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"501000221_0": "「く……硬いッ!!\\n 打ち込んでも、弾かれる――ッ!?」",
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"501000221_1": "「あたしの蹴りが、\\n 届きすらしない、だと……ッ!?」",
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"501000221_2": "「……これは攻撃なのかしら?\\n 羽ほどの重さすらない」",
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"501000221_3": "「だから防御方面も雑魚だと思ったのだけど……、",
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"501000221_4": " 身を護ることだけは長けているみたいね?」",
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"501000221_5": "「ごめんなさいね。\\n てっきりさっきの一撃で、装者とは違って消し飛んだと思っていたわ」",
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"501000221_6": "「――ッ!!」",
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"501000221_7": "「ヨウッ! 挑発に乗らないでッ!\\n 攻撃し続ければ……ッ!」",
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"501000221_8": "「攻撃し続ければ……、\\n どうなるというのかしら?」",
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"501000221_9": "「――ッ!?」",
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"501000221_10": "「こいつ……ッ!\\n どこまでも余裕面をッ!」",
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"501000221_11": "(余裕……それどころか、\\n こちらを観察している……?)",
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"501000221_12": "(はっきりとわかる……理解できてしまうッ!\\n ケタ違いの暴力性がッ!)",
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"501000221_13": "「わたしの響が、お世話になったみたいね?\\n それでいて……『手を繋いでいる』わけでもなさそうだわ」",
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"501000221_14": "「誰が、この世界の……\\n いいえ、全ての世界の、聖遺物使いなんかと……ッ!!」",
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"501000221_15": "「ふぅん……?」",
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"501000221_16": "「……成程、あなたたちね?\\n 並行世界に絶望を撒いてくれたのは……」",
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"501000221_17": "「飢えが満たされるほどではないけれど、\\n 力を献上してくれたのだから――」",
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"501000221_18": "「特別に、褒めてあげるわ。\\n ご苦労様」",
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"501000221_19": "「この……ッ!\\n 上から目線でッ!」",
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"501000221_20": "「……それにしても随分と、\\n 並行世界にちょっかいを出してくれているようだけど」",
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"501000221_21": "「どういうつもりなのかしら。\\n 傷が付きでもしたら、味が落ちるでしょう?」",
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"501000221_22": "「あなたたちが干渉した世界は、\\n わたしにとってはそれなりにお気に入りの餌場なのよ?」",
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"501000221_23": "「餌場ですってッ!?」",
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"501000221_24": "「貴様なんかに……ッ!\\n 喰らい尽くされてたまるものかッ!」",
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"501000221_25": "「届きもしない、弱々しい攻撃を飽きもせず……」",
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"501000221_26": "「そろそろ身の程を知りなさいッ!!\\n ぽっと出の、名無し風情がッ!!」",
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"501000221_27": "「ぐぅ……ッ!」",
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"501000221_28": "「うわあああッ!!」",
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"501000221_29": "「そんなッ!?\\n あんなに強かった2人がッ!?」",
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"501000221_30": "(……そうか。戦いの余波で、\\n みんなの抱えている不安や恐怖が増している……)",
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"501000221_31": "(そのせいで、\\n ベルちゃんがどんどん、強くなっているんだ……ッ!)",
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"501000221_32": "「このままじゃ……。\\n キョウちゃん、ヨウちゃん……ッ!」",
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"501000221_33": "「くそッ……」",
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"501000221_34": "「どうして、こんな……」",
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"501000221_35": "「はい、片付いた。\\n これで、邪魔者は消えたわ」",
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"501000221_36": "「待たせたわね、響」",
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"501000221_37": "「――ッ!」",
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"501000221_38": "「そんな不安そうな顔をしないで?\\n もっともっと、追い詰めてしまいたくなるじゃない」",
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"501000221_39": "「でも、今は本当に、\\n これ以上手を出すつもりはないのよ」",
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"501000221_40": "「そんなにボロボロのあなたたちを手折ったところで、\\n ちっとも美味しくはないもの」",
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"501000221_41": "「今日のところは、\\n デートのお誘いに来ただけ」",
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"501000221_42": "「ああ、当然だけど、\\n 断ることは許さないわよ?」",
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"501000221_43": "「もし断ったら、あなたが関わってきた並行世界を、\\n 1つずつ、丁寧に食い尽くしていくわ」",
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"501000221_44": "「そんなことはさせないッ!\\n 絶対にッ!」",
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"501000221_45": "「フフ、今すぐにでも、\\n 殴り掛かってきそうな顔ね」",
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"501000221_46": "「けれど、言っているでしょう?\\n あなたがわたしの誘いに応じればいいだけよ」",
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"501000221_47": "「それだけで、あなたはわたしの手から『世界を救える』の」",
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"501000221_48": "「……勝手なのはわかってる。",
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"501000221_49": " けど、わたしが手を伸ばしたいのは、世界よりも先に――」",
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"501000221_50": "「今、わたしの目の前にいる……\\n ベルちゃんなんだよ……」",
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"501000221_51": "「…………。\\n どれだけ言い聞かせても、わからない子ね」",
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"501000221_52": "「……時間をあげると言っているの。\\n その間に、傷を癒やして、覚悟を決めておきなさい」",
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"501000221_53": "「あなたとわたしは、\\n どう足掻いたとて相入れない水と油」",
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"501000221_54": "「そのことを受け入れてこそ、\\n 進める境地がある――ということを、あなたは知るべきよ」",
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"501000221_55": "「待ってッ!\\n ベルちゃんッ!!」",
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"501000221_56": "「……ああ、そうだ。\\n 響、覚えておいてくれる?」",
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"501000221_57": "「……え?」",
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"501000221_58": "「わたしは、あなたにね。\\n 『わたしと向き合え』と、そう言ったのよ」",
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"501000221_59": "「それはつまり、ベルダンディ……\\n いいえ、あなたの知る『ベル』ではなく――」",
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"501000221_60": "「『世界蛇の巫女ベアトリーチェ』と\\n 向き合えということ」",
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"501000221_61": "「――ッ!」",
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"501000221_62": "「確かにあの、『<ruby=イシム>欠陥品</ruby>』との戦いで、\\n 一度だけ手助けはしたわ」",
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"501000221_63": "「けれど……\\n ねえ、響」",
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"501000221_64": "「『向き合う』っていうのは、\\n 隣り合うことじゃなく、正面から相対することよ」",
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"501000221_65": "「わたしを、ちゃんと正面から見なさい。\\n それとも――」",
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"501000221_66": "「あなたにはその勇気がないのかしら?」",
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"501000221_67": "「――ッ!?」",
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"501000221_68": "(……今までのベルちゃんとは、\\n 何かが違う)",
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"501000221_69": "(何かを決めたような……\\n そう、決意を感じるんだ……)",
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"501000221_70": "「……もう、\\n ベルちゃんって呼べないのかな?」",
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"501000221_71": "「……そうね。\\n それは、わたしの本当の名前ではないのだから」",
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"501000221_72": "「……あなたは。\\n 本当の本当に、ベアトリーチェなんだね」",
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"501000221_73": "「そうよ。\\n わたしは、世界蛇の巫女、ベアトリーチェ」",
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"501000221_74": "「遙かな過去から、<ruby=みらい>未来</ruby>の果てまで。\\n わたしが、わたしをそう定めたからこそ……」",
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"501000221_75": "「それは決して、変わることはない。\\n 誰にだって、ねじ曲げさせるものか」",
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"501000221_76": "「……――」",
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"501000221_77": "「――わかったよ、ベアトリーチェ」",
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"501000221_78": "「ちゃんと、正面から……\\n あなたの悪意に、向き合ってみせるッ!」",
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"501000221_79": "「……フフ、それでいいの。\\n 覚悟を決めてくれて、嬉しいわ」",
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"501000221_80": "「……それじゃあ。\\n また会いましょう、立花響」",
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"501000221_81": "「ベアトリーチェ……」",
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"501000221_82": "「――くッ!\\n まだ、倒れちゃダメだ……ッ!」",
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"501000221_83": "「倒れたみんなを、\\n 助け、ないと……ッ!」",
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"501000221_84": "「響さんッ!\\n ご無事ですかッ!?」",
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"501000221_85": "「は、はいッ!",
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"501000221_86": " わたしは大丈夫です……でも、みんながッ!」",
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"501000221_87": "「皆さんのバイタルは確認済みッ!\\n 救護部隊も、既に到着しています。安心してくださいッ!」",
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"501000221_88": "「そう、ですか……。\\n 良かったぁ……」",
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"501000221_89": "「みんなを、お願いします。",
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"501000221_90": " それと――」",
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"501000221_91": "「キョウちゃんと、ヨウちゃんも……」",
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"501000221_92": "「……ええ、わかっています。",
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"501000221_93": " 彼女たちにも、話を聞く必要がありますからね」",
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"501000221_94": "「ありがとうございます。",
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"501000221_95": " あの……わたし、もう限界、みたいで……」",
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"501000221_96": "「ちょっと、休みます、ね……」"
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