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{
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"502000912_0": "「わたしの拳が、胸の歌がッ!\\n あなたの停滞を、失望を打ち払うならッ!!」",
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"502000912_1": "「戦いの中に、君が己を見出すと言うのなら――ッ!\\n 君が、その可能性を掴むためにッ!!」",
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"502000912_2": "「「アレクシスッ!!\\n 私たちは、君に――この手を伸ばすッッ!!」」",
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"502000912_3": "「ぐ……く……ッ!!\\n 押し、負ける……ッ!!!」",
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"502000912_4": "「ぐ――",
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"502000912_5": " ぐぁあああああああああああああああ……ッ!!」",
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"502000912_6": "「――」",
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"502000912_7": "「アレクシスさんッ!」",
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"502000912_8": "「あっ、おい……",
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"502000912_9": " …………いや、大丈夫か、あの様子なら……」",
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"502000912_10": "「アレクシスさん、\\n 大丈夫ですかッ!?」",
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"502000912_11": "「…………フ、」",
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"502000912_12": "「……フ。フフ、",
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"502000912_13": " フハハハハハ!」",
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"502000912_14": "「――ッ!?」",
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"502000912_15": "「またしても敗れるか。いや、今度はグリッドマンだけではない。\\n 君の力も大きかったね、響くん」",
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"502000912_16": "「アレクシスさん……\\n わたしは……」",
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"502000912_17": "「気に病むことはない。\\n 言っただろう? 私の命には限りがないと」",
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"502000912_18": "「とはいえ――今回もまた、退屈せずに済んだよ。\\n 君には感謝しなければいけないねぇ」",
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"502000912_19": "「……アレクシスさんが退屈になったら、また今度みたいに、\\n 誰かを巻き込んで騒ぎを起こすんですか?」",
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"502000912_20": "「もしかすると、そうかもしれないねぇ。\\n 私にすらわからないさ、<ruby=みらい>未来</ruby>の――可能性のことなどね」",
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"502000912_21": "「……。",
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"502000912_22": " ……それなら」",
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"502000912_23": "「うん?」",
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"502000912_24": "「そのときは、またわたしたちがアレクシスさんの企みを\\n 打ち破ってみせますッ!」",
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"502000912_25": "「――ハッハッハ! それはいいねぇ。うん、実に素敵な約束だ。\\n 君たちがいる限り、私も退屈せずに済みそうだ」",
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"502000912_26": "「……感謝しよう、グリッドマン。\\n それに、シンフォギア装者たち……無限の可能性を謳う者たちよ」",
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"502000912_27": "「無限の命がもたらす虚無を打ち砕けるのは、\\n 君たちのような存在なのかもしれないねぇ」",
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"502000912_28": "「また私が無限の虚無に飽いた時――\\n 君たちが私を止めに来るのを、楽しみにしているよ――」",
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"502000912_29": "「言いたいことだけ言って、消えやがった……」",
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"502000912_30": "「無限の命を持つ者の虚無、か……。その大きさは、\\n 只人であるわたしたちに計りきれるものではないのだろうな」",
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"502000912_31": "「それでも、いつかは……」",
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"502000912_32": "「ああ。\\n いつの日か、変わる日がくるかもしれない」",
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"502000912_33": "「どうだかなぁ。\\n あいつがそんなタマかぁ?」",
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"502000912_34": "「にわかには想像できないよね」",
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"502000912_35": "「だが……奴の言った通り、\\n 先のことは誰にもわからんさ」",
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"502000912_36": "「ま、また敵になれば倒すだけだ」",
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"502000912_37": "「――それでも私は信じたい。\\n <ruby=みらい>未来</ruby>にある、無限の可能性を」",
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"502000912_38": "「…………。",
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"502000912_39": " で?」",
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"502000912_40": "「決着したってことだよ。\\n わかんねぇんだったら黙っとけ、めんどくせー」",
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"502000912_41": "「一方的に引っ張り込んでおいて理不尽すぎだろ!?」",
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"502000912_42": "「……ハハッ!\\n なんと言うか、しまんないなぁ」",
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"502000912_43": "「フ……\\n しんみりするよりは、よほど『らしい』さ」",
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"502000912_44": "「……そうですね」",
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"502000912_45": "「…………」",
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"502000912_46": "「立花。\\n ……並行世界のお父上のことを考えているのか?」",
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"502000912_47": "「はい……。\\n 大丈夫かな、って……」",
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"502000912_48": "「――心配いらない。\\n 複合世界に取り込まれていた各世界は、既に元に戻っている」",
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"502000912_49": "「彼も、自分の世界に帰還しているだろう。\\n そして、彼の進む方向にも、可能性は無限に広がっている」",
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"502000912_50": "「え?\\n それって、どういう……」",
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"502000912_51": "「…………、う……」",
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"502000912_52": "「ここは……?\\n 俺はいったい……」",
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"502000912_53": "「……そうだ。\\n アレクシス・ケリヴを前に気を失って、それで……」",
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"502000912_54": "「……俺自身が怪獣になってしまったところを、\\n 響に……あの子に、助けられたのか……」",
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"502000912_55": "「ざまぁないな……。響の恨みを晴らすつもりが、\\n 響を傷つけた怪獣と同じものになってしまうなんて……」",
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"502000912_56": "「響……」",
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"502000912_57": "(……わかってる。あの響は、俺の娘の『響』じゃない……。\\n 俺が知ってる『響』より、ずっと強い心を持っていた)",
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"502000912_58": "(きっと、俺が知らない時間を何年も過ごして、\\n いろいろな人と出会って、成長したんだろう)",
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"502000912_59": "(だったら、俺の娘は……)",
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"502000912_60": "「……ダメだな、俺は」",
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"502000912_61": "「……俺は……戦い方を間違ったんだろうな。\\n 復讐を考えるより、もっと家族に向き合うべきだったんだ」",
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"502000912_62": "「だけど……いい加減、前を向いて歩かなきゃな。\\n あの響は俺の娘じゃないけど、成長した響の姿が見れたんだ」",
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"502000912_63": "「俺みたいなやつには、過ぎた奇跡だよな……\\n だから、俺は……」",
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"502000912_64": "「せめて、あの子にも、\\n 響にも……胸を張れるような大人にならないと……」",
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"502000912_65": "(……まずは償いだ。\\n いつになったら償いきれるのか、わからないけど)",
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"502000912_66": "「それでも……もう、間違い続けるのはごめんだ」",
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"502000912_67": "「まずは、家族のところに顔を出すか――」",
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"502000912_68": "「……お父さん?」",
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"502000912_69": "「…………え?」",
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"502000912_70": "「ひび、き……?」",
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"502000912_71": "「やっぱり、お父さんだ」",
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"502000912_72": "(並行世界の……いや、違うッ!?\\n この子は……俺の……ッ!!)",
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"502000912_73": "「響……ッ!\\n おまえ、目が、覚めたのか……?」",
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"502000912_74": "「……うん」",
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"502000912_75": "「い、いったい、いつッ!?\\n 俺は、ずっとおまえに会いたくて――謝りたくて……ッ!!」",
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"502000912_76": "「……夢を、見ていたんだ」",
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"502000912_77": "「夢……?」",
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"502000912_78": "「うん。\\n ……わたしによく似た誰かが戦ってる夢」",
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"502000912_79": "「その子は、昔お父さんと一緒に見に行ったヒーローショーの\\n 主人公みたいに、誰かのために戦っていた」",
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"502000912_80": "「誰かを助けるために一生懸命なその子を見ていたら、\\n わたしもこうしちゃいられないって思って……」",
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"502000912_81": "「そうしたらね、誰かの声が聞こえたんだ」",
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"502000912_82": "「――目を覚ますんだ、『響』。\\n 君の目覚めを、助けを待っている人がいる」",
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"502000912_83": "「…………ッ!」",
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"502000912_84": "「なんでかな。\\n その声を聞いた時、お父さんの顔が浮かんだんだ」",
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"502000912_85": "「お父さん、とっても悲しそうな顔してて……。\\n そんな顔をさせてちゃいけない、って思ったの」",
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"502000912_86": "「いてもたってもいられなくって、\\n 真っ暗な、どこともしれない道をひたすら走って……」",
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"502000912_87": "「何度も、何度も転んだけど。",
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"502000912_88": " 痛くたって、お父さんが待ってる」",
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"502000912_89": "「だから――",
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"502000912_90": " へいき、へっちゃらッ!」",
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"502000912_91": "「――ッ!!」",
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"502000912_92": "「そうやって走り続けたら……\\n そしたら、目が覚めたんだ」",
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"502000912_93": "「そうか……、\\n …………そうか……」",
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"502000912_94": "「お父さん……泣いてるの?」",
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"502000912_95": "「嬉しいんだ……\\n 響に、こうしてまた会えたのが……ッ!」",
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"502000912_96": "「……うん。\\n わたしも嬉しいよ」",
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"502000912_97": "「お父さん……帰ろ?\\n わたしたちの家に――」"
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