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{
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"206070311_0": "燃えよッ!カンフーマスター:後編",
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"206070311_1": "「はあッ!」",
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"206070311_2": "「くらいやがれッ!」",
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"206070311_3": "「く……ッ! やるなッ!」",
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"206070311_4": "「だが、まだまだ……」",
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"206070311_5": "「アタシを忘れてもらっちゃ困るデスッ!」",
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"206070311_6": "「なにッ!?」",
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"206070311_7": "「スキあり……デスッ!」",
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"206070311_8": "「修行を始めて3日……。\\n 俺に攻撃を当てるまでになるとは、本当に成長したな」",
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"206070311_9": "「特に奏はあちらの世界での務めも果たしながら良く耐えた」",
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"206070311_10": "「まあね」",
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"206070311_11": "「いつまでも負けたままでいられるかッ!」",
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"206070311_12": "「これも修行の成果デスッ!」",
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"206070311_13": "「ああ、その通りだ。\\n つらい修行だが良く頑張っている」",
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"206070311_14": "「よし……では、今日はここまでにするとしよう」",
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"206070311_15": "「はいデスッ! 明日も頑張るデスッ!」",
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"206070311_16": "「やっぱり司令の修行はすごいデスッ!\\n これでもう、どんな中国武術もどんと来いデスよ」",
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"206070311_17": "「ああ、そうだな。中国武術だったら……」",
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"206070311_18": "「ん? 中国武術……?」",
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"206070311_19": "「あれ? そういえば……、\\n あたしたち、どうして修行を始めたんだっけ?」",
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"206070311_20": "「え<speed=0.5>?</speed> ……<speed=1>あ</speed>……」",
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"206070311_21": "「あああああーッ!」",
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"206070311_22": "「すっかり忘れてたデス……、\\n アタシは、中国雑技団がやりたかったんデスよッ!」",
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"206070311_23": "「そういえば、そうだったね……。\\n 修行に必死になりすぎて目的を見失ってた……」",
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"206070311_24": "「バカみたいに頑張って体を鍛えて……、\\n この3日間は何だったんだッ!?」",
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"206070311_25": "「アタシがやりたかったのはこんな汗臭いのじゃなくて\\n もっとこう……、華麗なやつデースッ!」",
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"206070311_26": "「武器でジャグリングとか?」",
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"206070311_27": "「アクロバットで輪くぐりとかな」",
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"206070311_28": "「そうそう、そういうやつデスッ!」",
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"206070311_29": "「このままだと武術の達人になってしまうデス」",
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"206070311_30": "「こうなったら、\\n 自分たちでこっそり雑技の練習をするデスよッ!」",
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"206070311_31": "「あたしたちだけでやれるのか?\\n まあ、このまま進めるよりはマシか……」",
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"206070311_32": "「あたしも付き合うよ。\\n できるようになるまで、練習あるのみだッ!」",
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"206070311_33": "「まずはハシゴの上で逆立ちに挑戦デスッ!\\n や――ッ!」",
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"206070311_34": "「……あ、あれ?」",
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"206070311_35": "「あたしはジャグリングだッ!\\n よっと……」",
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"206070311_36": "「ん……?」",
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"206070311_37": "「アクロバットをやってみるか。\\n ちょっと怖いけど……はあッ!」",
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"206070311_38": "「お、おわ……ッ!」",
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"206070311_39": "「な、なんで……」",
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"206070311_40": "「一発で……」",
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"206070311_41": "「できんだ――ッ!?」",
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"206070311_42": "「アクロバットなんてやったことないぞ?」",
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"206070311_43": "「あたしもだ。\\n でも、結構ラクラクできちゃうんだけど……」",
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"206070311_44": "「これは、ひょっとして……」",
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"206070311_45": "「フ、本当はもっと修行をしてからと思っていたんだが……、\\n 気づかれてしまったか」",
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"206070311_46": "「おっさんッ!? 見てたのかよ。\\n ていうか、今のセリフ……」",
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"206070311_47": "「なるほど、そういうことか。ダンナも人が悪い」",
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"206070311_48": "「ああ、そういうことだ。つまり……」",
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"206070311_49": "「アタシたちは、天才だったんデスねッ!?」",
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"206070311_50": "「ん?」",
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"206070311_51": "「練習もせずに極めてしまうほどの才能……、\\n 自分でも恐ろしいデスッ!」",
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"206070311_52": "「司令が思わず秘密にしてしまったのも、\\n 仕方がないと言わざるを得ないデスね」",
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"206070311_53": "「い、いや……」",
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"206070311_54": "「……」",
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"206070311_55": "「あいたッ! な、なにするデスッ!?」",
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"206070311_56": "「こうでもしないと止まらないだろ、お前の勘違いは」",
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"206070311_57": "「え? 勘違い?」",
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"206070311_58": "「アハハ……ま、おとなしくダンナの説明を聞くとしようか」",
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"206070311_59": "「うむ、では改めて説明しよう。\\n お前たちが中国雑技ができたのはなぜなのか」",
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"206070311_60": "「それは、この3日間の修行の成果だッ!」",
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"206070311_61": "「なんデスとッ!?\\n で、でも、アタシたちがやってたのは武術の修行デス」",
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"206070311_62": "「ああ、もともとあの心象実験プログラムは\\n 武術を習得するために作ったものだ」",
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"206070311_63": "「だが、中国雑技にはもともと、武術をもとにした\\n 動きが非常に多い」",
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"206070311_64": "「そこで、雑技の習得に役立つよう少しプログラムを調整して、\\n 修行をしてもらっていたというわけだ」",
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"206070311_65": "「なるほどな。\\n それでいつの間にか雑技に必要な力がついてたってわけか」",
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"206070311_66": "「でも、それならそうと言ってくれれば\\n よかったじゃねえか」",
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"206070311_67": "「案外お前たちがノッていたからな。\\n いっそ最後まで言わない方が効率がいいと判断したんだ」",
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"206070311_68": "「危うく達人になってしまうところだったデスよ」",
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"206070311_69": "「ハッハッハ、雑技を習得できて、おまけに強くなれるんだ、\\n 一石二鳥だろう」",
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"206070311_70": "「確かにッ! 実際ダンナの思った通りになってたね」",
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"206070311_71": "「それじゃ、あたしたちはこのまま修行を続けたらいいのかい?」",
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"206070311_72": "「いや、もう基礎は十分できているようだ。\\n 明日からは雑技の修行に入ろう」",
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"206070311_73": "「ついにッ! 投げたり跳んだりできるんデスねッ!\\n ド派手な技を習得してやるデスッ!」",
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"206070311_74": "「ああ、戦いにも取り入れられるよう、\\n 武術と組み合わせた修行を用意してある」",
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"206070311_75": "「いよいよ心象変化も近そうだな。\\n どんなギアになるのか楽しみだッ!」",
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"206070311_76": "「な、なんでだよ……」",
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"206070311_77": "「雑技もかなりできるようになったのに……」",
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"206070311_78": "「なんで心象変化が起きないんデスかッ!?」",
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"206070311_79": "「熟練度は問題ないはずなのだが……」",
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"206070311_80": "「だとすると、心象に問題があるのかもしれませんね」",
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"206070311_81": "「中国雑技に必要な気持ち……ってなんだ?」",
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"206070311_82": "「さあ……。実際見たのも、この前の1回だけだしね」",
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"206070311_83": "「あの時は綺麗で迫力があって……、\\n それはもう感動したデスよッ!」",
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"206070311_84": "「そりゃ見る側の気持ちだろ?」",
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"206070311_85": "「見る側……。\\n 案外、肝心なのはそこなのかもしれないな」",
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"206070311_86": "「ん? どういうことだ?」",
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"206070311_87": "「だってさ、中国雑技ってのは人に見せるものだろ?\\n だから、観客がいなくちゃ気持ちはわからないんじゃないかな」",
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"206070311_88": "「なるほど、一理あるなッ!」",
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"206070311_89": "「でしたら、観客を呼んで、\\n 雑技を披露する場を設けるというのはどうでしょう」",
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"206070311_90": "「楽しそうデスッ! みんなに修行の成果を見せたいデスッ!」",
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"206070311_91": "「みんなって……あいつらに見せんのか?」",
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"206070311_92": "「いいじゃないか。せっかくここまできたんだから、\\n 心象変化を起こしたいだろ?」",
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"206070311_93": "「まあ、そりゃな……」",
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"206070311_94": "「決まりだな。では、さっそく招待するとしよう」",
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"206070311_95": "「あの、わたし、今日なんで呼ばれたのか\\n 聞いてないんですけど……何か知ってます?」",
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"206070311_96": "「いや……わたしも知らされていない。\\n 新たな任務の説明だろうか?」",
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"206070311_97": "「切ちゃんが見当たらない……」",
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"206070311_98": "「クリスもいないわね。呼ばれていないのかしら?」",
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"206070311_99": "「それなのに、なんでわたしは呼ばれているんでしょう……」",
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"206070311_100": "「レディースアンドジェントルメン、そして装者のみなさま、\\n 本日はお集まり頂きありがとうございます」",
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"206070311_101": "「エルフナイン?」",
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"206070311_102": "「な、なにが始まるのッ!?」",
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"206070311_103": "「S.O.N.G.雑技団による、華麗なる\\n 出し物をお楽しみください」",
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"206070311_104": "「それでは……イッツ・ショータイムッ!」",
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"206070311_105": "「ここは……中華街かッ!?」",
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"206070311_106": "「敵が現れたわよッ!」",
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"206070311_107": "「待って、誰か……出てきますッ!」",
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"206070311_108": "「はッ!」",
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"206070311_109": "「アチョー、デスッ!」",
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"206070311_110": "「たあ――ッ!」",
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"206070311_111": "「クリスちゃんたちッ!?」",
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"206070311_112": "「か、奏ッ!? どうして……」",
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"206070311_113": "「出し物って、戦闘のデモンストレーションということかしら」",
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"206070311_114": "「でも……いつもと動きが全然違う」",
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"206070311_115": "「雑技団って言ってたし……そういうこと?」",
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"206070311_116": "「いいぞ、お前たちッ! だが、もっとだッ!\\n 観客を意識して技を出すんだッ!」",
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"206070311_117": "「了解デスッ!\\n もっと……華麗にッ!!」",
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"206070311_118": "「もっと、速くッ!!」",
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"206070311_119": "「もっと、大迫力で――ッ!!」",
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"206070311_120": "「すごいッ! 3人とも、戦ってるのにすごく綺麗……」",
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"206070311_121": "「見てッ、ギアが……ッ!」",
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"206070311_122": "「……ついに、変化したデスよッ!」",
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"206070311_123": "「やったなッ! 残りの敵は、このまま倒すぞッ!」",
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"206070311_124": "「ああ。このギアなら、もっとすごい動きができそうだッ!」",
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"206070311_125": "「はああああああ――ッ!」",
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"206070311_126": "「みなさん、心象変化の成功おめでとうございます」",
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"206070311_127": "「ありがとうデースッ!\\n チャイナ型ギアでの活躍はどうだったデスかッ!?」",
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"206070311_128": "「うん。かっこよかったよ、切ちゃん」",
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"206070311_129": "「チャイナ型ギアなんですねッ! いいなー」",
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"206070311_130": "「ああ、体が軽いし、バランス感覚もよくなるみたいだな」",
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"206070311_131": "「まさか奏まで参加していたなんて……」",
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"206070311_132": "「まあ、成り行きでね。黙っててわるかったよ」",
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"206070311_133": "「それにしても、どんな敵でも、\\n このギアなら華麗に倒せそうだよ」",
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"206070311_134": "「あの、そのことなんですが……」",
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"206070311_135": "「ん? どうしたんだ?」",
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"206070311_136": "「先ほどのショーの時、ギアの出力を測定していたんです」",
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"206070311_137": "「機動力やバランス能力、動体視力などの各種能力は\\n すべて上昇していました」",
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"206070311_138": "「しかし、攻撃力はむしろ下がってしまったようで、\\n このままだと実戦への導入は……」",
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"206070311_139": "「できないってのかッ!?」",
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"206070311_140": "「見せることに重きを置いた心象変化ですから、\\n 攻撃面はおざなりになってしまったのかもしれませんね」",
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"206070311_141": "「せっかく習得したのに……」",
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"206070311_142": "「戦うだけでもダメ、見せるだけでもダメなんて、\\n わがままなギアデスッ!」",
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"206070311_143": "「なに、悲観することはない」",
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"206070311_144": "「なかなかバランスの難しいギアのようだが、\\n さらなる修行で出力を上げることができるはずだ」",
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"206070311_145": "「どう修行したらいいか、ダンナにはアテがあるのかい?」",
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"206070311_146": "「もちろんだ。\\n ただし、お前たちにやる気があれば……だが」",
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"206070311_147": "「もちろん、やる気マンマンデスッ!」",
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"206070311_148": "「ああ、実戦で使えないままじゃ終われないなッ!」",
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"206070311_149": "「頼むよ、ダンナッ!」",
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"206070311_150": "「その意気だ。では、チャイナ型ギアのパワーアップに向けて、\\n 引き続き修行を行うッ!」",
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"206070311_151": "「はいッ!」「はいデスッ!」「はいッ!」"
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