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2024-12-22 15:59:32 +03:00

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{
"391000711_0": "あの子の好きなアイスクリーム",
"391000711_1": "「結局、わたしたちは\\n この世界からの脱出方法を見つけられず……」",
"391000711_2": "「ギンの提案で、街に戻ってみることにしたけれど――」",
"391000711_3": "「これは……\\n どういうことでしょう……」",
"391000711_4": "「うわぁ、人がいっぱいいるッ!」",
"391000711_5": "「夜は明けたばかり……\\n 時間がわからないけれど、そんな早朝にこれだけの人が」",
"391000711_6": "「夜の間は閉まってたけど、\\n お菓子屋さんがこんなにたくさん……ッ」",
"391000711_7": "「アイスクリーム屋さんに、チュロス屋さん……",
"391000711_8": " あッ、クレープ屋さんもあるよッ!」",
"391000711_9": "(そして、街の店全てが『お菓子屋さん』ばかり?\\n そんな馬鹿な……",
"391000711_10": "(やっぱり……。\\n この世界、油断できない……",
"391000711_11": "「……どうする?\\n 一応、街の人に話を聞いてみる」",
"391000711_12": "「え? あ、はいッ!",
"391000711_13": " マリアさんとヒビキが、それでいいなら……」",
"391000711_14": "「……わたしも。\\n あなたと未来がそうするべきだと思うなら……」",
"391000711_15": "「……」",
"391000711_16": "(……はぁ。\\n 見事なまでに、何かあったと言外に語ってくれるものだわ",
"391000711_17": "(やれやれ……。\\n お節介なのは百も承知だけど……",
"391000711_18": "「ねえ。\\n 向こうのアイスクリーム屋さんで話を聞いてきてくれない」",
"391000711_19": "「え?\\n わ、わかりました」",
"391000711_20": "「そうだ、ギンも一緒に連れて行ってあげて。\\n ついでにアイスでも食べてくるといいわ」",
"391000711_21": "「はい、これ。どれが使えるかわからないから。\\n 日本円と、ドルと……少しだけどユーロもあるわ」",
"391000711_22": "「アイスクリームッ!?\\n いいのッ」",
"391000711_23": "「ええ。途中、休憩はしたとはいえ\\n ほとんど夜通しで歩いたのだもの。疲れたでしょう」",
"391000711_24": "「ぼくはまだまだ平気だけど……でも、嬉しいやッ!",
"391000711_25": " ミクお姉ちゃん、早く行こうッ!」",
"391000711_26": "「う、うん……。",
"391000711_27": " あッ、待ってギンくん、引っ張らないでーッ!?」",
"391000711_28": "「さて。\\n それじゃあ、話してもらいましょうか」",
"391000711_29": "「……何を?",
"391000711_30": " 別に、話さなきゃいけないことなんて、何も……」",
"391000711_31": "「そんなわかりやすい誤魔化しに付き合ってあげるほど、\\n わたしは優しくないわ」",
"391000711_32": "「あの子との間に、何があったの?」",
"391000711_33": "「…………ごめん。\\n 気を遣わせちゃって」",
"391000711_34": "「でも大丈夫。\\n 自分でなんとかするから……」",
"391000711_35": "「そうはいかないわ」",
"391000711_36": "「……え」",
"391000711_37": "「そりゃ、わたしだって、本当なら黙って見守りたいところだけど。\\n 今はみんなで一致団結しなければならないときじゃないかしら」",
"391000711_38": "「あなたも感じているでしょう?\\n この世界は、何かが決定的に破綻している……」",
"391000711_39": "「一刻も早く、脱出するべきだわ」",
"391000711_40": "「……」",
"391000711_41": "「何があったか話して。",
"391000711_42": " たまには、歳上のいうことを聞くものよ?」",
"391000711_43": "「なるほどね。\\n わたしたちの世界の『立花響』と、あなたという『立花響』……」",
"391000711_44": "「『響』なら大丈夫だと、\\n そう言われたのを突っ撥ねてしまったと……」",
"391000711_45": "「未来が励まそうとしてくれたのはわかるよ。\\n わかるんだ、でも……ッ」",
"391000711_46": "「それでも、仕方がないんだ……ッ!\\n だってわたしは、もう人の<ruby=わたし>響</ruby>とは違うからッ!」",
"391000711_47": "「ええ、そうね。\\n その通りよ」",
"391000711_48": "「……え?」",
"391000711_49": "「まったく……何を驚いているのかしら。\\n それって、ごく当たり前のことでしょう」",
"391000711_50": "「でも……」",
"391000711_51": "「でももヘチマもないわ。\\n あなた、他の並行世界のわたしにも会ったことがあるわよね」",
"391000711_52": "「……うん。\\n 確かあの、小さな――」",
"391000711_53": "「そうよ。本人が聞いたら怒るかもしれないけど……\\n 並行世界の『わたし』は、わたしよりずっと、見た目は子供」",
"391000711_54": "「けれど、APPLEという艦を率いる立派なリーダーよ。",
"391000711_55": " フフ、たしか、ドーナツが好きという話も聞いたわ」",
"391000711_56": "「それで、あなたは彼女を見て――\\n わたしと、並行世界の小さなマリア・カデンツァヴナ・イヴが」",
"391000711_57": "「『同じ』だと思ったかしら?」",
"391000711_58": "「……」",
"391000711_59": "「あなたは、\\n わたしたちの世界の『立花響』とはまるで違う」",
"391000711_60": "「たとえ始まりが、\\n 同じ花の種だったとしても――」",
"391000711_61": "「育った土壌や肥料、得てきた水の量が違えば咲きかたは変わる。\\n 全く同じ咲きかたをする花なんて、きっとどこにも存在しない」",
"391000711_62": "「あなたと『立花響』も、\\n まったく違った、別々の咲きかたをしている花だわ」",
"391000711_63": "「……ッ」",
"391000711_64": "「まったく、なんて顔をしているの。\\n シャンとしなさいッ、立花響ッ」",
"391000711_65": "「だ、だって……ッ!」",
"391000711_66": "「……なんて、偉そうに言ってもね」",
"391000711_67": "「わたしも、少なからず\\n <ruby=未来>あの子</ruby>に共感してしまうところはあるのよ」",
"391000711_68": "「……?」",
"391000711_69": "「頭では『違う』って理解していても。\\n 『その人』だって思いたくなる気持ちは、わかってしまう」",
"391000711_70": "「なまじ、想う誰かに似ている部分を、\\n もう人の『その人』の中に見てしまったら……駄目なのよね」",
"391000711_71": "「……」",
"391000711_72": "(……わたしは、本当に僥倖だった)",
"391000711_73": "(わたしの世界で喪ったセレナが、\\n 今、わたしを慕ってくれるセレナじゃないのはわかってる",
"391000711_74": "(セレナも同じように、セレナの世界で<ruby=わたし>姉</ruby>を亡くして――\\n たまたま、本当にたまたま、『わたし』と想いが噛み合っただけ",
"391000711_75": "(あの子も……小日向未来もまた、『ヒビキ』の向こう側に、\\n 『立花響』を見出しているのかもしれない……",
"391000711_76": "「ねえ、それって……」",
"391000711_77": "「……」",
"391000711_78": "「……お互いに特別過ぎるっていうのも、\\n 考えものよね」",
"391000711_79": "「――……」",
"391000711_80": "(お互いに、か。\\n そうか、わたしも……",
"391000711_81": "(あの未来の向こうに、\\n わたしにとっての未来を、見ていたのかも……",
"391000711_82": "(それだから、わたしを通して『響』を見ている\\n 『未来』に、わたしを否定されたような気がして……",
"391000711_83": "「……少しは、気が楽になったみたいね?」",
"391000711_84": "「うん、ありがとう。\\n 未来ともう回、ちゃんと話してみる」",
"391000711_85": "「お節介を焼いた甲斐があるというものよ。",
"391000711_86": " さて、そろそろ戻ってきてもいい頃合いだけど……」",
"391000711_87": "「噂をすれば……戻ってきたみたい。",
"391000711_88": " ……って、何か叫んでる?」",
"391000711_89": "「――ッ!」",
"391000711_90": "「ヒビキッ! マリアさんッ!\\n こっちに……ッ」",
"391000711_91": "「ノイズに追われているッ!?」",
"391000711_92": "「待ってて未来ッ!\\n すぐに行くから――ッ」"
}