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"355000541_0": "「う……む……オレは……?」",
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"355000541_1": "「マスター、目覚められましたかッ!」",
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"355000541_2": "「ここはどこだ?\\n ファラやミカ、ガリィはどこにいる?」",
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"355000541_3": "「ご安心ください。皆アルカ・ノイズを迎撃中ですが、\\n 装者たちも同行しております」",
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"355000541_4": "「装者だと……?\\n 寝ている間にずいぶんと事態が動いたようだな」",
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"355000541_5": "「レイア、話せ」",
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"355000541_6": "「仰せのままに、マスター」",
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"355000541_7": "「というわけで、今はアルカ・ノイズを相手取っております」",
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"355000541_8": "「アルカ・ノイズが相手であれば、\\n 物の数ではあるまいよ」",
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"355000541_9": "「オレも、もう十分に回復した」",
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"355000541_10": "「急ぎお前の修復に取り掛かろう。\\n 幸い、ここには設備も揃っているようだしな」",
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"355000541_11": "「…………」",
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"355000541_12": "「どうした、ついてこい」",
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"355000541_13": "「マスター、アダム・ヴァイスハウプトという男に\\n 弱点はないのでしょうか」",
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"355000541_14": "「弱点?」",
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"355000541_15": "「ヤツとて、作られた存在です。\\n ならば、完全などありえません」",
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"355000541_16": "「完全なはずのラピス・フィロソフィカスさえ、\\n こうして砕かれたではありませんか」",
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"355000541_17": "「きっと、ヤツにも……」",
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"355000541_18": "「作られたものに完全はない、か」",
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"355000541_19": "「しかし、ヤツを作ったのは人ではない。神なのだぞ」",
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"355000541_20": "「ならば、一体どう戦えば……」",
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"355000541_21": "「完全と完成されていて、\\n だからこそ、危うい……」",
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"355000541_22": "「マスター?」",
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"355000541_23": "「いや、これは誰かからの受け売りで……、\\n 誰だったか……」",
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"355000541_24": "「……そうだ、夢を見たんだ」",
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"355000541_25": "「夢、ですか?」",
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"355000541_26": "「あれは、古い想い出の夢……」",
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"355000541_27": "「パパが研究で目指している理想と、\\n その人の理想が近いところにあるんだよ」",
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"355000541_28": "「彼と僕は全然似ていないけれど、\\n だから気があったんだろうな」",
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"355000541_29": "「彼はね、完全と完成されている。\\n だけどだからこそ、危うい……」",
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"355000541_30": "「そうか……パパがあの時言っていた友人というのは……、\\n アダムのことかッ!」",
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"355000541_31": "「錬金術師のパパとアダム、\\n 関わりがあってもおかしくないではないか」",
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"355000541_32": "「どうして今まで気づかなかった――ッ!」",
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"355000541_33": "「思い出せ、あの時パパは何を言っていたッ!?」",
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"355000541_34": "「そうだ、リンゴ……。",
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"355000541_35": " リンゴだ、レイアッ!」",
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"355000541_36": "「リンゴ、ですか?」",
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"355000541_37": "「幼かったオレにパパが言った言葉を思い出したんだ。\\n 300年前、パパとアダムは、恐らく友人同士だった――」",
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"355000541_38": "「なんと……」",
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"355000541_39": "「パパは、アダムに訪れる何かを予見していた……」",
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"355000541_40": "「それが、今回の事件だと? カストディアンの襲来まで\\n わかっていたということでしょうか……」",
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"355000541_41": "「……わからん。だが、それを止めるために、\\n パパがアダムに渡した贈り物、それがリンゴのブローチだ」",
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"355000541_42": "「しかし、実際のところ、この現状です……。\\n マスターのお父上の思惑通りにはいっていないようですね」",
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"355000541_43": "「ああ、そもそも渡せていないのか、\\n 渡したが、アダムが紛失したのか……」",
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"355000541_44": "「あの男の性格を考えると、\\n 紛失した可能性も高そうですね……」",
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"355000541_45": "「くそッ!\\n なにか手がかりになるかもしれないというのに……ッ!」",
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"355000541_46": "「なにしろ、何百年も昔のことですから……」",
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"355000541_47": "「いや……ッ! 可能性はあるかもしれん、\\n この前、サンジェルマンたちはなんと言っていた?」",
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"355000541_48": "「そうだ……ッ!\\n 協会の地下に、アダムの保管庫があると……ッ!」",
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"355000541_49": "「そのブローチが、本当にアダムを\\n 止めうるものなのかはわからん。だが、可能性はある」",
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"355000541_50": "「すぐに協会へ戻るぞッ!」",
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"355000541_51": "「それは危険です。\\n 協会には、アダムが留まっている可能性が高い」",
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"355000541_52": "「だが、協会本部に\\n アダムの保管庫がある以上……ッ!」",
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"355000541_53": "「協会に行くこと自体は賛成です。\\n 私が反対しているのは、今すぐに、ということ」",
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"355000541_54": "「…………」",
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"355000541_55": "「可能性があるのなら、ファラたち、装者たちと共に\\n 態勢を整えた上で臨むべきではないでしょうか」",
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"355000541_56": "「……そうだな。興奮して気が急いていた。\\n すまない。1人で事を為そうとするのは、オレの悪い癖だ」",
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"355000541_57": "「私もお供したい……ですが……」",
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"355000541_58": "「どうした?」",
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"355000541_59": "「いえ。たとえ、修復していただいたとしても、\\n 私は、アダム相手に歯が立たなかった……」",
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"355000541_60": "「そうだな。ならば、どうする?」",
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"355000541_61": "「私は……」",
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"355000541_62": "「私は、この身が砕かれようと、\\n それでもマスターを護り抜きます」",
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"355000541_63": "「それが、私の存在意義なのですから」",
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"355000541_64": "「…………」",
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"355000541_65": "「いや、死ぬことは許さん。\\n この先もオレに仕えてもらわねば困る」",
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"355000541_66": "「ですが……」",
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"355000541_67": "「そこでだ。\\n お前で、試してみたいことがある……」",
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"355000541_68": "「これには危険も伴うが……」",
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"355000541_69": "「1つ伺いますが――」",
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"355000541_70": "「それは、派手なものでしょうか?」",
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"355000541_71": "「ああ、とびきりにな」",
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"355000541_72": "「でしたら、断る理由はどこにもありません。\\n 私を使ってお試しください」"
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