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"337000821_0": "「友達ッ!? 拳に救われたッ!!?\\n そんな世迷言が、竜姫生存の根拠たりえるはずが――」",
"337000821_1": "「事象に一々の根拠を求めるとは、\\n 今もって君は、青春のど真ん中かね?」",
"337000821_2": "「――通信ッ!? 双方のチャンネルに?」",
"337000821_3": "「何者だッ!」",
"337000821_4": "「僕である。\\n 危地に赴く趣味はないから、遠くから失礼するよ」",
"337000821_5": "「だ、代行ウウゥゥオオオオッ!?!?」",
"337000821_6": "「ぬふふ、君たちがどんな顔して驚いているのか、\\n 手に取るようにわかるから、生きているって素晴らしい」",
"337000821_7": "「生きているだと……\\n わたしは間違いなくこの手にかけたはず――」",
"337000821_8": "「……もしも君が、\\n 僕をモブ顔と侮らなければ仕留められたのかもしれない」",
"337000821_9": "「それでも君は、僕の挑発に乗ってしまい、\\n のべつまくなしの闇雲撃ちにて仕事を切り上げてしまった」",
"337000821_10": "「だが、確かに命中させて――」",
"337000821_11": "「言っただろう。\\n 僕には――、危地に赴く趣味はない」",
"337000821_12": "「――ッ!?」",
"337000821_13": "「二課本部のデータバンク深奥をハックするという事は、\\n 謎多き昏い淵を覗くに等しい行為だ」",
"337000821_14": "「想定容易な『もしも』に備え、スーツの下に――\\n 対刃、防弾、ABCベストを着込んでいてもおかしくあるまい」",
"337000821_15": "「――あとは……」",
"337000821_16": "「あとはッ!?」",
"337000821_17": "「こう見えて僕は、カラダを鍛えるのが密やかな楽しみでね。\\n ――ミンナニ ナイショダヨ」",
"337000821_18": "「――貴様……、貴様は、いったい……ッ!?」",
"337000821_19": "「特異災害対策機動部二課、司令(代行)――凪景義。\\n 覚えておく価値があるッ!!」",
"337000821_20": "「そう……\\n あたしたちは――」",
"337000821_21": "「崩れた二課本部に生き埋めにされながらも生き延びていた、\\n 代行や職員、エージェントたちに助けてもらったんだよ……」",
"337000821_22": "「足元がッ!?」",
"337000821_23": "「きゃあああああああああああッ!」",
"337000821_24": "「崩れて開いた地面の穴に落ちたおかげで、\\n 降り注ぐ落下物からのダメージを最小限に抑えられた」",
"337000821_25": "「その後、壊れたブレスが発する救援信号を辿って、\\n 駆けつけてきた代行たちに救助されたわたしたちは――」",
"337000821_26": "「最小限の人員と時間と設備とパーツで、\\n 最大限にメックヴァラヌスを修理してもらいました」",
"337000821_27": "「まあ、あんまり期待しないでね。\\n かろうじて動けるくらいなんだよ?」",
"337000821_28": "「でも――動けるなら……\\n まだあたしたちにも、できることがあるはずだからッ!」",
"337000821_29": "「仰陽館女学院の生徒たちを、\\n 生贄と所望する邪竜の退治――」",
"337000821_30": "「別にスサノオを気取るわけじゃないが、\\n そういうの、やってやれないあたしらじゃない」",
"337000821_31": "「――今こそ、装者と竜姫の力を合わせるんだッ!」"
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