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"402000312_0": "「どうですか?」",
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"402000312_1": "「そうだね……。\\n 特に問題があるようには思えないけど――」",
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"402000312_2": "「でも、わたしじゃ全然歯が立ちませんでした……」",
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"402000312_3": "「そりゃあたしにも意地があるしね」",
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"402000312_4": "「それより、いきなり稽古をつけてくれなんて、どうしたんだい?」",
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"402000312_5": "「こっちも身体を動かしたかったし、即OKしておいてなんだけど\\n よくよく考えたら、どうしてあたしなんだろうって思ってさ」",
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"402000312_6": "「前に、訓練で姉さんたち3人を相手にして、互角に戦っていた\\n 姿を見たんです。だから、そんなふうに強くなりたいって……」",
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"402000312_7": "「参ったね。でも、あっちは本気じゃなかっただろ。\\n デュオレリックの力もあったし、たまたまだよ」",
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"402000312_8": "「それでも、わたしじゃ姉さんたち3人と渡り合うなんて\\n できません……」",
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"402000312_9": "「だから、もっと強くなって戦えるようになりたいんです」",
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"402000312_10": "(……なんか、こっちの翼と再会した直後の、\\n 自分を思い出すね……)",
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"402000312_11": "「……焦りはよくないよ。\\n むやみやたらに力を求めたって、上手くいかないもんだ」",
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"402000312_12": "「……マムにも、姉さんにもそう言われます」",
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"402000312_13": "「でも、姉さんは同じアガートラームなのに、\\n あんなに強くて……」",
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"402000312_14": "「……1つ話をしようか。昔、バカな装者がいてさ、\\n 力が欲しくて、他人のギアを使おうとしたんだ」",
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"402000312_15": "「え……?」",
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"402000312_16": "「同じ聖遺物からできているギアだから、自分にも使える。\\n 同じ条件なら、自分も同じ力が出せるはずってね」",
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"402000312_17": "「…………」",
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"402000312_18": "(同じ聖遺物……。\\n わたしと姉さんのアガートラームじゃないとするなら――)",
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"402000312_19": "(立花さんと天羽さんのガングニール……?)",
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"402000312_20": "(それじゃ、これは天羽さん自身の――)",
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"402000312_21": "「……けれど、失敗した。\\n その装者は何より、本来の持ち主と比べて心が弱かった」",
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"402000312_22": "「弱い心では力の制御が追いつかなくて、破壊衝動に負けて暴走。\\n そこまで失敗して、やっと自分の弱さに気づけたのさ……」",
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"402000312_23": "「本当に足りなかったのは、ギアじゃない。\\n 自分の弱さを直視する勇気だったんだ」",
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"402000312_24": "「そのバカに比べたら、あんたは強いよ。\\n 弱さを自覚して、強くなろうとしている」",
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"402000312_25": "「それに、あんたは、あたしと違って時限式じゃない。\\n 才能も資質も、きっとあたし以上にいいものを持っている」",
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"402000312_26": "「だから大丈夫。焦って道を踏み外しちゃダメだ。\\n 身体以上に心を強くしていくことが大事なんだよ」",
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"402000312_27": "「心を、強くする……。\\n わかりました。ありがとうございますッ!」",
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"402000312_28": "「頑張れ。\\n あたしならいつでも訓練に付き合うからさ」"
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