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"356000421_0": "「並行世界が、無くなったほうがいいって……」",
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"356000421_1": "「言っただろ、アタシの生まれた世界は、\\n 戦争が延々と続く、地獄みたいな場所だったって」",
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"356000421_2": "「……」",
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"356000421_3": "「想像できないか? そうだよなッ!\\n いいぜ、だりーけど語ってやるよ……ッ!」",
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"356000421_4": "「物心ついたときには、親は野垂れ死んでた。\\n アタシは生きるために、盗みでも騙しでも、なんでもやったぜ」",
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"356000421_5": "「だけど、いつも1人だった。当たり前だよな、生きるか死ぬかの\\n 瀬戸際で、他人の心配なんてしてる余裕はねーんだッ!」",
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"356000421_6": "(独りきり……昔のわたしみたいに。\\n だけどきっと、フォルテの方がずっと苦しい状況で……)",
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"356000421_7": "「だけどな、そんなアタシにも手を差し伸べてくれるやつがいた。\\n そいつは、孤児を匿って、小せーコミュニティを作ってたんだ」",
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"356000421_8": "「最初はアタシも警戒心バリバリだったけどな、\\n みんなで協力して生きてるうちに、変わっていった」",
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"356000421_9": "「それまで家族ってもんを知らなかったアタシだけど、\\n ひょっとしたら、これが家族なんじゃねーかってな」",
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"356000421_10": "(家族……それって……)",
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"356000421_11": "「ハッ、アタシも馬鹿だよな。\\n ここまで聞いたら、大体オチは予想ついてるんだろ?」",
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"356000421_12": "「…………」",
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"356000421_13": "「何を神妙な顔をしてんだよ。\\n ここからがクライマックスだぜッ!」",
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"356000421_14": "「アタシが親と慕ったそいつの正体は、\\n 人身売買の仲介者だった」",
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"356000421_15": "「そいつは子供を売って金と安全を手に入れる。\\n アタシたちは、家畜として育てられてただけだったんだッ!」",
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"356000421_16": "「いざ薬を飲まされて仲間と一緒に『出荷』って時に\\n 敵国の襲撃があって、みーんな死んじまった」",
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"356000421_17": "「晴れて独りぼっちに戻ったアタシの前に現れたのが、\\n スターリットだったってわけだぜ」",
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"356000421_18": "「そんなの……」",
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"356000421_19": "「勘違いすんなよ?\\n 別にアタシは、アタシを売ったやつを恨んだりしてねー」",
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"356000421_20": "「悪いのは、この世界だ……ッ!」",
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"356000421_21": "「今思えば、アタシの世界はもともと星命力の減少が\\n 進んでたんだろーな。資源も生命も、減っていく一方……」",
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"356000421_22": "「足りないから、奪い合い、殺し合う。\\n 小さいときに何度も見た、戦争の仕組みだ」",
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"356000421_23": "「ブリッツァーになって、いろんな並行世界を見て、\\n よくわかったぜ」",
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"356000421_24": "「程度の差こそあれ、星命力がだんだんと減っている\\n 全ての並行世界は、同じく滅びに向かってる」",
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"356000421_25": "「だから、理想郷を作ろうと……?」",
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"356000421_26": "「その通りだッ!」",
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"356000421_27": "「奪い合うことも、殺し合うこともない。\\n 誰もが幸せな、まさに理想郷――」",
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"356000421_28": "「悲しみしか生まない今ある並行世界を全部ぶっ壊して、\\n それを作り上げるッ!」",
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"356000421_29": "「どうだ?\\n てめーもこの素晴らしさがわかっただろッ!」",
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"356000421_30": "「…………フォルテの目的はわかった」",
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"356000421_31": "「でも、本当にそれが、フォルテのやりたいことなの?\\n あなたは――」",
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"356000421_32": "「うっぜーな――」",
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"356000421_33": "「ここまで聞いてもなお、\\n グダグダ言おうってーなら――」",
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"356000421_34": "「今度こそボコして目を覚まさせてやるぜッ!」"
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