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"502000311_0": "お好み焼きと、それぞれの事情",
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"502000311_1": "「では、互いの情報を共有し、\\n 今後の方針について話し合うとしよう」",
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"502000311_2": "「それはいいんだけどよ……\\n なんでここなんだ?」",
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"502000311_3": "「この世界の<ruby=ふらわー>ここ</ruby>にはジャンクもなかったってのに」",
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"502000311_4": "「それは……」",
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"502000311_5": "「いやまあなんだ。みなまで言うな。\\n ここを猛プッシュしたのがこいつって時点で、予想はついてんだ」",
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"502000311_6": "「クリスちゃん、腹ごしらえは大切だよ。\\n みんなもたくさん戦って、お腹すいてるでしょ?」",
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"502000311_7": "「それに、わたしたちの世界のふらわーと\\n 味が違うかもしれないし、確かめないとッ!!」",
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"502000311_8": "「ほらなッ!?\\n やっぱりおまえが食べたいだけかッ!」",
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"502000311_9": "「相変わらずだなー、おまえ。\\n こんな時でも食い意地だけは忘れないって、ある種の才能だぜ」",
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"502000311_10": "「アハハー。\\n これはお恥ずかしい……もぐもぐ」",
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"502000311_11": "「別にいいんじゃない、他にあてもないし。\\n もぐもぐ」",
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"502000311_12": "「腹が減っては戦はできぬと言う。\\n 合理的な判断だ。もぐもぐ」",
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"502000311_13": "「――ッ!?\\n 普通に食べてる……いつの間にッ!?」",
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"502000311_14": "「お口に合いますか、\\n キャリバーさん?」",
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"502000311_15": "「……あ、相変わらず、うまい(もぐもぐ)」",
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"502000311_16": "「それはよかったです」",
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"502000311_17": "「……なんか、馬鹿らしくなってきたな。\\n あたしも食べるか」",
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"502000311_18": "「ハハハ、食事の場は楽しくしないとねぇ。\\n 君も眉間にしわを寄せてないで、食事を楽しもうじゃないか」",
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"502000311_19": "「いや、あんたの存在が1番違和感あるんだよッ!!」",
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"502000311_20": "「ああ。ふらわーのお好み焼きがどの世界でもうまいってのは\\n さておき、コイツについちゃ、俺も同感だ」",
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"502000311_21": "「手を貸してくれたし、とりあえず敵意はないようだけどさ。\\n 仲良く食卓を囲む間柄でもないよね」",
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"502000311_22": "「彼はみなさんにとって、厄介な存在のようですね……。\\n いったい、どのような間柄なのですか?」",
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"502000311_23": "「アレクシス・ケリヴによって引き起こされたある世界の崩壊を、\\n グリッドマンと共に食い止めたことがある」",
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"502000311_24": "「一言でいえば……宿敵?」",
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"502000311_25": "「なんと……ッ!?」",
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"502000311_26": "「思いっ切り敵じゃねぇかッ!」",
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"502000311_27": "「まぁな。けど、ただの敵とも言い切れないのが\\n めんどくせーんだよな」",
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"502000311_28": "「きょ、共闘したことも、ある」",
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"502000311_29": "「さっきはわたしを大きくして、\\n 怪獣と戦えるようにしてくれましたし……」",
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"502000311_30": "「お前、こいつのせいでこの世界に飛ばされたの、\\n 忘れてねぇか?」",
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"502000311_31": "「あ……」",
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"502000311_32": "「バカ。アホ。ノーテンキ」",
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"502000311_33": "「そ、そこまで言わなくてもーッ!\\n 口が悪いよボラーちゃんッ!」",
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"502000311_34": "「まずはその事情について、\\n 説明がほしいところですが」",
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"502000311_35": "「ふむ。ではその前に――\\n 店主さん、コーラのおかわりをいただけるかな?」",
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"502000311_36": "「はいよ。\\n ちょっと待っててね」",
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"502000311_37": "「ここのお好み焼きは実に絶品ですね。\\n 外は香ばしく、中はフワフワ! その秘訣は……?」",
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"502000311_38": "「ハハ、ありがとうねッ!\\n けど、そいつは秘密だよ。1人で切り盛りして長いからね」",
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"502000311_39": "「なるほど。\\n 秘伝の味ということですな。ハッハッハ!」",
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"502000311_40": "「馴染んでんじゃねーよ!」",
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"502000311_41": "「ていうか、なんでおばちゃんもこいつに無反応なんだ?\\n 頭燃えてるのは普通じゃないぞ……」",
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"502000311_42": "「確かに、怪獣が街で暴れた直後にしては、\\n 妙に落ち着いてるような……」",
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"502000311_43": "「うん? 私に関しては簡単な話さ。\\n 軽い認識阻害をかけているからね」",
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"502000311_44": "「どういうわけか、君たちには効かないようだが……。\\n その装備が悪さをしているのかな?」",
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"502000311_45": "「……それは悪さってより、\\n あたしたちにとってはありがたい結果だな……」",
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"502000311_46": "「なるほど……では、怪獣は? この世界では、\\n 怪獣が現れるのは日常的なことなのでしょうか?」",
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"502000311_47": "「聞いてみましょう。",
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"502000311_48": " おばちゃん、この街って、怪獣はよく出るんですか?」",
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"502000311_49": "「そうねぇ。毎日ってほどじゃないけど、\\n ちょっと慣れちゃうくらいには出てくるわね」",
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"502000311_50": "「――ッ!!」",
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"502000311_51": "「だからあたしも、さっきまではシェルターに避難してて……",
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"502000311_52": " けど、あんたたちが戦ってくれてたんだってね?」",
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"502000311_53": "「今回みたいに、街の様子がおかしくなってるのも\\n 初めてだし……いつもと違うことはいくつかあるわね」",
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"502000311_54": "「なんだか、知らない街がくっついちゃったみたいで、\\n 不便よねぇ」",
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"502000311_55": "「……。",
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"502000311_56": " あ、おばちゃん、豚玉追加でー」",
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"502000311_57": "「はいよッ!」",
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"502000311_58": "「よもや、複合された世界に取り込まれた影響が……?」",
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"502000311_59": "「不便くらいで済んでるなら、\\n 現状、致命的なことにはなってねぇみたいだな」",
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"502000311_60": "「だ、だが、この先もそうだとは限らない」",
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"502000311_61": "「あんたたち、街の外から来たのかい?\\n 自衛隊の人か何か?」",
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"502000311_62": "「――そんなところです。\\n 急に大人数でおしかけて申し訳ありません」",
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"502000311_63": "「気にしないでおくれよ。街を護ってくれたことだしね。\\n どうせ今は客もほとんど来ないから、好きに使っておくれ」",
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"502000311_64": "「それじゃ、ごゆっくりッ!」",
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"502000311_65": "「はいッ!\\n ありがとうございます、おばちゃんッ!」",
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"502000311_66": "「……」",
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"502000311_67": "「それで結局のところ、立花をこの世界に引きずり込んだのは、\\n あなたなのですか?」",
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"502000311_68": "「引きずり込んだというか、巻き込んでしまった、\\n というのが正しいかな。私も追われる身の上でねぇ」",
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"502000311_69": "「追われる……?\\n それは――」",
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"502000311_70": "「いいや、こちらの皆々様とは別件だよ。\\n おそらくね」",
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"502000311_71": "「そこ、こっちも事情を聞きたいところだね。",
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"502000311_72": " あんた、今度は何したんだ?」",
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"502000311_73": "「事情といっても、記憶がどうにも断片的でねぇ。\\n 追われていることは確かだけど、相手のことはさっぱりなんだ」",
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"502000311_74": "「それもどこまで本当なのやら」",
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"502000311_75": "「……で、結局こいつはなんなんだよ?」",
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"502000311_76": "「それには、我々が動き始めた理由から説明したほうが\\n いいだろうな」",
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"502000311_77": "「我々が最後に会った際、アレクシス・ケリヴは\\n 宇宙から消滅した……と思われた」",
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"502000311_78": "「初っ端からとんでもねえ情報をぶち込んできたな……」",
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"502000311_79": "「それに、煮え切らない言い方だな。\\n らしくない」",
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"502000311_80": "「まあ、こんな感じで掴みどころがないのは元からの奴さ。\\n なんだかんだで、どこかで生きてる気はしてたよ」",
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"502000311_81": "「本人は自らを、\\n 無限の命を持つ存在と語っていたしな」",
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"502000311_82": "「おやおや。私はそこまで君たちに話したのかい?\\n それはそれは、思っていたより仲良しだったみたいだね」",
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"502000311_83": "「バカ言え」",
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"502000311_84": "「無限の命?",
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"502000311_85": " それは……<ruby=しなず>不死</ruby>ということですか?」",
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"502000311_86": "「まぁ、そんなトコ。",
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"502000311_87": " 厄介な奴なんだよ。文字通り殺しても死なないだろうしな」",
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"502000311_88": "「ふ、封印ならば可能だ。\\n 実際、そうしていた時期もあった」",
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"502000311_89": "「そんなこんなで、すったもんだの後にアレクシスは生死不明。\\n 手がかりもないから、後回しにしてたんだけどよ」",
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"502000311_90": "「そんなとき、ある世界で起こった異変が、\\n いかにもコイツが糸を引いてそうな感じがしてよー」",
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"502000311_91": "「で、グリッドマン、そしてグリッドナイトと協力して\\n 追っていたっていうわけ」",
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"502000311_92": "「その後、先行したグリッドマンからアレクシスを\\n 見つけたという一報があった」",
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"502000311_93": "「そのときの報告では、\\n アレクシスに助けが必要な状態という話だったんだよね」",
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"502000311_94": "「助けが必要? 前は敵だったんだろ?",
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"502000311_95": " ……あ、でも共闘したとか言ってたか」",
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"502000311_96": "「まあな。なんにしても、俺らがこいつを\\n 助けに動くことになるとはな」",
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"502000311_97": "「敵が仲間に、か……」",
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"502000311_98": "「それはなんとも、表現しづらい関係ですね。\\n ……わたしたちにも、覚えがあります」",
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"502000311_99": "「だが……\\n グリッドマンとは間もなく連絡が途絶えた」",
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"502000311_100": "「――ッ!?」",
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"502000311_101": "「んで、グリッドマンと合流できないままじゃ俺らも戦力が\\n 足りないから、お前らの世界に向かったんだけどよ」",
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"502000311_102": "「到着してみたら、立花響は行方不明だし、\\n アレクシス・ケリヴが現れたっていうし――」",
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"502000311_103": "「なるほどねぇ、そういうことだったのかい。\\n 君たちが混乱していた理由が見えてきたよ」",
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"502000311_104": "「てめぇ、いけしゃあしゃあと」",
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"502000311_105": "「グリッドマンが行方不明……?\\n でも、グリッドマンは確かにわたしに力を貸してくれて……」",
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"502000311_106": "「……そういえば、アレクシスさん、言ってましたよね。\\n 『この世界そのものがグリッドマンだ』って」",
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"502000311_107": "「あれってどういう意味なんですか?」",
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"502000311_108": "「…………ッ!」",
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"502000311_109": "「えッ!? ええッ!?\\n み、みんな、いきなり怖い顔してどうしたんですかッ!?」",
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"502000311_110": "「おやおや、これはこれは。\\n どうしたんだい、みんなして武器を突きつけて」",
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"502000311_111": "「さっきのは、おかしな話だね」",
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"502000311_112": "「やけに詳しいな。\\n グリッドマンの現状について」",
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"502000311_113": "「…………」",
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"502000311_114": "「てめぇ……。\\n やっぱり記憶喪失ってのは嘘だなッ!」"
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