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"502000611_0": "オモイダス、アレクシス",
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"502000611_1": "「たとえ無茶だとしてもッ!\\n この拳は、この胸の歌は……誰かを護るための力ですッ!!」",
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"502000611_2": "「相手がどれだけ強大な怪獣だろうと、\\n 護るべき人がわたしの後ろにいるのならッ!」",
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"502000611_3": "「わたしはこの拳で、\\n 無茶も無謀も、打ち砕くッッ!!!」",
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"502000611_4": "「あなたたちが、なんのために人や街を襲うのかはわからない。\\n ――だけどッ!」",
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"502000611_5": "「<size=40>わたしもここは、譲れないッ!</size>」",
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"502000611_6": "「おおぉーーーーーーーーーーッ!!」",
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"502000611_7": "「――ッ、\\n ここまで、か……」",
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"502000611_8": "「インスタンス――」",
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"502000611_9": "「――ッ!?」",
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"502000611_10": "「――ドミネーションッ!!」",
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"502000611_11": "「…………ッ!?」",
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"502000611_12": "「おや?\\n この力は……」",
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"502000611_13": "「怪獣が……止まった?」",
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"502000611_14": "「…………く……ぐ……ッ!\\n 負荷が重い……だがッ!!」",
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"502000611_15": "「逃げてくれ、響……ッ!!\\n ここから、逃げるんだ――ッ!!」",
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"502000611_16": "「お父、さん……?」",
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"502000611_17": "「あれは、\\n 怪獣優生思想の力――ッ!?」",
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"502000611_18": "「なんであのおっさんが使ってんだよ!?\\n まさか怪獣優生思想の一員だってのかッ!?」",
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"502000611_19": "「……!!」",
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"502000611_20": "「そんな雰囲気じゃなかったけど……\\n こいつらを倒さなきゃ、話だって聞けやしないよッ!」",
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"502000611_21": "「ぐ……くそ、\\n ちゃっちゃと蹴散らすぞ!」",
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"502000611_22": "「「「応ッ!!!」」」",
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"502000611_23": "「お父さん……?\\n なんで……どうして、お父さんが怪獣を……?」",
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"502000611_24": "「おやおや、これは予想外。\\n まさか、君が……『そう』だったとはねぇ」",
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"502000611_25": "「アレクシスさん……? どういうことですか?\\n 何か知っているんですかッ!?」",
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"502000611_26": "「どうしてお父さんが、あんな力をッ!?」",
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"502000611_27": "「知っているも何も、\\n 見た通りじゃないか、響くん」",
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"502000611_28": "「君のお父さんは怪獣を操る力を持っている。\\n いや、それ以上かもしれない」",
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"502000611_29": "「え……?」",
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"502000611_30": "「ごちゃごちゃと、まだ語るか……ッ!」",
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"502000611_31": "「アレクシス・ケリヴッ!\\n 俺の娘から離れろぉぉぉおッ!!」",
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"502000611_32": "「怪獣が、アレクシスさんのほうに……ッ!?」",
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"502000611_33": "「どうやら彼が操っているのは間違いないようだねぇ。\\n ついでといってはなんだけど……1つ、思い出したよ」",
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"502000611_34": "「私と君は、確かに以前会っているね。\\n そう――あの時君は、こんなことを言っていた」",
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"502000611_35": "「『俺から娘を奪った世界なんてどうでもいい。\\n そんな世界は……俺が壊す』――と」",
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"502000611_36": "「失意と絶望……その嘆きで世界を拒絶しようとする情動。\\n うんうん、思い出してきたぞ」",
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"502000611_37": "「――ッ!!」",
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"502000611_38": "「え……?」",
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"502000611_39": "「……黙れ」",
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"502000611_40": "「君の情動に興味を持ち、少しだけ手を貸してはみたが……\\n 君はあの時結局、怪獣を生み出せなかった」",
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"502000611_41": "「そうなったら、私は力の分け与え損だ。\\n 早々に君に見切りをつけたのは、仕方ないじゃないか」",
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"502000611_42": "「黙れぇッ!」",
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"502000611_43": "「久しぶりだね。しかし、どうしたんだい?\\n 私に牙を剥くなんて」",
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"502000611_44": "「あの時君は、私の手を一度は取ろうとしたのに、\\n 結局、世界への復讐からも、逃げ出したじゃないか」",
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"502000611_45": "「それを今更……\\n 何が不満なんだい?」",
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"502000611_46": "「ふざけたことを抜かすなッ!\\n 親切なことを言って、俺を騙しやがって……ッ!」",
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"502000611_47": "「元はと言えば、俺たちの世界に、\\n お前が怪獣をばら撒きさえしなければ、響は――ッ!!」",
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"502000611_48": "「……お前だったんだろうッ!\\n 俺が住む世界に怪獣を解き放ったのはッ!!」",
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"502000611_49": "「アレクシスさんが怪獣を、世界に……ッ!?",
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"502000611_50": " 本当なんですかッ!?」",
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"502000611_51": "「本当なんじゃないかな?\\n そちらのほうは、はっきりとは覚えていないけどね」",
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"502000611_52": "「そんな……ッ!」",
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"502000611_53": "「――っしゃ、近場の怪獣はこれで片付いた」",
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"502000611_54": "「てなことで……だから言ったろ。\\n こいつは信用していい奴じゃないんだよ」",
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"502000611_55": "「ボラーちゃん……」",
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"502000611_56": "「でも、なんでアレクシスさんがそんなことを……?\\n 何が目的なんですか?」",
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"502000611_57": "「目的かい? そんなご大層なものじゃないよ。\\n 言葉にするなら、退屈凌ぎということになるだろうねぇ」",
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"502000611_58": "「退屈、凌ぎ……?」",
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"502000611_59": "「無限の命を持つとねぇ、\\n どうにも退屈で仕方ないんだよ」",
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"502000611_60": "「せっかくの休日に外が雨じゃ、どこにも出かけられず、\\n 1日中家で過ごさなきゃいけないだろ?」",
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"502000611_61": "「だからといって、ただ座って過ごすのも味気ない。\\n そんなときは響くんだって、何かすることを探すだろ?」",
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"502000611_62": "「それと一緒さ。私にとって、人の情動に触れることが、\\n 何より楽しい退屈凌ぎなのさ」",
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"502000611_63": "「そんなこと……\\n 退屈凌ぎでしていいことじゃありませんッ!」",
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"502000611_64": "「残念ながら……\\n この男に倫理を説いても無駄だろう」",
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"502000611_65": "「価値観が違うって言うか……\\n 悪意すら持ってないってのが厄介なんだよ」",
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"502000611_66": "「あ、悪意がなければ、改心することもない」",
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"502000611_67": "「だから、ずっと封じときたかったんだけどよ。",
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"502000611_68": " 案の定、厄介ごとを起こしてやがったか」",
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"502000611_69": "「やれやれ、さんざんな言われようだねぇ」",
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"502000611_70": "「一応言っておくと、私がそこの彼と接触したのは\\n もう何年も前のことだと思うよ」",
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"502000611_71": "「関係あるか。\\n 記憶喪失だからって、見逃されると思うんじゃねぇ」",
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"502000611_72": "「わかっただろう、響。\\n その男は、悪だ。だから、俺がここで倒す――ッ!」",
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"502000611_73": "「そこの怪獣を使って、かい?」",
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"502000611_74": "「お父さん、ダメだよッ!\\n 怪獣が暴れたら、街だって無事じゃすまないよッ!」",
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"502000611_75": "「止めてくれるな、響ッ! こいつは自分の暇つぶしのために、\\n たくさんの人を利用し、弄んできたッ!」",
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"502000611_76": "「そのせいで、響は……ッ!",
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"502000611_77": " 俺は……ッ!!」",
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"502000611_78": "「お父さん……」",
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"502000611_79": "「だから……この世界もろとも、アレクシス・ケリヴは\\n 消し去らねばならないんだッ!」",
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"502000611_80": "「なッ!?",
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"502000611_81": " 怪獣がさらに強力に……ッ!?」",
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"502000611_82": "「く、そ――ッ!\\n あたしらだけじゃ、抑えきれないッ!」",
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"502000611_83": "「マックス」",
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"502000611_84": "「わかっている。\\n だが……」",
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"502000611_85": "「行ってくださいッ!」",
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"502000611_86": "「――!?」",
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"502000611_87": "「お父さんのことは、わたしがなんとかしますッ!\\n だから……翼さんたちをお願いしますッ!」",
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"502000611_88": "「……承知した。\\n ならば、この場は任せよう」",
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"502000611_89": "「……おい、響。\\n あんま無茶すんなよな」",
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"502000611_90": "「ありがとうッ!\\n ボラーちゃんもねッ!」",
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"502000611_91": "「…………ッ!」",
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"502000611_92": "「しかし、これだけの怪獣を操るので、\\n 君はどうやら精一杯だろう?」",
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"502000611_93": "「けれど、君の目に燃えているのは殺意だ。\\n それも、確実に私を殺せると確信しているものの瞳」",
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"502000611_94": "「だったらなんだというんだッ!」",
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"502000611_95": "「……君、私と一緒に死ぬつもりだね?\\n しかし、そうなると妙なんだよ」",
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"502000611_96": "「確かに、私が君に力を与えたのは思い出したよ。\\n だけど、それはこんな大それたことができる力じゃないはずだ」",
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"502000611_97": "「私を追いかけ、この世界に引きずり込んだのも君だろう?\\n いったいどうやって、私の力を増幅させたんだい?」",
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"502000611_98": "「ク……ハハハッ!\\n ああ、それなら冥土の土産に教えてやるよッ!」",
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"502000611_99": "「――グリッドマンさ」",
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"502000611_100": "「彼こそが――\\n 今の俺に、力を与えてくれたッ!」",
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"502000611_101": "「グリッドマン……ッ!?\\n どうしてお父さんがグリッドマンの名前を……?」",
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"502000611_102": "「……俺はアレクシス・ケリヴを追ううち、\\n グリッドマンの存在に行きついた」",
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"502000611_103": "「多元宇宙、並行世界――呼び方はなんだっていいが、\\n どこかにある怪獣使いたちのいる世界含め、その存在にもな」",
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"502000611_104": "「そして、グリッドマンの力と、\\n 並行世界を檻にする手段さえあれば……」",
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"502000611_105": "「アレクシスを完全に殺すことができる。\\n そう考えたんだ」",
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"502000611_106": "「――ッ!」",
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"502000611_107": "「違う……違うよ、お父さんッ! グリッドマンの力は、\\n 誰かを傷つけたり、殺すための力なんかじゃないよッ!!」",
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"502000611_108": "「……そうだとしても、グリッドマンの持つ力は、可能性だ。\\n 望めば、きっとどんなことだってできる」",
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"502000611_109": "「だから俺は……グリッドマンに向けて叫んだのさ。",
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"502000611_110": " 助けて、ってな」",
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"502000611_111": "「そんな……」",
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"502000611_112": "「……響の言う通り、グリッドマンは――\\n 正真正銘、正義の味方なんだろう」",
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"502000611_113": "「どうしようもない、俺みたいなやつの『助けて』って言葉まで、\\n 馬鹿みたいに真剣に受け取って、やってきてくれた……」",
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"502000611_114": "「だが、グリッドマンは俺の願いを……アレクシス・ケリヴを\\n 倒して欲しいという願いを、断ったッ!」",
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"502000611_115": "「ほう?\\n 彼がそんなことを?」",
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"502000611_116": "「ああ、そうだよ……ッ!」",
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"502000611_117": "「アレクシス・ケリヴも変わろうとしているのかもしれない……\\n グリッドマンはそう言ったんだッ!」",
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"502000611_118": "「許せるかッ!? 悪を許す正義の味方なんて……ッ!!\\n そうさ、俺には無理だったッ!!」",
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"502000611_119": "「グリッドマンが……\\n 正義の味方が、悪を許すというならッ!」",
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"502000611_120": "「……悪に踏みにじられた俺の娘の仇は……\\n 俺がとるしかないだろうッッ!!!」",
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"502000611_121": "「お父さん……」",
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"502000611_122": "「……ん?\\n 何かな、今は取り込み中なのだけれど」",
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"502000611_123": "「……?」",
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"502000611_124": "「ほうほう、なるほど。\\n 響くんと繋いでほしいときたか」",
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"502000611_125": "「アレクシスさん、何を……?」",
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"502000611_126": "「ああ、そうだったね。今、ジャンクの中のグリッドマンの声は、\\n 私以外には聞こえないんだった」",
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"502000611_127": "「響くん。\\n グリッドマンが、君に伝えたいことがあるそうだ」",
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"502000611_128": "「グリッドマンが……ッ!?」",
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"502000611_129": "「私の手を取りたまえ。\\n そうすれば、響くんにも彼の声が聞こえるはずだ」",
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"502000611_130": "「騙されるな、響ッ!\\n そいつの言葉に耳を貸しちゃダメだッ!!」",
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"502000611_131": "「今は私もこの世界に閉じ込められている状況だからねぇ。\\n 響くんの不利になることはしないよ」",
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"502000611_132": "「響ッ!」",
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"502000611_133": "「…………ッ!",
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"502000611_134": " ごめん、お父さんッ!」",
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"502000611_135": "(――――、)",
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"502000611_136": "(――るか。\\n 聞こえているか、響!)",
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"502000611_137": "「聞こえる……\\n わたしにも、あなたの声が聞こえるよッ!」",
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"502000611_138": "「――グリッドマンッ!!」"
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