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"501001121_0": "「……ベアトリーチェ」",
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"501001121_1": "「響だけじゃなく……ちゃんと揃っているようね。\\n 嬉しいわ」",
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"501001121_2": "「あの男――石屋恭二は、\\n 今日は連れていないのか?」",
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"501001121_3": "「石屋?",
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"501001121_4": " ……ええ、『石屋』は、いないわよ」",
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"501001121_5": "(……なんだ、今の反応は?)",
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"501001121_6": "「それにしても、\\n よくぞここまで、立派に育ってくれたわ」",
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"501001121_7": "「別に……、\\n お前のために育ったつもりはねえよ」",
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"501001121_8": "「フフ、伝わってくるわ。\\n 心地良い敵意が……」",
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"501001121_9": "「ただ――、\\n 少しだけ残念なのは……」",
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"501001121_10": "「待ちに待った晩餐会。\\n わたしは、美味しいものだけを食べたいのだけれど?」",
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"501001121_11": "「――ッ!?」",
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"501001121_12": "「貴様……ッ!」",
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"501001121_13": "「こんな弱い奴らと一緒で、本気が出せるの?\\n そうしてくれないと、困るのだけど」",
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"501001121_14": "「キョウちゃんもヨウちゃんも、\\n 弱くなんてないッ!」",
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"501001121_15": "「2人は、ずっとずっと、\\n 大切なもののために戦ってきたんだッ!!」",
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"501001121_16": "「そうね。それに、この場に立っている以上は、1人の戦士。\\n 弱い強いで、戦う資格は決まらないッ!」",
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"501001121_17": "「あら――庇い立てるじゃない。\\n 敵同士だったはずなのに、情でも湧いたのかしら?」",
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"501001121_18": "「この2人の揺れを、迷いを弱さと呼ぶのなら……\\n それは、可能性に他ならない」",
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"501001121_19": "「お前が、弱さと蔑んだものに、幾度破れたか。\\n 忘れたとは言わせん」",
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"501001121_20": "「フフ……。\\n ええ、それもそうね」",
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"501001121_21": "「……それを認めるなんて、殊勝だね」",
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"501001121_22": "「自分が弱いって、そう気付いた時に、\\n 人は初めて手を取り合えるんデスッ!」",
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"501001121_23": "「1人じゃできないことでも、\\n みんなで繋がれば、なんだってできるんデスよッ!」",
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"501001121_24": "「お前は確かに、相変わらず……\\n 簡単に世界を滅ぼせるほどに強いんだろうさ」",
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"501001121_25": "「だけど、強くなることで、\\n 人の痛みを忘れてしまうってんなら――」",
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"501001121_26": "「あたしたちは弱いままでいい。\\n 弱いまま、ずっと遠くの<ruby=みらい>未来</ruby>まで……この意志を繋いでやるッ!」",
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"501001121_27": "「知らない誰かのために、明日を繋いで――、\\n 知らない誰かに、希望を繋いでみせるッ!」",
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"501001121_28": "「フフ、言ってくれるじゃない。",
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"501001121_29": " わたしが、人の痛みを忘れた……ですって?」",
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"501001121_30": "「馬鹿を言わないで。\\n わたしは、誰よりも『それ』を理解しているのよ」",
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"501001121_31": "「だからこそ。\\n 誰かの心の痛みを貪り、悪辣を喰らうのが――愉しいんじゃない」",
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"501001121_32": "「そんな悲しいこと、\\n どうして手放せないの……ッ!?」",
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"501001121_33": "「同じ言葉を話しているのに、\\n こんなに遠いなんて……」",
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"501001121_34": "「まったく、もう……それはわたしの台詞よ。\\n 本当に――わからない子たちなんだから」",
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"501001121_35": "「あなたたちがどう思おうとも、\\n わたしは、こういう風にできているの」",
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"501001121_36": "「やめるつもりなんて、さらさらないわ。\\n わたしは心から、<ruby=わたし>悪意</ruby>であることを愉しんでいるのよ」",
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"501001121_37": "「これが、ベアトリーチェ。\\n 悪意の化身――世界蛇の巫女」",
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"501001121_38": "「さあ――わたしに見せなさい、希望の担い手たちよ。\\n あなたたちが、わたしに何を以て応えるのか……ッ!!」",
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"501001121_39": "「……」",
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"501001121_40": "「……わたしたちは、唄うよ。\\n この胸の歌を」",
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"501001121_41": "「あなたが、永劫の悪意で人の心を喰らうというのなら。\\n わたしたちは、何度だって唄い続けるッ!!」",
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"501001121_42": "「かつてあなたと戦った人たちが、\\n 脈々と継いできたように」",
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"501001121_43": "「この世界には、悪意だけではなく、\\n 希望を唄う誰かが必ずいるってことをッ!!」",
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"501001121_44": "「繋いで、繋いで……<ruby=悪意>あなた</ruby>に届け続けてみせるッ!!\\n それがあなただというのなら――ベアトリーチェッッ!!!」",
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"501001121_45": "「相容れなくても、せめて――\\n あなたに、この手が、届くまでッ!!」"
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