112 lines
10 KiB
JSON
112 lines
10 KiB
JSON
{
|
||
"402001031_0": "「着いたな。ここがミレニアムパズルだ」",
|
||
"402001031_1": "「これは、扉……?」",
|
||
"402001031_2": "「威圧感がすごい……」",
|
||
"402001031_3": "「ものすごい重そうデス」",
|
||
"402001031_4": "「あの、それでこの中に入るんですか……?\\n どうやって扉を開ければ……」",
|
||
"402001031_5": "「……それが問題だ。消息を絶った先遣隊が、\\n 扉を開けた可能性も期待していたんだが――」",
|
||
"402001031_6": "「どうやら、ここまでたどり着いていなかったらしい」",
|
||
"402001031_7": "「……そうなんですか?」",
|
||
"402001031_8": "「ああ、仲間の痕跡が全く見当たらない。この開かずの扉に\\n 挑戦するための装備も持たせていたが――」",
|
||
"402001031_9": "「それが使われた形跡が無い。\\n ということは、ここまで来れていないということだ」",
|
||
"402001031_10": "「それなら、どこに……?」",
|
||
"402001031_11": "「……さあな。先ほどのカオスビーストにやられたか、\\n 逃れてどこかの世界に落ちたか――」",
|
||
"402001031_12": "「とにかく、そっちの捜索は我々の仲間が担当する。\\n それより、まずはどうやってミレニアムパズル内に入るかだ」",
|
||
"402001031_13": "「その前に、もう一度この場所について聞いてもいいですか?\\n 一体どういう場所なのか……」",
|
||
"402001031_14": "「……いいだろう。\\n この扉の先にある迷宮、それがミレニアムパズルだ」",
|
||
"402001031_15": "「以前も話したが、ミレニアムパズルは精霊ドヴェルグの住む\\n 迷宮とされ、これを解いた者に力を貸すと言われている」",
|
||
"402001031_16": "「言い伝えなんですよね。\\n 実際に攻略した者はいないのでしょうか?」",
|
||
"402001031_17": "「わからない。\\n だが、我々が観測を始めてからは、誰もいないはずだ」",
|
||
"402001031_18": "「それでは眉唾物じゃ……」",
|
||
"402001031_19": "「かもしれない。だが、話が伝わっていることと、\\n 実際にこれが目の前にある以上、信憑性はあると見ている」",
|
||
"402001031_20": "「言い伝えにはミレニアムパズル内に関する情報もあったが、\\n 曰く『どんな者でも迷わされる、強大な迷宮』とあった」",
|
||
"402001031_21": "「大迷宮デスねッ! それは面白そうデスッ!」",
|
||
"402001031_22": "「なんだか宝物とかもありそう……」",
|
||
"402001031_23": "「みんなで迷宮に挑戦ですね」",
|
||
"402001031_24": "「何か少しでも、\\n 扉を開けるヒントのようなものはないのですか?」",
|
||
"402001031_25": "「現状では無い。\\n 過去に破壊を試みたこともあるが、それも叶わなかった」",
|
||
"402001031_26": "「先遣隊に持たせていた道具に予備は?\\n 少なくとも可能性があるから、持たせていたのですよね?」",
|
||
"402001031_27": "「ああ。もちろんだ。\\n だが、残念ながら予備は無い」",
|
||
"402001031_28": "「先遣隊の装備が残されていることも期待したが……」",
|
||
"402001031_29": "「何も無さそうですね」",
|
||
"402001031_30": "「だったら、アタシたちで徹底的に調べるデスッ!\\n これでも謎解きは得意デスからッ!」",
|
||
"402001031_31": "「切ちゃん、それってゲームの話じゃ……」",
|
||
"402001031_32": "「わたしも頑張りますッ!\\n 前に、遺跡を探検した経験もありますからッ!」",
|
||
"402001031_33": "「さあ、行くデスよッ!\\n 迷宮のお宝は、アタシたちの物デスッ!」",
|
||
"402001031_34": "「あ、切ちゃん待ってッ!」",
|
||
"402001031_35": "「わたしも行きますッ!」",
|
||
"402001031_36": "「ところで、先ほど行方不明者は、\\n 仲間が探すとおっしゃっていましたが、その仲間はどこに?」",
|
||
"402001031_37": "「ああ、もう合流してもおかしくない時間なのだが、\\n 何かあったのか……」",
|
||
"402001031_38": "「まさか、その人たちもッ!?」",
|
||
"402001031_39": "「――いや、ちょうど来たようだ」",
|
||
"402001031_40": "「ただいま到着しました」",
|
||
"402001031_41": "「遅くなりすみません」",
|
||
"402001031_42": "「いや、よく来てくれた」",
|
||
"402001031_43": "「実は、ここに来る途中で、先遣隊を発見し、\\n 救助していたため時間がかかってしまいました」",
|
||
"402001031_44": "「なんだとッ!? 先遣隊は無事だったのか?」",
|
||
"402001031_45": "「はい。カオスビーストと接触したようで、\\n 怪我を負っていましたが、全員無事です」",
|
||
"402001031_46": "「ただ、調査用の装備は、破壊されてしまったようです」",
|
||
"402001031_47": "「そうか……、いや、とにかく無事でなによりだ」",
|
||
"402001031_48": "「怪我をした者たちですが、他のメンバーに連れられて帰還し、\\n 治療を受けている頃かと思います」",
|
||
"402001031_49": "「わかった。報告、ご苦労」",
|
||
"402001031_50": "「いえ、それで、我々はいかがいたしましょう?」",
|
||
"402001031_51": "「装備が無いことが悔やまれるが……、\\n とりあえず、扉の調査を進めてくれ」",
|
||
"402001031_52": "「わかりました」",
|
||
"402001031_53": "「無事でよかったですね」",
|
||
"402001031_54": "「ああ」",
|
||
"402001031_55": "「では、わたしもあの子たちと一緒に調べてみます」",
|
||
"402001031_56": "「頼んだ」",
|
||
"402001031_57": "「――というわけで、\\n 行方不明だった先遣隊の人たちは無事よ」",
|
||
"402001031_58": "「それを聞いて安心しました」",
|
||
"402001031_59": "「うん、よかった」",
|
||
"402001031_60": "「これで心置きなく調べられるデスッ!」",
|
||
"402001031_61": "「それで、扉はどんな感じなの?」",
|
||
"402001031_62": "「うーん、押してもビクともしないデス」",
|
||
"402001031_63": "「引くのかも?」",
|
||
"402001031_64": "「そう見せかけてのスライドの可能性もありますよ」",
|
||
"402001031_65": "「ん――ッ! ……縦横斜め動かないデス」",
|
||
"402001031_66": "「そんな簡単に開いたら、\\n スクルドの人たちがとっくに開けているでしょう」",
|
||
"402001031_67": "「あ、それなら呼びかけてみたらどうですか?\\n <size=40>――ごめんくださーいッ!</size>」",
|
||
"402001031_68": "「……」",
|
||
"402001031_69": "「反応ないね」",
|
||
"402001031_70": "(さて……扉付近は、\\n 我々があらかた調査したが何も得られなかった)",
|
||
"402001031_71": "(となれば、扉から離れた位置に、\\n 何かヒントが隠されている可能性もある……)",
|
||
"402001031_72": "(だが、この辺りも機器には何も反応は無い、\\n ならば、さらに範囲を広げるか……)",
|
||
"402001031_73": "(それにしても……)",
|
||
"402001031_74": "「……大丈夫なのか、あの装者たち……」",
|
||
"402001031_75": "「どこかにパスワードとか入れるところはないデスか?」",
|
||
"402001031_76": "「見たところ無さそうだね」",
|
||
"402001031_77": "「あ、このくぼみッ!\\n 何かはめ込むとかじゃないですか?」",
|
||
"402001031_78": "「そうかしら?\\n ただの綻びに見えるけど……」",
|
||
"402001031_79": "「アイテムが必要とかだと、開くのは結構絶望的かも……」",
|
||
"402001031_80": "「……どうしましょう?」",
|
||
"402001031_81": "「もうこの際、歌でも唄ってみるデスッ!」",
|
||
"402001031_82": "「どうして……?」",
|
||
"402001031_83": "「アタシたちの歌を聴きに、\\n 中の人が扉を開けてくれるかもしれないデス」",
|
||
"402001031_84": "「……いくらなんでも、\\n あんな方法でこの扉が開くはずはないだろう」",
|
||
"402001031_85": "「~~♪ ~~♪」",
|
||
"402001031_86": "「…………」",
|
||
"402001031_87": "「<size=40>届くデスッ! アタシたちの歌ッ!</size>」",
|
||
"402001031_88": "「反応ありませんね……」",
|
||
"402001031_89": "「あなたたち、なんだか楽しそうね……」",
|
||
"402001031_90": "「アハハ……。あ、でも楽しそうに宴会をしていたら、扉が開いた、\\n みたいなお話もあったような……」",
|
||
"402001031_91": "「天岩戸の故事ね。太陽神が洞窟に籠ったのを、天岩戸の前で\\n 宴会をして誘い出したって話よ」",
|
||
"402001031_92": "「前に調神社の宮司さんから聞いたよね」",
|
||
"402001031_93": "「あ、そうです。思い出しました。\\n そのお話みたいに出てくればいいのに」",
|
||
"402001031_94": "「それなら実際に宴会でもやってみるデスか?\\n でもご飯の準備とかないデスよね……」",
|
||
"402001031_95": "「クッキーくらいならあるよ。はい」",
|
||
"402001031_96": "「おいしいデスッ! 流石調の手作りデースッ!」",
|
||
"402001031_97": "「フフ、流石は調ね」",
|
||
"402001031_98": "「本当、おいしいです。\\n 今度作り方を教えてくれませんか?」",
|
||
"402001031_99": "「うん、いいよ」",
|
||
"402001031_100": "「……遠足……か……?」",
|
||
"402001031_101": "「……はあ、やはりこんな者たちに期待など――」",
|
||
"402001031_102": "「――ッ!?」",
|
||
"402001031_103": "「おおッ!? 扉が開き始めたデスよッ!!」",
|
||
"402001031_104": "「な、何が起きたッ!?」",
|
||
"402001031_105": "「本当だ……どうしてだろう?」",
|
||
"402001031_106": "「調のクッキーが食べたくなったんデスよ、きっと」",
|
||
"402001031_107": "「そうなのかな……?」",
|
||
"402001031_108": "「わたしたちの歌が届いたのかもしれません」",
|
||
"402001031_109": "「理由はわからないけど……。\\n でも、結果的に開いたんだから、よしとしましょう」"
|
||
} |