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"398000711_0": "かつての少女、少女を探す",
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"398000711_1": "逃げ出してしまった玲を1人追ってきたクリスは、",
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"398000711_2": "館の一室で母娘のアルバムを見つけ――",
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"398000711_3": "「誰にも助けてもらえない今のままじゃ、あいつはこの先、\\n 誰にも心を開けなくなって本当に独りになっちまう……ッ!」",
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"398000711_4": "「……今のあいつはひとりぼっちにさせちゃいけない。\\n あたしが探してやらないとッ!」",
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"398000711_5": "「……かなりたくさん、家具を飛ばしちゃった。",
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"398000711_6": " ハハ……ほんとに幽霊じみてきたな、わたしの力……」",
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"398000711_7": "「でも……\\n これであの人も、もう追ってこないはず」",
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"398000711_8": "「…………」",
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"398000711_9": "「大丈夫……わたしにはママがいるッ!\\n わたしにはママだけがいてくれればいい……ッ!」",
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"398000711_10": "「――見つけたッ!」",
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"398000711_11": "「――ッ!?」",
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"398000711_12": "「な、なんで……ッ!?」",
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"398000711_13": "「あ、待てこらッ!\\n 逃がすかッ!」",
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"398000711_14": "「もう、しつこい……ッ!」",
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"398000711_15": "「くッ!\\n また家具を飛ばして抵抗か……ッ!」",
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"398000711_16": "「だけどな、\\n もう当てられると思うなよッ!」",
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"398000711_17": "「ぜ、全然当たらない……ッ!?",
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"398000711_18": " なんでッ!?」",
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"398000711_19": "「ったく……ろくに戦ったことのないやつの\\n 狙い方なんて、あたしにはお見通しなんだよッ!」",
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"398000711_20": "「そんな……ッ!」",
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"398000711_21": "「ほら、鬼ごっこはもう終わりだ」",
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"398000711_22": "「――ッ!」",
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"398000711_23": "「……なんで? どうして追いかけてくるの?\\n わたしのことなんて、どうでもいいでしょ?」",
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"398000711_24": "「期待させないでよ、もう終わりにしてッ!\\n わたしのことは放っておいてッ!」",
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"398000711_25": "「放っておけるわけないだろッ!」",
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"398000711_26": "「――ッ!」",
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"398000711_27": "「……おまえを見てると、\\n 昔の自分を思い出すんだよ……」",
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"398000711_28": "「……急にパパもママもいなくなって、だけど周りの大人は、\\n 誰も手を差し伸べてくれなくて……ッ!」",
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"398000711_29": "「寂しくて辛いけど、強がって生きていくしかなかった\\n あのときのことをな……」",
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"398000711_30": "「…………。\\n ……あなたも、ママがいないの?」",
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"398000711_31": "「……ああ。",
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"398000711_32": " だからこそ、おまえに伝えなきゃいけないことがある」",
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"398000711_33": "「いない人やモノに縋るのは、もうやめろ」",
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"398000711_34": "「――ッ!」",
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"398000711_35": "「どうしてそんなこと言うのッ!? ママがいないなら……ッ!\\n あなたなら、わたしの気持ちわかるはずでしょッ!?」",
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"398000711_36": "「わかるから言ってるんだ。\\n それに縋っていても、おまえは救われない」",
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"398000711_37": "「そんなこと……ッ!\\n そんなの、わたしが1番わかってるッ!」",
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"398000711_38": "「どんなにママがくれたおまもりを大事にしても、\\n 祈っても……ママはもう戻ってこないッ!」",
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"398000711_39": "「だけど、それでも……わたしの心の拠り所は\\n もうこれだけなのッ!」 ",
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"398000711_40": "「周りに友達や仲間がいるあなたとは違うのッ!」",
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"398000711_41": "「なんだこのポルターガイストの規模はッ!?\\n 部屋全体が揺れてるぞッ!?」",
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"398000711_42": "「こんなことしたいわけじゃないだろッ!?\\n ちょっと冷静になれッ!」",
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"398000711_43": "「――ッ!\\n だ、だって……」",
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"398000711_44": "「……ダメッ、コントロールできない……ッ!\\n どうしたら――」",
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"398000711_45": "「きゃあッ!」",
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"398000711_46": "「棚が倒れる――",
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"398000711_47": " 危ないッ!」",
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"398000711_48": "「大丈夫かッ!?」",
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"398000711_49": "「あ……」",
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"398000711_50": "「――ッ、ま、護ってくれなくていいったらッ!\\n わたしには、このおまもりだけあれば……」",
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"398000711_51": "「……えッ!?\\n おまもりが無いッ!」",
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"398000711_52": "「嘘だろ、落としたのかッ!?」",
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"398000711_53": "「――ッ!?\\n こんなときにお出ましかッ!」",
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"398000711_54": "「な……なんでオバケがッ!?",
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"398000711_55": " わからなかった、なんで……ッ」",
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"398000711_56": "「つべこべ言わずにあたしの後ろへッ!」",
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"398000711_57": "「どんだけ嫌がられようが、\\n おまえはあたしが護ってやるッ!」"
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