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"397000311_0": "倉庫の冷たい床",
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"397000311_1": "「ほら、入りな」",
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"397000311_2": "「ひゃ……ッ!」",
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"397000311_3": "「お前たちは、ここでおとなしくしていろ」",
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"397000311_4": "「妙なことを考えたらどうなるか……お花畑の詰まった\\n その頭でも、想像くらいできるだろう?」",
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"397000311_5": "「……足音が遠ざかっていく……。\\n 本当に行ったみたいね」",
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"397000311_6": "「くそッ!\\n まさか、本部で閉じ込められるなんて……」",
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"397000311_7": "「いたたッ」",
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"397000311_8": "「だ、大丈夫ですかッ!?」",
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"397000311_9": "「さっき蹴られたところね……",
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"397000311_10": " まったく、無茶するんだから」",
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"397000311_11": "「面目ない……緒川さんや司令だったら、\\n こんなことにはならなかっただろうに……」",
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"397000311_12": "「私たちの護身術程度じゃ、\\n どうにもならないわね……」",
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"397000311_13": "「それにしても、\\n どういうことでしょうか……?」",
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"397000311_14": "「安心しろ、無駄に苦しめるのは趣味じゃない。\\n 殺すときは――ひと思いに終わらせてやる」",
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"397000311_15": "「…………ッ!」",
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"397000311_16": "(こうなったら、イチかバチか――ッ!)",
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"397000311_17": "(――ッ!?",
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"397000311_18": " 待てッ!)",
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"397000311_19": "「……キョウ様、ヨウ様。\\n ご報告が」",
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"397000311_20": "「……どうした?」",
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"397000311_21": "「実は――」",
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"397000311_22": "「……なんだと?",
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"397000311_23": " 『グレイプニル』で?」",
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"397000311_24": "「他の支流は?",
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"397000311_25": " ……、…………ッ!?」",
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"397000311_26": "「な……なに?\\n 揉め事……?」",
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"397000311_27": "「『スヴォル』でも予想以上の――」",
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"397000311_28": "「そうですか……『ドラウプニル』あたりの抵抗は\\n 予想していましたが、『グレイプニル』とは……」",
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"397000311_29": "「『グレイプニル』……\\n 『スヴォル』に、『ドラウプニル』……?」",
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"397000311_30": "「なんの話だ……?」",
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"397000311_31": "「いずれも北欧神話に語られる、\\n 道具の名前ですが……」",
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"397000311_32": "「『グレイプニル』……\\n セレナさんが纏った、デュオレリック……?」",
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"397000311_33": "「話の流れから言って、どうにも別の意味で話しているみたいね。\\n ……なにかの暗号かしら?」",
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"397000311_34": "「それより……\\n 奴らが気を取られている今がチャンスだ」",
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"397000311_35": "「考えることは同じだったみたいね」",
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"397000311_36": "「え?\\n お2人とも、なにを……?」",
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"397000311_37": "「このまま黙ってやられるほど……\\n お行儀がよくないってことよッ!」",
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"397000311_38": "「デスクの裏に銃が……ッ!?\\n き、緊急用……ということですかッ!?」",
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"397000311_39": "「こういう事態だって、S.O.N.G.にいるなら想定内ッ!\\n ……やるわよッ!」",
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"397000311_40": "「こうなったら、やぶれかぶれだッ!」",
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"397000311_41": "「武器を捨てなさ――」",
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"397000311_42": "「――届かせませんよ、その一手」",
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"397000311_43": "「……抜け目がありませんね。\\n とはいえ、デスクの裏に隠した銃をとる動作で数手……」",
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"397000311_44": "「わたしたちに銃を向けるために、また数手。\\n ええ、おっしゃる通り、『想定内』です」",
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"397000311_45": "「嘘……ッ!?",
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"397000311_46": " 完全に不意を突いたのに……ッ!?」",
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"397000311_47": "「言ったでしょう、見ていたと。",
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"397000311_48": " 気に入ってリピ買いしてる下着のメーカー、当てましょうか?」",
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"397000311_49": "「う、うぉおおおおおおお……ッ!」",
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"397000311_50": "「はぁ……」",
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"397000311_51": "「ぐあぁ……ッ!」",
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"397000311_52": "「藤尭さんッ!」",
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"397000311_53": "「本当に行儀の悪い人質だな。そんなに死に急ぎたいか?\\n 大事にした方がいい、たった1つの命なんだ」",
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"397000311_54": "「それを奪おうとしておいて、なにを……ッ!!」",
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"397000311_55": "「そうですね。しかし……少し事情も変わったことですし、\\n しばらく『いのちだいじに』でお願いできますか?」",
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"397000311_56": "「げほ、ごほ……ッ!\\n あ、あの機械の足、なんて威力だ……ッ!」",
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"397000311_57": "「あ、あなたたちはいったい……『スヴォル』や\\n 『ドラウプニル』とは……? それに、その身体は……?」",
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"397000311_58": "「……さて、なんだろうな。",
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"397000311_59": " それより、聞き耳を立てるとは感心しないな」",
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"397000311_60": "「お前にも、\\n 仕置きが必要か――ッ!?」",
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"397000311_61": "「く…………ッ!」",
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"397000311_62": "「ヨウ、待ってッ!」",
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"397000311_63": "「――ッ!?\\n ……キョウ? どうして……」",
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"397000311_64": "「……今はこっちに時間を割いてる場合じゃない。\\n 他の支流の問題を先に解決しよう」",
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"397000311_65": "「……そうだね。\\n それじゃあ、こいつらは――」",
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"397000311_66": "「ほんっとーに……\\n 死んだかと思ったよ……」",
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"397000311_67": "「あの手足……\\n ただの義手や義足じゃないみたいね」",
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"397000311_68": "「銃も取り上げられてしまったし、\\n 隙をついたところで倒せる相手じゃないみたい」",
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"397000311_69": "「それ以前に、こうもきつく縛られたら、\\n 動くことすらできないって」",
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"397000311_70": "「すみません……\\n ボクだけ、なにもできなくって……」",
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"397000311_71": "「気にしなくていいわよ。\\n 戦い方は、人それぞれ。そうでしょ?」",
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"397000311_72": "「それに、諦めるのは早いさ。\\n こうして生きている以上、きっとチャンスは巡ってくる」",
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"397000311_73": "「ええ。\\n 今できることを考えましょう」",
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"397000311_74": "「藤尭さん、友里さん……」",
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"397000311_75": "「……ボク、励まされてばかりですね。",
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"397000311_76": " でも……お2人の言う通りです」",
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"397000311_77": "(装者のみなさんがいない今、\\n ボクはボクにできることをしなきゃ)",
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"397000311_78": "(それが……ボクの戦いですッ!)"
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