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"394000511_0": "ギギとの交流",
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"394000511_1": "「というわけで、\\n 宇宙生命体さんですッ!」",
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"394000511_2": "「ギギ……」",
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"394000511_3": "「こいつは驚いたな」",
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"394000511_4": "「ほ、本物みたいですね……」",
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"394000511_5": "「二課に所属してから色々な特異災害と関わってきましたが、\\n 宇宙人を目にするのは初めての経験です」",
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"394000511_6": "「敵意を持つ宇宙生命体の対処を頼んだつもりなんだけど、\\n 飼い慣らして連れて来いだなんて言ったかしら?」",
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"394000511_7": "「だが敵意のあるファーストコンタクトなど、\\n 誰も望んではいまい」",
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"394000511_8": "「初めての異星からの来客だ。\\n 友好的な関係を築くきっかけとなれば何よりだろう」",
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"394000511_9": "「宇宙人の攻撃で1番重症だったのはあなたでしょう。\\n 少しは危険視したらどうなの」",
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"394000511_10": "「負傷の原因はRN式に頼り過ぎたことだ。\\n トドメも刺さずに見逃したこいつを恨む気などないさ」",
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"394000511_11": "「……なら宇宙戦争の勃発かと青ざめていた航空宇宙局に、\\n 恩を売ったことにしておきましょうか」",
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"394000511_12": "「そんなことよりもッ!\\n 宇宙人ッ! エイリアンッ! 地球外生命体ですよッ!」",
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"394000511_13": "「座して見守るなどナンセンスッ! 解剖調査待ったなしッ!\\n さあ解体ッ! 分解ッ! 有難いッ!」",
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"394000511_14": "「ギギッ!?」",
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"394000511_15": "「だ、駄目ですよウェル博士ッ!\\n この子は悪い子じゃないんですッ!」",
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"394000511_16": "「良いも悪いも関係なしッ!\\n 研究者とあれば調べずにはいられない、そうでしょうッ!?」",
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"394000511_17": "「同意するのは不本意だけど、\\n 知的好奇心が刺激されることを否定はしないわ」",
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"394000511_18": "「了子さんまでッ!?」",
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"394000511_19": "「異星からの来訪者をどのように扱えばいいのか、\\n 答えを出すのは難しいだろう」",
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"394000511_20": "「しかし地球の人間だと考えればどうだ?\\n 彼方の星へ辿り着いた人類が解剖されるなど断じて認められん」",
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"394000511_21": "「よって二課責任者として、\\n 宇宙生命体には一切の手出しを禁止するッ!」",
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"394000511_22": "「これだから凡人はッ!\\n その善人気取りの判断がどれだけの損失を生むことかッ!」",
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"394000511_23": "「理性的な判断こそが、損失を超える価値を生み出す。\\n 俺はそう信じている」",
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"394000511_24": "「……ふん。愚かな凡人どもが、\\n エイリアンに手を出さずにいられるとは思えませんがね」",
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"394000511_25": "「忠告として受け取ろう。\\n 新たな友人の警護は万全に、とな」",
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"394000511_26": "「ギギィ……」",
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"394000511_27": "「大丈夫だよ、\\n ウェル博士も了子さんもわかってくれたから、ね」",
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"394000511_28": "「ギギッ!」",
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"394000511_29": "「……言葉は通じていないのに、意思は伝わっている?",
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"394000511_30": " 星を超えた別種族の間で、こうも容易に相互理解が……?」",
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"394000511_31": "「どうした?\\n 宇宙人に、何か懸念か?」",
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"394000511_32": "「……いいえ、こっちの話よ。\\n 気にすることはないわ」",
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"394000511_33": "「スーツの機能も正常に働いたようだしね。\\n 通りすがりのヒーローさん?」",
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"394000511_34": "「蒸し返さないでくれ。幼い頃の夢が叶ったようで、\\n 年甲斐もなく浮かれてしまったのだ」",
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"394000511_35": "「本当に素晴らしい装備だった。\\n 俺の想いに応える聖遺物に、相棒のような気持ちすら覚えたぞ」",
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"394000511_36": "「RN式ヒーロースーツはそこまで便利な道具ではないわ。\\n あなたと火鼠の衣は相性が良かったんでしょうね」",
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"394000511_37": "「待ちなさい。ヒーロースーツ? 英雄の衣装ッ!?\\n そんなものを開発したのですか、あなたはッ!」",
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"394000511_38": "「……失敗したわ。\\n 厄介なのが聞きつけたわね」",
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"394000511_39": "「そうです、了子さんッ!\\n 師匠が着ていたあのスーツは、なんなんですかッ!?」",
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"394000511_40": "「間違いなくダンナだってのに、すぐには確信できなかった。\\n ありゃどういう理屈だ?」",
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"394000511_41": "「負荷を軽減して、出力を落としたRN式のようなものね。\\n 肉体的にはなんのアシストも行っていないわ」",
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"394000511_42": "「ただ外見を隠す変身機能に、認識阻害機能も搭載しているの。\\n あなたたちがすぐに気づけなかったのは、これが原因よ」",
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"394000511_43": "「認識阻害ィ? 英雄が正体を隠すなど遅れた考えッ!\\n 英雄たるもの堂々と立ってこそでしょうッ!」",
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"394000511_44": "「ああ惜しい。この僕に任せれば余計な機能など必要なく、\\n その男より遥かに使いこなしたでしょうにッ!」",
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"394000511_45": "「ウェル博士が着たら、\\n ネフィリムの腕が聖遺物を食べちゃうんじゃ……」",
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"394000511_46": "「シャラップッ! 英雄がヒーロースーツを着ることに、\\n 理屈など必要あるものですかッ!」",
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"394000511_47": "「ギギィ?」",
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"394000511_48": "「ほう? あなたにもわかりますか。",
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"394000511_49": " 気に食わない宇宙人かと思いましたが、見どころがあるッ!」",
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"394000511_50": "「ギギィッ!」",
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"394000511_51": "「なんだか通じ合ってるね……」",
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"394000511_52": "「仲良くしてくれるなら、それがいいよ」",
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"394000511_53": "「ちょっといい? そちらの世界で起きた隕石事件について、\\n もう一度確認しておきたいの」",
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"394000511_54": "「立花響、天羽奏、どちらの世界でも隕石の被害は出ていない。\\n 間違いはないわね?」",
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"394000511_55": "「はい。隕石が街に落ちるかもってニュースがあって、\\n シェルターの準備をしたり、混乱で怪我する人もいたんですが」",
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"394000511_56": "「結局は海に落っこちて終わったよ。\\n 大山鳴動して鼠一匹ってやつだ」",
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"394000511_57": "「……だというのに、この世界では港湾部へ隕石が落ち、\\n 異星人すらも現れた」",
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"394000511_58": "「どうしてこの世界でだけ、\\n こんな事態が起こったのかしら……?」",
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"394000511_59": "「並行世界だから同じ歴史を辿らない……\\n それは普通じゃないんですか?」",
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"394000511_60": "「腹立たしくはあるけれど、\\n シンフォギアの有無までは小さなブレとして許容してもいいわ」",
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"394000511_61": "「人の意思や想いでこの星の歴史が変わる。\\n それも認めましょう」",
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"394000511_62": "「けれど、並行世界――言い換えれば多元宇宙という場において、\\n 星の外から飛来する隕石の軌道が変わるというの……?」",
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"394000511_63": "「……並行世界の可能性、\\n じゃ納得できないわけか」",
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"394000511_64": "「<size=25>そもそも並行世界に発生した小さなブレというのは、\\n 偶然の産物ではないのかもしれない</size>」",
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"394000511_65": "「<size=25>人類に多様な進化を促すべく、\\n あの方が仕掛けた意図的なものだとしたら……</size>」",
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"394000511_66": "「<size=25>その意図は、この星の外にまで及んでいる……?</size>」",
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"394000511_67": "「ぶつぶつ言ってないで説明してくれ。\\n 何が問題なんだよ。何を気にしてる?」",
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"394000511_68": "「……ごめんなさい。推測に推測を重ねていただけよ。\\n 妄想といっても差し支えないわね」",
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"394000511_69": "「でも私の予測している、\\n 1つの可能性については話しておこうかしら」",
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"394000511_70": "「可能性、ですか?」",
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"394000511_71": "「世界蛇とベアトリーチェ、ニコラ・テスラやイシムのような、\\n 複数の世界を捻じ曲げる大きな力が幾度も振るわれている」",
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"394000511_72": "「それらの力やギャラルホルンの機能によって、\\n 本来交わるはずのない並行世界が触れ合い続けているわ」",
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"394000511_73": "「あちこちの世界を巻き込んだ悪党と戦うんだ、\\n こっちも協力して当然だろ?」",
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"394000511_74": "「別に否定したいわけじゃないわ。",
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"394000511_75": " 世界ごと食われて消えるなんて、私だってお断りだもの」",
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"394000511_76": "「けれど結果として、並行世界の在り方そのものが\\n 以前と変わってきている――そんな可能性があるの」",
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"394000511_77": "「並行世界の在り方が、\\n 変わってる……?」",
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"394000511_78": "「並行世界――パラレルワールドというものは、\\n そもそもどこで『可能性』の世界になるのだと思う?」",
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"394000511_79": "「え、えーっと……」",
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"394000511_80": "「……基本的には、全く同じ事件が起きるはずなのに、\\n 世界によってその流れが大きく変わっている」",
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"394000511_81": "「今回の事件だけではなく、今までの事件もその一端でしかなく、\\n さらに影響は広がっていくのかもしれないわ」",
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"394000511_82": "「……世界が変わりつつある、か。\\n 何か根拠はあるのか?」",
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"394000511_83": "「まだ確信はないし、答えを出すにはデータが足りないわ。\\n これから調べていくつもりよ」",
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"394000511_84": "「だって新型デュプリケイターは、\\n 装者でなくとも世界を渡ることができる道具なんでしょう?」",
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"394000511_85": "「私にとっては宇宙人よりも、\\n そちらの方がずっと楽しみだわ」",
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"394000511_86": "「あの、了子さん? \\n 別の世界で月をあれこれしたりは、しないですよね……?」",
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"394000511_87": "「あら、約束はできないわよ。\\n 精々お目付け役にでも期待しておくのね」",
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"394000511_88": "「悪いが簡単に他の世界に行ってもらっては困る。\\n 宇宙生命体の件で仕事が山積みだ」",
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"394000511_89": "「はいはい。\\n 人使いの荒いことね」",
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"394000511_90": "「……こっちの弦十郎さんに任せておけば大丈夫そうだね」",
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"394000511_91": "「うん。きっと平気だよ」",
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"394000511_92": "「では現時刻をもって、宇宙生命体への対応任務を終了とする。",
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"394000511_93": " 全スタッフ、装者諸君、そして俺も、よくやってくれたッ!」",
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"394000511_94": "「しかし……装者たちは、この新たな友人が落ち着くまで、\\n しばらくこちらに残ってもらえるだろうか」",
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"394000511_95": "「もちろんですッ!\\n こちらからお願いしようと思ってましたッ!」",
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"394000511_96": "「良かったね、響」",
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"394000511_97": "「……ん? その宇宙人は?\\n さっきからずっと静かじゃないか?」",
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"394000511_98": "「そういえば……」",
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"394000511_99": "「……」",
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"394000511_100": "「う、動いてないッ!?",
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"394000511_101": " どうしたの? 大丈夫ッ!?」",
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"394000511_102": "「ギー……ギー……」",
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"394000511_103": "「もしかして……」",
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"394000511_104": "「寝てる、のか……?」",
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"394000511_105": "「宇宙人も人間と同じように眠るのね。",
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"394000511_106": " これはこれで興味深いわ……」",
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"394000511_107": "「生態調査を行うならば、やはり解剖が――」",
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"394000511_108": "「駄目ですってばッ!」"
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