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"399000421_0": "「……けれど、悲しいことだね。\\n 協力関係を結んですぐに、世界の脅威と戦うとは」",
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"399000421_1": "「そうねぇ、それもうんざりする量のノイズ。\\n テレポートジェムの量産は間に合うかしら？」",
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"399000421_2": "「あのぉ……お話の腰を折って面目次第もないのですが……\\n この世界でノイズがたくさん出てる原因って、なんなんですか？」",
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"399000421_3": "「…………。\\n ……局長から何も聞いてないの？」",
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"399000421_4": "「現地で情報共有してくれるって聞いたので、\\n すぐに飛んできちゃって……」",
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"399000421_5": "「……少しは気をつけないと悪い人に騙されちゃうわよ？",
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"399000421_6": " いえ、騙されて送られて来ちゃったのかしらね……」",
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"399000421_7": "「響ちゃん、お話中に悪いんだけど、\\n 預けておいた通信機を２人に渡してくれるかしら？」",
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"399000421_8": "「そうでしたッ！ どうぞッ！」",
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"399000421_9": "「ちゃんと聞こえてるかしら？ 問題ないわね？\\n こちら二課の美人技術主任よ、聖遺物関連の事件だと聞いてるわ」",
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"399000421_10": "「お前は……\\n ……聖遺物の専門家だったな」",
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"399000421_11": "「響ちゃんに説明しながら、\\n 改めて状況の確認をしたいんだけど、いいかしら？」",
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"399000421_12": "「構わないわよ。\\n こちらも報告したいことがあるの」",
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"399000421_13": "「流れをまとめましょうか。\\n 最初の異変は、ノイズの大量発生だった」",
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"399000421_14": "「世界規模で連続して起きる異常事態に、\\n ソロモンの杖が原因であると特定し、協会幹部を派遣した」",
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"399000421_15": "「ただ錬金術師協会内部で公表はせず、極秘任務扱いだった。\\n ――ここまではいい？」",
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"399000421_16": "「ああ。協会の錬金術師たちが勝手に動く可能性があったんだ、\\n ソロモンの杖が発見されたと伝えれば」",
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"399000421_17": "「信頼できる相手に託すしかなかったんだよ、\\n 杖の危険性を考えればね」",
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"399000421_18": "「ごめんなさいね、\\n あーしの身内が……」",
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"399000421_19": "「あら、錬金術師なんて全員が研究者みたいなものでしょ？\\n 貴重な研究材料があると聞いたら飛びつくのは仕方ないわ」",
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"399000421_20": "「……そいつの管理は\\n 厳重にしておけよ、二課」",
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"399000421_21": "「心得ている」",
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"399000421_22": "「それで、任務を受けた錬金術師プレラーティが消息不明に。\\n 次いで命を受けたサンジェルマンも連絡を断った、と」",
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"399000421_23": "「その２名は貴重な戦力と聞いているが……逐次投入か。\\n 責めるわけではないが、その間、協会の局長として何をしていた？」",
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"399000421_24": "「情報の解析を指揮していたのさ、大量発生が起きた場所の傾向、\\n バビロニアの門が開放される時に生まれる空間のゆらぎをね」",
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"399000421_25": "「……なるほど。\\n こちらに渡してもらっていた情報は、そのときのものか」",
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"399000421_26": "「あの一連の情報を共有してもらったおかげで、\\n ある程度とはいえ、ノイズの大量発生を予想して対応できた」",
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"399000421_27": "「いくらかは被害を抑えられたはずだ。\\n 改めて礼を言う」",
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"399000421_28": "「言われるまでもないさ」",
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"399000421_29": "「そして、このタイミングからノイズの大量発生現象が加速、\\n 同時に複数の地域で起こるようになった」",
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"399000421_30": "「幹部２名の消息不明もあり、追加で戦力の投入を決断。\\n 派遣されたのが錬金術師キャロル、カリオストロの両名ね」",
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"399000421_31": "「そして２人は聖遺物『ソロモンの杖』を所持した、\\n 『ソロモン』を名乗る人物と遭遇――こんなところかしら」",
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"399000421_32": "「ソロモンの杖についての情報は、\\n 主に立花響の世界から得たものだったな」",
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"399000421_33": "「うん、わたしの世界でも、\\n ソロモンの杖でノイズを操った人たちがいた……」",
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"399000421_34": "「お前の話では、ソロモンの杖はバビロニアの宝物庫を開き、\\n ノイズを呼び出し、従わせることができる……そうだな？」",
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"399000421_35": "「うん」",
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"399000421_36": "「……ならばあの男が持っていたのが、\\n ソロモンの杖なのかは、疑わしい」",
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"399000421_37": "「え……？",
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"399000421_38": " でもノイズを操ってたんじゃ……」",
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"399000421_39": "「それだけではない。\\n あの男は人を分解し、ノイズへと再構築してみせた」",
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"399000421_40": "「……？\\n その、塵みたいなのは……？」",
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"399000421_41": "「ノイズに変化させられてしまったヒトを、\\n 更にヒトに戻す一歩手前まで再構築した――『<ruby=マテリアル>素材</ruby>』ってとこね」",
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"399000421_42": "「……パッと見じゃ、わからないでしょうけどね」",
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"399000421_43": "「そ……それが、人……ッ！？」",
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"399000421_44": "「人をノイズへと変える……\\n そんなことがソロモンの杖に可能なのか？」",
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"399000421_45": "「人をノイズに変える、ね……。\\n 確かに、聞いていた限りなら、ソロモンの杖にはない力だわ」",
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"399000421_46": "「けれど……」",
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"399000421_47": "「そもソロモンの杖……聖遺物は<ruby=アヌンナキ>神</ruby>の作り出したブラックボックス。\\n 私たちの知らない能力が備わっていてもおかしくはない」",
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"399000421_48": "「機能を拡張した……\\n ということか？」",
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"399000421_49": "「ええ。ソロモンだなんて、\\n 大げさな名前を自称するだけあるってことかも」",
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"399000421_50": "「ソロモンか……しかし懐かしい名前だね、ずいぶんと。\\n 古い友人にいたよ、同じ名を持つ者が」",
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"399000421_51": "「ソロモンの持つ力だとしたら、厄介だな。",
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"399000421_52": " 杖を奪ったところで油断はできな――」",
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"399000421_53": "「――いや、待て。\\n 古い友人だと？」",
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"399000421_54": "「それはダビデの子、知恵の王ソロモンのことを言っているのか？\\n 神話の時代の人物だぞ？」",
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"399000421_55": "「……？ あ、なるほどッ！",
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"399000421_56": " ソロモンの杖なんだから、ソロモンさんが持ってたんですね」",
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"399000421_57": "「ああ。彼は確かにその杖を持っていたよ、この世界では。\\n キミの世界でどうかはわからないが」",
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"399000421_58": "「キャロルが言った通り知恵に秀でた王でね。\\n いい友人だったのさ、僕にとっては」",
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"399000421_59": "「…………」",
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"399000421_60": "「ならば答えろ、その『ソロモン』は杖を用いて世界を混乱させ、\\n 人をノイズに変えるような人間だったのか？」",
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"399000421_61": "「まさか。\\n 彼はわかっていたよ、バビロニアの宝物庫の危険性を」",
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"399000421_62": "「僕が封印しようかと聞いたら、\\n ハッハ！ 信用できないと言われてしまったこともあったな」",
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"399000421_63": "「そして最期には、自分と共にソロモンの杖を眠らせたよ。\\n 宝物庫からまろび出るノイズ以外が、人を襲わないよう」",
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"399000421_64": "「野心的なきらいはあったが……。\\n 厳しくも優しい、王になるべくしてなった男だったさ。彼は」",
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"399000421_65": "「この世界のソロモンの杖が見つからなかったのは、\\n ソロモン王の墓所に封印されていたからなのね」",
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"399000421_66": "「彼が己と共に眠らせた聖遺物は\\n 他にもう１つ――」",
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"399000421_67": "「…………」",
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"399000421_68": "「……わかってはいたが、\\n あまり楽しくはない話題だね、これは」",
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"399000421_69": "「報告を聞く分に、その<ruby=ひととなり>為人</ruby>は似ても似つかない。だが……。\\n ……疑いたくはないものだね、友人を」",
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"399000421_70": "「きっと別人ですよッ！\\n お友達なら信じましょうッ！」",
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"399000421_71": "「局長が友人だと認める相手……ね。",
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"399000421_72": " 本物なら、人質なんて下品な手は使わないと思いたいわね」",
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"399000421_73": "「……ありがとう。\\n そう思っているよ、僕もね」",
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"399000421_74": "「だが……僕には確かめる権利も、義務もあるはずだ。\\n 彼の永劫の眠りが妨げられたのだとしたら……」",
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"399000421_75": "「…………」",
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"399000421_76": "「現状を確認しに行こう、\\n 我が友人――ソロモン王の墓へ」",
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"399000421_77": "「ちょ……直接行くつもりなのッ！？\\n ソロモン王の墓って、今でも未解明の世界の謎でしょうッ！？」",
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"399000421_78": "「墓を探すところから始める、\\n などと悠長なことは言わないだろうな？」",
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"399000421_79": "「まさか、そんなはずがないさ。\\n 僕が選んだんだからね、彼の墓となった場所は」",
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"399000421_80": "「万が一の偶然でもなければ、何者にも脅かされない眠りを、\\n そう生前の彼に乞われてね」",
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"399000421_81": "「だからキミたちも、目を瞑っていてくれるかな、\\n 彼の眠る場所へ着くまでは」",
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"399000421_82": "「わああッ！？」",
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"399000421_83": "「ちゃんと連れて行こう、その代わりにね」",
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"399000421_84": "「ななな、なんで後ろにッ！？\\n いつの間にッ！？」",
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"399000421_85": "「良い方向に変わってる……と思いたいけど。",
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"399000421_86": " 結局はこういう局長なのよね～」"
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