{ "309000631_0": "「今日のターゲットはこのビルだね。\\n 怪盗も馴染んできたし、またひとつ聖遺物を返してもらおう」", "309000631_1": "「ええ……でも、この格好……。\\n 大丈夫かしら……」", "309000631_2": "「大丈夫だよ、マリア姉さん、すごく可愛いから」", "309000631_3": "「そういうことじゃないの……ッ!\\n いつの間にか慣れてしまってたけど……」", "309000631_4": "「うん。姉さん、可愛い」", "309000631_5": "「で、でも……ほら、年齢相応ってあるでしょ……ッ!」", "309000631_6": "「かっこいいって言われてたから、\\n そっち方面でも大丈夫だよ」", "309000631_7": "「くぅ……そうかしら……」", "309000631_8": "「それじゃあ、さっそく潜入――」", "309000631_9": "「――やけに静かじゃない。\\n セレナ、予告状は出したんでしょう?」", "309000631_10": "「うん、いつもの通りにちゃんと出したよ」", "309000631_11": "「この気配、沢山の警察が張っているとは到底思えない……。\\n かといってアルカ・ノイズが出たような騒ぎもない」", "309000631_12": "「そういえば……なんだろう?」", "309000631_13": "「なんだか胸騒ぎがするわ。\\n 普段以上に慎重にいったほうがいい」", "309000631_14": "「あの警部さん、来てないのかな?」", "309000631_15": "「そんなはずはない。予告状を出しているのに、\\n 警察が来ないなんてありえないわ」", "309000631_16": "「またビルに罠があるのかもしれないね」", "309000631_17": "「……ともかく、潜入しましょう」", "309000631_18": "「うんッ!」", "309000631_19": "「警備は?」", "309000631_20": "「……いない。いけるわ」", "309000631_21": "「赤外線トラップも……ない。\\n ロックを破れば反応するタイプの警報ぐらいはあったけど」", "309000631_22": "「それは簡単に無力化できるしね。\\n 隔壁も降りてこないし、なんでこんなに妨害が無いんだろう?」", "309000631_23": "「セレナ、わたしが先行するわ」", "309000631_24": "「うん、気をつけて」", "309000631_25": "「これは……」", "309000631_26": "「ビルの中がめちゃくちゃに壊されてる」", "309000631_27": "「まるで獣でも暴れたような痕ね……」", "309000631_28": "「他の何者かが警察と交戦した可能性も考えられるけど、\\n とても人間がやったものとは思えない」", "309000631_29": "「じゃあ」", "309000631_30": "「一体、何が」", "309000631_31": "「ここにターゲットが――えッ!」", "309000631_32": "「まさか、ネフィリムッ!?」", "309000631_33": "「ちょっと姿は違うけど……倒したはずなのに……ッ!」", "309000631_34": "「なぜ、ネフィリムがッ!?」", "309000631_35": "「ここでは戦いにくいッ! 一旦外へ」", "309000631_36": "「うん」", "309000631_37": "「襲ってくる――ッ!\\n セレナッ! いけるわね?」", "309000631_38": "「う、うん。わかった」" }