{ "329000622_0": "「はああ――ッ!!」", "329000622_1": "「くう――ッ!? なんと恐るべき剣風かッ!」", "329000622_2": "「だが、無茶だッ!\\n それ以上の負荷をかければ、己の身が砕けるぞッ!?」", "329000622_3": "「マスターのためならば、\\n たとえこの身が砕け散ろうと本望――」", "329000622_4": "「と言いたいところですが、この身体は大切な使命を帯びた身体、\\n ここで失うわけにはいきませんわ」", "329000622_5": "「ですから、その前にケリを付けさせていただきます」", "329000622_6": "(奴のソードブレイカーと再び打ち合えば、\\n 天羽々斬は破壊されてしまう……)", "329000622_7": "(とはいえ、一度は倒した相手、\\n 負けるわけにはいかないッ!)", "329000622_8": "「いつまで寝ているッ! 派手に起きろッ!」", "329000622_9": "「あのデカブツ、くたばってなかったのかッ!?」", "329000622_10": "「なッ!? その船、一体どうするつもりだッ!」", "329000622_11": "「無論、派手に投げるのさッ!」", "329000622_12": "「冗談よせってッ!\\n あんなの食らったら――ッ!」", "329000622_13": "「派手に隙だらけだッ!」", "329000622_14": "「チィッ!? 土埃の中からッ!」", "329000622_15": "「派手な動きに到底目が追いつくまいッ!」", "329000622_16": "「クソッ、確かにこれじゃ目も手も足りねえッ!」", "329000622_17": "(って、泣き言言っても始まらないか。\\n そいつは他も同じだ)", "329000622_18": "(ましてや、お荷物かかえたあいつのところに\\n こいつらを行かせるわけにはッ!)", "329000622_19": "「はああ――ッ!!」", "329000622_20": "「はあ、はあ、はあ……」", "329000622_21": "(この呪いの刃、一太刀一太刀が、すっごく重い……)", "329000622_22": "(これ以上、受け続けるのは流石に厳しい……)", "329000622_23": "(だけど、ここで退いたらキャロルちゃんがッ!)", "329000622_24": "「おい、お前」", "329000622_25": "「えッ!? どうしたの?」", "329000622_26": "「オレに構うな」", "329000622_27": "「そんなことできないよッ!」", "329000622_28": "「何故だッ!\\n オレとお前はこれまで面識もなかったと言っただろうッ!」", "329000622_29": "「同情の類で助けようとしているのなら虫唾が走るッ!」", "329000622_30": "「そんなんじゃないッ! そんなんじゃないよ……、\\n わたしはただ、諦めたくないんだ」", "329000622_31": "「……諦めたくないだと?」", "329000622_32": "「うん、人と人とが、わかり合うことを……」", "329000622_33": "「まさか、それがお前の命題、なのか……?」", "329000622_34": "「命題……?」", "329000622_35": "「ううん、そんな立派なものじゃないよ。\\n でも、この拳はそのためのモノだから」", "329000622_36": "「……んだ。\\n 人と人が……には……だと思…から」", "329000622_37": "「ぐッ……なん、だ……?」", "329000622_38": "(今のは、パパの、記憶――?)", "329000622_39": "「キャロルちゃんッ!」", "329000622_40": "「バ、馬鹿がッ、よそ見をするな――ッ!」", "329000622_41": "「――ッ!? しまったッ!!」", "329000622_42": "「この力は――?」", "329000622_43": "「錬金術の結界、だと?」", "329000622_44": "「相変わらず愚直にも程があるぞ、立花響」", "329000622_45": "「だが……それを含めて、全きお前の姿なのだろうがな」", "329000622_46": "「サンジェルマンさんッ!」", "329000622_47": "「ほーんと、危なっかしくて見てられないんだから」", "329000622_48": "「お前らッ!?」", "329000622_49": "「協会の狗がッ! 派手に邪魔をしてくれるッ!」", "329000622_50": "「1対1でファラごときに手こずるなんて、\\n 大した腕じゃないワケダ」", "329000622_51": "「フッ、手こずった覚えなどないがな」", "329000622_52": "「これで2対1、というわけですわね……」", "329000622_53": "「……なるほど。\\n 形勢はあちらに傾いたというわけですね」", "329000622_54": "「ならば、今日の所は退くとしましょう」", "329000622_55": "「ファラッ! レイアッ!」", "329000622_56": "「はッ! 承知しております」", "329000622_57": "「この場は我々に任せて、お退きください」", "329000622_58": "「いや、いい。ここでお前たちを失うわけにはいかない。\\n 一緒に退きなさい」", "329000622_59": "「……マスターがそう仰るなら」", "329000622_60": "「また会いましょう、装者たち」", "329000622_61": "「それまで、キャロルの身は預けるとしましょう」", "329000622_62": "「待て、ノエルッ!」", "329000622_63": "「オートスコアラーたちも――」", "329000622_64": "「ああ。ご丁寧に倒れていた2機も回収していったというワケダ」" }