xdutranslations/Missions/2010214/201021411_translations_jpn.json
2021-02-15 14:14:05 +01:00

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{
"201021411_0": "不器用な笑顔",
"201021411_1": "「やっと任務から解放されたな……」",
"201021411_2": "「お疲れさまでした、マスター。\\n 今日はもうお休みになられてはいかがですか」",
"201021411_3": "「いや、前に手を付けて放置したままの研究を片付ける。\\n 中途半端で気になっていたんだ」",
"201021411_4": "「ですが、最近は任務や研究で\\n 充分な休息が取れていないように思います」",
"201021411_5": "「問題ない。\\n この程度で倒れるほどヤワではないからな」",
"201021411_6": "「マスターがそうおっしゃるなら……」",
"201021411_7": "「はあ……」",
"201021411_8": "「まったく、マスターはどうしてそうなんですかね。\\n 少し休めばいいだけですのに」",
"201021411_9": "「派手に同意だ」",
"201021411_10": "「マスターは大丈夫なのカ?」",
"201021411_11": "「ご自身の体調のことですからね。\\n マスターが問題ないとおっしゃるなら……」",
"201021411_12": "「だが、やはり地味に気になるな。\\n 本当はしっかりと休んでほしいところだ」",
"201021411_13": "「だったら、マスターの代わりにあたしたちが\\n 任務に行けばいいんだゾ」",
"201021411_14": "「残念ながら、マスターに依頼される任務は\\n マスターにしか果たせないものが多いのですわ」",
"201021411_15": "「そっか……、\\n 役に立てると思ったのに残念だゾ」",
"201021411_16": "「悩んでいるようだね、彼女のことで。\\n 乗るよ、相談に、僕でよければ」",
"201021411_17": "「いつの間にそこに……?\\n 相変わらず脈絡なく現れるお方ですわ」",
"201021411_18": "「あなたに話しても意味ないと思うんですけどね」",
"201021411_19": "「マスターが休んでくれなくて困ってるんだゾ」",
"201021411_20": "「そもそも、マスターが派手に忙しいのは、\\n 錬金術師協会が仕事を増やしているからなのでは」",
"201021411_21": "「突かれたね、痛いところを。\\n だが少ないんだ、彼女の他に仕事を任せられる者が」",
"201021411_22": "「そんな都合のいいことを言って、あたしは騙されませんよ。\\n あなたの権限でどうにかできるでしょうに」",
"201021411_23": "「しかし任せてしまってるんだ、すでに多くの仕事を」",
"201021411_24": "「彼女は休まないだろうね、今さら休めと言っても。\\n だから癒やしてあげてくれないか、せめて君たちが」",
"201021411_25": "「癒やし、ですか?」",
"201021411_26": "「知っているかな、君たちは。\\n 笑顔が癒やしになることを」",
"201021411_27": "「証明されているんだ、学術的にも。\\n 心を癒やす効果があるんだよ、笑顔になれば」",
"201021411_28": "「つまり、マスターを笑顔にすることができたら\\n マスターは癒やされるはずだと」",
"201021411_29": "「確かにそれでマスターを癒やすことができるなら、\\n 試してみる価値はありそうですわね」",
"201021411_30": "「マスターを笑わせればいいのカ。\\n だったら、みんなでやってみるゾッ」",
"201021411_31": "「えッ、みんなでってどうするつもりなのよ」",
"201021411_32": "「これは地味に難しそうだな」",
"201021411_33": "「フフッ。祈るよ、健闘を」",
"201021411_34": "「くッ、この手順でもダメか。\\n ここの割合を変えてみるか……」",
"201021411_35": "「マスター、マスターッ!」",
"201021411_36": "「やかましい、用なら後に……、\\n なんだ、揃いも揃ってどうしたんだ」",
"201021411_37": "「それがですね……」",
"201021411_38": "「マスターに見ててほしいんだゾッ!",
"201021411_39": " いないいない~ばあッ!!」",
"201021411_40": "「……」",
"201021411_41": "「この顔はダメみたいだゾ……、",
"201021411_42": " それなら、いないいない~ばあッ!!」",
"201021411_43": "「……一体それはなんのつもりだ?」",
"201021411_44": "「変顔ってやつだゾッ!\\n マスター、面白いカ」",
"201021411_45": "「……今は研究中だ。\\n お前の遊び相手をしてやる暇は無い」",
"201021411_46": "「うう、ダメだったゾ……」",
"201021411_47": "「では僭越ながら、続いては私が……」",
"201021411_48": "「はあああッ! たあああッ! とおおおッ!」",
"201021411_49": "「おお、扇子から水が出てきたゾッ!」",
"201021411_50": "「――どういうつもりだ?」",
"201021411_51": "「これは伝統的な芸で、扇子に仕込んだ仕掛けで\\n 水を出すという――」",
"201021411_52": "「説明しろと言っているわけじゃない。\\n オレはこの状況について聞いているんだッ」",
"201021411_53": "「先に、私の芸を派手に見てもらいましょう。\\n この手にあるコインを瞬間移動して――」",
"201021411_54": "「問答無用で続けようとするなッ!」",
"201021411_55": "「もういいッ!\\n お前たち、オレの邪魔をしに来たんなら全員出ていけッ」",
"201021411_56": "「マスター……」",
"201021411_57": "「だから言ったじゃないですか。\\n マスターはそんなことでは笑わないって」",
"201021411_58": "「でも……」",
"201021411_59": "「オレが笑う? どういうことだ?」",
"201021411_60": "「実は、マスターが最近お疲れのようなので\\n 疲れを癒やしてもらおうとあれこれ考えてたんですよ」",
"201021411_61": "「それがどうしてこんな結果になるんだ?」",
"201021411_62": "「笑顔になれば心が癒やされるって\\n 聞いたんだゾ……」",
"201021411_63": "(そうか、だからオレを笑わせようと……)",
"201021411_64": "「他の方法を考えて出直してくるゾ……」",
"201021411_65": "「……」",
"201021411_66": "「あらあら、あんなにがっかりしちゃって……、\\n 一生懸命考えてきたんですけどね」",
"201021411_67": "「どうするんですか、マスター。\\n 笑顔のつくらい、安いものだと思うんですけどねー」",
"201021411_68": "「うるさい」",
"201021411_69": "「なんでしたら、ガリィちゃんがお手本を\\n お見せしてもいいんですよ」",
"201021411_70": "「お前の気味の悪い笑顔なんぞが手本になるか」",
"201021411_71": "「……まったく。オレが笑えば、気が済むんだな?」",
"201021411_72": "「ほら、これで満足か?」",
"201021411_73": "「そ、それは……」",
"201021411_74": "「かなり硬いような気がするが、地味にこれでいいのか?」",
"201021411_75": "「マスターってば、もっとこうですよ、こう」",
"201021411_76": "「くッ……こうか?」",
"201021411_77": "「まだまだ硬いですよ。\\n たかが笑顔がそんなに難しいですかね」",
"201021411_78": "「なんだと、お前――」",
"201021411_79": "「ほらほら、すぐにムッとしない。\\n 笑顔、笑顔……ですよ」",
"201021411_80": "「くそッ……やはり、オレには――」",
"201021411_81": "「わあッ! マスターが笑ってくれたゾッ!\\n ほら、すごい笑顔だゾッ」",
"201021411_82": "「ガリィちゃん的にはまだ硬い気もしますけど、\\n ミカ的にはオッケーみたいですよ。よかったですね」",
"201021411_83": "「お前……後で覚えてろよ……」",
"201021411_84": "(……まったく、この顔を維持するのは難しいんだがな)",
"201021411_85": "「笑顔で疲れは取れたカ?」",
"201021411_86": "「さあ、どうだろうな。\\n 少しは気分転換になったかもしれないが……」",
"201021411_87": "「だったら、もっともっと笑えばいいゾッ!\\n 何したら、笑顔になってくれるんだ」",
"201021411_88": "「そんなことわかるか。\\n お前たちの好きにしてくれ」",
"201021411_89": "「そうなのカ?\\n じゃあ、これからも好きにマスターを元気づけるゾッ」",
"201021411_90": "(そういう意味ではないんだがな……)",
"201021411_91": "「あいつも笑顔にできてよかったですねー」",
"201021411_92": "「オレがお前たちを笑わせてどうする。\\n これでは本末転倒だろうに」",
"201021411_93": "「まあ、そこはご愛嬌ですよ、ご愛嬌」",
"201021411_94": "「まったく……」",
"201021411_95": "(しかし、コイツたちに心配されるとはな……)",
"201021411_96": "(少し根を詰めすぎたかもしれない……、",
"201021411_97": " それに気づかせてくれたことには感謝してやるか)",
"201021411_98": "「おやおや、マスター。今笑いませんでした?」",
"201021411_99": "「……気のせいだ」"
}