{ "390000121_0": "数日前――", "390000121_1": "「マスター、敵はすべて片付きましたわ」", "390000121_2": "「ああ、確認した。\\n ご苦労だったな」", "390000121_3": "「しかし、今回も今回とて、\\n 完ッ全なあの男の私用で動かされた気がしないでもない……」", "390000121_4": "「それだけマスターへの信頼が高いということでは?」", "390000121_5": "「……物は言いようだな」", "390000121_6": "「マスター、電話だゾッ!」", "390000121_7": "「いつから持ってたのよ、それッ!?」", "390000121_8": "「気付いたら持ってたんだゾッ!」", "390000121_9": "「相変わらず、神出鬼没な黒電話ですわね……」", "390000121_10": "「……」", "390000121_11": "「マスター、出たくないって顔に書いてありますよぉ?", "390000121_12": " 仮にも、上司に対してその態度はどうなんでしょう?」", "390000121_13": "「お前がそれを言うのか……」", "390000121_14": "「しかし、出ないことで\\n 今以上に面倒なことになるのはごめんだからな」", "390000121_15": "「なんの用だ?\\n 任務なら片付いたぞ」", "390000121_16": "「知っているとも、それは」", "390000121_17": "「頼もうと思ってね、次の任務を」", "390000121_18": "「こ――こんな辺境の地まで来させておいて、\\n もう次だとッ!?」", "390000121_19": "「手駒なら他にもいるだろう?」", "390000121_20": "「サンジェルマンたちのことかな。\\n 忙しくてね、彼女たちも」", "390000121_21": "「別件で動いているんだ、今は。\\n だから頼んでいるのだよ、キミに」", "390000121_22": "「相変わらず、派手に勝手な。\\n マスターとて疲れないわけではないのだが?」", "390000121_23": "「ガリィちゃんも疲れましたぁ。\\n ニューイヤーも目前ですし、お休みがほしいところですねぇ」", "390000121_24": "「あたしはまだ戦えるゾッ!」", "390000121_25": "「お前は黙ってろッ!」", "390000121_26": "(……オレはともかく、確かにこいつらにも無理をさせている。\\n メンテナンスをする必要はあるか……)", "390000121_27": "「とにかく、少しくらい時間を――」", "390000121_28": "「そうは言っても――」", "390000121_29": "「来てしまったんだ、既にね」", "390000121_30": "「……神出鬼没なのが、\\n 黒電話だけではないことを忘れていましたわ」", "390000121_31": "「結局、こいつのペースか……」", "390000121_32": "「準備はいいかい、キミたち。\\n なめていると怪我をするよ、肩慣らしとは言えどね」", "390000121_33": "「は?\\n 肩慣らしって……」", "390000121_34": "「それに、改めて見てみたいと思っていたところだったんだ、\\n キミたちの実力もね」", "390000121_35": "「なるほど、わかりやすい。\\n 戦闘機能のチェックといったところか」", "390000121_36": "「暴れる準備ならできてるゾッ!」", "390000121_37": "(……?\\n なんだ、今のは……)", "390000121_38": "「フ……\\n さぁ、お相手はこの僕が手ずからしようじゃないかッ!」" }