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"394000711_0": "言葉なき語らい",
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"394000711_1": "「通信から判明した内容を整理しました」",
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"394000711_2": "「ギギは地球外の文明で戦士として生み出されました。\\n しかし戦士としては落伍者の扱いでした」",
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"394000711_3": "「そこで処分されそうになって逃げ出し、\\n 隕石に乗じて地球へ降りてきたようです」",
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"394000711_4": "「ギギは本当に生まれたばかりの子供だったのだな」",
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"394000711_5": "「ギギ……」",
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"394000711_6": "「あちらの要求はギギの引き渡しです。\\n 応じるなら地球への攻撃は行わないと……」",
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"394000711_7": "「渡さなきゃ攻撃するってか?\\n 乱暴な奴らだね」",
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"394000711_8": "「落伍っていうのは、不合格って意味ですよね?\\n なら追いかける必要なんてないんじゃ……」",
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"394000711_9": "「捕まえる理由はいくらでもありますとも。\\n 情報漏洩の防止、なんてどうです?」",
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"394000711_10": "「僕のような天才にかかれば、\\n ギギを解体し同種の弱点を調べるなど造作もないことッ!」",
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"394000711_11": "「ウェル博士ッ!」",
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"394000711_12": "「わかっています。\\n 異星人との交渉カードを簡単に捨てたりはしませんよ」",
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"394000711_13": "「そういうことじゃありませんッ!」",
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"394000711_14": "「レーダーの反応はどうだ?」",
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"394000711_15": "「はい、巨大な物体が地球外から接近中です。\\n これまで検知できていなかった理由は不明ですが……」",
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"394000711_16": "「こちらのレーダーを欺けると思った方がいいわね。\\n 隕石に紛れて落ちてきたこの子も観測できなかったんだから」",
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"394000711_17": "「今になって姿を現したのは、\\n 自分たちの存在を顕示するためか」",
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"394000711_18": "「でしょうね。\\n 力の差を見せつけてギギを差し出させるつもりよ」",
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"394000711_19": "「母船にはギギと同種の戦士が大量に乗っている、なんて、\\n ご丁寧な恫喝までしてくれたわ」",
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"394000711_20": "「異星人の軍艦か……。\\n 地球に来訪した黒船だな」",
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"394000711_21": "「そうやって脅すような人たちに、\\n ギギを渡したら……」",
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"394000711_22": "「処分するって言ってたし、\\n きっと酷いことになると思う」",
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"394000711_23": "「なら、ギギを護らないとッ!」",
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"394000711_24": "「では、引き渡さなければ、\\n どうなるかしらね?」",
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"394000711_25": "「相手はギギを引き渡すなら攻撃しない、と言ってるのよ?」",
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"394000711_26": "「逃げてきた宇宙人を護るために、\\n 地球を巻き込んだ宇宙戦争になったら、どうするつもり?」",
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"394000711_27": "「それは……」",
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"394000711_28": "「我々はこの並行世界にとって部外者に過ぎん。\\n ここまで重要な局面で口を出す権利はない。……だが……」",
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"394000711_29": "「どうも胡散臭い――だろう?」",
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"394000711_30": "「ああ。力を誇示して要求を通そうとする相手だ。\\n 対等な交流ができるかは疑わしい」",
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"394000711_31": "「問題はそれだけじゃないわ」",
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"394000711_32": "「私たちに一定の決定権があるのは、\\n ギギを手元に確保しているからよ」",
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"394000711_33": "「けれど地球外の生命体、宇宙人という存在は、\\n 政府や他国の興味を引くのに十分過ぎる」",
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"394000711_34": "「先の戦闘の経緯や、二課が保有する戦力について、\\n 徹底的な調査が行われたようで……」",
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"394000711_35": "「シンフォギアだと特定はされていませんが、\\n 未報告の戦力についての問い合わせが来ています」",
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"394000711_36": "「それを使っていたのが、\\n 未成年の子供だった可能性についても、ね」",
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"394000711_37": "「そんなッ!\\n わたしたちのせいで、二課が大変じゃないですかッ!?」",
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"394000711_38": "「隠しているのはこっちの判断よ」",
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"394000711_39": "「別にヒーロースーツのことは百歩譲っても、\\n シンフォギア、ひいては並行世界の存在は公にしたくないの」",
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"394000711_40": "「並行世界という新たな領土、新たな資源、新たな市場。\\n 欲にまみれた老人どもが何をしでかすか、想像もしたくないわ」",
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"394000711_41": "「ああ、俺たちの世界でも慎重になっている部分だ」",
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"394000711_42": "「しかし二課が何かを隠していることは、\\n 上も察しているようだ」",
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"394000711_43": "「緒川が政府の暴発を抑えるように動いてくれているが、\\n 簡単に止められるものではない」",
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"394000711_44": "「今の二課は手足を縛られて、\\n 四方八方から見張られているような状態よ」",
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"394000711_45": "「どこまでギギを護っていられるか、\\n 悪いけど保証はできないわね」",
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"394000711_46": "「わたしたちは、どうすれば……」",
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"394000711_47": "「ギギ……」",
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"394000711_48": "「ギギを助けてあげたい。\\n でも、同じ星の仲間から引き離すのが助けることになるのかな」",
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"394000711_49": "「どうすれば助けになれるんだろう。\\n 言葉が通じないと、そんな簡単なこともわからないんだ……」",
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"394000711_50": "「何が本当の助けになるかなんて、\\n 言葉が通じてもわからないよ」",
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"394000711_51": "「ギギを助けたいなら、\\n いつも通りの響でいいんだと思う」",
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"394000711_52": "「だって、その人がやりたいことを手伝うのが、\\n 響のやりたいこと、でしょ?」",
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"394000711_53": "「……うん、そうだよね。\\n ギギがどうしたいか、それが大事なんだ」",
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"394000711_54": "「ギギィ……?」",
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"394000711_55": "「ギギはどうしたい? この星に残りたい?\\n それとも仲間のところに戻れるように協力して欲しい?」",
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"394000711_56": "「ギ、ギ……」",
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"394000711_57": "「ギギの願いを聞かせて。\\n わたしたちはきっと、その助けになるからッ!」",
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"394000711_58": "「ギギギ――ッ、ギィッ!!」",
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"394000711_59": "「あ……ギギッ!?」",
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"394000711_60": "「あたしが追うよ。任せときな。",
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"394000711_61": " ……ギギの気持ち、少しはわかるつもりだからね」",
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"394000711_62": "「奏さん……」"
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