るのが楽しみだな」",
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"506000251_42": "「んな……ッ!?」",
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"506000251_43": "「目的のために手段を間違えるのはわたしにも経験があるわ。\\n 償う方法、一緒に探してあげないとね」",
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"506000251_44": "「アタシは<ruby=アーティファクト>人工聖遺物</ruby>のお礼を言いたいデスッ!\\n 気合いでどんどん使いこなせるようになってるデスよッ!」",
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"506000251_45": "「お礼を言われても困るだろうけど……、",
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"506000251_46": " うん、伝えよう」",
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"506000251_47": "「みんな……ッ!」",
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"506000251_48": "「世界のためじゃなく、助けたい誰かのために。\\n それが何よりも響らしい答えだよ」",
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"506000251_49": "「わたしも、そんな響だから、\\n 一緒に戦いたいって思うんだもの」",
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"506000251_50": "「うん……ありがとうッ!」",
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"506000251_51": "「よし、作戦の具体案を練るぞッ!\\n もう1つの宇宙に向かう方法を探すんだッ!」",
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"506000251_52": "「ブラックホールと呼称はしていますが、\\n そもそも本物のブラックホールと同質の存在ではないでしょうね……」",
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"506000251_53": "「そうだね……。地球のこんな近くにブラックホールができたら、\\n とっくにこの星丸ごとお陀仏だよ」",
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"506000251_54": "「ブラックホールの影響範囲は重さで変動しますが、\\n 長期間存在するなら、太陽を下回ることはありませんね……」",
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"506000251_55": "「緒川、まずは宇宙へ向かう手段を探すぞ。\\n 俺は日本国内を当たる、そちらは米国を中心に頼む」",
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"506000251_56": "「わかりました。\\n 欧州の方にも伝手を頼ってみます」",
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"506000251_57": "「しかし……宇宙へ行けたところで、そこで活動する手段は、\\n 決して多くはない、か」",
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"506000251_58": "「宇宙に上がる方法はともかく、もしかしたら\\n あのギアなら生存ぐらいならできるんじゃないか?」",
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"506000251_59": "「宇宙で――",
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"506000251_60": " そうか、コネクトギアかッ!」",
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"506000251_61": "「宇宙生命体ギギによって齎された、ギアの姿……\\n 可能性はありますねッ! こちらで打開策を練ってみますッ!」",
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"506000251_62": "「頼む。だが、ギアの機能だけで、\\n 別の宇宙までたどり着けるだろうか……」",
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"506000251_63": "「はい……普通なら宇宙空間では歌は響きません。\\n 空気がありませんから」",
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"506000251_64": "「フォニックゲインをエネルギーの当てにしているのであれば、\\n おそらくそれは難しい……」",
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"506000251_65": "「――なら、大容量のエネルギー源を、\\n どこかから持ち込めばいい……そうだよな?」"
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