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{
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"330001011_0": "自分らしくあるために",
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"330001011_1": "「アルゴスの眼から解放された、ジャンヌの妹、\\n メルさんについて報告が上がってきました」",
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"330001011_2": "「待っていたデスッ!」",
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"330001011_3": "「マリアのこと、助けてくれたんだよね」",
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"330001011_4": "「順調に回復し、歩けるまでになっているそうです。\\n そして、マリアさんにお礼を伝えてほしいと……」",
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"330001011_5": "「よかったですねッ!」",
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"330001011_6": "「ええ、本当によかった……」",
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"330001011_7": "「マリアくんが無事に戻ったことも、嬉しく思っている」",
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"330001011_8": "「ありがとうございます」",
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"330001011_9": "「ですが、わたしはS.O.N.G.に敵対してしまいました……。\\n わたしに対する処分を言い渡してください」",
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"330001011_10": "(わたしが犯した罪は重い)",
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"330001011_11": "(どんな処分を言い渡されたとしても、\\n 受け止める覚悟は出来ているわ……)",
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"330001011_12": "「ああ、俺は君に対する処分を言い渡す立場にある」",
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"330001011_13": "「しかし、今回その件については、不問にするという\\n 上層部の判断が下った」",
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"330001011_14": "「……不問、ですか?」",
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"330001011_15": "「わたしは、装者の立場の剥奪すらあり得ると……ッ!」",
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"330001011_16": "「兄貴の働きかけによるところだ。\\n だが、兄貴はただ優しさでマリアくんを救ったわけではない」",
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"330001011_17": "「確かに君が、S.O.N.G.に対し敵対行動を取ったという事実は\\n 残っている。それ自体は許されることではない」",
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"330001011_18": "「しかし、それは裏切りではなく、我々S.O.N.G.を護り事件を\\n 解決しようとした結果だったはずだ」",
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"330001011_19": "「兄貴はそれをその場での状況判断として処理し、\\n 上層部も、兄貴の説得に納得したそうだ」",
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"330001011_20": "「で、ですがッ!」",
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"330001011_21": "「これ以上の反論は無しだ。第一、マリアくんがいなければ、\\n 俺たちはネメシスに消されていたかもしれない、そうだろう?」",
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"330001011_22": "「……わかりました。ありがとうございます」",
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"330001011_23": "「ヘルメスの剣は、日本政府で管理することになった。\\n 丁重に保管されることになる」",
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"330001011_24": "「さあ、俺からは以上だ。疲れが溜まっているだろう、\\n 今日は休んでくれ」",
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"330001011_25": "「はい……」",
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"330001011_26": "「みんな、この事件ではたくさんの迷惑をかけてしまったわ。\\n 本当にごめんなさい……」",
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"330001011_27": "「謝ることなんてないですよッ!」",
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"330001011_28": "「最初は確かにちょっとびっくりして、\\n いろいろ考えちゃったデス……でもッ!」",
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"330001011_29": "「マリアは絶対に戻ってくる、そう信じていたから」",
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"330001011_30": "「あたしたちを護るためだったんだ。\\n そんなの、迷惑なわけないだろ?」",
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"330001011_31": "「つまるところ、皆気にしていないということだ。それに、\\n マリアこそ、わたしたちを護ってくれていたのだろう?」",
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"330001011_32": "「みんな……」",
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"330001011_33": "「あーッ! そうデスッ! 『マリアおかえりなさいパーティ』を\\n やらなきゃいけないデスねッ!」",
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"330001011_34": "「ナイスアイデアだね、切ちゃん」",
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"330001011_35": "「パーティ?」",
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"330001011_36": "「いいね、おかえりなさいパーティッ!\\n やろうやろうッ!」",
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"330001011_37": "「おっさんも今日は休めって言ってただろ。\\n やるなら明日な」",
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"330001011_38": "「そうだったデスッ! でも、今日から準備しておくのは\\n セーフデスよねッ!」",
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"330001011_39": "「お料理仕込まなきゃ。\\n みんなの分もだから、たくさん作ろうね」",
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"330001011_40": "「じゃあ、わたしは飾り付けに使えそうなもの探してくるよ。\\n ほら、クリスちゃんもッ!」",
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"330001011_41": "「あ、ああ……」",
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"330001011_42": "「まったく、人の話も聞かずに飛び出して……」",
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"330001011_43": "「フフ、本当に騒がしいわね……」",
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"330001011_44": "「戻ってきたことが嬉しいんだろう。\\n 今回くらいは好きにやらせてやれ」",
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"330001011_45": "「……ええ」",
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"330001011_46": "「あ、あれ、どうしたのかしら。\\n 勝手に涙が溢れてきて、変ね……」",
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"330001011_47": "「……」",
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"330001011_48": "「な、何してるのよ……。\\n こんなところ、翼の前で……」",
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"330001011_49": "「いいんだ。わたしたちの前では、弱い自分を見せてもいい」",
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"330001011_50": "「……ッ!」",
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"330001011_51": "「……ずっと、ずっと怖かった……。\\n みんなと心が離れていってしまうようで……ッ!」",
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"330001011_52": "「だけど、わたしは……、戻ってこられたのよね……」",
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"330001011_53": "「ああ、そうだ。\\n マリアは、わたしたちのところに戻ってきてくれた」",
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"330001011_54": "「そして、これからも心が離れてしまうことなんてないと\\n 断言できる。……この胸の歌がある限り」",
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"330001011_55": "「おかえり」",
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"330001011_56": "「……ただいま」",
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"330001011_57": "「もう少しだけ、そこにいてもらえるかしら?」",
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"330001011_58": "「ああ……、もちろんだ」",
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"330001011_59": "(やっと、戻ってくることができたのね。\\n わたしが自分らしくいられる、みんなのもとに……)"
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