76 lines
6.1 KiB
JSON
76 lines
6.1 KiB
JSON
{
|
||
"398000411_0": "『レイ』",
|
||
"398000411_1": "「……よしッ!\\n それじゃあ、まずは腹ごしらえからだッ!」",
|
||
"398000411_2": "「腹が減っては戦はできぬ、だからなッ!\\n 町で何かうまそうなもんを買ってくるよッ!」",
|
||
"398000411_3": "「なるほど。食べ物で釣るといえば聞こえは悪いけど……\\n 食事を共にすることで、あの子との距離も縮まるかもしれない」",
|
||
"398000411_4": "「そんなに簡単にいくかぁ?\\n 食べて語ってとなると、どうにもあのバカを思い出すな……」",
|
||
"398000411_5": "「おッ、戻ってきたッ!」",
|
||
"398000411_6": "「これから昼飯を買いに行くんだけどさ、\\n レイは何か食べたいものないか? なんでも買ってくるぞッ!」",
|
||
"398000411_7": "「……別にない。\\n お姉さんの好きにして」",
|
||
"398000411_8": "「じゃあ……嫌いなものとか、\\n 食べられないものはあるか?」",
|
||
"398000411_9": "「……特に、ない」",
|
||
"398000411_10": "「わかったッ! じゃあ……そうだな。\\n あたしがうまそうって思ったものを買ってくる」",
|
||
"398000411_11": "「あと、お姉さんじゃ誰かわかりにくいからさ\\n 『奏』って呼んでくれたら嬉しいんだけど」",
|
||
"398000411_12": "「……検討しておく」",
|
||
"398000411_13": "「ハハハッ!\\n 案外手厳しいな」",
|
||
"398000411_14": "「そういえば、\\n おまえの下の名前って『レイ』でよかったんだよな?」",
|
||
"398000411_15": "「…………これ」",
|
||
"398000411_16": "「ん、なんだ?\\n 小さな袋……見せてくれるのか?」",
|
||
"398000411_17": "「あ、袋に名札がついてる……なるほど、",
|
||
"398000411_18": " 『玲』って書いて『レイ』なのか」",
|
||
"398000411_19": "「先ほど聞いたときも思ったが……\\n やはり、綺麗な名だな」",
|
||
"398000411_20": "「……」",
|
||
"398000411_21": "「…………」",
|
||
"398000411_22": "「名札つきの袋なんていいな。\\n なあ、その中にレイのママがくれたおまもりが入ってるのか?」",
|
||
"398000411_23": "「よかったら、あたしにもちょっと見せ――」",
|
||
"398000411_24": "「――ッ!",
|
||
"398000411_25": " ダメッ!!」",
|
||
"398000411_26": "「ポ、ポルターガイストッ!?」",
|
||
"398000411_27": "「いつもより揺れがでかい……ッ!\\n おい、これ、おまえがやっているのかッ!?」",
|
||
"398000411_28": "「そ、そうだけど……\\n うまく、止められない……ッ!」",
|
||
"398000411_29": "「どうしよう……ッ!",
|
||
"398000411_30": " 止まってッ! 早く、止めないと……ッ!」",
|
||
"398000411_31": "「あ、あれ……どうして、\\n いつもみたいに上手くいかないの……ッ!?」",
|
||
"398000411_32": "「え……ッ!?」",
|
||
"398000411_33": "(消えた……ッ!",
|
||
"398000411_34": " これが先輩たちが襲われたっていう影か……ッ!)",
|
||
"398000411_35": "「……揺れが収まった」",
|
||
"398000411_36": "「今回のは揺れが少し大きかったな……」",
|
||
"398000411_37": "「はぁ、はぁ……」",
|
||
"398000411_38": "「……レイ、大丈夫か?」",
|
||
"398000411_39": "「……」",
|
||
"398000411_40": "「……ポルターガイストを起こしているのは、\\n 本当にきみなのだな……」",
|
||
"398000411_41": "「だが、全てを意図的に起こしているわけではない……\\n そうだね?」",
|
||
"398000411_42": "「――ッ!」",
|
||
"398000411_43": "「大丈夫だ、わたしたちはきみの敵ではない。\\n だからこそ、きみに質問したいことがある」",
|
||
"398000411_44": "「……」",
|
||
"398000411_45": "「最初、ポルターガイストや\\n 影のようなものをけしかけてきたのはきみなのか?」",
|
||
"398000411_46": "「……そう。\\n ごめんなさい……」",
|
||
"398000411_47": "「アレができるようになったのは最近なの……」",
|
||
"398000411_48": "「小さい頃からフォークを曲げちゃったり、\\n お皿が飛んでしまうことはあったけど……」",
|
||
"398000411_49": "「ママが死んでから、わたしの力は強くなってる。\\n きっと、本物の幽霊に近づいてるんだね……」",
|
||
"398000411_50": "「…………」",
|
||
"398000411_51": "「ごめんな。\\n あたしが、袋の中を勝手に見ようとしたから……だよな」",
|
||
"398000411_52": "「それ、大事なものなのか?」",
|
||
"398000411_53": "「……この袋もおまもりも、ママが作ってくれたものだから。\\n 触っちゃダメ」",
|
||
"398000411_54": "「大切なものだったんだな……\\n 本当に悪かった」",
|
||
"398000411_55": "「……わかってもらえたなら、別にいい」",
|
||
"398000411_56": "「……これは、わたしの大切な宝物で、\\n たった1つのおまもりだから」",
|
||
"398000411_57": "「……」",
|
||
"398000411_58": "「――ッ!?」",
|
||
"398000411_59": "「ん?\\n なんだよ、いきなり血相変えて、どうした――」",
|
||
"398000411_60": "「「きゃあああ……ッ!」」",
|
||
"398000411_61": "「悲鳴ッ!\\n ノイズかッ!?」",
|
||
"398000411_62": "「あ、あ、あ……ッ!」",
|
||
"398000411_63": "「こっちの窓から外の様子が見えるッ!」",
|
||
"398000411_64": "「きゃーッ!」",
|
||
"398000411_65": "「誰か助けてーッ!」",
|
||
"398000411_66": "「子供ッ!? この近くは人が寄りつかないんじゃ――",
|
||
"398000411_67": " なんでこんなところに……?」",
|
||
"398000411_68": "「ああぁぁぁぁぁぁぁッ!」",
|
||
"398000411_69": "「来るッ!\\n またオバケが来るッ!」",
|
||
"398000411_70": "「まずい、外にいる人数が多いッ!\\n 全員で行くぞッ!」",
|
||
"398000411_71": "「了解ッ!」",
|
||
"398000411_72": "「おまえはここに隠れてろ、いいなッ!」",
|
||
"398000411_73": "「う、うん……ッ!」"
|
||
} |