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{
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"501001021_0": "「――痛ッ!?」",
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"501001021_1": "「す、すみませんッ!\\n 消毒液が染みてしまいましたかッ!?」",
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"501001021_2": "「もうすぐ終わりますので、\\n あと少しだけ我慢してもらえれば……」",
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"501001021_3": "「……なぁ」",
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"501001021_4": "「……はい?\\n なんでしょうか?」",
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"501001021_5": "「……あたしは、お前に酷い仕打ちをした。\\n だのに、どうしてこれほど懸命になれる?」",
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"501001021_6": "「…………」",
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"501001021_7": "「……それは、S.O.N.G.や、数多の並行世界を攻撃した\\n あなたたちに恨みはないのか、とそういう質問ですか?」",
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"501001021_8": "「……ああ。\\n そうだ」",
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"501001021_9": "「もちろん。\\n あなたたちのしたことを、許したわけではありません」",
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"501001021_10": "「……当然だな」",
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"501001021_11": "「みなさん……」",
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"501001021_12": "「ごめんなさい、話は聞かせてもらったわ。\\n その上で、言っておかなければならないことがある」",
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"501001021_13": "「エルフナインの言った通りよ。\\n わたしたちは、あなたたちの凶行を許してなんかいない」",
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"501001021_14": "「…………」",
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"501001021_15": "「でも、わたしたちが目指したい<ruby=みらい>未来</ruby>は……\\n 『やられたらやり返す』ような世界じゃない」",
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"501001021_16": "「自責でも、しろと?\\n ……まだ、殺し合いもしていないだろうに」",
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"501001021_17": "「……お前たちが、己の世界を背負って、\\n こちらの並行世界に侵攻してきたことは、既に知ったこと」",
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"501001021_18": "「だが、『世界を背負っている』――\\n それだけでは、わたしたちには勝てないと思え」",
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"501001021_19": "「あたしたちよりも、\\n お前たちの世界の方が重いと――そう言いたいのか?」",
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"501001021_20": "「……優しくて、強い世界を背負っているから……\\n あたしたちには、負けるはずがないと?」",
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"501001021_21": "「……そうではない」",
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"501001021_22": "「そもそも、わたしたちは、\\n 最初から世界を背負ってなどいないのだ」",
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"501001021_23": "「……」",
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"501001021_24": "「……そうさ。そんな重いもの、\\n とてもじゃないけど背負えない」",
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"501001021_25": "「そんな大層なこと、考えちゃいないんだ。\\n けど……あたしたちには、胸の歌がある。シンフォギアがある」",
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"501001021_26": "「……おかしいよな。",
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"501001021_27": " けどさ、突き動かされるんだ」",
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"501001021_28": "「目の前で、誰かが泣いていたら……。\\n 思っちまうんだよ、――助けたい、ってさ」",
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"501001021_29": "「ああ。\\n 国1つ、世界1つを背負うには、この身はまだまだ未熟」",
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"501001021_30": "「それでもわたしは、\\n 己の防人としての信念のために戦うと決めている」",
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"501001021_31": "「わたしも、己の正義を全うすることに手一杯で、\\n 世界をどうこう、なんてこと……今はもう、考えられないわ」",
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"501001021_32": "「話は聞かせてもらったデースッ!」",
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"501001021_33": "「切ちゃん、\\n 医務室なんだから、そんな大声はダメ」",
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"501001021_34": "「ハッ! ごめんデスッ!",
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"501001021_35": " でも、言っておかなきゃいけないことがあるんデスッ!」",
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"501001021_36": "「……わたしたちに?」",
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"501001021_37": "「アタシも、最初にOTHERSの人たちに襲われた時は驚いたし、\\n 一度でも戦えなくなったことはすっごく悔しかったデスッ!」",
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"501001021_38": "「でも……『仲良し2人』がケンカしているのを見るのは、\\n それ以上に嫌だったデスよッ!」",
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"501001021_39": "「だから、それとこれとは別ッ!\\n そういうことにして、助けに行ったんデスよッ!」",
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"501001021_40": "「そりゃあ、世界が全部ハッピーになれば、\\n それに越したことはないデスけど……」",
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"501001021_41": "「戦ってる時に、\\n そんなこと考えていられないデスからね」",
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"501001021_42": "「……わかる?\\n 2人とも」",
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"501001021_43": "「……わたしたちは、誰のためでもない。自分のために。\\n 自分が護りたいもののために……戦っている」",
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"501001021_44": "「…………自分が、」",
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"501001021_45": "「……護りたい、もの……」",
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"501001021_46": "「別に、すぐに飲み込めというつもりはないわ。\\n 『英雄』には、理解しづらい話かもしれないから」",
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"501001021_47": "「でも、そういう考えもあるということを、\\n あなたたちには知っておいて欲しいの」",
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"501001021_48": "(恨んだり憎んだりすることよりも、\\n 今できることは、ここにある――)",
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"501001021_49": "(――これでいいのよね、\\n セレナ)",
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"501001021_50": "「…………」"
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