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JSON
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{
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"502000421_0": "「足元に気をつけて、それでも急いで、\\n 一直線に……ッ!」",
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"502000421_1": "「……」",
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"502000421_2": "(シェルターは……あそこだッ!\\n よかった、このシェルターは、入り口もまだ開いてるッ!)",
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"502000421_3": "(怪獣の被害もここまでは届いてないし、\\n ここならお父さんを下ろしても大丈夫そう)",
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"502000421_4": "「お父さ――じゃなかった。\\n ええと……降ろしますねッ!」",
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"502000421_5": "「あ、ああ……」",
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"502000421_6": "「そ、それじゃあ、わたしはこれで……」",
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"502000421_7": "「待ってくれッ! 響なんだろうッ!?\\n どうして俺を避けるんだッ!?」",
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"502000421_8": "「――ッ!」",
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"502000421_9": "「…………」",
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"502000421_10": "「けど、よかった……。\\n 意識を取り戻していたんだな……」",
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"502000421_11": "「……え?」",
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"502000421_12": "「もう……\\n お前は目覚めないんじゃないかって……」",
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"502000421_13": "「でも俺は、お前のそばに居続けることもできないくらい、\\n 弱くて……」",
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"502000421_14": "(この世界の『<ruby=わたし>立花響</ruby>』のことを言っているみたいだけど……。\\n わたしとお父さんに、何があったの……?)",
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"502000421_15": "「響……俺みたいにダメな父親が、\\n こんなこと言う権利はないかもしれないが……」",
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"502000421_16": "(……わたしじゃ、この世界のわたしの代わりにはなれない。\\n ……でも……)",
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"502000421_17": "「……やっぱり、俺のこと……\\n 恨んでいるのか?」",
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"502000421_18": "「…………ッ!?」",
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"502000421_19": "「そうだよな……お前があんなことになったのは、\\n 俺のせいみたいなものだ……」",
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"502000421_20": "「父親と呼ばれる資格なんて、俺にはもう……」",
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"502000421_21": "「…………」",
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"502000421_22": "「響が、小さくなって……ッ!?",
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"502000421_23": " ああ、やっぱり響だ。そうなんだろうッ!?」",
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"502000421_24": "(こんな状態のお父さん、放っておけないよ……)",
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"502000421_25": "「あ、あのね、お父さん。わたしは確かに響なんだけど、",
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"502000421_26": " お父さんの知ってる響じゃないっていうか……」",
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"502000421_27": "「どうした……何を言っているんだ?\\n どう見たって響じゃないかッ!」",
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"502000421_28": "「まさか……何か、障害が残っているのか?\\n 記憶喪失だったりとか……俺のこと、わかるか?」",
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"502000421_29": "「う、うん、えーっと、\\n それはわかるんだけど……ッ!」",
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"502000421_30": "「そうか……よかった。",
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"502000421_31": " けど、どうしてあんな危ないことをしているんだ?」",
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"502000421_32": "「響はもう、十分辛い目にあったじゃないかッ!\\n いったい誰が、響にあんなことをさせているんだッ!?」",
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"502000421_33": "「お、落ち着いて、お父さん」",
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"502000421_34": "(ど、どうしよう……全然話を聞いてくれない)",
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"502000421_35": "「お前があのライブで事故にあって、目を覚まさなくなって……。\\n 俺は、生きる目的を一度見失った……」",
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"502000421_36": "「ライブの事故……?",
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"502000421_37": " もしかして、ノイズが出たの?」",
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"502000421_38": "「ノイズ……? いや、響はライブ会場を襲った怪獣の被害に\\n 巻き込まれたんじゃないか。覚えていないのか……?」",
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"502000421_39": "(この世界では、\\n ノイズじゃなくて怪獣がライブ会場を襲ったんだ……)",
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"502000421_40": "「すまない……あの日、本当だったら俺が一緒にライブに\\n 行くはずだった……」",
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"502000421_41": "「でも急な仕事が入って、俺がそれを優先したばっかりに、\\n 1人でライブに行った響は逃げる途中で……」",
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"502000421_42": "「それっきり、おまえは昏睡状態に……ッ!」",
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"502000421_43": "「――ッ!」",
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"502000421_44": "「いつ目覚めるとも知れない響を見ているのが辛くて、\\n 俺は……俺は……ッ!」",
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"502000421_45": "「でも……\\n やっと目が覚めたんだな……ッ!」",
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"502000421_46": "(……違う。わたしは、お父さんが待ってる『響』じゃない。\\n でも……)",
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"502000421_47": "「よかった……本当に、よかった……ッ!\\n 響が無事で、よかった……ッ!!」",
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"502000421_48": "(こんな不安定な状態のお父さんに本当のことを言うなんて、\\n わたしには……)",
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"502000421_49": "「――いたいた。\\n ようやく見つけたぞ」",
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"502000421_50": "「それにしたって、\\n 号泣する親父さんに、困り顔のバカが並んでるとは……」",
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"502000421_51": "「こいつは、どんな状況だ?」",
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"502000421_52": "「クリスちゃん……」"
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