{ "325000522_0": "「とりゃあ――ッ!」", "325000522_1": "「あの子、よくこの身体で動けていたわね。\\n 実際になってみて、動きが鈍かった理由がわかったわ」", "325000522_2": "(できれば慣れるまで、練習させてあげたいところだけど、\\n そうも言ってられないね)", "325000522_3": "(こ、このまま押し切る)", "325000522_4": "「あたしらの中からあいつらの声がッ!?」", "325000522_5": "「力を貸すとは、こういうことだったんですね……」", "325000522_6": "(だが、今の我々の力では、君たちを戦場に送ることしかできない)", "325000522_7": "(つまり、戦うのはお前たちってことだ)", "325000522_8": "「今はそれで十分だッ!」", "325000522_9": "「ああ、身体は慣れずともできることはあるッ!」", "325000522_10": "「怪獣を羽交い締めにしたッ!?」", "325000522_11": "「こいつらの動きはあたしらが止める。\\n トドメはお前が決めろッ!」", "325000522_12": "「で、でも、ビームはその怪獣に効かないし……」", "325000522_13": "「その両手にあるものはなんだッ!」", "325000522_14": "「……ッ!?」", "325000522_15": "「そうだ、そいつを全力でぶち込めッ!」", "325000522_16": "「わたしたちを信じてッ!」", "325000522_17": "「わたしに残された、わたしだけの武器……ッ!」", "325000522_18": "(行くんだ響! 君の力で敵を打ち抜け!)", "325000522_19": "「はいッ!」", "325000522_20": "「はぁぁぁぁ――ッ!」", "325000522_21": "「はあ、はあ……倒せた……」", "325000522_22": "「よくやったぞ」", "325000522_23": "「ハハ、もうクタクタです……」", "325000522_24": "「こんなところで倒れるんじゃないぞ。\\n 寝るんなら、ふらわーに戻ってからだ」", "325000522_25": "「そうね、この身体で寝転がったら――」", "325000522_26": "「はッ!?」", "325000522_27": "「どうしたんだ、急にしゃがみこんで。\\n 怪我でもしたのか?」", "325000522_28": "「い、いえその、戦っているときは気にならなかったけど、\\n 冷静に考えると、この状態って……」", "325000522_29": "「どういうことだ?」", "325000522_30": "「ステージ用の衣装ならまだしも、ギアを纏った状態で\\n ローアングルから人に見られると思ったら……」", "325000522_31": "「……なッ!?」", "325000522_32": "「あれ、クリスちゃんまでしゃがんじゃった」", "325000522_33": "「そこまで恥ずかしいものか?」", "325000522_34": "「わたしも別に恥ずかしがることじゃないと思うけどなぁ……」", "325000522_35": "「ヤバイだろこの状況ッ!\\n あたしらの巨大化が一般人に見られてるってことだろッ!?」", "325000522_36": "「は、早く、元に戻してッ!」", "325000522_37": "(おもしれえから、しばらくこのままにしとくか?)", "325000522_38": "(意地悪だねえ、ボラーは)", "325000522_39": "(お、終わったなら早く戻してやろう)", "325000522_40": "(ああ、とにかく、うまくいってよかった)" }