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"501000731_0": "「食糧探しにも、\\n 大分慣れてきてしまったな――」",
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"501000731_1": "「ブツブツ言うな。",
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"501000731_2": " ほら、いたぞッ! あの岩陰だッ!」",
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"501000731_3": "「ム……蛇か。",
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"501000731_4": " 今のところ、あまり良い印象は持てないが」",
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"501000731_5": "「腹に入れれば同じことだ。\\n それに、蛇は美味い」",
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"501000731_6": "「そ、そうなのか……?」",
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"501000731_7": "「いいから、静かにしてろ。",
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"501000731_8": " そら――ッ!!」",
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"501000731_9": "「……何度見ても、\\n その足技、見事なものだな」",
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"501000731_10": "「そうか?\\n 足癖が悪いと、素直に言ったらどうだ」",
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"501000731_11": "「優れた技術には敬意を払うさ。\\n それが敵であれ、味方であれ、な」",
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"501000731_12": "「お前たちの技術には、目を見張るものがある。",
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"501000731_13": " それだけに――」",
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"501000731_14": "「そんな素晴らしい技術が、\\n 人に牙を剥くために使われることを、耐え難く思う」",
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"501000731_15": "「この気持ちは同じもののはずだ。\\n お前たちが、シンフォギアを許さないと思う気持ちとな」",
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"501000731_16": "「…………」",
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"501000731_17": "「……この力は、\\n カヴァーチャと呼ばれている」",
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"501000731_18": "「カヴァーチャ?\\n 『<ruby=アーティファクト>人工聖遺物</ruby>』の一種か?」",
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"501000731_19": "「そうだ。聖遺物よりかは扱いやすいが……\\n カヴァーチャは、その中でも特殊なものだ」",
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"501000731_20": "「これを纏うために……、",
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"501000731_21": " いや――」",
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"501000731_22": "「これを纏わなければならなかった故に、\\n あたしは、<ruby=はら>胎</ruby>から下を失った」",
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"501000731_23": "「……」",
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"501000731_24": "「……あたしのせいで、キョウも、\\n 柔らかい腕と、温かい手のひらを無くしてしまった……」",
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"501000731_25": "「同じ気持ちだと、そう言ったな?",
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"501000731_26": " ……どうだかな、わかるはずがない」",
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"501000731_27": "「自分だけじゃない。\\n 大事な人の大切な身体に、取り返しの付かない傷を付けた」",
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"501000731_28": "「そんなあたしに……\\n ヒトの抱く温度なんて、もうわかるはずがないんだよ」",
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"501000731_29": "「…………」",
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"501000731_30": "(大事な人を失いかけて。\\n それを繰り返すまいとしているが故の、刃のような態度……)",
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"501000731_31": "(わたしも――わからない、とは言わない。言えるものか。",
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"501000731_32": " だがそれを言ったところで、慰めにもならない、か――)",
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"501000731_33": "「……喋りすぎたな。\\n 食糧は確保した、戻るぞ」",
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"501000731_34": "「……ああ、そうしよう」",
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"501000731_35": "「よっ、と……。\\n この蛇、案外重いな。これは食い出があるぞ」",
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"501000731_36": "「わたしも手伝おう」",
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"501000731_37": "「……この程度に手助けなんて、いらないよ。\\n お前たちときたら、あたしたちを本当に捕虜だと思っているのか?」",
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"501000731_38": "「使えばいい、こんな時くらい」",
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"501000731_39": "「…………」",
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"501000731_40": "(こんな時、カヴァーチャが腕に付いていれば、\\n 運ぶのも楽なのにな……)",
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"501000731_41": "(このカヴァーチャは、確か、ヘビクイワシの脚をモデルにしたもの。\\n さすがに、蹴って運ぶわけには……)",
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"501000731_42": "(……)",
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"501000731_43": "(……待てよ?\\n ヘビクイワシだと……?)",
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"501000731_44": "(――あたしは馬鹿かッ!?\\n どうして今まで気が付かなかったんだ?)",
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"501000731_45": "(この並行世界群においては、想いの力が大きく影響する。\\n それこそ、あのちんまい科学者がやってみせたようにだ)",
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"501000731_46": "(だったら、――『蛇を喰らう鷲』。\\n この概念の力は、使えるはずだ)",
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"501000731_47": "(ベアトリーチェ、そして『世界蛇』。\\n 奴らに対する有効打として――)"
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