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"201003711_0": "マリアのバースデー2017",
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"201003711_1": "「ああ、翼? わたしよ。\\n 先日の調査の件だけど、なにか進捗はあった?」",
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"201003711_2": "「いや、芳しくないな。\\n 緒川さんからも、今のところ特に目新しい報告もない」",
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"201003711_3": "「そう……まあ、こればかりは地道にやるしかないわね」",
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"201003711_4": "「ところで、次のステージだけど。段取りの話、今晩、\\n そっちかうちでできないかしら? 外でもいいけど……」",
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"201003711_5": "「今晩、だと? いやッ! それはダメだ、絶対にッ!」",
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"201003711_6": "「ど、どうしたのよ急に?」",
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"201003711_7": "「いっ、いや、なんでもない。とにかく、都合が悪いんだ。\\n 今日はまっすぐ家に帰ってくれ。た、頼むッ!」",
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"201003711_8": "「……なにか隠してる?」",
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"201003711_9": "「そ、そんなことはないぞ?\\n まあ、とにかくだ。久々に家でゆっくり休むといい」",
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"201003711_10": "「ちょっと翼? それ、どういう意味──」",
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"201003711_11": "「切れたわ。なんなのよ、いったい……」",
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"201003711_12": "「まっすぐ帰れだの、家でゆっくりしろだの。\\n 意味ありげに……」",
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"201003711_13": "「ああ、もうッ!\\n 気になって寄り道もできないじゃない」",
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"201003711_14": "「まったく、翼ったら……。\\n 今度あったら問い詰めてやるんだから」",
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"201003711_15": "(ん? なに……部屋の奥から、人の気配が……?)",
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"201003711_16": "(翼が来てる……わけじゃ、なさそうね)",
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"201003711_17": "(まさか、空き巣?)",
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"201003711_18": "(いえ、S.O.N.Gの用意したセーフハウスのセキュリティを、\\n 市井の空き巣風情が破れるはずはないわ)",
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"201003711_19": "(合鍵を持ってるのは、翼だけだし……)",
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"201003711_20": "(ならば、敵の侵入者──ッ?)",
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"201003711_21": "(とにかく、慎重に。\\n 中の様子を確かめないと──)",
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"201003711_22": "「──襲撃ッ!?」",
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"201003711_23": "「Seilien coffin airget-la──」",
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"201003711_24": "「わーわーわ! 待つデスよ、マリアッ!!」",
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"201003711_25": "「驚かしてごめんなさい」",
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"201003711_26": "「えっ……その声は……まさか……ッ!?」",
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"201003711_27": "「へへへ……久しぶりデス、マリア」",
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"201003711_28": "「もう、だから言ったのに、切ちゃん……。\\n ここ、日本じゃないんだから絶対勘違いするって……」",
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"201003711_29": "「調、切歌……なんで、あなたたちがここに?」",
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"201003711_30": "「へへへ。それは、デスね……」",
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"201003711_31": "「誕生日おめでとう、マリア」",
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"201003711_32": "「おめでとうデスッ!」",
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"201003711_33": "「えっ……あ、ああ……そうだったっけ」",
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"201003711_34": "「はい、これ」",
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"201003711_35": "「もらって欲しいデス……」",
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"201003711_36": "「なにかしら……? これは──ッ!?」",
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"201003711_37": "「マリア、ほとんどロンドンに行きっぱなしデスけど……。\\n 寂しくないデスかね……?」",
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"201003711_38": "「電話では元気な声、してるけど。\\n わたしだったらきっと、1人っきりは寂しい……。」",
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"201003711_39": "「わたしには、切ちゃんがすぐ傍にいるから、\\n まだ耐えられるけど……」",
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"201003711_40": "「デスよね……やっぱり、心配デス……」",
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"201003711_41": "「でも、どうしたらいいのかな……?」",
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"201003711_42": "「アタシにもわからないデスよ……」",
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"201003711_43": "「あ……そういえば。\\n そろそろ、マリアの誕生日じゃなかった?」",
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"201003711_44": "「そういえば、そうデスね。\\n けど、日本に帰ってくるとは、聞いてないデスね……」",
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"201003711_45": "「でも……。なにか、プレゼントくらいは、あげたいな……」",
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"201003711_46": "「そうだッ!\\n ならアタシたちの分身をプレゼントするデスよ」",
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"201003711_47": "「そうすれば、きっとマリアもロンドンで\\n 寂しくないデスッ!」",
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"201003711_48": "「分身って……?」",
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"201003711_49": "「それはデスね……ごにょごにょ……」",
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"201003711_50": "「切ちゃん。それ、ナイスアイディア」",
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"201003711_51": "「ん? なになに、どうしたの2人とも?」",
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"201003711_52": "「なぁに悪巧みしてんだ、お前ら?」",
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"201003711_53": "「あ、先輩たち……」",
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"201003711_54": "「その、実は、デスね……」",
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"201003711_55": "「へー、なるほどねー。\\n うん、確かにいいアイディアだと思うよ」",
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"201003711_56": "「ま……悪くねぇんじゃねぇか」",
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"201003711_57": "「へへ……そうデスかね?」",
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"201003711_58": "「よかった……」",
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"201003711_59": "「でも……だったらさ。2人が直接持っていってあげなよ。\\n その方が絶対、マリアさん喜ぶよ」",
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"201003711_60": "「えっ、でもわたしたち……」",
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"201003711_61": "「うん……まだ、保護観察下の身分デスし……」",
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"201003711_62": "「そんなん、上の許可がありゃいいんだろ。\\n おっさんになんとかして貰えよ」",
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"201003711_63": "「でも……きっと迷惑、かかっちゃうデス……」",
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"201003711_64": "「そんな水くさいこと言わないで。\\n わたしたち、仲間でしょ?」",
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"201003711_65": "「そういうこった。\\n こんな時くらい、先輩とか上司に頼らねぇでどうすんだ?」",
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"201003711_66": "「ありがとうございます……」",
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"201003711_67": "「ありがとうデスッ!」",
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"201003711_68": "「これは……あなたたちの……ぬいぐるみ?」",
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"201003711_69": "「アタシたちはずっとマリアと一緒にいるっていう証デス」",
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"201003711_70": "「うん……これなら、いつでもどこでも、一緒にいられるもの」",
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"201003711_71": "「苦労したんデスよ。調なんて、何度針で指を刺したことか」",
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"201003711_72": "「嘘。切ちゃんの方がぜんぜん多いよ」",
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"201003711_73": "「そうデスか? まあ作るの苦戦してたら、\\n みんなが手伝ってくれたんデスよ」",
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"201003711_74": "「少し、不格好になっちゃったけど……一生懸命作ったの」",
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"201003711_75": "「本当は、郵便で送ろうと思ったんデスけどね」",
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"201003711_76": "「でも……せっかくだから、直接渡して来なさいって、\\n みんなが言ってくれて……」",
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"201003711_77": "「そしたら、色々、手配してくれたんデスよ」",
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"201003711_78": "(もう……本当に、お節介で、お人好しな連中ばっかり……)",
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"201003711_79": "(でも、今日ほど感謝したことはないわ)",
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"201003711_80": "「どうしたの、マリア?」",
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"201003711_81": "「泣いてる……デスか……?」",
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"201003711_82": "「馬鹿ね……泣いてなんか、いないわよ」",
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"201003711_83": "「ありがとうね、2人とも……。\\n これは、人生で最高のプレゼントだわッ!」"
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