93 lines
10 KiB
JSON
93 lines
10 KiB
JSON
{
|
||
"356000721_0": "数日前――",
|
||
"356000721_1": "「わたしがいる限り、\\n お前たちの好きにはさせん――ッ!」",
|
||
"356000721_2": "「よくやってくれたな。ノイズの殲滅を確認した。\\n すぐに迎えを出そう」",
|
||
"356000721_3": "「はい、お願いします」",
|
||
"356000721_4": "(……立花が姿を消してから、\\n もう何日経っただろうか……)",
|
||
"356000721_5": "(何もしてやれない自分が不甲斐ない……。\\n せめて、今どうしているのかだけでも知ることができれば……)",
|
||
"356000721_6": "「ん……?」",
|
||
"356000721_7": "「不思議な輝きを放つ石だ。\\n なぜ、こんなものが……」",
|
||
"356000721_8": "「なッ!\\n 輝きが増して……ッ!?」",
|
||
"356000721_9": "「……で、気がついたら彼女たちがいたと。\\n 正直、わけがわからないのだが……」",
|
||
"356000721_10": "「オレたちだってさっぱりだッ!\\n まさか、別世界のオレに会うとはなー」",
|
||
"356000721_11": "「それどころか、先生にまで……」",
|
||
"356000721_12": "「この光る石に呼び寄せられたのは間違いないわッ!\\n でも、あなたたちがやったんじゃないのね?」",
|
||
"356000721_13": "「ああ、身に覚えがないな」",
|
||
"356000721_14": "「人智の及ばない異端技術であることは間違いがなさそう。\\n 目的が全く謎だけど」",
|
||
"356000721_15": "「突如現れ、並行世界で隔たれた者たちを\\n 集結させる石か……」",
|
||
"356000721_16": "「それぞれどこから来た誰なのか、\\n 教えてもらえるか?」",
|
||
"356000721_17": "「オレは風鳴翼で、\\n こっちの可愛い子が雪音クリスだッ!」",
|
||
"356000721_18": "「わたしたちの並行世界では、とある組織に所属して\\n シンフォギア装者として活動しています」",
|
||
"356000721_19": "「わたしはマリア。装者でAPPLEという部隊の隊長ッ!\\n エアーキャリアーで世界から世界へと旅する根無し草よッ!」",
|
||
"356000721_20": "「初めまして、副隊長のセレナです。ちなみに、この世界には\\n そのエアーキャリアーごと飛ばされてきていまして」",
|
||
"356000721_21": "「大きくて恐縮なのですが、表に停めさせていただいています」",
|
||
"356000721_22": "「月読調、科学者、シンフォギア装者、無所属、\\n ここではない並行世界から来た」",
|
||
"356000721_23": "「暁切歌デスッ! アタシは、シンフォギア装者ではないデスが、\\n この子を使って戦うことも可能デス……ッ!」",
|
||
"356000721_24": "「調さんの助手である僕ことドクターウェルもいますよ。\\n あ、念のため、装者ではありませんので悪しからず」",
|
||
"356000721_25": "「なるほど。\\n 3つの並行世界からそれぞれ来たというわけか……」",
|
||
"356000721_26": "「俺は風鳴弦十郎。\\n ここ、特異災害対策機動部二課で司令を務めている」",
|
||
"356000721_27": "「わたしはその二課に所属する装者で、風鳴翼という」",
|
||
"356000721_28": "「本来であれば、装者はもう1人いるのだが……、\\n 故あって今は不在だ」",
|
||
"356000721_29": "「ふーん……焼け野原となった街に、不在の装者……。\\n ねえ、その装者の名前って、立花響だったりする?」",
|
||
"356000721_30": "「なぜそれを……ッ!?」",
|
||
"356000721_31": "「やっぱり……」",
|
||
"356000721_32": "「なぜ知っているのかというと、\\n さっきまで一緒にいたからデスよ」",
|
||
"356000721_33": "「なんだとッ!?」",
|
||
"356000721_34": "「立花は無事なのかッ!?\\n 頼む、教えてほしい……」",
|
||
"356000721_35": "「いいけど……ダメ助手ッ!\\n ダルいから説明は任せた」",
|
||
"356000721_36": "「承知しました。僕のいい声で説明いたしましょう。\\n ただ――」",
|
||
"356000721_37": "「彼女の状況を説明するに当たって、今、全ての並行世界が\\n 直面している問題についても触れる必要があります」",
|
||
"356000721_38": "「くれぐれも、覚悟して聞いてください……」",
|
||
"356000721_39": "「――以上となります」",
|
||
"356000721_40": "「立花……。ひとまず、生きていてくれてよかった。\\n だが、そんな状況で戦い続けて……」",
|
||
"356000721_41": "「レーベンガーを操っているのは、ニコラ・テスラなのだな。\\n ようやく、全てが繋がった」",
|
||
"356000721_42": "「異変が起きているのはわかっていたけど、\\n 並行世界の消滅って、とんでもなさすぎじゃないッ!?」",
|
||
"356000721_43": "「このままじゃ、わたしたちの世界も……?」",
|
||
"356000721_44": "「そんな奴相手に、どう戦ったら……」",
|
||
"356000721_45": "「――ん?」",
|
||
"356000721_46": "「たぶんわたしも、風鳴さんと同じことに気づいたと思います」",
|
||
"356000721_47": "「え、え、どういうことデスか……ッ!?」",
|
||
"356000721_48": "「つまり――」",
|
||
"356000721_49": "「つまり、ここにいる人間でニコラ・テスラに対抗する\\n 共同戦線を張るのがベストオブベスト、ということですねッ!」",
|
||
"356000721_50": "「勝手にしゃべるなッ!」",
|
||
"356000721_51": "「良かれと思って……ッ!」",
|
||
"356000721_52": "「でもまあ、言いたいのはそういうこと」",
|
||
"356000721_53": "「こんな人数の装者が揃うことなんて、\\n そうそうないもんなッ!」",
|
||
"356000721_54": "「いいわねッ! テスラだかなんだか知らないけど、\\n わたしたちでひねり潰してあげましょうッ!」",
|
||
"356000721_55": "「実に頼もしいが……、\\n お前たち、自分の世界を不在にしていていいのか?」",
|
||
"356000721_56": "「ああ、オレたちの世界には、装者の他にも頼もしい存在がいる。\\n しばらくの間なら、たぶん大丈夫だろッ!」",
|
||
"356000721_57": "「わたしたちはもともと長らく不在にしているし、\\n 残してきたみんなも、最低限身を護る力は有しているわ」",
|
||
"356000721_58": "「心配だけど、だからこそ、\\n 早く黒幕を叩くことにするッ!」",
|
||
"356000721_59": "「わたしたちの世界は、立花響がコンダクターを壊してくれたし、\\n もう一度狙われない限りは大丈夫でしょ」",
|
||
"356000721_60": "「みんなと違って、\\n もともと世界を護らなきゃいけないような立場じゃないし」",
|
||
"356000721_61": "「そうか。我々は……」",
|
||
"356000721_62": "「ノイズや、レーベンガーが現れた時、\\n 皆を護れるのはわたししかいない……」",
|
||
"356000721_63": "「わたしは防人として、\\n 立花の帰ってくる場所を護らなければならない」",
|
||
"356000721_64": "「すまないが、共同戦線に加わるわけには……」",
|
||
"356000721_65": "「気にしないで。\\n それぞれ、やらなきゃいけないことは違うから」",
|
||
"356000721_66": "「そうデスよッ! それに、本当は一番、\\n ヒビキさんを助けに行きたいはずデス」",
|
||
"356000721_67": "「もちろん、一番の目標はテスラを止めることだけど、\\n 立花響のことも何とかするから、心配しないで」",
|
||
"356000721_68": "「…………」",
|
||
"356000721_69": "「彼女は、誰よりも大切な人との別れっていう、\\n 苦しみを味わった。その辛さは、わたしもよくわかってる……」",
|
||
"356000721_70": "「立花響はそれでも、大事なことを見失わなかった。\\n そのために、もっともっと、苦しみながら……」",
|
||
"356000721_71": "「そんな人を、見殺しにはしたくない。\\n だから……」",
|
||
"356000721_72": "「フフ、やっぱり調は優しいデス」",
|
||
"356000721_73": "「別に……。ただ、放っておけないだけ」",
|
||
"356000721_74": "「オレたちだって、見捨てるつもりはないぞ」",
|
||
"356000721_75": "「立花響っていえば、知らないわけじゃないからな」",
|
||
"356000721_76": "「うん、別の並行世界のだけど。\\n 話を聞いたら、同じようにまっすぐな人なんだってわかる」",
|
||
"356000721_77": "「それってひょっとして、S.O.N.G.所属のッ!?」",
|
||
"356000721_78": "「なんだ、お前も知ってるのか?」",
|
||
"356000721_79": "「はい。わたしたちも、一緒に戦って、\\n 助けてもらったんです」",
|
||
"356000721_80": "「わたしたちが助けたんでしょッ!」",
|
||
"356000721_81": "「そういうわけだから、同じ響のよしみで、\\n 今度だって助けてあげるわよッ!」",
|
||
"356000721_82": "「どう頑張ったって、\\n 1人じゃできないことは、あるんだから……」",
|
||
"356000721_83": "「みんな……ありがとう……」",
|
||
"356000721_84": "「立花は強い。\\n だが、心根は優しい、普通の少女なんだ」",
|
||
"356000721_85": "「それなのに、強くならざるを得なかったから、\\n 自分に強さを義務付けた」",
|
||
"356000721_86": "「そんな立花が、\\n やっと普通の少女としての日常を知って――」",
|
||
"356000721_87": "「しかしその矢先に、また失って……。\\n 立花の心はもう限界寸前のはずだ……」",
|
||
"356000721_88": "「無理を承知で、立花の仲間としてお願いさせてほしい。\\n 頼む、立花を助けてやってくれ……ッ!」",
|
||
"356000721_89": "「だから……心配しないでって言ったでしょ」",
|
||
"356000721_90": "「わたしたちに任せて」"
|
||
} |